JPH10248570A - メタロチオネイン遺伝子のプロモーター - Google Patents

メタロチオネイン遺伝子のプロモーター

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JPH10248570A
JPH10248570A JP9053576A JP5357697A JPH10248570A JP H10248570 A JPH10248570 A JP H10248570A JP 9053576 A JP9053576 A JP 9053576A JP 5357697 A JP5357697 A JP 5357697A JP H10248570 A JPH10248570 A JP H10248570A
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JP
Japan
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gene
sequence
promoter
metallothionein
seq
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Application number
JP9053576A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kanzaki
洋之 神崎
Ikuo Nakamura
郁郎 中村
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Iwate Prefectural Government
Original Assignee
Iwate Prefectural Government
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Publication date
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イネのメタロチオネイン遺伝子のプロモータ
ー、並びに該プロモーター及び目的遺伝子を含む組換え
発現ベクター並びに該発現ベクターによって形質転換さ
れた形質転換体の提供。 【解決手段】 配列番号1で表される塩基配列、又は該
塩基配列において1若しくは複数の塩基が欠失、置換若
しくは挿入されたものを含む、メタロチオネイン遺伝子
のプロモーター、並びに該プロモーター及び発現の目的
遺伝子を含む組換え発現ベクター、並びに該組換え発現
ベクターによって形質転換された形質転換体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イネの金属結合タ
ンパク質であるメタロチオネイン遺伝子のプロモータ
ー、並びに該プロモーター及び目的遺伝子を含む組換え
発現ベクター、並びに該発現ベクターによって形質転換
された形質転換体に関する。
【0002】
【従来の技術】メタロチオネインは、銅、亜鉛、カドミ
ウムなどの重金属イオンと結合して合成が誘導されるタ
ンパク質である。メタロチオネインは生物界に広く存在
しており、生体に必須の亜鉛や銅の体内での輸送や貯蔵
に関与し、生体内の恒常性を維持する役割を担ってい
る。また、カドミウムや水銀などの有害金属と結合して
解毒作用を有することも知られている。
【0003】メタロチオネイン遺伝子は、組織特異的に
発現し、発現量も高いことが知られており、プロモータ
ー素材として有効であることが期待される。メタロチオ
ネイン遺伝子の塩基配列については、いくつかの植物、
例えばコムギ( Eur. J. Biochem. 209: 971-976, 199
2)、トウモロコシ(FEBS letters 290: 103-106, 199
1)などにおいて既に知られている。しかし、そのプロ
モーター配列の詳細な解析はまだなされていない。ま
た、メタロチオネインタンパク質は、重金属の解毒や必
須金属の生体内再分布に関与していることが示唆されて
いるが、植物においてはその機能が十分に解明されてい
るとは言えない状況である。さらに、上記植物体のほか
にもメタロチオネイン遺伝子のプロモーターが存在する
ことが予想される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、メタロチオ
ネイン遺伝子のプロモーター、並びに該プロモーター及
び目的遺伝子を含む組換え発現ベクター並びに該組換え
ベクターによって形質転換された形質転換体を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
基づいて鋭意研究を行った結果、イネのメタロチオネイ
ン遺伝子のプロモーターを単離することに成功し、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、配列番号
1で表される塩基配列、又は該塩基配列において1若し
くは複数の塩基が欠失、置換若しくは挿入されたものを
含む、メタロチオネイン遺伝子のプロモーターである。
【0006】さらに、本発明は、前記プロモーター及び
発現の目的遺伝子を含む組換え発現ベクターである。さ
らに、本発明は、前記組換え発現ベクターによって形質
転換された形質転換体である。以下、本発明を詳細に説
明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のプロモーターを単離する
ための手法の一つとして、イネのメタロチオネイン遺伝
子をクローニングした後、いわゆるinverse PCR を行う
方法が挙げられる。
【0008】(1) メタロチオネイン遺伝子のクローニン
グ 本発明においては、メタロチオネイン遺伝子は公知の方
法に従ってクローニングされる。すなわち、塩ストレス
処理を施したイネの懸濁培養細胞よりmRNAを抽出
し、λファージベクターにcDNAとしてクローニング
することによりcDNAライブラリーを作製する。次
に、ライブラリーから所望のクローンを選択し、増幅す
ることによりメタロチオネイン遺伝子をクローニングす
ることができる。
【0009】なお、クローニングを行うための基本的な
方法は、T. Maniatisらの「 Molecular Cloning」(Cold
Spring Harbor Laboratory) (1982)に従って行うこと
ができる。
【0010】まず、メタロチオネイン遺伝子のcDNA
ライブラリーの調製を行う。継代培養後4日のイネ懸濁
培養細胞を、2% NaCl にて24時間培養することで塩ス
トレスを施した後、全RNAを抽出し、oligo(dT)-Late
x 粒子によりPoly(A)+ RNA を精製する。さらに逆転写
酵素にてcDNAを合成し、cDNAファージライブラ
リーを作製する。なお、cDNAの合成は、例えばZAP-
cDNA合成キット(Stratagene社) 等により行うことがで
きる。以上のようにして得られたcDNAファージライブラ
リーをプラスミドライブラリーに変換する。
【0011】ファージライブラリーからプラスミドライ
ブラリーへの変換方法としては、公知の方法、例えば I
n vitro excision法(Stratagene社) 法等が挙げられ
る。即ち、ファージライブラリーについて、プラスミド
を保持する宿主である大腸菌に対して形質転換を行い、
アンピシリンを含んだ寒天培地プレートに播き、コロニ
ーを形成させることによりcDNAプラスミドライブラリー
が調製される。任意のコロニーからプラスミドDNAを調
製し、アルカリ変性、エタノール沈殿等の処理をおこな
った後、真空乾燥してシークエンス解析のテンプレート
として用いる。
【0012】次に、メタロチオネイン遺伝子の塩基配列
の決定を行う。塩基配列の解析は、公知の方法により、
又は市販の自動塩基配列決定装置を用いて行う。解読し
た塩基配列を、NCBI(National Center for Biotechnol
ogy Information)の Blastn Serverに接続して公知配
列との一次検索をおこない、さらにDNAレベルで相同が
認められた塩基配列はアミノ酸配列に変換し、市販の塩
基配列又はアミノ酸配列検索用ソフト(例えば「DNASI
S」、「GENETYX 」等)を用いて相同性の確認を行う。
【0013】(2) プロモーターの単離 本発明のプロモーターは、イネの組織を尿素抽出緩衝液
中で磨砕し、フェノール/クロロホルム抽出をおこなっ
た後、エタノール沈殿によってゲノムDNAを調製し、
イネ(Oryza sativa)の塩ストレスcDNAライブラリーの
検索から得たメタロチオネインのcDNAクローンの配列を
もとに、いわゆるinverse PCR を行うことにより単離さ
れる。
【0014】inverse PCR とは、既知の領域に隣接する
未知の配列を増幅するための手法である。本発明は、既
知の配列であるメタロチオネイン遺伝子(cDNAの配
列)に基づいてPCRのためのプライマーを設計し、未
知の配列であるプロモーターを増幅させるものである。
【0015】まず、目的とするプロモーター領域が含ま
れるように、制限酵素を用いてゲノムDNAを切断する。
この場合、制限酵素による切断位置は、一か所はプロモ
ーター領域を含んだエキソンの5’側領域内、もう一か
所はエキソン内となる(図1(1) )。制限酵素として
は、PstI、BamHI、HindIII 等の6塩基以上認識のもの
が好ましい。
【0016】次に、制限酵素消化断片を自己連結し(図
1(2) 及び(3) )、PCRを行う。PCRのためのプラ
イマー(プライマー1及び2)は、エキソンの配列に基
づいて設計及び合成し、互いに外側を向くように配置さ
せる(図1(4) )。PCRを行った後、適当なベクター
に連結してクローニングを行う(図1(5) 及び(6) )。
クローニングは、操作が簡便である点でいわゆるTAク
ローニング(例えばTAクローニングキット(Invitroge
n 社) を用いたもの) が好ましい。なお、塩基配列決定
を行うためのプライマーとしては、T7及びM13RV プラ
イマー等が挙げられる。
【0017】配列番号1に本発明のプロモーターを含む
DNAの塩基配列を例示するが、本質的にプロモーター活
性(転写活性)を有する限り、この配列に限定されるも
のではなく、欠失、挿入、置換、付加などによって複数
の塩基配列を変異させることが可能である。なお、塩基
配列の変異は、公知の点突然変異誘発方法等により誘発
することができる。また、配列番号1で表される塩基配
列が一旦確定すると、その後は、化学合成によって、又
は該塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイ
ブリダイズさせることにより、本発明のプロモーターを
得ることができる。
【0018】さらに、本発明では、上記inverse PCR の
ほかに、エキソン(コーディング領域)の制限酵素部位
からエキソ型DNA 分解酵素によってプロモーターの方向
にメタロチオネイン遺伝子を削って行き、適当なところ
まで削れたクローンを探す方法、あるいは一部のプロモ
ーター領域を化学合成し、クローン化したゲノムDNAと
制限酵素部位を利用して、半合成のプロモーターを作製
することもできる。
【0019】(3) 組換え発現ベクターの作製 本発明では、本発明のプロモーターを発現の目的とする
遺伝子のコーディング配列の上流に結合させ、これを適
当なベクターに連結することにより、発現ベクターを作
製することができる。
【0020】本発明のプロモーターは、同種のみならず
異種遺伝子の発現をも制御することができるため、本発
明の発現ベクターは、発現の目的とする遺伝子として本
発明のプロモーターにより本来的に制御されているメタ
ロチオネイン遺伝子を含むものでもよく、異種遺伝子
(外来遺伝子)が組み込まれたいわゆるキメラ遺伝子構
築物を含むものでもよい。また、低温誘導性遺伝子等の
他のプロモーターをさらに組み込むこともできる。これ
らの調節因子は、単子葉植物において異種遺伝子の発現
を大幅に増強できるイントロン配列等を含む。目的遺伝
子のうち異種遺伝子としては、例えば除草剤耐性が付与
されたビアラフォス耐性遺伝子(MurakamiT,et al.,M.
G.G. 205: 42-50 (1986)) 、抗生物質耐性が付与された
ハイグロマイシン耐性遺伝子(Gritz L. and Davies J.
Gene 25: 179-188 (1983)) 等が挙げられるがこれらに
限定されない。
【0021】キメラ遺伝子における本発明のプロモータ
ー活性を確認するには、β−グルクロニダーゼ(GUS)
遺伝子などのレポーター遺伝子と連結したキメラ遺伝子
(遺伝子発現カセット)を構築し(図2)、パーテイク
ルガン法を用いてイネの細胞に導入する。遺伝子の発現
は、GUS組織化学的染色法、蛍光基質(4-MUG)を用い
たGUS定量法等により確認する。
【0022】(4) 形質転換体の作製 本発明の形質転換体は、本発明の組み換えベクターを、
該組み換えベクターを作製する際に用いた発現ベクター
に適合する宿主中(例えば大腸菌)に導入することによ
り、又は該組換えベクターを植物細胞若しくは種子に導
入することにより得ることができる。
【0023】大腸菌等の細菌を宿主として用いる場合
は、本発明の組換えベクターが該宿主中で自立複製可能
であると同時に、本発明の遺伝子発現カセット及び転写
終結配列を含む構成であることが好ましい。ベクターと
しては、例えばpBR322、pUC 系プラスミド等が挙げら
れ、細菌への組み換えベクターの導入方法としては、例
えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレー
ション法、リポフェクション法等が挙げられる。
【0024】宿主として植物細胞又は種子を用いる場合
の形質転換法としては、例えばプロトプラストへのエレ
クトロポレーション法、バイナリーベクターを用いたア
グロバクテリウム感染法、パーティクルガン導入法等が
挙げられる。なお、本発明のプロモーターは、イネの植
物体のうち、主として未熟胚、茎葉分裂組織細胞、又は
糊粉層細胞などに発現する。
【0025】
〔実施例1〕
(1) cDNAライブラリーからの遺伝子単離 イネ(品種:ヤマホウシ)の継代培養後4日目の懸濁培
養細胞を2%NaClにて24時間培養することで塩ストレス
をかけた。次に、全RNAを抽出し、oligo(dT)-Latex
粒子によりPoly(A)+ RNA を精製した。さらに逆転写酵
素によりcDNAを合成し、ZAP-cDNAファージライブラ
リーを作製した(ZAP-cDNA合成キット;Stratagene社を
使用) 。
【0026】塩ストレスを付加したイネの懸濁培養細胞
から調製したcDNAファージライブラリーを、Stratagene
社のλZAP IIベクターからヘルパーファージを用いた I
n vitro excision法によりプラスミドとして大腸菌に導
入した。すなわち、組換えλZAP とヘルパーファージを
大腸菌に同時に感染させ、37℃で培養後、上清を70℃で
加熱し、プラスミドを回収し、大腸菌に導入した。
【0027】形質転換した大腸菌を、アンピシリンを含
んだマコンキー寒天培地プレートに播き、1日培養して
コロニーを形成させ、cDNAプラスミドライブラリーとし
た。そして、任意の大腸菌コロニーからアルカリSDS
法によりプラスミドDNAを調製した。すなわち、0.2 N N
aOH:1% SDS溶液で5分間アルカリ変性を施し、5M酢
酸アンモニウムを加えて混合後、遠心によりその上清を
回収した。次に、得られた上清についてフェノール/ク
ロロホルム抽出を施した後、5M酢酸アンモニウムを加え
てエタノール沈殿をおこない、真空乾燥してシークエン
ス解析のテンプレートとして用いた。
【0028】塩基配列の解析は、Applied Biosystems社
の Dye Terminater Cycle Sequence法にしたがい、蛍光
自動シークエンサーを用いておこなった。解読した部分
塩基配列は、NCBI(National Center for Biotechnolog
y Information)の Blastn Serverに接続して一次検索
をおこなった。さらに、DNAレベルで相同が認められた
部分塩基配列はアミノ酸配列に変換し、「DNASIS」また
は「GENETYX」を用いて相同性の確認をおこなった。
【0029】その結果、塩ストレスcDNAライブラリーの
中よりアラビドプシスのメタロチオネインである ATMT1
遺伝子および接合胚に特異的な発現を示す大麦 bZE40遺
伝子(Plant Mol. Biol. 20: 255-266, 1992) と相同性
が認められるSSK35クローンを見いだした。相同性の解
析より、SSK35はイネの新規なメタロチオネイン遺伝子
であり、その塩基配列を解析した結果、全長のコーディ
ング配列を含んでいた(配列番号2)。
【0030】(2) 転写産物の確認 水稲(Oryza sativa L. var ササニシキ)幼植物体の組
織(葉、根)およびカルス1gをそれぞれ液体窒素中で
磨砕し、ISOGEN (ニッポンジーン社製) を用いて全RNA
を抽出した。各試料20μgずつをアガロース電気泳動に
かけ、Hybond+メンブランフィルターに転写してノーザ
ンブロット解析をおこなった。メタロチオネイン遺伝子
の全長のコーディング配列を含むSSK35クローンをテン
プレートとして T3 (配列番号3)及び T7 プライマー
(配列番号4)を用いたPCR法によりDNA断片を増幅し
た。PCR は、PCR 反応液(10mM Tris-HCl(pH8.3), 50mM
KCl,1.5mM MgCl2, 200μM dNTP, 0.2 μM プライマー
対, 2.5U/100μl Taq ポリメラーゼ, テンプレート1ng
量)中、94℃で20秒、55℃で20秒及び72℃で1分の反応
を1サイクルとしてこれを25サイクルおこなった。
【0031】得られた増幅断片のDNA濃度をアガロース
電気泳動法により推定し、マルチプライムDNAラベリン
グシステム(Amersham 社製)を用いて[α-32P]-dCTP (A
mersham社製)でDNA断片を標識し、プローブを作製し
た。なお、プローブはNick column (Pharmacia社製) を
用いて精製した。ノーザンブロット解析は常法に従って
おこない、BAS2000を用いてシグナルを検出した。
【0032】ノーザンブロット解析の結果、SSK35遺伝
子は葉鞘においても発現していたが、受粉後7日の接合
胚において顕著な発現を示すことが認められた(図6-
A)。再分化誘導前のカルスでは、SSK35遺伝子はほとん
ど発現していないが、再分化誘導後3週間のカルスで強
く発現することが見い出された(図6-B)。また、浸漬
1日後に胚を除去した種子においてもSSK35遺伝子の発
現が認められた(図6-C)。このことは、ジベレリンに
よってSSK35遺伝子の発現が誘導されることを示唆して
いる。
【0033】さらに、培養細胞を固型培地上で40℃で1
時間処理することにより熱ストレス試験をおこなった結
果、SSK35遺伝子は、熱ストレスによっても発現が誘導
されることが認められた(図6-D)。
【0034】(3) プロモーター配列の単離 SSK35遺伝子のプロモーター配列を単離するために、以
下のように inverse PCRを適用した(図1)。水稲(Or
yza sativa L. var ササニシキ)幼植物体の葉1gよ
り、尿素-フェノール法(Cell 35: 225, 1983)を用い
てゲノム DNAを抽出した。SSK35 cDNAの配列情報をもと
に翻訳領域内部で一カ所切断するような6塩基認識の制
限酵素(PstI)を用いて1μgのゲノム DNAを12時間消
化した。
【0035】フェノール・クロロフォルム抽出後、T4 D
NAリガーゼ(1unit/μg DNA、16℃、16時間)によって
自己連結をおこなった。フェノール・クロロフォルム抽
出後、PCR反応に供試した。すなわち、SSK35 cDNAの制
限酵素切断部位の上流の塩基配列に対し、互いに外側を
向くような 35merの一対のプライマーを合成してPCR反
応をおこなった。
【0036】inverse PCR 法に用いたプライマーの塩基
配列を以下に示す。 プライマー1:5'-AACAAGGCGAGCTCTGGAGGAATGGAGATGGCG
GT-3' (配列番号5) プライマー2:5'-GAAGGAGATAGATGTTGTTGCTGATTGAGCTCA
AG-3' (配列番号6) Ex Taqポリメラーゼ(TAKARA社製)を用い、94℃で1
分、(Tm 値-5) ℃で90秒、72℃で2分反応させた。inve
rse PCR 産物をアガロース電気泳動法にかけ、増幅され
たDNA断片を含むアガロース片を切り出して GENECLEAN
II(BIO101) を用いて精製した。これらのDNA断片は、PC
R IIベクター (Invitrogen社製) を用いてクローニング
した。クローニングした 1.7 kb のDNA断片の内部に制
限酵素 XbaI 認識サイトが見いだされたので、その切断
片をそれぞれ Bluescript SK(-)に再度クローニングし
てDNA配列の解析をおこなった。DNA配列の解析は、T7プ
ライマー(配列番号4)およびM13RVプライマー(配列
番号7)を用いて、蛍光自動シークエンサー(ABI社
製)を用いておこなった。
【0037】その結果、SSK35遺伝子の翻訳開始 ATGコ
ドンから 1330 bp上流までの塩基配列を決定することが
できた。決定された配列を配列番号1に示す。
【0038】得られた塩基配列を「GENETYX」 (ver. 6.
2.0) および「DNASIS」(ver. 3.4)を用いて解析し、SSK
35遺伝子の発現を制御しているプロモーター配列の同定
を試みた。
【0039】その結果、翻訳開始ATGコドンより137 bp
上流に「TATA」ボックスが認められ、「TATA」ボックス
より108 bp上流に重金属応答配列(MRE) および転写活性
化に関与すると考えられる「CCAAT」ボックスが認めら
れた。さらに、「TATA」ボックスより上流にジベレリン
応答配列(GARE)、MYB 結合部位、MYC 結合部位及びcA
MP 応答配列がそれぞれ認められた。従って、配列番号
1で示す1〜1255番までの塩基配列に、イネの初期胚発
生における遺伝子発現を制御しているプロモーター配列
が含まれていることがわかった。
【0040】なお、メタロチオネインは、金属(Cd, Z
n, Cuなど)と結合するタンパク質であることが知ら
れ、重金属の解毒又は必須金属の再分布に関係した恒常
性維持などの機能を持つものと推定されるが、その作用
メカニズムは、組織特異的発現を示す点においても興味
深いものである。
【0041】〔実施例2〕 (1) 植物細胞での発現ベクターの構築 実施例1のようにして得られたプロモーター配列をClon
tech社のpBI221プラスミドのGUS遺伝子に連結したキメ
ラ遺伝子を構築した(図2)。すなわち、SSK35遺伝子
のプロモーター配列を含むDNA断片をpCRIIベクターへ挿
入し、制限酵素XhoIで消化した。クレノウ酵素(TAKARA
社製)で37℃10分処理することで平滑末端化した後、制
限酵素HindIIIで消化して生じる1.7kbpの断片をアガロ
ース電気泳動法を用いて分離し、ゲル片からDNA断片を
抽出(GENECLEAN II Kit:BIO101社製)した。制限酵素
HindIII / SmaI で消化したプラスミドpBI221と、抽出
・精製した断片とを、Ligation Kit ver. II(TAKARA社
製)を用いて連結し、本発明のプロモーター(配列番号
1)とGUS遺伝子とのキメラ遺伝子を構築した。
【0042】(2) 発現ベクターの植物体への導入及びGU
S活性の検出 構築したキメラ遺伝子を含むプラスミドは、パーティク
ルガン法を用いてイネのembryogenic カルスへの導入を
おこなった。すなわち、水稲(Oryza sativa L. var サ
サニシキ)の完熟種子を1%次亜塩素酸で消毒後、NC2
培地(N6培地 (Sci. Sinica 18: 659, 1975) + 2mg/l
2, 4-ジクロロ酢酸(2, 4-D), 0.9 %寒天固形培地)に播
種し、3週間後生じたカルスをAA培地(Mol. Gene. Gen
et 161: 67, 1978, 0.9%寒天固形培地)に置床した。そ
の後、1〜2週間培養し、カルスをNP培地(N6培地+1m
g/l 2,4-D, 3.6 % Sorbitol, 3.6 % Mannitol)に置い
たろ紙の上に移し、4時間後にパーティクルガン法(Re
hbock C. M. Model 260)に供試した。導入条件は、15
pumping(150kg/cm2)、2μg DNA/1mgAu/shotであっ
た。
【0043】導入16時間後にカルスをNH-30培地(N6培
地+1mg/l, 2,4-D 30mg/lハイグロマイシン, 0.9%寒天固
形培地)に移し、2週間後にハイグロマイシン抵抗性の
増殖細胞塊(1mm)を選抜した。さらに、NH-50培地(N6
培地 + 1mg/l 2,4-D 50mg/lハイグロマシン, 0.9%寒天
固形培地)に移して2回目の選抜を行った。選抜したカ
ルスは、N1培地(N6培地 + 3% ソルビトール, 1mg/l
アブシジン酸 (ABA),1%寒天固形培地)において再分化
を誘導した。再分化した個体は、順化用培地(1/2 N6培
地 + 0.05 mg/lナフタレン酢酸(NAA), 0.25%ゲランガム
固形培地)に移植した。
【0044】GUS活性の組織化学的検出についてはJeffe
rsonらの方法(EMBO. J. 6: 3901,1987)に基づいてお
こなった。すなわち、メタノールによりクロロフィルが
除去された組織切片を、 50mM NaPO4 (pH7.0) 、0.2 mM
5- ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-グルクロニド (X-G
luc) 、0.1 mM- フェロシアン化カリウム、及び0.1 mM-
フェリシアン化カリウムを含む混合物中で処理して観察
した。また、GUS活性の蛍光定量法については、以下の
ようにしておこなった。すなわち、植物試料を抽出緩衝
液(50mM-PO4、10mM-EDTA、0.1%サルコシル、0.1 % ト
リトン X-100および 10 mM β-メルカプトエタノール)
中で磨砕し、磨砕液を遠心分離した。上清に2mMの 4-
メチルウンベリフェリル-γ-グルクロニド(4-MUG)を
等量加え、37℃で1時間処理した。酵素反応を 0.2M Na
2CO3で停止させた後、4-メチルウンベリフェロン(4-M
U)の蛍光を蛍光分光光度計(U-2000; Hitachi社製)を
用いて測定した。
【0045】遺伝子導入個体におけるSSK35プロモータ
ーによるGUS遺伝子の発現を組織化学的に観察した結
果、再分化誘導後3週間のカルスにおいて、誘導前のカ
ルスと比較してGUS遺伝子の発現が12倍に高まることが
認められた。また、SSK35プロモーターは、茎葉分裂組
織・種子糊粉層組織及び未熟胚において組織特異的なGU
S遺伝子の発現を誘導することが明らかになった(図3
〜5)。図3において、a〜fは形質転換体の再分化由
来茎葉分裂組織を表し、図4は形質転換体の再分化誘導
後3週間目のカルスを表し、図5において、a及びbは
形質転換体の種子組織断面、cは非形質転換体の種子組
織断面を表す。
【0046】これらの結果は、ノーザンブロット解析の
結果と合致するものであった。以上の結果より、本発明
で得られたプロモーターは、茎葉分裂組織、種子糊粉層
組織及び未熟胚のうちの少なくとも一つの組織におい
て、組織特異的な遺伝子発現を制御しうることがわかっ
た。
【0047】
【発明の効果】本発明により、メタロチオネイン遺伝子
のプロモーター、並びにメタロチオネイン遺伝子及び該
プロモーターを含む組換え発現ベクター、該組換え発現
ベクターによって形質転換された形質転換体が提供され
る。本発明のプロモーターは、トランスジェニック植物
において異種遺伝子を組織特異的に発現させるために有
用である。
【0048】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1255 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源 生物名:Oryza sativa L. var Sasa-nishiki 配列: TAAAAGCATG CTAGTCGGTT TGGTTGAGGC TTTTTCTTTC TTAATGAAAA GCCGTGGGGC 60 GGTAATTTCC CTAGTGCGTC GAGTTCTTGT TTTTATTTCG GCCAACACTT TTATGCCGTG 120 CGGAGGATTA TCCCCTCGTT TATTCAAAAA TCATCTGTAT AGTTATGAAA AAAAAATCGA 180 AAACAAAATG GACAACATTC ATACAACATA CATATACAAG TCCACAAAAT TTTACTAAAC 240 TCAACTCACA CATCAAGAAA TAAAAAGAAA AAAAAATCCA ACGTATGAAC AATGCTGGTG 300 ATATTCACAC TTAAAATTTG TCTTTCTTTC CCCTCTCAAT TTGTAGGTCA GGTTTGAATT 360 TATTTTTTTA GTAGATGCTT ACCATACTCT AGACTATTAA AAAGATTTAG AATTCTTTTA 420 AAACCATTTG TACTGAATTT AAGAGAAAAA TGTATCACGA GGGAATATCC TGGAGGGATT 480 ATAATTCATC TCCTTATTAT TTAGCACTTT TTTTTATCTA CAGAGTTGAA AGGACATGGC 540 ATCACAATTA CTTTCATCTT TCATGCTCAG CCTCAGACGT CTAATTGGCT AGTATACTAG 600 CTTGTTAGGT GCAAAGTCAA GCAAGAGAAT TTCAACTGTG GCGGTGTTTA ATTCTCTTTA 660 AACTTCTAAA AATTCCGTCA CATCAAATGT TTAAATGTGG ACAAAAAAAA AATAATTGCA 720 CAGTTTGTAT GTAAATTGCG AAACGAATCT TGTGAGTCTA ATTACGCCAT GATTTGACAA 780 TGTTGTGCTA CAGTAAACAT GTGCTAATGA TGTATTAATT AGATTTAATA GATTCATCTC 840 GCAGTTTATA TGTGGAATCT ATATATTTTG TTATTAATCT ATATTTAATA CTTAATACTT 900 TTGTCCGTGT ATGTAAAAAA ATTTTGACCA AACAACTGAA CACGGCCTGT ATATGTAACC 960 AAAGAAAGAT CAAAGGAGAG GAGGTAGCTA CTCCTACAAA GAAAGAAGAA ACGATGAGAT 1020 TTGATTGAAT ACTACTCCAG CTAGCTAGTA TACAGTACTC ATACGTGTCT ATCCATATTC 1080 CTGCTCCCAA TGCAAAAATG CAATGGCGAG ATTGCAAGGT TGTGTGGGTG GTGGACCCTG 1140 GATCGATCAC CTCCATTCTT TCTCCGCATC TCGCCACAGT ACGCTTCGCT GCTCTCCGCC 1200 TATATATACC ACCTCCTCCT CGATCATCAG TTCATCAGCA ACCAAAGCAA GAAGC 1255
【0049】配列番号:2 配列の長さ:650 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源 生物名:Oryza sativa L. var Sasa-nishiki 配列: AATTC 5 TTGAGCTCAA TCAGCAACAA CATCTATCTC CTTCTTGATT AGTTAAGTCC TTCGCCCTCC 65 CACGACGAAG AAGATGTCTT GCTGCGGCGG CAACTGCGGC TGCGGCAGCG GCTGCCAGTG 125 M S C C G G N C G G C S G C Q C CGGCGGCGGC TGCGGCGGAT GCAAGATGTT CCCTGATGTG GAGGCCACAG GCACCACCAA 185 G G G C G G C K M F P D V E A T G T T K GACCTTCGTC CTCGCTGCTC CATCCAACAA GGCGAGCTCT GGAGGAATGG AGATGGCGGT 245 T F V L A A P S N K A S S G G M E M A V GGAGAGCGGC GAGAACGGCG GCTGCGGCTG CAACACCTGC AAGTGTGGCA CCAGCTGCAG 305 E S G E N G G C G C N T C K C G T S C S CGGCTGCTCC TGCTGCTCCT GCAACTGAAT CTATCGTCGT CGTCGCCCGG CTGCATGAGG 365 G C S C C S C N ATTTATCGTA TGGATGCTGC TACTGTCGAT CAGAGCTTTG GTCGAGGCCT TAATTTGCTT 425 GCATTAGTAC CCAGCTTATA TGTAGGCAGG CCTTGCCTTT TGCTCTGACG CCTAAATAAA 485 ACCGTCGTCG TCGTTGTCAG TGTGTGCGTG TGTCGATCAA TGTTGGATGG ATCCCTAGCT 545 AGCTTGGATG GATCATCTAT CATCATGGTG ATCTCATCAT GTACTCCTGC TCCATCTCCT 605 CATGCGTGCC AGGCTTCTTA ATATAATCTA CCTCTGCTTT CATCC 650
【0050】配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AATTAACCCT CACTAAAGGG 20
【0051】配列番号:4 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: CGGGATATCA CTCAGCATAA TG 22
【0052】配列番号:5 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: AACAAGGCGA GCTCTGGAGG AATGGAGATG GCGGT 35
【0053】配列番号:6 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GAAGGAGATA GATGTTGTTG CTGATTGAGC TCAAG 35
【0054】配列番号:7 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: GGAAACAGCT ATGACCATG 19
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロモーターを単離するためのinvers
e PCR 法の概要を示す図である。
【図2】キメラ遺伝子の構築図である。
【図3】イネの形質転換体におけるGUSの組織化学的
解析結果を示す写真である(生物の形態)。
【図4】イネの形質転換体におけるGUSの組織化学的
解析結果を示す写真である(生物の形態)。
【図5】イネの形質転換体におけるGUSの組織化学的
解析結果を示す写真である(生物の形態)。
【図6】SSK35のノーザンブロットの解析結果を示
す電気泳動写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1で表される塩基配列、又は該
    塩基配列において1若しくは複数の塩基が欠失、置換若
    しくは挿入されたものを含む、メタロチオネイン遺伝子
    のプロモーター。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプロモーター及び発現の
    目的遺伝子を含む組換え発現ベクター。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の組換え発現ベクターによ
    って形質転換された形質転換体。
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