JPH10245351A - アルコールの製造方法 - Google Patents
アルコールの製造方法Info
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- JPH10245351A JPH10245351A JP9065463A JP6546397A JPH10245351A JP H10245351 A JPH10245351 A JP H10245351A JP 9065463 A JP9065463 A JP 9065463A JP 6546397 A JP6546397 A JP 6546397A JP H10245351 A JPH10245351 A JP H10245351A
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Abstract
元反応によりアルコールを製造する方法において、反応
圧力が低くても反応性および選択性に優れ、アルコール
中に未反応で残存するアルコール原料や反応中間体であ
るワックスエステル、副生物である炭化水素の量を低減
させ、アルコール収率を向上させうるアルコールの製造
方法を提供すること。 【解決手段】アルコール原料を還元反応器内に連続的に
流通させ、水素化触媒の存在下で、水素ガスとの接触還
元反応によってアルコールを製造する方法において、前
記還元反応器内の温度を生成するアルコールの露点以上
とし、その表面または細孔内にアルコール原料、アルコ
ール、ワックスエステルおよび炭化水素からなる群より
選ばれた1種以上の物質が液体で存在する水素化触媒の
存在下で、アルコール原料と水素ガスとを接触させるア
ルコールの製造方法。
Description
方法に関する。さらに詳しくは、アルコール原料を水素
化触媒の存在下で、連続的に流通させ、接触還元反応に
よりアルコールを製造する方法に関する。
ド、脂肪酸などのアルコール原料を水素化触媒の存在下
で還元反応させることによってアルコールを製造する方
法は、一般的に、圧力200 〜300 atm、温度200 〜30
0 ℃の条件下で行なわれている。しかし、実際の製造プ
ラントを考えた場合、このような高い圧力で操作を行な
うためには、十分な耐圧性を有する設備と、気密性の保
持などのための十分なメンテナンスとを必要とする。こ
のため、設備投資費やランニングコストがともに高額と
なる。
ールを製造するべく、近年、比較的低い圧力条件下にお
ける水素化反応の研究が進められている。これらの方法
は、例えば米国特許第5,475,159 号明細書、特表平4-50
4408号公報および特開平7-188077号公報に記載されてい
る。
圧力300 〜2000psig、温度170 〜250 ℃の条件下、液相
反応にてメチルエステルを水素化させることにより、脂
肪族アルコールを製造する方法が記載されている。
体であるワックスエステルが反応器の出口においてアル
コール中に多量に認められ、アルコールの収率を低下さ
せるおそれがある。
相を形成するエステル中に溶解する水素の量が反応圧力
の低下に伴って減少するため、反応活性が著しく低下す
ること、およびアルコールの製造の際の化学反応が平衡
反応であり、前記圧力条件下においては、その反応平衡
が反応中間体であるワックスエステルが残存する方向に
移動することに基づくと考えられている。
成アルコールと異なるため、容易に蒸留分離することが
できるので、アルコール収率の低下を防ぐことができ、
また前記ワックスエステルは、分離回収後にはアルコー
ル原料として再び水素化工程に供することができるとい
う利点があるが、分離、回収プロセスのための設備投資
が必要となるという欠点がある。
力5 〜100bar、温度140 〜240 ℃、エステルに対する水
素モル比200:1 〜2000:1の条件下、水素化段階におい
て、水素化触媒と接触するエステル/水素ガスの混合物
が、常時その露点よりも高い温度にあることを特徴とす
る気相反応にて、脂肪酸低級アルキルエステルから脂肪
族アルコールを製造する方法が、また、特開平7-188077
号公報には、反応圧力150 〜2000psia、反応温度150 〜
350 ℃、水素モル比10〜8000の条件下、水素化段階にお
いて、原料供給流の条件が、その露点よりも少なくとも
5℃以上高くなることを特徴とする気相反応にて、エス
テル類からアルコール類を製造する方法が記載されてい
る。
行なうことにより、従来の低い圧力条件下における液相
への水素ガス溶解量に関する問題が解決され、反応活性
が著しく向上するとともに、アルコールの製造の際の反
応平衡が、気相においてアルコール生成側へ大きく移動
するため、反応器の出口におけるアルコール中に含まれ
るワックスエステルの低減が図られることを期待するこ
とができる。
ちアルコールからの炭化水素への還元反応までが促進さ
れるため、反応性に優れるものの選択性が悪化し、かえ
って収率の低下を招くことになる。
18のエステルの水素化反応を行なった場合、副生した
炭化水素の沸点域が、短鎖脂肪族アルコールの沸点域と
重複するため、後工程での蒸留分離が困難となる。した
がって、前記条件下において水素化反応を行なうために
は、例えば、反応前のエステルの段階で、短鎖のフラク
ションと長鎖のフラクションとを分離しておかなければ
ならない。
術に鑑みてなされたものであり、アルコール原料を水素
化触媒の存在下、接触還元反応によりアルコールを製造
する方法において、反応前の段階で原料を鎖長によって
分離するという煩雑な操作なしに実施可能であり、反応
圧力が低い場合においても、反応性および選択性に優
れ、すなわちアルコール中に未反応のままで残存するア
ルコール原料や、反応中間体であるワックスエステル、
副生物である炭化水素の量を、蒸留などの精製工程を不
要とすることができる程度にまで低減させ、アルコール
収率を向上させることができるアルコールの製造方法を
提供することを目的とする。
は、〔1〕 アルコール原料を還元反応器内に連続的に
流通させ、水素化触媒の存在下で、水素ガスとの接触還
元反応によってアルコールを製造する方法において、前
記還元反応器内の温度を生成するアルコールの露点以上
とし、その表面または細孔内にアルコール原料、アルコ
ール、ワックスエステルおよび炭化水素からなる群より
選ばれた少なくとも1種の物質が液体で存在する水素化
触媒の存在下で、アルコール原料を水素ガスと接触させ
ることを特徴とするアルコールの製造方法、〔2〕 ア
ルコール原料を還元反応器内に流通させる前に、あらか
じめ水素化触媒の表面または細孔内に、アルコール原
料、アルコール、ワックスエステルおよび炭化水素から
なる群より選ばれた少なくとも1種の物質を液体で存在
させる前記〔1〕記載のアルコールの製造方法、〔3〕
還元反応器内の温度を、水素化触媒の表面または細孔
内に存在するワックスエステルの露点以下の温度に調整
する前記〔1〕または〔2〕記載のアルコールの製造方
法、〔4〕 アルコール原料が脂肪酸エステルである前
記〔1〕〜〔3〕いずれか記載のアルコールの製造方
法、〔5〕 脂肪酸エステルが椰子油、パーム油または
パーム核油由来の成分である前記〔4〕記載の製造方
法、〔6〕 還元反応器として、水素化触媒が還元反応
器内に固定化された固定床反応器を用いる前記〔1〕〜
〔5〕いずれか記載のアルコールの製造方法、ならびに
〔7〕 還元反応器内の温度が100〜300℃であ
り、還元反応器内の圧力が10〜100atmである前
記〔1〕〜〔6〕いずれか記載のアルコールの製造方法
に関する。
コール原料から、水素化触媒の存在下で、接触還元反応
によりアルコールを製造する方法において、触媒表面ま
たはその細孔内にアルコール原料、アルコール、ワック
スエステルおよび炭化水素からなる群より選ばれた少な
くとも1種の物質が液体で存在する条件下で、かつ還元
反応器内の温度が生成されたアルコールの露点以上とな
る条件下で、前記アルコール原料を接触還元させること
により、生成アルコール中のワックスエステルおよび炭
化水素の量を大幅に低減させることができることが見出
された。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたも
のである。
前記したように、アルコール原料を還元反応器内に連続
的に流通させ、水素化触媒の存在下で、水素ガスとの接
触還元反応によってアルコールを製造する際に、前記還
元反応器内の温度を生成するアルコールの露点以上と
し、その表面または細孔内にアルコール原料、アルコー
ル、ワックスエステルおよび炭化水素からなる群より選
ばれた少なくとも1種の物質が液体で存在する水素化触
媒の存在下で、アルコール原料を水素ガスと接触させる
ことにより、アルコールを収得することができる。
点とは、還元反応器内のアルコール蒸気の分圧の値がP
1 であるとき、該圧力P1 をアルコール飽和蒸気圧とす
る温度をいう。また、ワックスエステルの露点とは、還
元反応器内のワックスエステル蒸気の分圧の値がP2 で
あるとき、該圧力P2 をワックスエステル飽和蒸気圧と
する温度をいう。
アルコール原料として、例えば、脂肪酸エステル、脂肪
酸などを用いることができる。これらの中では、水素化
触媒の耐久性の面から、脂肪酸エステルが好ましく用い
られる。
は、ヤシ油、パーム油またはパーム核油由来の成分は、
入手が容易なことから、本発明において好適に使用しう
るものである。
れるものではなく、例えば、該脂肪酸エステルを構成す
るアルコールの炭素数が1以上であり、また該脂肪酸エ
ステルを構成する脂肪酸が直鎖または分枝鎖を有する飽
和または不飽和であって、その分子中にエステル結合を
1以上含むものをはじめ、脂環式カルボン酸エステル、
芳香族カルボン酸エステルなどがあげられる。
ルとしては、特に限定されるものではなく、例えば、メ
タノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノー
ル、1-ブタノール、2-ブタノール、2-エチルヘキサノー
ル、2,2-ジメチル-1,3- プロパンジオール、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオー
ル、1,6-ヘキサンジオール、1,10- デカンジオール、シ
クロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが
あげられる。
肪酸としては、特に限定されるものではなく、例えば、
ギ酸、酢酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、シュウ酸、マレイ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンカルボ
ン酸、安息香酸、フタル酸、動物(牛、豚)由来の脂肪
酸、植物(ヤシ、パーム、パーム核)由来の脂肪酸など
があげられる。
えば、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン
酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パ
ルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル等のメチルエス
テル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、カプリン
酸エチル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、パ
ルミチン酸エチル、ステアリン酸エチル等のエチルエス
テルなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。
脂肪酸エステルの原料である脂肪酸と同様に、例えば、
ギ酸、酢酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、シュウ酸、マレイ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンカルボ
ン酸、安息香酸、フタル酸などがあげられる。これらの
脂肪酸の中では、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸などは、本発明におい
ては好適に使用しうるものである。なかでも、特に、ヤ
シ油、パーム油、パーム核油に由来する、ラウリン酸を
含んだ脂肪酸は、触媒活性を大きく向上させるため、本
発明においては好適に使用しうるものである。前記脂肪
酸エステルおよび脂肪酸は、それぞれ単独で用いてもよ
く、また2種以上を混合して用いてもよい。
水素化反応の際に用いられているものであればよく、特
に限定がない。前記水素化触媒の具体例としては、例え
ば、Cu-Cr 、Cu-Zn 、Cu-Si 、Cu-Fe-Al、Cu-Zn-Tiなど
の銅含有水素化触媒などがあげられる。前記水素化触媒
の形態は、反応器の種類によって異なるので一概には決
定することができないが、通常、粉末、顆粒、錠剤など
の形態から適宜選択することができる。
て、その表面または細孔内に、アルコール原料、アルコ
ール、ワックスエステルおよび炭化水素からなる群より
選ばれた少なくとも1種の物質が液体で存在させたもの
が用いられる。
ル原料、アルコール、ワックスエステルおよび炭化水素
からなる群より選ばれた少なくとも1種の物質が表面ま
たは細孔内に液体で存在する水素化触媒を用いて接触還
元反応を行なう点に、本発明の1つの特徴がある。
孔内が乾燥している状態で反応を行なった場合には、ワ
ックスエステルをほとんど生成させずにアルコールを収
得することができるが、生成したアルコールが水素化触
媒の表面または細孔内で容易に炭化水素に還元されるた
め、アルコールの収率が低下する。
液体で存在している水素化触媒を用いた場合には、該水
素化触媒の表面または細孔内には液相反応によって生成
したワックスエステルで満たされ、ワックスエステルか
らアルコールへの水素化が進行するが、生成したアルコ
ールが気相に移動するため、アルコールが炭化水素に還
元されることが抑制される。なお、この場合、生成アル
コール中には微量のワックスエステルが含まれるが、品
質には悪影響を与えない程度である。
ール、エタノール、カプロイルアルコール、カプリリル
アルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステア
リルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイル
アルコール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジ
オール、シクロヘキシルメタノール、ベンジル アルコ
ール、1,2−ベンゼンジメタノールなどがあげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できる。
ル原料を水素化触媒を用いて接触還元反応させることに
よって生成するアルコールと、アルコール原料とのエス
テル化反応や、エステル交換反応によって生成する比較
的分子量が大きい脂肪酸エステルのことをいう。前記ワ
ックスエステルは、反応条件によってはさらに水素化反
応が進行し、アルコールとなる。前記ワックスエステル
としては、例えば、カプロン酸ヘキシル、カプリル酸オ
クチル、カプリン酸デシル、ラウリン酸ドデシル、ミリ
スチン酸テトラデシル、パルミチン酸ヘキサデシル、ス
テアリン酸オクタデシルなどがあげられ、これらは単独
でまたは2種以上を混合して用いられる。
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカ
ン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカンなどが
あげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用
いることができる。
ルコール原料、アルコール、ワックスエステルおよび炭
化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種の物質を
液体で存在させる方法としては、例えば、前記水素化触
媒を還元反応器内に充填する前に、液体の前記物質を入
れた容器内に、該水素化触媒を浸漬させる方法、還元反
応器内に水素化触媒を充填させた後、該還元反応器内に
前記物質を液体でフィードする方法などがあげられる
が、本発明はかかる方法のみに限定されるものではな
い。
に存在する量には特に限定がなく、前記物質が少量で水
素化触媒に存在しているだけでも、生成するアルコール
に含まれる副生物、とくに炭化水素の生成量の低減を図
ることができるが、かかる効果を十分に発現させる場合
には、前記水素化触媒の表面全面が前記物質で覆われて
いることが好ましい。
て、その表面または細孔内に、アルコール原料、アルコ
ール、ワックスエステルおよび炭化水素からなる群より
選ばれた少なくとも1種の物質が液体で存在した水素化
触媒が用いられている点に加えて、さらに、前記還元反
応器内の温度を、生成するアルコールの露点以上とする
点にも、1つの大きな特徴がある。
の表面または細孔内に存在するが、アルコール原料を還
元反応器内に供給する前に、あらかじめ該活性点には前
記物質が液状で存在しているので、かかる水素化触媒を
用いてアルコール原料の還元反応を行なった場合には、
反応初期に触媒表面または細孔内で、液相の反応によっ
て反応中間体であるワックスエステルが生成する。生成
したワックスエステルは、さらに前記物質(液相)で水
素化され、アルコールが生成する。このとき、還元反応
器内の温度が生成されるアルコールの露点以上であるた
め、前記物質(液相)に存在するアルコールは、すべて
気相側に移動する。このアルコールの液相から気相への
移動効果により、液相におけるワックスエステルとアル
コールとの間の反応平衡がアルコール生成側に移動し、
ワックスエステル量の低減が図られる。このワックスエ
ステルの量は、分離、除去することが不要な程度の量で
ある。
成の反応が起こりうるが、かかる反応は気相反応である
ため、前記反応平衡に基づき、反応中間体であるワック
スエステルを生成することがほとんどなくなる。
内には、露点が高いワックスエステルが選択的に液体と
して残存するようになるので、還元反応器内の温度を前
記水素化触媒に存在するワックスエステルの露点以下に
調整した場合には、該水素化触媒の表面および細孔内が
乾燥状態になりがたくなるという利点がある。その結
果、特表平4-504408号公報および特開平7-188077号公報
に記載されているような、原料の有機化合物および生成
化合物が液滴として触媒と接触することを避けることが
でき、生成したアルコールが炭化水素に還元されやすい
反応と比較して、副生物、とくに炭化水素の生成量を低
減させることができる。
するワックスエステルの露点は、公知の高圧気液平衡推
算式、例えば、式:
数、Φi L はi成分の液相フガシチ係数、Xi はi成分
の液相中の組成、Yi はi成分の気相中の組成、a
(T)およびbはそれぞれ定数、Pは圧力、Vは体積、
Tは温度、Zは圧力係数、Rは基体定数を示す)で表わ
されるソアベ・レドリヒ・クオン式(SRK式)に基づ
いて求めることができる。また、前記露点は、細孔内の
状態を考慮した式:
蒸気圧、PS は同一温度におけるその液の水平面上の蒸
気圧、γは液の表面張力、Mは液の分子量、Rは気体定
数、Yは温度、ρは液体の密度を示す)で表わされる、
Zigmondyによって言及されているKelvin式(R.Zigmondy
: Z. anorg. Chem.,71,356(1911)) を、前記SRK式
と合わせて求めることもできる。なお、後述する実施例
および比較例においては、SRK式によって露点を求め
た。
記物質が表面または細孔内に液体で存在する水素化触媒
が入れられた還元反応器内に連続的に流通させ、水素化
触媒との接触還元反応により、アルコールが製造され
る。接触還元反応の際に用いられる還元反応器として
は、アルコール原料と水素ガスとの混合物を連続的に流
通させることができる装置であればよく、その機種には
特に限定がない。かかる還元反応器としては、気相にお
ける反応を円滑に進行させるために、固定床反応器を使
用することが好ましい。この場合、固定床反応器内に水
素化触媒を固定化させればよい。
は、必要により、予備加熱させたり、気化させてもよ
い。かかる予備加熱および気化は、充填塔などを用いた
公知の方法で行なうことができる。この場合、還元反応
器における反応条件に応じて、アルコール原料のすべて
を気化させるか、またはその一部を気化させることがで
きる。
または細孔内に液体で存在する水素化触媒が入れられた
還元反応器内に流通させる際には、前記還元反応器内の
温度は、生成するアルコールの露点以上の温度とされ
る。このように、還元反応器内の温度が、生成するアル
コールの露点以上の温度とされる理由は、以下のとおり
である。
るアルコールの露点よりも低い場合には、液相において
生成したアルコールが気相へ移動せず、その結果、ワッ
クスエステルとアルコールとの間の液相反応平衡によっ
て多量のワックスエステルが残存することになる。
応器内の温度が生成されるアルコールの露点以上となる
ように調整した場合には、液相で生成したアルコールの
大部分が気相に移動し、ワックスエステルがみかけ上、
不可逆的にアルコールに水素化されることとなり、ワッ
クスエステル量が、分離除去が不要となる程度にまで低
減され、高品質のアルコールを得ることができる。
ルの露点以上となるように調整するためには、例えば、
還元反応器内の温度、圧力または水素モル比を適宜調整
すればよい。
維持し、かつアルコール原料および生成アルコールの気
化を容易にする観点から、100℃以上であることが好
ましく、150℃以上であることがさらに好ましく、ま
た生成アルコールの選択性の観点から、300℃以下で
あることが好ましく、270℃以下であることがさらに
好ましい。特に好適な温度は、200〜250℃であ
る。
し、かつ反応平衡を生成物側へ移動させる観点から、1
0atm以上であることが好ましく、アルコール原料お
よび生成アルコールの気化を容易にさせ、かつ高圧力に
よる設備コストおよびメンテナンスコストアップを回避
する観点から、100atm以下であることが好まし
い。特に好適な圧力は、20〜60atmである。
流通させる際には、該還元反応器内の水素分子とアルコ
ール原料のアシル基との水素モル比〔水素分子/アルコ
ール原料中のアシル基〕は、反応温度を大幅に高くする
ことなく、所望の露点以上の条件を得る観点から、10
0以上であることが好ましく、また設備の大きさの制約
の観点から、1000以下であることが好ましい。な
お、例えば、アルコール原料として脂肪酸メチルエステ
ルの混合物を用いる場合には、前記水素モル比は、10
0〜1000であることが好ましく、200〜800で
あることがより好ましい。
元反応器内に連続的に流通させ、水素化触媒との接触還
元反応を行なうことにより、アルコール原料、ワックス
エステルおよび炭化水素の量が、精製を行なう必要がな
い程度にまで低減されたアルコールを収得することがで
きる。
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
形されたCu-Cr 触媒(日揮化学(株)製、商品名:N2
02D) 500mlを充填し、これを5〜60容量%の水
素ガスを含有する窒素ガスを用い、公知の還元方法によ
って還元活性化させた。
ル原料A、アルコール原料Bまたはラウリン酸メチル
(以下、C12MEという)と、水素ガスとを表2に示
す反応条件で、還元反応器塔に連続的に流通し、水素化
反応を行なった。
乾燥させて気体状の原料を供給したが、他の実施例およ
び比較例ではいずれも反応前に、あらかじめ反応に供給
されるアルコール原料の液体で、前記還元反応塔内に充
填された水素化触媒を充分に覆った。
前記物質を液体で存在させる操作は、該水素化触媒を還
元反応塔内に充填した後、前記物質としてアルコール原
料を用い、これをフィードすることによって行なった。
は、還元反応塔の出口から採取したサンプルを溶媒(エ
タノール)で希釈し、これをキャピラリー・ ガスクロマ
トグラフィー((株)島津製作所製、商品名:GC−1
4A、カラム:HEWLETTPACKARD ULT
RA♯1)で分析することによって行なった。
rly Space Velocityの略であり、単位時間あたりの原料
体積流量を反応器容積で除した値を示す。
記物質が液体で存在していない条件で反応を行なった場
合(比較例1)には、気相反応における反応平衡によ
り、生成アルコール中に含まれるワックスエステルの量
が、分離不要にまでに低減されるが、副生物である炭化
水素の生成量がきわめて多くなることがわかる。これ
は、水素化触媒がまったく液体で覆われていない気相反
応では、主反応だけでなく、副反応までが促進されるた
めであると考えられる。
炭化水素が含まれていれば、アルコールの収率低下をも
たらすとともに、アルコールの品質の低下を生じ、さら
に精製プロセスを必要とすることがわかる。
露点以下である比較例2〜4では、生成アルコール中に
含まれる反応中間体であるワックスエステルの量が多
く、アルコール品質の面から、ワックスエステルの分離
が必要となる。これは、生成アルコールの気相側への蒸
発が充分でなく、液相における反応平衡がアルコール生
成側に充分移動していないためであると考えられる。
じめ水素化触媒を液体メチルエステルで十分に覆ってお
くことにより、反応進行後においても、前記水素化触媒
の表面が該メチルエステルで覆われた状態が維持され、
その結果、反応選択性が大幅に改善され、炭化水素の生
成量が少なくなるとともに、ワックスエステルの量も少
ないことから、生成したアルコールを、例えば、洗剤の
原料などに用いる場合には、該アルコールからワックス
エステルを分離、除去することが不要である。
後、反応塔から水素化触媒を取り出したところ、該水素
化触媒の表面は、液体で覆われており、また該水素化触
媒を溶剤で洗浄し、得られた洗浄液を前記と同様にキャ
ピラリー・ ガスクロマトグラフィーにより分析を行なっ
たところ、前記水素化触媒の細孔内にワックスエステル
が存在していることが確認された。
方法では、水素化触媒の表面またはその細孔内にアルコ
ールなどの液体が存在し、かつ還元反応塔内が生成アル
コールの露点以上となるように温度の調整がなされてい
ることにより、アルコール中に残存する反応中間体であ
るワックスエステルおよび副生物である炭化水素の量
が、蒸留などの精製工程が不要とすることができる程度
にまで低減されたアルコールを収得することができる。
ば、反応前の段階で原料を鎖長によって分離するという
煩雑な操作なしに実施可能であり、反応圧力が低い場合
においても、反応性および選択性に優れ、すなわちアル
コール中に未反応のままで残存するアルコール原料や、
反応中間体であるワックスエステル、副生物である炭化
水素の量を、蒸留等の精製工程が不要とすることができ
る程度にまで低減させ、アルコール収率を向上させるこ
とができるという効果が奏される。
Claims (7)
- 【請求項1】 アルコール原料を還元反応器内に連続的
に流通させ、水素化触媒の存在下で、水素ガスとの接触
還元反応によってアルコールを製造する方法において、
前記還元反応器内の温度を生成するアルコールの露点以
上とし、その表面または細孔内にアルコール原料、アル
コール、ワックスエステルおよび炭化水素からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の物質が液体で存在する水素
化触媒の存在下で、アルコール原料と水素ガスとを接触
させることを特徴とするアルコールの製造方法。 - 【請求項2】 アルコール原料を還元反応器内に流通さ
せる前に、あらかじめ水素化触媒の表面または細孔内
に、アルコール原料、アルコール、ワックスエステルお
よび炭化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種の
物質を液体で存在させる請求項1記載のアルコールの製
造方法。 - 【請求項3】 還元反応器内の温度を、水素化触媒の表
面または細孔内に存在するワックスエステルの露点以下
の温度に調整する請求項1または2記載のアルコールの
製造方法。 - 【請求項4】 アルコール原料が脂肪酸エステルである
請求項1〜3いずれか記載のアルコールの製造方法。 - 【請求項5】 脂肪酸エステルがヤシ油、パーム油また
はパーム核油由来の成分である請求項4記載の製造方
法。 - 【請求項6】 還元反応器として、水素化触媒が還元反
応器内に固定化された固定床反応器を用いる請求項1〜
5いずれか記載のアルコールの製造方法。 - 【請求項7】 還元反応器内の温度が100〜300℃
であり、還元反応器内の圧力が10〜100atmであ
る請求項1〜6いずれか記載のアルコールの製造方法。
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