JPH10253692A - ガス絶縁機器の部分放電検出方法 - Google Patents

ガス絶縁機器の部分放電検出方法

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JPH10253692A
JPH10253692A JP9053504A JP5350497A JPH10253692A JP H10253692 A JPH10253692 A JP H10253692A JP 9053504 A JP9053504 A JP 9053504A JP 5350497 A JP5350497 A JP 5350497A JP H10253692 A JPH10253692 A JP H10253692A
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JP
Japan
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frequency
partial discharge
gas
determined
measured
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JP9053504A
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Inventor
Hirotaka Muto
浩隆 武藤
Masafumi Doi
雅史 土井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス絶縁機器内の絶縁不良に起因する部分放
電の発生を、外部からのノイズの影響による誤判断を低
減して判定する。 【解決手段】 ガス絶縁機器内の母線部のインピーダン
スが不連続となる場所で、部分放電による電磁波の反射
で共振した際に定在波を励起する共振周波数fとこの周
波数でのスペクトラム強度BGfを求めて登録し(ステ
ップST11)、ガス絶縁機器内で検出された電磁波の
周波数を測定し(ステップST12,13)、測定され
た周波数と登録された各周波数との一致を判定し(ステ
ップST14)、一致判定時に当該周波数でのスペクト
ラム強度Gfを測定し(ステップST15)、測定され
たスペクトラム強度Gfと登録されたスペクトラム強度
BGfとを比較し(ステップST16)、比較結果より
部分放電の発生を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はガス絶縁機器にお
ける絶縁異常を診断する方法に関し、特に絶縁異常部に
発生した放電による電磁波を利用して部分放電を検出
し、絶縁異常を検出あるいは絶縁異常部を特定するガス
絶縁機器の部分放電検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発電所や変電所等に設置されているガス
絶縁機器は、高電圧が課電されている中心導体を絶縁ガ
スを封入した金属タンク内で絶縁スペーサにより中心部
に支持された構造となっている。
【0003】図8はガス絶縁機器の一例と、金属タンク
における部分放電を検出する従来の部分放電診断装置を
示している。中心導体は気中架線1よりガスブッシング
2を通してガス絶縁母線3を構成する金属タンクMに引
き込まれ、高電圧導体6に接続されている。
【0004】ガス絶縁母線3には母線電圧を計測するた
めの計器用変圧器4や避雷器5が接続されている。ガス
ブッシング2とガス絶縁母線3との間には誘電体である
絶縁ペーサS1が介在している。また、ガス絶縁母線3
を構成する金属タンクMと計器用変圧器4及び避雷器5
との間は、同じく誘電体である絶縁スペーサS3、S4
が介在している。
【0005】また、高電圧導体6は絶縁スペーサS2に
より金属タンクMと電気的に絶縁された状態を維持して
金属タンクM内に機械的に保持されている。このような
ガス絶縁機器に置いては、金属タンクM内に存在する金
属異物や絶縁スペーサS2におけるクラック等の絶縁不
良に起因する絶縁破壊事故を未然に防ぐために、絶縁不
良によって発生する部分放電の検出が有効であると考え
られている。
【0006】通常、電力系統に影響を与えるガス絶縁母
線3の全破壊に到る前には、ガス絶縁機器3における部
分放電がその予兆現象として発生する。この部分放電を
感度良く検出し、適切な絶縁破壊対策を施すことによ
り、ガス絶縁母線3の全破壊を引き起こす高電圧導体6
の地絡事故を未然に防ぐことができる。
【0007】図8に従来の部分放電検出装置の一例を示
す。図において、7は金属タンクM内に設置され、絶縁
不良に起因する放電により放射した電磁波を検出する検
出器である。8は検出器7による電磁波検出結果より部
分放電を検出する部分放電検出装置である。この部分放
電検出装置8は、検出器7より入力される検出信号を増
幅するための広帯域増幅器9、広帯域増幅器9による増
幅信号の周波数スペクトルを測定する周波数スペクトル
測定器10、周波数スペクトルを解析して部分放電を検
出するコンピュータ11より構成されている。
【0008】次に、従来の部分放電検出装置による幾つ
かの部分放電検出方法を説明する。金属タンクM内で部
分放電が発生したとき放射される電磁波の検出により部
分放電の発生を検出する従来例として、例えば特公平8
ー9470号公報には数MHz程度の帯域幅で複数の周
波数において測定することにより、部分放電に起因する
電磁波を検出する方法が記載されている。この方法はバ
ンドパスフィルタを用いてノイズの少ない周波数帯にお
ける各周波数でのスペクトル強度によって部分放電の発
生を判定するものである。
【0009】また、部分放電検出の重要な目的の一つと
して放電源の位置を同定する機能が挙げられる。例えば
特公平3ー15771号公報には、600MHz以上の
周波数でのスペクトル強度の平均値を用いて、部分放電
源の位置検出を行う方法が開示されている。この方法は
離隔した場所に設置された複数の検出器が有する検出強
度の設置位置依存性から放電源位置を推定しようとする
ものである。
【0010】また、ガス絶縁機器における絶縁事故で電
力系統が全破壊に到る危険性のある最も重要な原因の1
つとして、ガス絶縁機器内、例えば金属タンクMを移動
可能な可動異物がある。可動異物が金属タンクMに存在
すると、その異物が高電圧導体近傍に移動したときに絶
縁破壊の危険が極めて高くなる。従って、放電を生じさ
せる各種要因の中でも、可動異物が移動しているかどう
かを判断することは、部分放電検出の極めて重要な目的
の1つであった。
【0011】また、ガス絶縁機器の内部には、各種のノ
イズが侵入する。例えば、放送波や通信波などの比較的
狭帯域の信号、ガスブッシングや気中架線での放電によ
る比較的広周波数帯域のノイズなどである。図9は部分
放電に起因して発生した電磁波の周波数でのスペクトル
強度から、部分放電の発生を判定する従来の方法を説明
するフローチャートである。先ず、ステップST1にお
いて予め背景ノイズの少ない電磁波の周波数(fa,f
b,fc)を選択しておきそのスペクトル強度(BGf
a,BGfb,BGfc)を測定し、放電発生の基準値
として設定しておく。
【0012】次に、ステップST2において実機運転中
に検出器7にて検出された電磁波の周波数でのスペクト
ル強度を測定し、ステップST3にてスペクトル強度が
ピークとなるスペクトルピーク周波数を抽出する。抽出
したスペクトルピーク周波数がステップST1で選択し
た周波数fa、fb、fcと一致すれば、ステップST
5にて周波数fa,fb,fcでのスペクトル強度(G
fa,Gfb,Gfc)を抽出する。また、抽出した周
波数がfa,fb,fcと一致しなければ、ステップS
T2に戻って再度電磁波を検出し周波数でのスペクトル
強度を測定する。
【0013】そしてステップST6では、ステップ5に
て抽出されたスペクトル強度(Gfa,Gfb,Gf
c)と予めステップST1で設定された背景ノイズの少
ない周波数でのスペクトルピーク周波数の強度の基準値
(BGfa,BGfb,BGfc)と比較し、スペクト
ル強度(Gfa,Gfb,Gfc)が基準値(BGf
a,BGfb,BGfc)よりも大きければ部分放電が
発生していると判断し、また小さければステップST2
へ戻って再度電磁波を検出しスペクトル強度を測定す
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の部
分放電検出方法は、部分放電発生の基準スペクトル強度
を決める際に、背景ノイズを測定し背景ノイズの少ない
周波数を部分放電発生を判定する周波数とし、その周波
数より基準スペクトル強度を決めた。従って、基準スペ
クトル強度を決める際にはノイズが侵入せずに、放電検
出中にノイズが侵入してしまった場合は、ノイズの侵入
を部分放電が発生したと誤判断してしまうという問題点
があった。
【0015】また、特公平3ー15771号公報のよう
に600MHz以上の周波数でのスペクトル強度の平均
値を用いて、部分放電源の位置を推定する方法では複数
の検出器が必要であった。このため、特に可搬型の部分
放電測定装置で放電源位置を同定しようとすると複数箇
所に設置した検出器から信号を同時に取り込む必要があ
り、測定のための装置設定が煩雑になるという問題があ
った。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、ノイズによる部分放電発生の誤
判断が少なく、また、単一の検出器からの信号だけで放
電源の位置が推定でき、また、放電源が移動しているか
どうかを判定することができるガス絶縁機器の部分放電
検出方法を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るガス絶縁
機器の部分放電検出方法は、ガス絶縁機器中の部分放電
により発生する電磁波が、前記ガス絶縁機器内の母線部
のインピーダンスが不連続となる場所で反射して共振し
た際に定在波を励起する共振周波数とこの共振周波数で
のスペクトラム強度を予め前記ガス絶縁機器の形態に応
じてそれぞれ求めて登録した後に、前記ガス絶縁機器内
部で検出された電磁波の周波数を測定し、この測定され
た周波数と前記登録された各共振周波数との一致不一致
を判定し、一致が判定されたならば周波数でのスペクト
ラム強度を測定し、この測定されたスペクトラム強度と
前記登録されたスペクトラム強度とを比較し、比較結果
より部分放電の発生を判定するものである。
【0018】請求項2に係るガス絶縁機器の部分放電検
出方法は、共振周波数およびこの共振周波数の高次の周
波数でのスペクトル強度の内,1つあるいは各次数の周
波数でのスペクトル強度の大きさが予め設定れた基準値
を超えたときに部分放電が発生したと判定するものであ
る。
【0019】請求項3に係るガス絶縁機器の部分放電検
出方法は、ガス絶縁機器中の部分放電により発生する電
磁波が、前記ガス絶縁機器内の母線部のインピーダンス
が不連続となる場所で反射して共振した際に定在波を励
起する共振周波数とこの共振周波数の高次の周波数を、
前記不連続となる2つの場所の距離に対応させてそれぞ
れ求めて登録した後、前記ガス絶縁機器内部で検出され
た電磁波における周波数測定し、この測定された周波数
中に前記登録された各周波数と一致する周波数が検出さ
れたときに、一致した各周波数でのスペクトラム強度を
測定し、この測定された各スペクトラム強度の比あるい
は差より部分放電位置を判定するものである。
【0020】請求項4に係るガス絶縁機器の部分放電検
出方法は、各測定された共振周波数とこの共振周波数と
次数の異なる周波数でのスペクトラム強度の比が経時変
化したか否かを判定し、経時変化判定時に放電源の移動
を判定するものである。
【0021】請求項5に係るガス絶縁機器の部分放電検
出方法は、インピーダンスが不連続となる場所としてガ
ス絶縁機器内部における母線部を中心に支持する2つの
絶縁スペーサ間とし、この絶縁スペーサ間距離で決まる
周波数を部分放電発生判定用の周波数として登録するも
のである。
【0022】請求項6に係るガス絶縁機器の部分放電検
出方法は、インピーダンスが不連続となる場所として気
中架線とガス絶縁機器を接続するガスブッシングと絶縁
スペーサとの間の距離とし、この距離で決まる周波数を
部分放電発生判定用の周波数として登録するものであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の各実施の形態を
詳細に説明する前にこの発明の技術的背景について説明
する。この発明では予めガス絶縁機器の部分放電を示す
電磁波の周波数でのスペクトル強度を測定する周波数帯
域を選定し、その周波数帯域における周波数としてガス
絶縁機器の形状によって特定される固有の共振周波数を
選択することを特徴とする。
【0024】ガス絶縁母線3において特性インピーダン
スが不連続となる場所Li、および場所Liとは異なる
位置でありインピーダンスが不連続となる別の場所Lj
との距離をDijとするときに、nxc/2dijHz
の周波数、またはmxc/4dHzでのスペクトル強度
の大きさを部分放電発生の指標とする。
【0025】ここで、cは光速、n、mは次数を示す正
の整数である。特性インピーダンスが不連続となる場所
としては、気中架線1とガス絶縁機器の接続部であるガ
スブッシング2、高電圧導体6を金属タンクMから絶縁
し機械的に支持している絶縁スペーサS2、またガス絶
縁母線3においてL字型に屈曲した部分や、T字型に分
岐した部分などがある。
【0026】部分放電により発生した電磁波パルスはイ
ンピーダンスが不連続となる部分において、反射され、
共振による定在波を励起する。部分放電によって生ずる
周波数でのスペクトル強度のうち、定在波が励起される
周波数(定在波周波数)ではそのスペクトル強度は極め
て強くなる。従って、定在波周波数での周波数成分を検
出することにより感度の良い部分放電の検出が可能とな
る。
【0027】この発明では予め、部分放電を検出しよう
としているガス絶縁機器の共振周波数を機器の形態より
求めておき、その共振周波数でのスペクトル強度によっ
て、部分放電の発生や部分放電源の位置を推定する。次
にガス絶縁機器のインピーダンスの不連続部によってど
の周波数にスペクトルピークが発生するかを述べる。
【0028】そのために、図1に示した2mの距離離隔
した2枚の絶縁スペーサS1,S2間に中間電極型の部
分放電検出器7を設置し、模擬放電源12を絶縁スペー
サS1,S2間の所定の位置に設置する。そして、模擬
放電源12よって起こした放電による電磁波を部分放電
検出器7で検出した後に、周波数スペクトル測定器10
でガス絶縁機器の形態によって決まる共振周波数でのス
ペクトル強度を測定する。金属タンクM内には絶縁性ガ
スとしてSF6ガスが0.5MPaの圧力で封入されて
いる。
【0029】図2は周波数スペクトル測定器10で測定
された周波数でのスペクトル強度である。この図から明
らかなように、75MHz、150MHz、225MH
zの周波数でのスペクトル強度にピークが現れており、
即ち共振周波数75MHzの整数倍の周波数にスペクト
ル強度ピークが現れていることがわかる。
【0030】従って、これらの周波数でのスペクトル強
度の変化により部分放電を検出することでより高感度の
部分放電検出が可能になることがわかる。図3は75M
Hzのスペクトル強度におけるピークの放電源位置依存
性を測定した結果である。放電源の位置に依存して、ス
ペクトル強度が変化することがわかる。図3において、
絶縁スペーサS1,S2の位置でのスペクトル強度がほ
ぼゼロに近く、絶縁スペーサが定在波の節となっている
ことは、絶縁スペーサが短絡状態となっていることを示
している。
【0031】このような試験結果より、SF6ガス中で
発生する部分放電に対しては絶縁スペーサS1,S2を
短絡端と見做してよいことが新たな知見として得られ
た。両端短絡の場合の伝送線路の共振周波数はnxc/
2D となる。ここで、cは光速、Dは絶縁スペーサ間
距離、nは正の整数である。このように、部分放電によ
る電磁波の周波数でのスペクトル強度は、絶縁スペーサ
S1,S2間での電磁波の反射により、上記周波数(7
5MHzの整数倍の周波数)でのスペクトル強度が強く
なることがわかる。
【0032】測定される共振周波数はガス絶縁機器の形
態、本検証例では絶縁スペーサS1,S2間の距離に依
存して特徴的に現れる周波数である。また、実際に共振
周波数は計算値であるnxc/2Dからずれる可能性が
あるが、これは絶縁スペーサS1,S2が厚みを持って
いることが原因のひとつである。従って、共振周波数を
求める際には、共振周波数nxc/2Dに対して15%
程度の誤差を見込み、その範囲内に置いて模擬放電によ
って放射された電磁波に関して実測した周波数でのスペ
クトル強度のピークとなる周波数を部分放電の指標とし
て選択することが望ましい。
【0033】ノイズ、特に放送波や通信波などの狭周波
数帯域のノイズはガス絶縁機器の形状に無関係の特定の
周波数領域に強く現れる。従って、絶縁スペーサS1,
S2間距離で決まる共振周波数を部分放電発生を判定す
るための周波数とすれば、ノイズの影響の少ない部分放
電の検出が可能となる。両端が短絡端の場合の伝送線路
の共振周波数のn次モードの理論強度はフーリエ変換に
より次式で与えられる。
【0034】
【数1】
【0035】ここでは放電パルスとして矩形波を仮定
し、パルス幅をtw、放電源の位置をld、部分放電検
出器の位置をlcとし線路長をlとしている。またAは
放電の大きさに比例する定数である。本発明では、放電
源の位置を推定する手段として、共振周波数の内、次数
の異なる複数の周波数でのスペクトル強度を指標とす
る。
【0036】図4に上式にもとづいて次数n=1、2の
場合における周波数でのスペクトル強度の放電源位置依
存性を示した。図4からわかるように、共振周波数での
スペクトル強度は放電源位置に依存する。図4から1次
の周波数と2次の周波数でのスペクトル強度の比較を行
うことによって、放電源の位置が推定できることがわか
る。
【0037】例えば、図4において次数n=2の周波数
でのスペクトル強度が次数n=1の周波数でのスペクト
ル強度より小さければ、放電源が距離laとlbとの間
にあると推定できる。同様にして、n次の周波数でのス
ペクトル強度とm次の周波数でのスペクトル強度を比較
することにより放電源位置の推定が可能となることは明
らかである。
【0038】また、放電源が移動しているか否かはn次
の周波数でのスペクトル強度とm次の周波数でのスペク
トル強度の比を常時測定することで判定できる。上式は
n次とm次の周波数でのスペクトル強度の比が放電の大
きさには依存せず、放電源の位置ldと検出器の位置l
cで決まることを示している。従って、n次とm次の周
波数でのスペクトル強度の比が変化したことを観測する
ことにより放電源が移動したことを判定することができ
る。
【0039】また、図4においてスペクトル強度分布の
周期はD/n、ここでDは絶縁スペーサS1,S2間距
離となる。従って、高次の周波数でのスペクトル強度を
用いることにより、より位置分解能高く、放電源が可動
異物であるかどうかを検出できることは明らかである。
【0040】上記の例では絶縁スペーサS1と絶縁スペ
ーサS1の間での放電パルスの往復によって定在波が形
成される周波数により放電の発生を判定する例を示した
が、絶縁スペーサ以外の場合にも以上に示したような定
在波は形成される。例えば、気中架線1とガス絶縁機器
3との接続部であるガスブッシング2は静電容量が大き
いため部分放電パルスに対しては短絡端として作用す
る。
【0041】従って、ガスブッシング2と絶縁スペーサ
S1間でも同様にその距離を半波長とする周波数を基本
波とした定在波が発生し、その周波数成分が強く現れ
る。また、不連続部の片側が開放端、他端が短絡端とし
て作用する場合には、nc/4Dijなる周波数でスペ
クトル強度が強くなるので、この周波数において部分放
電の発生を判定することによりノイズに強い部分放電の
検出が可能となる。
【0042】実施の形態1.以下、この発明の実施の形
態1に係るガス絶縁機器の部分放電検出方法を図につい
て説明する。図5は本実施の形態に係る部分放電検出方
法を説明するフローチャートである。本実施の形態で
は、ステップST11において測定対象である図8に示
したガス絶縁機器の共振周波数をインピーダンス不連続
部の距離からあらかじめ解析し、コンピュータ11に登
録する。
【0043】その際、本実施の形態では絶縁スペーサS
1とS2、S1とS3、S1とS4のそれぞれの間の距
離Da,Db,Dcで決まる3種類の共振周波数を測定
すべき周波数として選択する。この周波数を選択する手
続きとしては、絶縁スペーサS1とS2、S1とS3、
S1とS4のそれぞれの間の距離に基づく計算値による
共振周波数と実測値による共振周波数との間に誤差が生
ずることがあるので、模擬放電等で電磁波を放射して実
測により各絶縁スペーサ間の距離できまる共振周波数を
確定することが望ましい。
【0044】本実施の形態では、絶縁スペーサS1とS
2との距離で決まる共振周波数fa=c/2Da、絶縁
スペーサS1とS3の距離で決まる共振周波数fb=c
/2Db、絶縁スペーサS1とS4の距離で決まる共振
周波数fc=c/2Dcの3種類の共振周波数を部分放
電発生の指標とした。本実施の形態では各絶縁スペーサ
S1とS2、S1とS3、S1とS4間の距離できまる
1次の共振周波数を選択したが、現地での実測に置いて
この共振周波数では背景ノイズが多ければ、n=2以上
の次数の周波数を選択しても良い。
【0045】ステップST12において実機運転中に共
振周波数でのスペクトル強度を測定する。ステップST
13において、測定された周波数でのスペクトル強度の
データの内でスペクトルピーク周波数を抽出する。ステ
ップST14では、抽出されたスペクトルピーク周波数
の内でステップST11で選択された周波数近傍をスキ
ャンし抽出されたスペクトルピーク周波数の内、予め登
録された周波数(fa、fb、fc)と一致する周波数
が測定されたか否かを判断する。一致する周波数が測定
されなければステップST12へ戻り周波数スペクトル
を測定する。
【0046】もし一致する周波数が測定されたと判断さ
れたならば、ステップST15にてその抽出されたスペ
クトルピーク周波数でのスペクトル強度(Gfa、Gf
c、Gfc)を抽出する。そして、ステップST16に
おいて、予め測定されていた周波数(fa、fb、f
c)でのスペクトル強度の基準強度(BGfa、BGf
b、BGfc)とステップST15で抽出したスペクト
ル強度(Gfa、Gfc、Gfc)を比較し、もしもし
抽出したスペクトル強度(Gfa、Gfc、Gfc)が
基準強度(BGfa、BGfb、BGfc)よりも大き
ければ部分放電であると判定する。しかし、基準強度
(BGfa、BGfb、BGfc)よりも大きくなけれ
ばステップST12へ戻り周波数でのスペクトル強度を
測定する。
【0047】従って本実施の形態によれば、絶縁スペー
サでの反射による共振周波数、すなわち、機器固有の共
振周波数で部分放電の発生を検出しているので、ノイズ
の影響を受けることなく部分放電を検出することができ
る。
【0048】本実施の形態ではDa、Db、Dcの3種
類の距離で決まる共振周波数の各基本モードのみに着目
したが、それぞれの共振周波数の高次モードの周波数を
選択し、その周波数をもとに部分放電の発生と判定して
も良い。また、他のインピーダンス不連続部での共振周
波数を選択しても良い。
【0049】実施の形態2.上記実施の形態1では、特
性インピーダンスが不連続となる複数の区間の距離に依
存する各共振周波数に基づいて部分放電を検出したが、
本実施の形態は特性インピーダンスが不連続となる2箇
所で決まる単一の区間の距離に依存する共振周波数に基
づいて放電源位置を特定する。
【0050】以下、本実施の形態に係る放電源特定方法
を図について説明する。図6は本実施の形態に係る放電
特定方法を説明するフローチャートである。本実施の形
態では、ステップST21において測定対象である図1
に示したガス絶縁機器の絶縁スペーサS1とS2との間
の距離Daで決まる共振周波数の1次の周波数f1=c
/2Da、その共振周波数の2次の周波数f2=2f1
の2種類の周波数を測定用周波数としてコンピュータ1
1に登録する。
【0051】尚、本実施の形態では、予め登録された周
波数f1,f2でのスペクトル強度(Gf1、Gf2)
を抽出するまでの処理、即ち、ステップST22からス
テップST25までの処理は実施の形態1と同様の処理
を行う。ステップST24において、登録された1次の
周波数f1=c/2Da、2次の周波数f2=2f1と
一致したスペクトルピーク周波数f1,f2を抽出した
ならば、ステップST25でスペクトルピーク周波数f
1,f2のスペクトル強度Gf1,Gf2を抽出する。
【0052】ステップST26では、抽出したスペクト
ル強度Gf1,Gf2の強度を比較し、Gf1>Gf2
であれば図4に示すように放電源位置はlaとlbの間
であると判定する。また、Gf1>Gf2でなければ放
電源位置は0と1aの間、或いは1bと1の間であると
判定する。
【0053】このように本実施の形態によれば、一つの
検出器で測定される部分放電による電磁波の周波数での
スペクトル強度から放電源の位置が推定できるので部分
放電検出作業が容易となる。
【0054】実施の形態3.上記実施の形態1,2は、
固定された場所における部分放電の検出、部分放電箇所
の特定を目的としたが、本実施の形態は放電源がガス絶
縁機器内を移動する可動異物であるか否かを判定するこ
とを目的とする。
【0055】以下、この発明の実施の形態3に係る放電
源の可動異物判定方法を図について説明する。図7は周
波数スペクトル強度の経時変化より放電源が移動してい
るか否かを判定する方法を説明するフローチャートであ
る。本実施の形態では、図1に示した測定対象である絶
縁スペーサS1とS2間の距離Daで決まる共振周波数
の1次の周波数f1=c/2Da、共振周波数の2次の
周波数f2=2f1の2種類の周波数でのスペクトル強
度を用いて部分放電源が移動しているかどうかを判定す
るため、1次の周波数f1=c/2Da、2次の周波数
f2=2f1を測定用周波数としてステップST31で
コンピュータ11に登録する。
【0056】尚、本実施の形態では、予め登録された周
波数f1,f2でのスペクトル強度(Gf1、Gf2)
を抽出するまでの処理、即ち、ステップST32からス
テップST35までの処理は実施の形態2と同様の処理
を行う。ステップST34において、登録された1次の
周波数f1=c/2Da、2次の周波数f2=2f1と
一致したスペクトルピーク周波数f1,f2を抽出した
ならば、ステップST35でスペクトルピーク周波数f
1,f2のスペクトル強度Gf1,Gf2を抽出する。
【0057】ステップST36では、抽出したスペクト
ル強度Gf1,Gf2の強度を比較し、経時的な変化を
観測する。Gf1/Gf2が経時的に変化していれば放
電源は移動していると判定する。しかし、経時的に変化
していなければステップST32へ戻り周波数でのスペ
クトル強度を測定する。
【0058】この結果、本実施の形態では、一つの検出
器で測定される部分放電による電磁波の周波数でのスペ
クトル強度から、放電源が可動異物かどうかを判定でき
る。
【0059】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ガス絶縁機器
中の部分放電により発生する電磁波が、前記ガス絶縁機
器内の母線部のインピーダンスが不連続となる場所で反
射して共振した際に定在波を励起する共振周波数とこの
共振周波数でのスペクトラムを予め前記ガス絶縁機器の
形態に応じてそれぞれ求めて登録した後に、前記ガス絶
縁機器内部で検出された電磁波の周波数を測定し、この
測定された周波数と前記登録された各共振周波数との一
致不一致を判定し、一致が判定されたならば周波数での
スペクトラムを測定し、この測定されたスペクトラムと
前記登録されたスペクトラムとを比較し、比較結果より
部分放電の発生を判定するようにしたので、外部からの
ノイズの影響を少なくして精度よく部分放電の発生の判
定を行うことができるという効果がある。
【0060】請求項2の発明によれば、共振周波数およ
びこの共振周波数の高次の周波数でのスペクトル強度
内,1つあるいは各次数の周波数でのスペクトル強度の
大きさが予め設定れた基準値を超えたときに部分放電が
発生したと判定するようにしたので、ノイズによる部分
放電発生の誤判断を低減できるという効果がある。
【0061】請求項3の発明によれば、ガス絶縁機器中
の部分放電により発生する電磁波が、前記ガス絶縁機器
内の母線部のインピーダンスが不連続となる場所で反射
して共振した際に定在波を励起する共振周波数とこの共
振周波数の高次の周波数を、前記不連続となる2つの場
所の距離に対応させてそれぞれ求めて登録した後、前記
ガス絶縁機器内部で検出された電磁波における周波数ス
ペクトルを測定し、この測定された周波数中に前記登録
された各周波数と一致する周波数が検出されたときに、
一致した各周波数でのスペクトラム強度を測定し、この
測定された各スペクトラム強度の比あるいは差より部分
放電位置を判定するようにしたので、簡易な装置構成
で、しかも高度な位置分解能により部分放電位置を判定
できるという効果がある。
【0062】請求項4の発明によれば、各測定された共
振周波数とこの共振周波数と次数の異なる周波数でのス
ペクトラム強度の比が経時変化したか否かを判定し、経
時変化判定時に放電源の移動を判定するようにしたの
で、簡易な装置構成で放電源が可動異物であるか判定で
きるという効果がある。
【0063】請求項5の発明によれば、インピーダンス
が不連続となる場所としてガス絶縁機器内部における母
線部を中心に支持する2つの絶縁スペーサ間とし、この
絶縁スペーサ間距離で決まる周波数を部分放電発生判定
用の周波数として登録するようにしたので、部分放電に
よる周波数スペクトルでは、絶縁スペーサ間における電
磁波の反射により共振周波数のスペクトル検出強度を高
めることができるため、検出精度を向上させることがで
きるという効果がある。
【0064】請求項6の発明によれば、インピーダンス
が不連続となる場所として気中架線とガス絶縁機器を接
続するガスブッシングと絶縁スペーサとの間の距離と
し、この距離で決まる周波数を部分放電発生判定用の周
波数として登録するようにしたので、ガスブッシングと
絶縁スペーサ間の距離を半波長した基本波を周波数とす
る定在波が励起される共振周波数でのスペクトル検出強
度を極めて強くできるため、検出精度を向上させること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるガス絶縁機器の一例と、部分
放電検出装置の構成を示す図である。
【図2】 絶縁スペーサ間に存在する部分放電源での放
電による周波数スペクトルを示す図である。
【図3】 図2のスペクトルにおいて75MHzでの周
波数でのスペクトル強度の放電源位置依存性を示す図で
ある。
【図4】 周波数スペクトル強度の放電源位置依存性を
示す図である。ただし、n=1とn=2の場合である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態を示す部分放電の
検出方法を説明するフローチャート図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態を示しており、部
分放電の位置を判定するための動作を説明するフローチ
ャートである。
【図7】 本発明の第3の実施の形態を示しており、部
分放電源が可動異物であるかどうかを判定するための動
作を説明するフローチャートである。
【図8】 ガス絶縁機器の一例と、部分放電検出装置の
構成を示す図である。
【図9】 従来技術における部分放電発生を判定方法を
説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 気中架線、2 ガスブッシング、3 母線、4 計
器変圧器、5 避雷器、6 高圧導体、7 検出器、8
部分放電検出装置、9 広帯域増幅器、10周波数ス
ペクトル測定装置、12 放電源、13 高圧電源、S
1〜S4 絶縁スペーサ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス絶縁機器中の部分放電により発生す
    る電磁波が、前記ガス絶縁機器内の母線部のインピーダ
    ンスが不連続となる場所で反射して共振した際に定在波
    を励起する共振周波数とこの共振周波数でのスペクトラ
    ム強度を予め前記ガス絶縁機器の形態に応じてそれぞれ
    求めて登録した後に、前記ガス絶縁機器内部で検出され
    た電磁波の周波数を測定し、この測定された周波数と前
    記登録された各共振周波数との一致不一致を判定し、一
    致が判定されたならば周波数でのスペクトラム強度を測
    定し、この測定されたスペクトラム強度と前記登録され
    たスペクトラム強度とを比較し、比較結果より部分放電
    の発生を判定することを特徴とするガス絶縁機器の部分
    放電検出方法。
  2. 【請求項2】 共振周波数およびこの共振周波数の高次
    の周波数でのスペクトル強度内、1つあるいは各次数の
    周波数でのスペクトル強度の大きさが予め設定れた基準
    値を超えたときに部分放電が発生したと判定することを
    特徴とする請求項1に記載のガス絶縁機器の部分放電検
    出方法。
  3. 【請求項3】 ガス絶縁機器中の部分放電により発生す
    る電磁波が、前記ガス絶縁機器内の母線部のインピーダ
    ンスが不連続となる場所で反射して共振した際に定在波
    を励起する共振周波数とこの共振周波数の高次の周波数
    を、前記不連続となる2つの場所の距離に対応させてそ
    れぞれ求めて登録した後、前記ガス絶縁機器内部で検出
    された電磁波における周波数スペクトルを測定し、この
    測定された周波数中に前記登録された各周波数と一致す
    る周波数が検出されたときに、一致した各周波数でのス
    ペクトラムを測定し、この測定された各スペクトラムの
    比あるいは差より部分放電位置を判定することを特徴と
    するガス絶縁機器の部分放電検出方法。
  4. 【請求項4】 各測定された共振周波数とこの共振周波
    数と次数の異なる周波数でのスペクトラムの比が経時変
    化したか否かを判定し、経時変化判定時に放電源の移動
    を判定することを特徴とする請求項3に記載のガス絶縁
    機器の部分放電検出方法。
  5. 【請求項5】 インピーダンスが不連続となる場所とし
    てガス絶縁機器内部における母線部を支持する2つの絶
    縁スペーサ間とし、この絶縁スペーサ間距離で決まる共
    振周波数を部分放電発生判定用の周波数として登録する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    ガス絶縁機器の部分放電検出方法。
  6. 【請求項6】 インピーダンスが不連続となる場所とし
    て気中架線とガス絶縁機器を接続するガスブッシングと
    絶縁スペーサとの間の距離とし、この距離で決まる共振
    周波数を部分放電発生判定用の周波数として登録するこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のガ
    ス絶縁機器の部分放電検出方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100691655B1 (ko) * 1999-01-28 2007-03-09 가부시끼가이샤 히다치 세이사꾸쇼 가스절연기기의 부분방전진단장치 및 진단방법
CN117269680A (zh) * 2023-08-21 2023-12-22 国网江苏省电力有限公司南京供电分公司 一种基于基波电场波动的高压断路器外绝缘状态判断方法

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