JPH10251790A - 熱疲労強度に優れるアルミニウム合金鋳物 - Google Patents

熱疲労強度に優れるアルミニウム合金鋳物

Info

Publication number
JPH10251790A
JPH10251790A JP5821297A JP5821297A JPH10251790A JP H10251790 A JPH10251790 A JP H10251790A JP 5821297 A JP5821297 A JP 5821297A JP 5821297 A JP5821297 A JP 5821297A JP H10251790 A JPH10251790 A JP H10251790A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eutectic
aluminum alloy
alloy
alloy casting
thermal fatigue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5821297A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Yoshizawa
亮 吉沢
Kenichi Horikawa
顕一 堀川
Shigetaka Morita
茂隆 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP5821297A priority Critical patent/JPH10251790A/ja
Publication of JPH10251790A publication Critical patent/JPH10251790A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱疲労強度に優れるアルミニウム合金鋳物を
提供すること。 【解決手段】 本発明のアルミニウム合金鋳物は、重量
比率で、Si4〜10%、Cu0〜5%、Mg0〜1.
0%、残部Alおよび不可避的不純物の組成からなるア
ルミニウム合金であって、該アルミニウム合金鋳物のD
AS45μm以下、平均円相当径が10μm以下で、か
つ平均円形度70%以上の共晶Siを有することを特徴
とする。また、共晶Si以外の晶出物の面積率が3%以
下で、平均円形度が50%以上である。また、ポロシテ
ィ率が0.3%以下である。共晶Siの改良剤として、
Na、Sr、Sbの少なくとも一つの元素を使用するこ
とが好ましい。前記アルミニウム合金鋳物がシリンダヘ
ッドである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱疲労強度に優れ
るアルミニウム合金鋳物で、詳細には車両特に自動車用
エンジンの特に耐熱性を要求されるシリンダヘッドで、
アルミニウム合金鋳物製の一体鋳造式のシリンダヘッド
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジン、特にガソリンエンジ
ンにおいては、軽量化、冷却性能の向上、加工の容易性
等の観点から、アルミニウム合金製のシリンダヘッドが
多く用いられている。ヘッド用アルミニウム合金として
は、一般にJIS AC2A、AC2B、AC4B、A
C4C合金等が使用されている。また、特開昭49−5
5515号公報では熱疲労を改善するために0.8〜
1.6%のSiと3〜4.8%のMgを含むアルミニウ
ム合金にMo、V、Crを添加している例がみられる。
しかし、特開昭49−55515号公報に開示のアルミ
ニウム合金はSi含有量が少ないため鋳造性(湯流れ
性)が悪く、製品形状によっては大きな押し湯を必要と
し、その結果注入歩留が悪くなる等実用的でない。
【0003】また、耐熱性向上のひとつで熱疲労特性を
向上させるために、再溶融、異種材の肉盛り等の後処理
を施すことによりミクロ組織を微細化する技術がある。
例えば、特開昭59−28049号公報では基材のAC
4B合金鋳物の中の高温となるエキゾースト・バルブ・
シート部に高靱性Al合金を肉盛りして部分強化する技
術が開示されている。
【0004】その他の耐熱性向上手段として、アルミニ
ウム製シリンダヘッドの所望の部位に耐熱材料を鋳包む
技術がある。一方、鋳造欠陥を少なくすることも耐熱性
を向上させる効果があると言われている。鋳造欠陥の防
止を図るものとして、特公平6−73740号公報に開
示されているように、鋳型のうち、鋳造欠陥の発生し易
い部位にナトリウム元素供給層を形成し、鋳型内に流入
する溶湯にナトリウムを効率的に添加し、欠陥を防止す
る技術がある。
【0005】また、特開平2−121766号公報に
は、アルミ・シリンダヘッド及びその製造方法を開示し
ている。即ち、「アルミ・シリンダヘッド全体がT5あ
るいはT6熱処理された硬化部にて形成され、該硬化部
の内ローサイクル熱疲労の生じ易い部分のみがマグネシ
ウム量を0.1重量%未満に低下させた軟化部にて形成
されたアルミ・シリンダヘッド」で、該アルミ・シリン
ダヘッドは、「アルミニウム合金をシリンダヘッド形状
の鋳型内で鋳造成形し、該成形品の全体をT5あるいは
T6熱処理すると共に、該T5あるいはT6熱処理前ま
たは後にローサイクル熱疲労の生じ易い部分のみを真空
雰囲気下で再溶融してマグネシウム量を0.1重量%未
満に低下させる方法」により製造される、としている。
ここで、「ローサイクル熱疲労の生じ易い部分」とは、
図3に斜線で示すアルミ・シリンダヘッド26の触火面
20のホットプラグ21と吸気ポート22と排気ポート
23とを結ぶ略三角形の部分である。なお、25は硬化
部、斜線で示す27は軟化部で、24は吸気ポート22
と排気ポート23のシートインサート間である。
【0006】また、特開昭62−248555号公報に
は、「比較的多量のSiを含む鋳造用アルミニウム合金
の溶湯を金型を用いて鋳造し、高速冷却を行うことによ
って共晶Siを微細化したアルミニウム合金製シリンダ
ヘッド」を開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、再溶
融、異種材の肉盛り、鋳包み技術では、製造コストが高
くなるという課題があり、鋳造時に実施可能な低コスト
のミクロ組織制御法が求められていた。さらに、ナトリ
ウムの添加には集中する引け巣を分散させる効果が認め
られるが、その場合でも微小欠陥が残存するため、脱ガ
ス処理と組み合わせることが多い。しかし、鋳型内では
脱ガス処理を行うことは難く、微小欠陥を完全に阻止で
きない。このため、大きな熱負荷のかかる部位での使用
には耐熱強度が不十分であった。
【0008】前記特開平2−121766号公報に開示
のように、硬化部の内ローサイクル熱疲労の生じ易い部
分のみを軟化部に形成した場合、燃焼中にへたりが生じ
る虞れがあり、寸法安定性に欠けるという課題がある。
やはり、硬さ、剛性が必要と考えられる。また、前記特
開昭62−248555号公報に開示のように、共晶S
iの微細化のみでは疲労強度を向上することは難しいと
いう課題がある。疲労強度を向上するためには、共晶S
iの微細化に加えて、共晶Siの形状をできるだけ丸く
するという思想の導入が必要である。
【0009】本発明は上記課題に鑑みなされたもので、
熱疲労特性に優れるとともに、鋳造性にも優れるアルミ
ニウム合金により耐熱性が要求されるアルミニウム合金
鋳物並びにシリンダヘッドを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の熱疲労強度
に優れるアルミニウム合金鋳物は、重量比率で、Si:
4〜10%、Cu:0〜5%、Mg:0〜1.0%、残
部Alおよび不可避的不純物の組成からなるアルミニウ
ム合金であって、該アルミニウム合金鋳物のミクロ組織
が、交線法で測定した2次デンドライトアームスペーシ
ング45μm以下、平均円相当径が10μm以下で、か
つ平均円形度70%以上の共晶Siを有することを特徴
とする。
【0011】また、アルミニウム合金鋳物のミクロ組織
中の共晶Si以外の晶出物の面積率が3%以下であり、
該晶出物の平均円形度が50%以上であることを特徴と
する。また、アルミニウム合金鋳物の熱負荷を受ける部
位のポロシティ率が0.3%以下であることを特徴とす
る。また、共晶Siの改良剤として、重量比率で、N
a:0.002〜0.030%、Sr:0.002〜
0.030%、Sb:0.02〜0.20%の少なくと
も一つの元素を含むアルミニウム合金からなることを特
徴とする。また、前記アルミニウム合金鋳物がシリンダ
ヘッドであることを特徴とする。
【0012】本発明のアルミニウム合金鋳物は、前記ミ
クロ組織特性を有するため、該アルミニウム合金鋳物製
シリンダヘッドは繰返し熱負荷を受ける燃焼室内の部位
で優れた熱疲労特性を有する。以下、本発明について更
に詳細に説明する。該アルミニウム合金鋳物のミクロ組
織が、交線法で測定した2次デンドライトアームスペー
シング(以下、DAS2という。)が小さいほど強度・
靱性が向上することが知られている。
【0013】特に熱疲労強度は、DAS2を45μm以
下にすることにより非常に向上する。熱負荷の大きいエ
ンジンに適用する場合には、DAS2は30μm以下が
望ましい。たとえ、ミクロ組織のDAS2が45μm以
下であっても、共晶Siの平均円相当径が10μmより
大きく、平均円形度が70%未満となっている場合に
は、繰返しの熱負荷を受けたときにアルミニウム基地と
共晶Siの界面が亀裂の発生、伝播を助長し、熱疲労特
性を低下させる。DAS2の低減は、鋳造時の金型の局
部冷却による鋳物冷却速度の向上により達成し、共晶S
iの平均円相当径の低減と平均円形度の向上は、Na、
Sr等の共晶Si改良処理元素の添加による共晶Siの
微細化と熱処理のなかの溶体化処理条件の最適化によっ
て行う。従って、本発明のアルミニウム合金鋳物および
該アルミニウム合金鋳物製シリンダヘッドにおいては、
DAS2が45μm以下、平均円相当径が10μm以下
で、かつ平均円形度が70%以上の共晶Siを有すると
いう、これら三つの要素の値を満足することが必要であ
る。
【0014】尚、本発明におけるDAS2の値は、軽金
属協会指定の交線法で測定されるものである。軽金属協
会の資料[軽金属(1988)、資料3、ページ54〜
60]によると、交線法により測定されたDAS2の値
は2次枝法の測定値の約1.5倍である。また、DAS
2の値が測定できないセル状組織の場合、デンドライト
セルサイズ(DCS)で置き換えても構わない。
【0015】また、平均円相当径(μm)は、数1で示
される値で、ミクロ組織の微細化の程度を表示する。例
えば、平均円相当径(μm)の値が小さいほどミクロ組
織が微細化されていることになる。また、平均円形度
(%)は、数2で示される値で、真円では100(%)
であり、共晶Siの円形への程度を表示する。従って、
平均円形度(%)の値が大きいほど共晶Siの形状が真
円に近く、丸くなっていることを示す。
【0016】
【数1】
【0017】
【数2】
【0018】つぎに、共晶Si以外の晶出物について説
明する。共晶Si以外の晶出物とは、Mg−Si系、A
l−Cu系、Al−Si−Fe系などの化合物で、これ
らの多くは、粗大で針状、塊状、あるいは漢字状といっ
た不定形のものであり、これら晶出物は熱亀裂の進展を
促進する。したがって、晶出物量を少なくする必要があ
る。望ましくは晶出物の面積率が3%以下で、その平均
円形度が50%以上であれば、耐熱亀裂性が著しく向上
する。共晶Si以外の晶出物の面積率の低減と平均円形
度の向上は、Fe等の不純物の低減と熱処理のなかの溶
体化処理条件の最適化によって行う。つぎに、ミクロ組
織中のポロシティについては、ポロシティが存在すると
強度・靱性・熱疲労強度が低下する。ポロシティ率が
0.3%を超えると、その影響が大きいので、0.3%
以下とした。なお、ポロシティ率(%)は、アルキメデ
ス法により測定した見かけ密度と真密度から求めた値で
ある。ポロシティ率の低減は脱ガス処理による溶湯中の
水素ガス低減によって行う。
【0019】以下、本発明を構成する合金元素の限定理
由について説明する。 (1) Si:4〜10% Siを4〜10%としたのは、シリンダヘッドの形状が
複雑で、良好な鋳造性を必要とするためである。Si含
有量が4%未満、あるいは10%より多い場合には、外
引けが大きく、重力鋳造、低圧鋳造等の一般の鋳造法で
は健全な鋳物が製造し難い。また、大きな押し湯も必要
となり、注入歩留まりも低下する。このために、Si含
有量の下限を4%、上限を10%とする。
【0020】(2) Cu:0〜5% Cuを添加することにより強度が向上するが、Cu含有
量が5%を超えると鋳造性が悪く、靱性が低下するた
め、Cu含有量を5%以下とした。なお本発明において
は、Cuを含有しなくともよい場合も含むので、Cu含
有量の下限を0(ゼロ)と表示した。
【0021】(3) Mg:0〜1.0% Mgを添加することにより強度が向上するが、含有量が
1%を超えると靱性が著しく低下するので1%以下が望
ましい。なお本発明においては、Mgを含有しなくとも
よい場合も含むので、Mg含有量の下限を0(ゼロ)と
表示した。
【0022】(4) 残部:Alおよび不可避的不純物 Fe、Zn等の不可避的不純物を含み、アルミニウムを
基地とする。
【0023】(5) 共晶Siの改良処理剤:Na、S
rまたはSb 上記(1)〜(4)からなる組成に加えて、共晶Siの
改良処理剤として、重量比率で、Na:0.002〜
0.030%、Sr:0.002〜0.030%、S
b:0.02〜0.20%の少なくとも一つの元素を含
有させることがさらに望ましい。本発明合金は、最適熱
処理を施すことにより、高い強度、靱性を示し、靱性改
良に寄与しているのが共晶Siの改良処理である。S
r、Naの場合、0.002〜0.030%、Sbの場
合は0.02〜0.20%の添加により所望の共晶Si
形状が得られる。
【0024】なお、熱処理は、Cuを含有している場合
(実施の形態で後述する表1に示す本発明合金のNo.
1〜No.4、No.10および比較合金のNo.11
〜No.13)には、伸びは減少するが、強度と耐力を
付与するためにT7熱処理(例えば、溶体化処理:50
0°C×6時間、人工時効処理:220〜250°C×
2〜4時間)を施すのが好ましい。Cuを含有していな
い場合(実施の形態で後述する表1に示す本発明合金の
No.5〜No.9および比較合金のNo.14〜N
o.16)には、強度とともに伸びも付与するためにT
6熱処理(例えば、溶体化処理:530°C×6時間、
人工時効処理:180°C×4時間)を施すのが好まし
い。
【0025】本発明により、鋳造用アルミニウム合金の
組織(例えば、DAS2、共晶Si、ポロシティ量、晶
出物)を制御できる。したがって、繰返しの熱負荷に伴
う変形に耐えうるアルミニウム合金鋳物が製造でき、熱
疲労特性が従来合金より著しく向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
表および顕微鏡写真を用いて説明する。 (実施の形態)本発明に係わる図1は4気筒シリンダヘ
ッドのひとつの燃焼室の構造を示す図である。吸気ポー
ト15(図2参照)、排気ポート4をそれぞれ1つ、お
よび燃料噴射ノズル8を持つ構造である。このアルミニ
ウム合金製シリンダヘッド1を表1に示す化学成分を有
するアルミニウム溶湯を用いて、低圧鋳造法で鋳造(注
入温度:700°C)した。その際、吸・排気ポートお
よび燃料噴射ノズル8に囲まれる部位は、金型のスポッ
ト水冷を用いて、組織の微細化を図った。なお、表1に
示す比較例のNo.11〜No.16は水冷を実施しな
かった。結果を表2に示す。なお、図1および図2にお
いて、2はシリンダヘッド本体、3は触火面、5は排気
バルブ、6は排気バルブシート、7は燃焼室、8aは燃
料噴射ノズル取付孔,9はピストン、10はシリンダブ
ロック、11,12は水冷ジャケット、13はガスケッ
トおよび14は吸気バルブシートを示す。また、本発明
合金の実施例に供した試験片は、触火面3を含む部位か
ら採取した。熱処理・加工した試験片は、熱疲労試験に
て、熱疲労寿命を亀裂の発生までのサイクルで評価し
た。熱疲労試験の試験条件は、50°Cから250°C
まで加熱:5分、250°Cで保持:10秒、250°
Cから50°Cまで冷却:5分、拘束率を1.0とし
た。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】表1には、本発明合金の実施例No.1〜
No.10と比較合金の比較例No.11〜No.16
の化学成分と熱処理方法を示し、表2には、それらの結
果である熱疲労寿命、DAS、共晶Siの平均円相当径
と平均円形度、Si以外の晶出物(以下、単に晶出物と
呼ぶ。)の面積率と平均円形度およびポロシティ率を示
す。
【0030】比較例No.11〜No.16において
は、熱疲労寿命が412〜528サイクルであるのに対
し、本発明合金の実施例No.1〜No.10では、7
32〜1122サイクルと長い熱疲労寿命を得ることが
できた。
【0031】以下、本発明合金の実施例と比較合金の比
較例とを比較して詳述する。 1)本発明合金の実施例No.1は、Al−7.8%S
i−3.2%Cu合金にNaを0.025%添加して改
良処理を行い、鋳造時には金型にスポット水冷を行っ
て、T7熱処理を行った。Fe含有量は通常と同程度の
0.36%、熱処理の溶体化処理は通常の500°Cで
行い、脱ガス処理は行わなかった。その結果、DAS3
9μm、共晶Si平均円相当径5.2μm、共晶Si平
均円形度79%、晶出物面積率3.5%、晶出物平均円
形度44%、ポロシティ率0.35%となり(図4およ
び図5参照)、同じ合金系の比較合金の比較例No.1
1と比べて、DASと共晶Si平均円相当径は小さく、
共晶Si平均円形度は大きくなっている。このため、熱
疲労寿命は比較例のNo.11〜No.13の412〜
454サイクルよりも優れた732サイクルを示した。
【0032】2)本発明合金の実施例No.2は、実施
例No.1と同じ合金系で、Srで改良処理を行い、F
e含有量を0.12%に低減し、溶体化処理を510°
Cと高温で行ったものである。その結果、実施例No.
1に比べ、Al−Si−Fe系化合物が減少して、Al
−Cu系化合物の固溶が進んだため、実施例No.1に
比べ、共晶Si平均円形度は81%に増加し、晶出物面
積率は2.7%に減少し、晶出物平均円形度も53%に
増加した。そのため、熱疲労寿命は782サイクルまで
増加した。
【0033】3)本発明合金の実施例No.3も、実施
例No.1と同じ合金系で、Sbで改良処理を行い、脱
ガス処理を行って、水素ガス量を低減させたものであ
る。その結果、実施例No.1に比べ、ポロシティ率が
0.24%に減少し、そのため、熱疲労寿命は786サ
イクルまで増加した。
【0034】4)本発明合金の実施例No.4は、実施
例No.1と同じ合金系で、Fe含有量を0.12%に
低減し、溶体化処理を510°Cと高温で行い、脱ガス
処理を行ったものである。その結果、実施例No.1に
比べ、晶出物面積率は2.7%に減少し、晶出物平均円
形度は53%に増加し、ポロシティ率は0.24%に減
少した。そのため、熱疲労寿命は832サイクルまで増
加した。
【0035】5)本発明合金の実施例No.5は、Al
−6.9%Si−0.32%Mg合金にSbを0.03
%添加して改良処理を行い、鋳造時には金型のスポット
水冷を行って、T6熱処理を行った。Fe含有量は通常
と同程度の0.34%、熱処理の溶体化は通常の530
°Cで行い、脱ガス処理は行わなかった。その結果、D
AS41μm、共晶Si平均円相当径5.3μm、共晶
Si平均円形度73%、晶出物面積率0.4%、晶出物
平均円形度47%、ポロシティ率0.37%となり、同
じ合金系の比較合金の比較例No.14と比べて、DA
Sと共晶Siの平均円相当径は小さく、共晶Siの平均
円形度は大きくなっている。このため、熱疲労寿命は比
較例のNo.14〜No.16の475〜528サイク
ルよりも優れた806サイクルを示した。
【0036】6)本発明合金の実施例No.6は、実施
例No.5と同じ合金系で、Naで改良処理を行い、F
e含有量を0.12%に低減し、溶体化処理を540°
Cと高温で行ったものである。その結果、Al−Si−
Fe系化合物が減少して、共晶Siの球状化とMg−S
i系化合物の固溶が進んだため、実施例No.5に比
べ、DAS41μmと共晶Si平均円相当径4.9μm
は変わらないが、共晶Si平均円形度は78%にやや増
加し、晶出物面積率は0.2%に減少し、晶出物平均円
形度は55%に増加した(図6および図7参照)。その
ため、熱疲労寿命は853サイクルまで増加した。
【0037】7)本発明合金の実施例No.7は、実施
例No.5と同じ合金系で、Fe含有量を0.12%に
低減し、溶体化処理を540°Cと高温で行い、脱ガス
処理を行ったものである。その結果、実施例No.5に
比べ、共晶Si平均円形度は78%に増加し、晶出物面
積率は0.2%に減少し、晶出物平均円形度は55%に
増加し、ポロシティ率は0.22%に減少した。そのた
め、熱疲労寿命は907サイクルまで増加した。
【0038】8)本発明合金の実施例No.8は、実施
例No.7と同じ溶湯を用いて、鋳造時の金型のスポッ
ト水冷をさらに強化し、540°Cで溶体化処理を行っ
たものである。その結果、DASが30μmまで低減で
き(図8および図9参照)、そのため、熱疲労寿命は1
122サイクルまで増加した。
【0039】9)本発明合金の実施例No.9は、Al
−9.5%Si−0.75%Mg合金にSbを0.08
%添加して改良処理を行い、鋳造時には金型のスポット
水冷を行って、T6熱処理を行った。Fe含有量は通常
と同程度の0.34%、熱処理の溶体化は通常の530
°Cで行い、脱ガス処理は行わなかった。その結果、D
AS43μm、共晶Si平均円相当径7.2μm、共晶
Si平均円形度72%、晶出物面積率0.4%、晶出物
平均円形度45%、ポロシティ率0.35%となり、熱
疲労寿命は比較合金の比較例No.11〜No.16の
412〜528サイクルよりも優れた806サイクルを
示した。
【0040】10)本発明合金の実施例No.10は、
Al−4.4%Si−4.3%Cu合金をNaで改良処
理を行い、鋳造時には金型のスポット水冷を行って、T
7熱処理を行った。Fe含有量は通常と同程度の0.3
5%、熱処理の溶体化は通常の500°Cで行い、脱ガ
ス処理は行わなかった。その結果、DAS42μm、共
晶Si平均円相当径5.4μm、共晶Si平均円形度7
3%、晶出物面積率3.5%、晶出物平均円形度46
%、ポロシティ率0.34%となり、熱疲労寿命は比較
合金の比較例No.11〜No.16の412〜528
サイクルよりも優れた754サイクルを示した。
【0041】11)比較合金の比較例No.11は、A
l−7.8%Si−3.2%Cu合金で改良処理を行わ
ず、鋳造時には金型のスポット水冷を行わず、T7熱処
理を行った。Fe含有量は通常と同程度の0.36%、
熱処理の溶体化は通常の500°Cで行い、脱ガス処理
は行わなかった。その結果、DASが54μmと大きい
こと、共晶Si平均円相当径が12.3μmと大きいこ
と、共晶Si平均円形度が61%と小さいことにより
(図10参照)、熱疲労寿命は412サイクルと短い。
【0042】12)比較合金の比較例No.12は、比
較例No.11のFe含有量を0.12%に低減して、
溶体化温度を510°Cに上げたもので、晶出物面積率
は2.7%に減少し、晶出物平均円形度は53%に増加
した。しかし、DASが54μmと大きいこと、共晶S
i平均円相当径が12.3μmと大きいことかつ共晶S
i平均円形度が61%と小さいことにより、熱疲労寿命
は454サイクルと短い。
【0043】13)比較合金の比較例No.13は、比
較例No.11に脱ガス処理を付加し、ポロシティ率を
0.24%に低減したものであるが、比較例No.12
と同様に、DASが54μmと大きいこと、共晶Si平
均円相当径が12.3μmと大きいことかつ共晶Si平
均円形度が61%と小さいことにより、熱疲労寿命は4
51サイクルと短い。
【0044】14)比較合金の比較例No.14は、A
l−6.9%Si−0.32%Mg合金で改良処理およ
び鋳造時の金型のスポット水冷を行わず、T6熱処理を
行った。Fe含有量は通常と同程度の0.34%、熱処
理の溶体化は通常の530°Cで行い、脱ガス処理は行
わなかった。その結果、DASが50μmと大きいこ
と、共晶Si平均円相当径が10.9μmと大きいこ
と、共晶Si平均円形度が57%と小さいことにより、
熱疲労寿命は475サイクルと短い。
【0045】15)比較合金の比較例No.15は、比
較例No.14にNa添加による改良処理を付加したも
ので、共晶Si平均円相当径が5.0μmに減少し、共
晶Si平均円形度は73%に増加した(図11および図
12参照)。しかし、DASが50μmと大きいことに
より、熱疲労寿命は528サイクルと短い。
【0046】16)比較合金の比較例No.16は、比
較例No.14に鋳造時の金型のスポット水冷を付加し
たもので、DASは42μmに減少した(図13および
図14)が、共晶Si平均円相当径が10.5μmと大
きいことかつ共晶Si平均円形度が58%と小さいこと
により、熱疲労寿命は524サイクルと短い。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明により、従来の再
溶融、肉盛り等の工程を行わずに、従来合金より熱疲労
特性に優れるアルミニウム合金鋳物およびアルミニウム
合金製シリンダヘッドが製造できる。その結果、アルミ
ニウム合金製シリンダヘッドの製造工数の短縮、製造コ
ストの低減が容易になる。したがって、トラック等に多
く搭載されているディーゼルエンジンの軽量化も可能に
なる。またシリンダヘッドの他にも、過酷な熱負荷を受
ける部品へのアルミ鋳物部品の適用をも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミシリンダヘッドの縦断面図
である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】従来のアルミ・シリンダヘッドの要部平面図で
ある。
【図4】本発明合金の実施例No.1のミクロ組織写真
(倍率:100倍)である。
【図5】本発明合金の実施例No.1のミクロ組織写真
(倍率:400倍)である。
【図6】本発明合金の実施例No.6のミクロ組織写真
(倍率:100倍)である。
【図7】本発明合金の実施例No.6のミクロ組織写真
(倍率:400倍)である。
【図8】本発明合金の実施例No.8のミクロ組織写真
(倍率:100倍)である。
【図9】本発明合金の実施例No.8のミクロ組織写真
(倍率:400倍)である。
【図10】比較例合金の比較例No.11のミクロ組織
写真(倍率:100倍)である。
【図11】比較例合金の比較例No.15のミクロ組織
写真(倍率:100倍)である。
【図12】比較例合金の比較例No.15のミクロ組織
写真(倍率:400倍)である。
【図13】比較例合金の比較例No.16のミクロ組織
写真(倍率:100倍)である。
【図14】比較例合金の比較例No.16のミクロ組織
写真(倍率:400倍)である。
【符号の説明】
1 アルミニウム合金製シリンダヘッド 2 シリンダヘッド本体 3 触火面 4 排気ポート 5 排気バルブ 6 排気バルブシート 7 燃焼室 8 燃焼噴射ノズル 8a 燃焼噴射ノズル取付孔 9 ピストン 10 シリンダブロック 11、12 水冷ジャケット 13 ガスケット 14 吸気バルブシート 15 吸気ポート 20 触火面 21 ホットプラグ 22 吸気ポート 23 排気ポート 24 シートインサート間 25 硬化部 26 アルミシリンダヘッド 27 軟化部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比率で、Si:4〜10%、Cu:
    0〜5%、Mg:0〜1.0%、残部Alおよび不可避
    的不純物の組成からなるアルミニウム合金であって、該
    アルミニウム合金鋳物のミクロ組織が、交線法で測定し
    た2次デンドライトアームスペーシング45μm以下、
    平均円相当径が10μm以下で、かつ平均円形度70%
    以上の共晶Siを有することを特徴とする熱疲労強度に
    優れるアルミニウム合金鋳物。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金鋳物のミクロ組織中の
    共晶Si以外の晶出物の面積率が3%以下であり、該晶
    出物の平均円形度が50%以上であることを特徴とする
    請求項1記載の熱疲労強度に優れるアルミニウム合金鋳
    物。
  3. 【請求項3】 アルミニウム合金鋳物の熱負荷を受ける
    部位のポロシティ率が0.3%以下であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の熱疲労強度に優れ
    るアルミニウム合金鋳物。
  4. 【請求項4】 共晶Siの改良剤として、重量比率で、
    Na:0.002〜0.030%、Sr:0.002〜
    0.030%、Sb:0.02〜0.20%の少なくと
    も一つの元素を含むアルミニウム合金からなることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の
    熱疲労強度に優れるアルミニウム合金鋳物。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウム合金鋳物がシリンダヘ
    ッドであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のい
    ずれか1項に記載の熱疲労強度に優れるアルミニウム合
    金鋳物。
JP5821297A 1997-03-13 1997-03-13 熱疲労強度に優れるアルミニウム合金鋳物 Pending JPH10251790A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5821297A JPH10251790A (ja) 1997-03-13 1997-03-13 熱疲労強度に優れるアルミニウム合金鋳物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5821297A JPH10251790A (ja) 1997-03-13 1997-03-13 熱疲労強度に優れるアルミニウム合金鋳物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10251790A true JPH10251790A (ja) 1998-09-22

Family

ID=13077756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5821297A Pending JPH10251790A (ja) 1997-03-13 1997-03-13 熱疲労強度に優れるアルミニウム合金鋳物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10251790A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000071765A1 (en) * 1999-05-19 2000-11-30 Ford Motor Company Brasil Ltda. Aluminum-base alloy for cylinder heads
EP1096028A3 (en) * 1999-10-21 2002-02-06 Kabushiki Kaisha Daiki Aluminium Kogyosho High-strength aluminum alloy for pressure casting and cast aluminum alloy comprising the same
US7959856B2 (en) 2003-10-17 2011-06-14 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Aluminum alloys for casting and aluminum alloy castings
JP2012097332A (ja) * 2010-11-04 2012-05-24 Toyota Industries Corp 高温強度に優れたアルミニウム合金部品およびその製造方法
JP2023542912A (ja) * 2020-09-17 2023-10-12 フェデラル-モグル ニュルンベルク ゲーエムベーハー アルミニウム合金、エンジン部品の製造方法、及びエンジン部品

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000071765A1 (en) * 1999-05-19 2000-11-30 Ford Motor Company Brasil Ltda. Aluminum-base alloy for cylinder heads
EP1096028A3 (en) * 1999-10-21 2002-02-06 Kabushiki Kaisha Daiki Aluminium Kogyosho High-strength aluminum alloy for pressure casting and cast aluminum alloy comprising the same
US7959856B2 (en) 2003-10-17 2011-06-14 Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho Aluminum alloys for casting and aluminum alloy castings
JP2012097332A (ja) * 2010-11-04 2012-05-24 Toyota Industries Corp 高温強度に優れたアルミニウム合金部品およびその製造方法
JP2023542912A (ja) * 2020-09-17 2023-10-12 フェデラル-モグル ニュルンベルク ゲーエムベーハー アルミニウム合金、エンジン部品の製造方法、及びエンジン部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101503773B (zh) 一种耐热低膨胀高硅铝合金及其制备方法
AU2003255687B2 (en) Part cast from aluminium alloy with high hot strength
US4975243A (en) Aluminum alloy suitable for pistons
CA2556645C (en) High temperature aluminium alloy
EP1524324B1 (en) Aluminum alloys for casting, aluminum alloy castings and manufacturing method thereof
CN106795591B (zh) 用于生产发动机部件的方法、发动机部件及铝合金的应用
US20220170138A1 (en) Aluminum alloy for casting and additive manufacturing of engine components for high temperature applications
CN101775529A (zh) 一种发动机机体用高强度铸造铝硅合金及其制备方法
WO2011002082A1 (ja) エンジンピストン用素形材の製造方法
CN1218538A (zh) 内燃机内排气阀轴形或活塞形可动壁构件
US6399020B1 (en) Aluminum-silicon alloy having improved properties at elevated temperatures and articles cast therefrom
US5162065A (en) Aluminum alloy suitable for pistons
US5055255A (en) Aluminum alloy suitable for pistons
CN108165839A (zh) 一种汽车发动机用铝合金压铸件的制备方法
JP3164587B2 (ja) 耐熱疲労性に優れた合金、耐熱疲労性に優れたアルミニウム合金、および耐熱疲労性に優れたアルミニウム合金部材
JPH10251790A (ja) 熱疲労強度に優れるアルミニウム合金鋳物
JP2005139552A (ja) 鋳物用アルミニウム合金、アルミニウム合金鋳物およびその製造方法
WO2011052708A1 (ja) エンジンピストン用素形材の製造方法
CN112313356B (zh) 铝合金、制造发动机组件的方法、发动机组件以及铝合金用以制造发动机组件的用途
CN101087895B (zh) 铝基合金以及由该合金构成的成型体
JPH09263867A (ja) 鋳物用アルミニウム合金
JP2002249840A (ja) ピストン用アルミニウム鋳造合金およびピストンの製造方法
JP2004225134A (ja) ディーゼルエンジンシリンダーヘッド用アルミニウム合金材料及びその製造方法並びにディーゼルエンジン
RU2441091C2 (ru) Литейный алюминиевый сплав-(экономнолегированный высокопрочный силумин)
CN116391058A (zh) 铝合金,发动机部件的制造方法,以及发动机部件