JPH10237234A - 包装用フィルム - Google Patents

包装用フィルム

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JPH10237234A
JPH10237234A JP9039377A JP3937797A JPH10237234A JP H10237234 A JPH10237234 A JP H10237234A JP 9039377 A JP9039377 A JP 9039377A JP 3937797 A JP3937797 A JP 3937797A JP H10237234 A JPH10237234 A JP H10237234A
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修 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手による引裂き開封性、ヒートシール強度、
耐衝撃性、耐ピンホール性に優れた包装用フィルムなら
びにそれから形成されたピロー型袋、三方シール型袋、
四方シール型袋、合掌貼り袋、封筒貼り袋、自立体型袋
等の包装袋を提供する。 【解決手段】 (A) 基材層/(B) 中間層/(C) 内層から
なる積層体を基本構成とする包装用フィルムであって、
(B) 中間層が、直鎖状低密度ポリエチレン50ないし9
5重量%と環状オレフィンとα−オレフィンの共重合体
5ないし50重量%からなる組成物によって構成され、
(C) 内層が、密度0.935g/cm3 以下の直鎖状低
密度ポリエチレンの層からなることを特徴とする包装用
フィルム。この包装用フィルムは、内層同士をヒートシ
ールし、得られた包装体の端部にノッチまたは傷痕の引
裂き開始部を形成して用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に食品や薬品等
が充填される包装袋用の包装用フィルムならびにそれか
ら形成された包装袋に関するものであって、より詳しく
は、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンフィルム
等の基材層と積層され、中間層と内層を構成するポリマ
ー素材に特徴を有する、手による易引裂き開封性、ヒー
トシール強度、耐衝撃性、耐ピンホール性に優れた包装
用フィルムならびにそれから形成されたピロー型袋、三
方シール型袋、四方シール型袋、合掌貼り袋、封筒貼り
袋、自立体型袋等の包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】食品や薬品等の柔軟材
包装において、省資源、環境問題、コストダウン等の点
から、包材使用量をできるだけ抑えて且つ包材強度を高
めることは好ましいことである。しかしながら、中身の
確実な保護のために包材強度を高めることと手による易
引裂き開封性を付与することは相反する機能でもある。
【0003】近年、従来使用されてきた低密度ポリエチ
レンやエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」
という)に替って、もっと耐衝撃性や耐ピンホール性、
耐熱性、優れたヒートシール特性を有する非常に機械強
度の大きい直鎖状低密度ポリエチレン(以下「LLDP
E」という)が包材のヒートシール層フィルムとして多
用されるようになった。しかしながら、このLLDPE
は、優れた包材強度を有し、内容物の確実な保護という
点では優れているものの、機械強度、特に引裂強度が大
きいことが引裂き開封性を困難にしている。このLLD
PEフィルムの多くは、用途に応じてそれぞれの要求を
満たすために、また各種のヒートシールを行なうため
に、他の様々な性能を有しもっと融点の高い基材と積層
されて使用されている。
【0004】通常多用される基材としては、二軸延伸さ
れたナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンフィルム
およびこれらの塩化ビニリデンコーティングフィルム等
があり、バリアー層を含むこれらの多層品もある。ま
た、この他にも紙、アルミニウム箔、二軸延伸ポリビニ
ルアルコールフィルム、二軸延伸エチレンビニルアルコ
ールフィルム等があるが、これらの基材そのものは、全
て単体にてV字状ノッチあるいはI字状ノッチ、傷痕等
の引裂開始部さえあれば、引裂抵抗自体は非常に小さ
く、簡単に手で引裂くことができる。このように、引裂
開始部を設けた開封性機能を有する包装体としては、例
えば、実開昭57−37871号公報、実開昭57−1
88663号公報、実開昭59−99949号公報、特
公平3−301号公報、特公平6−51487号公報、
特公平08−29785号公報等が挙げられる。
【0005】しかしながら、低密度ポリエチレンやEV
Aのように引裂抵抗の比較的小さなフィルムとの積層体
であれば、これらの手法でも比較的容易に切開くことが
できるが、LLDPEとの積層体では、引裂開始直後ま
たは切開く途中でLLDPEが伸びてしまい、しかも強
靭であるためスムーズな引き裂きができなくなり、操作
性が悪く、内容物が袋外へ飛散ったりこぼれてしまうと
いう問題もある。
【0006】また、他の易開封手法として、ナイフやカ
ッター、ローラーあるいはレーザー等の手法で、基材を
主体として引裂方向に線状に低強度部を形成させたり、
開封する方向に帯状部材を設けたり、一軸延伸フィルム
を積層して、延伸方向に引裂くようにしたりすることが
提案されている。更に、袋に手で引裂く方向を印刷で指
示して、基材の方向性からくる引裂きにくさを改善した
り、基材の配向角度を規定し袋の表裏で配向線を交差さ
せる(特開昭63−82965号公報)ことも提案され
ている。
【0007】これらは、二軸延伸基材が引裂ける方向性
(多くは斜め方向)を有しており、袋状では袋の表裏で
引裂方向にズレが生じ、手の引裂く方向によっては更に
切れにくくなるため、包装体の引裂方向を常に一定方向
に誘導するという点では有効であるが、基本的に強度の
大きいLLDPEと積層したものについては、結局ヒー
トシール層の部分で引裂きにくくなってしまうという欠
点をもっている。
【0008】また、LLDPEに低密度ポリエチレン、
EVAあるいは無機充填物をブレンドすることにより引
裂抵抗を小さくしたり(例えば、EVAブレンドとして
特開平7−237281号公報)、高密度ポリエチレン
とLLDPEの共押出しフィルムを用いたパウチ(特開
平5−245990号公報参照)が提案されているが、
基本的に縦方向の引裂抵抗が多少小さくなるだけで、実
質的にLLDPE本来の優れた各種強度を維持するよう
な配合や層比では、不十分な引裂性しか得られず、横方
向には殆んど効果がなく、引裂き性を多少でも良くしよ
うとすれば、衝撃強度や耐ピンホール性の低下が大きく
なる傾向にある。ここで、縦方向とはヒートシール層と
して使用されるフィルムの成形加工方向であり、横方向
とは、フィルム成形加工方向と直行する方向をいう。
【0009】また、特開平5−193079号公報に
は、ヒートシール層フィルムとして、LLDPEと低密
度ポリエチレンとエチレン−ブテン−1共重合体のブレ
ンド物フィルムを使用することにより引裂性を良好にし
たパウチが開示されている。このフィルムの引裂性は確
かに優れるが、エチレン−ブテン−1共重合体と低密度
ポリエチレンがブレンドされているため、コシが非常に
小さく、機械強度や耐熱性に劣り、ブロッキングしやす
く、基本的に裂け易くなる方向が横方向ではなく縦方向
である。また、特開平7−227942号公報には、ヒ
ートシール性フィルムに一定量以上の電子線を照射して
易開封部を形成する方法が開示されているが、この方法
では、電子線加速装置が高価であることや、電子線照射
時の生産速度が遅い等の問題点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来法
では、ヒートシール層にLLDPEを使用した場合に
は、引裂きにくくなったり、引裂性を付与しても包材と
して重要な他の物性の低下を伴ったり、横方向の引裂性
が改善されなかったり、さらには特別な装置を必要と
し、生産スピードが遅くなる等の問題があった。特に、
連続した自動充填包装では、一般的に包材の流れ方向で
ある縦シール部に横方向から各種ノッチが入ったり、傷
痕を設けて横方向に引裂くことが多く、横方向にも引裂
けるLLDPE積層包材が要望されている。
【0011】そこで、本発明の目的は、特別な装置を必
要とせず、強靭で、ヒートシール性フィルムとして優れ
た特性を有するLLDPEの性能を損わずに、縦方向の
みならず、特に横方向の引裂性を改善し、手による易引
裂き開封性を可能とするLLDPEのヒートシール層フ
ィルムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたものであって、強靭なLLDP
Eの性能を損わずに、積層包材からなる袋の手による引
裂開封だけを容易となるようにした点に特徴がある。す
なわち、本発明によれば、(A) 基材層/(B) 中間層/
(C) 内層からなる積層体を基本構成とする包装用フィル
ムであって、(B) 中間層が、LLDPE50ないし95
重量%と環状オレフィンとα−オレフィンの共重合体5
ないし50重量%からなる組成物によって構成され、
(C) 内層が、密度0.935g/cm3 以下のLLDP
Eの層からなることを特徴とする包装用フィルムが提供
される。
【0013】また、本発明によれば、前記(B) 中間層の
環状オレフィンとα−オレフィンの共重合体が、環状オ
レフィン2ないし80モル%とα−オレフィン20ない
し98モル%の共重合体である上記包装用フィルムが提
供される。
【0014】また、本発明によれば、前記(A) 基材層と
(B) 中間層の間に、密度0.935g/cm3 以下のL
LDPEの層が介在する上記包装用フィルムが提供され
る。
【0015】また、本発明によれば、前記(A) 基材層
が、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンからなる
群より選ばれた少なくとも一種のフィルムである上記包
装用フィルムが提供される。
【0016】また、本発明によれば、上記包装用フィル
ムの内層同士をヒートシールし、得られた包装体の端部
にノッチまたは傷痕の引裂き開始部を形成した包装袋が
提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の重要な特徴は、包装袋形
成用の包装用フィルムにおいて、中間層と内層を構成す
るポリマーとして特定の重合体あるいは重合体組成物を
採択した点にある。
【0018】<中間層>本発明の包装用フィルムの中間
層は、LLDPE50ないし95重量%と環状オレフィ
ンとα−オレフィンの共重合体(以下「環状オレフィン
コポリマー」という)5ないし50重量%からなる組成
物によって構成される。本発明の中間層で用いられるL
LDPEとは、エチレンとα−オレフィンの共重合体で
あり、通常、密度が0.940g/cm3 以下程度のも
のが使用される。エチレンと共重合されるコモノマーと
しては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、4
−メチルヘキセン−1、4,4ジメチルペンテン−1、
オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1
等が挙げられる。なかでも、炭素数が6以上のα−オレ
フィンをコモノマーとするものほどフィルム強度が大き
くなる傾向にあり、包材強度を高める場合に好ましく用
いられ、メタロセン系などのシングルサイト触媒を用い
て重合したLLDPEは特に包材強度が高く好ましい。
【0019】環状オレフィンコポリマーとは、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オレフィン
と、炭素数が3ないし20のモノシクロアルケンやビシ
クロ[2.2.1]−2−ヘプテン(ノルボルネン)お
よびこの誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−
3−デセンおよびその誘導体、テトラシクロ[4.4.
0.1. 2,5.1 7,10]−3−ドデセンおよびこの誘
導体、ペンタシクロ[6.5.1.1 3,6.0 2 ,7.0
9,13 ]−4−ペンタデセンおよびこの誘導体、ペンタ
シクロ[7.4.0.1 2,5.1 9,12 .0 8,13 ]−
3−ペンタデセンおよびこの誘導体、ペンタシクロ
[8.4.0.1 2,5.1 9,12 .0 8,13 ]−3−ヘ
キサデセンおよびこの誘導体、ペンタシクロ[6.6.
1.1 3,6.0 2,7.0 9,14 ]−4−ヘキサデセンお
よびこの誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.1 3,6
10,13.0 2,7.0 9,14 ]−4−ヘプタデセンおよ
びこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.1 2,9.1
4,7.1 11,17.0 3,8.0 12,16]−5−エイコセン
等およびこの誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.1
3,6.1 10,17.1 12,15.0 2,7.0 11,16]−4−
エイコセンおよびこの誘導体、ヘプタシクロ[8.8.
0.1 2,9.1 4,7.1 11,18.0 3,8.0 12,17]−
5−ヘンエイコセンおよびこの誘導体、オクタシクロ
[8.8.0.1 2,9.1 4,7.1 11,18.1 1 3,16
3,8.0 12,17]−5−ドコセンおよびこの誘導体、
ノナシクロ[10.9.1.1 4,7.1 13,20.1
15,18.0 2,10 .0 3,8.0 12,21.0 14, 19]−5
−ペンタコセンおよびこの誘導体等の環状オレフィンと
の共重合体であり、主骨格に嵩高い脂環構造を有する非
晶性ポリマーである。
【0020】α−オレフィンと環状オレフィンの共重合
比は、積層包装用フィルムとした時の引き裂き性能の点
でα−オレフィン2ないし80モル%、好ましくは、4
0ないし80モル%に対して環状オレフィン20ないし
98モル%、好ましくは、20ないし60モル%であ
る。また、環状オレフィンコポリマーを配合した層をヒ
ートシール面側とした積層品の場合、ヒートシール界面
剥離が起きやすくなり、ヒートシール強度が弱くなる傾
向にある。そのため、環状オレフィンコポリマーを配合
した層は、ヒートシール面側以外の層に使用する必要が
ある。
【0021】中間層の厚み比率は、内層の厚みの10な
いし80%、とくに30ないし60%であることが好ま
しく、この範囲である場合は、積層包材とした場合の手
による易引裂き性が得られやすく、LLDPE本来の優
れた性能を維持しやすい。
【0022】<内層>本発明において、内層は密度0.
935g/cm3 以下のLLDPEによって構成され
る。このLLDPEの層は、上記密度の範囲内であれ
ば、中間層として用いられるLLDPEと同一であって
も異なっていてもよい。この内層は、ヒートシール層と
して機能するものであり、包装用フィルムの内層同士を
合わせてヒートシールすることによって包装袋を形成す
る。内層の密度を0.935g/cm3 以下と規定した
ことの理由は、密度が小さくなるほど耐衝撃性、耐ピン
ホール性が優れるようになり、連続した自動充填適性も
良くなり、強靭な包材をつくることができるからであ
り、但し、この内層だけでは縦にも横にも引裂きにくく
なる傾向がある。
【0023】<基材層>本発明における基材層として
は、通常包装用フィルムの基材として用いられるものの
うち、易引裂き性を有するものであればとくに制限なく
用いられる。その例としては、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、セロファンおよびこれらの塩化ビ
ニリデンコーティングフィルム、更に、紙、アルミニウ
ム箔、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニル
アルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニ
ルフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、
なかでも、二軸延伸されたナイロン、ポリエステルおよ
びポリプロピレンフィルムからなる群より選ばれた少な
くとも一種のフィルムが好適に用いられる。本発明の包
装用フィルムは、これらの基材と積層され、ノッチまた
は傷痕の引裂き開始部を有する袋に使用されるものであ
る。
【0024】<その他の層構成>本発明においては、必
要に応じて(A) 基材層と(B) 中間層の間に、(C) 内層と
して用いられるLLDPEの層(以下、外層という)を
介在させてもよい。この層を介在させることによって包
材強度をより安定化させることができ、かつ、カールの
発生がなくなるという効果がある。
【0025】ところで、通常引裂き強度の測定に用いら
れる方法としてエルメンドルフによる引裂き強さ試験
(JIS P8116)があるが、コモノマーの炭素数
が3ないし4のLLDPE単独フィルムの縦方向のエル
メンドルフ引裂き強度は、密度が0.935g/cm3
以下でも小さく、低密度ポリエチレンやEVAよりも小
さい場合があるが、このフィルムと基材とを積層した包
材を実際手でゆっくり、あるいは間断的に引裂いてみる
と引裂き性は悪い。様々な人間の手の引裂き性を機械で
測定することは難しいが、いずれにしても密度0.93
5g/cm3 以下のLLDPEと基材との積層品を手に
よって引裂く場合の引裂き性は悪く、特にLLDPEの
厚みが大きければ大きいほど顕著となる。
【0026】本発明においては、密度0.935g/c
3 以下のLLDPEの優れた性能を損なうことなしに
手による易引裂き性を可能としたことが重要な特徴であ
る。この包装用フィルムにおいては、LLDPEに対し
て環状オレフィンコポリマーを5ないし50重量%配合
した組成物層と密度0.935g/cm3 以下のLLD
PEの層とを多層化し、LLDPE層をヒートシール面
側として基材と積層することによって効果を発揮するわ
けであるが、環状オレフィンコポリマーの配合比が5重
量%未満の場合は、易引裂き性の効果が小さく、50重
量%を超える場合は、引裂き性は抜群に優れるようにな
り、そのフィルム単体ではノッチ等の引裂き開始部がな
くても手で引裂きできるようにもなるが、実質的な耐衝
撃性、耐ピンホール性が低下するようになる。また、L
LDPE層との層間接着強度にも影響を与えるようにな
り、基材との積層品におけるヒートシール強度が弱くな
るという傾向がある。
【0027】この内層の密度が0.935g/cm3
超える場合、耐衝撃性、耐ピンホール性が悪くなる傾向
があり、縦方向の引裂き性は配合処方等を行なわなくて
もこのままである程度可能であり、融点が高く、溶融熱
量が大きく、硬いため連続した自動充填適性に劣り、枚
様の袋形態扱いでは、袋の長辺方向を横方向にとって、
長辺側にノッチ等を入れ、このままで縦方向に引裂くこ
とが可能となるため適用外である。
【0028】また、袋状の包材に使用され、その袋の引
裂開封方向がヒートシール層として使用されるフィルム
の横方向である場合は、LLDPEに対する環状オレフ
ィンコポリマーの配合比が5ないし50重量%、引裂開
封方向がヒートシール層として使用されるフィルムの縦
方向である場合は、LLDPEに対する環状オレフィン
コポリマーの配合比が15ないし50重量%であり、こ
れらの環状オレフィンコポリマーを配合した組成物層を
中間層または積層面側層とし、その厚み比率が全ヒート
シール層厚みの10ないし80%であることが好まし
い。
【0029】さらに、本発明の包装用フィルムの大きな
特徴は、従来改善することができなかった横方向の引裂
き性が縦方向の引裂き性よりも顕著に改善されるという
点にある。つまり、環状オレフィンコポリマーの配合比
が5ないし50重量%で横方向の引裂き性が改善され、
環状オレフィンコポリマーの配合比が15ないし50重
量%で縦方向の引裂き性が改善されるが、同じ環状オレ
フィンコポリマーの配合率であれば、基材との積層品の
引裂き性は横方向の方が良く、直進引裂き性にも優れ
る。
【0030】図1および図2は、本発明の包装用フィル
ムの引裂き特性を説明するためのものであり、図1は、
連続した自動充填包装における包材の流れ方向5である
縦シール部3に横方向から引裂開始部4を設けて横方向
に引裂くようにした構成を示し、また、図2は、縦長の
袋において、縦横いずれの方向にでも引裂開始部4を形
成することによって引裂開封ができる包装用フィルムを
示すものである。なお、図においては、引裂開始部4を
Vノッチの形状に形成したが、これに限定されるもので
はなく、Iノッチ、ミシン目、傷痕などの任意の引裂開
始部を形成することができる。図において、1は自動充
填袋、1’は包装袋、2’,3’は縦シール部または横
シール部、5’はヒートシール層フィルムの縦方向また
は横方向を示す。
【0031】この引裂性能はフィルム単体では発現しに
くく、環状オレフィンコポリマーの配合フィルム単体の
縦方向の方が横方向よりも手による引裂き性が良くて
も、積層品においては、同じ環状オレフィンコポリマー
の配合率であれば、横方向の方が引裂き性が良く、横方
向の易引裂性だけが求められる場合は、環状オレフィン
コポリマーの配合率を少なくすればよい。
【0032】また、環状オレフィンコポリマーの配合率
が小さくてフィルム単体の引裂き性があまり良くなくて
も、積層品においては引裂き性が良くなる傾向がある。
その理由は必ずしも明らかではないが、基材自体の配向
や硬さ、伸び等と上記積層フィルムの特性が重なり合っ
て生じているものと考えられる。
【0033】包装用袋にはノッチまたは傷痕の引裂き開
始部が必要で、これがない場合には手で容易に引裂くこ
とはできない。本発明の包装用フィルムでは、ヒートシ
ール層フィルム単体が引裂き開始部なしに手で引裂ける
必要はなく、LLDPE本来の優れた性能を低下させる
まで環状オレフィンコポリマーを配合することはなく、
フィルム単体は強靭のままで良い。これは基材層である
二軸延伸されたナイロンやポリエステルフィルム等にも
言えることであるが、本発明の包装用フィルムは、非常
に強靭なフィルムでありながら引裂き開始部を付加する
だけで簡単に引裂くことができるようになり、基材と積
層される場合に易引裂性の発現効果が顕著になる。
【0034】本発明の包装用フィルムは、既に提案され
ている他の種々の易開封手法と組合せて用いることが可
能で、例えば、ナイフやカッター、ローラーあるいはレ
ーザー等の手法で、基材を主体として引裂く方向に線状
に低強度部を形成させたり、開封する方向に帯状部材を
設けたり、一軸延伸フィルムを積層したり、袋に手で引
裂く方向を印刷で指示したり、基材の配向角度を決めて
配向線を交差させることは更に易開封性を高めるうえで
好ましい。更に、本発明の包装用フィルムにおいては、
ヒートシール層であるLLDPEの本来の性能を損なわ
ない範囲において他のポリオレフィン樹脂層を適宜設け
ても良く、各層のいずれか、あるいは全層に、適宜滑
剤、抗ブロッキング剤、酸化防止剤、防曇剤、帯電防止
剤、顔料、光安定剤等通常LLDPEフィルムに用いら
れる各種添加剤を添加することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明の包装用フィルムは、LLDPE
フィルムを積層した包装体からなる強靭な袋において、
横方向および縦方向の手による引裂き性を良好にし、内
容物の確実な保護と引裂き開封性を両立させることがで
き、自動充填包装袋等の横引裂き開封の場合にも好適に
用いられる。
【0036】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を説明す
る。この実施例は、本発明の好適な態様を開示するため
のものであり、これによって本発明が限定されるもので
はない。
【0037】〈実施例1〉密度0.910g/cm3
LLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−1)7
0重量%と環状オレフィンコポリマー(エチレンとテト
ラシクロ[4.4.0.1. 2,5.1 7,10 ]−3−ド
デセンの共重合体)(エチレン含量77モル%)を30
重量%配合したものを中間層とし、密度0.910g/
cm3 のLLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン
−1)を内層および外層とし、インフレーション法によ
りそれぞれの層の厚さが30μmの総厚さ90μmの3
層フィルムを得た。この外層面にコロナ放電処理を施
し、ウレタン系接着剤を用いて厚さ15μmの二軸延伸
ナイロンとドライラミネートを行った。
【0038】〈実施例2〉密度0.915g/cm3
LLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−1)7
5重量%と環状オレフィンコポリマー(エチレンとテト
ラシクロ[4.4.0.1. 2,5.1 7,10 ]−3−ド
デセンの共重合体)(エチレン含量77モル%)を25
重量%配合したものを中間層とし、密度0.915g/
cm3 のLLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン
−1)を内層および外層とし、インフレーション法によ
りそれぞれの層の厚さが30μmの総厚さ90μmの3
層フィルムを得た。この外層面にコロナ放電処理を施
し、ウレタン系接着剤を用いて厚さ15μmの二軸延伸
ナイロンとドライラミネートを行った。
【0039】〈実施例3〉メタロセン触媒を用いて重合
した密度0.928g/cm3 のLLDPE(コモノマ
ー:ヘキセン−1)80重量%と環状オレフィンコポリ
マー(エチレンとテトラシクロ[4.4.0.1.
2,5.1 7,10 ]−3−ドデセンの共重合体)(エチレ
ン含量77モル%)を20重量%配合したものを中間層
とし、密度0.928g/cm3 のLLDPE(コモノ
マー:ヘキセン−1)を内層および外層とし、インフレ
ーション法によりそれぞれの層の厚さが30μmの総厚
さ90μmの3層フィルムを得た。この外層面にコロナ
放電処理を施し、ウレタン系接着剤を用いて厚さ15μ
mの二軸延伸ナイロンとドライラミネートを行った。
【0040】〈実施例4〉密度0.915g/cm3
LLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−1)8
5重量%と環状オレフィンコポリマー(エチレンとテト
ラシクロ[4.4.0.1. 2,5.1 7,10 ]−3−ド
デセンの共重合体)(エチレン含量77モル%)を15
重量%配合したものを中間層とし、密度0.915g/
cm3 のLLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン
−1)を内層および外層とし、インフレーション法によ
りそれぞれの層の厚さが30μmの総厚さ90μmの3
層フィルムを得た。この外層面にコロナ放電処理を施
し、ウレタン系接着剤を用いて厚さ16μmの二軸延伸
ポリエステルンとドライラミネートを行った。
【0041】〈比較例1〉密度0.910g/cm3
LLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−1)を
用いて、インフレーション法により厚さが90μmのフ
ィルムを得た。この片面にコロナ放電処理を施し、ウレ
タン系接着剤を用いて厚さ15μmの二軸延伸ナイロン
とドライラミネートを行った。
【0042】〈比較例2〉密度0.940g/cm3
LLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−1)を
用いて、インフレーション法により厚さが90μmのフ
ィルムを得た。この片面にコロナ放電処理を施し、ウレ
タン系接着剤を用いて厚さ15μmの二軸延伸ナイロン
とドライラミネートを行った。
【0043】〈比較例3〉密度0.920g/cm3
低密度ポリエチレンを用いて、インフレーション法によ
り厚さが90μmのフィルムを得た。この片面にコロナ
放電処理を施し、ウレタン系接着剤を用いて厚さ15μ
mの二軸延伸ナイロンとドライラミネートを行った。
【0044】〈比較例4〉密度0.915g/cm3
LLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−1)9
7重量%と環状オレフィンコポリマー(エチレンとテト
ラシクロ[4.4.0.1. 2,5.1 7,10 ]−3−ド
デセンの共重合体)(エチレン含量77モル%)を3重
量%配合したものを中間層とし、密度0.915g/c
3 のLLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−
1)を内層および外層とし、インフレーション法により
それぞれの層の厚さが30μmの総厚さ90μmの3層
フィルムを得た。この外層面にコロナ放電処理を施し、
ウレタン系接着剤を用いて厚さ15μmの二軸延伸ナイ
ロンとドライラミネートを行った。
【0045】〈比較例5〉密度0.915g/cm3
LLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−1)3
0重量%と環状オレフィンコポリマー(エチレンとテト
ラシクロ[4.4.0.1. 2,5.1 7,10 ]−3−ド
デセンの共重合体)(エチレン含量77モル%)を70
重量%配合したものを中間層とし、密度0.915g/
cm3 のLLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン
−1)を内層および外層とし、インフレーション法によ
りそれぞれの層の厚さが30μmの総厚さ90μmの3
層フィルムを得た。この外層面にコロナ放電処理を施
し、ウレタン系接着剤を用いて厚さ15μmの二軸延伸
ナイロンとドライラミネートを行った。
【0046】〈比較例6〉密度0.915g/cm3
LLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−1)7
5重量%と環状オレフィンコポリマー(エチレンとテト
ラシクロ[4.4.0.1. 2,5.1 7,10 ]−3−ド
デセンの共重合体)(エチレン含量77モル%)を25
重量%配合したものを中間層とし、密度0.940g/
cm3 のLLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン
−1)を内層および外層とし、インフレーション法によ
りそれぞれの層の厚さが30μmの総厚さ90μmの3
層フィルムを得た。この外層面にコロナ放電処理を施
し、ウレタン系接着剤を用いて厚さ15μmの二軸延伸
ナイロンとドライラミネートを行った。
【0047】〈比較例7〉密度0.915g/cm3
LLDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−1)に
環状オレフィンコポリマー(エチレンとテトラシクロ
[4.4.0.1.2,5.1 7,10 ]−3−ドデセンの
共重合体)(エチレン含量77モル%)を25重量%配
合したものを内層とし、密度0.915g/cm3 のL
LDPE(コモノマー:4−メチルペンテン−1)を外
層とし、インフレーション法によりそれぞれの層の厚さ
が45μmの総厚さ90μmの2層フィルムを得た。こ
の外層面にコロナ放電処理を施し、ウレタン系接着剤を
用いて厚さ15μmの二軸延伸ナイロンとドライラミネ
ートを行った。
【0048】前記の実施例1ないし実施例4、および比
較例1ないし比較例7についてその特性を把握するため
に、手による易引裂き性、耐衝撃強度、耐ピンホール
性、ヒートシール強度の試験を実施し、その結果を表1
に示した。
【0049】
【表1】
【0050】上記表1における物性の評価は下記の方法
によって行った。 〈手による易引裂き性〉:一辺が60mmでヒートシー
ル巾が5mmの四方シール袋を作製し、縦ヒートシール
部および横ヒートシール部にそれぞれV字状ノッチを入
れ、それぞれ横方向および縦方向にゆっくりと間断的に
手で引裂いた。但し、左右の手の引張り方向を統一化
し、基材の方向性の影響が小さくなるように引裂いた。
引裂きに力を要せず、ヒートシールフィルムの剥離伸び
が殆ど起こらず、間断的に引裂いても常に簡単に引裂け
るものを○、引裂きに力を要し、ヒートシールフィルム
の剥離伸びが発生し、すぐに引裂きにくくなり、間断的
に引裂けなくなってしまうものを×とした。
【0051】〈耐衝撃強度〉:一辺が200mmの四方
シール袋をそれぞれ10袋作製し、袋に1Kgの水を充
填し、常温にて1.5mの高さから水平落下10回に続
き垂直落下10回行い、破袋しなかったものを○、1袋
以上の破袋が見られたものを×とした。表中、()内の
数字は破袋数を表す。
【0052】〈耐ピンホール性〉:それぞれの二軸延伸
ナイロンとの積層品をゲルボフレックステスター(米軍
規格MIL B131)により測定し、常温、1000
回でピンホールが見られなかったものを○、3コ以上の
ピンホールが見られたものを×とした。表中、()内の
数字はピンホールの数を表す。
【0053】〈ヒートシール強度〉:それぞれの二軸延
伸ナイロンとの積層品を160℃、0.2MPa、1秒
でヒートシールを行い、ヒートシール強度が67N/1
5mm以上で基材の破壊を伴ったものを○、55N/1
5mm以下または基材の破壊を伴わなかったものを×と
した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装用フィルムを自動充填包装に用い
た場合の状態を説明するための部分断面図である。
【図2】本発明の包装用フィルムの引裂開封方向の状態
を説明するための部分断面図である。
【符号の説明】
1 自動充填包装袋 1’ 包装袋 2 横シール部 2’ 横シール部または縦シール部 3 縦シール部 3’ 縦シール部または横シール部 4 引裂開始部 5 包装袋の流れ方向(縦方向) 5’ ヒートシール層フィルムの縦方向または横方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 23/06 23:02)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 基材層/(B) 中間層/(C) 内層から
    なる積層体を基本構成とする包装用フィルムであって、
    (B) 中間層が、直鎖状低密度ポリエチレン50ないし9
    5重量%と環状オレフィンとα−オレフィンの共重合体
    5ないし50重量%からなる組成物によって構成され、
    (C) 内層が、密度0.935g/cm 3 以下の直鎖状低
    密度ポリエチレンの層からなることを特徴とする包装用
    フィルム。
  2. 【請求項2】 前記(B) 中間層の環状オレフィンとα−
    オレフィンの共重合体が、環状オレフィン2ないし80
    モル%とα−オレフィン20ないし98モル%の共重合
    体である請求項1記載の包装用フィルム。
  3. 【請求項3】 前記(A) 基材層と(B) 中間層の間に、密
    度0.935g/cm3 以下の直鎖状低密度ポリエチレ
    ンの層が介在する請求項1または2記載の包装用フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 前記(A) 基材層が、ナイロン、ポリエス
    テル、ポリプロピレンからなる群より選ばれた少なくと
    も一種のフィルムである請求項1ないし3のいずれか1
    記載の包装用フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1記載の包
    装用フィルムの内層同士をヒートシールし、得られた包
    装体の端部にノッチまたは傷痕の引裂き開始部を形成し
    た包装袋。
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