JPH10250369A - 自動車のドア構造 - Google Patents

自動車のドア構造

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JPH10250369A
JPH10250369A JP7659497A JP7659497A JPH10250369A JP H10250369 A JPH10250369 A JP H10250369A JP 7659497 A JP7659497 A JP 7659497A JP 7659497 A JP7659497 A JP 7659497A JP H10250369 A JPH10250369 A JP H10250369A
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健一 小川
Norifumi Inoue
典史 井上
Tae Shibahara
多衛 柴原
Hiroaki Kodama
宏明 児玉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドア本体の中段部に設けるインパクトバーの剛
性が過大の場合は側面衝突時の衝撃加速度が大きくな
り、ドア本体の上端部の剛性が十分でないと側面衝突時
にドア本体の上部が車室側へ変形し易い。 【解決手段】ドア本体2のアウタパネル5の上端部内側
にレインフォースメント8を設けるとともにその近傍部
にインパクトバー22を設け、ドア本体2の中段より下
側にもインパクトバー21を設け、2本のインパクトバ
ー21,22とレインフォースメント8とでドア本体2
の全体の剛性を確保し、側面衝突時にドア本体2の上端
部の変形を防止できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、自動車のドア構
造に関し、特にドア本体の内部に2本のインパクトバー
を設け、ドア本体の全体にわたる剛性確保と衝撃緩和を
図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】 自動車の側面衝突に対するドアの剛性
を高める為に、最近では、ドア本体の内部空間に水平向
きのインパクトバーを設け、そのインパクトバーをドア
本体の前端部と後端部に架着してなる自動車のドア構造
が採用されている。従来、実開昭62−167720号
公報に示すように、ドア本体内の中段部に2本の管材か
らなる第1のインパクトバーを設けるとともに、ドア本
体内の上端付近に1本の管材からなる第2のインパクト
バーを設け、この第2のインパクトバーを第1のインパ
クトバーよりもドア厚さ方向内側に位置させてなる自動
車のドア構造が提案されている。最近では、側面衝突時
の乗員に対する衝撃を吸収する機能と、衝撃緩和の為に
側面衝突時に乗員の車室側への移動を早期に開始させる
機能とを果たす衝撃吸収部材をドア本体内に組み込む技
術も広く適用されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 前記公報のドア構造
では、2本の管材からなる第1のインパクトバーをドア
本体の中段部にほぼ平行に水平姿勢に配設しているた
め、側面衝突に対するドア本体の中段部の剛性は高まる
ものの、ドア本体の上端部の剛性が不足しがちであり、
側面衝突の際ドア本体の上端部の車室側への変形量が大
きくなりやすいという問題がある。しかも、第1のイン
パクトバーの剛性が過大になりやすく、その場合には側
面衝突時における衝撃加速度が大きくなる。また、前記
公報のドア構造では、衝撃吸収部材を適用していない
が、インパクトバーの配置・構造と関連付けて衝撃吸収
部材の大きさ・配置を適切に設定することで、乗員に対
する衝撃を極力緩和することが望ましい。
【0004】他方、従来の自動車のドアにおいては、ウ
インドレギュレータのガラスガイドが1本であり、その
1本のガラスガイドがドア本体の前後方向ほぼ中央部に
ほぼ立て向きに配置されているだけであったので、ガラ
スガイドを側面衝突に対するドアの剛性アップや衝突エ
ネルギー吸収に有効に活用することは困難であった。本
発明の目的は、ドア本体の局部ではなく全体に亙る剛性
確保と乗員に対する衝撃緩和とを図り得る自動車のドア
構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】 請求項1の自動車のド
ア構造は、インナパネルとアウタパネルとで形成された
ドア本体の内部空間に上下に離間させて車体前後方向向
きに配設された2本のインパクトバーを備えた自動車の
ドア構造において、上側のインパクトバーはドア本体の
内部空間の上端部に設けられたレインフォースメントの
直下に配設され、下側のインパクトバーの大部分はドア
本体の高さ方向中段よりも下側に配設され、前記上側の
インパクトバーの剛性が下側のインパクトバーの剛性よ
りも低く設定されたものである。ここで、側面衝突時
に、レインフォースメント及び上側のインパクトバー
と、下側のインパクトバーとが均等に協働して衝撃を吸
収し、衝突荷重を分担するように構成することが望まし
い。
【0006】ドア本体の中段部はほぼバンパーのレベル
に相当するが、このドア本体の中段部は下側のインパク
トバーで防護され、ドア本体の上端部はレインフォース
メントと上側のインパクトバーとで防護される。そし
て、上側のインパクトバーの剛性を下側のインパクトバ
ーの剛性よりも低く設定し、上側のインパクトバーとレ
インフォースメントとでドア本体の上端部の剛性を確保
してあるので、側面衝突の際にドア本体の上端部が車室
側へ大きく変形することが無く、下側のインパクトバー
と上側のインパクトバーとレインフォースメントとでド
ア本体の全体に亙って変形を抑制し衝突エネルギー吸収
を図ることができる。また、ドア厚さ方向外側に位置す
る下側のインパクトバーの剛性が過大にならないように
設定すれば、側面衝突時の衝撃加速度を抑制することも
できる。
【0007】請求項2の自動車のドア構造は、請求項1
の発明において、上下のインパクトバーが共に円形断面
の管体で構成され、上側のインパクトバーが下側のイン
パクトバーよりも小径に構成されたことを特徴とするも
のである。両インパクトバーを夫々管体で構成するた
め、インパクトバーを小型・軽量化でき、インパクトバ
ーの配置の面で有利になり、種々の方向からの衝撃に対
して有効なものにすることができる。その他請求項1と
同様の作用を奏する。
【0008】請求項3の自動車のドア構造は、請求項2
の発明において、上下のインパクトバーの車体内方側に
は、夫々衝撃吸収部材が設けられ、下側の衝撃吸収部材
の上下幅は上側の衝撃吸収部材の上下幅よりも大きく設
定されたことを特徴とするものである。通常の衝突時に
下側のインパクトバーが分担する衝突荷重は、上側のイ
ンパクトバーとレインフォースメントが分担する衝突荷
重よりも大きいため、下側の衝撃吸収部材の上下幅を上
側のインパクトバーの上下幅よりも大きく設定すること
が望ましく、乗員の腰部付近の広い部分を保護する上で
も下側の衝撃吸収部材の上下幅を大きくすることが望ま
しい。その他請求項2と同様の作用を奏する。
【0009】請求項4の自動車のドア構造は、請求項3
の発明において、下側のインパクトバーと下側の衝撃吸
収部材の間に、衝撃吸収作用のある衝撃伝達部材を設け
たことを特徴とするものである。下側のインパクトバー
はアウタパネルの内側付近に設けられるし、これに対応
する衝撃吸収部材はインナパネルの内外両側付近に設け
られる関係上、下側のインパクトバーから衝撃吸収部材
までの距離が大きくなりやすい。そこで、下側のインパ
クトバーに入力される衝突荷重を衝撃伝達部材を介して
衝撃吸収部材に伝達することで、衝突後極力早期に乗員
に適度の衝突荷重を伝達して乗員の移動を開始させ衝衝
撃速度を緩和することができる。その他請求項3と同様
の作用を奏する。
【0010】請求項5の自動車のドア構造は、請求項1
〜4の何れか1項の発明において、前記ドア本体の内部
空間の後部に、ウインドレギュレータの1対のガラスガ
イド部材をほぼ立て向きに且つ前後に所定間隔空けて配
設したことを特徴とするものである。ドア本体の後部は
乗員の側部に対応しているが、1対のガラスガイド部材
によりドア本体の後部の剛性を高め、それらガラスガイ
ド部材の塑性変形を介して衝突エネルギー吸収性を高め
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。本実施形態は、自動車のう
ちのスポーツカーの運転席側のドアのドア構造に本発明
を適用した場合の一例であり、図1〜図3に示すよう
に、ドア1は、ドア本体2と、ドア本体2に対して昇降
駆動されるドアガラス3と、ドア本体2に固定されたド
アガラス4と、ドア本体2内に装備された装備品等を有
する。前記ドア本体2は、アウタパネル5と、このアウ
タパネル5との間に内部空間6を画定するインナパネル
7とを主体として構成され、アウタパネル5とインナパ
ネル7とは一体的に溶接接合されている。前記内部空間
6の上端部内にはアウタパネル5と協働して閉断面部を
形成するレインフォースメント8が設けられアウタパネ
ル5に一体的に溶接接合され、このレインフォースメン
ト8によりドア本体2の上端部の剛性が高められてい
る。
【0012】最初に、ドア本体2やその内部空間6等に
装備される装備品について説明すると、ドアガラス4の
後端部を固定するとともにドアガラス3の前端部を摺動
自在に係合させて案内するガラスガイド9が、ドア1の
前部に、ほぼ立て向き(上端側程後方へ移行する後方上
り急傾斜状)に設けられている。ドアガラス3を昇降す
る為のパワーウインドレギュレータのレギュレータ本体
11(尚、マニュアルウインドレギュレータの場合はレ
ギュレータ本体10)が内部空間6の前部の中段部に配
設されてインナパネル7に取付けられ、1対のガラスガ
イド12,13が、内部空間6の後部のうち車室内のシ
ートに着座した乗員の側方にほぼ対応する位置にほぼ立
て向き(上端側程後方へ移行する後方上り急傾斜状)に
且つ前後に所定間隔空けて配設され、これらガラスガイ
ド12,13はインナパネル7の外面にブラケット(図
示略)を介して強固に固着されている。
【0013】これらガラスガイド12,13の各々は、
断面ほぼC形のかなりの剛性のある成形部材であり、1
対のガラスガイド12,13で以てドア本体2の後部の
うちの乗員の側部に対応する部分を補強している。ドア
ガラス3の下端部に金具を介して取付けられた1対のロ
ーラ部材が1対のガラスガイド12,13内に転動自在
に装着され、ドアガラス3はレギュレータ本体11(又
は10)から延びガラスガイド12内に導入されたワイ
ヤに連結され、レギュレータ本体11(又は10)によ
り昇降駆動可能になっている。
【0014】ドア本体2内の内部空間6の前端部の下部
にはオーディオ用のスピーカ19がインナパネル7の開
口に臨むように組み込まれている。ドア本体2の前端部
には、上下1対のヒンジ金具14,15が固着され、こ
れらヒンジ金具14,15が車体のドア開口部の対応す
る部位にボルトにて固定される。ドア本体2の内部空間
6の後端部の中段やや下側部位には、ドア1の開閉の為
のフック部材であるラッチ16aとそのラッチ16aを
駆動するラッチ部16とが設けられており、ラッチ16
aが車体側のU形の連結金具に係脱自在に係合されてド
アが閉状態にロックされる。
【0015】図1〜図6に示すように、ドア本体2の内
部空間6の下半部には、車室内のシートに着座した乗員
の腰に対応する高さレベルとなるように第1インパクト
バー21が配設され、内部空間6の上端部にはベルトラ
インにほぼ対応する第2インパクトバー22が配設され
ている。第1インパクトバー21は鋼製の管材で構成さ
れており、この第1インパクトバー21は、アウタパネ
ル5の内側近傍の位置にドア本体2の前後幅のほぼ全幅
に亙って、ほぼ前後方向向きに且つ後方程低くなる後方
下がり傾斜状に配設され、第1インパクトバー21の前
端部はドア本体2の前端部の中段部にブラケット23を
介してインナパネル7に固着され、第1インパクトバー
21の後端部はドア本体2の後端部の下部のうちラッチ
部16よりも下側の部位にブラケット24を介してイン
ナパネル7に固着されている。このように、第1インパ
クトバー21はドア本体2の前端部と後端部とに亙って
架着されている。
【0016】第2インパクトバー22は鋼製の管材で構
成されており、この第2インパクトバー22は、ドア本
体2の内部空間6の上端部においてレインフォースメン
ト8の下側近傍部に前後方向向きに且つ水平姿勢に配設
され、第2インパクトバー22の前端部はドア本体2の
前端部の上端近傍部にブラケット25を介してインナパ
ネル7に固着されるとともにステー26を介してインナ
パネル7に固着され、第2インパクトバー22の後端部
はドア本体2の後端部の上端近傍部にブラケット27を
介してインナパネル7に固着されている。このように、
第2インパクトバー22はドア本体2の前端部と後端部
とに亙って架着されている。しかも、第2インパクトバ
ー22は、第1インパクトバー21よりも所定距離ドア
厚さ方向内側に配設されている。
【0017】第2インパクトバー22はドア本体2の上
端部の剛性を高める為のものであるが、レインフォース
メント8があるので、第2インパクトバー22の剛性は
第1インパクトバー21の剛性よりも低く設定してあ
り、そのため第1インパクトバー21を構成する管材の
肉厚は例えば3.5 mmであり、第2インパクトバー22
を構成する管材の肉厚は例えば1.8 mmであり、第2イ
ンパクトバー22は第1インパクトバー21よりも小径
に構成されている。
【0018】次に、側面衝突時に乗員を保護する為の衝
撃吸収部等について説明する。図1〜図3に示すよう
に、ドア本体2のインナパネル7よりも車室側(内側)
にはドアトリム17が設けられ、このドアトリム17の
中段部にはアームレスト18が形成されている。側面衝
突時に乗員に対する衝撃を緩和する為に、夫々、合成樹
脂発泡体製の第1衝撃吸収部材30と第2衝撃吸収部材
40と第3衝撃吸収部材50とが設けられている。
【0019】第1衝撃吸収部材30は、ドア本体2の後
部のうちの、車室内のシートに着座した乗員のほぼ肘に
対応する部位に配設されており、この第1衝撃吸収部材
30は、アウタパネル5の内面に当接した衝撃伝達ブロ
ック31と、インナパネル7の開口32に挿通してイン
ナパネル7に支持され且つ衝撃伝達ブロック31との間
にガラス通過隙間33を空けて対向する衝撃吸収ブロッ
ク34とからなり、衝撃伝達ブロック31の外側端部は
第1インパクトバー21よりもドア厚さ方向外側へ突出
しており、衝撃吸収ブロック34の内面はドアトリム1
7の外面近くに臨んでいる。衝撃伝達ブロック31はそ
の上端部に食い込ませた取付け板35とその下端部に食
い込ませた取付け板36とで支持され、上側の取付け板
35はドアノブ取付け具に固定され、下側の取付け板3
6は第1インパクトバー21に固定されている。尚、衝
撃伝達ブロック31は、衝撃吸収ブロック34よりも幾
分硬目の合成樹脂発泡体で構成してもよい。
【0020】第2吸収吸収部材40は、ドア本体2の後
部のうちの、車室内のシートに着座した乗員の腰部に対
応する部位に配設され、この第1衝撃吸収部40は、ア
ウタパネル5の内面側且つ第1インパクトバー21の内
側と下側付近に配設された衝撃伝達ブロック41(衝撃
伝達部材に相当する)と、インナパネル7の開口42を
挿通してインナパネル7に支持され且つ衝撃伝達ブロッ
ク41との間にガラス通過隙間43を空けて対向する衝
撃伝達ブロック44(衝撃伝達部材に相当する)と、こ
の衝撃伝達ブロック44の内面とドアトリム17間に配
設された衝撃吸収ブロック45(衝撃吸収部材に相当す
る)とからなり、衝撃伝達ブロック41は取付け金具4
6により第1インパクトバー21に支持されている。
尚、衝撃伝達ブロック41,44は、衝撃吸収ブロック
45よりも幾分硬目の合成樹脂発泡体で構成してもよ
い。
【0021】この第2衝撃吸収部材40のドア厚さ方向
の全厚は、第1衝撃吸収部材30のドア厚さ方向の全厚
よりも大きく設定されており、このガラス通過隙間43
は前記ガラス通過隙間33よりも大きく設定されてい
る。第3衝撃吸収部材50は、ドア本体2の後部のうち
の、車室内のシートに着座した乗員の肩付近に対応する
部位に配設されており、インナパネル7とドアトリム1
7との間に設けられ、第3衝撃吸収部材50の上下幅
は、第2衝撃吸収部材40の上下幅よりも小さく設定さ
れている。
【0022】次に、以上のドア構造の作用と効果につい
て説明する。第1インパクトバー21は側面衝突して来
る自動車のバンパーラインに対応するレベルにあるの
で、この第1インパクトバー21とその付近への衝突荷
重は、通常の場合、第2インパクトバー22とその付近
への衝突荷重よりも大きくなる。ここで、第1インパク
トバー21を仮に水平姿勢に配設した場合には、側面衝
突時に第1インパクトバー21のほぼ全長部分にほぼ一
様に衝突荷重が作用するため、第1インパクトバー21
があまり変形せず、塑性変形による衝突エネルギー吸収
性が低下し、衝撃加速度も大きくなる。しかし、第1イ
ンパクトバー21を後方下がり傾斜状に配設したので、
側面衝突時にその全長部分に一様に衝突荷重が作用しに
くくなるため塑性変形しやすく、衝突エネルギー吸収性
が高まり、乗員に作用する衝撃加速度も小さくなる。
【0023】第2インパクトバー22が、第1インパク
トバー21よりもドア厚さ方向内側に配設されているた
め、側面衝突時に、最初第1インパクトバー21に衝突
荷重が作用し、その後第2インパクトバー22に衝突荷
重が作用し、第1,第2インパクトバー21,22が僅
かの時間差をもって衝突荷重を受け止めることになるの
で、乗員に作用する衝撃加速度が著しく緩和されること
になる。しかも、アウタパネル5の上端部の内側にレイ
ンフォースメント8を設けて剛性を高め、その近傍部に
第2インパクトバー22を設けてあるので、ドア本体2
の上端部の剛性が著しく高められている。
【0024】ドア本体2の上端部の剛性が不十分の場合
には、側面衝突時に側面衝突の形態によってはドア本体
2の上端側部分が車室側へ大きく変形する可能性がある
が、ドア本体2の上端部の剛性を十分に高めてあるの
で、ドア本体2の側面衝突に対する剛性が全体として高
められ、乗員保護を強化することができる。第2インパ
クトバー22がドア本体2の上端付近に水平姿勢に設け
られているため、側面衝突時に第2インパクトバー22
の全長部分にほぼ一様に衝突荷重が作用する傾向が高く
なり、第2インパクトバー22の変形も抑制される。
【0025】第1,第2インパクトバー21,22を夫
々鋼製の管材で構成してあるので、小型・軽量化を図る
ことができ、機器配置(レイアウト)の面で有利となる
うえ、種々の方向からの衝突荷重に対して所期の剛性を
発揮させることができる。そして、第1インパクトバー
21を後方下がり傾斜状に配置したので、チッチ部16
を第1インパクトバー21の後端部と第2インパクトバ
ー22の後端部の間に配置することができるから、第1
インパクトバー21とラッチ部16との干渉を防止でき
る。
【0026】更に、乗員の側部に対応するように、かな
りの剛性のある1対のガラスガイド部材12,13を設
け、それらガラスガイド部材12,13の上下両端部を
インナパネル7に強固に固定したので、これらガラスガ
イド部材12,13によりドア本体2の後部の剛性を高
めて側面衝突時のドア本体2の変形を抑制することがで
き、側面衝突時にはこれらガラスガイド部材12,13
の塑性変形を介して衝突エネルギーを吸収することがで
きる。
【0027】第1,第2,第3衝撃吸収部材30,4
0,50は、一般にプッシャーと称されるものであり、
側面衝突発生時に極力早期に乗員を車室内方へ押して乗
員の移動を開始させることで衝撃加速度を緩和する作用
と、衝突エネルギーを吸収する作用と、乗員に作用する
衝撃を緩衝する作用とで乗員を保護する為のものであ
る。第1衝撃吸収部材30が第2衝撃吸収部材40より
も外側へ突出しており、ガラス通過隙間33がガラス通
過隙間43よりも小さいので、側面衝突時に第1衝撃吸
収部材30が最初に車室側へ押動され、次の瞬間には第
2衝撃吸収部材40が車室側へ押動され、第1衝撃吸収
部材30が乗員の肘部を車室内方へ押動させるのと殆ど
同時にあるいは僅かに遅れて第2衝撃吸収部材40が乗
員の腰部を車室内方へ押動させるとともに、第3衝撃吸
収部材50が乗員の肩付近を車室内方へ押動させる。
【0028】こうして、第1衝撃吸収部材30で乗員の
肘部を保護し、第2衝撃吸収部材40で乗員の腰部を保
護し、第3衝撃吸収部材50で乗員の肩付近を保護する
ことができる。但し、側面衝突の形態によっては前記と
は異なる挙動が発生することもある。ここで、仮に、第
2衝撃吸収部材40が第1衝撃吸収部材30よりも先に
乗員の腰部を車室内方へ押動させると、衝突時の慣性力
でもって、乗員の腰部よりも上の部分がドア側(外側)
へ倒されて乗員の頭部がドアガラス3等に2次衝突する
可能性がある。そこで、このドア構造においては、前記
の構成により第1衝突吸収部材30が第2衝突吸収部材
40に先行してまたは殆ど同時に乗員を押動させるよう
に工夫してあるので、側面衝突時における乗員の外側へ
の倒れを防止し、乗員の保護を強化することができる。
【0029】しかも、第1衝突吸収部材30が、インナ
パネル7の開口32を挿通する状態に設けてあるため、
インナパネル7が変形する前から第1衝突吸収部材30
が車室内方へ移動できるから、第1吸収部材30の作動
緩和機能が高まり衝撃吸収性が向上する。同様に、第2
衝撃吸収部材40がインナパネル7の開口42を挿通す
る状態に設けてあるため、インナパネル7が変形する前
から第2衝突吸収部材40が車室内方へ移動できるか
ら、第2衝撃吸収部材40の作動応答性が高まり衝撃緩
和機能が高まる。 そして、第2衝撃吸収部材40に
は、衝撃伝達ブロック41,44を設け、これらを介し
て第1インパクトバー21から作用する荷重を衝突吸収
ブロック45に伝達するように構成してあるので、第2
衝突吸収部材40の作動応答性を確保することができ
る。
【0030】第2衝撃吸収部材40の厚さを第1衝撃吸
収部材30の厚さよりも大きく設定してあるため、バン
パーラインから作用する大きな衝突荷重に対する十分な
衝突緩和機能を確保することができる。また、第2衝撃
吸収部材40の上下幅を第3衝撃吸収部材50の上下幅
よりも大きく設定してあるため、種々の方向からの衝突
荷重に対して乗員の腰部とその付近部を確実に保護する
ことができるうえ、第3衝撃吸収部材50を狭いスペー
スに配置することができる。また、第1衝撃吸収部材3
0により側面衝突時の早期の時点において、乗員の肘や
上肢の部位を確実に車室側へ押動させることができるの
で、側面衝突の形態にかかわらず、乗員とドアとの2次
衝突を確実に解消することができる。
【0031】次に、前記実施形態を部分的に変更した変
更形態について説明する。1〕図7、図8に示すよう
に、インナパネル7は、インナパネル本体7aとインナ
フロントパネル7bとを溶接接合して構成され、前記レ
インフォースメント8の代わりに、図示のようなレイン
フォースメント8Aが設けられ、このレインフォースメ
ント8Aの前端側部分には、第2インパクトバー22を
受容可能なフロント接合部8aとフランジ部8bとが形
成されてフランジ部8bがインナフロントパネル7bに
溶接接合されるとともに、第2インパクトバー22の前
端部がフロント接合部8aに溶接接合される。
【0032】レインフォースメント8Aの後端部にはフ
ランジ部8dが形成され、そのフランジ部8dに第2イ
ンパクトバー22を受容可能なリヤ接合部8cが形成さ
れ、フランジ部8dがアウタパネル5に溶接接合され且
つ第2インパクトバー22の後端部がリヤ接合部8cに
溶接接合される。このように構成すると、第2インパク
トバー22を固定する為のブラケットを省略して部材数
を節減て軽量化し、製作コスト的に有利になる。尚、レ
インフォースメント8Aの端部側以外の部分を適当間隔
おきにインナパネル7に接合してもよい。
【0033】2〕前記第1衝撃吸収部材30の衝撃吸収
ブロック34の内面がドアトリム17に達するように構
成してもよく、また、第2衝撃吸収部材40のブロック
44,45を一体品に構成してもよい。3〕本発明は、
スポーツカー以外の通常の自動車のドアにも同様に適用
可能であることは勿論であり、当業者であれば、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加した形態で
実施できることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、上側のイン
パクトバーをドア本体の内部空間の上端部に設けられた
レインフォースメントの直下に配設し、下側のインパク
トバーの大部分はドア本体の高さ方向中段よりも下側に
配設し、上側のインパクトバーの剛性を下側のインパク
トバーの剛性よりも低く設定するという簡単な構成によ
り、レインフォースメントと上側のインパクトバーによ
り、ドア本体の上端部の剛性を確保できるので、側面衝
突の際にドア本体の上端部が車室側へ大きく変形するこ
とが無く、下側のインパクトバーと上側のインパクトバ
ーとレインフォースメントとでドア本体の全体に亙って
変形を抑制し衝突エネルギー吸収を図ることができる。
また、ドア厚さ方向外側に位置する下側のインパクトバ
ーの剛性が過大にならないように設定すれば、側面衝突
時に乗員に作用する衝撃加速度を緩和することもでき
る。
【0035】請求項2の発明によれば、上下のインパク
トバーを共に円形断面の管体で構成し、上側のインパク
トバーを下側のインパクトバーよりも小径に構成するこ
とにより、インパクトバーを小型・軽量化でき、インパ
クトバーの配置の面で有利になり、種々の方向からの衝
撃に対して有効なものにすることができる。その他請求
項1と同様の効果を奏する。
【0036】請求項3の発明によれば、上下のインパク
トバーの車体内方側に夫々衝撃吸収部材を設け、下側の
衝撃吸収部材の上下幅を上側の衝撃吸収部材の上下幅よ
りも大きく設定することにより、通常の衝突時に下側の
インパクトバーが分担する大きな衝突荷重に対処するこ
とができ、種々の方向からの衝突荷重に対して乗員の腰
部付近の広い部分を保護する上でも有利である。その他
請求項2と同様の効果を奏する。
【0037】請求項4の発明によれば、下側のインパク
トバーと下側の衝撃吸収部材の間に、衝撃吸収作用のあ
る衝撃伝達部材を設けたことにより、下側のインパクト
バーに入力される衝突荷重を衝撃伝達部材を介して衝突
吸収部材に伝達することで、衝突後極力早期に乗員に衝
突荷重を伝達して乗員の移動を開始させ衝撃加速度を緩
和することができる。その他請求項3と同様の効果を奏
する。
【0038】請求項5の発明によれば、ドア本体の内部
空間の後部に、ウインドレギュレータの1対のガラスガ
イド部材をほぼ立て向きに且つ前後に所定間隔空けて配
設したことにより、1対のガラスガイド部材でもって乗
員の側部に対応するドア本体の後部の剛性を高め、それ
らガラスガイド部材の塑性変形を介して衝突エネルギー
吸収性を高めることができる。その他請求項1〜4の何
れか1項と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のドア(ドアトリム除去状
態)の側面図である。
【図2】前記ドア(インナパネル除去状態)の側面図で
ある。
【図3】前記ドアの縦断面図である。
【図4】前記ドアの第1インパクトバーの前端部の固定
構造を示す要部横断面図である。
【図5】前記ドアの第1インパクトバー後端部の固定構
造を示す要部横断面図である。
【図6】前記ドアの第2インパクトバーの前端部の固定
構造を示す要部横断面図である。
【図7】変更形態に係る図6相当図である。
【図8】図7の第2インパクトバーとレインフォースメ
ントの斜視図である。
【符号の説明】
1 ドア 2 ドア本体 5 アウタパネル 7 インナパネル 7a インナパネル本体 7b インナフロントパネル 8,8A レインフォースメント 12,13 ガラスガイド部材 16 ラッチ部 21 第1インパクトバー 22 第2インパクトバー 30 第1衝撃吸収部材 33 ガラス通過隙間 40 第2衝撃吸収部材 43 ガラス通過隙間 50 第3衝撃吸収部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児玉 宏明 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナパネルとアウタパネルとで形成さ
    れたドア本体の内部空間に上下方向に離間させて車体前
    後方向向きに配設された2本のインパクトバーを備えた
    自動車のドア構造において、 上側のインパクトバーはドア本体の内部空間の上端部に
    設けられたレインフォースメントの直下に配設され、下
    側のインパクトバーの大部分はドア本体の高さ方向中段
    よりも下側に配設され、 前記上側のインパクトバーの剛性が下側のインパクトバ
    ーの剛性よりも低く設定されたことを特徴とする自動車
    のドア構造。
  2. 【請求項2】 上下のインパクトバーが共に円形断面の
    管体で構成され、上側のインパクトバーが下側のインパ
    クトバーよりも小径に構成されたことを特徴とする請求
    項1に記載の自動車のドア構造。
  3. 【請求項3】 上下のインパクトバーの車体内方側に
    は、夫々衝撃吸収部材が設けられ、下側の衝撃吸収部材
    の上下幅は上側の衝撃吸収部材の上下幅よりも大きく設
    定されたことを特徴とする請求項2に記載の自動車のド
    ア構造。
  4. 【請求項4】 下側のインパクトバーと下側の衝撃吸収
    部材の間に、衝撃吸収作用のある衝撃伝達部材を設けた
    ことを特徴とする請求項3に記載の自動車のドア構造。
  5. 【請求項5】 前記ドア本体の内部空間の後部に、ウイ
    ンドレギュレータの1対のガラスガイド部材をほぼ立て
    向きに且つ前後に所定間隔空けて配設したことを特徴と
    する請求項1〜4の何れか1項に記載の自動車のドア構
    造。
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