JPH10246192A - 圧縮機内摺動部材用複層乾性潤滑被膜およびその被膜を用いた装置 - Google Patents
圧縮機内摺動部材用複層乾性潤滑被膜およびその被膜を用いた装置Info
- Publication number
- JPH10246192A JPH10246192A JP9065306A JP6530697A JPH10246192A JP H10246192 A JPH10246192 A JP H10246192A JP 9065306 A JP9065306 A JP 9065306A JP 6530697 A JP6530697 A JP 6530697A JP H10246192 A JPH10246192 A JP H10246192A
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- JP
- Japan
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- dry lubricating
- compressor
- sliding member
- solid lubricant
- coating
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 圧縮機内の摺動部材の摩擦係数を低減させ、
耐焼付け性を向上させて製品寿命を延長させることがで
きる圧縮機内摺動部材用複層乾性潤滑被膜を提供する。
また、前述のように構成された複層乾性潤滑被膜を施し
た摺動部材および該摺動部材を用いた空調装置を提供す
る。 【構成】 圧縮機内摺動部材用複層乾性潤滑被膜は、圧
縮機内摺動部材の摺動面に対して成膜された固体潤滑剤
と結合剤とからなる乾性潤滑被膜と、該乾性潤滑被膜上
に、固体潤滑剤微粉末と合成樹脂粉末とを高圧ガス体の
流れに載せ、固体潤滑剤微粉末と合成樹脂粉末とを含む
高圧ガス体をノズルから部材の摺動面に噴射するブラス
トコーティング法によって成膜された固体潤滑剤被膜と
からなる。また、前述のように構成された複層乾性潤滑
被膜を施した摺動部材および該摺動部材を空調装置に用
いる。
耐焼付け性を向上させて製品寿命を延長させることがで
きる圧縮機内摺動部材用複層乾性潤滑被膜を提供する。
また、前述のように構成された複層乾性潤滑被膜を施し
た摺動部材および該摺動部材を用いた空調装置を提供す
る。 【構成】 圧縮機内摺動部材用複層乾性潤滑被膜は、圧
縮機内摺動部材の摺動面に対して成膜された固体潤滑剤
と結合剤とからなる乾性潤滑被膜と、該乾性潤滑被膜上
に、固体潤滑剤微粉末と合成樹脂粉末とを高圧ガス体の
流れに載せ、固体潤滑剤微粉末と合成樹脂粉末とを含む
高圧ガス体をノズルから部材の摺動面に噴射するブラス
トコーティング法によって成膜された固体潤滑剤被膜と
からなる。また、前述のように構成された複層乾性潤滑
被膜を施した摺動部材および該摺動部材を空調装置に用
いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機内摺動部材
用複層乾性潤滑被膜およびその被膜を用いた装置に関
し、特に、圧縮機内の摺動部の摩擦係数を低減させ、耐
焼付き性を向上させる摺動部材用複層乾性潤滑被膜およ
びその被膜を用いた空調装置に関する。
用複層乾性潤滑被膜およびその被膜を用いた装置に関
し、特に、圧縮機内の摺動部の摩擦係数を低減させ、耐
焼付き性を向上させる摺動部材用複層乾性潤滑被膜およ
びその被膜を用いた空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮機内の摺動部に対して、冷媒である
フロンガスに潤滑油を添加して潤滑を行ってきた。近年
のフロン代替に伴い、代替フロンガスの潤滑性不足が摺
動面間の焼付けを増加させ、圧縮機の製品寿命が従来よ
り著しく短くなるという重大な問題が生じた。そのた
め、冷媒中に添加する潤滑油を代替する方法、摺動部材
を単層の乾性潤滑被膜で被覆する方法などで焼付けを防
止し、製品寿命を向上させる試みがなされている。
フロンガスに潤滑油を添加して潤滑を行ってきた。近年
のフロン代替に伴い、代替フロンガスの潤滑性不足が摺
動面間の焼付けを増加させ、圧縮機の製品寿命が従来よ
り著しく短くなるという重大な問題が生じた。そのた
め、冷媒中に添加する潤滑油を代替する方法、摺動部材
を単層の乾性潤滑被膜で被覆する方法などで焼付けを防
止し、製品寿命を向上させる試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記いずれの
方法によっても圧縮機の十分な製品寿命は得られなかっ
た。
方法によっても圧縮機の十分な製品寿命は得られなかっ
た。
【0004】したがって、本発明の目的は、圧縮機内の
摺動部材の摩擦係数を低減させ、耐焼付け性を向上させ
て製品寿命を延長させることができる圧縮機内摺動部材
用複層乾性潤滑被膜を提供することにある。
摺動部材の摩擦係数を低減させ、耐焼付け性を向上させ
て製品寿命を延長させることができる圧縮機内摺動部材
用複層乾性潤滑被膜を提供することにある。
【0005】本発明は、さらに、前述のように構成され
た複層乾性潤滑被膜を施した摺動部材および該摺動部材
を用いた空調装置を提供することにある。
た複層乾性潤滑被膜を施した摺動部材および該摺動部材
を用いた空調装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明は、圧縮機内摺動部材の摺動面に対して成
膜された固体潤滑剤と結合剤とからなる乾性潤滑被膜
と、該乾性潤滑被膜上に、固体潤滑剤微粉末と合成樹脂
粉末とを高圧ガス体の流れに載せ、固体潤滑剤微粉末と
合成樹脂粉末とを含む高圧ガス体をノズルから部材の摺
動面に噴射するブラストコーティング法によって成膜さ
れた固体潤滑剤被膜とからなることを特徴とする圧縮機
内摺動部材用複層乾性潤滑被膜を採用するものである。
めに、本発明は、圧縮機内摺動部材の摺動面に対して成
膜された固体潤滑剤と結合剤とからなる乾性潤滑被膜
と、該乾性潤滑被膜上に、固体潤滑剤微粉末と合成樹脂
粉末とを高圧ガス体の流れに載せ、固体潤滑剤微粉末と
合成樹脂粉末とを含む高圧ガス体をノズルから部材の摺
動面に噴射するブラストコーティング法によって成膜さ
れた固体潤滑剤被膜とからなることを特徴とする圧縮機
内摺動部材用複層乾性潤滑被膜を採用するものである。
【0007】本発明は、さらに、前述のように構成され
た複層乾性潤滑被膜を施した摺動部材および該摺動部材
を用いる空調装置を採用するものである。
た複層乾性潤滑被膜を施した摺動部材および該摺動部材
を用いる空調装置を採用するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、圧縮機内摺動部材の摺
動面に対して固体潤滑剤と結合剤とからなる乾性潤滑被
膜を成膜し、その成膜した乾性潤滑被膜上に特定のブラ
ストコーティング法により固体潤滑剤被膜を成膜させる
ことにより、摺動部材の摩擦係数を著しく低減し、耐焼
付け性を向上させ、その結果圧縮機の製品寿命を延長さ
せるものである。
動面に対して固体潤滑剤と結合剤とからなる乾性潤滑被
膜を成膜し、その成膜した乾性潤滑被膜上に特定のブラ
ストコーティング法により固体潤滑剤被膜を成膜させる
ことにより、摺動部材の摩擦係数を著しく低減し、耐焼
付け性を向上させ、その結果圧縮機の製品寿命を延長さ
せるものである。
【0009】本発明の摺動部材の表面上に成膜される乾
性潤滑被膜の固体潤滑剤は特に限定されないが、グラフ
ァイト及びPTFEなどが適当である。また、結合剤と
して使用される樹脂も特に限定されないが、熱硬化型の
樹脂が好ましく、ポリアミドイミドが特に好ましい。さ
らに、塗膜の機械的強度を上げ、耐摩耗性を向上させる
ために任意に配合されるフィラーの種類も特に限定され
ないが、グラファイト・SiC等のウィスカーが好まし
い。
性潤滑被膜の固体潤滑剤は特に限定されないが、グラフ
ァイト及びPTFEなどが適当である。また、結合剤と
して使用される樹脂も特に限定されないが、熱硬化型の
樹脂が好ましく、ポリアミドイミドが特に好ましい。さ
らに、塗膜の機械的強度を上げ、耐摩耗性を向上させる
ために任意に配合されるフィラーの種類も特に限定され
ないが、グラファイト・SiC等のウィスカーが好まし
い。
【0010】この乾性潤滑被膜の塗布方法は、ディッピ
ング、スプレー、電着など多くの方法があるが可能であ
るが、スプレーが最も簡便である。また、結合剤に熱硬
化型のポリアミドイミド樹脂を用いた場合には、200
°C〜250°Cの温度範囲で焼成し成膜する。
ング、スプレー、電着など多くの方法があるが可能であ
るが、スプレーが最も簡便である。また、結合剤に熱硬
化型のポリアミドイミド樹脂を用いた場合には、200
°C〜250°Cの温度範囲で焼成し成膜する。
【0011】上記方法により成膜した乾性潤滑被膜の表
面にブラストコーティング法により、さらに固体潤滑剤
被膜を形成させて複層乾性潤滑被膜とする。本発明で用
いられるブラストコーティング法としては、特開平8−
196951号公報に記載のブラストコーティング法
(固体潤滑剤被膜形成方法)が特に好ましく、また、固
体潤滑被膜を形成する原料となる固体潤滑剤組成物とし
ては、上記特開平8−196951号公報に記載の固体
潤滑剤組成物が特に好ましいので、後述するが、詳細に
は、上記特開平8−196951号公報を参照された
い。
面にブラストコーティング法により、さらに固体潤滑剤
被膜を形成させて複層乾性潤滑被膜とする。本発明で用
いられるブラストコーティング法としては、特開平8−
196951号公報に記載のブラストコーティング法
(固体潤滑剤被膜形成方法)が特に好ましく、また、固
体潤滑被膜を形成する原料となる固体潤滑剤組成物とし
ては、上記特開平8−196951号公報に記載の固体
潤滑剤組成物が特に好ましいので、後述するが、詳細に
は、上記特開平8−196951号公報を参照された
い。
【0012】特開平8−196951号公報に記載のブ
ラストコーティング法は、固体潤滑剤微粉末と合成樹脂
粉末とを高圧ガス体の流れに載せ、固体潤滑剤微粉末と
合成樹脂粉末とを含む高圧ガス体をノズルから加工物
(部材)の表面に噴射し、部材の表面に固体潤滑剤被膜
を成膜するものである。
ラストコーティング法は、固体潤滑剤微粉末と合成樹脂
粉末とを高圧ガス体の流れに載せ、固体潤滑剤微粉末と
合成樹脂粉末とを含む高圧ガス体をノズルから加工物
(部材)の表面に噴射し、部材の表面に固体潤滑剤被膜
を成膜するものである。
【0013】成膜する固体潤滑剤は二硫化モリブデン、
グラファイト、PTFEなどいずれでも良いが、方法及
び性能上二硫化モリブデンが好ましい。二硫化モリブデ
ンを使用する場合、平均粒径は10μm以上が好まし
く、20μm以上が適当である。ブラストコーティング
法の成膜条件は部材の形状と下地乾性潤滑被膜の材質に
より若干変動するが、噴射圧力0.2MPa〜0.5M
Pa、固体潤滑粉末とブラスト用ビーズの容量比1:2
〜2:1の範囲内が好ましい。噴射時間も部材形状によ
り、変動するが、およそ10秒間〜30秒間である。
グラファイト、PTFEなどいずれでも良いが、方法及
び性能上二硫化モリブデンが好ましい。二硫化モリブデ
ンを使用する場合、平均粒径は10μm以上が好まし
く、20μm以上が適当である。ブラストコーティング
法の成膜条件は部材の形状と下地乾性潤滑被膜の材質に
より若干変動するが、噴射圧力0.2MPa〜0.5M
Pa、固体潤滑粉末とブラスト用ビーズの容量比1:2
〜2:1の範囲内が好ましい。噴射時間も部材形状によ
り、変動するが、およそ10秒間〜30秒間である。
【0014】(作用)以下に説明するように、本発明で
用いる複層乾性潤滑被膜はそれぞれの単層の潤滑被膜の
欠点を補い、かつ相乗効果を発現するものである。
用いる複層乾性潤滑被膜はそれぞれの単層の潤滑被膜の
欠点を補い、かつ相乗効果を発現するものである。
【0015】結合樹脂を含む下地の乾性潤滑被膜は比較
的硬度が高く、固体潤滑剤を長期に摺動面に保持するた
め耐久性に優れている。ただし、これらの性能を発現す
るには相手摺動面に固体潤滑剤微粒子を移着させ、結合
樹脂と相手金属面の凝着を防止する、いわゆる初期なじ
みが必要である。この初期なじみに成功しない場合、樹
脂と相手金属面間の凝着を生じ、被膜層剥離の発生、大
型摩耗粉の発生および摩耗粉の研磨による被膜摩耗の急
増、さらには焼付けの発生へと至る。
的硬度が高く、固体潤滑剤を長期に摺動面に保持するた
め耐久性に優れている。ただし、これらの性能を発現す
るには相手摺動面に固体潤滑剤微粒子を移着させ、結合
樹脂と相手金属面の凝着を防止する、いわゆる初期なじ
みが必要である。この初期なじみに成功しない場合、樹
脂と相手金属面間の凝着を生じ、被膜層剥離の発生、大
型摩耗粉の発生および摩耗粉の研磨による被膜摩耗の急
増、さらには焼付けの発生へと至る。
【0016】この初期なじみは相手材に被膜中の固体潤
滑剤を移着させ、その移着部分と結合樹脂が滑るのを持
つという極めて確率的な現象である。樹脂に対する固体
潤滑剤の比率を増加させれば移着する確率は増加するた
め初期なじみは良好になる。しかし、樹脂比率が減少す
るため摺動面での固体潤滑剤の保持力が低下し、耐久性
は低下する。逆に、ある一定の樹脂比率以上とすれば、
樹脂間の凝着が増加するため異常摩耗を起こし易くなり
寿命は極端に短くなる。これらの問題から、乾性潤滑被
膜の耐久性と摩擦係数にはある程度の限界がある。
滑剤を移着させ、その移着部分と結合樹脂が滑るのを持
つという極めて確率的な現象である。樹脂に対する固体
潤滑剤の比率を増加させれば移着する確率は増加するた
め初期なじみは良好になる。しかし、樹脂比率が減少す
るため摺動面での固体潤滑剤の保持力が低下し、耐久性
は低下する。逆に、ある一定の樹脂比率以上とすれば、
樹脂間の凝着が増加するため異常摩耗を起こし易くなり
寿命は極端に短くなる。これらの問題から、乾性潤滑被
膜の耐久性と摩擦係数にはある程度の限界がある。
【0017】一方、ブラストコーティング法によって得
られた潤滑被膜は二硫化モリブデンの摺動面に対する結
晶配向が被膜形成時に終了しているため、摺動の初期か
ら極めて低い摩擦係数を示すが、被膜厚は1μm前後が
限界であり、持続性に劣る。また、結合剤を含まないた
め、下地との密着性に劣り、被加工材が硬い場合で、鏡
面加工など高精度仕上げなどに対しては、十分な密着性
が得られないため耐久性が劣る欠点を有する。
られた潤滑被膜は二硫化モリブデンの摺動面に対する結
晶配向が被膜形成時に終了しているため、摺動の初期か
ら極めて低い摩擦係数を示すが、被膜厚は1μm前後が
限界であり、持続性に劣る。また、結合剤を含まないた
め、下地との密着性に劣り、被加工材が硬い場合で、鏡
面加工など高精度仕上げなどに対しては、十分な密着性
が得られないため耐久性が劣る欠点を有する。
【0018】本発明の複層乾性潤滑被膜は、下地の結合
剤を含む乾性潤滑被膜上に結晶配向を終了させた1μm
程度の膜厚の二硫化モリブデンのような固体潤滑剤被膜
を成膜することによって、摩擦の初期での樹脂と相手部
材との凝着を防止する。通常の初期なじみでは結合剤の
若干の凝着は防止できないため、ある一定以上の比摩耗
率を示すが、本発明の複層潤滑被膜の場合は、樹脂の相
手部材への凝着を完全に防止するため比摩耗率が低減す
る。そのため、乾性潤滑被膜が完全に摩耗するまでの時
間が大幅に増加し、潤滑寿命が極端に長くなる。
剤を含む乾性潤滑被膜上に結晶配向を終了させた1μm
程度の膜厚の二硫化モリブデンのような固体潤滑剤被膜
を成膜することによって、摩擦の初期での樹脂と相手部
材との凝着を防止する。通常の初期なじみでは結合剤の
若干の凝着は防止できないため、ある一定以上の比摩耗
率を示すが、本発明の複層潤滑被膜の場合は、樹脂の相
手部材への凝着を完全に防止するため比摩耗率が低減す
る。そのため、乾性潤滑被膜が完全に摩耗するまでの時
間が大幅に増加し、潤滑寿命が極端に長くなる。
【0019】一方、ブラストコーティング法によって成
膜された被膜に関しても、被加工材の表面が下地金属よ
り軟らかい乾性潤滑被膜であり、十分な潤滑被膜の形成
が可能となり、単独の潤滑被膜より耐久性が向上する。
以上の相乗効果により単独の乾性潤滑被膜より潤滑寿命
は大幅に長くなる。
膜された被膜に関しても、被加工材の表面が下地金属よ
り軟らかい乾性潤滑被膜であり、十分な潤滑被膜の形成
が可能となり、単独の潤滑被膜より耐久性が向上する。
以上の相乗効果により単独の乾性潤滑被膜より潤滑寿命
は大幅に長くなる。
【0020】
(実施例1)以下に、台上試験機による評価を行った本
発明の実施例を詳細に説明する。台上試験機として、東
京試験機製のリングオンディスク型摩擦摩耗試験機を用
いた。この試験機は下側円盤状試験片(ディスク)を回
転させ、上部円筒状試験片(リング:外径26mm、内
径:23mm)を空気圧により負荷した場合に発生する
摺動面間の摩擦力を、上部円筒状試験片固定軸のねじり
力をして検出する。
発明の実施例を詳細に説明する。台上試験機として、東
京試験機製のリングオンディスク型摩擦摩耗試験機を用
いた。この試験機は下側円盤状試験片(ディスク)を回
転させ、上部円筒状試験片(リング:外径26mm、内
径:23mm)を空気圧により負荷した場合に発生する
摺動面間の摩擦力を、上部円筒状試験片固定軸のねじり
力をして検出する。
【0021】リングにはS45Cを用い、表面粗さR
y:0.3μm程度に研磨装置で研磨した。ディスクは
SUS304を用い、表面粗さRy:1μm程度に同一
の研磨装置で研磨した。このディスク上に、別紙の表1
の比較例1〜4に示す乾性潤滑被膜及びブラストコーテ
ィング法で成膜した二硫化モリブデン被膜単独(膜厚約
1μm)と、実施例1〜3に示す複層乾性潤滑被膜をそ
れぞれ処理し試験を行った。処理膜厚はそれぞれ15±
3μmとして。
y:0.3μm程度に研磨装置で研磨した。ディスクは
SUS304を用い、表面粗さRy:1μm程度に同一
の研磨装置で研磨した。このディスク上に、別紙の表1
の比較例1〜4に示す乾性潤滑被膜及びブラストコーテ
ィング法で成膜した二硫化モリブデン被膜単独(膜厚約
1μm)と、実施例1〜3に示す複層乾性潤滑被膜をそ
れぞれ処理し試験を行った。処理膜厚はそれぞれ15±
3μmとして。
【0022】主な試験条件は、下側回転数630rp
m、平均滑り速度75cm/s、垂直荷重294N〜6
86N、接触面圧1.47MPa〜3.43MPa、各
荷重での試験時間1600secである。試験は複数回
行い、それぞれの摩擦係数の平均を別紙の表2に記す。
m、平均滑り速度75cm/s、垂直荷重294N〜6
86N、接触面圧1.47MPa〜3.43MPa、各
荷重での試験時間1600secである。試験は複数回
行い、それぞれの摩擦係数の平均を別紙の表2に記す。
【0023】さらに、同一の実施例と比較例を、下側回
転数630rpm、平均滑り速度75cm/s、垂直荷
重588N、接触面圧2.94MPaの試験条件の下で
持続試験を行い、焼付けに至るまでの時間を測定した。
これらの結果を別紙の表3に示す。
転数630rpm、平均滑り速度75cm/s、垂直荷
重588N、接触面圧2.94MPaの試験条件の下で
持続試験を行い、焼付けに至るまでの時間を測定した。
これらの結果を別紙の表3に示す。
【0024】表3から明らかなように、本発明の複層乾
性潤滑被膜は、台上試験機において、極めて低い摩擦係
数と非常に長い耐久寿命を示す。
性潤滑被膜は、台上試験機において、極めて低い摩擦係
数と非常に長い耐久寿命を示す。
【0025】(実施例2)次に、実機試験による評価を
行った本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明
する。図1は本発明の一実施例として車両空調装置のロ
ータリーベーンタイプ圧縮機の構成を示す断面図であ
り、そのうち、図1aは軸線方向断面図であり、図1b
は半径方向断面図である。
行った本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説明
する。図1は本発明の一実施例として車両空調装置のロ
ータリーベーンタイプ圧縮機の構成を示す断面図であ
り、そのうち、図1aは軸線方向断面図であり、図1b
は半径方向断面図である。
【0026】図1において、シリンダー1には、吸入孔
12、吐出孔9が配設されている。ロータ4はシリンダ
ー1とトップ隙間を介して配設され、ロータ4のベーン
スロット7内には出没自在のベーン8が挿入されてい
る。ベーン8は、シリンダー1の内壁と、前部側板2
と、後部側板3に対して摺動する。本発明の実施例で
は、ベーン8の側板2(または3)に対して摺動する面
に、前述の固体潤滑剤と結合剤からなる乾性被膜潤滑剤
(乾性潤滑被膜)22−1を成膜し、成膜した処理表面
に前述のブラストコーティング法によって固体潤滑剤被
膜22−2を成膜させて複層乾性潤滑被膜22を成膜す
る
12、吐出孔9が配設されている。ロータ4はシリンダ
ー1とトップ隙間を介して配設され、ロータ4のベーン
スロット7内には出没自在のベーン8が挿入されてい
る。ベーン8は、シリンダー1の内壁と、前部側板2
と、後部側板3に対して摺動する。本発明の実施例で
は、ベーン8の側板2(または3)に対して摺動する面
に、前述の固体潤滑剤と結合剤からなる乾性被膜潤滑剤
(乾性潤滑被膜)22−1を成膜し、成膜した処理表面
に前述のブラストコーティング法によって固体潤滑剤被
膜22−2を成膜させて複層乾性潤滑被膜22を成膜す
る
【0027】圧縮室19は、シリンダー6と、ロータ4
と、ベーン8と、前部側板2と、後部側板3によって形
成されている。エンジンとベルト(共に図示せず)を介
して圧縮機に動力が伝達され、ロータ4が回転すること
により吸入孔12より圧縮室19中に冷媒を吸入し、冷
媒は圧縮室19によって圧縮され吐出孔9より吐出され
る。なお、図1中、符号5は駆動軸を示し、6は軸受を
示し、10は高圧ガス室を示し、11は吐出弁を示し、
13は給油室を示し、14は通路を示し、15は油溜り
部を示し、16は給油通路を示し、17は円周溝を示
し、18はシール用部材を示し、20は油溝を示し、2
1はベーン背部空間を示す。
と、ベーン8と、前部側板2と、後部側板3によって形
成されている。エンジンとベルト(共に図示せず)を介
して圧縮機に動力が伝達され、ロータ4が回転すること
により吸入孔12より圧縮室19中に冷媒を吸入し、冷
媒は圧縮室19によって圧縮され吐出孔9より吐出され
る。なお、図1中、符号5は駆動軸を示し、6は軸受を
示し、10は高圧ガス室を示し、11は吐出弁を示し、
13は給油室を示し、14は通路を示し、15は油溜り
部を示し、16は給油通路を示し、17は円周溝を示
し、18はシール用部材を示し、20は油溝を示し、2
1はベーン背部空間を示す。
【0028】図2は、ベーンの断面図と、ベーンの一部
を拡大して示す部分拡大断面図である。ベーン8の前後
の表面、即ち、前部側板2(図1参照)と後部側板3
(図1参照)と摺動する面に固体潤滑剤と結合剤からな
る乾性被膜潤滑剤22−1が成膜され、その成膜された
処理表面にブラストコーティング法により固体潤滑剤被
膜22−2が成膜されて複層乾性潤滑被膜22が形成さ
れている。
を拡大して示す部分拡大断面図である。ベーン8の前後
の表面、即ち、前部側板2(図1参照)と後部側板3
(図1参照)と摺動する面に固体潤滑剤と結合剤からな
る乾性被膜潤滑剤22−1が成膜され、その成膜された
処理表面にブラストコーティング法により固体潤滑剤被
膜22−2が成膜されて複層乾性潤滑被膜22が形成さ
れている。
【0029】本実施例と比較例を無潤滑条件での圧縮機
運転において比較実験を行った。主な評価条件として
は、回転数:3000r/min、冷媒:HFC134
a、潤滑油なし、液冷媒で吸入する膨張弁全開とし、こ
れらの条件の下で、1.5時間運転し、焼付けに至るま
での時間を測定した。これらの結果を別紙の表4に示
す。
運転において比較実験を行った。主な評価条件として
は、回転数:3000r/min、冷媒:HFC134
a、潤滑油なし、液冷媒で吸入する膨張弁全開とし、こ
れらの条件の下で、1.5時間運転し、焼付けに至るま
での時間を測定した。これらの結果を別紙の表4に示
す。
【0030】表4から明らかなように、本発明の複層乾
性潤滑被膜は、台上試験機と同様に、実機の無潤滑運転
においても長い寿命を得ることができる。
性潤滑被膜は、台上試験機と同様に、実機の無潤滑運転
においても長い寿命を得ることができる。
【0031】本実施例では、ロータリーベーンタイプ圧
縮機において、ベーン側に複層乾性潤滑被膜を施したも
のについて説明したが、ロータの側面または側板の表面
に本発明の複層乾性潤滑被膜を施しても同様の効果が得
ることができる。また、斜板式の往復ピストンタイプ圧
縮機、スクロールタイプ圧縮機等の空調装置の圧縮機内
の摺動面を持つ部材に被膜を施しても同様の効果が得ら
れることは明確である。
縮機において、ベーン側に複層乾性潤滑被膜を施したも
のについて説明したが、ロータの側面または側板の表面
に本発明の複層乾性潤滑被膜を施しても同様の効果が得
ることができる。また、斜板式の往復ピストンタイプ圧
縮機、スクロールタイプ圧縮機等の空調装置の圧縮機内
の摺動面を持つ部材に被膜を施しても同様の効果が得ら
れることは明確である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低摩擦係数と耐焼付け性を向上した圧縮機が得られ、該
圧縮機を用いることにより製品寿命を長期化できる空調
装置が得られる。
低摩擦係数と耐焼付け性を向上した圧縮機が得られ、該
圧縮機を用いることにより製品寿命を長期化できる空調
装置が得られる。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【図1】図1は本発明の一実施例として車両空調装置の
ロータリーベーンタイプ圧縮機の構成を示す断面図であ
り、そのうち、図1aは軸線方向断面図であり、図1b
は半径方向断面図である。
ロータリーベーンタイプ圧縮機の構成を示す断面図であ
り、そのうち、図1aは軸線方向断面図であり、図1b
は半径方向断面図である。
【図2】図2は、ベーンの断面図と、ベーンの一部を拡
大して示す部分拡大断面図である。
大して示す部分拡大断面図である。
1 シリンダー 2 前部側板 3 後部側板 4 ロータ 5 駆動軸 6 軸受 7 ベーンスロット 8 ベーン 9 吐出孔 10 高圧ガス室 11 吐出弁 12 吸入孔 13 給油室 14 通路 15 油溜り部 16 給油通路 17 円周溝 18 シール用部材 19 圧縮室 20 油溝 21 ベーン背後空間 22 複層乾性潤滑被膜 22−1 乾性被膜潤滑剤(乾性潤滑被膜) 22−2 固体潤滑剤被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 武男 大阪府門真市大字門真1006 松下電器産業 株式会社内 (72)発明者 足立 徹 大阪府門真市大字門真1006 松下電器産業 株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 圧縮機内摺動部材の摺動面に対して成膜
された固体潤滑剤と結合剤とからなる乾性潤滑被膜と、
該乾性潤滑被膜上に、固体潤滑剤微粉末と合成樹脂粉末
とを高圧ガス体の流れに載せ、固体潤滑剤微粉末と合成
樹脂粉末とを含む高圧ガス体をノズルから部材の摺動面
に噴射するブラストコーティング法によって成膜された
固体潤滑剤被膜とからなることを特徴とする圧縮機内摺
動部材用複層乾性潤滑被膜。 - 【請求項2】 請求項1記載の複層乾性潤滑被膜が施さ
れる摺動部材において、前記摺動部材は圧縮機のシリン
ダの圧縮室内で移動するベーンであり、前記複層乾性潤
滑被膜はシリンダの開口部を閉じるように配置された前
部側板または後部側板に対して摺動するベーンの摺動面
に施されることを特徴とする摺動部材。 - 【請求項3】 請求項1記載の複層乾性潤滑被膜が施さ
れた摺動部材または請求項2に記載された摺動部材を用
いる圧縮機を用いたことを特徴とする空調装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9065306A JPH10246192A (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 圧縮機内摺動部材用複層乾性潤滑被膜およびその被膜を用いた装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9065306A JPH10246192A (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 圧縮機内摺動部材用複層乾性潤滑被膜およびその被膜を用いた装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10246192A true JPH10246192A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=13283102
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9065306A Pending JPH10246192A (ja) | 1997-03-04 | 1997-03-04 | 圧縮機内摺動部材用複層乾性潤滑被膜およびその被膜を用いた装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10246192A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7377754B2 (en) | 2003-04-14 | 2008-05-27 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Compressor |
| US8097569B2 (en) | 2003-04-14 | 2012-01-17 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Coating composition for use in sliding parts |
| JP2021080861A (ja) * | 2019-11-18 | 2021-05-27 | 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 | ロータリ圧縮機 |
-
1997
- 1997-03-04 JP JP9065306A patent/JPH10246192A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7377754B2 (en) | 2003-04-14 | 2008-05-27 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Compressor |
| US8097569B2 (en) | 2003-04-14 | 2012-01-17 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Coating composition for use in sliding parts |
| JP2021080861A (ja) * | 2019-11-18 | 2021-05-27 | 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 | ロータリ圧縮機 |
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