JPH10255774A - 水素吸蔵合金電極及び水素吸蔵合金電極の製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金電極及び水素吸蔵合金電極の製造方法

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JPH10255774A
JPH10255774A JP9058858A JP5885897A JPH10255774A JP H10255774 A JPH10255774 A JP H10255774A JP 9058858 A JP9058858 A JP 9058858A JP 5885897 A JP5885897 A JP 5885897A JP H10255774 A JPH10255774 A JP H10255774A
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hydrogen storage
lanthanum
cerium
atoms
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JP9058858A
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English (en)
Inventor
Teruhiko Imoto
輝彦 井本
Kikuko Katou
菊子 加藤
Yasushi Kuroda
黒田  靖
Nobuyuki Higashiyama
信幸 東山
Mamoru Kimoto
衛 木本
Shin Fujitani
伸 藤谷
Koji Nishio
晃治 西尾
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水素吸蔵合金電極に使用する水素吸蔵合金の
活性度を十分に向上させて、初期より水素ガスが十分に
吸収されるようにし、この水素吸蔵合金電極を使用した
アルカリ二次電池における内圧特性や低温放電特性等を
向上させる。 【構成】 少なくともランタンとセリウムとニッケルと
コバルトとを含有する水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵合
金電極2において、上記の水素吸蔵合金をランタン塩と
セリウム塩の少なくとも1種を添加させた酸性溶液中で
表面処理し、水素吸蔵合金の表面から30Åまでの範囲
におけるランタン原子とセリウム原子の存在比率の和を
a、バルク領域におけるランタン原子とセリウム原子の
存在比率の和をbとした場合に、a/b≧0.7の条件
を満たす水素吸蔵合金を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ニッケル−水素
二次電池等のアルカリ二次電池において、その負極に使
用される水素吸蔵合金電極及び水素吸蔵合金電極の製造
方法に関するものであり、この水素吸蔵合金電極に使用
する水素吸蔵合金を改質して、水素吸蔵合金における活
性度を初期から向上させ、この水素吸蔵合金電極を用い
たアルカリ二次電池における内圧特性や低温放電特性等
を向上させた点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルカリ二次電池の1つとし
て、ニッケル−水素二次電池が知られており、このニッ
ケル−水素二次電池においては、一般にその負極に水素
吸蔵合金を用いた水素吸蔵合金電極が使用されていた。
【0003】ここで、この負極に使用する水素吸蔵合金
としては、希土類元素の混合物であるミッシュメタル
(Mm)を用いたMm系の水素吸蔵合金や、ラーベス
(Laves)相系の水素吸蔵合金等が使用されてい
た。
【0004】しかし、これらの水素吸蔵合金は、一般に
自然酸化等によってその表面に酸化物等の被膜が形成さ
れており、このような水素吸蔵合金を用いて水素吸蔵合
金電極を作製し、この水素吸蔵合金電極をニッケル−水
素二次電池等のアルカリ二次電池における負極に使用し
た場合には、その初期における水素吸蔵合金の活性度が
低くて、水素ガスの吸収が十分に行なわれず、初期にお
ける電池容量が低くなったり、電池内における圧力が増
加する等の問題があった。
【0005】このため、近年においては、特開平5−2
25975号公報等に示されるように、水素吸蔵合金を
塩酸等の酸性溶液中に浸漬させて、水素吸蔵合金の表面
における酸化被膜を除去するようにしたものが提案され
た。
【0006】ここで、このように水素吸蔵合金を酸性溶
液中に浸漬させて、この水素吸蔵合金の表面における酸
化被膜等を除去した場合、水素吸蔵合金の表面に活性な
部位が出現するが、この表面における活性な部位が空気
中等において再度酸化されてしまい、水素吸蔵合金にお
ける活性度が十分に向上されず、依然として、水素ガス
の吸収が充分に行なわれず、初期における電池容量が低
下したり、低温での放電特性が充分に向上されなかった
り、また電池内における圧力が高くなる等の問題が存在
した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ニッケル
−水素二次電池等のアルカリ二次電池の負極に使用する
水素吸蔵合金電極における上記のような様々な問題を解
決することを課題とするものであり、水素吸蔵合金電極
に使用する水素吸蔵合金の活性度を十分に向上させて、
初期より水素ガスが十分に吸収されるようにし、この水
素吸蔵合金電極を使用したアルカリ二次電池における内
圧特性や低温放電特性等を向上させるようにすることを
課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にお
ける水素吸蔵合金電極においては、上記のような課題を
解決するため、少なくともランタンとセリウムとニッケ
ルとコバルトとを含有する水素吸蔵合金を用いた水素吸
蔵合金電極において、上記の水素吸蔵合金の表面から3
0Åまでの範囲におけるランタン原子とセリウム原子の
存在比率の和をa、バルク領域におけるランタン原子と
セリウム原子の存在比率の和をbとした場合に、a/b
≧0.7の条件を満たす水素吸蔵合金を用いるようにし
た。
【0009】また、この発明の請求項2における水素吸
蔵合金電極の製造方法においては、上記のような課題を
解決するため、少なくともランタンとセリウムとニッケ
ルとコバルトとを含有する水素吸蔵合金を用いて水素吸
蔵合金電極を製造するにあたり、上記の水素吸蔵合金を
ランタン塩とセリウム塩の少なくとも1種を含む酸性溶
液中で表面処理するようにした。
【0010】そして、この水素吸蔵合金電極の製造方法
のように、少なくともランタンとセリウムとニッケルと
コバルトとを含有する水素吸蔵合金をランタン塩とセリ
ウム塩の少なくとも1種を添加させた酸性溶液中におい
て表面処理すると、水素吸蔵合金に含有されたランタン
やセリウムが溶出するが、このように溶出しランタンや
セリウム及び酸性溶液中に添加されたランタンやセリウ
ムが水素吸蔵合金の表面に析出し、本発明者等の考察に
よると、このように析出しランタンやセリウムによって
水素吸蔵合金の表面におけるニッケルやコバルトの活性
な部位が保護され、空気等によってこの活性な部位が酸
化されるのが抑制されるようになる。
【0011】また、この水素吸蔵合金電極を前記のよう
なアルカリ二次電池に使用すると、ニッケルやコバルト
の活性な部位を保護しているランタンやセリウムがこの
電池中における電解液により溶解されて水素吸蔵合金の
表面にニッケルやコバルトの活性部位が出現するように
なると考えられる。
【0012】このため、この水素吸蔵合金電極をアルカ
リ二次電池に使用した場合、水素吸蔵合金内に水素が効
率良く吸蔵されるようになり、電池における内圧の上昇
が抑制されると共に、低温下での放電特性も向上される
ようになる。
【0013】また、上記の請求項1における水素吸蔵合
金電極のように、使用する水素吸蔵合金の表面から30
Åまでの範囲におけるランタン原子とセリウム原子の存
在比率の和aと、バルク領域におけるランタン原子とセ
リウム原子の存在比率の和bの関係がa/b≧0.7に
なるようにすると、水素吸蔵合金の表面におけるニッケ
ルやコバルトの活性な部位が十分に保護されるようにな
り、この水素吸蔵合金電極をアルカリ二次電池に使用し
た場合には、さらに電池における内圧の上昇が抑制され
ると共に、低温下での放電特性も向上されるようにな
る。
【0014】ここで、このように水素吸蔵合金の表面か
ら30Åの範囲までにおけるランタン原子とセリウム原
子の存在比率の和aと、バルク領域におけるランタン原
子とセリウム原子の存在比率の和bの関係がa/b≧
0.7になるようにするにあたっては、水素吸蔵合金を
ランタン塩やセリウム塩を添加させた酸性溶液中で処理
するにあたり、ランタン塩とセリウム塩の添加量をそれ
ぞれ1〜5重量%の範囲にすることが好ましい。
【0015】これは、酸性溶液中に添加させるランタン
塩やセリウム塩の量が1重量%より少ないと、水素吸蔵
合金の表面に析出されるランタン原子やセリウム原子の
量が少なくなり、またこれらの添加量が5重量%以上に
なった場合には、水素吸蔵合金の表面にランタン原子と
セリウム原子のいずれか一方だけが多く析出して、他方
が少なくなり、全体として水素吸蔵合金の表面から30
Åの範囲までにおけるランタン原子とセリウム原子の量
が少なくなるためである。
【0016】また、上記のように水素吸蔵合金をランタ
ン塩とセリウム塩の少なくとも1種を含む酸性溶液中で
表面処理するにあたり、この酸性溶液における初期のp
Hが低すぎたり、その液温が高くなり過ぎると、水素吸
蔵合金の表面にランタンやセリウムが強固に付着され、
この水素吸蔵合金をアルカリ二次電池に使用する場合に
このランタンやセリウムが電池中における電解液によっ
てうまく溶解されなくなる一方、初期のpHが高すぎた
り、その液温が低くなり過ぎると、水素吸蔵合金の表面
におけるランタンやセリウムの付着が弱くなって、水素
吸蔵合金の表面におけるニッケルやコバルトが酸化され
るのを十分に抑制することができなくなるため、上記の
酸性溶液における初期のpHを0.7〜2.0の範囲に
すると共に、その液温を20〜70℃にして処理するこ
とが好ましい。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例に係る水素吸蔵合金
電極及び水素吸蔵合金電極の製造方法について具体的に
説明すると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例にお
いて得られた水素吸蔵合金電極をアルカリ二次電池に使
用した場合に、電池の内圧の上昇が抑制されると共に、
低温下での放電特性が改善されることを明らかにする。
なお、この発明における水素吸蔵合金電極及び水素吸蔵
合金電極の製造方法は、特に、下記の実施例に示したも
のに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範
囲において適宜変更して実施できるものである。
【0018】(実施例1〜4)これらの実施例において
は、Laが25重量%、Ceが50重量%、Prが6重
量%、Ndが19重量%の割合で混合されたミッシュメ
タル(Mm)に対してNiとCoとAlとMnとを適当
なモル比で混合し、これらをアルゴン雰囲気下のアーク
溶解炉で溶解させた後、これを自然放冷させてMmNi
3.1 Co0.8 Al0.4 Mn0.7 の組成になったMm系の
水素吸蔵合金を作製し、この水素吸蔵合金を空気中で機
械的に粉砕して水素吸蔵合金の粉末を得た。
【0019】そして、このようにして得た水素吸蔵合金
粉末を塩酸酸性溶液中で処理するにあたり、これらの実
施例においては、この塩酸酸性溶液中に塩化ランタンL
aCl3 を下記の表1に示すように1〜7重量%の範囲
で添加し、このようにLaCl3 が添加された塩酸酸性
溶液の液温を25℃にすると共に、その初期pHを1に
し、上記の水素吸蔵合金粉末をこれらの各酸性溶液中に
浸漬させて表面処理を行なった。
【0020】次に、上記のようにして表面処理された各
水素吸蔵合金の表面から30Åの深さまでの各原子の存
在比率を測定した。各原子の存在比率の測定は、走査透
過型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分析計を用いて
測定した。ここで各原子の存在比率とは、測定した部分
において、走査透過型電子顕微鏡とエネルギー分散型X
線分析計により検出された全金属原子の総数に対する各
原子の存在数の比を求めたものである。この方法によ
り、ランタン原子とセリウム原子の存在比率の和aを求
めると共に、各水素吸蔵合金の内部のバルク領域におけ
るランタン原子とセリウム原子の存在比率の和bを求め
て、a/bを算出し、その結果を表1に合わせて示し
た。
【0021】次に、上記のようにして表面処理した各水
素吸蔵合金粉末100重量部に対して、結着剤であるポ
リエチレンオキサイドの5重量%水溶液を20重量部加
え、これらを混合して各ペーストを調整し、各ペースト
をそれぞれニッケルメッキを施したパンチングメタルか
らなる芯体の両面に塗着させて乾燥させた後、これらを
所定の寸法に切断して実施例1〜4の各水素吸蔵合金電
極を作製した。
【0022】(比較例1)この比較例においても、上記
の実施例1〜4の場合と同じ水素吸蔵合金の粉末を用
い、この水素吸蔵合金粉末を塩酸酸性溶液中で処理する
にあたり、塩酸酸性溶液中にLaCl3 を添加せず、そ
れ以外は、上記の実施例1〜4の場合と同様に塩酸酸性
溶液の液温を25℃にすると共にその初期pHを1にし
て、上記の水吸蔵合金粉末を表面処理した。なお、表面
処理した水素吸蔵合金粉末について、その表面から30
Åの内部までの部分及びバルク領域におけるランタン原
子とセリウム原子の存在比率を測定し、表面から30Å
の内部までの部分におけるランタン原子とセリウム原子
の存在比率及びその和aを求めると共に、バルク領域に
おけるランタン原子とセリウム原子の存在比率の和bを
求め、前記のa/bの値を算出し、その結果を下記の表
1に示した。
【0023】そして、このように表面処理した水素吸蔵
合金粉末を用い、上記の実施例1〜4の場合と同様にし
て水素吸蔵合金電極を作製した。
【0024】(比較例2)この比較例においては、上記
の実施例1〜4の場合と同じ水素吸蔵合金の粉末を塩酸
酸性溶液中で表面処理せずにそのまま用い、上記の実施
例1〜4の場合と同様にして水素吸蔵合金電極を作製し
た。なお、上記の比較例2のように表面処理しなかった
水素吸蔵合金粉末についても、その表面から30Åの内
部までの部分及びバルク領域におけるランタン原子とセ
リウム原子の存在比率を測定し、表面から30Åの内部
までの部分におけるランタン原子とセリウム原子の存在
比率及びその和aを求めると共に、バルク領域における
ランタン原子とセリウム原子の存在比率の和bを求め、
前記のa/bの値を算出し、その結果を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】この結果、上記のように水素吸蔵合金をL
aCl3 を添加させた酸性溶液中において処理した実施
例1〜4のものにおいては、LaCl3 を添加させない
で酸性溶液中で処理した比較例1のものに比べて、水素
吸蔵合金の表面におけるランタン原子とセリウム原子の
存在比率の和aが非常に高くなっており、また水素吸蔵
合金を酸性溶液で表面処理を行なわなかった比較例2の
ものに比べても、水素吸蔵合金の表面におけるランタン
原子とセリウム原子の存在比率の和aが高くなってい
た。
【0027】特に、LaCl3 の添加量が1〜5重量%
の範囲になった酸性溶液中で表面処理した実施例1〜3
のものは、水素吸蔵合金の表面におけるランタン原子と
セリウム原子の存在比率の和aが高く、上記のa/bの
値が0.70以上になっていたが、LaCl3 の添加量
が5重量%より多い7重量%になった酸性溶液中で表面
処理した実施例4のものにおいては、水素吸蔵合金の表
面におけるランタン原子が多くなる一方、セリウム原子
が少なくなり、水素吸蔵合金の表面におけるランタン原
子とセリウム原子の存在比率の和aが上記の実施例1〜
3のものより減少し、上記のa/bの値が0.70以下
になっていた。
【0028】そして、上記のようにして作製した実施例
1〜4及び比較例1,2の各水素吸蔵合金電極を負極に
使用する一方、正極に、従来より一般に使用されている
焼結式ニッケル極を使用し、またセパレータに耐アルカ
リ性の不織布を用い、電池容量が1000mAhになっ
た図1に示すニッケル−水素二次電池を作製した。
【0029】ここで、上記の各ニッケル−水素二次電池
を作製するにあたっては、図1に示すように、上記の正
極1と各負極2との間にそれぞれセパレータ3を介在さ
せ、これらをスパイラル状に巻いて電池缶4内に収容さ
せた後、この電池缶4内にアルカリ電解液として30重
量%の水酸化カリウム水溶液を注液して封口している。
なお、正極1を正極リード5を介して正極蓋6に接続さ
せると共に、負極2を負極リード7を介して電池缶4に
接続させ、電池缶4と正極蓋6とを絶縁パッキン8によ
り電気的に分離させるようにし、また、正極蓋6と正極
外部端子9との間にコイルスプリング10を設け、電池
の内圧が異常に上昇した場合には、このコイルスプリン
グ10が圧縮されて電池内部のガスが大気中に放出され
るようにしてある。
【0030】そして、上記のようにして作製した各ニッ
ケル−水素二次電池に対して、それぞれの電池の内圧を
測定しながら、常温下において1000mA(1C)で
充電を行ない、電池の内圧が10kgf/cm2 に達す
るまでの充電時間を測定し、これを各ニッケル−水素二
次電池における初期の内圧特性として下記の表2に示し
た。
【0031】また、上記のようにして作製した各ニッケ
ル−水素二次電池に対して、常温下においてそれぞれ充
電電流0.2Cで6時間充電を行なった後、0℃の雰囲
気下において放電電流0.2Cで放電終止電圧1.0V
まで放電を行ない、各ニッケル−水素二次電池における
低温下での放電容量を測定し、これを低温放電特性とし
て下記の表2に示した。
【0032】
【表2】
【0033】この結果、LaCl3 を7重量%添加させ
た酸性溶液中において処理した水素吸蔵合金を用いた実
施例4のものは、酸性溶液中で処理しなかった水素吸蔵
合金を用いた比較例2のものに比べると、電池内の圧力
が上がるのに要する時間が長く、低温下での放電容量も
高くなって、ニッケル−水素二次電池における内圧特性
及び低温放電特性が改善されたが、LaCl3 を添加さ
せなかった酸性溶液中において処理した水素吸蔵合金を
用いた比較例1のものとは同程度であり、ニッケル−水
素二次電池における内圧特性及び低温放電特性の改善が
十分ではなかった。
【0034】これに対して、LaCl3 を1〜5重量%
添加させた酸性溶液中において処理し、上記のa/bの
値が0.70以上になった水素吸蔵合金を用いた実施例
1〜3のものにおいては、上記の実施例4や比較例1の
ものに比べても、電池内の圧力が上がるのに要する時間
が長く、低温下での放電容量も高くなっており、ニッケ
ル−水素二次電池における内圧特性及び低温放電特性が
十分に改善された。
【0035】(実験例1)この実験例においては、上記
の実施例1〜4及び比較例1,2の場合と同じ水素吸蔵
合金の粉末を用い、この水素吸蔵合金の粉末を塩酸酸性
溶液中において処理するにあたり、この塩酸酸性溶液の
液温を25℃に保つ一方、下記の表3及び表4に示すよ
うに、この塩酸酸性溶液に添加するLaCl3 の量を0
〜7重量%の範囲で変化させると共に、この塩酸酸性溶
液の初期pHを0.5〜3.0の範囲で変化させて表面
処理を行なうようにした。
【0036】そして、このようにして表面処理した各水
素吸蔵合金を用い、上記の実施例1〜4の場合と同様に
して各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、各水素吸蔵
合金電極を用いて各ニッケル−水素二次電池を作製し、
前記の場合と同様にして、各ニッケル−水素二次電池に
おける内圧特性及び低温放電特性を調べ、内圧特性の結
果を表3に、低温放電特性の結果を表4に示した。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】この結果、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中
において表面処理するにあたり、LaCl3 の添加量を
1〜5重量%の範囲にすると共に、上記の酸性溶液のp
Hを0.7〜2.0の範囲にした場合に、電池における
内圧特性や低温放電特性が著しく向上された。
【0040】また、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中にお
いて表面処理するにあたり、上記の酸性溶液に添加する
LaCl3 の量を3重量%にする一方、pHを0.5〜
3.0の範囲で変化させた場合において、表面処理され
た各水素吸蔵合金における前記のa/bの値を求め、そ
の結果を下記の表5に示した。
【0041】
【表5】
【0042】この結果、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中
において表面処理するにあたり、酸性溶液に対するLa
Cl3 の添加量を3重量%にすると共に、この酸性溶液
の初期pHを0.7〜2.0の範囲にした場合には、上
記のa/bの値が0.70以上になっており、上記のよ
うにこの範囲において、ニッケル−水素二次電池におけ
る低温放電特性や電池の内圧特性が向上されていた。な
お、LaCl3 の添加量を1〜5重量%の範囲で変化さ
せた場合においても、上記のa/bの値が上記の場合と
ほぼ同様の結果を示した。
【0043】(実験例2)この実験例においては、上記
の実施例1〜4及び比較例1,2の場合と同じ水素吸蔵
合金の粉末を用い、この水素吸蔵合金の粉末を塩酸酸性
溶液中において処理するにあたり、この塩酸酸性溶液の
初期pHを1に保つ一方、下記の表6及び表7に示すよ
うに、この塩酸酸性溶液に添加するLaCl3 の量を0
〜7重量%の範囲で変化させると共に、この塩酸酸性溶
液の液温を10.0〜80.0の範囲で変化させて表面
処理を行なうようにした。
【0044】そして、このようにして表面処理した各水
素吸蔵合金を用い、上記の実施例1〜4の場合と同様に
して各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、各水素吸蔵
合金電極を用いて各ニッケル−水素二次電池を作製し、
前記の場合と同様にして、各ニッケル−水素二次電池に
おける内圧特性及び低温放電特性を調べ、内圧特性の結
果を表6に、低温放電特性の結果を表7に示した。
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】この結果、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中
において表面処理するにあたり、LaCl3 の添加量を
1〜5重量%の範囲にすると共に、上記の酸性溶液の液
温を25.0〜70.0℃の範囲にした場合に、電池に
おける内圧特性や低温放電特性が著しく向上された。
【0048】また、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中にお
いて表面処理するにあたり、上記の酸性溶液に添加する
LaCl3 の量を3重量%にする一方、液温を10.0
〜80.0の範囲で変化させた場合において、表面処理
された各水素吸蔵合金における前記のa/bの値を求
め、その結果を下記の表8に示した。
【0049】
【表8】
【0050】この結果、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中
において表面処理するにあたり、酸性溶液に対するLa
Cl3 の添加量を3重量%にすると共に、この酸性溶液
の液温を25.0〜70.0℃の範囲にした場合には、
上記のa/bの値が0.70以上になっており、上記の
ようにこの範囲において、ニッケル−水素二次電池にお
ける低温放電特性や電池の内圧特性が向上されていた。
なお、LaCl3 の添加量を1〜5重量%の範囲で変化
させた場合においても、上記のa/bの値が上記の場合
とほぼ同様の結果を示した。
【0051】(実施例5〜8)これらの実施例において
も、上記の実施例1〜4及び比較例1,2の場合と同じ
水素吸蔵合金の粉末を用い、この水素吸蔵合金の粉末を
塩酸酸性溶液中において処理するにあたり、この塩酸酸
性溶液の液温を25℃に保つと共にその初期pHを1に
し、下記の表9に示すように、この塩酸酸性溶液に添加
するCeCl3の量を1〜7重量%の範囲で変化させて
表面処理を行なった。
【0052】次に、上記のようにして表面処理された各
水素吸蔵合金の表面から30Åの深さまでの各原子の存
在比率を測定した。各原子の存在比率の測定は、走査透
過型電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分析計を用いて
測定した。ここで各原子の存在比率とは、測定した部分
において、走査透過型電子顕微鏡とエネルギー分散型X
線分析計により検出された全金属原子の総数に対する各
原子の存在数の比を求めたものである。この方法によ
り、ランタン原子とセリウム原子の存在比率の和aを求
めると共に、各水素吸蔵合金の内部のバルク領域におけ
るランタン原子とセリウム原子の存在比率の和bを求め
て、a/bを算出し、その結果を表9に合わせて示し
た。
【0053】
【表9】
【0054】この結果、水素吸蔵合金をCeCl3 を添
加させた酸性溶液中において処理した実施例5〜8のも
のも、前記の実施例1〜4の場合と同様に、LaCl3
やCeCl3 を添加させない酸性溶液中において処理し
た前記の比較例1のものに比べて、水素吸蔵合金の表面
におけるランタン原子とセリウム原子の存在比率の和a
が非常に高くなっており、また水素吸蔵合金を酸性溶液
で表面処理を行なわなかった比較例2のものに比べて
も、水素吸蔵合金の表面におけるランタン原子とセリウ
ム原子の存在比率の和aが高くなっていた。
【0055】特に、CeCl3 の添加量が1〜5重量%
の範囲になった酸性溶液中で表面処理した実施例5〜7
のものは、水素吸蔵合金の表面におけるランタン原子と
セリウム原子の存在比率の和aが高く、上記のa/bの
値が0.70以上になっていたが、CeCl3 の添加量
が5重量%より多い7重量%になった酸性溶液中で表面
処理した実施例8のものにおいては、水素吸蔵合金の表
面におけるセリウム原子が多くなる一方、ランタン原子
が少なくなり、水素吸蔵合金の表面におけるランタン原
子とセリウム原子の存在比率の和aが上記の実施例5〜
7のものに比べて減少し、上記のa/bの値が0.70
以下になっていた。
【0056】そして、上記のように表面処理した各水素
吸蔵合金を用い、前記の実施例1〜4の場合と同様にし
て各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、各水素吸蔵合
金電極を用いて各ニッケル−水素二次電池を作製し、前
記の場合と同様にして、各ニッケル−水素二次電池にお
ける内圧特性及び低温放電特性を調べ、これらの結果を
下記の表10に示した。
【0057】
【表10】
【0058】この結果、CeCl3 を7重量%添加させ
た酸性溶液中において処理した水素吸蔵合金を用いた実
施例8のものも、前記の実施例4の場合と同様に、酸性
溶液中で処理しなかった水素吸蔵合金を用いた前記の比
較例2のものに比べて、ニッケル−水素二次電池におけ
る内圧特性及び低温放電特性が改善されたが、LaCl
3 やCeCl3 を添加させなかった酸性溶液中において
処理した水素吸蔵合金を用いた前記の比較例1のものと
は同程度であり、ニッケル−水素二次電池における内圧
特性及び低温放電特性の改善が十分ではなかった。
【0059】これに対して、CeCl3 を1〜5重量%
添加させた酸性溶液中において処理し、上記のa/bの
値が0.70以上になった水素吸蔵合金を用いた実施例
5〜7のものは、前記の実施例1〜3の場合と同様に、
上記の実施例8や比較例1のものに比べても、電池内の
圧力が上がるのに要する時間が長く、低温下での放電容
量も高くなっており、ニッケル−水素二次電池における
内圧特性及び低温放電特性が十分に改善された。
【0060】(実験例3)この実験例においても、前記
の実施例1〜4の場合と同じ水素吸蔵合金の粉末を用
い、この水素吸蔵合金の粉末を塩酸酸性溶液中において
処理するにあたり、この塩酸酸性溶液の液温を25℃に
保つ一方、下記の表11及び表12に示すように、この
塩酸酸性溶液に添加するCeCl3 の量を1〜7重量%
の範囲で変化させると共に、この塩酸酸性溶液の初期p
Hを0.5〜3.0の範囲で変化させて表面処理を行な
うようにした。
【0061】そして、このようにして表面処理した各水
素吸蔵合金を用い、上記の実施例1〜4の場合と同様に
して各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、各水素吸蔵
合金電極を用いて各ニッケル−水素二次電池を作製し、
前記の場合と同様にして、各ニッケル−水素二次電池に
おける内圧特性及び低温放電特性を調べ、内圧特性の結
果を表11に、低温放電特性の結果を表12に示した。
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】この結果、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中
において表面処理するにあたり、CeCl3 の添加量を
1〜5重量%の範囲にすると共に、上記の酸性溶液のp
Hを0.7〜2.0の範囲にした場合に、電池における
内圧特性や低温放電特性が著しく向上された。
【0065】また、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中にお
いて表面処理するにあたり、上記の酸性溶液に添加する
CeCl3 の量を3重量%にする一方、pHを0.5〜
3.0の範囲で変化させた場合において、表面処理され
た各水素吸蔵合金における前記のa/bの値を求め、そ
の結果を下記の表13に示した。
【0066】
【表13】
【0067】この結果、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中
において表面処理するにあたり、酸性溶液に対するCe
Cl3 の添加量を3重量%にすると共に、この酸性溶液
の初期pHを0.7〜2.0の範囲にした場合には、上
記のa/bの値が0.70以上になっており、上記のよ
うにこの範囲において、ニッケル−水素二次電池におけ
る低温放電特性や電池の内圧特性が向上されていた。な
お、CeCl3 の添加量を1〜5重量%の範囲で変化さ
せた場合においても、上記のa/bの値が上記の場合と
ほぼ同様の結果を示した。
【0068】(実験例4)この実験例においても、前記
の実施例1〜4の場合と同じ水素吸蔵合金の粉末を用
い、この水素吸蔵合金の粉末を塩酸酸性溶液中において
処理するにあたり、この塩酸酸性溶液の初期pHを1に
保つ一方、下記の表14及び表15に示すように、この
塩酸酸性溶液に添加するCeCl3 の量を1〜7重量%
の範囲で変化させると共に、この塩酸酸性溶液の液温を
10.0〜80.0℃の範囲で変化させて表面処理を行
なうようにした。
【0069】そして、このように表面処理した各水素吸
蔵合金を用い、前記の実施例1〜4の場合と同様にして
各水素吸蔵合金電極を作製すると共に、各水素吸蔵合金
電極を用いて各ニッケル−水素二次電池を作製し、前記
の場合と同様にして、各ニッケル−水素二次電池におけ
る内圧特性及び低温放電特性を調べ、内圧特性の結果を
表14に、低温放電特性の結果を表15に示した。
【0070】
【表14】
【0071】
【表15】
【0072】この結果、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中
において表面処理するにあたり、CeCl3 の添加量を
1〜5重量%の範囲にすると共に、上記の酸性溶液の液
温を25.0〜70.0℃の範囲にした場合に、電池に
おける内圧特性や低温放電特性が著しく向上された。
【0073】また、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中にお
いて表面処理するにあたり、上記の酸性溶液に添加する
CeCl3 の量を3重量%にする一方、液温を10.0
〜80.0℃の範囲で変化させた場合において、表面処
理された各水素吸蔵合金における前記のa/bの値を求
め、その結果を下記の表16に示した。
【0074】
【表16】
【0075】この結果、水素吸蔵合金を塩酸酸性溶液中
において表面処理するにあたり、酸性溶液に対するCe
Cl3 の添加量を3重量%にすると共に、この酸性溶液
の液温を25.0〜70.0℃の範囲にした場合には、
上記のa/bの値が0.70以上になっており、上記の
ようにこの範囲において、ニッケル−水素二次電池にお
ける低温放電特性や電池の内圧特性が向上されていた。
なお、CeCl3 の添加量を1〜5重量%の範囲で変化
させた場合においても、上記のa/bの値が上記の場合
とほぼ同様の結果を示した。
【0076】また、上記の各実施例及び各実験例におい
ては、水素吸蔵合金を酸性溶液中において表面処理する
にあたり、この酸性溶液中にLaCl3 とCeCl3
何れか一方だけを添加させるようにしたが、酸性溶液中
にLaCl3 とCeCl3 との双方を添加させるように
した場合においても、ほぼ同様の結果が得られた。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
水素吸蔵合金及び水素吸蔵合金電極の製造方法において
は、少なくともランタンとセリウムとニッケルとコバル
トとを含有する水素吸蔵合金をランタン塩とセリウム塩
の少なくとも1種を添加させた酸性溶液中において表面
処理し、水素吸蔵合金の表面にランタンとセリウムとを
析出させて、水素吸蔵合金の表面におけるランタン原子
とセリウム原子の存在比率を高くしたため、このように
析出されたランタンやセリウムにより水素吸蔵合金の表
面におけるニッケルやコバルトの活性な部位が保護され
て、空気等による酸化が抑制されると共に、この水素吸
蔵合金電極をアルカリ二次電池に使用した場合には、こ
のランタンやセリウムがこの電池中における電解液によ
り溶解されて、水素吸蔵合金の表面にニッケルやコバル
トの活性部位が出現するようになった。
【0078】この結果、この発明のようにして得られた
水素吸蔵合金電極をアルカリ二次電池に使用すると、水
素吸蔵合金内に水素が効率良く吸蔵されるようになり、
低温下での放電容量が増加すると共に、電池における内
圧の上昇も抑制され、低温放電特性や内圧特性に優れた
アルカリ二次電池が得られた。
【0079】また、上記のように水素吸蔵合金をランタ
ン塩とセリウム塩の少なくとも1種添加させた酸性溶液
中で表面処理するにあたり、酸性溶液中に添加させるラ
ンタン塩とセリウム塩の添加量をそれぞれ1〜5重量%
の範囲にして処理し、水素吸蔵合金の表面から30Åま
での範囲におけるランタン原子とセリウム原子の存在比
率の和aと、バルク領域におけるランタン原子とセリウ
ム原子の存在比率の和bの関係がa/b≧0.7になっ
た水素吸蔵合金を水素吸蔵合金電極に用いると、低温放
電特性や内圧特性がさらに優れたアルカリ二次電池が得
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実験例、実施例及び比較例において
作製したニッケル−水素二次電池の概略断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極(水素吸蔵合金電極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東山 信幸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 木本 衛 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 藤谷 伸 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともランタンとセリウムとニッケ
    ルとコバルトとを含有する水素吸蔵合金を用いた水素吸
    蔵合金電極において、上記の水素吸蔵合金の表面から3
    0Åまでの範囲におけるランタン原子とセリウム原子の
    存在比率の和をa、バルク領域におけるランタン原子と
    セリウム原子の存在比率の和をbとした場合に、a/b
    ≧0.7の条件を満たす水素吸蔵合金を用いたことを特
    徴とする水素吸蔵合金電極。
  2. 【請求項2】 少なくともランタンとセリウムとニッケ
    ルとコバルトとを含有する水素吸蔵合金を用いて水素吸
    蔵合金電極を製造するにあたり、上記の水素吸蔵合金を
    ランタン塩とセリウム塩の少なくとも1種を含む酸性溶
    液中で表面処理することを特徴とする水素吸蔵合金電極
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した水素吸蔵合金電極の
    製造方法において、酸性溶液中にランタン塩とセリウム
    塩の少なくとも1種を添加させるにあたり、それぞれの
    添加量を1〜5重量%の範囲にしたことを特徴とする水
    素吸蔵合金電極の製造方法。
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