JPH10226924A - 分解性モノフィラメント及びその製造方法 - Google Patents

分解性モノフィラメント及びその製造方法

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JPH10226924A
JPH10226924A JP9332682A JP33268297A JPH10226924A JP H10226924 A JPH10226924 A JP H10226924A JP 9332682 A JP9332682 A JP 9332682A JP 33268297 A JP33268297 A JP 33268297A JP H10226924 A JPH10226924 A JP H10226924A
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法正 篠田
Masanobu Ajioka
正伸 味岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、優れた機械的強度及び柔軟性と適
度の加水分解性を有し、かつ結紮安定性の高い、外科用
吸収性縫合糸等の資材として適する分解性モノフィラメ
ントを提供することを課題とする。 【解決手段】 分解性の共重合体からなるモノフィラメ
ントであって、モノフィラメントの内部構造が、(a)
引張ヤング率が2GPa以下を示し、かつ、37℃、p
H7.3の水中2週間後の強度保持率が50%以上であ
る重合体セグメントを主成分とするマトリックス相と、
(b)少なくとも200MPa以上の引張強度を示し、
かつ、37℃、pH7.3の水中での強度低下がマトリ
ックス相よりも速い重合体セグメントを主成分とする微
小な分散相とに分離した構造であり、マトリックス相と
分散相のそれぞれの成分の重量比が50:50〜95:
5であり、かつ、分散相が繊維方向に引き延ばされ配向
した針状構造を含有することを特徴とする分解性モノフ
ィラメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた直線的引張
強度と柔軟性、適度な分解性を兼ね備え、結紮安定性に
優れる分解性モノフィラメント及びその製造方法、並び
に該分解性モノフィラメントから作られる医療用具に関
する。
【0002】
【従来の技術】外科等の医用分野においては従来から、
合成の吸収性縫合糸が広く使われてきており、その素材
としてポリグリコール酸(PGA)やポリ乳酸(PL
A)、及びグリコール酸−乳酸共重合体(PLGA)等
が用いられている。PGA、PLA、PLGAは、生体
内で分解され、その分解生成物である乳酸、グリコール
酸が代謝経路により最終的に炭酸ガスと水になり体外へ
放出されてしまう生体吸収性重合体である。PGA、P
LA、PLGAは、それぞれ、グリコール酸の環状二量
体であるグリコリド(GLD)や乳酸の環状二量体であ
るラクチド(LTD)の重合、及びGLDとLTDの混
合物の開環共重合によって製造されている。しかし、P
GA等の生体吸収性ポリエステルは、加工性がよく、高
強度のフィラメントとすることができる一方で、フィラ
メントの剛性が高く、従って釣り糸のような太いモノフ
ィラメント状にした場合、結紮することが極めて困難と
なるため、縫合糸に適さなくなることが知られている。
【0003】そのため、通常、PGAやPLGA等を使
用して合成吸収性縫合糸とする場合、柔軟性を持たせる
ために多数の細いフィラメントとし、それらを編組し
て、所謂マルチフィラメントとして使用されている。し
かし、マルチフィラメント状縫合糸は、その表面は粗
く、縫合する際に、周囲の生体組織に傷を付ける等の問
題があり、また、結紮時のフィラメントを滑り易くする
ためのコーティング剤等を塗布する必要がある等、製造
工程が複雑になり経済的にも不利となる問題もある。
【0004】近年、上記のような問題点を克服したモノ
フィラメント状吸収性縫合糸がいくつか開発されてい
る。例えば、米国特許4700704号には、約20〜
35重量%のε−カプロラクトン(CL)と約65〜8
0重量%のGLDに基づくシーケンスからなり、213
℃以下の融点をもつ重合体材料からなり、少なくとも3
0,000psiの引張強度と350,000psi未
満のヤング率を有する殺菌した手術用製品が開示されて
いる。また、Biomaterials, Vol.16, No.15, pp1141-11
48(1995)には、約25モル%のCLと約75モル%のG
LDとの共重合体からつくられる手術用モノフィラメン
ト縫合糸が開示されている。
【0005】これら先行文献に開示されたGLDとCL
との共重合体から成形された手術用製品は、優れた柔軟
性と機械的強度を有するため、モノフィラメントの形態
で手術用縫合糸として利用できる利点がある。しかし、
それらは加水分解速度が早過ぎ、生体内において速やか
に分解する。そのため、治癒期間が長い患部の手術用縫
合糸や結紮用資材としては満足し得るものではない。ま
た、該モノフィラメントは、縫合時に外科結びを施して
結紮する際、結び目を小さく安定させることが困難で、
結び目が大きくなりやすく、縫合がゆるみやすい。この
ことは、縫合糸の本来の使用目的上、極めて好ましくな
い。手術者は、縫合の確実性、安全性を期して、結び目
を多数つくって安定させる等の技術を要した。
【0006】特開平1−175855号公報には相対粘
度2.0〜8.2のポリカプロラクトン(PCL)から
なる延伸された外科用モノフィラメント縫合糸が開示さ
れている。しかし、PCLからなる縫合糸は、生体内で
の分解吸収が極めて遅く、吸収性縫合糸としては実用的
ではない。
【0007】また、米国特許5252701号には、少
なくとも2種の異なるエステル結合をもつ生体吸収性を
示すセグメント化コポリマーが開示されている。該公報
には、実質的にグリコラート結合からなる高速エステル
交換結合と、トリメチレンカーボネート及びカプロエー
ト結合からなる群から選択される低速エステル交換結合
とからなるセグメント化コポリマーが開示されており、
また、少なくとも2つの段階で少なくとも2種の異なる
環状エステルモノマーの逐次添加を用い、コポリマー溶
融物生成後、更に加熱してエステル交換させることによ
る上記セグメント化コポリマーの製造方法が開示されて
いる。該セグメント化コポリマーはランダムもしくはブ
ロックコポリマーとは著しく異なる物性を示すとされて
いる。
【0008】しかしながら、このセグメント化コポリマ
ーは、該公報にも示されているように、セグメント化が
進めば進むほど、ポリマーの融点が低下するとともに、
結晶性が低下する。このため、本発明者らの知見によれ
ば、このセグメント化コポリマーは縫合糸としてモノフ
ィラメント化した際に充分な引張強度を示すに至らな
い。また、同じく本発明者らの知見によれば、このセグ
メント化コポリマーは、その低い結晶性の為に、体内で
の加水分解が速すぎ、治癒期間が長い患部の手術用縫合
糸や結紮用資材としては満足し得るものではない。
【0009】一方、特開平6−16792号公報には、
CLとGLDの共重合体の製造方法が開示されている。
該公報の共重合体の製造方法は、原料供給口、共重合体
取り出し口、排気口、及び表面更新性に優れた高粘度溶
液攪拌機を備えた重合反応機を使用し、最初にCLの低
分子オリゴマーを250℃以下の温度で生成させ、次い
でGLDを添加して100℃以上の温度で重合させ、得
られた共重合体に溶融状態で酸無水物や酸ハロゲン化物
を添加させて重合反応を停止させ、次いで未反応モノマ
ーを減圧下に攪拌除去することを特徴としている。しか
し、酸無水物や酸ハロゲン化物は極微量でも、独特の刺
激臭がするため、製造現場において設備上の特別な工夫
を施す必要がある。また、共重合体から未反応の酸無水
物や酸ハロゲン化物を完全に除去することが困難である
ため、得られる共重合体や縫合糸が臭う等の欠点があ
る。また、該公報には、柔軟かつ高強度で適度な加水分
解速度を有するモノフィラメント、及びその製造方法に
ついてはなんら開示されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、優れた機械的強度及び柔軟性を有し、結紮安定性に
優れ、且つ適度の加水分解性を有する、外科用吸収性縫
合糸等の資材として適する分解性モノフィラメント及び
その製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決することを目的として鋭意検討を重ねた結果、モ
ノフィラメントの内部構造を、柔軟で分解速度の遅い重
合体セグメントを主成分とするマトリックス中に、高強
度を示し、分解速度の早い重合体セグメントを主成分と
する微小な針状の相を分散させた構造とすることによ
り、柔軟でかつ強靱で、結紮安定性に優れ、しかも適度
な加水分解速度を有するモノフィラメントとすることが
できることを見出し、本発明に到った。
【0012】すなわち、本発明は、分解性の共重合体か
らなるモノフィラメントであって、モノフィラメントの
内部構造が、(a)引張ヤング率が2GPa以下を示
し、かつ、37℃、pH7.3の水中2週間後の強度保
持率が50%以上である重合体セグメントを主成分とす
るマトリックス相と、(b)少なくとも200MPa以
上の引張強度を示し、かつ、37℃、pH7.3の水中
での強度低下がマトリックス相よりも速い重合体セグメ
ントを主成分とする微小な分散相とに分離した構造であ
り、マトリックス相と分散相のそれぞれの成分の重量比
が50:50〜95:5であり、かつ、分散相が繊維方
向に引き延ばされ配向した針状構造を含有することを特
徴とする分解性モノフィラメント、その製造方法、及び
該モノフィラメントからつくられる生体吸収性医療用具
である。
【0013】本発明でいう「分解性の共重合体」とは、
生体内で加水分解又は酵素分解によりおよそ5年以内に
分子量が低下し、水溶化や代謝等により体外へ排出され
る共重合体のことである。具体的には例えば、グリコー
ル酸(GA)、乳酸(LA)、カプロラクトン(C
L)、p−ジオキサノン(DS)、トリメチレンカーボ
ネート(TMC)、エチレンカーボネート、ヒドロキシ
酪酸、ヒドロキシ吉草酸等の共重合体等が挙げられる。
【0014】「内部構造」とは、当該業者、高分子研究
者間において、モルホロジー(morphology)
と呼ばれる概念であって、多相構造における相分散の形
態等を論じる際に用いられる概念である。形態構造とも
言われる。
【0015】「針状構造」とは構造の長軸とそれに直交
する短軸との軸比が少なくとも3以上である異方性の構
造のことであり、例えば円柱状、楕円柱状、柱状、スト
ランド状、線状、紐状、紡錘状ともいえる。
【0016】「引張ヤング率が2GPa以下を示し、か
つ、37℃、pH7.3の水中2週間後の強度保持率が
50%以上である重合体」とは、該重合体を当該業者が
適当な条件下で紡糸し、3〜10倍に延伸加工して得ら
れるフィラメントの引張ヤング率が2GPaを超えるこ
とがなく、かつ、該フィラメントを37℃、pH7.3
の水中2週間後の強度が50%以上保持されているとい
う条件を満たす重合体のことである。
【0017】また、「少なくとも200MPa以上の引
張強度を示し、かつ、37℃、pH7.3の水中での強
度低下がマトリックス相よりも速い重合体」とは、該重
合体を当該業者が適当な条件下で紡糸し、3〜10倍に
延伸加工して得られるフィラメントが、引張強度が少な
くとも200MPa以上を示し、かつ、該フィラメント
を37℃、pH7.3の水中2週間後の強度の保持率
が、上記低速分解性柔軟ポリマーより低いという条件を
満たす重合体のことをいう。
【0018】本発明のモノフィラメントは、その内部構
造が、柔軟でかつ分解速度が比較的遅いマトリックス中
に強靭でかつ分解速度が比較的速い針状構造を含む分散
相とに分離した構造である。マトリックス相は、引張ヤ
ング率が2GPa以下を示し、かつ、37℃、pH7.
3の水中2週間後の強度保持率が50%以上である重合
体セグメントを主成分としている。また、分散相は、少
なくとも200MPa以上の引張強度を示し、かつ、3
7℃、pH7.3の水中での強度低下がマトリックス相
よりも速い重合体セグメントを主成分としている。ま
た、マトリックス相と分散相のそれぞれの成分の重量比
が50:50〜95:5である。
【0019】従って、本発明のモノフィラメントは、こ
の分散相とマトリックス相とからなる独特の構造によ
り、高い引張強度と柔軟性、適度な加水分解速度を兼ね
備えるものとなる。すなわち、直線的引張強度は少なく
とも200MPa以上、ヤング率(柔軟性の尺度)が
2.1GPa以上を示すことができ、かつ、37℃、p
H7.3の水中で、4週間後の強度保持率が10〜80
%である。
【0020】本発明に係わる分解性モノフィラメントの
内部構造として、好ましくは針状の分散相の繊維方向の
長さ(長軸)が、およそ0.05〜8μm程度、分散相
の繊維軸の垂直断面の直径(短軸)の長さが、およそ
0.01〜0.5μm程度であり、長軸と短軸との長さ
の比はおよそ3〜20程度である。長軸の長さ、短軸の
長さ、及び軸比には分散があってもよい。上記の範囲外
の大きさの分散相が存在していてもよいが、分散相の少
なくとも5割以上が上記範囲内の大きさであることが好
ましく、さらに好ましくは7割以上が上記範囲内であ
る。特に好ましくは、針状の分散相の7割以上が、繊維
軸の垂直断面の直径(短軸)が0.01〜0.5μmの
長さを有し、軸比が8以上である針状部分を含んでいる
相である。
【0021】マトリックス相の主成分である重合体セグ
メントは、具体的には、例えばポリカプロラクトン(P
CL)、ポリp−ジオキサノン(PDS)、トリメチレ
ンカーボネート重合体(PTMC)及びこれらの共重合
体、及びこれらとポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳
酸(PLA)との共重合体等から選ばれる重合体セグメ
ントである。好ましくはPCLセグメントである。分散
相の主成分である重合体セグメントは、具体的には、例
えばPGA、PLA及びこれらの共重合体、及びこれら
とPCL、PTMC、PDSとの共重合体から選ばれる
重合体セグメントである。好ましくはPGAセグメント
である。マトリックス相の主成分である重合体セグメン
トと、分散相の主成分である重合体セグメントとは、お
互いに相溶性が乏しいことが好ましい。
【0022】本発明の好適な態様は、ε−カプロラクト
ン(CL)及びグリコリド(GLD)の共重合体からな
るモノフィラメントであって、モノフィラメントの内部
構造におけるマトリックス相が、ポリ(ε−カプロラク
トン)(PCL)セグメントを主成分とするマトリック
ス相であり、分散相がポリグリコール酸(PGA)セグ
メントを主成分とする分散相であり、マトリックス相と
分散相のそれぞれの成分の重量比が50:50〜95:
5であり、分散相が繊維方向に引き延ばされ配向した針
状構造を含むことを特徴とする分解性モノフィラメント
である。(以降このモノフィラメントを単にCG系モノ
フィラメントという。) CG系モノフィラメントは、柔軟なPCLセグメントの
マトリックス中に、高い強度を発揮するPGAセグメン
トが繊維方向に針状に分散、配向して、フィラメントの
強度を補強する構造となっているため、柔軟性と強さを
あわせもつフィラメントとなる。
【0023】本発明に係わるモノフィラメントの内部構
造は、例えばモノフィラメントの繊維方向断面の透過型
電子顕微鏡(TEM)写真撮影等により確認することが
できる。具体的には例えば、CG系モノフィラメントの
場合、モノフィラメントの繊維方向の断面を平滑に面出
しし、適当な染色剤(例えば四酸化ルテニウム等)によ
り染色し、TEMにより検鏡することにより、PCLと
PGAとの染色度合いに差があるため、明確にマトリッ
クス相と分散相が観察できる。
【0024】本発明のCG系モノフィラメントにおい
て、マトリックスであるPCL相と分散相であるPGA
相には少量の他の成分が混合されていても良い。ただ
し、マトリックス相はPCLが主成分であることが必要
であり、マトリックス相中のPCLは少なくともマトリ
ックス相全体の50重量%以上である。同様に分散相は
主成分がPGAであることが必要であり、分散相中のP
GAは少なくとも分散相全体の50重量%以上である。
マトリックス相や分散相中に混合され得る他の成分とし
ては、例えばPLA、ポリジオキサノン(PDS)、ポ
リトリメチレンカーボネート(PTMC)等の他の生体
吸収性ポリマー、可塑剤、色素、加水分解速度調節剤等
が挙げられる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。尚、本発明における、PCLやPGAの重量平均
分子量(Mw)は、後述する実施例に記載した方法によ
り測定することができる。
【0026】本明細書中において、ポリ(ε−カプロラ
クトン)、PCLという場合、特にことわりのない限
り、単にε−カプロラクトン(CL)の単独重合体のみ
を指すのではなく、重合体中にCL単位以外の他の単量
体単位が、PCLの特性を大きく損なわない程度共重合
されていても良い。その量は、ポリマー中のおよそ15
モル%以下である。同様に、本明細書中において、ポリ
グリコール酸、又はPGAという場合、特にことわりの
ない限り、単にグリコリド(GLD)の単独重合体のみ
を指すのではなく、重合体中にGLD単位以外の他の単
量体単位が、PGAの特性を大きく損なわない程度共重
合されていても良い。その量は、ポリマー中のおよそ1
5モル%以下である。他の単量体単位としては、例えば
1,4−ジオキサノン(DS)、トリメチレンカーボネ
ート(TMC)、ジオキセパノン(DP)、LTD、プ
ロピオラクトン(PL)、ブチロラクトン(BL)、バ
レロラクトン(VL)等が開環した構造単位が挙げられ
る。
【0027】本発明の分解性モノフィラメントは、好適
には、特定の条件下で合成したPCL−PGAブロック
共重合体を特定の条件下で紡糸・延伸する方法方法によ
り製造される。本発明に係わる分解性モノフィラメント
は、好ましくはPCLセグメント(A)及びPGAセグ
メント(B)からなるAB型又はBAB型ブロック共重
合体(以降、単にPCL−PGAブロック共重合体とい
う)を溶融紡糸した後、3〜10倍に延伸することによ
り得られた分解性モノフィラメントである。
【0028】PCL−PGAブロック共重合体は、紡糸
時の溶融状態からフィラメント状に固化した時点で、P
CLセグメントからなるマトリックス相の中にPGAセ
グメントからなる相が海島状に分散した内部構造とな
る。この時点での分散相は、紡糸条件にもよるが、未だ
針状とは言い難く、球状又は、繊維方向にわずかに歪ん
だ楕円球状(長軸と短軸の比が3未満程度)であること
が多い。この未延伸糸を特定条件下で延伸することによ
り、PGAセグメントからなる分散相は延伸・配向し、
針状となる。
【0029】本発明の分解性モノフィラメントにおいて
使用するPCL−PGAブロック共重合体は、モノオー
ル化合物又はジオール化合物の存在下で、CL50〜9
5重量部を開環重合し、残存のCLを少なくとも15重
量%以下とし、次いで、GLD5〜50重量部を添加し
て開環重合することにより製造される。
【0030】本発明のモノフィラメントにおいて使用す
るPCL−PGAブロック共重合体中のPCLセグメン
ト、PGAセグメントは、それぞれCL単位及びGLD
単位の単独重合体でなっていることが好ましい。また、
本発明のモノフィラメントにおいて使用するPCL−P
GAブロック共重合体中のPCLセグメント、PGAセ
グメントにはそれぞれ、CL単位、GLD単位以外の他
の単量体単位が共重合されていても良い。ただしその量
は、PCL及びPGAの本質的な性質を大きく損なわな
い程度の量であることが必要で、かかる点を考慮する
と、PCLセグメント又はPGAセグメント構成単量体
単位のおよそ15モル%以下である。他の単量体単位と
しては、例えばDS、TMC、DP、LTD、PL、B
L、VL等が開環した構造単位が挙げられる。
【0031】PCL−PGAブロック共重合体を用いて
モノフィラメントを製造する場合、PCL−PGAブロ
ック共重合体の分子構造の制御は特に重要である。PC
L−PGAブロック共重合体の分子構造として、1)C
L単位とGLD単位とのモル組成比(以降、単にPCL
/PGA比という)、2)PCLセグメントの分子量
(重量平均分子量、Mw)、3)PGAセグメントのM
w、4)PCL−PGAブロック共重合体のMw、及び
5)ブロック性が、モノフィラメントの内部構造(モル
ホロジー)に大きく影響し、従ってモノフィラメントの
物性(強度、柔軟性、加水分解速度等)へ大きく影響を
及ぼすからである。
【0032】1)PCL/PGA比はモノフィラメント
の内部構造において、マトリックス相と分散相とを決定
づける。PGA組成がPCL組成より少なくなければ、
モノフィラメントの内部構造において、PCLがマトリ
ックス相、PGAが分散相とならず、PGAがマトリッ
クス相、PCLが分散相となるため、柔軟なフィラメン
トとならない。また、PGA組成がPCL組成に比べて
極端に小さい場合は、フィラメントの強度が低くなる上
に、フィラメントの加水分解速度が著しく遅くなるため
好ましくない。かかる点を考慮すると、PCL/PGA
比は、およそ50/50から95/5の間であることが
好ましい。さらに好ましくは、55/45から85/1
5の間である。
【0033】2)PCLセグメントのMwは、モノフィ
ラメントの強度に大きく影響する。モノフィラメントと
して実用上の強度を発揮させる為には、ある程度以上の
Mwが必要である。一方、Mwが高すぎると、ポリマー
の溶融粘度が高くなりすぎるため、加工性が低下し、紡
糸・延伸が困難となり、好ましくない。かかる点を考慮
すると、好ましいMwの範囲はおよそ2万以上30万以
下である。特に好ましくは、およそ4万以上20万以下
である。なお、本明細書中で使用するMwの値は、後述
するゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)
を用いる方法により測定される重量平均分子量をさすも
のとする。
【0034】3)PGAセグメントのMwは、モノフィ
ラメントの内部構造の分散相の大きさに影響する。PG
AセグメントのMwが大きくなるほど分散相の大きさが
増す。分散相の大きさは、モノフィラメントの物性や、
加工性に大きく影響する。Mwが高すぎるとPGA相が
大きくなりすぎ、特にフィラメントの延伸時に高倍率で
延伸することが不可能となるため、かえってフィラメン
ト強度が低下したり、体内での加水分解が速すぎたりし
て好ましくない。逆に極端にMwが低すぎる場合には、
PGAセグメントの分散相によるモノフィラメントの補
強効果が期待できない。かかる点を考慮すると、好まし
いPGAセグメントのMwはおよそ1000〜30万の
間である。特に好ましくは、4000〜15万の間であ
る。
【0035】4)PCL−PGAブロック共重合体のM
wは、モノフィラメントの強度及び加水分解速度に影響
を及ぼす。Mwが低すぎるとモノフィラメントが十分な
強度を発揮しない上に、体内における加水分解により急
速に強度が低下してしまう。また、高すぎると共重合体
の溶融粘度が著しく高まるため、紡糸・延伸において不
都合が生じ、結果的に良好なフィラメントにはなりにく
い。かかる点を考慮すると、好ましいPCL−PGAブ
ロック共重合体のMwはおよそ3万から40万の間であ
る。
【0036】5)ブロック性とは、PCLセグメントを
Aブロック、PGAセグメントをBブロックとするAB
型又はBAB型ブロック共重合体において、A、Bそれ
ぞれのセグメントがどれだけ単一構造単位で構成されて
いるかを示す指標である。言い替えれば、ポリマー中の
CL単位(又はGLD単位)に隣接する構成単位がどれ
だけCL単位(又はGLD単位)であるかを表す指標で
ある。例えば、AセグメントがCL単独のポリマーセグ
メントで、BセグメントがGLD単独のポリマーセグメ
ントであるAB型、BAB型ブロック共重合体は、ブロ
ック性が最高であり、ポリマー中のCL単位には、ブロ
ックの結合点(AB型では1点、BAB型では2点)を
除けば、必ずCL単位が隣接している。例えばBセグメ
ントのGLDポリマー連鎖中に、CL単位が混入して共
重合している場合、CLの混入割合が増すにつれブロッ
ク性が低下し、従ってCL単位にGLD単位が隣接する
割合が増加する。
【0037】PCL−PGAブロック共重合体のブロッ
ク性は、モノフィラメントの内部構造の相分離構造に大
きく影響する。すなわち、ブロック性が高い共重合体
は、紡糸した際に、PCLセグメントからなるマトリッ
クス中にPGAセグメントからなる相が明確な海島構造
となって分散する。これが延伸により延伸方向に引き延
ばされて針状の形態をとることになるため、本発明の目
的とする、強度と柔軟性、加水分解性を適度に兼ね備え
たモノフィラメントとなる。ブロック性が低下するほ
ど、相分離は不明確となっていくとともに、分散相の内
部のポリマー分子間力が低下する。したがって、ブロッ
ク性の低いPCL−PGAブロック共重合体を使用して
紡糸・延伸しても、PGAセグメントの針状構造が明確
に形成されなくなってくるか、形成されたとしても強度
の低い相となるため、強度の高いモノフィラメントが得
られず、好ましくない。
【0038】PCL−PGAブロック共重合体のブロッ
ク性は、13C−NMRスペクトル測定により評価するこ
とができる。例えばブロック性の高いPCL−PGAブ
ロック共重合体を、1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ルオロ−2−プロパノール(HFP)と重水素化クロロ
ホルムとの2対1混合溶媒に溶解し、13C−NMRスペ
クトルを測定すると、169ppm付近にGLD単位の
カルボニル炭素に由来するシングレットピーク、178
ppm付近にCL単位のカルボニル炭素に由来するシン
グレットピークがそれぞれシャープに単独に観察され
る。これらはそれぞれ、GLDのホモポリマー及びCL
のホモポリマーを同条件で13C−NMR測定した際に現
れるピークと完全に一致する。(以降、これらのピーク
をホモポリマーピークと呼ぶ。)ブロック性が低い共重
合体の場合は、同条件下で13C−NMR測定を行うと、
上記169ppmと178ppmのホモポリマーピーク
以外に、169〜171ppm付近及び176〜178
ppm付近において多数の複雑なピークが現れる。これ
らは、GCC、CCG、GCGのように隣接するグリコ
ール酸単位(G)により影響を受けてシフトしたカプロ
ラクトン単位(C)のカルボニル炭素に由来するピー
ク、及びCGG、GGC、CGCのように隣接するカプ
ロラクトン単位により影響を受けてシフトしたグリコー
ル酸単位のカルボニル炭素に由来するピークである。い
ずれも、ランダム化することにより現れるピークであ
り、以降、ホモポリマーピーク以外のこれらのピークを
ランダム化ピークと呼ぶ。
【0039】本発明の分解性モノフィラメントに使用さ
れるPCL−PGAブロック共重合体は、その13C−N
MR測定において、上記ランダム化ピークが実質的に現
れないか、現れてもグリコール酸単位に隣接するカプロ
ラクトン単位のカルボニル炭素に由来するピーク強度
が、カプロラクトンに隣接するカプロラクトン単位のカ
ルボニル炭素に由来するピーク強度に比べて約1/2程
度以下である。さらには1/5以下であることが好まし
い。
【0040】ブロック性の高いPCL−PGAブロック
共重合体は、示差走査熱量(DSC)測定により、特徴
的な挙動を示す。すなわち、50〜70℃付近及び21
0〜240℃付近に融解吸熱ピークが観察される。これ
らの吸熱ピークは、それぞれCLのホモポリマー、及び
GLDのホモポリマーの融点とほぼ一致する。PCLセ
グメントあるいはPGAセグメント内にGLD単位ある
いはCL単位が混入し、ブロック性が低下したブロック
共重合体では、DSC測定において、上記の2つの吸熱
ピークよりもいずれも低温側にシフトした吸熱ピークを
示すようになる。例えば、13C−NMR測定において、
ランダムピークがホモポリマーピークと同程度現れるほ
どブロック性の低下したブロック共重合体では、160
〜200℃付近にブロードな吸熱ピークを一つ示すのみ
で、もはや、PCLセグメントに由来する低温側の融解
吸熱ピークは観察されない。
【0041】本発明の分解性モノフィラメントには、D
SC測定において少なくとも200〜240℃付近に明
確な融解吸熱ピークを示すPCL−PGAブロック共重
合体を使用することが好ましい。このようなPCL−P
GAブロック共重合体を用いて紡糸・延伸して得られた
モノフィラメントは、内部構造において、明確にPGA
セグメントからなる針状に配向した分散相を含有する。
針状に配向したPGAセグメントは、延伸により配向・
結晶化するため、DSC測定においておよそ210〜2
40℃付近に比較的シャープな融解吸熱ピークを示す。
【0042】本発明にかかる分解性モノフィラメントの
好ましい製造方法について説明する。本発明の好適な実
施態様であるCG系モノフィラメントは、モノオール化
合物又はジオール化合物の存在下で、CL50〜95重
量部を開環重合し、その残存率が少なくとも15重量%
以下とし、次いで、GLD5〜50重量部を添加して開
環重合することにより得られた重合体を220〜270
℃の温度で溶融紡糸した後、20〜80℃の温度にて3
〜10倍に延伸することにより製造することが好まし
い。
【0043】本発明のモノフィラメント製造方法では、
まずモノオール化合物又はジオール化合物の存在下で、
CL50〜95重量部を重合させてPCLを生成させ
る。モノオール化合物又はジオール化合物とは、少なく
とも1つないし2つの水酸基をもつ化合物であり、具体
的には例えば、炭素数1〜18の脂肪族アルコール、ジ
オール等が挙げられ、添加量の調節のしやすさや、CL
への溶解性等を考慮するとラウリルアルコール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール等が好ましく用い
られる。モノオール化合物又はジオール化合物の添加量
は、所望とするPCLセグメントの分子量によって適宜
決定される。PCLのMwはモノオール化合物又はジオ
ール化合物のモル数によってある程度調節できるからで
ある。その調節の方法は、当該業者に公知の方法が用い
られる。例えば、特開平7−233246号公報(米国
特許5412067号)に開示されている方法を使用す
ることができる。前述したようにPCLセグメントのM
wはPCL−PGAブロック共重合体の構造において重
要な因子であり、本発明の分解性モノフィラメントの内
部構造、及びモノフィラメントの物性に大きな影響を与
える。PCLセグメントのMwを上述の範囲内に調節す
るためには、モノオール化合物又はジオール化合物の使
用量はCLに対して、およそ0.01〜0.5モル%程
度の範囲から選択されることが好ましい。0.1〜0.
2モル%程度が特に好ましい。
【0044】CLの重合には、触媒を用いるのが好まし
い。重合触媒としては、例えば、オクタン酸第一錫、四
塩化錫、塩化亜鉛、四塩化チタン、塩化鉄、三フッ化ホ
ウ素エーテル錯体、塩化アルミニウム、三フッ化アンチ
モン、酸化鉛等の主として多価金属を含む化合物等が挙
げられ、中でも錫化合物又は亜鉛化合物が好ましく使用
される。オクタン酸第一錫が特に好ましい。重合触媒の
使用量は、仕込んだCLの総重量に対して0.001〜
0.05重量%程度であることが好ましい。
【0045】使用するCL中には通常水分が含まれる。
水分が多いCLを使用すると、モノオール化合物やジオ
ール化合物の量を調節して生成PCLのMwを制御する
場合、制御が困難となる。水分含有量が0.1〜200
ppmであることが好ましい。CLは、例えば、モレキ
ュラーシーブス等を用いて乾燥し、さらに蒸留する等し
て水分を除去するとよい。
【0046】さらに、CLには通常、ヒドロキシカプロ
ン酸等の遊離のヒドロキシカルボン酸が含まれる。遊離
のヒドロキシカルボン酸は得られる共重合体の分子量に
影響を及ぼすので、蒸留等、公知の方法により、その含
有量を可能な限り低減し、10〜500ppm程度の範
囲とすることが好ましい。より好ましくは10〜200
ppmである。
【0047】CLの重合時には、CLと共に、CLと共
重合し得る他のモノマーが少量混合されて重合が行われ
ていても、本発明の範囲内である。ただしその量は、C
Lに対しておよそ15モル%以下である。他のモノマー
としては例えば、DS、TMC、ジオキセパノン、GL
D、LTD、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレ
ロラクトン等が挙げられ、好ましくはDS、TMC、L
TD、GLDである。
【0048】CLの重合温度は、短時間で重合を進め、
かつ生成するPCLの熱分解を抑制するため、およそ1
50〜250℃の範囲内であることが好ましい。特に好
ましくは、200〜235℃程度である。
【0049】CLの重合時間には特に制限はないが、少
なくとも生成するPCLの分子量が十分量に達するまで
の時間、GLDを添加することなしにCLの重合を行う
ことが重要である。好ましいCLの重合時間範囲は、上
記の触媒量で上記温度範囲であれば、およそ0.2〜1
0時間程度である。
【0050】本発明の製造方法においては、CLの重合
の後、GLDを添加して重合させる前に、少なくとも未
反応CLの残存率が15重量%以下としておくことが好
ましい。すなわち未反応のCLが15重量%より多く存
在する段階で、GLDを添加すると、生成するPGAセ
グメント中にCL単位が混入共重合する割合が高まり、
PGAセグメントのブロック性が低下するので好ましく
ない。
【0051】さらに好ましくは、GLD添加前の残存C
L量は、添加するGLD量に対して10重量%以下であ
ることが好ましい。GLD添加直前の反応系中の未反応
CLを少なくする方法には例えば、1)CLの重合を適
切な反応条件で行うことにより、CLの転化率を85%
以上に高める方法、2)CLの重合反応の後半から、あ
るいは重合反応の終了後のGLDの添加の直前におい
て、反応系を減圧条件下に加熱することにより、未反応
CLを除去する方法等が挙げられる。上記1)の方法で
は、触媒量、反応温度、反応時間を適宜調節することに
より、転化率を99%程度以上にまで高め、未反応CL
量を1%未満程度にまで低減することも可能である。上
記2)の方法においても、温度、減圧度、時間を適宜調
節することにより、未反応CLの量を1%未満程度にま
で低減することができる。GLD添加前のCL残存率
は、反応系内の反応物を少量取り、HFPに溶解し、ガ
スクロマトグラフィー(GC)等により測定することに
より求めることができる。
【0052】本発明のモノフィラメントの製造方法で
は、CLの重合に続いて、GLDを添加し、GLDを重
合させることにより、PCL−PGAブロック共重合体
又は、PCL−PGAブロック共重合体を主成分とする
組成物を生成させる。GLDの使用量は、5〜50重量
部である。GLDを添加して重合させる際、重合触媒を
追加することもできる。
【0053】モノオール化合物やジオール化合物のよう
な水酸基化合物の存在下でCLを重合させると、PCL
末端は水酸基を有しており、続いてGLDを添加、重合
させることにより、PCL末端水酸基からPGAセグメ
ントが生長し、PCL−PGAブロック共重合体が生成
する。CLの重合の際にモノオール化合物を使用した場
合には、PCLセグメント(A)、及びPGAセグメン
ト(B)からなるAB型ブロック共重合体が生成する。
ジオール化合物を使用した場合にはBAB型ブロック共
重合体が生成する。
【0054】使用するGLD中に含まれる水分量の管理
は重要である。なぜならば、GLDの開環重合の段階に
おいて、これら水分の存在によって、PCLの末端水酸
基以外からGLDが重合生長し、PCLセグメントをも
たないGLD単独重合体(PGAホモポリマー)の生成
割合が高まってしまうからである。PGAホモポリマー
の生成が多くなると、好ましくない物性の変化をもたら
す場合がある。したがって、GLDの水分含有量は0.
1〜200ppmであることが好ましい。室温〜50℃
程度において減圧乾燥したり、GLDを溶解しない親水
性非アルコール性有機溶剤中でスラッジングする等して
GLDから水分を除去するとよい。
【0055】さらに、GLDには、通常、グリコール酸
やグリコール酸の鎖状オリゴマー等の遊離のヒドロキシ
カルボン酸が含まれる。遊離のヒドロキシカルボン酸は
同じくPGAホモポリマーの生成割合を高めるので好ま
しくない。GLD中の遊離ヒドロキシカルボン酸含有量
を、蒸留、再結晶、スラッジング等により可能な限り低
減し、10〜500ppm程度の範囲とすることが好ま
しい。より好ましくは10〜200ppmである。
【0056】GLDの重合時には、GLDと共に、GL
Dと共重合し得る他のモノマーが少量混合されて重合が
行われていても、本発明の範囲内である。ただしその量
は、GLDに対しておよそ15モル%以下である。他の
モノマーとしては例えば、DS、TMC、ジオキセパノ
ン、LTD、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレ
ロラクトン、CL等が挙げられ、好ましくはDS、TM
C、LTD、CLである。
【0057】GLD重合温度は、低すぎると生成するP
GAセグメントが結晶化し、反応機内でゴム状に固化し
てしまう上、反応が不均一に進むため、所望とする物性
のモノフィラメントを得ることができない。逆に重合温
度が高すぎると、PGAセグメントが熱分解しやすくな
るので好ましくない。かかる点を考慮すると、好ましい
重合温度範囲は、およそ200〜250℃程度である。
通常、窒素等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好まし
い。
【0058】GLD添加前のCLの重合により生成させ
るPCLのMwは、およそ2万〜20万の範囲内であれ
ばよいが、さらに好ましくは、Mwを15万以下に抑え
ておくことが好ましい。PCLのMwが高すぎると、上
記のGLDの重合温度範囲内ではPCLの溶融粘度が高
くなりすぎるため、GLDをPCL中に均一に混合分散
させることが困難となり、特殊な攪拌装置等を用いる必
要が生じるためである。
【0059】GLDの反応系への添加方法は特に制限さ
れない。しかしながら、CLを重合させて得られる溶融
物は高粘度であり、一方、添加したGLDは反応系内で
低粘度の溶融液となるため、一時に大量のGLDを系内
に添加すると、両者は良好に混合されず、反応が不均一
になりやすい。このことは、PCL鎖末端へのPGAセ
グメントの付加を不均一にし、PGAホモポリマーの生
成割合を高めることとなり、好ましい物性の発現が期待
できなくなる。したがって好ましいGLDの添加方法
は、1分間あたりのGLD添加量が、使用したCLの重
量の合計の20%を超えない量となるように、所定量の
GLDを少量ずつ連続的にあるいは間欠的に添加する方
法である。
【0060】GLDを重合させて得られた重合体には、
未反応のGLDあるいはCLが含まれることがある。こ
れら未反応物は、モノフィラメントとして成形して使用
する際、加水分解を所望の速度より速めてしまうことが
あるため、できるだけ含有量を低減することが望まし
い。GLDあるいはCLの含有量は、好ましくはそれぞ
れ使用したGLDあるいはCLの5重量%未満となるこ
とが好ましい。さらに好ましくは1重量%未満である。
このため、GLDの重合は、転化率が95%以上となる
まで行うことが好ましい。
【0061】GLDの重合時間は、短すぎるとGLDの
転化が不十分となり、好ましくない。逆に、長すぎると
生成したPGAセグメントとPCLセグメントの間で、
エステル交換反応が徐々に進行ため、ブロック性が損な
われ好ましくない。かかる点を考慮すると、上記重合温
度範囲においては、好ましい重合時間は、およそ0.2
〜5時間程度、さらに好ましくは0.3〜3時間程度で
ある。GLDの重合を上記重合時間で実施した場合、P
GAセグメントとPCLセメントとの間のエステル交換
は実質的に殆ど起こらず、ブロック共重合体のブロック
性を著しく損なうことはない。
【0062】GLDの転化率は、例えばCLの転化率の
算出と同様に、ガスクロマトグラフィーにより知ること
ができる。
【0063】このようにして得られた重合体は、溶融状
態のまま減圧して、又は、冷却、粉砕した後、減圧下で
加熱することにより未反応モノマーを除去することが好
ましい。溶融状態のまま減圧して未反応モノマーを除去
する場合、200〜240℃において、0.2〜1時間
かけて最終的に13,300Pa以下の圧力において減
圧、脱気し、その状態を0.3〜2時間維持する方法が
挙げられる。130Pa程度まで減圧すること好まし
い。
【0064】また、重合体を冷却、粉砕した後、減圧下
で加熱して、未反応モノマーを除去する場合、共重合体
の形状は粉末、ペレット状等のできるだけ細かい形状と
することが好ましい。20〜60℃において、13,3
00Pa以下の圧力において減圧、脱気し、0.5〜7
2時間減圧、脱気が維持され続けるのがよい。130P
a程度まで減圧することが好ましい。いずれの方法にお
いても、攪拌下であっても非攪拌下であってもよい。
【0065】本発明のモノフィラメントの製造方法で
は、上述のようにして得られた重合体を特定条件下で溶
融紡糸してフィラメント状にした後、特定条件下で延伸
する。溶融紡糸は、220〜270℃の温度範囲で行
う。紡糸温度が低い場合には、PGAセグメントの融解
が十分でなく、したがって紡糸の吐出が不安定になった
り、モノフィラメントの内部構造においてPGA分散相
の形成が不明確、不適当となったりするため、目的とす
る高い強度と柔軟性、適度な加水分解性を兼ね備えた、
モノフィラメントは得られない。
【0066】溶融紡糸には、好ましくは二軸押し出し機
を使用する。本発明で好適に使用するPCL−PGAブ
ロック共重合体は、60〜200℃程度の温度領域にお
いてゴム状となりやすい。通常、当該業者間でよく使用
される単軸押し出し機ではフィード部分にてゴム状とな
ってスクリューに巻き付き、吐出が困難となることがあ
る。二軸押し出し機はニーダー型、スクリュー型等、公
知のものを使用することができる。
【0067】また、溶融紡糸の際、紡糸ノズルから吐出
されたフィラメントを、吐出後およそ1〜30秒以内
に、−100〜50℃の冷却媒体中に浸漬して冷却する
ことが好ましい。吐出後冷却までに長時間を要すると、
フィラメント内でPGA分散相の結晶化が進みすぎ、次
工程の延伸が所定の条件下では均一かつ十分に行いにく
くなってしまい、結果として本発明の目的とする、高い
強度と柔軟性及び適度の加水分解性を兼ね備えた分解性
モノフィラメントは得られない。冷却媒体には、水、炭
化水素化合物類、アルコール類、空気、窒素ガス、アル
ゴン等の不活性ガス等公知のものを使用できる。
【0068】紡糸により得られた未延伸フィラメント
は、およそ20〜80℃の温度にて3〜10倍に延伸す
る。延伸温度が低い場合、フィラメント全体の均一な延
伸が不可能となり、特にマトリックス相のみが延伸され
て、針状のPGA分散相が形成されにくくなり、したが
って良好な物性は期待できない。また、延伸温度が高す
ぎると、延伸途中でフィラメントが切れてしまったり、
良好な繊維配向や分散相の配向が得られなかったりし
て、逆に強度低下を招きやすいため好ましくない。分散
相に良好な延伸をもたらし、かつ、フィラメント切れを
防止するためには、上記温度範囲で延伸することが必要
である。特に好ましくは、40〜70℃の範囲である。
また、延伸倍率が低すぎる場合には、PCLマトリック
ス及びPGA分散相ともに十分な配向が得られず、十分
な強度が得られない。また、PGA分散相が十分に針状
構造とならないため、フィラメントの柔軟性が不足しや
すい。一方延伸倍率が極端に高すぎると、延伸切れを起
こしたり、内部構造が破壊されたりして、かえって強度
低下や柔軟性不足をもたらす。
【0069】本発明の分解性モノフィラメントの太さに
は特に制限はないが、通常、直径が0.005〜2mm
である。好ましくは0.02〜1mmである。
【0070】本発明により、優れた機械的強度及び柔軟
性を有し、適度の加水分解性を有し、かつ結紮安定性の
高い、外科用吸収性縫合糸等の資材として適する分解性
モノフィラメント及びその製造方法を提供することがで
きる。本発明の分解性モノフィラメントは、少なくとも
200MPaの直線的引張強度、少なくとも170MP
aの結紮引張強度を示し、優れた強度を有する。ヤング
率は、2.1GPa以下であり、十分な柔軟性を有す
る。加水分解性、すなわち、37℃、pH7.3の水中
に4週間浸漬した後の直線的引張強度の残率(元の引張
強度に対する割合)は、10〜80%であり、さらに好
ましい態様においては30〜70%であり、身体の種々
の部位に適用するすることが可能である。
【0071】また、本発明の分解性モノフィラメントは
結紮安定性が良好で、一度作った結紮の結び目が緩くな
ることがない。従来知られているモノフィラメント縫合
糸はいずれも結び目が大きくなりやすく、結び目の安定
性(結紮安定性)が乏しいため、手術者は縫合糸に多数
個の結び目を作る必要があった。本発明のモノフィラメ
ントは、小さく安定し易い結び目を作ることが容易であ
り、1回の結び目を作るだけで十分結紮は安定する。
【0072】さらに、一般的に、結び目を作ったフィラ
メントは、結び目を作る前よりも引張強度が低下する。
従来知られているモノフィラメントは、結び目を作らな
い時の引張強度(直線的引張強度)に比べて、結び目を
作った時の引張強度(結紮引張強度)は約5〜6割程度
に低下することが知られている。この傾向は結び目の回
数が多くなるほど顕著になる。これに対し、本発明のモ
ノフィラメントの結紮強度は、直線的引張強度の7〜8
割程度の低下に過ぎない上、上述のとおり、従来のモノ
フィラメントに比べて少ない結び目で、結紮を安定させ
ることが可能なので、実際の手術に使用した場合、十分
な結紮強度を保証することができ、手術の安全保証の点
から、極めて有効である。
【0073】本発明の分解性モノフィラメントの用途は
特に限定されることはない。例えば釣り糸等のような資
材としても使用できる。好ましくは医療用成形物として
利用できる。本発明の分解性モノフィラメントは、公知
の方法により医療用成形物に成形加工される。医療用成
形物として、モノフィラメント状縫合糸、骨補強用板、
外科用網状体、徐放性薬剤等が挙げられる。モノフィラ
メント状縫合糸の製造方法は、特に制限はなく公知の方
法が適用できる。必要に応じて、染色、コーティング、
針つけ、滅菌、包装等を施す。
【0074】
【実施例】以下、実施例を示して本発明についてさらに
詳細に説明する。尚、実施例に示したPGA、PCL及
びPCL−PGAブロック共重合体等の分子量、CL、
GLDの転化率、共重合体組成、ブロック性、共重合体
融点、直線的引張強度、ヤング率、加水分解後の直線的
引張強度の残率、結紮安定性は下記方法により測定・評
価した。
【0075】(1)PGA、PCL及びブロック共重合
体の分子量Mw 重合体をHFPに溶解して濃度が約0.2重量%の溶液
を調製し、該溶液をゲルパーミエーションクロマトクラ
フィー(昭和電工(株)製、形式:GPC−SYSTE
M21、以下、GPCという)を用いて測定した。ポリ
メチルメタクリレートを標準物質として重量平均分子量
(Mw)を算出した。
【0076】(2)CL、GLDの転化率 生成した重合体をHFPに溶解し、キャピラリーガスク
ロマトグラフィによりポリマー中のCL、GLDの含有
量(残存モノマー量)を測定することにより、算出す
る。
【0077】(3)共重合体のPCL/PGA組成(重
量部) 溶媒としてHFPと重水素化クロロホルム(CDC
3 )の混合溶媒(容積混合比:HFP/CDCl3
2/1)を使用して重合体を溶解した(濃度5重量
%)。核磁気共鳴装置(日本電子(株)製、形式:FX
−90Q)を用いて、H核について1〜9ppmの範囲
でスペクトルを測定した。CL単位に基づくメチレン基
(2.4ppm)、GLD単位に基づくメチレン基
(4.8ppm)の各共鳴強度から、試料中の各組成比
(重量部)を求める。以下、1H−NMR分析という。
【0078】(4)ブロック性の評価 上記(3)と同様に、重合体のHFP/CDCl3 溶液
を調製し、核磁気共鳴装置を用いて、C核について16
0〜190ppmの範囲でスペクトルを測定した。以
下、13C−NMR分析という。 (5)共重合体融点(℃) 毎分10℃の加熱割合で作動する示差走査熱量計(DS
C)〔(株)RIGAKU製、型式:DSC−823
0〕を用いて、重合体の融点を測定する。
【0079】(6)TEM観察 フィラメントを、6時間硬化型2液エポキシ接着剤に包
埋硬化後、ウルトラミクロトームを用い、ガラスナイフ
により試料断面を平滑に面出しし、四酸化ルテニウムで
約15時間染色した。洗浄後、ウルトラミクロトームを
用い、ダイヤモンドナイフにより厚さ約70nmの超薄
切片を切り出し、日立製、H7000型TEMを使用
し、加速電圧75kvで検鏡した。なお、ポリグリコー
ル酸及びPCLのそれぞれの単体試料のTEM観察結果
から、PCLの方がポリグリコール酸よりも四酸化ルテ
ニウムにより強く染色されることを確認した。
【0080】(7)直線的引張強度(MPa)、ヤング
率(GPa) JIS L−1069に規定される方法により、引張試
験機のチャック幅40mm、引張速度100mm/mi
nで測定する。直線的引張強度は、試料が破断するまで
の最大荷重(N)から算出する。ヤング率は、応力(荷
重)−歪み曲線の初期直線的弾性領域の勾配から次式
(数1)により算出する。
【数1】 〔式中、θ:応力(荷重)−歪み曲線の初期直線部と歪
み軸(X軸)との角度(°)、L:チャック幅(m
m)、C:チャート速度(mm/min)、S:応力軸
1目盛り当たりの荷重(N/mm)、H:引張速度(m
m/min)、A:試料断面積(mm2 )〕
【0081】(8)結紮引張強度(MPa) 試料(モノフィラメント)に外科結びを2回施し、
(7)直線的引張強度と同様に引張試験を行い、破断す
るまでの最大荷重から算出する。 (9)加水分解後の直線的引張強度の残率(%) pH7.27、温度37℃の燐酸塩緩衝溶液中に試料
(モノフィラメント)を所定期間浸漬し、乾燥した後、
第(7)項に記載した方法により直線的引張強度を測定
して、未浸漬時の値に対する百分率(%)で示す。
【0082】(10)結紮安定性 試料(モノフィラメント)を直径20mmのガラス管に
密着するように2回巻き付けて外科結びを施した後、温
度23℃、相対湿度50%において24時間放置し、そ
の結び目の緩み具合の経時変化を目視にて観察する。ガ
ラス管上の試料の結紮の結び目の緩み具合の程度によ
り、試料の結紮安定性を評価する。評価基準は次の通り
とする。 ランクA:結び目に緩みが無くガラス管に密着している
状態。 ランクB:結び目に緩みがあるがガラス管に付着してい
る状態。 ランクC:結び目の緩みが大きく、ガラス管から結び目
が離れている状態。
【0083】参考例1 Mw6万のポリε−カプロラクトン(PCL)を110
℃で紡糸し、50℃の熱板上で7倍に延伸し、直径約
0.4mmのPCLモノフィラメントを得た。直線的引
張強度380MPa、ヤング率0.9GPaであった。
加水分解2週間後の引張強度の残率は93%、4週間後
の残率は87%であった。
【0084】参考例2 Mw5万のポリグリコール酸(PGA)を250℃で紡
糸し、50℃の熱板上で最高延伸倍率(4.5倍)まで
延伸し、直径約0.5mmのPCLモノフィラメントを
得た。直線的引張強度970MPa、ヤング率14.7
GPaであった。加水分解2週間後の引張強度の残率は
76%、4週間後の残率は17%であった。フィラメン
トが硬く、結び目を作ることが困難であった。
【0085】実施例1 使用したCLは、3Aタイプのモレキュラーシーブで3
日間乾燥した後、蒸留したものを用いた。CL中の水分
は75ppmであった。また、使用したGLDは、酢酸
エチルで再結晶を繰り返したものを、減圧下に40℃で
1晩乾燥したものを使用した。GLDの水分は、30p
pmであった。機械的攪拌装置、加熱装置付き滴下ロー
ト、及び減圧脱気装置を取り付け、加熱減圧乾燥した5
Lの反応機に、CL60重量部、オクタン酸第一錫をC
Lに対して0.015重量%、及びラウリルアルコール
をCLに対して0.132モル%となる量装入した。反
応機内を約5分間窒素を通気した後、窒素雰囲気のまま
で反応混合物を約20分間かけて220℃まで加熱し、
2時間この温度を保持した。このとき、CLの共重合体
への転化率は約98%であり、生成したPCLのMwは
56,000であった。次いで、滴下ロートにGLD4
0重量部を入れ、約110℃に加熱して溶融させ、反応
機内に約10分間かけて連続的に添加し、5分間激しく
攪拌した。その後、攪拌は緩やかに行いながら反応温度
を235℃まで上げ、その状態を約1時間保持した。G
LDの共重合体への転化率は約99重量%であった。反
応機内を徐々に減圧にして、未反応残存モノマーを除去
した。得られた共重合体のPCL/PGA組成は61/
39であり、Mwは98000であった。
【0086】得られた共重合体の13C−NMRスペクト
ルを160〜190ppmの範囲で測定したところ、1
68.7ppmにGLD単位のカルボニル炭素に由来す
るピーク、及び177.8ppmにCL単位のカルボニ
ル炭素に由来するピークがそれぞれ単独にシャープに現
れ、それ以外のランダム化ピークは観察されなかった。
また、得られた共重合体の融点を、示差走査型熱量計に
て測定したところ、56℃と219℃とにピークを示す
明確な吸熱による融点が認められた。次に、得られた共
重合体を、内径2.5mmの単穴ノズルを付けた二軸押
出し機を用いて最高温度250℃で紡糸した。押出し機
のノズルの下部15cmのところにおよそ0℃の氷水浴
を設け、押出し機から出たフィラメントが約3秒後に氷
水浴に浸漬されるようにした。フィラメントを氷水浴中
を約20秒間通過させた後巻き取った。得られたフィラ
メントを63℃の熱板上をすべらせながら7.4倍に延
伸し、直径約0.45mmのモノフィラメントを得た。
【0087】得られたモノフィラメントの繊維方向に平
行な断面と繊維方向に垂直な断面のTEM写真を図1
(図1)及び図2(図2)に示す。染色剤に黒く染まっ
たPCLマトリックスの中に染色剤に染まりにくいPG
A相が繊維方向に針状配向した状態で分散しているのが
確認された。TEM写真の画像解析により、PCL相と
PGA相の面積比率はおよそ65/35であった。PG
A分散相の長軸の長さはおよそ0.1〜5μm、短軸の
長さはおよそ0.01〜0.3μm、軸比はおよそ5〜
20であった。針状分散相のおよそ9割以上が軸比8以
上の分散相を有していた。
【0088】得られたモノフィラメントの直線的引張強
度は480MPa、ヤング率は1.3GPa、結紮引張
強度は380MPaであった。加水分解4週間後の強度
残存率は55%であった。また、結紮安定性評価はラン
クAであった。
【0089】実施例2 ラウリルアルコールのかわりにジエチレングリコールを
CLに対して0.132モル%となるような量を使用し
た以外は実施例1と同様にCL60重量部を重合させ
た。CLの共重合体への転化率は約98%であり、生成
したPCLのMwは59000であった。次いで、実施
例1と同様にGLD40重量部を添加して重合させた。
GLDの共重合体への転化率は約99重量%であった。
得られた共重合体のPCL/PGA組成は59/41で
あり、Mwは101000であった。
【0090】得られた共重合体の13C−NMRスペクト
ルを160〜190ppmの範囲で測定したところ、1
68.7ppmにGLD単位のカルボニル炭素に由来す
るピーク、及び177.8ppmにCL単位のカルボニ
ル炭素に由来するピークがそれぞれ単独にシャープに現
れ、それ以外のランダム化ピークは観察されなかった。
また、得られた共重合体の融点を、示差走査型熱量計に
て測定したところ、56℃と219℃とにピークを示す
明確な吸熱による融点が認められた。次に、得られた共
重合体を、実施例1と同様に単穴ノズルを付けた二軸押
出し機を用いて最高温度250℃で紡糸した。押出し機
のノズルの下部15cmのところにおよそ0℃の氷水浴
を設け、押出し機から出たフィラメントが約4秒後に氷
水浴に浸漬されるようにした。フィラメントを氷水浴中
を約20秒間通過させた後巻き取った。得られたフィラ
メントを63℃の熱板上をすべらせながら6.9倍に延
伸し、直径約0.49mmのモノフィラメントを得た。
【0091】得られたモノフィラメントの繊維方向の平
行断面と繊維方向の垂直断面をTEMで観察した。染色
剤に黒く染まったPCLマトリックスの中に染色剤に染
まりにくいPGA相が繊維方向に針状配向した状態で分
散しているのが確認された。TEM写真の画像解析によ
り、PCL相とPGA相の面積比率はおよそ65/35
であった。PGA分散相の長軸の長さはおよそ0.05
〜5μm、短軸の長さはおよそ0.01〜0.3μm、
軸比はおよそ5〜20であった。針状分散相のおよそ9
割以上が軸比8以上の分散相を有していた。
【0092】得られたモノフィラメントの直線的引張強
度は520MPa、ヤング率は1.1GPa、結紮引張
強度は370MPaであった。加水分解4週間後の強度
残存率は48%であった。また、結紮安定性評価はラン
クAであった。
【0093】実施例3 CLを75重量部、GLDを25重量部使用した以外
は、実施例1と同様にCLの重合、GLDの重合を行っ
て共重合体を得た。CLの共重合体への転化率は約98
%であり、生成したPCLのMwは83000であっ
た。GLDの共重合体への転化率は約99重量%であっ
た。得られた共重合体のPCL/PGA組成は75/2
5であり、Mwは111000であった。
【0094】得られた共重合体の13C−NMRスペクト
ルを160〜190ppmの範囲で測定したところ、1
68.7ppmにGLD単位のカルボニル炭素に由来す
るピーク、及び177.8ppmにCL単位のカルボニ
ル炭素に由来するピークがそれぞれ単独にシャープに現
れ、それ以外のランダム化ピークは観察されなかった。
また、得られた共重合体の融点を、示差走査型熱量計に
て測定したところ、55℃と216℃とにピークを示す
明確な吸熱による融点が認められた。
【0095】次に、得られた共重合体を、実施例1と同
様に内径2.5mmの単穴ノズルを付けた二軸押出し機
を用いて最高温度250℃で紡糸した。押出し機のノズ
ルの下部15cmのところにおよそ0℃の氷水浴を設
け、押出し機から出たフィラメントが約7秒後に氷水浴
に浸漬されるようにした。フィラメントを氷水浴中を約
20秒間通過させた後巻き取った。得られたフィラメン
トを60℃の熱板上をすべらせながら7.8倍に延伸
し、直径約0.41mmのモノフィラメントを得た。
【0096】得られたモノフィラメントの繊維方向の平
行断面と繊維方向の垂直断面をTEMで観察した。染色
剤に黒く染まったPCLマトリックスの中に染色剤に染
まりにくいPGA相が繊維方向に針状配向した状態で分
散しているのが確認された。TEM写真の画像解析によ
り、PCL相とPGA相の面積比率はおよそ78/22
であった。PGA分散相の長軸の長さはおよそ0.1〜
5μm、短軸の長さはおよそ0.01〜0.3μm、軸
比はおよそ5〜20であった。針状分散相のおよそ9割
以上が軸比8以上の分散相を有していた。
【0097】得られたモノフィラメントの直線的引張強
度は460MPa、ヤング率は1.0GPa、結紮引張
強度は360MPaであった。加水分解4週間後の強度
残存率は65%であった。また、結紮安定性評価はラン
クAであった。
【0098】比較例1 CLを40重量部、GLDを60重量部使用した以外
は、実施例1と同様にCLの重合、GLDの重合を行っ
て共重合体を得た。CLの共重合体への転化率は約95
%であり、生成したPCLのMwは51000であっ
た。GLDの共重合体への転化率は約99重量%であっ
た。得られた共重合体のPCL/PGA組成は41/5
9であり、Mwは109000であった。
【0099】得られた共重合体の13C−NMRスペクト
ルを160〜190ppmの範囲で測定したところ、1
68.7ppmにGLD単位のカルボニル炭素に由来す
るピーク、及び177.8ppmにCL単位のカルボニ
ル炭素に由来するピークがそれぞれ単独にシャープに現
れ、それ以外のランダム化ピークは観察されなかった。
また、得られた共重合体の融点を、示差走査型熱量計に
て測定したところ、55℃と220℃とにピークを示す
明確な吸熱による融点が認められた。次に、得られた共
重合体を、実施例1と同様に内径2.5mmの単穴ノズ
ルを付けた二軸押出し機を用いて紡糸した。得られたフ
ィラメントは硬く、40〜80℃の温度で延伸を各種試
みたが、最高延伸倍率は4.5倍にとどまった。それ以
上の延伸倍率ではフィラメント切れが多発した。
【0100】得られたモノフィラメントの断面をTEM
で観察したところ、マトリックスが染色剤に染まりにく
いPGA相となっており、PCL相が不規則にPGAマ
トリックス中に分散していた。得られたモノフィラメン
トの直線的引張強度は410MPa、ヤング率は4.4
GPa、結紮引張強度は260MPaであった。加水分
解4週間後の強度残存率は5%であった。また、糸が硬
く、結紮安定性評価はランクCであった。
【0101】比較例2 CLを60重量部、GLDを40重量部をあらかじめよ
く混合し、該混合物にオクタン酸第一錫及びラウリルア
ルコールを実施例1と同じ量添加し、実施例1と同様に
加熱して重合させた。重合の進行が遅く、重合がほぼ完
結するまでに7時間を要した。重合終了後、反応機内を
徐々に減圧にして、未反応残存モノマーを除去した。得
られた共重合体のPCL/PGA組成は62/38であ
り、Mwは97000であった。
【0102】得られた共重合体の13C−NMRスペクト
ルを160〜190ppmの範囲で測定したところ、1
68.7ppmにGLD単位のカルボニル炭素に由来す
るピーク、及び177.8ppmにCL単位のカルボニ
ル炭素に由来するピークが現れたが、それ以外に16
8.8、168.9、169.6、169.8、16
9.9、170.8、176.4、176.5、17
7.6ppm等にランダム化ピークが現れた。CL単位
のランダム化ピークのピーク強度は、ホモポリマーピー
クの強度のおよそ3倍程度であった。また、得られた共
重合体の融点を、示差走査型熱量計にて測定したとこ
ろ、170〜200℃にブロードな吸熱ピークを示すの
みで、50〜70℃付近、及び210〜240℃付近に
は吸熱ピークは認められなかった。
【0103】次に、得られた共重合体を、実施例1と同
様に内径2.5mmの単穴ノズルを付けた二軸押出し機
を用いて紡糸した。得られたフィラメントを63℃の熱
板上をすべらせながら7.0倍に延伸し、直径約0.4
5mmのモノフィラメントを得た。得られたモノフィラ
メントの繊維方向の平行断面と繊維方向の垂直断面をT
EMで観察したが、いずれも全体が薄く均一に着色して
おり、相分離構造は認められなかった。得られたモノフ
ィラメントの直線的引張強度は150MPa、ヤング率
は1.0GPa、結紮引張強度は100MPaであっ
た。加水分解4週間後の強度残存率は5%であった。柔
軟ではあるが、引張強度が低く、加水分解も速いため、
手術用縫合糸等の用途としては実用的ではなかった。ま
た、結紮安定性評価はランクBであった。
【0104】比較例3 CLの重合に続くGLDの添加を早め、CLの重合転化
率が70%に達した時点で、未反応CLを系外に除去す
ることなくGLDの添加を行った以外は実施例1と同様
に重合を行った。GLD添加前の生成PCLのMwは4
2000であった。GLDの重合終了後、反応機内を徐
々に減圧にして、未反応残存モノマーを除去した。得ら
れた共重合体のPCL/PGA組成は63/37であ
り、Mwは102000であった。
【0105】得られた共重合体の13C−NMRスペクト
ルを160〜190ppmの範囲で測定したところ、1
68.7ppmにGLD単位のカルボニル炭素に由来す
るピーク、及び177.8ppmにCL単位のカルボニ
ル炭素に由来するピークが現れたが、それ以外に16
8.8、168.9、169.6、169.8、16
9.9、170.8、176.4、176.5、17
7.6ppmにランダム化ピークが現れた。CL単位の
ランダム化ピークのピーク強度は、ホモポリマーピーク
の強度とほぼ同程度であった。また、得られた共重合体
の融点を、示差走査型熱量計にて測定したところ、17
0〜200℃にブロードな吸熱ピークが現れた。210
〜240℃付近には吸熱ピークは認められなかった。
【0106】次に、得られた共重合体を、実施例1と同
様に内径2.5mmの単穴ノズルを付けた二軸押出し機
を用いて紡糸した。得られたフィラメントを63℃の熱
板上をすべらせながら7.0倍に延伸し、直径約0.4
6mmのモノフィラメントを得た。得られたモノフィラ
メントの繊維方向の平行断面と繊維方向の垂直断面をT
EMで観察したが、いずれも全体が薄く均一に着色して
おり、相分離構造は認められなかった。得られたモノフ
ィラメントの直線的引張強度は220MPa、ヤング率
は1.3GPa、結紮引張強度は160MPaであっ
た。加水分解4週間後の強度残存率は15%であった。
柔軟ではあるが、引張強度が低く、加水分解も速いた
め、手術用縫合糸等の用途としては実用的ではなかっ
た。また、結紮安定性評価はランクBであった。
【0107】実施例4 延伸を、室温(15℃)で行ったこと以外は、実施例1
と同様にPCL−PGAブロック共重合体を合成し、紡
糸、延伸してモノフィラメントを得た。延伸倍率は、最
高で4.4倍であった。
【0108】得られたモノフィラメントの繊維方向に平
行な断面のTEM写真を図3(図3)に示す。染色剤に
黒く染まったPCLマトリックスの中に染色剤に染まり
にくいPGA相が分散していたが、針状になっている分
散相と、島(球状)の分散相とが存在し、不均一に延伸
されているのが確認された。TEM写真の画像解析によ
り、分散相のうち、軸比が3以上である針状の分散相の
占める割合は40%であった。
【0109】得られたモノフィラメントの直線的引張強
度は330MPa、ヤング率は1.6GPa、結紮引張
強度は220MPaであった。加水分解4週間後の強度
残存率は45%であった。また、結紮安定性評価はラン
クAであった。
【0110】比較例4 比較のため、米国特許4,700,704に開示されて
いる方法によりGLDとCLとの共重合体を合成した。
機械的攪拌装置、加熱装置付き滴下ロート、及び減圧脱
気装置を取り付け、加熱減圧乾燥した5Lの反応機に、
CL856g、GLD508g、0.033mol/リ
ットルのオクタン酸第一錫トルエン溶液を12.5ミリ
リットル及びヘキサンジオールを5.9g装入した。反
応機内を約5分間窒素を通気した後、窒素雰囲気のまま
で反応混合物を約20分間かけて190℃まで加熱し、
1時間この温度を保持した。次いで、滴下ロートにGL
D1524gを入れ、約110℃に加熱して溶融させ、
190℃に保温した反応機内に添加し、攪拌した。その
後、反応機内を205℃にして、6時間攪拌した。転化
率は約95重量%であった。得られた共重合体のPCL
/PGA組成は、25/75であり、Mwは94000
であった。
【0111】得られた共重合体の13C−NMRスペクト
ルを160〜190ppmの範囲で測定したところ、1
68.7ppmにGLD単位のカルボニル炭素に由来す
るピーク、及び177.8ppmにCL単位のカルボニ
ル炭素に由来するピークが現れたが、それ以外に16
8.8、168.9、169.6、169.8、16
9.9、170.8、176.4、176.5、17
7.6ppm等にランダム化ピークが現れた。CL単位
のランダム化ピークのピーク強度は、ホモポリマーピー
クの強度のおよそ6倍程度であった。
【0112】また、得られた共重合体の融点を、示差走
査型熱量計にて測定したところ、155〜206℃にブ
ロードな吸熱を示す融点が認められた。次に、得られた
共重合体を、内径2.5mmの単穴ノズルを付けた二軸
押出し機(東洋整機製、プラストミル)を用いて最高温
度230℃で紡糸した。押出し機のノズルの下部15c
mのところにおよそ0℃の氷水浴を設け、押出し機から
出たフィラメントが約7秒後に氷水浴に浸漬されるよう
にした。フィラメントを氷水浴中を約20秒間通過させ
た後巻き取った。得られたフィラメントを63℃の熱板
上をすべらせながら最大延伸倍率(約6倍)に延伸し、
直径約0.55mmのモノフィラメントを得た。
【0113】得られたモノフィラメントの繊維方向の平
行断面と繊維方向の垂直断面をTEMで観察したが、い
ずれも全体が薄く均一に着色しており、相分離構造は認
められなかった。得られたモノフィラメントの直線的引
張強度は400MPa、ヤング率は1.1GPa、加水
分解4週間後の強度残存率は0%であった。結紮引張強
度は220MPaであった。柔軟で、直線的引張強度が
高いが、加水分解が速いため、手術用縫合糸等の用途と
しては、縫合期間が短くてもよい場合に限定される。ま
た、結紮安定性評価はランクBであり、結紮安定性に劣
っていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られたモノフィラメントの
繊維方向に平行な断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写
真図である。
【図2】図2は実施例1で得られたモノフィラメントの
繊維方向に垂直な断面のTEM写真図である。
【図3】図3は実施例4で得られたモノフィラメントの
繊維方向に平行な断面のTEM写真図である。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分解性の共重合体からなるモノフィラメ
    ントであって、モノフィラメントの内部構造が、(a)
    引張ヤング率が2GPa以下を示し、かつ、37℃、p
    H7.3の水中2週間後の強度保持率が50%以上であ
    る重合体セグメントを含有するマトリックス相と、
    (b)少なくとも200MPa以上の引張強度を示し、
    かつ、37℃、pH7.3の水中での強度低下がマトリ
    ックス相よりも速い重合体セグメントを含有する微小な
    分散相とに分離した構造であり、マトリックス相と分散
    相のそれぞれの成分の重量比が50:50〜95:5で
    あり、かつ、分散相が繊維方向に引き延ばされ配向した
    針状構造を含有することを特徴とする分解性モノフィラ
    メント。
  2. 【請求項2】 分散相の少なくとも70%が繊維方向に
    配向した針状構造である、請求項1記載の分解性モノフ
    ィラメント。
  3. 【請求項3】 繊維方向に配向した針状構造が、繊維軸
    に垂直の断面の直径が0.01μm〜0.5μmであ
    り、長軸と短軸の比が8以上である、請求項2記載の分
    解性モノフィラメント。
  4. 【請求項4】 マトリックス相が、ポリ(ε−カプロラ
    クトン)セグメントであり、分散相がポリグリコール酸
    セグメントである、請求項1記載の分解性モノフィラメ
    ント。
  5. 【請求項5】 分散相の少なくとも70%が繊維方向に
    配向した針状構造であり、その繊維軸の垂直断面の直径
    が0.01μm〜0.5μmであり、長軸と短軸との比
    が8以上である、請求項4記載の分解性モノフィラメン
    ト。
  6. 【請求項6】 示差走査熱量計にて、少なくとも210
    〜240℃付近において明確な吸熱を示す、請求項4記
    載の分解性モノフィラメント。
  7. 【請求項7】 モノオール化合物又はジオール化合物の
    存在下、ε−カプロラクトン50〜95重量部を開環重
    合し、残存のカプロラクトンを少なくとも15重量%以
    下とし、次いで、グリコリド5〜50重量部を添加して
    開環重合することにより、ポリ(ε−カプロラクトン)
    セグメント(A)及びポリグリコール酸セグメント
    (B)からなるAB型又はBAB型ブロック共重合体を
    製造し、該ブロック共重合体を溶融紡糸した後、3〜1
    0倍に延伸して得られる請求項4記載の分解性モノフィ
    ラメント。
  8. 【請求項8】 ポリ(ε−カプロラクトン)セグメント
    の重量平均分子量が40,000〜150,000であ
    る、請求項7記載の分解性モノフィラメント。
  9. 【請求項9】 ポリグリコール酸セグメントの重量平均
    分子量が1,000〜200,000である請求項7記
    載の分解性モノフィラメント。
  10. 【請求項10】 ブロック共重合体の重量平均分子量が
    30,000〜400,000である、請求項7記載の
    分解性モノフィラメント。
  11. 【請求項11】 ブロック共重合体が、13C−NMRス
    ペクトル測定において、グリコール酸単位に隣接するカ
    プロラクトン単位のカルボニル炭素に由来するピークの
    強度が、カプロラクトン単位に隣接するカプロラクトン
    単位のカルボニル炭素に由来するピーク強度に比べて1
    /2以下であるブロック性の高い共重合体である請求項
    7記載の分解性モノフィラメント。
  12. 【請求項12】 モノオール化合物又はジオール化合物
    の存在下、ε−カプロラクトン50〜95重量部を、生
    成ポリ(ε−カプロラクトン)の重量平均分子量が2
    0,000〜200,000に到達するまで開環重合
    し、残存のカプロラクトンが少なくとも15重量%以下
    とし、次いで、グリコリド5〜50重量部を添加して開
    環重合することにより得られた共重合体を220〜27
    0℃の温度で溶融紡糸した後、3〜10倍に延伸するこ
    とからなる請求項4記載の分解性モノフィラメントの製
    造方法。
  13. 【請求項13】 1分間あたりのグリコリド添加量が、
    使用するε−カプロラクトンの重量の20%を超えない
    量となるように、グリコリドを連続的あるいは間欠的に
    添加することを特徴とする、請求項12記載の分解性モ
    ノフィラメントの製造方法。
  14. 【請求項14】 ε−カプロラクトンを重合させて得ら
    れるポリ(ε−カプロラクトン)の重量平均分子量が4
    0,000〜150,000に到達した時点で、グリコ
    リドを添加することを特徴とする、請求項12記載の分
    解性モノフィラメントの製造方法。
  15. 【請求項15】 溶融紡糸の際、紡糸ノズルから吐出さ
    れたフィラメントを吐出後1〜30秒以内に、−100
    〜50℃の冷却媒体中に浸漬することを特徴とする、請
    求項12記載の分解性モノフィラメントの製造方法。
  16. 【請求項16】 延伸温度が20〜80℃である請求項
    12記載の分解性モノフィラメントの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の分解性モノフィラメン
    トから製造される生体吸収性医療用具。
  18. 【請求項18】 請求項4記載の分解性モノフィラメン
    トから製造される生体吸収性医療用具。
  19. 【請求項19】 生体吸収性医療用具が、モノフィラメ
    ント状縫合糸である請求項17記載の生体吸収性医療用
    具。
  20. 【請求項20】 生体吸収性医療用具が、モノフィラメ
    ント状縫合糸である請求項18記載の生体吸収性医療用
    具。
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