JPH10251480A - 熱可塑性エラストマー組成物の製造法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物の製造法

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JPH10251480A
JPH10251480A JP7670697A JP7670697A JPH10251480A JP H10251480 A JPH10251480 A JP H10251480A JP 7670697 A JP7670697 A JP 7670697A JP 7670697 A JP7670697 A JP 7670697A JP H10251480 A JPH10251480 A JP H10251480A
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道久 田坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性に富み、耐熱変形性、機械的強度及び
成形加工性に優れた熱可塑性エラストマー組成物の製造
法を提供する。 【解決手段】 (a)ビニル芳香族化合物から作られる
重合体ブロックと、共役ジエン化合物から作られる重合
体ブロックとからなるブロック共重合体、及び/又はこ
れを水素添加して得られるブロック共重合体、(b)非
芳香族系のゴム用軟化剤、(c)シングルサイト触媒で
重合された、ポリエチレン又はエチレン共重合体、
(d)ポリプロピレン又はプロピレン共重合体、及び
(e)無機充填剤を混練して熱可塑性エラストマー組成
物を製造する方法であって、(a)、(b)、(d)及
び(e)の全量と(c)の一部分とを予め混練し、その
後又は同時に有機パーオキシドと混練し、次に(c)の
残部を混練する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム的な材料であって、加硫工程
を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有す
る熱可塑性エラストマーが、自動車部品、家電部品、電
線被覆、履物、雑貨等の分野で注目されている。
【0003】このような熱可塑性エラストマーとして、
現在、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステ
ル系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系等の種々の形
式のポリマーが開発され、市販されている。
【0004】これらのうちで、スチレン・ブタジエン‐
ブロックポリマー(SBS)、スチレン・イソプレン‐
ブロックポリマー(SIB)等のポリスチレン系熱可塑
性エラストマー及びこれらの水素添加物は、柔軟性に富
み、常温で良好なゴム弾性を有し、かつ、これらより得
られる熱可塑性エラストマー組成物は加工性に優れてい
る。
【0005】しかし、これらのブロック共重合体組成物
は高温時、特に100℃における圧縮永久歪みが不十分
であるばかりか、特に80℃以上における引張特性が著
しく悪化しており、従来の加硫ゴムの用途で要求されて
いる性能レベルに到達していないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、柔軟性に富
み、耐熱変形性、機械的強度及び成形加工性に優れた熱
可塑性エラストマー組成物の製造法を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々の検討を行った。その結果、有機パー
オキシドがポリエチレンの架橋及びポリプロピレンの分
子切断に作用するラジカルを発生すること、とりわけポ
リプロピレンの分子切断により大きく作用して、得られ
るエラストマー組成物の物性低下を招くことに着眼し、
有機パーオキシドの存在下における溶融混練に際して、
下記のように溶融時の流動性を増大せしめるために必要
な最小量のポリプロピレンを添加すると共に適切な分散
性が得られるポリエチレン量を採用すると、ポリエチレ
ンの架橋とゴム成分の分散を促進せしめることができ優
れた特性を有する熱可塑性エラストマー組成物を製造し
得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1)(a)ビニル芳香
族化合物から主として作られる少なくとも2つの重合体
ブロックAと、共役ジエン化合物から主として作られる
少なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブロック
共重合体、及び/又は、これを水素添加して得られるブ
ロック共重合体 100重量部、(b)非芳香族系のゴ
ム用軟化剤 40〜240重量部、(c)シングルサイ
ト触媒にて重合された、ポリエチレン又はエチレンを主
体とする共重合体 5〜300重量部、(d)ポリプロ
ピレン又はプロピレンを主体とする共重合体 5〜60
重量部、及び(e)無機充填剤 0〜100重量部を溶
融混練して熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法
であって、(I)成分(a)、(b)、(d)及び
(e)の全量と成分(c)の一部分とを予め溶融混練
し、その後又は同時に(f)有機パーオキシドと溶融混
練し、次いで、(II)得られた溶融混練後の生成物と成
分(c)の残部とを溶融混練することを特徴とする方法
である。
【0009】好ましい態様として、(2)工程(I)と
(II)において使用する成分(c)の重量比が、90:
10〜10:90である上記(1)記載の製造法、
(3)成分(f)を、成分(a)〜(d)の合計100
重量部に対して0.1〜1.5重量部用いる上記(1)
又は(2)記載の製造法、(4)成分(f)と共に、更
に(g)架橋助剤を(a)〜(d)の合計100重量部
に対して0.1〜3.5重量部用いて工程(I)を行う
上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の製造法、
(5)(h)酸化防止剤を、(a)〜(d)の合計10
0重量部に対して3.0重量部以下用いて工程(I)を
行う上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の製造
法、(6)工程(II)において、更に成分(d)を加え
て溶融混練する上記(1)〜(5)のいずれか一つに記
載の製造法を挙げることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
成分(a) ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物から主として
作られる少なくとも2つの重合体ブロックAと、共役ジ
エン化合物から主として作られる少なくとも1つの重合
体ブロックBとからなるブロック共重合体、及び/又は
これを水素添加して得られるものである。例えば、A‐
B‐A、B‐A‐B‐A、A‐B‐A‐B‐Aなどの構
造を有するビニル芳香族化合物‐共役ジエン化合物ブロ
ック共重合体あるいは、これを水素添加して得られるも
のである。このブロック共重合体は全体として、ビニル
芳香族化合物を好ましくは5〜60重量%、特に好まし
くは20〜50重量%含む。ビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックAは、好ましくは50重量%以
上、特に好ましくは70重量%以上のビニル芳香族化合
物、及び任意的成分たとえば共役ジエン化合物から作ら
れたホモ重合体又は共重合体ブロックである。共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックBは、好ましくは
50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上の共役
ジエン化合物、および任意的成分例えばビニル芳香族化
合物から作られたホモ重合体又は共重合体ブロックであ
る。また、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重
合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体
ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化合物又は
ビニル芳香族化合物由来の単位の分布がランダム、テー
パード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少す
るもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組合せで
なっていてもよい。ビニル芳香族化合物を主体とする重
合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合には、各重合
体ブロックはそれぞれが同一構造であっても異なる構造
であってもよい。
【0011】ブロック共重合体を構成するビニル芳香族
化合物としては、例えばスチレン、α‐メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p‐第3ブチルスチレンなどのう
ちから1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレン
が好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種
又は2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレ
ン及びこれらの組合せが好ましい。
【0012】共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBにおいて、そのミクロ構造を任意に選ぶことがで
き、例えばポリブタジエンブロックにおいては、1,2
−ミクロ構造が好ましくは20〜50重量%、特に好ま
しくは25〜45%である。ポリイソプレンブロックに
おいてはイソプレンの好ましくは70〜100重量%が
1,4‐ミクロ構造を有し、かつイソプレンに由来する
脂肪族二重結合の好ましくは少なくとも90%が水素添
加されたものが好ましい。
【0013】ブロック共重合体の数平均分子量は、好ま
しくは5,000〜1,500,000、より好ましく
は、10,000〜550,000、更に好ましくは1
00,000〜400,000の範囲であり、分子量分
布は10以下である。
【0014】ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、
分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれ
であってもよい。
【0015】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法と
しては、例えば特公昭40−23798号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒又はチーグラー型触媒を
用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることがで
きる。水素添加する方法も公知である。
【0016】成分(b) 非芳香族系のゴム用軟化剤としては、非芳香族系の鉱物
油又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が挙げられ
る。一般にゴム用鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン
環及びパラフィン鎖が組合った混合物であって、一般
に、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占め
るものをパラフィン系、ナフテン環炭素数が30〜40
%を占めるものをナフテン系、芳香族炭素数が30%以
上を占めるものを芳香族系と呼び区別されている。本発
明の成分(b)として用いられるゴム用鉱物油軟化剤
は、上記のパラフィン系及びナフテン系が好ましい。芳
香族系の軟化剤は、成分(a)との関係で分散性が悪く
好ましくない。成分(b)として、パラフィン系の鉱物
油軟化剤が特に好ましく、パラフィン系のなかでも芳香
族環成分の少ないものが特に適している。
【0017】該非芳香族系のゴム用軟化剤は、37.8
℃における動的粘度が好ましくは20〜500cst、
流動点が好ましくは−10〜−15℃、引火点(CO
C)が好ましくは170〜300℃を示す。
【0018】成分(b)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、上限が240重量部、好ましくは18
0重量部であり、下限が40重量部、好ましくは80重
量部である。上記上限を超えると、軟化剤のブリードア
ウトを生じ易く、最終製品に粘着性を与えるおそれがあ
り、機械的性質も低下する。上記下限未満では、実用的
には差支えないが、製造時に混練機の負荷が大きくな
り、剪断発熱による分子切断が生じる。また、得られる
組成物の柔軟性が損なわれる。。
【0019】成分(c) ポリエチレン又はエチレンを主体とするオレフィン系重
合体としては、高密度ポリエチレン(低圧法ポリエチレ
ン)、低密度ポリエチレンン(高圧法ポリエチレン)、
線状低密度ポリエチレン(エチレンと少量の好ましくは
1〜10モル%のブテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1などのα−オレフィンとのコポリマー)などのポリ
エチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン
−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エステ
ルコポリマーなどの中から選ばれた1種又は2種以上が
好ましく用いられる。特に好ましいのはメタロセン触媒
(シングルサイト触媒)を用いて製造された、密度0.
90g/cm3 以下のエチレン・オクテン・コポリマー
又は密度0.90g/cm3 以上のエチレン・ヘキセン
・コポリマーである。これらのTmが100℃以下のも
のは、遅くとも架橋時までに添加して架橋することが必
要である。該架橋によりTmがなくなりオクテンの融解
が生じなくなる。架橋後に添加を行うと、30〜60℃
のオクテンの融解が残存し、耐熱性が低下する。
【0020】例えば、特開昭61−296008号公報
に記載された方法に従い、支持体及び周期律表の4b
族、5b族並びに6b族の金属の少なくとも1つを含む
メタロセンとアルモキサンとの反応生成物で構成され、
当該反応生成物が支持体の存在のもとで形成される事を
特徴とするオレフィン重合体触媒によって重合されたオ
レフィン系重合体が挙げられる。
【0021】特開平3−163008号公報に記載され
た、元素の周期律表の3族(スカンジウム以外)、4〜
10族又はランタナイド系列の金属、及び拘束誘起部分
で置換された脱局在化π結合部分を含む金属配位錯体で
あって、該錯体が該金属原子のまわりに拘束幾何形状を
持っていて該局在化置換π結合部分の中心と少なくとも
1つの残存置換分の中心との間の金属角度が該拘束誘起
置換分が水素によって置換されていることのみ異なる比
較錯体中のこのような角度により小さく、そして更に1
つ以上の脱局在化置換π結合部分を含むそのような錯体
について錯体のそれぞれに金属原子ごとにその1つのみ
が環状の脱局在化置換π結合部分であることを特徴とす
る金属配位錯体より重合されたオレフィン系重合体が挙
げられる。
【0022】成分(c)は好ましくは、温度190℃、
荷重2.16kgにおけるMFRが好ましくは0.1〜
10.0g/10分、より好ましくは0.3〜5.0g
/10分である。成分(c)の配合量は、成分(a)1
00重量部に対して、上限が300重量部、好ましくは
250重量部であり、下限が5重量部である。下限未満
では効果がなく、上限を越えると、得られるエラストマ
ー組成物の柔軟性が失われ、ゴム用軟化剤(b)のブリ
ードアウトが生じ易くなる。
【0023】成分(d) ポリプロピレン又はプロピレンを主体とする共重合体
は、得られる組成物のゴム分散を良好にし、かつ成形品
の外観を良好にする効果を有するものである。該成分
は、パーオキシドの存在下に加熱処理することによって
熱分解して分子量を減じ、溶融時の流動性が増大するオ
レフィン系の重合体又は共重合体(パーオキシド分解型
オレフィン系樹脂)であり、例えば、アイソタクチック
ポリプロピレンやプロピレンと他のα‐オレフィン例え
ばエチレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン、4‐メチル‐
1‐ペンテンなどとの共重合体を挙げることができる。
【0024】ホモ部分のDSC測定による結晶化度は好
ましくはTmが150℃〜167℃、△Hmが25mJ
/mg〜83mJ/mgの範囲のものである。結晶化度
はDSC測定のTm、△Hmから推定することができ
る。上記の範囲外では、得られるエラストマー組成物の
100℃以上におけるゴム弾性が改良されない。
【0025】成分(d)のMFR(ASTM D‐12
38、L条件、230℃)は、好ましくは0.1〜50
g/10分、更に好ましくは0.5〜20g/10分で
ある。上記下限未満では、得られるエラストマー組成物
の成形性が低下し、上記上限を超えては、得られるエラ
ストマー組成物のゴム弾性が悪化する。
【0026】成分(d)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、上限が60重量部、好ましくは30重
量部であり、下限が5重量部、好ましくは10重量部で
ある。下限未満では、得られるエラストマー組成物の成
形性が悪化し、上限を超えた場合は、得られるエラスト
マー組成物の硬度が高くなり過ぎ柔軟性が失われてゴム
的感触の製品が得られないばかりか、ブリードアウトが
認められる。
【0027】また、該成分(d)は、有機パーオキシド
の存在下での溶融混練後において、組成物の硬度の調
整、あるいは成形性の調整例えば外観や収縮率の調整の
ために更に混練することもできる。この際、成分(d)
のMFR(ASTM D‐1238、L条件、230
℃)は、好ましくは0.1〜200g/10分、更に好
ましくは0.5〜60g/10分である。該範囲外で
は、上記と同一の弊害を生じるため好ましくない。この
際の配合量は、成分(a)100重量部に対して、上限
が好ましくは50重量部、特に好ましくは20重量部で
あり、下限が好ましくは5重量部、特に好ましくは10
重量部である。下限未満では、得られるエラストマー組
成物の成形性の調整が十分とは言えず、上限を超えた場
合は、得られるエラストマー組成物の硬度が高くなり過
ぎ柔軟性が失われてゴム的感触の製品が得られない。
【0028】成分(e) 必要に応じて、無機充填剤を配合することができる。無
機充填剤は成形品の圧縮永久歪みなど一部の物性を改良
する効果のほかに、増量による経済上の利点を有する。
用いられる無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タル
ク、水酸化マグネシウム、マイカ、クレー、硫酸バリウ
ム、天然けい酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)、酸
化チタン、カーボンブラックなどがある。これらのう
ち、炭酸カルシウム、タルクが特に好ましい。配合量は
成分(a)100重量部に対して、100重量部までで
ある。100重量部を越えると、得られるエラストマー
組成物の機械的強度の低下が著しく、かつ、硬度が高く
なって柔軟性が失われ、ゴム的な感触の製品が得られな
くなる。
【0029】成分(f) 有機パーオキシドは、成分(c)の架橋を促進せしめる
と共に、成分(d)の分子切断を促進して溶融混練時の
組成物の流動性を増大せしめてゴム成分の分散を良好に
せしめるものである。該成分としては、例えば、ジクミ
ルパーオキシド、ジ‐tert‐ブチルパーオキシド、
2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐
(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、1,3
‐ビス(tert‐ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)
‐3、3,5‐トリメチルシクロヘキサン、n‐ブチル
‐4,4‐ビス(tert‐ブチルパーオキシ)バレレ
ート、ベンゾイルパーオキシド、p‐クロロベンゾイル
パーオキシド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキシ
ド、tert‐ブチルパーオキシベンゾエート、ter
t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジア
セチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ter
t‐ブチルクミルパーオキシド等を挙げることができ
る。これらのうちで、臭気性、着色性、スコーチ安全性
の観点から、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(ter
t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐
2,5‐ジ‐(tert‐ブチルパーオキシ)ヘキシン
‐3が特に好ましい。
【0030】成分(f)の配合量は、上記の成分(a)
〜(e)の配合割合、特に得られる熱可塑性エラストマ
ーの品質を考慮して決定されるが、上記の成分(a)〜
(d)の合計100重量部に対して、上限が好ましくは
1.5重量部、特に好ましくは1.0重量部であり、下
限が好ましくは0.1重量部である。上記上限を超えて
は、成形性が悪くなり、上記下限未満では、架橋を十分
達成できず、得られるエラストマーの耐熱性、機械的強
度が低い。
【0031】成分(g) 成分(g)架橋助剤は、本発明のエラストマー組成物の
製造法において、上記の(f)有機パーオキシドによる
架橋処理に際して配合することができ、これにより均一
かつ効率的な架橋反応を行うことができる。(g)架橋
助剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、トリアリル
シアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタ
クリレートモノマー、ビニルブチラート又はビニルステ
アレートのような多官能性ビニルモノマーを配合するこ
とができる。上記の架橋助剤のうち、トリエチレングリ
コールジメタクリレートが特に好ましく、該化合物は、
取扱いが容易であると共に、組成物中の主成分である
(c)への相溶性が良好であり、かつパーオキシド可溶
化作用を有し、パーオキシドの分散助剤として働くた
め、熱処理による架橋が均一かつ効果的になされ、硬さ
とゴム弾性のバランスのとれた熱可塑性エラストマーが
得られうる。該架橋助剤の配合量も、上記の成分(a)
〜(e)の配合割合、特に得られる熱可塑性エラストマ
ーの品質を考慮して決定されるが、上記の成分(a)〜
(d)の合計100重量部に対して、上限が3.5重量
部、好ましくは2.5重量部であり、下限が0.1重量
部である。上記上限を超えては、自己重合性により架橋
の度合が低下して効果が得られなくなり、上記下限未満
では、該物質の効果を十分達成できない。
【0032】なお、本発明の組成物は上記の成分のほか
に用途に応じて、各種のブロッキング防止剤、シール性
改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、滑剤、結晶核剤、着色剤、難燃剤等を含有すること
も可能である。ここで、酸化防止剤としては、例えば、
2,6‐ジ‐tert‐p‐ブチル‐p‐クレゾール、
2,6‐ジ‐tert‐ブチルフェノール、2,4‐ジ
メチル‐6‐tert‐ブチルフェノール、4,4‐ジ
ヒドロキシジフェニル、トリス(2‐メチル‐4‐ヒド
ロキシ‐5‐tert‐ブチルフェニル)ブタンなどの
フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、
チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。このうちフ
ェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤が特
に好ましい。酸化防止剤は、上記の成分(a)〜(d)
の合計100重量部に対して、上限が3.0重量部、好
ましくは1.0重量部である。
【0033】本発明のエラストマー組成物の製造法は、
(I)成分(a)、(b)、(d)及び(e)の全量と
成分(c)の一部分とを予め溶融混練し、その後又は同
時に(f)有機パーオキシドと溶融混練し、次いで、
(II)得られた溶融混練後の生成物と成分(c)の残部
とを溶融混練する方法である。
【0034】該方法において、成分(c)は工程(I)
と(II)とに分けられて溶融混練される。その分配比率
は、重量比で好ましくは90:10〜10:90、特に
好ましくは50:50〜20:80である。工程(I)
において溶融混練する量が多すぎると、架橋が進み過ぎ
ることにより製造時の混練機の負荷が大きくなり、剪断
発熱による分子切断が生じ、また、(c)の分散性が悪
化して得られるエラストマー組成物の特性に悪影響を及
ぼす。少なすぎれば適切な架橋が得られないので好まし
くない。
【0035】上記の成分(g)架橋助剤を使用するに際
しては、好ましくは成分(f)有機パーオキシドと共に
工程(I)において溶融混練される。これにより上記効
果を達成し得るのである。
【0036】次に、本発明の製造法の一実施態様を記載
する。例えば、まず、成分(a)、(b)、(d)及び
(e)の全量と成分(c)の一部分に、所望により、酸
化防止剤、光安定剤、顔料、難燃剤、滑剤等を加えて溶
融混練する。溶融混練の方法に特に制限はなく、通常公
知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押出
機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー等
を使用し得る。ここで、溶融混練の温度は、好ましくは
160〜180℃である。該溶融混練により得られた生
成物に、次いで、成分(f)及び好ましくは成分(g)
を加えて溶融混練する。これにより成分(c)の部分架
橋を達成し得る。該溶融混練は、例えば、一般に二軸押
出機、バンバリーミキサー等により実施される。続い
て、該溶融混練により得られた生成物に、成分(c)の
残部及び所望により成分(d)を更に加えて溶融混練を
行う。架橋のための溶融混練の温度は、好ましくは18
0〜240℃、特に好ましくは180〜220℃であ
る。該溶融混練には、例えば、単軸押出機、二軸押出
機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー等
を使用し得る。例えば、L/Dが47以上の二軸押出
機、バンバリーミキサーを用いることにより、上記操作
を連続して行うこともできる。
【0037】以下、実施例及び比較例により本発明を更
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0038】
【実施例】実施例及び比較例において用いた評価方法は
次の通りである。 1)硬さ JIS K 7215に準拠し、試験片は
6.3mm厚プレスシートを用いた。 2)引張強さ JIS K 6301に準拠し、試験片
は1mm厚プレスシートを、ダンベルで3号型に打抜い
て使用した。試験温度は室温(23℃)、60℃、80
℃とし、引張速度は500mm/分とした。 3)引張伸び JIS K 6301に準拠し、試験片
は1mm厚プレスシートを、ダンベルで3号型に打抜い
て使用した。引張速度は500mm/分とした。 4)100%伸び応力 JIS K 6301に準拠
し、試験片は1mm厚プレスシートを、ダンベルで3号
型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分とし
た。 5)反発弾性 BS903に準拠し、試験片は4mm厚
プレスシートを使用した。 6)圧縮永久歪み JIS K 6262に準拠し、試
験片は6.3mm厚プレスシートを使用した。100℃
×70時間、25%変形の条件にて測定した。 7)引裂強度 JIS K 6301に準拠し、試験片
は2.5mm厚プレスシートを、ダンベルでB型に打抜
いて使用した。引張速度は500mm/分とした。 8)耐油性 JIS K 6301に準拠し、試験片は
1mm厚プレスシートを、ダンベルで3号型に打抜いて
使用した。ASTM2号油を使用し、100℃×24時
間の引張強さ残率、伸び残率を測定した。引張速度は5
00mm/分とした。 9)成形性 型締め圧120トンの射出成形機で、1
2.5×13.5×1mmのシートを下記の条件で成形
した。
【0039】 成形温度 220℃ 金型温度 40℃ 射出速度 55mm/秒 射出圧力 1400kg/cm2 保圧圧力 400kg/cm2 射出時間 6秒 冷却時間 45秒 デラミネーション、変形及び著しく外観を悪化させるよ
うなフローマークの有無により評価した。
【0040】 ○:良い ×:悪い 10)ブリードアウト性 上記成形品を100℃×22時間の環境下で50%圧縮
した後、目視による低分子量物のブリード及びブルーミ
ングの有無、更に触感によるベトツキの有無により評価
した。
【0041】 ○:良い ×:悪い 11)DSC測定 上記成形品から約20mgを切り出しDSC測定用サン
プルとした。DSC220C(SII、セイコー電子工
業株式会社製)を用いて、−50℃〜200℃の範囲を
10℃/分でDSC測定を行い、ガラス転移点(T
1 )、融点(Tm1 、Tm 2 )、結晶化温度(Tc
1 、Tc 2 )を求めた。ここで、Tm 1 、Tc 1 は、ポ
リエチレンに起因するものであり、Tm 2 、Tc 2 は、
ポリプロピレンに起因するものである。 12)光沢 上記成形品をJIS Z 8741に準拠して光沢を測
定した。数値が大きいほど表面が滑らかであることを示
し、数値が小さいほど表面が荒れていることを示す。
【0042】実施例及び比較例において用いた各成分は
下記の通りである。 成分(a):水添ブロック共重合体 クラレ株式会社製 セプトン 4077(商標) スチレン含有量:30重量% イソプレン含有量:70重量% 数平均分子量:260,000 重量平均分子量:320,000 分子量分布:1.23 水素添加率:90%以上 成分(b):ゴム用軟化剤 出光興産株式会社製 ダイアナプロセスオイル PW‐
90(商標) 重量平均分子量:539 パラフィン系炭素数:71% ナフテン系炭素数:29% 成分(c): (c‐1)エチレン‐オクテン共重合体 ダウ・ケミカル日本株式会社製 エンゲージ EG81
50(商標) 密度:0.868g/cm3 、メルトインデックス(1
90℃、荷重2.16kg):0.5g/10分 (c‐2)エチレン‐ヘキセン共重合体 三井石油化学工業株式会社製 SP2520(商標) 密度:0.928g/cm3 、メルトインデックス(1
90℃、荷重2.16kg):1.7g/10分 (c‐3)ポリエチレン(成分(c)の比較用であり、
シングルサイト触媒にて重合されたものではない通常の
ポリエチレンである。) 出光石油化学株式会社製 V‐0398CN(商標) 密度:0.907g/cm3 、メルトインデックス(1
90℃、荷重2.16kg):3.3g/10分 成分(d):プロピレンホモ重合体 三井石油化学工業株式会社製 PP CJ700(商
標) 結晶化度:Tm 166℃、△Hm 82mJ/mg 成分(e):無機充填剤 炭酸カルシウム、三共精粉株式会社製 RS400(商
標) 成分(f):有機パーオキシド 化薬アクゾ株式会社製 カヤヘキサAD(商標) その他の成分 (g)架橋助剤:新中村化学株式会社製 NKエステル
3G(商標) (h)酸化防止剤:日本チバガイギー株式会社製 Ir
ganox B220(商標)
【0043】
【実施例1〜5及び比較例1〜10】表1及び3に示す
量(重量部)の各成分を使用した。まず、成分(a)、
(b)、(d)、(e)及び(h)の全量と成分(c)
の一部分(表1及び3中の「+」記号の前に記載した
量)をL/Dが62.5の二軸押出機に一括投入して混
練温度180〜240℃、スクリュー回転数350rp
mで溶融混練を開始した。次に、成分(f)及び(g)
の全量をサイドフィードして溶融混練を継続した。続い
て、成分(c)の残部(表1及び3中の「+」記号の後
に記載した量)をサイドフィードして溶融混練して、ペ
レット化した。得たペレットを所定の型枠に入れ、22
0℃、50kg/cm2 の条件でプレスして、上記評価
方法(1)〜 (8)用の夫々のシートを作った。評価
方法(9)〜(11)については、上記のようにして得
たペレットを評価方法(9)に記載した条件で射出成形
して夫々の試験に供した。
【0044】結果は表2及び4に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】 実施例1は、本発明の方法により製造した樹脂組成物で
あり、一方、比較例1は、実施例1と同一条件下、成分
(f)及び(g)を添加しなかったものである。比較例
1では、耐油性が著しく低いことが分かった。また、D
SCの測定結果から、実施例1において、ポリエチレン
の融解温度(Tm 1 )が低下し、ポリプロピレンの融解
(Tm 2 )は消失した。ポリエチレン、ポリプロピレン
の結晶化温度(Tc 1 、Tc 2 )はわずかではあるが低
下した。これより実施例1では、ポリエチレンとポリプ
ロピレンとの間に何等かの相互作用が生じ、部分相溶に
近い状態が生じているものと考えられる。また、ガラス
転移点(Tg1 )は、実施例1において上昇し、また顕
著となった。これは、本発明の方法によりポリエチレン
の結晶‐非結晶の相分離が顕著になったためであると考
えられる。
【0049】実施例2〜4は、成分(c)の配合量を変
えたものである。いずれも良好な特性値を示した。また
該配合量を増加すると各特性値はより良好になることが
分かった。実施例5は、成分(e)を含まないものであ
る。同様に良好な特性値を示した。
【0050】一方、比較例2は、成分(b)の添加量を
本発明の範囲未満にしたものである。引張伸びが非常に
小さく、また、成形性が悪かった。比較例3は、成分
(b)の添加量が本発明の範囲を超えたものである。引
張伸びが非常に小さく、ブリードアウトが顕著であっ
た。比較例4は、成分(c)の添加量が本発明の範囲未
満であり、かつ前段の混練において一括して配合したも
のである。引張伸びが非常に小さく、また、成形性が悪
かった。比較例5は、成分(c)の添加量が本発明の範
囲を超えたものである。ブリードアウト性が悪かった。
比較例6は、成分(d)を配合しなかったものである。
引張伸びが著しく小さく、また、成形性が悪かった。比
較例7は、成分(d)の添加量が本発明の範囲を超えた
ものである。引張伸びが小さく、ブリードアウト性が悪
かった。比較例8は、成分(e)の添加量が本発明の範
囲を超えたものである。引張伸び、引裂強さ、反発弾性
率、耐油性が悪く、また、成形性も悪かった。比較例9
は、実施例1と同一配合比において、全成分を一括して
溶融混練したものである。実施例1と比べて、引張強
さ、引張伸びが低い。また、硬度も高くなり柔軟性が低
下することも分かった。比較例10は、実施例1の成分
(c)に代えて、シングルサイト触媒にて重合されたも
のでない通常のポリエチレンを用いたものである。実施
例1と比べて、引張伸びが低く、硬度も高くなり柔軟性
が低下することも分かった。また、光沢が著しく低下し
て、成形品表面の光沢性が著しく悪くなることも分かっ
た。これは、実施例1に比べて、樹脂の分散性が悪いこ
とが原因であると考えられる。
【0051】
【発明の効果】本発明は、柔軟性に富み、耐熱変形性、
機械的強度及び成形加工性に優れた熱可塑性エラストマ
ー組成物の製造法を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/04 C08L 23/04 23/10 23/10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ビニル芳香族化合物から主として作
    られる少なくとも2つの重合体ブロックAと、共役ジエ
    ン化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体
    ブロックBとからなるブロック共重合体、及び/又は、
    これを水素添加して得られるブロック共重合体 100
    重量部、(b)非芳香族系のゴム用軟化剤 40〜24
    0重量部、(c)シングルサイト触媒にて重合された、
    ポリエチレン又はエチレンを主体とする共重合体 5〜
    300重量部、(d)ポリプロピレン又はプロピレンを
    主体とする共重合体 5〜60重量部、及び(e)無機
    充填剤 0〜100重量部を溶融混練して熱可塑性エラ
    ストマー組成物を製造する方法であって、(I)成分
    (a)、(b)、(d)及び(e)の全量と成分(c)
    の一部分とを予め溶融混練し、その後又は同時に(f)
    有機パーオキシドと溶融混練し、次いで、(II)得られ
    た溶融混練後の生成物と成分(c)の残部とを溶融混練
    することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 工程(I)と(II)において使用する成
    分(c)の重量比が、90:10〜10:90である請
    求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 成分(f)を、成分(a)〜(d)の合
    計100重量部に対して0.1〜1.5重量部用いる請
    求項1又は2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 成分(f)と共に、更に(g)架橋助剤
    を(a)〜(d)の合計100重量部に対して0.1〜
    3.5重量部用いて工程(I)を行う請求項1〜3のい
    ずれか一つに記載の製造法。
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