JPH10247422A - 絶縁電線 - Google Patents
絶縁電線Info
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- JPH10247422A JPH10247422A JP35751797A JP35751797A JPH10247422A JP H10247422 A JPH10247422 A JP H10247422A JP 35751797 A JP35751797 A JP 35751797A JP 35751797 A JP35751797 A JP 35751797A JP H10247422 A JPH10247422 A JP H10247422A
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Abstract
コイル加工時の皮膜損傷が防止できる絶縁電線を提供す
る。 【解決手段】 導体上に、ポリアミドイミド系樹脂10
0重量部に対し、0.05〜1.0重量部のトリアルキ
ルアミン及び/又は5〜20重量部のアルコキシ化メラ
ミン樹脂を含んでなるポリアミドイミド系樹脂塗料を塗
布焼付けして形成した下層、ポリイミド系樹脂塗料を塗
布焼付けして形成した中間層及び自己潤滑型ポリアミド
イミド系樹脂塗料を塗布焼付けして形成した上層の少な
くとも3層からなる絶縁皮膜を有する絶縁電線。
Description
などのコイル用として好適な、耐傷性に優れる絶縁電線
に関する。
の電気機器に組み込まれたコイルの用途に大量に使用さ
れている。近年、この絶縁電線のコイル巻線加工工程に
おける高速化、合理化が進められ、コイル巻き作業も従
来の手巻きから自動コイル巻線機による加工に移行され
ている。また、コイルのステータスロット内への挿入も
自動化されている。しかし、この自動コイル巻線加工を
行う場合、絶縁電線に大きな張力が加わるので皮膜のス
トレスが大きく、必然的に絶縁電線は損傷を受けやすく
なる。また、コイルのステータスロット内への挿入時
も、従来手で押し込んでいたものが機械によって押し込
まれるようになったため、電線にはより大きな圧力がか
かるようになってきた。このような環境のもとでは、電
線同士、あるいは電線と電線接触物の間での擦れがより
生じやすくなっており、コイルの絶縁不良が起こりやす
くなる。
の絶縁電線の占積率をできるかぎり大きくすることが結
果として機器全体の小型化、コスト低下につながること
から、電線外径の細径化が要望されている。近年、この
細径化の中で、さらに機器のパワーアップを意図して導
体径の据え置きないしは増大が求められ、絶縁皮膜の薄
肉化が必要となってきた。しかし絶縁皮膜の薄肉化は、
コイル巻きやコイルのステータスロット内への挿入の自
動化の場合、皮膜損傷の頻度を増大させ、コイルの絶縁
不良の発生率を高めることになってしまう。上記の問題
の解決には、電線同士、あるいは電線と接触する物体
(金属棒・相間紙等)との摩擦係数の低下と、皮膜強度
の向上が考えられる。摩擦係数が低いほどコイル巻き加
工が容易になり、皮膜強度が強いほどコイル巻き作業お
よびコイルのステータスロット内への挿入作業(以下、
これらの作業を合わせてコイル加工という)の際の損傷
が少なくなる。
としては、電線表面に潤滑剤を塗布する方法、または絶
縁塗料中に潤滑剤を添加して塗布焼付けする方法があ
る。皮膜強度向上の手法としては、通常、ポリアミドイ
ミド塗料を塗布焼付けした絶縁電線が使用される。この
電線は他の樹脂( ポリエステル、ポリウレタン、ポリエ
ステルイミド、ポリエステルアミドイミド、ポリイミ
ド) と比べて機械的強度が高く、耐摩耗性に優れている
ため、コイル加工の条件が厳しい場合に多く使用されて
いた。
す厳しくなり、前述のように摩擦係数を低下させたり、
ポリアミドイミド樹脂塗料を塗布焼付けした電線を使用
したりしても、皮膜の損傷を防ぐことができない場合が
多くなってきた。そこで、コイル加工時の皮膜損傷を防
止する手段の一つとして、絶縁層と導体との密着性を向
上させる方法が提案されている。そのための絶縁塗料の
具体例として、1)ポリアミドイミド樹脂、アルコキシ
変性アミノ樹脂、ベンゾトリアゾールからなる耐熱性塗
料(特開平3−37283号公報)、2)ポリアミドイ
ミド樹脂、トリアルキルアミンからなる塗料(特開平6
−111632号公報)などが提案されている。これら
の手法を用いた電線は、往復摩耗試験(電線に比較的低
い荷重をかけ、ビーズ針で皮膜を擦る試験)においては
効果が見られる。しかしながら、一方向摩耗試験(JI
S C 3003に規定されている試験;電線に漸次荷
重をかけながらピアノ線で皮膜を引っかく試験)では効
果が認められない。近年は後者の試験法が皮膜損傷試験
として重要視されている。また、密着性向上の手法のみ
を採用した電線は、皮膜厚を薄くしていくと往復摩耗値
が低下してしまい、密着性向上の手法を用いない従来の
電線とほぼ同レベルになることが多かった。
剛直な構造を多く導入して皮膜強度を向上させ、皮膜の
加工傷を減少させる方法も提案されており、特開平6−
196025号公報には引張強度、引張弾性率を規定し
た絶縁皮膜を有する絶縁電線が記載されている。このよ
うな電線は一方向摩耗試験では著しい効果が見られ、ま
た、薄肉化してもコイル加工時の皮膜の損傷を防ぐこと
が可能である。しかしながら、このような絶縁電線は、
伸長後の可とう性および熱履歴を受けた後の可とう性の
レベルが従来の電線に比較して低く、特に厳しい曲げ加
工を受けたときに可とう性が十分でないので、皮膜に亀
裂、割れが発生する恐れがあった。
皮膜の機械的強度や耐熱衝撃性を改良させた例として、
特公昭62−21203号公報記載の技術がある。この
例では、最下層にポリアミドイミド樹脂、中間層に芳香
族ポリイミド樹脂、上層にポリアミドイミド樹脂を設
け、皮膜の機械的特性、ワニス含浸処理後の耐熱衝撃性
を改良させた絶縁電線が開示されている。この電線にお
いては、往復摩耗値の向上が見られ、また、ワニス含浸
処理後熱処理を受けるとワニスが皮膜を引っ張ることに
なり、この力が中間層で緩和され、皮膜の割れ、亀裂が
防止される。しかし、往復摩耗値は向上するものの一方
向摩耗に対しては効果がなく、また、薄肉化したときに
は往復摩耗値も低下してしまうため、コイル加工時の皮
膜の損傷を防ぐにはさらなる改良が必要であった。
皮膜が薄肉であっても、厳しい条件でのコイル加工時の
皮膜損傷が防止できる絶縁電線を提供することにある。
に、本発明者らは、従来の絶縁電線の絶縁皮膜を薄肉化
した際の皮膜損傷の状態を顕微鏡等で十分に観察し、そ
れぞれの損傷のメカニズムを解析した結果、上記課題を
解決するためには、導体と絶縁皮膜を密着させること、
電線表面の摩擦係数を低下させること、電線にかかる負
荷を絶縁皮膜内で分散させる構造とすることの3点を同
時に実現する必要があることを見出した。さらに、絶縁
皮膜を特定の多層構造とすることにより上記の3点を同
時に実現できることを見出し、この知見に基づき本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)導体
上に、ポリアミドイミド系樹脂100重量部に対し、
0.05〜1.0重量部のトリアルキルアミン及び/又
は5〜20重量部のアルコキシ化メラミン樹脂を含んで
なるポリアミドイミド系樹脂塗料を塗布焼付けして形成
した下層、ポリイミド系樹脂塗料を塗布焼付けして形成
した中間層及び自己潤滑型ポリアミドイミド系樹脂塗料
を塗布焼付けして形成した上層の少なくとも3層からな
る絶縁皮膜を有することを特徴とする絶縁電線、(2)
ポリイミド系樹脂の膜厚が全絶縁皮膜厚の10〜40%
であることを特徴とする(1)項に記載の絶縁電線、及
び(3)絶縁皮膜の厚さが20〜30μmであることを
特徴とする(1)又は(2)項に記載の絶縁電線を提供
するものである。
本発明において絶縁皮膜の下層を形成するために用いら
れるポリアミドイミド系樹脂塗料のベース樹脂は、特に
制限はなく、常法により、例えば極性溶媒中でトリカル
ボン酸無水物とジイソシアネート類を直接反応させて得
たもの、あるいは、極性溶媒中でトリカルボン酸無水物
にジアミン類を先に反応させて、まずイミド結合を導入
し、ついでジイソシアネート類でアミド化して得たもの
を用いることができる。
水物としては、通常、トリメリット酸無水物を用いる。
この場合、トリカルボン酸無水物の一部量をテトラカル
ボン酸無水物に置き換えて反応させてもよい。このとき
のテトラカルボン酸無水物としては例えばピロメリット
酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物などが用いられる。また、トリカ
ルボン酸無水物の一部量を他の酸または酸無水物、例え
ばトリメリット酸、イソフタル酸、テレフタル酸などに
置き換えてもよい。一方、トリカルボン酸無水物と反応
させるジイソシアネート類としては、例えば、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート等の芳香族ジイソシアネート類が挙げられ、
ジアミン類としてはm−フェニレンジアミン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフ
ォン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン等の芳香族ジ
アミン類が挙げられる。また、イミド化にはN,N’−
ジメチルホルムアミドを用いてもよい。また、極性溶媒
としては好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを用い
ることができる。
アルキルアミン及び/又はアルコキシ化メラミン樹脂を
配合することにより、絶縁皮膜の下層に用いるポリアミ
ドイミド系樹脂塗料を得ることができる。トリアルキル
アミンとして、好ましくはトリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の
低級アルキルのトリアルキルアミンが使用できる。この
中でも可とう性および密着性の点でトリメチルアミン、
トリエチルアミンが最も好ましい。ポリアミドイミド系
樹脂に対する配合割合はポリアミドイミド系樹脂100
重量部に対し、通常0.05〜1.0重量部、好ましく
は0.1〜1重量部である。トリアルキルアミンを1.
0重量部を越えて配合すると、皮膜の耐熱性が低下し、
0.05重量部より少ないと、密着性に寄与しない。ま
た、本発明で使用するアルコキシ化メラミン樹脂として
は、例えばブトキシ化メラミン樹脂、メトキシ化メラミ
ン樹脂等の低級アルコキシ基で置換されたメラミン樹脂
を用いることができ、樹脂の相溶性の点でメトキシ化メ
ラミン樹脂が好ましい。配合割合はポリアミドイミド系
樹脂100重量部に対し、通常5〜20重量部、好まし
くは10〜20重量部である。5重量部より少ないと密
着性が十分得られず、20重量部を越えて配合すると皮
膜の耐熱性が低下する。このようにして得たポリアミド
イミド系樹脂塗料を導体に塗布、焼付けして、導体上に
絶縁皮膜の下層を形成する。
れるポリイミド系樹脂は、芳香族テトラカルボン酸二無
水物と芳香族ジアミン類を極性溶媒中で反応させて得ら
れるポリアミド酸溶液を用い、これを焼付け時の加熱処
理によってイミド化させることによって得られる。芳香
族テトラカルボン酸無水物には特に制限はなく、通常用
いられるものが使用でき、例えば、ピロメリット酸二無
水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、およびこれらの誘導体などが挙
げられる。入手しやすい点においてはピロメリット酸二
無水物が最も好ましい。芳香族ジアミン類も特に制限は
なく、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,
4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン等が挙げられる。容易に入手できる点で
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。こ
のようなポリアミド酸溶液を下層の皮膜上に塗布、焼付
けしてポリイミド樹脂皮膜からなる中間層とする。本発
明においてこの中間層は、絶縁電線に大きな荷重が加え
られた時に絶縁皮膜の下層に応力が直接伝わらないよう
作用する。
ポリアミドイミド系樹脂塗料のベース樹脂は、最下層を
形成するためのポリアミドイミド系樹脂塗料のベース樹
脂と同様にして調製することができる。これに常法によ
りワックスや潤滑剤を分散、混合して自己潤滑型として
上層のためのポリアミドイミド系樹脂塗料とする。分
散、混合されるワックスとしては、通常用いられるもの
を特に制限なく使用することができ、例えば、ポリエチ
レンワックス、石油ワックス、パラフィンワックス等の
合成ワックスおよびカルナバワックス、キャデリラワッ
クス、ライスワックス等の天然ワックス等が挙げられ
る。潤滑剤についても特に制限はなく、例えば、シリコ
ーン、シリコーンマクロモノマー、フッ素樹脂等を用い
ることができる。このような自己潤滑性ポリアミドイミ
ド樹脂塗料を中間層の上にさらに塗布、焼付けし、自己
潤滑型ポリアミドイミドからなる上層を設ける。なお、
本発明の絶縁電線において、絶縁皮膜の各層を形成する
ための樹脂塗料の塗布及び焼付けの条件、方法には特に
制限はなく、公知の各種の方法によって行うことができ
る。また、導体についても特に制限はない。
造の絶縁皮膜を有することにより、 1)絶縁皮膜の各層の層間において外部からかかる応力
を分散させること、 2)導体と、導体に直接接する絶縁皮膜の下層との接着
を強固にすること、 3)絶縁電線の表面の摩擦係数を低くすること を同時に実現させたものであり、これによって初めて、
絶縁皮膜厚を30μm以下に薄肉化しても、厳しい条件
でのコイル加工に耐え得る耐傷性を有するものとするこ
とができる。耐傷性と薄肉化の双方の観点より、本発明
の絶縁電線の絶縁皮膜厚は、全膜厚で20〜30μmと
することが好ましい。本発明においては、全絶縁皮膜厚
に対し中間層の膜厚の比率が10〜40%であることが
好ましい。中間層をこの厚さとすることにより、絶縁皮
膜の耐傷性が効果的に向上する。下層及び上層の膜厚に
ついては特に制限はない。
細に説明する。なお、実施例及び比較例の絶縁電線の絶
縁皮膜の下層の組成(重量部)は表1及び表2にまとめ
て示した。 実施例1 2リットル容の4つ口フラスコに撹拌機、冷却管、塩化
カルシウム管を取りつけ、無水トリメリット酸192
g、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート25
0g、N−メチル−2−ピロリドン663gを仕込み、
80℃で2時間、昇温して140℃で5時間反応させ
た。その後50℃まで冷却し、N,N’−ジメチルホル
ムアミド163gを加え、希釈した。さらにトリメチル
アミン1.8gを加え、メトキシ化メラミン樹脂(商品
名;サイメル300、三井サイアナミッド株式会社製)
35.4gを加え、1時間撹拌し、絶縁皮膜の下層用の
ポリアミドイミド系樹脂塗料を得た。
冷却管、塩化カルシウム管を取りつけ、無水ピロメリッ
ト酸218g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
200g、N−メチル−2−ピロリドン1672gを仕
込み、温度を30℃以下に抑えながら、5時間反応さ
せ、中間層用のポリイミド系樹脂塗料を得た。市販のポ
リアミドイミド系樹脂塗料(商品名;HI406、日立
化成工業株式会社製)にポリエチレンワックス(商品
名;サンワックス131P、三洋化成工業株式会社製)
を樹脂固形分に対し1重量%配合し、上層用の自己潤滑
型ポリアミドイミド系樹脂塗料を得た。1.0mmφの
銅線上に前述の下層用塗料を炉長8mの焼付け炉を用い
て複数回塗布焼付けして厚さ19μmの絶縁皮膜の下層
を形成した。この上に前述の中間層用塗料を1回塗布焼
付けして厚さ3μmの中間層を形成した。さらにこの上
に前述の上層用塗料を1回塗布焼付けして、厚さ3μm
の上層を形成し、全絶縁皮膜の厚さが25μmの絶縁電
線を得た。図1に、このようにして作成した本発明の絶
縁電線の一実施態様の断面図を示した。図1中、1は導
体(銅線)であり、この上に導体側から順に、絶縁皮膜
の下層2、絶縁皮膜の中間層3、絶縁皮膜の上層4が上
記の各塗料を用いて各々上記の膜厚で形成されている。
量を3.6gとした以外は実施例1と同様にして、下層
膜厚19μm、中間層膜厚3μm、上層膜厚3μm、全
絶縁皮膜の膜厚25μmの絶縁電線を得た。
りにトリエチルアミンを3.6g加え、メチル化メラミ
ン樹脂の代わりにブトキシ化メラミン樹脂を35.4g
加えた以外は実施例1と同様にして、下層膜厚19μ
m、中間層膜厚3μm、上層膜厚3μm、全絶縁皮膜の
膜厚25μmの絶縁電線を得た。
量を1.8gとし、ブトキシ化メラミン樹脂の配合量を
35.4gとした以外は実施例3と同様にして、下層膜
厚19μm、中間層膜厚3μm、上層膜厚3μm、全絶
縁皮膜の膜厚25μmの絶縁電線を得た。
外は実施例1と同様にして、全絶縁皮膜の膜厚25μm
の絶縁電線を得た。
1と同様にして、全絶縁皮膜の膜厚20μmの絶縁電線
を得た。 実施例7 絶縁皮膜の膜厚を下層14μmとしたこと以外は実施例
3と同様にして、全絶縁皮膜の膜厚20μmの絶縁電線
を得た。
いた以外は実施例1と同様にして、下層膜厚19μm、
中間層膜厚3μm、上層膜厚3μm、全絶縁皮膜の膜厚
25μmの絶縁電線を得た。 実施例9 絶縁皮膜の下層用塗料からトリメチルアミンを除いた以
外は実施例1と同様にして、下層膜厚19μm、中間層
膜厚3μm、上層膜厚3μm、全絶縁皮膜の膜厚25μ
mの絶縁電線を得た。
カルシウム管を取り付け無水トリメリット酸192g
(1.0mol)、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン99g(0.5mol)、N−メチル−2−ピロリド
ン436.5gを仕込み、内容物温度200℃まで昇温
させ、2時間反応させた。反応中に発生する水は適宜、
系外へ取り除いた。その後温度をいったん80℃まで下
げ、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを1
25g(0.5mol)仕込み、140℃まで昇温させ
5時間反応させた。その後50℃まで冷却し、N−メチ
ル−2−ピロリドンを140g加え、不揮発分30%の
ポリアミドイミド系樹脂塗料を得た。この樹脂塗料にト
リメチルアミン1.24g、メトキシ化メラミン樹脂2
4.7gを加え、絶縁皮膜の下層用のポリアミドイミド
系樹脂塗料を得た。1.0mmφの銅線上に前述の塗料
を炉長8mの焼き付け炉を用いて複数回塗布焼き付けし
て厚さ19μmの絶縁皮膜の下層を形成した。この上に
実施例1記載のポリイミド系樹脂塗料を1回塗布焼き付
けして厚さ3μmの中間層を形成した。さらにこの上に
実施例1記載の上層用自己潤滑型ポリアミドイミド系樹
脂塗料を1回塗布焼き付けして、厚さ3μmの上層を形
成し、全絶縁皮膜の厚さが25μmの絶縁電線を得た。
料(商品名;HI406、日立化成工業株式会社製)を
炉長8mの縦型焼付け炉を用いて複数回塗布焼付けし、
絶縁皮膜の膜厚35μmの絶縁電線を得た。 比較例2 絶縁皮膜の膜厚を25μmとしたこと以外は比較例1と
同様にして絶縁電線を得た。 比較例3 実施例1で用いた絶縁皮膜の下層用塗料を1.0mmφ
の銅線上に炉長8mの縦型焼付け炉を用いて複数回塗布
焼付けし、絶縁皮膜の膜厚35μmの絶縁電線を得た。
同様にして絶縁電線を得た。
ミドイミド樹脂塗料を炉長8mの縦型焼付け炉を用いて
複数回塗布焼付けし、膜厚20μmの下層を形成した。
この上に実施例1で用いた中間層用塗料を複数回塗布焼
付けし、膜厚10μmの中間層を形成した。さらにこの
上に先の市販のポリアミドイミド樹脂塗料を塗布焼付け
して厚さ5μmの上層を形成し、全絶縁皮膜の膜厚35
μmの絶縁電線を得た。 比較例6 絶縁皮膜の下層の膜厚を10μmとしたこと以外は比較
例5と同様にして、全絶縁皮膜の膜厚25μmの絶縁電
線を得た。
の銅線上に炉長8mの縦型焼付け炉を用いて複数回塗布
焼付けし、膜厚22μmの下層を形成した。この上に実
施例1で用いた上層用塗料を1 回塗布焼付けして膜厚3
μmの上層を形成して、全絶縁皮膜の膜厚25μmの絶
縁電線を得た。 比較例8 絶縁皮膜の下層用塗料におけるトリメチルアミンの配合
量を0.11g、メトキシ化メラミン樹脂の配合量を1
0.6gにした以外は実施例1と同様にして、下層膜厚
19μm、中間層膜厚3μm、上層膜厚3μm、全絶縁
皮膜の膜厚25μmの絶縁電線を得た。
の耐傷性評価を、次のような試験法により評価した。 (1)一方向摩耗試験 JIS C 3003に準拠して行った。 (2)往復摩耗試験 旧JIS C 3003(1974年)に準拠して行っ
た。 (3)ピアノ線による皮膜損傷荷重測定 図2に模式図で示したように絶縁電線6とピアノ線7を
直交させ、ピアノ線に一定の荷重5をかけ、絶縁電線を
ひきぬいて皮膜の状態を観察し、導体が露出する荷重を
測定した。 (4)コイルリーク電流値測定 ステータスロットにインサーター巻線機を使ってコイル
を挿入した後、濃度5重量%の食塩水中に対向電極とと
もに浸漬し、コイルを+極として12Vの直流電圧を印
加してリークしてくる電流値を測定した。
C 3003に準拠) 試験片を引っ張り試験機にかけた後、切断部分を顕微鏡
で観察し、皮膜が導体から浮いている長さを測定した。 (6)静摩擦係数 図3に平面図、図4に側面図を示した装置で測定した。
すなわち、スライダー12に巻き付けた絶縁電線11と
台上に固定した絶縁電線14の間の静摩擦係数を、スラ
イダーにかかる荷重13から算出した。 (7)20%伸長後の可とう性 絶縁電線を20%伸長した後、電線の導体径に相当する
直径のマンドレルに巻き付け、亀裂の有無を観察した。
よび表2に示した。
S C 3003に規定されている一方向摩耗試験で確
認された。この試験は荷重を漸次増加させながら皮膜を
ピアノ線で削る試験であるが、実施例の絶縁電線は高荷
重(2000〜3000g)域で絶縁皮膜の中間層およ
び上層のみ削りとられ、下層が残留している現象が見ら
れた。この現象は比較例ではみられなかった新規で特異
な現象であった。この現象をさらに説明すると、各実施
例の、本発明の絶縁電線では、漸次増加する荷重によっ
て皮膜に相当の力が加わっても異種の皮膜が積層してい
ることでこの力を逃がすうえ、最下層と導体が強く密着
しているため、加わった力で絶縁皮膜を最下層まで全て
けずりとられてしまうことがなく、傷は導体まで達しな
かったものと考えられる。
本発明における中間層にあたるポリイミド樹脂層がない
ため、高荷重がかかった場合にかかる力を分散させるこ
とができず、一気に導体まで傷が進行してしまい、目的
とする耐傷性特性が得られなかった。比較例3、4の電
線の場合には、実施例1で用いた塗料と同じトリメチル
アミン及びメトキシ化メラミン樹脂を配合したポリアミ
ドイミド塗料を用いているが、絶縁皮膜が多層でないた
め、かかる力を分散させることができず、やはり一気に
導体まで傷が進行してしまい、目的とする耐傷性特性が
得られなかった。比較例5、6の電線の場合は、中間層
のポリイミド樹脂層によってかかる力は分散されるもの
の、絶縁皮膜の導体への密着力が実施例のものと比べて
低いため、十分な耐傷性が得られなかった。比較例7の
電線の絶縁皮膜は中間層のない2層構造としたが、実施
例1のものと比較して、やはり耐傷性が十分でなかっ
た。比較例8の電線の絶縁皮膜は実施例と同様の3層構
造としたが、下層用塗料中のトリアルキルアミン、アル
コキシ化メラミン樹脂の配合量が少ないため十分な耐傷
性特性は得られなかった。すなわち本発明の絶縁電線
は、導体に強く密着した下層、加わった応力を緩和する
中間層、及び摩擦係数の低い上層を有する多層構造の絶
縁皮膜を有することにより、従来にない耐傷性を発現し
ていることがわかる。
過酷なコイル加工の条件下で高い負荷がかかっても傷が
導体まで達しにくく、絶縁不良を起こしにくい。また、
本発明の絶縁電線においては、絶縁皮膜を薄肉化しても
高い耐傷性が維持されるため、絶縁電線の占積率を低減
させて、信頼性の高いコイルが提供でき、コイルを用い
る機器全体の小型化、低コスト化、信頼性向上に寄与す
るという優れた効果を奏する。
ある。
置の模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 導体上に、ポリアミドイミド系樹脂10
0重量部に対し、0.05〜1.0重量部のトリアルキ
ルアミン及び/又は5〜20重量部のアルコキシ化メラ
ミン樹脂を含んでなるポリアミドイミド系樹脂塗料を塗
布焼付けして形成した下層、ポリイミド系樹脂塗料を塗
布焼付けして形成した中間層及び自己潤滑型ポリアミド
イミド系樹脂塗料を塗布焼付けして形成した上層の少な
くとも3層からなる絶縁皮膜を有することを特徴とする
絶縁電線。 - 【請求項2】 ポリイミド系樹脂の膜厚が全絶縁皮膜厚
の10〜40%であることを特徴とする請求項1に記載
の絶縁電線。 - 【請求項3】 絶縁皮膜の厚さが20〜30μmである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁電線。
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