JPH10233308A - 多結晶セラミックス磁性体材料とその製造方法およびこれを用いた非可逆回路素子 - Google Patents
多結晶セラミックス磁性体材料とその製造方法およびこれを用いた非可逆回路素子Info
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- JPH10233308A JPH10233308A JP9034742A JP3474297A JPH10233308A JP H10233308 A JPH10233308 A JP H10233308A JP 9034742 A JP9034742 A JP 9034742A JP 3474297 A JP3474297 A JP 3474297A JP H10233308 A JPH10233308 A JP H10233308A
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- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/34—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
- H01F1/342—Oxides
- H01F1/344—Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
- H01F1/346—[(TO4) 3] with T= Si, Al, Fe, Ga
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低損失のマイクロ波用磁性体材料や高周波回
路素子に使用されるような強磁性体材料に関し、YIG
焼結体が空気中焼成によっても、強磁性共鳴半値幅と誘
電損失との双方がいずれも低く、且つ特性調整のための
組成置換を行っても、同じ温度で焼成可能とする多結晶
セラミックス磁性体材料とその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、YIG構造を有し、主相に
は、イオン半径0.1nm未満の2価金属イオン、好ま
しくはCuイオンを、酸化物換算で0.02〜0.5重
量%の範囲内で含んだ多結晶セラミックス磁性体材料と
する。特に、主相がY以外の希土類金属の一種類以上を
含みFeの一部をAlまたはGaよりで置換されたもの
を採用でき、焼成温度が1420℃〜1500℃の低温
の広い範囲で、空気中で焼成可能とされ、特に、非可逆
回路素子用の強磁性体材料とされる。
路素子に使用されるような強磁性体材料に関し、YIG
焼結体が空気中焼成によっても、強磁性共鳴半値幅と誘
電損失との双方がいずれも低く、且つ特性調整のための
組成置換を行っても、同じ温度で焼成可能とする多結晶
セラミックス磁性体材料とその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、YIG構造を有し、主相に
は、イオン半径0.1nm未満の2価金属イオン、好ま
しくはCuイオンを、酸化物換算で0.02〜0.5重
量%の範囲内で含んだ多結晶セラミックス磁性体材料と
する。特に、主相がY以外の希土類金属の一種類以上を
含みFeの一部をAlまたはGaよりで置換されたもの
を採用でき、焼成温度が1420℃〜1500℃の低温
の広い範囲で、空気中で焼成可能とされ、特に、非可逆
回路素子用の強磁性体材料とされる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波回路部品用
に使用される、多結晶セラミックス磁性体材料、その製
造方法およびこれを用いた非可逆回路素子に関する。
に使用される、多結晶セラミックス磁性体材料、その製
造方法およびこれを用いた非可逆回路素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衛星通信や移動体通信の市場拡大
に見られるように、情報・通信分野の高速・高密度化が
進展し、使用周波数の高周波数化が進んでいる。このよ
うな高周波で使用される磁性体として、電気抵抗率が高
く、高周波における損失が小さい、ガーネット系磁性体
が注目されている。ガーネット磁性体の基本組成は、Y
3 Fe5 O12であり(以下YIGと略す)、諸特性調整
のため、YやFeを他の元素で部分置換したものも用い
られる。またその形態は、単結晶薄膜としての利用も多
いが、磁性体のジャイロ磁気効果を利用した、サーキュ
レータ、アイソレータ、ジャイレータ等の高周波信号用
非可逆回路素子に用いる場合には、比較的安価な多結晶
セラミックスとして利用されている。
に見られるように、情報・通信分野の高速・高密度化が
進展し、使用周波数の高周波数化が進んでいる。このよ
うな高周波で使用される磁性体として、電気抵抗率が高
く、高周波における損失が小さい、ガーネット系磁性体
が注目されている。ガーネット磁性体の基本組成は、Y
3 Fe5 O12であり(以下YIGと略す)、諸特性調整
のため、YやFeを他の元素で部分置換したものも用い
られる。またその形態は、単結晶薄膜としての利用も多
いが、磁性体のジャイロ磁気効果を利用した、サーキュ
レータ、アイソレータ、ジャイレータ等の高周波信号用
非可逆回路素子に用いる場合には、比較的安価な多結晶
セラミックスとして利用されている。
【0003】この非可逆回路素子用ガーネット磁性体に
必要とされる特性としては、以下の4点が挙げられる。 (1)強磁性共鳴半値幅が小さいこと、(2)誘電損失
が小さいこと、(3)飽和磁化が調整可能であること、
(4)磁化の温度変化が大きすぎないこと、
必要とされる特性としては、以下の4点が挙げられる。 (1)強磁性共鳴半値幅が小さいこと、(2)誘電損失
が小さいこと、(3)飽和磁化が調整可能であること、
(4)磁化の温度変化が大きすぎないこと、
【0004】これらの特性のなかで、(4)について
は、YIGでも使用可能な範囲内であり、さらに温度変
化を小さくするためには、YをGd等の希土類金属で部
分置換すれば良いことが知られている。また(3)につ
いては、FeをAlやGaで部分置換すれば良いことが
知られている。
は、YIGでも使用可能な範囲内であり、さらに温度変
化を小さくするためには、YをGd等の希土類金属で部
分置換すれば良いことが知られている。また(3)につ
いては、FeをAlやGaで部分置換すれば良いことが
知られている。
【0005】一方、(1)強磁性共鳴半値幅と(2)誘
電損失については、これらが大きいと、素子の挿入損失
が大きくなるため、両者が同時に小さい必要がある。強
磁性共鳴半値幅ΔHは、一般に次式で表される。 ΔH = ΔHint + ΔHani + ΔHpore ここで、ΔHint はガーネットが本質的に持っている値
で、単結晶の値と等しい0. 5〜1. 0Oeとされる。
ΔHani は異方性によるもので、多結晶体では必然的に
生じ、YIGでは約14Oe程度とされる。これらは、
磁性体組成が決定されればほぼ決まってしまうものであ
る。
電損失については、これらが大きいと、素子の挿入損失
が大きくなるため、両者が同時に小さい必要がある。強
磁性共鳴半値幅ΔHは、一般に次式で表される。 ΔH = ΔHint + ΔHani + ΔHpore ここで、ΔHint はガーネットが本質的に持っている値
で、単結晶の値と等しい0. 5〜1. 0Oeとされる。
ΔHani は異方性によるもので、多結晶体では必然的に
生じ、YIGでは約14Oe程度とされる。これらは、
磁性体組成が決定されればほぼ決まってしまうものであ
る。
【0006】ΔHporeは焼結体中の気孔の存在によるも
ので、磁性体の磁化をIs、気孔率をp(容積分率)と
すると、次式で表される。 ΔHpore = 1. 5×Is×p YIGのIsは1760Oe程度であるので、気孔率が
1%(p=0.01)の場合、ΔHpore=26. 4Oe
となり、この値はΔHint やΔHani に比べて十分大き
い。このため、ガーネットの強磁性共鳴半値幅ΔHを低
減するには、できる限り高密度焼結体として、気孔率を
低減する必要性がある。
ので、磁性体の磁化をIs、気孔率をp(容積分率)と
すると、次式で表される。 ΔHpore = 1. 5×Is×p YIGのIsは1760Oe程度であるので、気孔率が
1%(p=0.01)の場合、ΔHpore=26. 4Oe
となり、この値はΔHint やΔHani に比べて十分大き
い。このため、ガーネットの強磁性共鳴半値幅ΔHを低
減するには、できる限り高密度焼結体として、気孔率を
低減する必要性がある。
【0007】一般にセラミックスの気孔率を低減させる
には、組成に応じて十分高い温度で焼成する必要があ
り、YIGの場合は1500℃前後の高温焼成が必要と
なる。ところが、このような高温では、空気中焼成であ
っても、平衡酸素分圧の関係から、Fe3+の一部が還元
されてFe2+が生成する。Fe2+が生成すると、Fe3+
との間で電子のホッピング伝導が生じ、電気抵抗が低下
し、その結果誘電損失が増加することが知られている。
これを防ぐために酸素分圧を高めて、純酸素中で焼成す
ることなどが行われている。
には、組成に応じて十分高い温度で焼成する必要があ
り、YIGの場合は1500℃前後の高温焼成が必要と
なる。ところが、このような高温では、空気中焼成であ
っても、平衡酸素分圧の関係から、Fe3+の一部が還元
されてFe2+が生成する。Fe2+が生成すると、Fe3+
との間で電子のホッピング伝導が生じ、電気抵抗が低下
し、その結果誘電損失が増加することが知られている。
これを防ぐために酸素分圧を高めて、純酸素中で焼成す
ることなどが行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高温で
純酸素中焼成を行うことは製造上問題となる上に、酸素
中焼成であっても、Fe2+の生成を完全に防ぐことは困
難であり、強磁性共鳴半値幅と誘電損失が同時に小さい
材料を得ることは困難であった。また飽和磁化調整のた
めのAlやGa置換や、温度特性調整のためのGd置換
は、焼成温度をさらに高くしなければ高密度化が困難と
なる。1500℃を越える高温での焼成や、組成によっ
て焼成温度を一々変えなければならないことは、製造上
大きな問題であった。
純酸素中焼成を行うことは製造上問題となる上に、酸素
中焼成であっても、Fe2+の生成を完全に防ぐことは困
難であり、強磁性共鳴半値幅と誘電損失が同時に小さい
材料を得ることは困難であった。また飽和磁化調整のた
めのAlやGa置換や、温度特性調整のためのGd置換
は、焼成温度をさらに高くしなければ高密度化が困難と
なる。1500℃を越える高温での焼成や、組成によっ
て焼成温度を一々変えなければならないことは、製造上
大きな問題であった。
【0009】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、強磁性共鳴半値幅と誘電損失とが同時に小さい材料
を、空気中焼成で、かつ組成調整を行っても1500℃
以下の同じ温度で焼成することが可能な多結晶セラミッ
クス磁性体材料を提供することを目的とする。
め、強磁性共鳴半値幅と誘電損失とが同時に小さい材料
を、空気中焼成で、かつ組成調整を行っても1500℃
以下の同じ温度で焼成することが可能な多結晶セラミッ
クス磁性体材料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明の多結晶セラミックス磁性体材料は、ガ
ーネット型構造を有し、少なくともYとFeとOを含む
相を主相とし、6配位時のイオン半径0.1nm未満の
2価金属イオンを、酸化物換算で0.02〜0.5重量
%含むことを特徴とするものである。
ために、本発明の多結晶セラミックス磁性体材料は、ガ
ーネット型構造を有し、少なくともYとFeとOを含む
相を主相とし、6配位時のイオン半径0.1nm未満の
2価金属イオンを、酸化物換算で0.02〜0.5重量
%含むことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の多結晶セラミックス磁性体
材料は、ガーネット型構造を有し、上記主相が、YとF
eとOを含んで、 化学式Y3-x Rx Fe5-y-z Ay Ow 〔ここでRは、Y以外の希土類金属の一種類以上、A
は、AlまたはGaより選ばれた一種類以上、xは0≦
x≦1.5、yは0≦y≦1.5、zが0.03≦z≦
0.2である〕で表される結晶であり、且つ、6配位時
のイオン半径0.1nm未満の2価金属イオンを、酸化
物換算で0.02〜0.5重量%含むことを特徴とする
ものである。
材料は、ガーネット型構造を有し、上記主相が、YとF
eとOを含んで、 化学式Y3-x Rx Fe5-y-z Ay Ow 〔ここでRは、Y以外の希土類金属の一種類以上、A
は、AlまたはGaより選ばれた一種類以上、xは0≦
x≦1.5、yは0≦y≦1.5、zが0.03≦z≦
0.2である〕で表される結晶であり、且つ、6配位時
のイオン半径0.1nm未満の2価金属イオンを、酸化
物換算で0.02〜0.5重量%含むことを特徴とする
ものである。
【0012】本発明の磁性体材料の製造方法は、少なく
ともYとFeとOを含み、且つ6配位時のイオン半径が
0.1nm未満の2価金属イオンを酸化物換算で0.0
2〜0.5重量%含む成形体を、焼成温度1420℃〜
1500℃の範囲で、空気中で焼成して焼結体として、
ガーネット型構造の多結晶セラミックス磁性体とするこ
とを特徴とする。
ともYとFeとOを含み、且つ6配位時のイオン半径が
0.1nm未満の2価金属イオンを酸化物換算で0.0
2〜0.5重量%含む成形体を、焼成温度1420℃〜
1500℃の範囲で、空気中で焼成して焼結体として、
ガーネット型構造の多結晶セラミックス磁性体とするこ
とを特徴とする。
【0013】この製造方法において、この成形体にはY
以外の希土類金属の一種類以上及び/若しくはAlまた
はGaより選ばれた一種類以上の酸化物を含んでおり、
焼成後の上記焼結体は、YとFeとOを含む主相が、 化学式 Y3-x Rx Fe5-y-z Ay Ow 〔ここでRはY以外の希土類金属の一種類以上、AはA
lまたはGaより選ばれた一種類以上、xは0≦x≦
1.5、yは0≦y≦1.5、zが0.03≦z≦0.
2である〕で表されたガーネット型構造を有する結晶で
あることを特徴としている。
以外の希土類金属の一種類以上及び/若しくはAlまた
はGaより選ばれた一種類以上の酸化物を含んでおり、
焼成後の上記焼結体は、YとFeとOを含む主相が、 化学式 Y3-x Rx Fe5-y-z Ay Ow 〔ここでRはY以外の希土類金属の一種類以上、AはA
lまたはGaより選ばれた一種類以上、xは0≦x≦
1.5、yは0≦y≦1.5、zが0.03≦z≦0.
2である〕で表されたガーネット型構造を有する結晶で
あることを特徴としている。
【0014】本発明の材料は、ガーネット型多結晶を主
相とするセラミックス焼結体を利用した磁性材料であっ
て、イットリウム鉄ガーネット(YIG)を基本組成と
するが、本発明は、さらにこのYIGに、副成分とし
て、6配位時のイオン半径が0.1nm未満の2価金属
イオンを含有させたものである。このような2価金属イ
オンは、その少なくとも一部が主相のガーネット構造中
の微量ながら存在するFe2+位置に置換すると考えら
れ、空気中の焼成過程でも、ガーネット中の2価のFe
2+イオンの生成を抑制し、これにより、ホッピング電子
伝導を規制するので、誘電体としての電気抵抗の低下を
防止することができ、高周波領域における誘電正接δを
非常に低く確保することができるものと考えられる。
相とするセラミックス焼結体を利用した磁性材料であっ
て、イットリウム鉄ガーネット(YIG)を基本組成と
するが、本発明は、さらにこのYIGに、副成分とし
て、6配位時のイオン半径が0.1nm未満の2価金属
イオンを含有させたものである。このような2価金属イ
オンは、その少なくとも一部が主相のガーネット構造中
の微量ながら存在するFe2+位置に置換すると考えら
れ、空気中の焼成過程でも、ガーネット中の2価のFe
2+イオンの生成を抑制し、これにより、ホッピング電子
伝導を規制するので、誘電体としての電気抵抗の低下を
防止することができ、高周波領域における誘電正接δを
非常に低く確保することができるものと考えられる。
【0015】また、この2価金属イオンは、焼成過程
で、主相であるガーネット結晶間の焼結性を改善して、
比較的低温の焼成でも多結晶体を緻密化して、その気孔
率を低減する。この結果として、気孔の存在によって生
じる強磁性共鳴半値幅を低減することができる。このよ
うにして、2価金属イオンは強磁性共鳴半値幅と誘電損
失とを同時に小さくする効果がある。
で、主相であるガーネット結晶間の焼結性を改善して、
比較的低温の焼成でも多結晶体を緻密化して、その気孔
率を低減する。この結果として、気孔の存在によって生
じる強磁性共鳴半値幅を低減することができる。このよ
うにして、2価金属イオンは強磁性共鳴半値幅と誘電損
失とを同時に小さくする効果がある。
【0016】この2価金属イオンの添加は、YIG型多
結晶を特に雰囲気を調整しないで空気中焼成であって
も、通常よりも誘電損失が大幅に改善され、磁気損失と
誘電損失が同時に小さい材料を得ることができる。さら
に、良好な特性が得られる最適の焼成温度範囲を広くす
る効果がある。このため、YIGの他の特性を調整する
ために、他の金属イオン、例えば、Y以外の希土類金属
やAl、GaなどのイオンでY+3やFe+3イオンを部分
置換して、このために通常は最適焼成温度の異なる組成
のものを焼成する場合であっても、同じ温度で焼成可能
となり、通常のセラミックス作製プロセスで製造するこ
とができ、その生産性が向上する。
結晶を特に雰囲気を調整しないで空気中焼成であって
も、通常よりも誘電損失が大幅に改善され、磁気損失と
誘電損失が同時に小さい材料を得ることができる。さら
に、良好な特性が得られる最適の焼成温度範囲を広くす
る効果がある。このため、YIGの他の特性を調整する
ために、他の金属イオン、例えば、Y以外の希土類金属
やAl、GaなどのイオンでY+3やFe+3イオンを部分
置換して、このために通常は最適焼成温度の異なる組成
のものを焼成する場合であっても、同じ温度で焼成可能
となり、通常のセラミックス作製プロセスで製造するこ
とができ、その生産性が向上する。
【0017】本発明のこれらの磁性体は、強磁性共鳴半
値幅と誘電損失とが共に低いので、非可逆回路素子とし
て利用して有用である。
値幅と誘電損失とが共に低いので、非可逆回路素子とし
て利用して有用である。
【0018】
【発明の実施の形態】YIGは、基本的には、Y、Fe
及びOから成るガーネット構造を主相とした焼結体で、
特に、Y2 O3 :Fe2 O3 =3:4. 97〜3:4.
80(モル比)の範囲の組成を有する多結晶焼結体が使
用される。本発明においては、YIGの他の特性を改善
するために、好ましくは、YIGには、 化学式 Y3-x Rx Fe5-y-z Ay Ow 〔0.03
≦z≦0.2〕 で表される結晶相が含まれる。ここで、RはY以外のG
d等の希土類金属の一種類以上であり、磁化の温度依存
性を低減するために、0≦x≦1.5の範囲内で選ばれ
る。またこの式で、Aは、AlまたはGaより選ばれた
一種類以上が、特に、飽和磁化の調製のために、0≦y
≦1.5の範囲で含まれる。
及びOから成るガーネット構造を主相とした焼結体で、
特に、Y2 O3 :Fe2 O3 =3:4. 97〜3:4.
80(モル比)の範囲の組成を有する多結晶焼結体が使
用される。本発明においては、YIGの他の特性を改善
するために、好ましくは、YIGには、 化学式 Y3-x Rx Fe5-y-z Ay Ow 〔0.03
≦z≦0.2〕 で表される結晶相が含まれる。ここで、RはY以外のG
d等の希土類金属の一種類以上であり、磁化の温度依存
性を低減するために、0≦x≦1.5の範囲内で選ばれ
る。またこの式で、Aは、AlまたはGaより選ばれた
一種類以上が、特に、飽和磁化の調製のために、0≦y
≦1.5の範囲で含まれる。
【0019】これらのYIGに添加される2価金属イオ
ンは、6配位のイオン半径が0.1nm未満のもので、
Co2+(6配位時のイオン半径0.65nm)、Ni2+
(同0.69nm)、Cu2+(同0.73nm)が好ま
しく、その他、Zn(0.74nm)、Mg(0.72
nm)も使用される(但し2価のFeイオンを含ま
ず)。特に、2価金属は、Cu2+が、強磁性共鳴半値幅
の低下に特に有効であることから、最も好ましい。
ンは、6配位のイオン半径が0.1nm未満のもので、
Co2+(6配位時のイオン半径0.65nm)、Ni2+
(同0.69nm)、Cu2+(同0.73nm)が好ま
しく、その他、Zn(0.74nm)、Mg(0.72
nm)も使用される(但し2価のFeイオンを含ま
ず)。特に、2価金属は、Cu2+が、強磁性共鳴半値幅
の低下に特に有効であることから、最も好ましい。
【0020】これらの2価金属イオンは、酸化物換算で
焼結体中に0.02〜0.5重量%の含有量に添加する
のがよい。0.02重量%未満では、効果が少なく、
0.5重量%を越えると、強磁性共鳴半値幅と誘電損失
とも増加する傾向になるからである。
焼結体中に0.02〜0.5重量%の含有量に添加する
のがよい。0.02重量%未満では、効果が少なく、
0.5重量%を越えると、強磁性共鳴半値幅と誘電損失
とも増加する傾向になるからである。
【0021】こうして、上記2価の金属イオンを、YI
Gに酸化物換算で0.02〜0.5重量%の配合するこ
とにより、強磁性共鳴半値幅及び誘電損失の双方を低下
できる最適の焼成温度を、1420℃〜1500℃の範
囲に拡大することができ、上記の強磁性体の他の特性改
善のための各種の金属置換行う場合の最適焼成温度範囲
と一致させるので、組成の異なる2種以上のYIGを同
一温度で且つ同時に焼成することが容易にできるのであ
る。
Gに酸化物換算で0.02〜0.5重量%の配合するこ
とにより、強磁性共鳴半値幅及び誘電損失の双方を低下
できる最適の焼成温度を、1420℃〜1500℃の範
囲に拡大することができ、上記の強磁性体の他の特性改
善のための各種の金属置換行う場合の最適焼成温度範囲
と一致させるので、組成の異なる2種以上のYIGを同
一温度で且つ同時に焼成することが容易にできるのであ
る。
【0022】本発明の磁性体材料を製造するには、出発
原料として、通常は酸化物が利用され、主たる原料とし
てY2 O3 とFe2 O3 に、上記2価金属の酸化物の粉
末と、必要により他の磁性体特性の調製ないし改善のた
めの金属の酸化物、例えば、AlやGd酸化物やその他
の希土類酸化物の粉末を、所定の組成になるように混合
した混合粉とし、この混合粉を所望形状に圧縮成形して
成形体とする。圧縮成形に先立って、混合物を仮焼成
し、仮焼物を再度粉砕して後に成形体とすることもなさ
れる。他の方法には、2価金属の酸化物を除いた他の酸
化物を上記化合物の組成になるように配合した混合物を
予備焼成し、焼成物の粉砕物に対して2価金属の酸化物
を所定量配合混合し、この混合物からの圧縮成形体を形
成する方法もある。
原料として、通常は酸化物が利用され、主たる原料とし
てY2 O3 とFe2 O3 に、上記2価金属の酸化物の粉
末と、必要により他の磁性体特性の調製ないし改善のた
めの金属の酸化物、例えば、AlやGd酸化物やその他
の希土類酸化物の粉末を、所定の組成になるように混合
した混合粉とし、この混合粉を所望形状に圧縮成形して
成形体とする。圧縮成形に先立って、混合物を仮焼成
し、仮焼物を再度粉砕して後に成形体とすることもなさ
れる。他の方法には、2価金属の酸化物を除いた他の酸
化物を上記化合物の組成になるように配合した混合物を
予備焼成し、焼成物の粉砕物に対して2価金属の酸化物
を所定量配合混合し、この混合物からの圧縮成形体を形
成する方法もある。
【0023】上記の圧縮成形体を、適当な電気炉などの
加熱炉に装入し、炉内を空気の雰囲気で、焼成温度14
20℃〜1500℃の範囲で加熱保持して、焼成する。
成形体中の2価金属の酸化物の焼結促進作用により、充
分緻密な焼結体を得る。本発明の製造方法は、最適特性
を得るための焼成温度範囲が広いので、加熱炉には、組
成の異なる磁性体を同じロットで加熱焼成することがで
きるので、従来のごとく磁性体の組成の異なるたびに焼
成機会を変更するということが必要でなくなり、量産性
が向上する。
加熱炉に装入し、炉内を空気の雰囲気で、焼成温度14
20℃〜1500℃の範囲で加熱保持して、焼成する。
成形体中の2価金属の酸化物の焼結促進作用により、充
分緻密な焼結体を得る。本発明の製造方法は、最適特性
を得るための焼成温度範囲が広いので、加熱炉には、組
成の異なる磁性体を同じロットで加熱焼成することがで
きるので、従来のごとく磁性体の組成の異なるたびに焼
成機会を変更するということが必要でなくなり、量産性
が向上する。
【0024】このようにして成形した磁性体材料は、磁
気的損失及び電気的損失がともに小さいので、磁性体の
ジャイロ磁気効果を利用した、サーキュレータ、アイソ
レータ、ジャイレータ等の高周波信号用非可逆回路素子
に、特に好ましく使用され、その挿入損失が小さく、優
れた特性を示す。
気的損失及び電気的損失がともに小さいので、磁性体の
ジャイロ磁気効果を利用した、サーキュレータ、アイソ
レータ、ジャイレータ等の高周波信号用非可逆回路素子
に、特に好ましく使用され、その挿入損失が小さく、優
れた特性を示す。
【0025】
〔実施例1〕出発原料として、純度99.9%のY2 O
3 、α−Fe2 O3 、CaCO3 、NiO、CoO、C
uO粉末を用いた。これらの粉末を、焼結体の最終組成
がY2 O3 :Fe2 O3 =3:4. 95(モル比)とな
り、合計重量が300gとなるように秤量し、ボールミ
ルにて混合した。この混合粉末を1200℃で2時間仮
焼した後、各添加物を、CaO、NiO、CoO、Cu
O換算量でY2 O3 とFe2 O3 の合計量に対して表1
に示す値となるよう添加し、再度ボールミルで粉砕し
た。この仮焼粉末にバインダーを加えて整粒したのち、
金型にて圧縮成形し、成形体を表1に示す各温度で3時
間、空気中で焼成した。得られた焼結体から切り出した
試料を用いて、約1GHzで強磁性共鳴半値幅ΔHと誘
電正接tanδを測定した。結果を表1に示した。
3 、α−Fe2 O3 、CaCO3 、NiO、CoO、C
uO粉末を用いた。これらの粉末を、焼結体の最終組成
がY2 O3 :Fe2 O3 =3:4. 95(モル比)とな
り、合計重量が300gとなるように秤量し、ボールミ
ルにて混合した。この混合粉末を1200℃で2時間仮
焼した後、各添加物を、CaO、NiO、CoO、Cu
O換算量でY2 O3 とFe2 O3 の合計量に対して表1
に示す値となるよう添加し、再度ボールミルで粉砕し
た。この仮焼粉末にバインダーを加えて整粒したのち、
金型にて圧縮成形し、成形体を表1に示す各温度で3時
間、空気中で焼成した。得られた焼結体から切り出した
試料を用いて、約1GHzで強磁性共鳴半値幅ΔHと誘
電正接tanδを測定した。結果を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1より明らかなように、YIGに2価金
属酸化物を添加しない場合、ΔH、tanδともに低く
なるのは、焼成温度が1460℃〜1480℃の極めて
狭い範囲内であった。一方、イオン半径が0.1nm以
下の金属イオンとして、Co、Ni、Cuをそれぞれ酸
化物CoO、NiO、CuOの形態で酸化物重量0.1
重量%添加した本発明の磁性体では、無添加のものに比
べて誘電損失が改善され、焼成温度範囲1420℃〜1
500℃の間で低ΔH、低tanδとなった。特にCu
O=0.1%添加の場合、ΔH=19Oe、tanδ=
4×10−5という最高の特性が得られた。
属酸化物を添加しない場合、ΔH、tanδともに低く
なるのは、焼成温度が1460℃〜1480℃の極めて
狭い範囲内であった。一方、イオン半径が0.1nm以
下の金属イオンとして、Co、Ni、Cuをそれぞれ酸
化物CoO、NiO、CuOの形態で酸化物重量0.1
重量%添加した本発明の磁性体では、無添加のものに比
べて誘電損失が改善され、焼成温度範囲1420℃〜1
500℃の間で低ΔH、低tanδとなった。特にCu
O=0.1%添加の場合、ΔH=19Oe、tanδ=
4×10−5という最高の特性が得られた。
【0028】一方、同じ2価イオンであるが、イオン半
径が0.10nmであるCa添加の場合は、ΔHとta
nδとは共に増大し、特に誘電損失の増加が著しかっ
た。また、イオン半径が0.1nm以下であっても、3
価イオンのAl(0.535nm)は添加の効果がほと
んど認められず、4価イオンのZr(0.72nm)で
は、ΔHは変化しないが、tanδが増大した。従っ
て、2価イオンで、イオン半径が0.1nm未満の添加
物を用いることに効果があり、特に2価Cuの添加に顕
著な効果が認められた。なお、添加物は仮焼前に添加し
ても同様の効果が認められた。
径が0.10nmであるCa添加の場合は、ΔHとta
nδとは共に増大し、特に誘電損失の増加が著しかっ
た。また、イオン半径が0.1nm以下であっても、3
価イオンのAl(0.535nm)は添加の効果がほと
んど認められず、4価イオンのZr(0.72nm)で
は、ΔHは変化しないが、tanδが増大した。従っ
て、2価イオンで、イオン半径が0.1nm未満の添加
物を用いることに効果があり、特に2価Cuの添加に顕
著な効果が認められた。なお、添加物は仮焼前に添加し
ても同様の効果が認められた。
【0029】〔実施例2〕実施例1と同様の方法で、焼
結体の最終組成がY2 O3 :Fe2 O3 =3:4. 95
(モル比)であって、表2に示すように、CuOの添加
量を0〜1.0重量%の範囲で変えて成形体を圧縮形成
し、各成形体を1400〜1520℃の範囲で焼成温度
を変えて空気中焼成して、焼結体を作製し、これより切
り出した試料を用いて、約1GHzで強磁性共鳴半値幅
と誘電損失を測定した。結果を表2に示した。
結体の最終組成がY2 O3 :Fe2 O3 =3:4. 95
(モル比)であって、表2に示すように、CuOの添加
量を0〜1.0重量%の範囲で変えて成形体を圧縮形成
し、各成形体を1400〜1520℃の範囲で焼成温度
を変えて空気中焼成して、焼結体を作製し、これより切
り出した試料を用いて、約1GHzで強磁性共鳴半値幅
と誘電損失を測定した。結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】表2から、CuOの添加は、0.02重量
%以上でΔHとtanδとを共に低下させる効果があ
り、焼成温度に対する効果についても、CuO無添加の
場合1480〜1500℃の狭い範囲であったものが、
1420〜1500℃の範囲に拡大することができた。
特に、1440〜1480℃の範囲が、ΔHとtanδ
との両方の顕著に低下させている。一方、CuOが1%
以上添加されるとΔHとtanδとの両方を悪化させる
ので好ましくない。このようにして、2価の銅の酸化物
の添加量が0.02〜0.5重量%の範囲内が最もよい
ことが判る。
%以上でΔHとtanδとを共に低下させる効果があ
り、焼成温度に対する効果についても、CuO無添加の
場合1480〜1500℃の狭い範囲であったものが、
1420〜1500℃の範囲に拡大することができた。
特に、1440〜1480℃の範囲が、ΔHとtanδ
との両方の顕著に低下させている。一方、CuOが1%
以上添加されるとΔHとtanδとの両方を悪化させる
ので好ましくない。このようにして、2価の銅の酸化物
の添加量が0.02〜0.5重量%の範囲内が最もよい
ことが判る。
【0032】〔実施例3〕出発原料として、純度99.
9%のY2 O3 、α−Fe2 O3 、Al2 O3 粉末を用
いて、実施例1と同様の方法で混合物を1200℃で仮
焼し、仮焼物にCuOを添加した混合物から圧縮成形し
て同様に成形体とし、これを表3に示す各温度で焼成し
て焼結体を作成した。ここに、焼結体は、FeをAlで
置換して最終組成mol比が表3に示す値となり、添加
物としてのCuOは0.1重量%となるように焼結体を
調製した。比較のため、CuOを添加しない試料も作製
した。得られた焼結体より、実施例1と同様の方法で、
約1GHzの強磁性共鳴半値幅と誘電損失を測定した。
結果を表3に示した。
9%のY2 O3 、α−Fe2 O3 、Al2 O3 粉末を用
いて、実施例1と同様の方法で混合物を1200℃で仮
焼し、仮焼物にCuOを添加した混合物から圧縮成形し
て同様に成形体とし、これを表3に示す各温度で焼成し
て焼結体を作成した。ここに、焼結体は、FeをAlで
置換して最終組成mol比が表3に示す値となり、添加
物としてのCuOは0.1重量%となるように焼結体を
調製した。比較のため、CuOを添加しない試料も作製
した。得られた焼結体より、実施例1と同様の方法で、
約1GHzの強磁性共鳴半値幅と誘電損失を測定した。
結果を表3に示した。
【0033】
【表3】
【0034】表3から明らかなように、添加物CuOを
用いない場合、Al置換量が増加するに伴って1470
℃以下での低温焼成ではtanδが大きくなる傾向があ
り、ΔH、tanδともに低くするためには、1500
℃を越える温度で焼成する必要がある。焼成温度が15
00℃を越えると、Al置換量の少ない組成でtanδ
が大きくなり、Al置換量の異なる試料を同時に焼成す
ることは不可能となる。一方、CuOを添加した本発明
の磁性体では、全体にtanδが低減されるとともに、
Al置換量が大きい組成でも1500℃以下の温度で低
ΔH、低tanδの材料が得られるため、Al置換量の
異なる材料を同時に焼成することが可能であり、この場
合の最適焼成温度は1460〜1500℃であった。
用いない場合、Al置換量が増加するに伴って1470
℃以下での低温焼成ではtanδが大きくなる傾向があ
り、ΔH、tanδともに低くするためには、1500
℃を越える温度で焼成する必要がある。焼成温度が15
00℃を越えると、Al置換量の少ない組成でtanδ
が大きくなり、Al置換量の異なる試料を同時に焼成す
ることは不可能となる。一方、CuOを添加した本発明
の磁性体では、全体にtanδが低減されるとともに、
Al置換量が大きい組成でも1500℃以下の温度で低
ΔH、低tanδの材料が得られるため、Al置換量の
異なる材料を同時に焼成することが可能であり、この場
合の最適焼成温度は1460〜1500℃であった。
【0035】〔実施例4〕出発原料として純度99.9
%のY2 O3 、α−Fe2 O3 、Gd2 O3 、Ga2
O3 粉末を用いた。これらの粉末を、実施例1と同様の
方法で、焼結体の最終組成mol比が、表4に示す値と
なり、添加物としてCuOが0.1重量%となる焼結体
を作製した。比較のため、CuOを添加しない試料も作
製した。得られた焼結体より、実施例1と同様の方法
で、約1GHzの強磁性共鳴半値幅と誘電損失を測定し
た。結果を表4に示す。
%のY2 O3 、α−Fe2 O3 、Gd2 O3 、Ga2
O3 粉末を用いた。これらの粉末を、実施例1と同様の
方法で、焼結体の最終組成mol比が、表4に示す値と
なり、添加物としてCuOが0.1重量%となる焼結体
を作製した。比較のため、CuOを添加しない試料も作
製した。得られた焼結体より、実施例1と同様の方法
で、約1GHzの強磁性共鳴半値幅と誘電損失を測定し
た。結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】表4より明らかなように、添加物CuOを
用いない場合、Gd置換やGa置換を行うと、低温焼成
ではtanδが大きくなり、ΔH、tanδともに低く
するためには、1500℃を越える温度で焼成する必要
があるが、焼成温度が1500℃を越えると、無置換で
tanδが大きくなり、GdあるいはGa置換材料を同
時に焼成することは不可能となる。一方、CuOを添加
した本発明の磁性体では、全体にtanδが低減される
とともに、Gd置換やGa置換でも1500℃以下の温
度で低ΔH、低tanδの材料が得られるため、同時に
焼成することが可能であった。
用いない場合、Gd置換やGa置換を行うと、低温焼成
ではtanδが大きくなり、ΔH、tanδともに低く
するためには、1500℃を越える温度で焼成する必要
があるが、焼成温度が1500℃を越えると、無置換で
tanδが大きくなり、GdあるいはGa置換材料を同
時に焼成することは不可能となる。一方、CuOを添加
した本発明の磁性体では、全体にtanδが低減される
とともに、Gd置換やGa置換でも1500℃以下の温
度で低ΔH、低tanδの材料が得られるため、同時に
焼成することが可能であった。
【0038】〔実施例5〕実施例1と同様の方法で、焼
結体の最終組成モル比が表5に示す値となり、添加物と
してCuOが0.1重量%となる焼結体を、焼成温度を
1450℃〜1550℃で10℃間隔で変化させて作製
した。比較のため、CuOを添加しない試料も同様に作
製した。得られた焼結体より、実施例1と同様の方法
で、約1GHzの強磁性共鳴半値幅と誘電損失を測定
し、両者の値から、最適焼成温度を求めた。その温度と
その時の測定値を表5に示す。
結体の最終組成モル比が表5に示す値となり、添加物と
してCuOが0.1重量%となる焼結体を、焼成温度を
1450℃〜1550℃で10℃間隔で変化させて作製
した。比較のため、CuOを添加しない試料も同様に作
製した。得られた焼結体より、実施例1と同様の方法
で、約1GHzの強磁性共鳴半値幅と誘電損失を測定
し、両者の値から、最適焼成温度を求めた。その温度と
その時の測定値を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】磁性体に必要な特性としてΔH<40O
e、tanδ<20×10-5を目安に考えると、表5か
ら、CuO等の添加物を用いない場合には、Al置換の
有無に関わらず、最適(Fe+Al)量は4.8〜4.
95モルであったが、添加物を用いることによって、特
にFe量が多い側のtanδが改善され、4.8〜4.
97モルとなった。
e、tanδ<20×10-5を目安に考えると、表5か
ら、CuO等の添加物を用いない場合には、Al置換の
有無に関わらず、最適(Fe+Al)量は4.8〜4.
95モルであったが、添加物を用いることによって、特
にFe量が多い側のtanδが改善され、4.8〜4.
97モルとなった。
【0041】〔実施例6〕実施例3と同様の方法で、表
6に示した最終組成比となるように配合して、添加物と
してCuOを0.1重量%含む成形体について、147
5℃×4hの焼成、および、1525℃×4hの焼成を
行って、ガーネット焼結体を作製した。また比較のた
め、CuOを含まない焼結体も、同じ条件で作製した。
得られた焼結体から、外形25mmφ、厚さ1.5mm
の円板状試片を切り出し、この円板状試片2枚をY字形
状のストリップラインの上下に置き、さらに上下から直
径30mmφで、適当な厚さの磁石円板で挟持し、磁性
金属ケースに納め、ストリップラインのY字の1つの端
部にターミネータ用抵抗を接続して、分布定数型Yスト
リップラインアイソレータを構成した。このとき、それ
ぞれのガーネットに応じて磁石の厚さを変え、逆方向ア
イソレーションが最大となるように調整した。得られた
アイソレータの、逆方向アイソレーションが最大となる
周波数と、その時のアイソレーションと、その周波数で
の正方向挿入損失とを測定した。結果を表6に示す。
6に示した最終組成比となるように配合して、添加物と
してCuOを0.1重量%含む成形体について、147
5℃×4hの焼成、および、1525℃×4hの焼成を
行って、ガーネット焼結体を作製した。また比較のた
め、CuOを含まない焼結体も、同じ条件で作製した。
得られた焼結体から、外形25mmφ、厚さ1.5mm
の円板状試片を切り出し、この円板状試片2枚をY字形
状のストリップラインの上下に置き、さらに上下から直
径30mmφで、適当な厚さの磁石円板で挟持し、磁性
金属ケースに納め、ストリップラインのY字の1つの端
部にターミネータ用抵抗を接続して、分布定数型Yスト
リップラインアイソレータを構成した。このとき、それ
ぞれのガーネットに応じて磁石の厚さを変え、逆方向ア
イソレーションが最大となるように調整した。得られた
アイソレータの、逆方向アイソレーションが最大となる
周波数と、その時のアイソレーションと、その周波数で
の正方向挿入損失とを測定した。結果を表6に示す。
【0042】
【表6】
【0043】表6から明らかなように、添加物を用いな
い場合、Al置換量が増加するに伴って、1475℃焼
成では挿入損失が大きくなり、逆に1525℃焼成で
は、Al置換量0の時の挿入損失が大きい。一方、Cu
Oを添加した本発明の磁性体では、両焼成温度とも比較
的挿入損失が小さく、特に1475℃焼成の場合に、A
l置換量に関わらず、挿入損失が0.1dB以下となっ
た。
い場合、Al置換量が増加するに伴って、1475℃焼
成では挿入損失が大きくなり、逆に1525℃焼成で
は、Al置換量0の時の挿入損失が大きい。一方、Cu
Oを添加した本発明の磁性体では、両焼成温度とも比較
的挿入損失が小さく、特に1475℃焼成の場合に、A
l置換量に関わらず、挿入損失が0.1dB以下となっ
た。
【0044】〔実施例7〕実施例3と同様の方法で、最
終組成比をY:Fe:Al=3:4.3:0.65(モ
ル比)とし、添加物としてのCuOを0.1重量%含む
ガーネット焼結体を、1470℃空気中焼成して作製し
た。得られた焼結体から、直径4mmφ、厚さ0.3m
mの円板状焼結体試片を得た。同じ試片を2枚準備し、
1枚の焼結体の上にAg薄体よりなるストリップライン
を置き、その上に絶縁テープを張り付け、その上にさら
にストリップラインを配置した。さらに絶縁テープを張
り付け、その上に3本目のストリップラインを配置し
た。このとき、3本のストリップラインが互いに120
度の角度で交わるようした。最後にその上にもう1枚の
ガーネット円板を置いて、ガーネット焼結体2枚の間に
3本のストリップラインが挟持されたものを作製した。
この互いに120度で交叉したストリップラインのそれ
ぞれ片端3ヶ所を接地し、他の3ヶ所の内、1ヶ所は、
整合抵抗を介して接地してターミネートし、他の2ヶ所
に端子と適当な負荷容量を設け、さらに上下より、直径
6mmφで適当な厚さのSrフェライト製磁石円盤では
さみ、磁性金属ケースにおさめて、約1GHz用集中定
数型アイソレータを作製した。
終組成比をY:Fe:Al=3:4.3:0.65(モ
ル比)とし、添加物としてのCuOを0.1重量%含む
ガーネット焼結体を、1470℃空気中焼成して作製し
た。得られた焼結体から、直径4mmφ、厚さ0.3m
mの円板状焼結体試片を得た。同じ試片を2枚準備し、
1枚の焼結体の上にAg薄体よりなるストリップライン
を置き、その上に絶縁テープを張り付け、その上にさら
にストリップラインを配置した。さらに絶縁テープを張
り付け、その上に3本目のストリップラインを配置し
た。このとき、3本のストリップラインが互いに120
度の角度で交わるようした。最後にその上にもう1枚の
ガーネット円板を置いて、ガーネット焼結体2枚の間に
3本のストリップラインが挟持されたものを作製した。
この互いに120度で交叉したストリップラインのそれ
ぞれ片端3ヶ所を接地し、他の3ヶ所の内、1ヶ所は、
整合抵抗を介して接地してターミネートし、他の2ヶ所
に端子と適当な負荷容量を設け、さらに上下より、直径
6mmφで適当な厚さのSrフェライト製磁石円盤では
さみ、磁性金属ケースにおさめて、約1GHz用集中定
数型アイソレータを作製した。
【0045】比較のため、Y:Fe:Al=3:4.3
5:0.65(モル比)で、添加物を含まないガーネッ
ト焼結体を、酸素中焼成で作製し、同様にして、比較用
のアイソレータを構成した。これらのアイソレータにつ
いて、1GHzでの正方向挿入損失を測定した。その結
果、比較例の磁性体を用いた集中定数型アイソレーター
の挿入損失が約0.7dBであったのに対し、本発明の
磁性体を用いたものでは0.5dBであり、約0.2d
B低損失であった。
5:0.65(モル比)で、添加物を含まないガーネッ
ト焼結体を、酸素中焼成で作製し、同様にして、比較用
のアイソレータを構成した。これらのアイソレータにつ
いて、1GHzでの正方向挿入損失を測定した。その結
果、比較例の磁性体を用いた集中定数型アイソレーター
の挿入損失が約0.7dBであったのに対し、本発明の
磁性体を用いたものでは0.5dBであり、約0.2d
B低損失であった。
【0046】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明は、イットリ
ウム鉄ガーネットの主相に、0.1nm未満の2価金属
イオンを含有させたので、強磁性体共鳴半値幅と誘電損
失がいずれも低い磁性体焼結体を空気中の焼成だけで実
現し、しかも、焼成温度範囲を広げることができる。
ウム鉄ガーネットの主相に、0.1nm未満の2価金属
イオンを含有させたので、強磁性体共鳴半値幅と誘電損
失がいずれも低い磁性体焼結体を空気中の焼成だけで実
現し、しかも、焼成温度範囲を広げることができる。
【0047】2価金属イオンの含有が焼成温度範囲を広
げるので、強磁性体の飽和磁化や温度特性などの他の特
性を改善調節するために組成置換を行う場合にも、置換
を行わない焼結体と同じ温度でしかも空気中で焼成する
ことが可能になり、これにより同一の焼成炉で組成が異
なる数種の強磁性体の一括焼成ないし連続焼成が容易に
なり、強磁性材料の量産性を改善でき、製造コスト低減
に有効である。
げるので、強磁性体の飽和磁化や温度特性などの他の特
性を改善調節するために組成置換を行う場合にも、置換
を行わない焼結体と同じ温度でしかも空気中で焼成する
ことが可能になり、これにより同一の焼成炉で組成が異
なる数種の強磁性体の一括焼成ないし連続焼成が容易に
なり、強磁性材料の量産性を改善でき、製造コスト低減
に有効である。
【0048】本発明の多結晶セラミックス磁性体材料
は、高周波領域での強磁性体共鳴半値幅と誘電損失がい
ずれも低く、低損失の高周波用ガーネット磁性体である
ので、非可逆回路素子として特に有用である。
は、高周波領域での強磁性体共鳴半値幅と誘電損失がい
ずれも低く、低損失の高周波用ガーネット磁性体である
ので、非可逆回路素子として特に有用である。
Claims (9)
- 【請求項1】ガーネット型構造を有し、少なくともYと
FeとOを含む相を主相とし、6配位時のイオン半径が
0.1nm未満の2価金属イオンを、酸化物換算で0.
02〜0.5重量%含むことを特徴とする多結晶セラミ
ックス磁性体材料。 - 【請求項2】ガーネット型構造を有し、上記主相が、 化学式 Y3-x Rx Fe5-y-z Ay Ow 〔ここでRはY以外の希土類金属の一種類以上、AはA
l又はGaより選ばれた一種類以上で、xは0≦x≦
1.5、yは0≦y≦1.5、zが0.03≦z≦0.
2である〕で表された結晶であることを特徴とする請求
項1記載の多結晶セラミックス磁性体材料。 - 【請求項3】上記2価金属イオンがNi、Co若しくは
Cuのイオンであることを特徴とする請求項1又は2記
載の多結晶セラミックス磁性体材料。 - 【請求項4】上記2価金属イオンがCuイオンであるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の多結晶セラミック
ス磁性体材料。 - 【請求項5】少なくともYとFeとOを含み、且つ6配
位時のイオン半径が0.1nm未満の2価金属イオンを
酸化物換算で0.02〜0.5重量%含む成形体を、焼
成温度1420℃〜1500℃の範囲で、空気中で焼成
して、ガーネット型構造の主相を含む多結晶セラミック
ス磁性体焼結体とすることを特徴とする磁性体材料の製
造方法。 - 【請求項6】上記成形体には、Y以外の希土類金属の一
種類以上及び/若しくはAlまたはGaより選ばれた一
種類以上の酸化物を含み、上記焼結体は、上記主相が、 化学式Y3-x Rx Fe5-y-z Ay Ow 〔ここでRはY以外の希土類金属の一種類以上、AはA
lまたはGaより選ばれた一種類以上、xは0≦x≦
1.5、yは0≦y≦1.5、zが0.03≦z≦0.
2である〕で表された結晶であることを特徴とする請求
項5記載の製造方法。 - 【請求項7】上記2価金属イオンが、Ni、Co又はC
uイオンであることを特徴とする請求項5又は6記載の
磁性体材料の製造方法。 - 【請求項8】上記2価金属イオンがCuイオンであるこ
とを特徴とする請求項5又は6記載の磁性体材料の製造
方法。 - 【請求項9】請求項1から4のいずれかに記載の磁性体
を用いた非可逆回路素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9034742A JPH10233308A (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | 多結晶セラミックス磁性体材料とその製造方法およびこれを用いた非可逆回路素子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9034742A JPH10233308A (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | 多結晶セラミックス磁性体材料とその製造方法およびこれを用いた非可逆回路素子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10233308A true JPH10233308A (ja) | 1998-09-02 |
Family
ID=12422783
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9034742A Pending JPH10233308A (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | 多結晶セラミックス磁性体材料とその製造方法およびこれを用いた非可逆回路素子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10233308A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2824553A1 (fr) * | 2001-05-11 | 2002-11-15 | Thomson Csf | Materiau ferrite a faibles pertes et procede de fabrication |
| KR20030070389A (ko) * | 2002-02-25 | 2003-08-30 | 주식회사 하이닉스반도체 | 마이크로파 자성체 조성물 및 그의 제조 방법 |
| JP2007036108A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-08 | Tdk Corp | 非可逆回路素子用セラミック材料およびその製造方法 |
| JP2010278075A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Murata Mfg Co Ltd | 磁性体セラミック、セラミック電子部品、及びセラミック電子部品の製造方法 |
| JP2011073937A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Hitachi Metals Ltd | 多結晶磁性セラミック、マイクロ波磁性体及びこれを用いた非可逆回路素子 |
-
1997
- 1997-02-19 JP JP9034742A patent/JPH10233308A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2824553A1 (fr) * | 2001-05-11 | 2002-11-15 | Thomson Csf | Materiau ferrite a faibles pertes et procede de fabrication |
| WO2002092532A1 (fr) * | 2001-05-11 | 2002-11-21 | Thales | Materiau ferrite a faibles pertes en hyperfrequence et procede de fabrication |
| KR20030070389A (ko) * | 2002-02-25 | 2003-08-30 | 주식회사 하이닉스반도체 | 마이크로파 자성체 조성물 및 그의 제조 방법 |
| JP2007036108A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-08 | Tdk Corp | 非可逆回路素子用セラミック材料およびその製造方法 |
| JP2010278075A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Murata Mfg Co Ltd | 磁性体セラミック、セラミック電子部品、及びセラミック電子部品の製造方法 |
| JP2011073937A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Hitachi Metals Ltd | 多結晶磁性セラミック、マイクロ波磁性体及びこれを用いた非可逆回路素子 |
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