JPH1024020A - 皮膚刺激性評価法 - Google Patents

皮膚刺激性評価法

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JPH1024020A
JPH1024020A JP18474396A JP18474396A JPH1024020A JP H1024020 A JPH1024020 A JP H1024020A JP 18474396 A JP18474396 A JP 18474396A JP 18474396 A JP18474396 A JP 18474396A JP H1024020 A JPH1024020 A JP H1024020A
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JP
Japan
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skin
nfκb
skin irritation
subject
irritation
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JP18474396A
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English (en)
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Takatoshi Murase
孝利 村瀬
Hiroshi Tone
寛 刀禰
Ichirou Tokimitsu
一郎 時光
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 被検体で処理した皮膚構成細胞のNFκ
B活性化能を測定することにより被検体の皮膚刺激性を
評価する方法。 【効果】 界面活性剤、これを含有する化粧料、洗浄剤
等の皮膚刺激性をinvitroで高感度に評価することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、界面活性剤に代表
される皮膚外用剤等に用いられる成分の皮膚に対する刺
激性をin vitroにおいて評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生活レベルの向上に伴い、我々は日常、
化粧品、シャンプー、リンス類、各種の石鹸、洗剤など
様々な化学物質に接する機会が増えてきた。その一方で
肌荒れやアレルギーなどの皮膚トラブルを訴える人の割
合の増加も目立ってきている。近年、重大な社会問題化
しているアトピー性皮膚炎の患者や敏感肌の人では、皮
膚のバリアー能が低下しているためにアレルギー物質や
刺激性物質が皮膚から侵入しやすく、皮膚トラブルが生
じやすくなっている。従って、外界から吸収される物質
に対する耐性の低下した人が使用する化粧品や各種洗浄
料は、出来る限り低刺激であることが望ましい。
【0003】このような背景のもと、最近は皮膚に対す
る低刺激性、低アレルギー性をうたったスキンケア商品
が多数上市されている。しかし、その低刺激性、低アレ
ルギー性については薬事的な基準があるわけでもなく、
各メーカーが独自に判断し、宣伝、販売しているのが実
情であり、低刺激性商品として市販されているものであ
っても必ずしも低刺激であるとは言えないのが現状であ
る。
【0004】石鹸や各種の洗浄料、化粧品類には界面活
性剤が主要成分として配合されているが、この界面活性
剤は肌のつっぱり感やカサツキ感、肌荒れ、炎症、アレ
ルギーなどの皮膚トラブルの一因となっている。界面活
性剤の皮膚に対する作用については2つに分けて考える
ことが出来る。1つは天然保湿成分や細胞間脂質などの
角層内有用成分を溶出させるというような角層に対する
作用であり、もう1つは界面活性剤が角層から更に深く
真皮まで浸透し、表皮ケラチノサイトなどに作用するこ
とにより起こるもので、後者は皮膚の炎症やアレルギー
反応を引き起こすことにつながると考えられる。
【0005】従来、界面活性剤やこれを含有する組成物
の刺激性や安全性を評価する方法としては、ヒトパッチ
試験、ドレイズ皮膚一次刺激試験、眼粘膜刺激性試験と
いったヒトや実験動物を用いる試験の他、iv vitroの試
験法として蛋白変性試験、溶血変性試験、細胞増殖阻害
試験、分化阻害試験、透過性試験など皮膚や細胞に対す
るダメージを指標とする試験が行われてきた(Fregranc
e Journal 1994(8), 67-73)。
【0006】しかしながら、これらの試験法はその評価
手段と感度等の点において十分に満足し得るものではな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、皮膚に適用する物質の皮膚に対する刺激性を高感度
に評価し得る皮膚刺激性評価法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情に鑑み、本発
明者は、界面活性剤やこれを含有する組成物が皮膚に与
える影響について長年研究を行った結果、界面活性剤は
角層内有用成分を溶出させ、更に表皮ケラチノサイトに
対しては細胞増殖抑制のような細胞毒性をしめす他に、
形態変化のような細胞毒性を示さないような低濃度にお
いて、直接、転写因子の1つであるNFκBの活性化を
誘導することにより種々の皮膚トラブルを引き起こす原
因となっていることを見出し、NFκBの活性化の度合
いが界面活性剤等の皮膚刺激性や皮膚トラブル誘発性の
有効な指標となることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】すなわち、本発明は、被検体で処理した皮
膚構成細胞のNFκB活性化能を測定することを特徴と
する当該被検体の皮膚刺激性評価法を提供するものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本評価法は従来法のような細胞に
対する毒性を指標とするものではなく、皮膚構成細胞の
NFκB活性化能を指標に、簡便でかつ高感度に皮膚に
対する刺激性を評価する全く新しい評価方法である。
【0011】発生、分化、増殖、恒常性の維持など高次
の生命現象は、ある特定の遺伝的プログラムに従って正
確に行われるが、それは個々の細胞における特異的な遺
伝子の発現調節を通した細胞レベルにおける活性化、分
化、増殖によって制御されている。これらの変化は遺伝
情報の発現が起こるべき細胞へ、その外界からサイトカ
インやホルモンなどの刺激が加わり、細胞膜上の受容体
に結合することにより始まり、種々の生化学的反応を経
て最終的に核にシグナルを伝達し、遺伝子発現の変化を
引き起こす。このような遺伝子発現の制御は主として遺
伝子の転写レベルで行われていることが知られている
(Cell Vol.80, 529-532(1995)、Advancesin immunolog
y Vol.58, 1-27、臨床免疫27(9) 1099-1103(1995))。
【0012】外界からの刺激によって発現誘導される遺
伝子群は、刺激により迅速に再活性化されうる状態にあ
る。どの遺伝子が選択的に活性化されるかは遺伝子の発
現制御領域に存在する特別な塩基配列及びこれらのシス
エレメントに特異的に結合する転写調節因子が存在する
か否かによって決定される。つまり外界からの刺激によ
って転写調節因子が量的又は質的に活性化すれば遺伝子
の発現が起こると考えられている。
【0013】NFκBはp50及びp65の2種類のサ
ブユニットから成る蛋白質であり、非刺激時には阻害蛋
白質I−κBと結合して細胞質に存在しているが、一般
にIL−1やTNF−αなどサイトカイン類による刺激
が加わると、それにより活性化されたキナーゼによりI
−κBが不活性化され、放出されたNFκBが核へ移行
して転写の活性化が起こると考えられている。また、N
FκBにより活性化される、すなわち発現制御配列にN
FκBの結合するシスエレメントを持つ遺伝子として
は、IL−1、IL−6、IL−8、IFN−β、EL
AM−1、ICAM−1などが知られている。本発明者
は、ある種の界面活性剤やその組成分などが皮膚構成細
胞のNFκBを直接活性化する作用を有しており、その
活性化能の強弱が皮膚に対する刺激性を評価するための
有効な指標となることを初めて見出した。
【0014】本発明により評価できる被検体としては、
広く皮膚に対して適用する物質や組成物であれば特に制
限されないが、種々の界面活性剤、香料、防腐剤、色
素、ゲル化剤、増粘剤、乳化剤、油脂類、アミノ酸類、
糖類及びこれらを含有する組成物が挙げられる。ここ
で、界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イ
オン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活
性剤のいずれも挙げられる。また、当該組成物として
は、種々の化粧料、薬用外用剤、各種洗浄剤(洗剤、石
鹸、頭髪用洗浄剤、液体洗浄剤)等が挙げられる。
【0015】本発明で用いる皮膚構成細胞としては、正
常ヒト表皮ケラチノサイト、皮膚線維芽細胞、血管内細
胞、メラノサイト等が挙げられ、本発明においては正常
ヒト表皮ケラチノサイトを用いることが好ましい。皮膚
構成細胞は適当な培地を用いて培養し、サブコンフルエ
ントとなったものを用いることが好ましい。
【0016】被検体による皮膚構成細胞の処理は、例え
ば皮膚構成細胞を培養している培養液中に当該被検体を
添加して培養することにより行うのが好ましい。細胞の
処理時間は被検体により異なるが、0.5〜24時間、
好ましくは1〜6時間かけて行うことが好ましい。培養
は37℃で行うのが好ましい。
【0017】ここで添加される被検体の濃度は、最終濃
度として0.000001〜10重量%であることが好
ましく、特に0.0001〜0.01重量%が好まし
い。一般にいかなる化合物も高濃度であれば細胞に対し
て毒性を含む何らかの作用を示し、低濃度であれば影響
が小さいことはいうまでもない。従って、10重量%以
上の濃度において特定の物質がNFκB活性化作用を有
していても、それはほとんど意味がなく、また0.00
0001重量%未満の低濃度において、NFκB活性化
作用がないとしてもそれは大きな意味をなさない。本発
明においては、現在、化粧品や各種洗浄剤に用いられて
いる多数の化合物について、各種濃度でNFκB活性化
能について検討した結果、特に0.0001〜0.01
重量%の範囲におけるNFκB活性化能の有無と、その
程度が、実際の皮膚に対する刺激性とよく相関すること
から、本濃度範囲で試験することが特に好ましいことを
見出した。
【0018】更に、例えば0.002重量%濃度におい
て、NFκB活性化率(放射活性)により、皮膚刺激の
程度を知る目安として、表1のように分類した。表1に
示すNFκB活性化率は、被検体濃度0.002重量%
においてコントロールを100としたときの値を示す
(経時的にNFκB活性化率を測定した場合はその最大
値を適用する)。本発明は、本濃度に限定されず上記濃
度範囲の各濃度において、各被検体間の刺激性の程度を
相対的に比較するためにも有用である。
【0019】
【表1】
【0020】皮膚構成細胞におけるNFκBの活性化能
の測定は次のようにして行われる。まず核蛋白質画分を
得、この核蛋白質の蛋白質量を定量し、0.5〜2mg/
mlに調整し、調整したサンプルのNFκB活性化能を測
定する。
【0021】NFκB活性化能の測定法としては、ゲル
シフトアッセイ法、RT−PCR法又はノーザンブロッ
ト法によるNFκB mRNAの発現量の解析等が挙げ
られる。本発明においては直接的なKFκB分子の活性
化をみるため、ゲルシフトアッセイ法を用いることが好
ましく、本方法は蛋白質とDNAを適当な溶液内で結合
させてその混合液を低イオン強度の条件下でポリアクリ
ルアミド中で電気泳動すると、遊離のDNAと蛋白質と
結合したDNAの移動度が異なることを利用するもので
ある。このようにして測定されたNFκB活性化能値が
低いほど、その被検体の皮膚刺激性が低いと評価され
る。
【0022】
【発明の効果】本発明の評価法によれば、界面活性剤、
これを含有する化粧料、洗浄剤等の皮膚刺激性、皮膚ト
ラブル誘発能をin vitroで高感度に評価することができ
る。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0024】実施例1 ゲルシフトアッセイ法によりNFκB活性化能を測定し
た。
【0025】(1)NFκBプローブ NFκB結合配列(下線)を含むオリゴヌクレオチドを
用いた。 5'-AGT TGA GGG GAC TTT CCC AGG C-3' 3'-TCA ACT CCC CTG AAA GGG TCC G-5' (2)NFκBプローブの32P−ATPによるラベリング (a)NFκBオリゴヌクレオチド(1.75pmol/μl ) 2μl (b)T4ポリヌクレオチドキナーゼ含有緩衝液(10×) (700mM Tris−HCl,pH7.6, 100mM MgCl2,50mM DTT) 1 (c)γ−32P ATP(3000Ci/mmol,10mCi/ml) 1 (d)H2O 5 (e)T4ポリヌクレオチドキナーゼ(5u/μl ) 1
【0026】(a)〜(e)を混合し、37℃で10分
間インキュベート後、0.25mMEDTA(2μl )、
TE Buffer(88μl )を加え、反応を停止させ、3
2P−NFκBプローブを得た。
【0027】(3)界面活性剤による細胞の処理と核蛋
白質の抽出 正常ヒト表皮ケラチノサイトを25cm2 フラスコ中でケ
ラチノサイト用培地K−110(極東製薬製)を用いて
培養し、サブコンフルエントとなった時点で評価サンプ
ルを最終濃度0.0002〜0.002%となるように
添加した。その1又は3時間後に氷冷PBS(−)で2
度洗浄し、Buffer A(10mM HEPES−NaOH
(pH7.9),1.5mM MgCl2,10mM KC
l,1.0mM DTT,0.5mM PMSF)(1ml)
を加え、セルスクレイパーで細胞を剥離回収し、4℃、
14000rpmで10分間遠心し、上清を除去し、細胞
(沈殿物)を回収した。次にBuffer B(Buffer A+0.
1% Triton X−100)(80μl )を加え、ピペ
ッティングの後4℃で10分間放置した。ついで4℃、
14000rpmで10分間遠心分離し、上清を除去し、
核(沈殿物)を回収した。核画分にはBuffer C(20
mM HEPES−NaOH(pH7.9),25%Glycer
ol,420mM NaCl,1.5mM MgCl2,0.
2mM EDTA,1.0mM DTT,0.5mM PMS
F)(70μl )を加え、ピペッティングの後4℃で3
0分間放置した。ついで4℃、20000rpmで10分
間遠心分離し、上清を核蛋白質画分として得た。得られ
た核蛋白質はその蛋白質を定量し、1mg/mlに調整して
以下の実験に用いた。
【0028】(4)ゲルシフトアッセイ
【0029】
【表2】
【0030】(a)〜(e)を上記の割合で混合し、室
温で10分間インキュベート後、32P−NFκBオリ
ゴヌクオチドプローブ(1μl )を加え、室温で20分
間放置した。その後、10倍濃度のGel Loading Buffer
(250mM Tris−HCl(pH7.5)、0.2%
BPB、40% glycerol)(1μl )を加えて反応を停
止させ、電気泳動用サンプルを調製した。次に各サンプ
ルを、常法に従い0.5X TBE buffer(Bio Ra
d)中ポリアクリルアミドゲル(Bio Radレディ
ーゲルJ 5%T)電気泳動に供し、100ボルトで1
時間電気泳動した。その後ゲルを取り出し、オートラジ
オグラフィーに供し、BAS2000(フジフィルム社
製)により解析し、ゲル上のNFκB−DNA複合体の
バンドの放射活性強度を定量した。尚、この時、蛋白質
−DNA複合体として検出されたバンドが特異的である
か否かを確認するため、多量の未標識NFκBプローブ
(Competitor)及び非特異的配列プローブ(Non-Compet
itor)とインキュベートし、同様に電気泳動に供した。
その結果を以下に示す。数値は被検体未処理のコントロ
ールを100として表したものである。
【0031】
【表3】
【0032】この結果からCEG(N−アシルカルボキ
シエチルグリシン)はSDS(ドデシル硫酸ナトリウ
ム)、石鹸やMAP(モノアルキルホスフェート)に比
べてNFκB活性化能が低く、表皮ケラチノサイト、更
には皮膚に対して低刺激性であることが明らかとなる。
【0033】以上のように、本評価法は、皮膚構成細胞
の転写因子(NFκB)の活性化能を指標として、被検
体の有する皮膚刺激性、皮膚トラブル誘発能を高感度に
評価する方法であり、本評価により得られる知見は広く
皮膚に対して適用する物質や組成物の開発、刺激性の予
測に極めて有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体で処理した皮膚構成細胞のNFκ
    Bの活性化能を測定することを特徴とする当該被検体の
    皮膚刺激性評価法。
  2. 【請求項2】 皮膚構成細胞が、ヒト表皮ケラチノサイ
    トである請求項1記載の皮膚刺激性評価法。
  3. 【請求項3】 被検体が、界面活性剤及びその組成物で
    ある請求項1又は2記載の皮膚刺激性評価法。
JP18474396A 1996-07-15 1996-07-15 皮膚刺激性評価法 Pending JPH1024020A (ja)

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