JPH1025245A - 経口催眠剤、催眠性飲食物及び催眠性餌料 - Google Patents

経口催眠剤、催眠性飲食物及び催眠性餌料

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JPH1025245A
JPH1025245A JP8182349A JP18234996A JPH1025245A JP H1025245 A JPH1025245 A JP H1025245A JP 8182349 A JP8182349 A JP 8182349A JP 18234996 A JP18234996 A JP 18234996A JP H1025245 A JPH1025245 A JP H1025245A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の催眠剤に比べて副作用がなく、かつ嗜好
に左右されずに催眠効果を発揮する経口催眠剤、催眠性
飲食物及び催眠性餌料を提供する。 【解決手段】ビャクダン精油を有効成分として含有する
ことを特徴とする経口催眠剤。ビャクダン精油を含有す
ることを特徴とする催眠性飲食物、好ましくはダイエッ
ト用の飲食物、及びビャクダン精油を含有することを特
徴とする催眠性餌料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経口催眠剤、催眠
性飲食物及び催眠性餌料に関する。詳細には、本発明
は、有効成分としてビャクダン精油を含有することを特
徴とし、ストレスや精神的過敏症等によって正常な睡眠
を得られないヒトや動物に対して就眠や熟眠を促進する
効果をもたらす経口の催眠剤、飲食物及び餌料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の産業の発達、それに伴う生活環境
の変化は「ストレス社会」という言葉の通り、人間やペ
ットを始めとする動物に対して物理的・心理的刺激すな
わち多くのストレスを生み出している。そしてこのよう
な社会の複雑化に伴って、器質病変等の具体的な病変が
見あたらないにもかかわわらず、寝付きが悪い、眠れな
い等といった不眠の症状を訴えるヒトが増えており、そ
の多くがストレスによるものと考えられている。
【0003】この症状が重い場合、すなわち通院を要す
るような不眠症の治療薬としてはトランキライザーなど
の睡眠導入薬が使用されるが、これらの薬剤は劇物であ
り、しかも副作用が多いという欠点がある。
【0004】一方、ヨーロッパ地方を中心に古くから知
られているアロマテラピーには、様々な精油の香りによ
る不眠の解消法が広く伝えられており(「実践アロマテ
ラピー」:シャーリ・プライス著、高山林太郎訳、1987
年)(「アロマテラピー」:ロバート・ティスランド
著、高山林太郎訳、1985年)、各研究分野においても、
香りが生理・心理状態に与える影響に関する報告が数多
く出されている。例えば、古賀による脳機能から見たア
ロマテラピーの効果についての報告(化学技術誌、1990
年8月)(フレグランス・ジャーナル、No.86、1987
年)や鳥居による香りと意識との関連についての報告
(フレグランス・ジャーナル、No.77、16、1986年)な
どである。また、ビターオレンジ精油やバジル油、ジャ
スミン油等の香りに入眠もしくは安眠促進作用があると
の報告もある(特開平4−128234号、特開平4−
149136号)。
【0005】しかしながら、これら従来の芳香療法によ
る鎮静、入眠促進効果等は、各精油が有する特有の香気
がヒトや動物の嗅覚を刺激することによって生じるもの
であり、香料の香りを鼻から嗅ぐという用いられ方に限
定されている。これは、従来から、抗ストレス・抗うつ
といった香りの作用機序に、脳嗅覚路の特異的な伝達路
が関与していると考えられていることによる。
【0006】大脳辺縁系は、本能、喜びや悲しみ及び怒
りや驚き等といった情動、また自律神経機能のコントロ
ールを担う器官であり、視床下部と密接に連絡しなが
ら、情動やそれに関連した身体反応に深く関わってい
る。かかる大脳辺縁系に、嗅球の僧帽細胞に発する嗅覚
路の二次神経元は直接入力しており、嗅覚で受けた刺激
(香り)は、情動や自律神経機能の制御に関わる大脳皮
質辺縁系で処理されるのである〔ストレスとアロマテラ
ピー、古賀良彦(フレグランス・ジャーナル、No.86、1
987年)、香りによるうつ病治療の試み−科学的検証と
臨床応用、小森、藤原ら(日本神経精神薬理学雑誌、Vo
l.15、39-42、1995)〕。
【0007】一方で、香りに対する感受性及び「好き・
嫌い」等の嗜好性には、明らかな個体差があることも事
実である。好きな臭いを嗅いだ時には、気分が楽になっ
た、ほっとする、集中できる等の情緒的効果が得られる
のに対して、嫌いな臭いを嗅いだ時にはいらいらした
り、気持ちが悪くなったりする。また、嗜好に基づく情
緒的心理的要因が、α波を中心とした脳波変化、自律神
経機能などと大きく関わっていることも報告されている
〔香りと精神医学的臨床応用とその課題−神経精神生理
学的検討−、柳生隆視(FOOD & FOOD INGREDIENTS JOUR
NAL No.156, 1993)、脳波トポグラフィー、鳥居鎮夫
(フレグランス・ジャーナル、15-19, 1992-10)〕。
【0008】従って、個人の感受性や嗜好性等によって
影響されることなく催眠効果が安定して期待でき、かつ
従来睡眠薬として用いられているトランキライザー等と
は異なり副作用のない安全な安眠促進剤、催眠剤の開発
が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ビャクダン
精油を有効成分として含有し、経口的に用いられること
を特徴とする経口催眠剤を提供することを目的とする。
【0010】また本発明は、ビャクダン精油を含有する
ことを特徴とする催眠性飲食物、及び催眠性餌料を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の問題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、思い
がけずも、ビャクダン精油といった特定の精油が、従来
の嗅・口腔粘膜や肺からの吸収ではなく、経口的摂取に
よる消化管からの体内への吸収によって優れた催眠効果
を発揮することを見いだした。
【0012】ビャクダン精油は、アロマテラピー(芳香
療法)の分野でその芳香が不安症、抗うつ症に用いられ
ているが、その香気成分による安眠促進効果は殆ど期待
できないことが報告されている(特開平4−14913
6号)。また、線香のような芳香性ゆえに好き嫌いの個
人差が激しい。
【0013】これらの事実のもとで、本発明者らによる
上記知見はまさに驚くに値するものであった。本発明
は、この知見に基づいて開発されたものである。
【0014】すなわち本発明は、ビャクダン精油を有効
成分として含有することを特徴とする経口催眠剤であ
る。
【0015】また本発明は、ビャクダン精油を含有する
ことを特徴とする催眠性飲食物である。
【0016】さらに本発明は、ビャクダン精油を含有す
ることを特徴とする催眠性餌料である。
【0017】
【発明の実施の形態】経口催眠剤 本発明の経口催眠剤は、ビャクダン精油を有効成分とし
て含有するものであって、経口的に用いられて催眠効果
を奏するものであることを特徴とする。
【0018】本発明で用いられるビャクダン精油として
は、例えばビャクダン科に属する東インド産のSant
alum album、オーストラリア産のEucar
uya spicata(またはSantalum s
picatum)、Santalum lanceol
atum、Eremophila mitchelli
または東アフリカ産のOsyris tenuifol
ia等の材と根を細断して水蒸気蒸留することによって
得ることのできる精油もしくはその同等物が挙げられ、
通常主成分としてα−サンダロール、β−サンダロール
を含むセスキテルペンアルコールが含まれている。また
その由来、産地は特に限定されず、上記のものの他、チ
モール、セレベス、マレー群島等の様々な産地のものを
使用することができる。
【0019】本発明の経口催眠剤は、かかるビャクダン
精油を有効成分として含有するものであればよく、含ま
れる精油の純度は、特に制限されるものではない。
【0020】後述の実験例に示すように、本発明の催眠
剤の有効成分であるビャクダン精油は、ビャクダン精油
の香気が漏れないようにカプセルに封入して被験者に投
与した場合にも有意な催眠効果を発揮する。すなわち、
本発明の経口催眠剤の有効成分であるビャクダン精油
は、胃や小腸などの消化管から吸収されて、催眠効果を
奏するものである。従って、本発明の催眠剤は、ビャク
ダン精油を胃や小腸等の消化管から吸収される形態で、
すなわち消化管吸収成分として含有しており、経口的に
摂取される形態に調製されていることが必要である。
【0021】また、ビャクダン精油の香気成分は、好き
嫌いの幅が広く、人によっては却って嫌悪感等の精神的
ストレスを覚える人もいる。かかる観点からも、本発明
の経口催眠剤は、人の嗜好性に影響されることなく安定
した催眠効果が期待できる点で極めて有用な催眠剤であ
る。
【0022】本発明の催眠剤は経口的に摂取されるもの
であれば、剤型は特に制限されないが、具体的には錠
剤、丸剤、顆粒状、粉末状、カプセル、マイクロカプセ
ル、懸濁液状、液状、シロップ状、ゼリー状等が例示さ
れ、使用目的や使用対象等に応じて適宜選択することが
できる。好ましくは、カプセル、マイクロカプセル、顆
粒状、液状、シロップ状、ゼリー状の形態である。
【0023】また、本発明の催眠剤の組成及び調製方法
等についても、前述するように特に制限されず、目的に
応じて適宜調製することができる。例えば、本発明の催
眠剤の組成に関しては、ビャクダン精油そのものであっ
てもよいし、その他、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢
剤、矯臭剤、矯味剤、甘味剤、安定剤、ビタミン剤、保
存剤等の薬学的または食品衛生上許容される種々の経口
添加剤を含有していてもよい。
【0024】本発明の経口催眠剤は、バルビツール酸系
や抱水クロラール等の従来の催眠薬と比較して、植物エ
キスを有効成分とし、投与初期の興奮作用や胃への刺激
性、及び翌日の後作用等といった副作用がなく、作用が
穏やかで安全範囲が広く、耐性や習慣性が少ないことを
特徴とする。
【0025】したがって、医薬品としては勿論、医薬品
補助剤、食品添加剤、食品補助剤、餌料・飼料添加剤な
どとして広く用いることができる。すなわち、本発明の
経口催眠剤とは、催眠薬、催眠補助薬、催眠用食品添加
剤、催眠用食品補助剤、催眠性餌料・飼料添加剤等を広
く包括するものである。
【0026】本発明の経口催眠剤のビャクダン精油の含
有量は、特に制限されないが、後述の一投与あたりの投
与量を考慮して、通常0.0001〜100(w/w)
%の範囲から適宜選択される。
【0027】本発明の経口催眠剤は、当該催眠剤そのも
のをヒトまたは動物に投与してもよいし、また医薬品、
飲食物又は餌料等に添加・配合して用いることもでき
る。
【0028】本発明の催眠剤に含有されるビャクダン精
油の量は、これを適用する被験者の症状により或いはそ
の剤形などにより一定ではないが、投与単位形態あた
り、経口剤で約3〜15000mgとするのが望まし
い。本発明の催眠剤は、通常1日1回もしくは2回、就
寝前の通常1時間〜30分前に服用されることが好まし
い。本発明の催眠剤の1回当たりの投与量は、適用対
象、ヒトもしくは動物の年齢、性別、症状等によって異
なるが、通常、ビャクダン精油の量として0.1〜64
0mg/kg体重、好ましくは5〜320mg/kg体
重、より好ましくは45〜160mg/kg体重の範囲
の中から適宜選択することができる。
【0029】本発明の経口催眠剤は、広く睡眠障害に対
して適用することができるが、とりわけ精神的原因、例
えばストレス、不安、過労、憂鬱、興奮状態になってい
る場合における不眠症に有効である。また、本発明の催
眠剤は、生理的睡眠を誘発する効果(入眠促進作用)と
共に、睡眠時間を持続的に延長する効果(持続性催眠作
用)を有するものである。従って、本発明の催眠剤と
は、就眠剤、持続的催眠剤を広く包含するものである。
【0030】本発明の経口催眠剤は、ヒトは勿論、温血
動物にも広く適用することができる。特に近年、屋内で
飼われているネコ、イヌ、ネズミ、ハムスター又はトリ
等のペットのストレス症が問題となっているが、かかる
ペットのストレス性不眠症の改善に有効に用いることが
できる。この場合、カプセル剤やシロップ剤等として本
発明の経口催眠剤をそのまま投与してもよいし、本発明
の催眠剤を水や餌等に混合してペットに投与してもよ
い。
【0031】催眠性飲食物 後述の実験例で示すように、ビャクダン精油の催眠効果
はその消化管吸収によって奏されるものであり、また従
来医薬として用いられている催眠薬と比較して、副作
用、習慣性等の弊害が少なく安全であり、また作用が穏
やかで日常的に使用することができる。従って、ビャク
ダン精油を飲食物に配合することにより、催眠効果を奏
する催眠性飲食物を調製することができる。
【0032】食べるという行為は、精神的ストレスを緩
和する一つの方法であり、また空腹感によって寝付けな
い、目が醒めるといったことは誰しも経験するところで
ある。
【0033】かかる観点から、本発明は、「食べる」と
いうことにより精神的ストレスが緩和され、空腹感を満
たすという効果ともに、ビャクダン精油自身が消化管か
ら吸収されることによる催眠効果を有する催眠性飲食物
を提供するものである。
【0034】すなわち、本発明はビャクダン精油を含有
することを特徴とする催眠性飲食物を提供するものであ
る。
【0035】ビャクダン精油としては、前述のものが例
示できる。
【0036】また、本発明の飲食物は、ビャクダン精油
が消化管から吸収される形態、すなわち消化管吸収成分
として配合・調製されているものであればよく、その限
りにおいて組成、形態、調製方法などは特に制限されな
い。
【0037】例えば、本発明が対象とする飲食物の種類
は、ビャクダン精油の催眠作用が損なわれないものであ
れば特に制限されず、クッキー、ビスケット、ゼリー、
飴、マシュマロ等の菓子類、ヨーグルト、麺類等の食
品、清涼・炭酸飲料、牛乳、ココア、紅茶、コーヒー、
アルコール類などの飲料もしくは嗜好品を広く対象とす
ることができる。
【0038】好ましくは、ダイエット用飲食物である。
ここでダイエット用飲食物とは、体重調節のため栄養や
カロリーを配慮した飲食物をいい、具体的には、一食あ
たりのカロリーが、通常0〜100キロカロリー、好ま
しくは0〜40キロカロリー、より好ましくは、0〜3
キロカロリーの範囲にあるものであり、より具体的に
は、このカロリー範囲にあるクッキー、ビスケット、ゼ
リー、マシュマロ、清涼飲料またはココア等が挙げられ
る。
【0039】かかる本発明の催眠用のダイエット飲食物
は、不眠が、ダイエットからくる精神的抑圧や空腹感を
一因とする場合等に、肥満への恐怖感や罪悪感なく安心
して食べることができ、また食べることによるストレス
緩和効果をも奏することできる点で有用である。
【0040】また本発明の飲食物によれば、薬物とは異
なり、加齢とともに減少する睡眠時間のため不眠(軽度
の睡眠障害)に悩む高齢者であっても抵抗無く摂取でき
る。
【0041】本発明の飲食物の調製方法もまた制限され
ず、通常用いられる食品・飲料組成物中にビャクダン精
油を配合して、クッキー等の菓子類や清涼飲料水などを
調製しても良いし、また牛乳、アルコール類等の既製の
飲食物にビャクダン精油そのものもしくは前述の経口催
眠剤を食品添加剤等として添加、配合することにより調
製してもよい。
【0042】本発明の催眠性飲食物の催眠性成分である
ビャクダン精油は、消化管から吸収されて徐々にその効
果を奏するものであり、本発明催眠性飲食物は、通常就
寝前2時間〜30分前に摂取することが好ましい。
【0043】また、含有されるビャクダン精油の形態
も、消化管で吸収される形態であれば特に制限されず、
飲食物の種類によって適宜選択することができる。例え
ば、精油そのままの形態であってもよいし、粉末状、顆
粒状、マイクロカプセル状、シロップ状などの種々の形
態に調製されていてもよい。ただし、飲食物にビャクダ
ン精油を0.5重量%以上含有させる場合は、ビャクダ
ン精油の臭いや味の不快さを減じて飲食物自身の呈味性
を損なわないよう、精油の臭い・味を封じこめた形態、
好ましくはマイクロカプセル状の形態として含有させる
ことが望ましい。
【0044】また、ビャクダン精油が消化管から吸収さ
れる態様である限り、飲食物の芳香性については特に制
限されず、飲食物の種類やその風味・呈味性、また対象
者の嗜好に応じて適宜選択できる。よって本発明の飲食
物は、ビャクダン精油に由来する香気を呈するものであ
っても、また呈しないものであってもよい。
【0045】本発明の催眠性飲食物に含まれるビャクダ
ン精油の量は、食品の種類等によって相違するが、通常
0.005〜20重量%、好ましくは0.01〜12重
量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0046】摂取量としては、飲食者の年齢、性別、不
眠の症状等のよっても相違するが、通常精油として一食
あたり0.1〜40mg/kg体重、好ましくは1〜2
0mg/kgの範囲が挙げられる。
【0047】催眠性餌料 また、前述のビャクダン精油は、経口投与による催眠効
果を期待して動物の餌料に適用することができる。
【0048】すなわち、本発明はビャクダン精油を含有
することを特徴とする催眠性餌料を提供するものであ
る。
【0049】餌料とは、一般に動物を成長させ、また飼
育するための食物・飲料物を指すものであるが、本発明
においてはかかる目的に限定されず、動物に与える食
物、飲用物を広く包含する趣旨で用いられる。
【0050】また、本発明の餌料が対象とする動物は、
動物の種類によって制限されるものではなく、あらゆる
温血動物、即ちトリや哺乳動物を含むものであるが、具
体的にはイヌ、ネコ、サル、トリ、ネズミ、ハムスター
等のペットや家畜が例示される。
【0051】本発明の餌料は、ビャクダン精油を消化管
から吸収される形態で、言い換えれば消化管吸収成分と
して含有するものであればよく、形態、その他の組成、
調製方法等は特に制限されない。
【0052】一般に、通常用いられる飼料・餌料もしく
は飼料・餌料組成物(天然飼料・餌料、人工飼料・餌料
の別を問わない。)に適宜配合して、調製することがで
きる。 ビャクダン精油の含有量は、動物の種類、年
齢、体重等に応じて異なり、適宜選択・変更することが
できる。通常餌料一食あたり、精油として、40〜65
0mg/kg、好ましくは160〜300mg/kg摂
取されるように、餌料一食あたり、精油0.5〜30重
量%、好ましくは1〜20重量%の範囲で選択される。
【0053】以下に本発明の実施例、参考例を示すが、
これらの例は単に本発明を説明するためのものであっ
て、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】
【実施例】実施例1(カプセル) 40〜60℃に加温したゼラチン5gを攪拌しながら徐
々に添加し、混合溶解する。その混合溶液を減圧脱泡し
た後、酸化チタン、色素を適量加えて更に混合する。そ
の後、カプセル型ビンに充填し、成形した後水分が15
〜18%になるまで乾燥させ、カプセルのbody部にビャ
クダン精油200mgを充填し、cap部を結合させて、
ビャクダン精油を200mg含有するカプセル剤を調製
した。
【0055】実施例2(マイクロカプセル) 40℃に加温した精製水100gに対し、ゼラチン5g
を攪拌しながら徐々に添加し、混合溶解する。その後、
ビャクダン精油200mg、酸化チタン、グリセリン、
色素を適量加え、混合してカプセルを得る。その後カプ
セルを冷却後、15〜18%になるまで脱水し、更に水
分が8.2〜16%になるまで乾燥した。その後、ろ過
して、ビャクダン精油を含有するマイクロカプセルを調
製した。
【0056】実施例3(クッキー) 下記の配合量を用いて次の方法でビャクダン精油を含有
するクッキーを調製した。 薄力粉 200g 無塩バター 70g 砂糖(グラニュー糖) 80g 卵 1 個ビャクダン精油 2 g まずバターを攪拌し、そして攪拌しながら砂糖を徐々に
添加した。この中に割ほぐした卵を添加した後、ビャク
ダン精油を添加し、速度を落として更に攪拌した。十分
混ざった段階で、均一にふるった薄力粉をこれに加え
て、低速で攪拌した後、一つにまとめる。これを、約3
0分間低温室に寝かした後、約1cmの厚みで均一にのば
し、直径5cmの円形型で抜く。次いで、切り抜いたクッ
キー生地を天版に並べ、精油の揮散を防ぐため、生地表
面にオリーブ油を塗り、170℃で予熱したオーブンで
12〜15分間加熱し、ビャクダン精油を含有するクッ
キーを調製した。
【0057】実施例4(清涼飲料水) 下記の配合に従って、清涼飲料水を調製した。
【0058】 果糖ブドウ糖液糖 6.0重量部 クエン酸ナトリウム 0.6 L−アスコルビン酸 3.0 ビャクダン精油 0.5水 適当量 全 量 100 重量部実施例5(紅茶) 紅茶の葉1.2mgを100mlの湯(80℃)に入れ
て、十分浸漬した後、デカンテーションして浸出液を得
る。この浸出液中に砂糖5g及びビャクダン精油0.5
gを入れ、全部で100mlとした。
【0059】実施例6(ゼリー) 50mlの水を約60℃に加熱した後、ゼラチンを添加
し攪拌する。ゼラチンが溶解した後、攪拌しながら他の
材料を加えて、全てが溶解した後、容器に流し込み、低
温室にて冷やし固め、ビャクダン精油0.5重量%を含
有するゼリーを調製した。
【0060】 砂糖 22.0重量部 L−酒石酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.1 ゼラチン 1.1 クエン酸 0.1 ビャクダン精油 0.5水 適当量 全 量 100 重量部実施例7(アルコール類) ニュートラルスピリッツ 30.0重量部 ステピオサイト 0.1 香料 5.0 ビャクダン精油 0.3水 適当量 全 量 100 重量部実施例8(ペットフード) 実施例2と同様な方法でビャクダン精油を60重量%含
有するマイクロカプセルを調製した。次いで、下記の割
合で当該マイクロカプセルを配合して、ビャクダン精油
を5.4重量%含有する餌料(ペットフード)を調製し
た。
【0061】 牛肉(20×20×20mmのダイズ状カット) 80.0重量部 凝固剤(カラギーナン) 2.0 食塩 0.1 ビャクダン精油入りマイクロカプセル 9.0 水 適当量 合 計 100.0重量部
【0062】
【実験例】実験例1:バルビタール睡眠延長試験 −実験例A− 被験精油として、ビャクダン(Sandalwood)、マージョラ
ム(Marjorum)、カモミール(Chamomile)、ローズ(Ros
e)、クラリセージ(Clary Sage)、ベルベナ(Velbena)、
及び酢酸リナリル(Lynaryl Acetate)(それぞれ、長岡
香料株式会社製)を用いて、これらそれぞれをddy系
雄性マウスに600mg/kgずつ経口投与することに
より、これら精油の睡眠延長作用を比較実験した。
【0063】使用するddy系雄性マウス動物(日本エ
スエルシー)は、入荷後温度21〜25℃、湿度48〜
65%、照明時間12時間(7:00〜19:00)の
条件に設定した飼育室で、固形試料F−2(船橋農場)
及び水道水(水道水質基準に適合)を自由に摂取させ飼
育した。マウスは、肉眼で健康状態を観察して異常のな
い動物のみを収容して、入荷時より3日以上予備飼育し
た後、更に一般状態の健康なものを使用した。
【0064】実験には、かかる6週齢(体重27〜32
g)のマウスを1群10匹として使用した。
【0065】実験は溶媒(オリーブ油:コントロール)
または被験液(ビャクダン精油等の被験精油)を経口投
与後30分に、ペントバルビタール(ネンブタール:大
日本製薬製)45mg/kgを腹腔投与し、側歐姿勢か
ら自発的に腹位に戻る前の時間を麻酔時間として測定し
た。
【0066】結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】各精油間で催眠効果を比較したところ、ビ
ャクダン精油に顕著な睡眠延長作用が認められ、また個
体差による効果の差も殆どなかった。一方、マージョラ
ム、カモミール、ローズ、クラリセージは個体差が大き
く、延長作用を示すものとそうでないものあり、精油に
よる睡眠延長作用を確認することが出来なかった。
【0069】−実験例B− 実験例Aで用いた精油のうち、顕著な催眠効果が認めら
れたビャクダン精油について、2.5〜640mg/k
g体重の範囲で投与量を変えて、実験例Aと同様の実験
を行った。
【0070】結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】ビャクダン精油の40mg/kg以上の投
与から睡眠延長作用が顕著に認められた。
【0073】実験例2 入眠促進作用 実験例1と同様な系を用いて、マウスに、被験液(ビャ
クダン精油、体重1kgあたりの用量として2.5m
g、10mg、40mg、160mg、640mgを使
用)又はコントロールとして溶媒(オリーブ油)を経口
投与した後30分後に、ペントバルビタール(ネンブタ
ール:大日本製薬製)45mg/kgを腹腔投与した
後、正向反射が消失するまでの時間を測定し、それを入
眠時間として評価した。
【0074】結果を図1に示す。
【0075】この実験から、ビャクダン精油の投与によ
り寝入りの時間が有意に短縮されることが確認された。
【0076】実験例3 寝付きが悪いとか不眠症を不満に有する成人からランダ
ムに3名を選択し、これらを被験者として、下記の配合
で調製したビャクダン精油を含有するカプセルを服用し
てもらい、睡眠に対する影響を検討した。
【0077】催眠効果は下記の評価項目について、実験
実施以前の状態と比較して5段階で評価した。
【0078】・評価項目: (i)寝付き、(ii)眠りの深さ、(iii)睡眠中の目覚め、(i
v)目覚めの状態 ・評価:いつもと比べて A:良かった、B:やや良かった、C:変わらなかっ
た、D:やや悪かった、E:悪かった なお、服用時間は就寝前30分〜1時間とし、服用の
際、アルコールや他の精神神経用薬との併用を避けるこ
とを指示した。
【0079】カプセル剤:硬質カプセルに、ビャクダン
精油200mgを香気が漏れないように封入してビャク
ダン精油を含有する経口用剤を調製した。
【0080】結果を表3に示す。
【0081】
【表3 評 価 A B C D E (i) 寝付き 3 0 0 0 0(人数) (ii) 眠りの深さ 3 0 0 0 0 (iii)睡眠中の目覚め 3 0 0 0 0 (iv) 目覚めの状態 2 1 0 0 0 表3から明らかなように、被験者のいずれに対してもビ
ャクダン精油含有剤による催眠効果が認められた。な
お、3名のうち1名には、ビャクダン精油を2日おきに
3回服用してもらって、睡眠の状況を調べた。この結
果、いずれの項目についてもAの評価を得た。
【0082】さらに同時に、被験者に服用した際、もし
くはその翌日に下記のような症状が現れなかったかどう
かについてアンケートを採った。
【0083】・動悸がした/めまいがする/発疹した/
倦怠感を感じた/頭痛がした/悪心がした/嘔吐した/
下痢をした/口が渇いた/翌日、日中に眠気を覚えた/
翌日、倦怠感が残った。
【0084】その結果、いずれの項目にも該当する被験
者は一人もいなかった。
【0085】このことから、本発明の催眠剤は、催眠効
果(入眠促進、催眠持続性、安眠)を奏するのみなら
ず、後作用を含めて副作用を示さない安全なものである
といえる。
【0086】また、比較実験として、ビャクダン精油の
投与と同様の方法で、オレンジ精油含有カプセル(20
0mg/カプセル)を調製し、これを就寝前30分〜1
時間に服用してもらって睡眠に対する影響を検討した。
その結果、寝付き、眠りの深さ、及び目覚めの状
態については、実験実施前と「変わらず」、また睡眠
中の目覚めに関しては、いつもより「悪かった」という
結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例2で行ったビャクダン精油の入眠促進作
用を見た結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/30 A23L 1/30 B 1/307 1/307 2/00 A61K 9/48 F A61K 9/48 C11B 9/00 A C11B 9/00 A23L 2/00 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビャクダン精油を有効成分として含有する
    ことを特徴とする経口催眠剤。
  2. 【請求項2】一投与あたり、ビャクダン精油を0.1〜
    640mg/kg体重の範囲で含む請求項1記載の経口
    催眠剤。
  3. 【請求項3】ビャクダン精油を含有することを特徴とす
    る催眠性飲食物。
  4. 【請求項4】ビャクダン精油を0.005〜20重量%
    の範囲で含有する請求項3記載の催眠性飲食物。
  5. 【請求項5】飲食物が、ダイエット用の飲食物である請
    求項3又は4記載の催眠性飲食物。
  6. 【請求項6】飲食物が、クッキー、ビスケット、ゼリ
    ー、マシュマロ、清涼飲料及びココアの中から選択され
    るものである請求項3乃至5のいずれかに記載の催眠性
    飲食物。
  7. 【請求項7】ビャクダン精油を含有することを特徴とす
    る催眠性餌料。
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