JPH10245550A - ZnO紫外発光体およびその製造方法 - Google Patents

ZnO紫外発光体およびその製造方法

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JPH10245550A
JPH10245550A JP6234797A JP6234797A JPH10245550A JP H10245550 A JPH10245550 A JP H10245550A JP 6234797 A JP6234797 A JP 6234797A JP 6234797 A JP6234797 A JP 6234797A JP H10245550 A JPH10245550 A JP H10245550A
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孝 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ZnOは電子ビームや紫外レ−ザによって励
起すると幅広いスペクトルを持った緑色の広いスペクト
ルの蛍光と、微弱な紫外光を発生する。緑発光を完全に
抑制し強い紫外光の蛍光だけにすること。 【解決手段】 ZnOを水素プラズマによって処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はZnOによる紫外発
光体およびその製造方法に関する。Znは2−6族の半
導体である。ZnO膜はエネルギーの高いレ−ザによっ
て照射する事によって蛍光を発する。作製方法によって
様々の波長の光を出す。大別すると3種類の異なる波長
の蛍光を出す。一つは630nm〜690nm程度のピ
ーク分布をもつ赤色である。もう一つは480nm〜5
10nm程度の広い分布を持つ緑色の発光である。最後
の一つは380nm程度の紫外光である。
【0002】ZnOの製造方法によってこれら異なる波
長の蛍光が出る。380nmの紫外光はバンド端発光で
あって明確な起源を持っている。つまりレ−ザ光によっ
て価電子帯から電子が伝導帯へ上げられこれが再び価電
子帯に落ちる時に紫外光を出す。それ以外のより長波長
の光がどのような機構によって発生するのか?という点
は未だ明確でない。バンド間エネルギーよりも低いエネ
ルギーの光であるから禁制帯にある準位間の遷移による
蛍光であるに違いない。しかし禁制帯にある深い準位が
なにによって生成しているのか?ということはいまだわ
からない。
【0003】ZnOの製造方法によってバンド間に生成
される準位が異なるので蛍光の波長が異なるのである。
また半導体とは言ってもp型半導体ができないしpn接
合ができないので電流注入による発光素子とすることが
できない。電子ビームを当てて蛍光を出させるというの
が一つの発光の方法である。もう一つはレ−ザを当てて
蛍光を発生させるということである。このように光励
起、電子ビーム励起しか、現在のところ、ZnOを発光
させる手段はない。であるからZnOは発光素子とはい
えず蛍光体と言うべきである。発光といわず蛍光と呼ぶ
べきであるが、ここでは発光という言葉を広義に用い、
蛍光による光生成をも含むものとする。
【0004】さらに波長について言えば、エネルギーの
低い長波長の光は他にも発光素子がいくつも存在する。
であるから長波長の光をZnOによって発生させる意義
は薄い。だから赤色橙色発光の材料としてはあまり期待
されていない。緑色の蛍光はZnOに特徴的なものであ
り表示板などへの用途がありうる。これが現在ZnOの
用途として最も脚光を浴びているものである。青緑の色
を出す発光素子は他にも存在するがZnOもその波長の
候補として考えられている。
【0005】紫外発光はバンド間遷移によるものであり
唯一明確な起源をもつものである。しかしこれは微弱で
あって、実用的な蛍光強度をうることができない。可視
光でないので表示板などの応用は考えられない。紫外光
はエネルギーの高い光であり表示以外に用途は存在す
る。しかしあまりに微弱であるから役に立たないと考え
られる。であるから紫外光を出す材料としてもZnOは
期待されていない。専ら緑色が注目されている。
【0006】ZnOはウルツ鉱型の六方晶系の結晶を作
る。さて結晶成長法であるが、SiやGaAsのような
半導体と違って、ZnOはチョクラルスキー法やブリッ
ジマン法によって大型の単結晶を成長させることはでき
ない。酸化物であり融点が高い(1980℃)ので加熱
溶融して液体にすることが難しい。単に加熱するだけで
は分解してしまう。高圧を掛けた状態で加熱して初めて
溶融する。であるから融液にしてこれを固化するような
結晶成長法は適用できない。フラックス法で単結晶を製
作する試みがなされているが成功しているとはいい難
い。大型単結晶は現在のところ製造不可能である。
【0007】スパッタリングによってZnOの薄膜を作
ることはできる。しかしこれは酸素の抜けが多い欠陥の
ある多結晶の薄膜になる。現在最も普通に用いられてい
るZnOの製造方法は焼結法である。ZnOの多結晶粉
末をバインダと混ぜてもよいし、そのまま固めて圧力を
加えながら加熱して塊とする。酸化物であるから焼結法
は好適な方法である。型によって作るので様々の大きさ
の平板状、凹板状のZnO板を作ることができる。大型
の焼結ZnO板を作ることができるので表示板などに利
用できるのではないかと期待される。
【0008】
【従来の技術】ZnOはふたつの光(赤橙色と緑色)を
発生するので表示板としての用途がまず考えられる。 特開平6−240250号「ZnO可視発光体」は
同じ基板状に、橙色発光ZnO部と緑色発光ZnO部を
作製し表示板とすることを提案している。石英基板にZ
nを真空蒸着し、空気雰囲気中で10℃/分の速度で5
40℃まで昇温する。540℃で1時間保持し酸化させ
てZnO薄膜を生成する。そしてマスクを使って一部の
ZnOを除去する。これをHe−Cdレ−ザによって照
射するとマスクによって保護されていた部分は橙色の蛍
光を、一部除去された部分は緑色の蛍光を発する。だか
ら2色の表示板をZnOによって作製できる、というの
である。
【0009】これはZnOをスパッタリングによって薄
膜とすると、橙色(680nm)の蛍光を出すものがで
き、ZnO粉末をプレスしAr雰囲気で900℃以上で
焼結したものは、緑色(480nm)の蛍光を出すとい
うところから出発する。10℃/分の昇温速度を与えZ
nを空気によって酸化して、スパッタリングによって作
ったものと同じ薄膜を作る。表面だけ680nmの蛍光
体になり、表面を削り取ると480nmの蛍光体にな
る。それで2色の表示板を作る事ができるという訳であ
る。
【0010】空気中でZnを加熱するので表面から酸素
が拡散して次第に酸化されてゆく。表面は酸素が十分に
あり680nmの橙色の蛍光体になるが、内部は酸素が
不足しているので480nmの緑色蛍光体になる、と考
えているようである。一部を削って内部を露呈する事に
よって緑色の蛍光を発するようになる、という。これは
橙色も緑色発光もいずれも重視している。しかし紫外は
問題にしていない。可視光でなく表示板には無益である
からであろう。Zn薄膜の加熱速度10℃/分が重要な
パラメータであると主張している。
【0011】K. Vanheusden, W.L. Warren, C.H.seag
er, D.r.Tallant, J.A.Voigt,and B.E.Gnade, "Mechani
sms behind green photoluminescence in ZnO phosphor
powders",J. Appl. Phys. 79(10), 15 May 1996 p7983
(1996)は、ZnOの510nmの緑の蛍光について述
べている。ZnOにおいて自由キャリヤ、酸素欠損(ベ
イカンシ)、緑蛍光には強い相関があると述べている。
結晶粒の表面では酸素欠損はなく反磁性になる。内部で
は酸素欠損には電子が捕らえられる。だから一価のイオ
ンを帯びる。それでイオン化された酸素欠損が緑発光の
原因であると推論している。論文でZnOの粉末を酸化
還元して酸素欠損の数や自由キャリヤの数をさまざまな
範囲で変化させている。そしてバンハウデンは粉末粒子
の外周部では酸素欠損は存在せず内部に酸素欠損が存在
するという仮説を展開している。酸素欠損はドナー準位
となる。n型半導体であるからフェルミ準位が禁制帯の
半分より上にある。酸素欠損のドナーはフェルミ準位よ
りも高い。結晶粒の表面はポテンシャルが高いのでバン
ドが曲がり表面近くはドナーが空になり、正に帯電す
る。その分の電子は自由電子となって結晶内部に存在す
る。バンドが曲がって結晶の内部ではフェルミ準位より
もドナー準位が低くなる。この低くなったドナー準位か
ら電子が価電子帯に落ちて緑の510nmの光を出すの
である、と仮説を展開している。だから、自由キャリヤ
密度、酸素欠損、緑発光は互いに正比例するのである
と、結論している。緑発光の謎は酸素欠損によるもの
で、このドナーから電子が価電子帯に落ちるのはバンド
の曲がりによってフェルミ準位よりもドナー準位が下が
るからだというのである。
【0012】K. Vanheusden, C.H. Seager, W.L.Warr
en, D.R. Tallant and J.A. Voigt,"Correlation betwe
en photoluminescence and oxygen vacancies in ZnO p
hosphors", Appl. Phys. Lett. vol.68, No.3, 15 Janu
ary 1996, p403 (1996) は常磁性共鳴、光吸収スペクト
ル、フォトルミネセンスの測定から、ZnOの酸素欠
損、自由キャリヤ、510nmの緑発光の間に強い相関
があるという。趣旨はと同様である。酸素欠損がある
とこれが自由電子を生ずるので自由キャリヤが増える。
ドナー準位となるがフェルミ準位より下がるのでここか
ら電子が落ちて510nm近傍の緑を生ずるのである、
というわけである。
【0013】とは測定の手段が違うだけで背後にあ
る物理的な描像は同じである。しかしバンハウデンの推
論には色々問題があると本発明者は考える。ZnO結晶
粒の表面は酸素欠損は反磁性、内部では常磁性というが
それは内外でフェルミ準位との高下関係が逆転するから
である。バンドの歪みによってそのようなドナー準位の
高さが変わるものであろうか?結晶粒が大きいとそのよ
うなことは起こりにくいはずで、これは結晶粒が小さく
なくては成り立たないのではないか?しかも深い準位で
ある酸素欠損が丁度内外でフェルミ準位を横切るという
ような好都合なことがあるものだろうか?バンハウデン
の仮説によると、自由キャリヤが多いほど緑発光(蛍
光)が有力である、という。自由キャリヤは酸素欠損か
らでるのであるが、酸素欠損が多いということは結晶が
不完全ということである。だから不完全な結晶で酸素欠
損が多く結晶粒が小さいほど緑蛍光が強くなるというこ
とになる。緑発光素子とするなら欠陥の多い多結晶を使
うべきだという事になる。バンハウデンはしかし紫外光
のことについては述べていない。
【0014】このようにZnOに関する文献は少ない。
少ない文献も、橙(680nm程度)発光、緑(480
〜510nm)について述べているだけである。紫外の
蛍光については述べるところがない。これはバンド間遷
移(伝導帯〜価電子帯)であるということがわかってお
り素性がはっきりして学者の興味を引かないということ
が一つの理由であろうか。それと緑光と紫外光がでる試
料では紫外光が余りに弱すぎて実用的な用途がないと考
えれるからであろうか。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ZnOの蛍光スペクト
ルに僅かに含まれる紫外光の割合を増大させる方法を提
供する事が本発明の第1の目的である。ZnOを使った
紫外発光素子を提供することが本発明の第2の目的であ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のZnOの処理方
法は、ZnO固体の表面を水素プラズマ処理する事であ
る。本発明の紫外発光体は、水素プラズマ処理したZn
Oに電子ビーム、紫外レ−ザ、X線をあてて紫外光を発
生させるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、ZnOの板を水素プラ
ズマで処理して紫外発光の効率を飛躍的に増大させる。
つぎに水素プラズマ処理ZnOの製造法と、蛍光スペク
トルなどについて説明する。
【0018】(a) 初めにフラックス法によってZn
Oの試料を作製した。ZnOの粉末と、PbF2 の粉末
を混合した。PbF2 は溶媒である。これをPtのるつ
ぼに入れて1040℃の温度に加熱し2時間保持する。
その後5℃/hの割合で950℃までゆっくりと温度を
下げる。こうして概略の大きさが10mm×10mm×
0.3mmのZnO単結晶を得た。育成した単結晶は黄
色味を帯びた透明であった。
【0019】(b) これを酸素気流の中で加熱処理し
た。アニール温度は1000℃、アニール時間は6時間
であった。酸素アニールは酸素欠陥(酸素欠損)を減少
させるために行った。その後400℃まで100℃/h
の割合で降温した。その後室温まで自然放冷した。 (c) つぎにこのZnO試料を、石英製のプラズマ処
理室に収容した。プラズマ処理室に水素を10Torr
になるように導入した。マグネトロンによって2.45
GHz、300Wのマイクロ波を発生させ水素ガスをプ
ラズマに励起した。試料は400℃に加熱し7分間水素
プラズマに試料をさらした。表面が水素化される。水素
化された試料はうっすら青みをおびた黄色になった。
【0020】ここまでで3種類の試料ができたことにな
る。育成したZnO(a)、酸素アニールしたZnO
(b)、水素プラズマ処理したZnO(c)である。こ
れら3種類の試料(a)、(b)、(c)のカソードル
ミネセンスを測定した。カソードルミネセンスというの
は電子線を試料にあてて生ずる発光(luminescence)の
ことをいう。測定というのは、これを分光器によって分
光し波長毎(或いはエネルギー毎)の蛍光分布を求める
ことである。一般に試料に光、X線、電子線をあてると
特定の波長分布を持つ光が生ずる。これが時間的な遅れ
がない場合蛍光(fluorescence) とよび、時間的な遅れ
がある場合燐光(phosphorescence )と呼ぶ。両者を含
めてルミネセンス(lumminescence )というのである。
ルミネセンスを起こさせるものはX線、光、電界、など
様々である。ここでは電子ビームを試料に当てるのでカ
ソードルミネセンスと呼ぶ。どのような物質でも電子線
を当てると発光する。カソードルミネセンスで発光した
(蛍光を発した)からといって発光素子になるというも
のではない。
【0021】電子線の加速エネルギーは5kVであり、
ビーム電流は60pA〜1.8nAの範囲で変化させ
た。全波長領域を0.8nm刻みの1040チャンネル
のCCDによって検出した。
【0022】図1は(a)育成したままのZnO、
(b)酸素アニールZnO、(c)のカソードルミネセ
ンス(CL)測定の結果を示す。横軸はホトン(光子)
エネルギーであり、縦軸はCL強度(cps:1秒間の
カウント数)である。電子線加速電圧は5kV、電流は
1nAである。
【0023】(a)育成したままのZnOは2.2eV
に付近に広がったスペクトルをもつ。半値幅が0.5e
Vでピーク高さが750cps程度である。2.2eV
は波長でいうと560nmにあたる。これは緑の発光で
ある。さらに3.2eVの小さい発光も見られる。半値
幅は狭く高さは300cpsであり微弱である。これが
370nmの紫外発光である。
【0024】(b)の酸素アニールしたものは、さらに
緑のルミネセンスが有力になっている。ピーク高さが1
500cpsで半値幅が0.8eVに広がっている。酸
素アニールしたから酸素欠損は減っていると考えられる
がそれによって緑のルミネセンスが2倍以上に増える。
だから酸素欠損が緑の蛍光の原因であるとするバンハウ
デンの推論は誤りではないかと思う。しかしこれは本発
明とは無関係のことであるのでこれ以上述べない。
【0025】(c)水素プラズマ処理したものは、前者
のスペクトルと全く違う。緑のスペクトルが完全に消失
し、3.2eV(370nm)の蛍光だけが見られる。
緑のスペクトルが消滅したというのが特に重要である。
3.2eVの蛍光はバンド間遷移(エキシトン発光)に
よるものである。半値幅は0.15eV程度で極めて狭
い。ピーク高さは4000cpsである。水素プラズマ
処理したものは単色性に優れた紫外光を発するようにな
る。
【0026】この測定結果から、2.2eVの発光と、
3.2eVの発光は相補的なものである事がわかる。緑
色の発光強度が減ればその分紫外の発光強度が増加す
る。つまり水素プラズマ処理によって、深い準位でのキ
ャリヤ再結合を抑制し緑色の光が生ずるのを防ぐように
なる。その結果バンド端での遷移が優越し、短波長の光
が発生するようになる。水素プラズマは禁制帯の間に多
数存在した深い準位をなくしてしまったのであろうと推
定される。だから緑色の光が発生しないようになる。
【0027】バンハウデンは酸素欠損が緑色のルミネセ
ンスの原因であるとしている。緑色の発光を消去しよう
とすれば、酸素を強制的に補給し酸素欠損(ベイカン
シ)をなくせば良いという結論になる。しかし初めに述
べたように酸素アニールは緑色ルミネセンスを減らすよ
うには働かない。むしろ酸素の補給は緑ルミネセンスを
高揚する傾向がある。水素プラズマ処理すると水素が、
発光中心となる欠陥と結合し、欠陥が不活性になったの
であろう。
【0028】水素プラズマ処理が本発明の新処理法であ
る。水素プラズマ処理によって何が起こっているのか?
まず水素プラズマ処理していない試料について、3.2
eVと2.2eVのルミネセンスの温度に対する振る舞
いの相違を調べた。図2は酸素アニールした試料(b)
のCLの温度変化を調べたものである。電子加速電圧は
5kV、電流は1.8nAである。温度は30K、80
K、120K、160K、220K、280Kとしてい
る。緑のルミネセンス(2.2eV)は温度が上がるに
したがって減衰し280Kでは30Kの場合の1/5に
なっている。温度上昇によってルミネセンスが減少する
のは当然のことである。緑のルミネセンスは1/5にも
減っている。ところが3.2eVのルミネセンス強度は
約1/2に下がるだけである。ピーク位置3.36eV
(30K)から3.26eV(280K)に変わるがこ
れはバンドギャップの温度変動そのものである。
【0029】水素プラズマ処理した試料(c)のルミネ
センスの温度依存性を測定したものが図3である。何れ
の温度でも緑のルミネセンスはない。紫外光のルミネセ
ンスだけである。温度依存性は極めて大きく、30Kで
は極めて大きい20000cpsに迫る強さのCLを観
測できた。ところが285Kでは30Kの約1/100
にも低下する。30Kでのピークエネルギーを厳密に測
定すると3.350eVであった。これは束縛エキシト
ンでの電子正孔再結合のエネルギーである。すなわち水
素プラズマ処理すると、処理前と比して発光強度が2桁
大きくなるので、さらに強い紫外光をだすことができ
る。
【0030】このような紫外光のピーク高さの温度依存
性を調べた。図4は、その結果を示す。横軸に温度の逆
数(100/T)をとり、縦軸にはCL強度(cps)
を取っている。温度が高いと3.2eVのCLが弱くな
る。温度が低いとCLが強くなる。
【0031】さて、そのようなZnOの単結晶、多結晶
はいくつかの用途がある。電子ビーム照射又は紫外レ−
ザ(例えばHe−Cdレ−ザ)照射によって強い紫外光
を発生するからである。そこで単結晶ZnOを用いて紫
外レ−ザを作製した。
【0032】ZnO単結晶の両面を水素プラズマ処理し
た。水素圧力は10Torr、温度は400℃〜600
℃である。これを矩形状に切り、出発試料とした。スト
ライプ構造を作るために、図5のように、ZnO単結晶
1の上にSiN膜2を形成した。そして直線部分を残し
てSiN膜2を選択的に除去した。さらに塩酸系或いは
リン酸系のエッチング液によって行う露呈したZnOを
除去する。これが図6に示す状態である。この後マスク
であるSiN膜2を除去する。ZnOのストライプ3が
生成される。この表面は水素プラズマ処理された面であ
る。両端に紫外光を反射する共振器5、6が形成され
る。残りの表面部分4は水素プラズマ処理していない部
分である。
【0033】ストライプ3に帯状に電子ビームを当てる
とZnOでの3.2eVの発光が起こる。隆起した帯状
の光路になっており屈折率のちがいによって紫外光がス
トライプに閉じ込められる。帯の長手方向に伝搬して共
振器5、6で反射されるのでレ−ザ発振する。ストライ
プの方向に伝搬する強い紫外光が生ずる。ストライプ3
はここでは1本のものを示すが、複数本あってもよい。
その場合は複数のレ−ザビームを得る事ができる。スト
ライプの全体に渡って帯状の電子ビームを当てる必要が
あるが、そのようなビームを生成するのが難しい場合
は、電子ビームをストライプに沿って走査すれば十分で
ある。
【0034】
【実施例】図7にZnO紫外レ−ザの概略図をしめす。
ZnO単結晶1に先ほどのSiNマスクの方法で複数本
のストライプを作製する。ここでは4本しか図示してい
ないが、例えば10本のストライプを平行に作製する。
10本のストライプの全幅は例えば100μm程度とす
る。ストライプ状に隆起している部分の表面7だけが水
素プラズマ処理した面である。その直下にSi、ダイヤ
モンドなどのフィールドエミッタ8を設ける。これは電
子を発生させる機構である。フィールドエミッタ8とZ
nO1の間には電子を引き出すための電圧13が印加さ
れている。フィールドエミッタから電子は放射状に出
る。ストライプ3の長手方向をZ軸とする。ZnO面に
直角な方向をY軸、ストライプと直角な方向をX軸とす
る。電子はY軸方向に広がって出射される。ストライプ
と平行な方向に延びる一対の磁極9、10を更に設け
る。磁極はコの字型またはロの字型のコアでありX方向
に延びる部分があってそれによって両磁極9、10は連
結される。適当な部位にコイルが巻かれていて、それに
交流電流が流される。X方向に磁力線が生ずるがこれが
交流電流の為に周期変化する。X方向の磁力線によって
Y方向に進行する荷電粒子はZ方向に曲がる。その曲が
りが周期変動するからビームがZ方向に振動する。だか
ら電子ビームがストライプにそって振られる。実効的に
ストライプの全長に電子ビームが照射される。電子ビー
ムはそれぞれの水素プラズマ処理面において紫外光を発
生させる。紫外光は屈折率の違いによりストライプに閉
じ込められる。両端の共振器によって反射されて増幅さ
れる。一部が、端面より放射される。これにより同時に
複数本の紫外ビームが生成される。
【0035】
【発明の効果】ZnOによって紫外光を発生させる素子
を作ることができるので安価な紫外発光素子が得られ
る。ZnOは単結晶でなくても良い。粉末であっても良
いから任意の形状のものを焼結によって製造できる。薄
膜であっても良いので作製容易である。つまり形状の自
由度が大きい。紫外光源となるのでより長い波長の光に
変換できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】育成したままのZnO(a)、酸素アニールし
たZnO(b)、水素プラズマ処理したZnO(c)の
カソードルミネセンスの測定結果を示すグラフ。横軸は
フォトンエネルギー、縦軸は1秒間のカウント数(cp
s)。
【図2】水素処理していないZnOのカソードルミネセ
ンスの温度依存性を示すグラフ。横軸はフォトンエネル
ギー(eV)、縦軸は1秒間のフォトン入射数(cp
s)。
【図3】水素プラズマ処理したZnOのカソードルミネ
センスの温度依存性を示すグラフ。横軸はフォトンエネ
ルギー(eV)、縦軸は1秒間のフォトン入射数(cp
s)。
【図4】水素プラズマ処理したZnOのカソードルミネ
センスの温度変化の測定結果を示すグラフ。
【図5】ZnO単結晶の表面を水素プラズマ処理し表面
をSiNによって覆ったものを示す斜視図。
【図6】SiNマスクを帯状の部分を残して除去したも
のを示す斜視図。
【図7】4本のストライプのある紫外レ−ザの概略構成
図。
【符号の説明】 1 ZnO単結晶 2 SiN膜 3 ZnOのストライプ 4 残りの表面部分 5 共振器 6 共振器 7 水素プラズマ処理をした面 8 フィールドエミッタ 9 磁極 10 磁極 11 磁力線 12 電子ビーム 13 電圧

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ZnO固体の表面を水素プラズマ処理す
    る事を特徴とするZnO紫外発光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 水素プラズマ処理したZnOに電子ビー
    ム或いは紫外光を照射して紫外光を発生させることを特
    徴とするZnO紫外発光体。
JP06234797A 1997-02-28 1997-02-28 ZnO紫外発光体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3785721B2 (ja)

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