JPH10247603A - 磁性材ペースト及びそれを用いたインピーダンス素子及びその製造方法 - Google Patents

磁性材ペースト及びそれを用いたインピーダンス素子及びその製造方法

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JPH10247603A
JPH10247603A JP9048661A JP4866197A JPH10247603A JP H10247603 A JPH10247603 A JP H10247603A JP 9048661 A JP9048661 A JP 9048661A JP 4866197 A JP4866197 A JP 4866197A JP H10247603 A JPH10247603 A JP H10247603A
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省司 長友
Mitsuyoshi Sakuragawa
満義 桜川
Tomohiro Tsuruta
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で、インピーダンス特性に優れ、直流抵
抗値が小さく、製造工程が簡単な磁性材ペースト及びそ
れを用いたチップ型インピーダンス素子及びその製造方
法を提供することを目的としている 【解決手段】 断面が鼓状の磁性絶縁体7の両端部を被
覆した導電性金属からなる電極部4と、前記電極部4に
導通してその一方から他方に向かって前記磁性絶縁体7
の表面に螺旋状に形成したコイル部6と、前記コイル部
6の表面に前記磁性材ペーストを塗布後焼結して得られ
た磁性絶縁体層5と、を備えていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路などから
発生するノイズを低減するために使用される磁性材ペー
スト及びそれを用いたチップ型インピーダンス素子及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、小型、薄型化されたデジタル機器
のノイズ対策用として、小型で高性能のインピーダンス
素子が要望されている。
【0003】ノイズ対策用インピーダンス素子に求めら
れるインピーダンス特性はそのインダクタンスが大き
く、直流抵抗値が小さいことが必要で、そのために円柱
状の磁性絶縁体に導電体をコイル状に捲回して大きなイ
ンダクタンスを得ようとするのが一般的である。これ以
外に、導電体を磁性絶縁体中に平面的または立体的に配
設してコイルを形成したり、さらに平面インピーダンス
素子と称され、磁性絶縁体の平面上にコイル状に導電体
を形成したものなどが考案されている。ここで磁性絶縁
体とは、電気的絶縁性に優れた磁性体のことを示してい
る。
【0004】ところで、インダクタンスの大きさは、磁
性絶縁体の比透磁率とその断面積、およびコイルの巻数
の自乗に比例する。従って、小型のチップ型インピーダ
ンス素子を得るには、比透磁率の大きな磁性絶縁体に導
電体を多く捲回することが望ましい。そのために従来か
ら、比透磁率の大きな磁性絶縁体として、低周波で低損
失のMn−Zn系フェライトと高周波で低損失のNi−
Zn系フェライトが多く使用されている。また、これら
のフェライトからなる磁性絶縁体は固有抵抗が大きく、
電気的絶縁性に優れることから、これらの磁性絶縁体上
に直接導電体を形成してコイルにすることもできる。
【0005】次に従来のチップ型インピーダンス素子に
ついて、以下図面を用いて説明する。図3は従来のチッ
プ型インピーダンス素子の内部構造を示す斜視図であ
る。図3において、1はNi−Zn−Cu系のフェライ
トからなる磁性絶縁体、2は銀からなる導電体、3は銀
層にNi層及びハンダ層が積層されて形成された電極部
である。
【0006】以上のように構成された従来のチップ型イ
ンピーダンス素子について、以下その製造方法を説明す
る。有機バインダーを添加した第1のフェライトのグリ
ーンシート上に導電体2を印刷法によって平面的にコイ
ルを形成し、このコイルが形成された面に第2のフェラ
イトグリーンシートを積層し、熱圧着して後に電極部3
を形成し、この積層体を焼結することにより製造してい
る。
【0007】コイルの巻数を多くしてインピーダンス特
性を改善するものとして、(特開平7−86039号公
報)(以下、イ号公報という。)には、有機バインダー
を添加した第1のフェライトのグリーンシート上に第1
の導電体を印刷法によって形成し、この上に2のフェラ
イトのグリーンシートを積層し、さらに第2のフェライ
トのグリーンシート上に第2導電体を第1の導電体と導
通して形成する。このような工程を数回繰り返して積層
体を形成し、焼結することにより、磁性絶縁体中に立体
的にコイルを形成したチップ型インピーダンス素子が開
示されている。
【0008】(特開平6−120039号公報)(以
下、ロ号公報という。)には、円筒状のフェライトの内
周面にコイルを形成し、さらにそのコイルの内側にフェ
ライトを設けようとするもので、内周面に螺旋状の溝を
有する円筒状のフェライトに棒状のフェライトを挿入し
た後、液状の導電体を2つのフェライトの間に形成した
溝に流し込んで固め、巻数を多くしたコイルを形成した
チップ型インピ−ダンス素子が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イ号公
報に記載されたチップ型インピーダンス素子は、フェラ
イトのグリーンシートを複数回積層する必要があり、工
程が煩雑になるばかりでなく、印刷された導電体とフェ
ライトの焼結時の収縮率の違い等により、フェライト積
層体から導電体が剥離するという問題点があった。
【0010】また、ロ号公報に記載されたインピーダン
ス素子は、円筒状のフェライト内周面に螺旋状の溝を形
成する必要があり、その加工が困難で生産性に欠け製造
コストが高くなるという問題点があった。
【0011】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
ので、インピーダンス特性に優れ、直流抵抗値が小さ
く、生産性に優れたた磁性材ペースト及びそれを用いた
小型で、直流抵抗値が小さく、インピ−ダンス特性に優
れ、かつインピ−ダンス特性を容易に設計できるチップ
型インピ−ダンス素子及びインピ−ダンス特性に優れた
インピ−ダンス素子を高い生産性で、低原価で、量産で
きるチップ型インピ−ダンス素子の製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明の磁性材ペーストは、平均粒子径がそれぞれ
異なる2種以上のNi−Zn系フェライトまたは、2種
以上のNi−Zn−Cu系フェライトの混合粉体が、有
機溶剤又は水に溶解した熱硬化性樹脂中に均一に分散し
た構成を有している。この構成により、比透磁率が高
く、直流抵抗値が大きく、焼結収縮率が小さい磁性絶縁
体を任意の形状で容易に形成できる。
【0013】また、本発明のチップ型インピーダンス素
子は、断面が鼓状の磁性絶縁体の両端部を被覆した導電
性金属からなる電極部と、前記電極部に導通しその一方
から他方に向かって磁性絶縁体の表面に螺旋状に形成さ
れたコイル部と、前記コイル部の表面に磁性材ペースト
を塗布後焼結して得られた磁性絶縁体層と、を備えた構
成を有している。この構成により、小型で、インピ−ダ
ンス特性に優れ、直流抵抗値が大きく、導電体の剥離を
防ぐことができる。
【0014】また、本発明のチップ型インピーダンス素
子の製造方法は、磁性絶縁体の全面に導電性金属を被覆
して金属被覆磁性絶縁体を形成する工程と、前記工程で
得られた前記金属被覆磁性絶縁体の両端部に電極部を設
けるとともに前記電極部に導通してその一方から他方に
向かって螺旋状のコイル部を形成する工程と、次いで、
前記コイル部の表面に前記磁性材ペーストを塗布し70
0℃〜950℃の温度で焼結して磁性絶縁体層を形成す
る工程と、を備えた構成を有している。この構成によ
り、製造工程が簡単で、またコイル部の捲回数を多く、
比透磁率を大きくすることができることから、インピ−
ダンス特性が顕著に改善されたチップ型インピ−ダンス
素子を高い生産性で製造できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、平均粒子径がそれぞれ異なる2種以上のNi−Zn
系フェライトまたは、2種以上のNi−Zn−Cu系フ
ェライトの混合粉体が、有機溶剤又は水に溶解した熱硬
化性樹脂中に均一に分散しているものであり、焼結時の
焼結収縮率を調整できる作用、有機溶剤を用いた場合に
は熱硬化性樹脂の粘性を利用してコイル部を容易に埋設
することができ、水を用いた場合には取扱が容易で膜厚
の薄い磁性絶縁体層を容易に形成できるという作用を有
する。
【0016】請求項2に記載の発明は、混合粉体の粒子
径が0.05〜50μmからなるものであり、磁性絶縁
体層の焼結時の焼結収縮率を任意に選択できる作用、磁
性体絶縁層の強度を高くできるという作用を有する。当
該粒子径において、粒子径が0.05μmより小さくな
ると、磁性絶縁体層の焼結収縮率が大きくなるという傾
向が生じ、また粒子径が50μmより大きくなると、磁
性絶縁体層の強度が弱くなるという傾向が生じるため、
いずれも好ましくない。
【0017】請求項3に記載の発明は、Ni−Zn系フ
ェライトまたは、Ni−Zn−Cu系フェライトの混合
粉体の少なくとも1種以上が仮焼粉体からなるものであ
り、磁性絶縁体層の比透磁率が大きくなるという作用を
有する。
【0018】請求項4に記載の発明は、Ni−Zn−C
u系フェライト(A)と,Ni−Zn系フェライト
(B)の配合比をA/B=0.1〜4.0、好ましくは
A/B=1.5としたものであり、磁性絶縁体層の比透
磁率が大きくなるという作用を有する。当該混合比にお
いて混合比が0.1より小さくなると、磁性絶縁体層の
強度が弱くなるという傾向が生じ、また混合比が4.0
より大きくなると、焼結時の収縮率が大きくなるという
傾向が生じるため、いずれも好ましくない。
【0019】請求項5に記載の発明は、仮焼粉体は70
0℃〜1200℃で仮焼されたものであり、磁性絶縁体
層の焼結収縮率をさらに小さくでき、クラックの発生を
抑えるという作用を有する。当該仮焼温度において、仮
焼温度が700℃より低くなると、磁性絶縁体層の透磁
率が小さくなるという傾向が生じ、仮焼温度が1200
℃より高くなると、比透磁率および固有抵抗値が小さく
なるという傾向が生じるため、いずれも好ましくない。
【0020】請求項6に記載の発明は、仮焼粉体の粒子
径が0.1〜50μmの範囲にあるものであり、流動性
に優れ、磁性絶縁体層の強度が高くなるという作用を有
する。当該粒子径において、粒子径が0.1μmより小
さいと、仮焼粉体といえども焼結時の収縮率が大きくな
るという傾向が生じ、また粒子径が50μmより大きい
と、磁性絶縁体層の強度が弱くなるという傾向が生じる
ため、いずれも好ましくない。
【0021】請求項7に記載の発明は、断面が鼓状の磁
性絶縁体の両端部を被覆した導電性金属からなる電極部
と、前記電極部に導通しその一方から他方に向かって前
記磁性絶縁体の表面に螺旋状に形成されたコイル部と、
前記コイル部の表面に前記磁性材ペ−ストを塗布後焼結
して得られた磁性絶縁体層と、を備えたものであり、コ
イル部の捲回数を多くでき、コイル部からの漏洩磁束を
磁性絶縁体層で吸収することができるという作用を有す
る。
【0022】請求項8に記載の発明は、磁性絶縁体の全
面に導電性金属を被覆して金属被覆磁性絶縁体を形成す
る工程と、前記工程で得られた前記金属被覆磁性絶縁体
の両端部に電極部を設けるとともに前記電極部に導通し
てその一方から他方に向かって螺旋状のコイル部を形成
する工程と、次いで、前記コイル部の表面に前記磁性材
ペーストを塗布し700℃〜950℃の温度で焼結して
磁性絶縁体層を形成する工程と、を有するものであり、
磁性材ペ−ストが線間に容易に侵入してコイル部を均一
に埋設することができ、磁性絶縁体層の焼結収縮率を小
さくし、強度を高くすることができるという作用を有す
る。
【0023】以下、本発明の実施の形態について図面を
用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1における
インピーダンス素子の内部構造を示す部分透視図で、図
2は本発明の実施の形態1におけるインピーダンス素子
の断面図である。図1及び図2において、7は磁性絶縁
体で断面が鼓状のフェライト焼結体からなる。4は磁性
絶縁体7の両端面部を導電性金属で被覆した電極部、5
は磁性絶縁体層(図1では説明を容易にするため透明に
して示す)で、後述するように磁性材ペーストを塗布後
焼結することによって形成されるものである。6はコイ
ル部で、導電性金属からなり電極部4に導通してその一
方から他方に向って磁性絶縁体7の表面に螺旋状に形成
されている。8は以上のように構成されたインピーダン
ス素子である。
【0024】磁性絶縁体1の外形は縦0.9mm、横
1.2mm、長さ2.0mmの角柱で、中央部分が凹状
になった鼓型になっている。磁性絶縁体7のフェライト
にはNi−Zn系を用いた。このNi−Zn系フェライ
トは、その組成比がFe23:NiO:ZnO=50m
ol%:20mol%:30mol%のものである。
【0025】この組成からなるNi−Zn系フェライト
は、比透磁率が約800、固有抵抗値が106Ω・cm
と大きく、インピ−ダンス素子8の材料として適してい
る。また、コイル部6は銀層からなり、後述するような
方法によって形成され、その厚みは約20μmでピッチ
幅約100μmである。このピッチ幅及びコイルの捲回
数は、所望するインピーダンス値によって任意に設定す
ることができる。この螺旋状に形成したコイル部6を埋
設して磁性絶縁体7の凹部を平坦にするように磁性絶縁
体層5を設ける。この磁性絶縁体層5は、平均粒子径が
それぞれ異なる2種以上のNi−Zn−Cu系フェライ
トの混合粉体を、有機溶剤に溶解した熱硬化性樹脂中に
均一に分散させて得られた磁性材ペーストを磁性絶縁体
7の凹部に塗布し、乾燥後に焼結して形成される。
【0026】なお、この実施の形態1においては、磁性
絶縁体1の外形は、縦0.9mm、横1.2mm、長さ
2.0mmの角柱としたが、このような形状に限られる
わけではなく、外形が円柱状の鼓型であってもよい。ま
た、磁性絶縁体7は、Ni−Zn系のフェライトを用い
たが、これ以外に比透磁率が高く、固有抵抗値が大きい
ものであれば使用することができる。また、コイル部6
や電極部4には銀を用いたが、これ以外に銀−パラジウ
ム、白金、銅などの固有抵抗値が小さいもので構成して
もよい。
【0027】このようにして構成したインピ−ダンス素
子8の100MHzにおけるインピーダンス特性を(表
1)に示す。
【0028】
【表1】
【0029】尚、(表1)で比較例は、形状、コイル部
6及び電極部4の構成を本発明のインピーダンス素子8
と同じにし、コイル部6を埋設する磁性絶縁体層5に代
わって熱硬化性樹脂のみで形成したものであり、磁性粉
体は含まれていない。
【0030】この(表1)から明らかなように、本発明
のインピーダンス素子8の100MHzにおけるインピ
ーダンスが800Ωと大きく、比較例のものに比べて約
7倍にも達していることが分かる。さらに直流抵抗値が
0.7Ωと小さいことから、優れたインピーダンス特性
を有するインピーダンス素子8を得ることができた。
【0031】尚、実施の形態1の磁性材ペーストは、フ
ェライトの混合粉体、熱硬化性樹脂、および熱硬化性樹
脂を溶解している溶液から構成されている。ここでフェ
ライトは、コイル部に直接接触して積層されることが多
いことや、高周波で使用する場合に発生する渦電流損失
を小さくするために電気絶縁性に優れたものがよく、さ
らにインピーダンスを高くするためには比透磁率の大き
いものが望ましく、Ni−Zn系やNi−Zn−Cu系
が適当である。さらにこの磁性材ペーストは、その焼結
時の焼結収縮率が小さいことが望ましい。この焼結収縮
率が大きいと、焼結時に磁性絶縁体層5にクラックが発
生したり、コイル部6を磁性絶縁体7から剥離させやす
い。これを防ぐためには磁性材ペーストの焼結収縮率を
小さく抑える必要がある。そのためこの磁性材ペースト
を平均粒子径がそれぞれ異なる2種以上の混合粉体で構
成する。このときの混合粉体の平均粒子径の差は約10
μm以上であることが望ましい。こうすると平均粒子径
の小さい粉体が焼結助剤としての効果を示して焼結温度
を低くできるし、平均粒子径の大きい粉体が比透磁率を
高めるという働きをするようになる。こうして焼結温度
を下げたものは、磁性絶縁体層5を形成する際にコイル
部6や電極部4を構成する導電性金属が溶融するのを防
ぐことができる。
【0032】ところで、この平均粒子径がそれぞれ異な
る2種以上の混合粉体の粒子径は0.05〜50μmの
範囲内であることが好ましい。粒子径が0.05μm以
下では、焼結収縮率が大きくなりすぎて磁性絶縁体層5
の表面にクラックが発生しやすくなって好ましくない。
また50μm以上では、焼結収縮率は小さくなるが焼結
性がよくなく、磁性絶縁体層5の強度が弱くなり好まし
くない。さらに、この混合粉末の一部を仮焼粉末に代え
る場合には、その仮焼温度は700℃〜1200℃の範
囲にあることが望ましい。仮焼温度が700℃以下で
は、焼結によるフェライト化が十分でなく、大きな比透
磁率を得ることができないので好ましくない。また12
00℃以上では、焼結が必要以上に進んで固有抵抗値が
小さくなり、高周波での比透磁率が低くなると同時に、
それを粉砕して混合粉体を作成する工程が煩雑になるの
で好ましくない。このように作製した混合粉体を熱硬化
性樹脂を溶解した溶液に分散させて磁性材ペーストを作
成する。この熱硬化性樹脂は有機溶剤で溶解するものと
水で溶解するもの等がある。例えば、エチルセルロース
樹脂を使用する場合には、ターピネオール等の有機溶剤
を使用することができるし、ポリビニルアルコール樹脂
を使用する場合には、水に溶解して使用することができ
る。
【0033】ここでは、熱硬化性樹脂としてエチルセル
ロ−スを使用した場合の磁性材ペーストの作製方法を説
明する。まず、エチルセルロース10gをターピネオー
ル(日本香料薬品(株)製)100gとミネラルスピリ
ット(日本石油(株)製)100gの有機溶剤の混合溶
液に溶解させる。次に、平均粒子径が約1μm(粒子径
が0.05〜5μm)のNi−Zn−Cu系のフェライ
ト粉体1.07gと、1100℃で仮焼し平均粒子径が
15μm(粒子径が0.1〜50μm)のNi−Zn−
Cu系フェライトの仮焼粉体8.93gとを混合した混
合粉体10gを上記エチルセルロ−ス溶液2.7gに充
分に分散させる。ここで混合粉末の平均粒子径の測定
は、レーザー光の屈折率の差で粒子径を検知する方式の
ものを用いた。
【0034】このようにして得られた磁性材ペースト
は、焼結温度を下げることができ、焼結後に高い比透磁
率を有し、適当な粘性を有し、したがって塗布後の保型
性に優れるとともに作業性にも優れたものとなる。
【0035】つぎに、インピーダンス素子の製造方法に
ついて以下に説明する。 (実施の形態2)第1工程として、Ni−Zn系フェラ
イトを焼結後の形状が図1に示したような縦1.2m
m、横1.2mm、長さ2.0mmで鼓状になるように
所定の金型にて成形して1100℃で3時間焼結し、磁
性絶縁体7を作製した。この磁性絶縁体7の全面にメッ
キ法にて導電性金属からなる被膜を形成し金属被覆磁性
絶縁体を得た。以下にこの被膜を形成する方法について
説明する。まず、有機溶剤で磁性絶縁体7の表面を洗浄
して脱脂する。この脱脂した磁性絶縁体7を塩化第一錫
の塩酸溶液に数分間浸漬し、その表面に錫イオンを吸着
させる。この錫イオンは、磁性絶縁体7の表面を電気的
に活性化する。つぎにこの活性化された磁性絶縁体7を
パラジウムの含有量が0.03重量%のパラジウム溶液
に浸漬し、パラジウムを吸着させる。このパラジウムは
次の無電解メッキの触媒作用を引き起こす。無電解メッ
キはシアン化銀溶液をPH=7に調整し、90〜95℃
の温度に加温し約20分間浸漬して行う。こうして1〜
3μmの厚さの銀層がメッキされる。つぎにこの磁性絶
縁体7を電解メッキして約20μmの厚さの銀層が全面
に形成された金属被覆磁性絶縁体を得た。なお、ここで
は銀層をメッキ法により形成したが、この方法に限られ
るものでなく、固有抵抗値が低くできるものであれば蒸
着法等の他の方法を用いてもよい。
【0036】つぎに、上で得られた金属被覆磁性絶縁体
にコイル部6を形成する第2の工程について説明する。
全面に銀層が形成された金属被覆磁性絶縁体のコイル部
6を形成する部分にYAGレーザーを照射し、電極部4
とコイルを形成する部分以外の銀層を熔解して除去する
ことにより電極部4の一方から他方に向かう螺旋状に形
成したコイル部6が形成される。YAGレーザで加工し
た溝の幅は20μmで深さは40μmで、コイルの幅は
60μmとし、捲回数は13回とした。なお、このコイ
ル部6の形成はレーザー加工法を採用したが、この方法
に限られるわけでなく、電極部4とコイルを形成する部
分以外の銀層をグラインダ等で機械的に切削するような
方法を用いても良い。またコイルの幅や捲回数は、目的
とするインピーダンスの値によって任意に設定すること
ができる。
【0037】次に磁性絶縁体層5を形成する第3の工程
について説明する。図2に示すようにコイル部6を埋設
して磁性絶縁体7の凹部を平坦にするように塗布し、そ
の後約120℃にて数分間乾燥させる。これによってエ
チルセルロース樹脂が硬化し、混合粉体が適当に分散し
た樹脂層が形成されたインピ−ダンス素子8が得られ
る。つぎに、このインピ−ダンス素子8を900℃で2
時間加熱すると、硬化したエチルセルロース樹脂は燃焼
し、残った混合粉体が焼結して磁性絶縁体層5を形成す
る。このとき、電極部4及びコイル部6は銀、銀−パラ
ジウム、白金、銅等の導電性金属で形成されているの
で、熔解や剥離などの損傷を受けることはない。ここで
焼結温度が700℃以下では、混合粉体が充分に焼結し
なくて磁性絶縁体層5がもろくなるので好ましくない。
また、焼結温度が950℃以上では、磁性絶縁体層5の
焼結収縮率が大きくなるし、電極部4及びコイル部6を
損傷することになる。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明の磁性材ペースト
は、平均粒子径がそれぞれ異なる2種以上のNi−Zn
系フェライトまたは、2種以上のNi−Zn−Cu系フ
ェライトの混合粉体が、有機溶剤に溶解した熱硬化性樹
脂中に均一に分散しているものであり、焼結温度を下げ
焼結収縮率を小さくできるという効果を有する。
【0039】混合粉体が水に溶解した水溶性熱硬化性樹
脂中に均一に分散しているものであり、製造工程を簡略
にできるという効果を有する。
【0040】混合粉体の粒子径が0.05〜50μmか
らなるものであり、磁性絶縁体層の焼結時に発生するク
ラックを防止できるという効果を有する。
【0041】Ni−Zn系フェライトまたは、Ni−Z
n−Cu系フェライトの混合粉体の少なくとも1種以上
がそれぞれの仮焼粉体からなると同時に、Ni−Zn−
Cu系フェライトの混合粉体にNi−Zn系フェライト
の混合粉体を含有させたものであり、磁性絶縁体層の比
透磁率を大きくでき、絶縁性をよくするという効果を有
する。
【0042】仮焼粉体が700℃〜1200℃で仮焼さ
れたものであり、磁性絶縁体層の比透磁率をさらに大き
くでき、焼結しやすくできるという効果を有する。
【0043】仮焼粉体の粒径が0.1〜50μmの範囲
にあるものであり、さらに焼結しやすくできるという効
果を有する。
【0044】本発明のインピーダンス素子は、断面が鼓
状の磁性絶縁体の両端部を導電性金属で被覆した電極部
を備えるとともに、電極部に導通してその一方から他方
に向かって磁性絶縁体の表面に螺旋状に形成したコイル
部を設け、コイル部の表面に磁性材ペーストを塗布後焼
結して得られた磁性絶縁体層を備えたものであり、小型
で、直流抵抗値が小さく、インピーダンス特性に優れ、
しかもインピーダンス特性を容易に設計できるという効
果を有する。
【0045】本発明のインピーダンス素子の製造方法
は、磁性絶縁体の全面に導電性金属を被覆して金属被覆
磁性絶縁体を得る第1の工程と、金属被覆磁性絶縁体の
両端部に電極部を設けるとともに電極部に導通してその
一方から他方に向かって螺旋状のコイル部を形成する第
2の工程と、コイル部の表面に磁性材ペーストを塗布し
700℃〜950℃の温度で焼結して磁性絶縁体層を設
ける第3の工程とからなるものであり、製造工程が簡単
で、インピーダンス特性に優れたインピーダンス素子を
容易に製造することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるインピーダンス
素子の内部構造を示す部分透視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるインピーダンス
素子の断面図
【図3】従来のチップ型インピーダンス素子の内部構造
を示す斜視図
【符号の説明】
1、7 磁性絶縁体 2 導電体 3、4 電極部 5 磁性絶縁体層 6 コイル部 8 インピーダンス素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜川 満義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鶴田 智広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径がそれぞれ異なる2種以上のN
    i−Zn系フェライトまたは、2種以上のNi−Zn−
    Cu系フェライトの混合粉体が、有機溶剤又は水に溶解
    した熱硬化性樹脂中に均一に分散していることを特徴と
    する磁性材ペースト。
  2. 【請求項2】前記混合粉体の粒子径が0.05〜50μ
    mからなることを特徴とする請求項1に記載の磁性材ペ
    ースト。
  3. 【請求項3】前記Ni−Zn系フェライトまたは、前記
    Ni−Zn−Cu系フェライトの混合粉体の少なくとも
    1種以上が仮焼粉体からなることを特徴とする請求項1
    又は2のいずれかに記載の磁性材ペ−スト。
  4. 【請求項4】前記Ni−Zn−Cu系フェライト(A)
    と前記Ni−Zn系フェライト(B)の配合比がA/B
    =0.1〜4.0であることを特徴とする請求項1乃至
    3の内いずれかに記載の磁性材ペ−スト。
  5. 【請求項5】前記仮焼粉体は700℃〜1200℃で仮
    焼されたものであることを特徴とする請求項3に記載の
    磁性材ペースト。
  6. 【請求項6】前記仮焼粉体の粒子径が0.1〜50μm
    の範囲にあることを特徴とする請求項3乃至5の内いず
    れかに記載の磁性材ペースト。
  7. 【請求項7】断面が鼓状の磁性絶縁体の両端部を被覆し
    た導電性金属からなる電極部と、前記電極部に導通しそ
    の一方から他方に向かって前記磁性絶縁体の表面に螺旋
    状に形成されたコイル部と、前記コイル部の表面に前記
    磁性材ペ−ストを塗布後焼結して得られた磁性絶縁体層
    と、を備えていることを特徴とするチップ型インピ−ダ
    ンス素子。
  8. 【請求項8】磁性絶縁体の全面に導電性金属を被覆して
    金属被覆磁性絶縁体を形成する工程と、前記工程で得ら
    れた前記金属被覆磁性絶縁体の両端部に電極部を設ける
    とともに前記電極部に導通してその一方から他方に向か
    って螺旋状のコイル部を形成する工程と、次いで、前記
    コイル部の表面に前記磁性材ペーストを塗布し700℃
    〜950℃の温度で焼結して磁性絶縁体層を形成する工
    程と、を有することを特徴とするチップ型インピーダン
    ス素子の製造方法。
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