JPH1025908A - コンクリート柱状構造体の補強方法及び繊維補強されたコンクリート柱状構造体 - Google Patents
コンクリート柱状構造体の補強方法及び繊維補強されたコンクリート柱状構造体Info
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- JPH1025908A JPH1025908A JP19697096A JP19697096A JPH1025908A JP H1025908 A JPH1025908 A JP H1025908A JP 19697096 A JP19697096 A JP 19697096A JP 19697096 A JP19697096 A JP 19697096A JP H1025908 A JPH1025908 A JP H1025908A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 既存の構造体に対しても施工が容易で有効な
補強効果を付与することができるコンクリート柱状構造
体の補強方法、および施工が容易で充分な耐力を備える
繊維補強されたコンクリート柱状構造体を提供する。 【解決手段】 有機繊維からなる補強糸が織り込まれた
織布10を、コンクリート柱状構造体2の側面に巻き回
して接着する。このとき補強糸は水平方向に対してほぼ
45度で逆方向に傾斜する2方向へ配列されるものとす
る。この補強糸は、せん断力によってコンクリート柱状
構造体の斜め方向に生じる引張力に抵抗するものであ
り、これらの引張力に対抗するのに充分な長さを有す
る。また、織布を複数の部分に分けて貼り合わせるとき
は、補強糸の張力が伝達されるのに充分な長さを重ね合
わせる。
補強効果を付与することができるコンクリート柱状構造
体の補強方法、および施工が容易で充分な耐力を備える
繊維補強されたコンクリート柱状構造体を提供する。 【解決手段】 有機繊維からなる補強糸が織り込まれた
織布10を、コンクリート柱状構造体2の側面に巻き回
して接着する。このとき補強糸は水平方向に対してほぼ
45度で逆方向に傾斜する2方向へ配列されるものとす
る。この補強糸は、せん断力によってコンクリート柱状
構造体の斜め方向に生じる引張力に抵抗するものであ
り、これらの引張力に対抗するのに充分な長さを有す
る。また、織布を複数の部分に分けて貼り合わせるとき
は、補強糸の張力が伝達されるのに充分な長さを重ね合
わせる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存のコンクリー
ト柱状構造体に有機繊維を接着して補強する方法、及び
有機繊維を外側面に接着することによって補強されたコ
ンクリート柱状構造体に関する。
ト柱状構造体に有機繊維を接着して補強する方法、及び
有機繊維を外側面に接着することによって補強されたコ
ンクリート柱状構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】現代社会において、大きな地震が生じた
ときに都市機能を維持することの重要性に注目が集まっ
ており、建築物や高架橋等の構造物の耐震性もより大き
なものが要求される。このため、橋造物の設計規準の見
直しも行われ、大きな地震にも耐え得る構造に設計され
るようになっている。しかし、既存の構造物の中には、
その構築当時の規準により設計されたために充分な耐震
性を有しないものがある。このような構造物は現在の規
準によって照査すると大きな地震が生じたときに重大な
損傷を受ける恐れがあり、早急に補強する必要が生じて
いる。このような状況において、耐震性が不足する構造
物の補強工事が行われており、特にコンクリートの柱状
構造体に対しては、従来から広く用いられている方法と
して、 コンクリート柱状構造体の外周面に鋼板を巻き立て
る方法 柱状構造体の外周面にコンクリートを巻き立て、部
材寸法を増大する方法 がある。ところが、上記従来の方法のうち、鋼板を巻き
立てる方法では、鋼板の重量が大きく、これを建築物内
や高架橋の桁下の狭い空間で建て込む必要があり、施工
性が著しく悪いという問題がある。また、コンクリート
を巻き立てる方法では、コンクリートの重量によって、
基礎の耐力が不足する場合が生じる。さらにコンクリー
ト部材断面の増加によって建築物内の空間や桁下空間の
利用に支障が生じる場合もある。
ときに都市機能を維持することの重要性に注目が集まっ
ており、建築物や高架橋等の構造物の耐震性もより大き
なものが要求される。このため、橋造物の設計規準の見
直しも行われ、大きな地震にも耐え得る構造に設計され
るようになっている。しかし、既存の構造物の中には、
その構築当時の規準により設計されたために充分な耐震
性を有しないものがある。このような構造物は現在の規
準によって照査すると大きな地震が生じたときに重大な
損傷を受ける恐れがあり、早急に補強する必要が生じて
いる。このような状況において、耐震性が不足する構造
物の補強工事が行われており、特にコンクリートの柱状
構造体に対しては、従来から広く用いられている方法と
して、 コンクリート柱状構造体の外周面に鋼板を巻き立て
る方法 柱状構造体の外周面にコンクリートを巻き立て、部
材寸法を増大する方法 がある。ところが、上記従来の方法のうち、鋼板を巻き
立てる方法では、鋼板の重量が大きく、これを建築物内
や高架橋の桁下の狭い空間で建て込む必要があり、施工
性が著しく悪いという問題がある。また、コンクリート
を巻き立てる方法では、コンクリートの重量によって、
基礎の耐力が不足する場合が生じる。さらにコンクリー
ト部材断面の増加によって建築物内の空間や桁下空間の
利用に支障が生じる場合もある。
【0003】このような事情から、炭素繊維・ガラス繊
維等を用いてコンクリートの柱状構造体を補強する技術
が提案されており、例えば特開平5−332031号公
報、特公平7−23624号公報等に記載されているも
のがある。これらの技術では、図8(a)に示すよう
に、柱状構造体101の少くとも周方向に高強度の補強
繊維102を巻き付け、この補強繊維によってコンクリ
ートを締め付けるように拘束する。これにより、大きな
曲げモーメントが作用したときのコンクリートの剥離や
主筋のはらみ出しを防止する。また、この補強繊維はせ
ん断力によるコンクリート柱状構造体の破壊に抵抗する
ものとなる。そして、特開平5−332031号公報に
記載の技術では、施工性を考慮して、図8(b)に示す
ような、支持シート103に一方向の補強繊維102を
積層して接着した強化繊維シート104を用い、これを
コンクリート柱状構造体の側面に巻き付けて接着する。
維等を用いてコンクリートの柱状構造体を補強する技術
が提案されており、例えば特開平5−332031号公
報、特公平7−23624号公報等に記載されているも
のがある。これらの技術では、図8(a)に示すよう
に、柱状構造体101の少くとも周方向に高強度の補強
繊維102を巻き付け、この補強繊維によってコンクリ
ートを締め付けるように拘束する。これにより、大きな
曲げモーメントが作用したときのコンクリートの剥離や
主筋のはらみ出しを防止する。また、この補強繊維はせ
ん断力によるコンクリート柱状構造体の破壊に抵抗する
ものとなる。そして、特開平5−332031号公報に
記載の技術では、施工性を考慮して、図8(b)に示す
ような、支持シート103に一方向の補強繊維102を
積層して接着した強化繊維シート104を用い、これを
コンクリート柱状構造体の側面に巻き付けて接着する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の技術には次のような問題点がある。特開平
5−332031号公報に記載される技術等で用いられ
る強化繊維シートは、一方向に補強繊維が配置され、こ
れが支持シート上に接着されているので、柔軟性が少な
く巻き立て作業が難しい。つまり、コンクリートの表面
に凹凸等があったときに追従性が悪く、補強繊維とコン
クリート面との間に隙間ができてしまい、繊維がコンク
リート面に接着されない部分ができやすい。また、強化
繊維シートの通気性が悪く、コンクリート面との間に気
泡が残りやすく、この場合にも補強繊維とコンクリート
面とが接着されない部分が生じてしまう。このように補
強繊維とコンクリートとが接着されていない部分がある
と充分な補強効果が得られないという問題がある。
ような従来の技術には次のような問題点がある。特開平
5−332031号公報に記載される技術等で用いられ
る強化繊維シートは、一方向に補強繊維が配置され、こ
れが支持シート上に接着されているので、柔軟性が少な
く巻き立て作業が難しい。つまり、コンクリートの表面
に凹凸等があったときに追従性が悪く、補強繊維とコン
クリート面との間に隙間ができてしまい、繊維がコンク
リート面に接着されない部分ができやすい。また、強化
繊維シートの通気性が悪く、コンクリート面との間に気
泡が残りやすく、この場合にも補強繊維とコンクリート
面とが接着されない部分が生じてしまう。このように補
強繊維とコンクリートとが接着されていない部分がある
と充分な補強効果が得られないという問題がある。
【0005】また、既存の橋脚等では、せん断力に対す
る耐力が不足しているものが多くあり、せん断力に対す
る補強が最も重要となる場合がある。コンクリート構造
体にせん断力が作用したときにコンクリートを破壊する
引張応力は一般に部材の軸線方向と斜めの方向に生じ、
図8(a)に示すように周方向に巻き付けた補強繊維で
は補強の効率が悪く、必要な補強繊維が多くなってしま
うこともある。
る耐力が不足しているものが多くあり、せん断力に対す
る補強が最も重要となる場合がある。コンクリート構造
体にせん断力が作用したときにコンクリートを破壊する
引張応力は一般に部材の軸線方向と斜めの方向に生じ、
図8(a)に示すように周方向に巻き付けた補強繊維で
は補強の効率が悪く、必要な補強繊維が多くなってしま
うこともある。
【0006】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、既存の構造体に対しても施
工が容易で有効な補強効果を付与することができるコン
クリート柱状構造体の補強方法、および施工が容易で充
分な耐力を備える繊維補強されたコンクリート柱状構造
体を提供することである。
たものであり、その目的は、既存の構造体に対しても施
工が容易で有効な補強効果を付与することができるコン
クリート柱状構造体の補強方法、および施工が容易で充
分な耐力を備える繊維補強されたコンクリート柱状構造
体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、 有機繊維からなる補
強糸が織り込まれた織布を用い、 前記補強糸が、水平
方向に対して角度が同じで逆方向に傾斜する2方向へ配
列され、コンクリート柱状構造体内の斜め方向に作用す
る引張力を負担し得るように、該織布をコンクリート柱
状構造体の外側面に接着することを特徴とするコンクリ
ート柱状構造体の補強方法を提供するものである。
めに、請求項1に記載の発明は、 有機繊維からなる補
強糸が織り込まれた織布を用い、 前記補強糸が、水平
方向に対して角度が同じで逆方向に傾斜する2方向へ配
列され、コンクリート柱状構造体内の斜め方向に作用す
る引張力を負担し得るように、該織布をコンクリート柱
状構造体の外側面に接着することを特徴とするコンクリ
ート柱状構造体の補強方法を提供するものである。
【0008】ここで、上記有機繊維は、炭素繊維等に比
べて破断までの伸び量が大きいものであれば用いること
ができるが、強度および弾性係数の大きいものが望まし
く、アラミド繊維等が適している。また、コンクリート
柱状構造体に接着されたときの補強糸が水平方向となす
角度は、せん断力による斜引張応力の方向に近い角度に
設定するもので、45度が望ましいが、30度〜60度
程度であってもよい。
べて破断までの伸び量が大きいものであれば用いること
ができるが、強度および弾性係数の大きいものが望まし
く、アラミド繊維等が適している。また、コンクリート
柱状構造体に接着されたときの補強糸が水平方向となす
角度は、せん断力による斜引張応力の方向に近い角度に
設定するもので、45度が望ましいが、30度〜60度
程度であってもよい。
【0009】2方向が、水平方向に対して角度がほぼ同
じで、逆方向に傾斜する状態とは、つまり補強糸の方向
がなす角度の2等分線がほぼ水平かほぼ鉛直となる状態
である。このように、補強糸を2方向に配列するには、
一方向のみに補強糸が織り込まれた織布を方向を変え、
重ねて接着してもよいし、請求項2に記載するように2
方向に補強糸が織り込まれた織布を用いてもよい。ま
た、一方向のみに補強糸が織り込まれた織布を用いる場
合には、図5(a)に示すように補強糸が織布を連続的
に織ってゆく方向またはこれと直角方向に織り込まれて
いるものであってもよいし、図5(b)に示すように織
ってゆく方向と角度を有する方向に織り込まれているも
のであってもよい。
じで、逆方向に傾斜する状態とは、つまり補強糸の方向
がなす角度の2等分線がほぼ水平かほぼ鉛直となる状態
である。このように、補強糸を2方向に配列するには、
一方向のみに補強糸が織り込まれた織布を方向を変え、
重ねて接着してもよいし、請求項2に記載するように2
方向に補強糸が織り込まれた織布を用いてもよい。ま
た、一方向のみに補強糸が織り込まれた織布を用いる場
合には、図5(a)に示すように補強糸が織布を連続的
に織ってゆく方向またはこれと直角方向に織り込まれて
いるものであってもよいし、図5(b)に示すように織
ってゆく方向と角度を有する方向に織り込まれているも
のであってもよい。
【0010】上記のように補強糸が織り込まれた織布が
接着されていると、コンクリート柱状構造体に対して次
のように作用する。地震時の水平動等により、大きな水
平方向の力が作用するとコンクリート柱状構造体にはせ
ん断力が作用し、コンクリートには図6(a)に示すよ
うに斜め方向の主応力が発生する。直交する方向に作用
するこれらの主応力のうち一方は、引張応力(斜引張応
力)であり、コンクリートにせん断ひび割れを生じさせ
る原因となる。そして、地震動のように双方向に水平力
が作用すると図6(b)に示すように斜めひび割れは双
方向に生じようとする。これに対し、補強糸が斜め方向
に接着されていると、その方向は上記のような斜引張応
力の方向に近く、補強糸が上記斜引張応力を有効に負担
してひび割れを防止する。また、ひび割れが発生した後
においても、補強糸が斜めひび割れを直角に近い角度で
横切り、ひび割れの拡大を有効に防止することになる。
したがってせん断力に対して大きな補強効果が得られ
る。
接着されていると、コンクリート柱状構造体に対して次
のように作用する。地震時の水平動等により、大きな水
平方向の力が作用するとコンクリート柱状構造体にはせ
ん断力が作用し、コンクリートには図6(a)に示すよ
うに斜め方向の主応力が発生する。直交する方向に作用
するこれらの主応力のうち一方は、引張応力(斜引張応
力)であり、コンクリートにせん断ひび割れを生じさせ
る原因となる。そして、地震動のように双方向に水平力
が作用すると図6(b)に示すように斜めひび割れは双
方向に生じようとする。これに対し、補強糸が斜め方向
に接着されていると、その方向は上記のような斜引張応
力の方向に近く、補強糸が上記斜引張応力を有効に負担
してひび割れを防止する。また、ひび割れが発生した後
においても、補強糸が斜めひび割れを直角に近い角度で
横切り、ひび割れの拡大を有効に防止することになる。
したがってせん断力に対して大きな補強効果が得られ
る。
【0011】また、補強糸は曲げ応力の一部を負担する
ことができ、曲げモーメントに対する補強にもなる。さ
らに、上記織布を柱状構造体の周方向に連続して接着す
ることによってコンクリートを周方向に拘束することに
なり、大きな曲げモーメントが作用したときに、コンク
リートの剥離および主筋のはらみ出しを防止して曲げ破
壊までのエネルギー吸収量を増大させることができる。
ことができ、曲げモーメントに対する補強にもなる。さ
らに、上記織布を柱状構造体の周方向に連続して接着す
ることによってコンクリートを周方向に拘束することに
なり、大きな曲げモーメントが作用したときに、コンク
リートの剥離および主筋のはらみ出しを防止して曲げ破
壊までのエネルギー吸収量を増大させることができる。
【0012】一方、補強糸は織布として接着するもので
あり、織布は柔らかくしなやかさを有しているので巻き
付ける作業が容易である。つまり、コンクリート面に多
少の凹凸があっても、織糸のずれ等によって追従するの
で、隙間を生じることなくぴったりと貼り付けることが
できる。また、織布は通気性が良く、接着面との間に気
泡が閉じ込められるということもない。したがって補強
糸を確実にコンクリートと一体となるように接着するこ
とができ充分な補強効果が得られる。
あり、織布は柔らかくしなやかさを有しているので巻き
付ける作業が容易である。つまり、コンクリート面に多
少の凹凸があっても、織糸のずれ等によって追従するの
で、隙間を生じることなくぴったりと貼り付けることが
できる。また、織布は通気性が良く、接着面との間に気
泡が閉じ込められるということもない。したがって補強
糸を確実にコンクリートと一体となるように接着するこ
とができ充分な補強効果が得られる。
【0013】また、補強糸は破断までの伸びが大きい有
機繊維でできているので柱状構造体の角部で折り曲げら
れてもこの部分が弱点となって破断するようなこともな
い。さらに、炭素繊維等破断までの伸び量の小さい繊維
では、織布としたときに小さな曲率で曲げられるので強
度の低下が生じるがアラミド繊維等伸びの大きい有機繊
維ではこのような問題も解消される。
機繊維でできているので柱状構造体の角部で折り曲げら
れてもこの部分が弱点となって破断するようなこともな
い。さらに、炭素繊維等破断までの伸び量の小さい繊維
では、織布としたときに小さな曲率で曲げられるので強
度の低下が生じるがアラミド繊維等伸びの大きい有機繊
維ではこのような問題も解消される。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のコンクリート柱状構造体の補強方法において、 前記
織布は、少なくとも2方向に補強糸が織り込まれたもの
とし、 該補強糸の織り込まれた2方向が、水平方向に
対して逆方向に傾斜し、その角度がほぼ同じとなるよう
に、前記織布をコンクリート柱状構造体の外側面に接着
するものとする。
のコンクリート柱状構造体の補強方法において、 前記
織布は、少なくとも2方向に補強糸が織り込まれたもの
とし、 該補強糸の織り込まれた2方向が、水平方向に
対して逆方向に傾斜し、その角度がほぼ同じとなるよう
に、前記織布をコンクリート柱状構造体の外側面に接着
するものとする。
【0015】このように補強糸が2方向に織り込まれた
織布を用いることにより、逆方向に傾斜した2方向に補
強糸を容易に配設することができ、施工性が著しく向上
する。
織布を用いることにより、逆方向に傾斜した2方向に補
強糸を容易に配設することができ、施工性が著しく向上
する。
【0016】請求項3に記載の発明は、 請求項1に記
載のコンクリート柱状構造体の補強方法において、 前
記補強糸の傾斜方向の長さを、 前記織布がコンクリー
ト面に接着されたときの、補強糸の方向の引張力に対す
る接着強度が、補強糸自身の引張強度より大きくなる接
着長の2倍以上の長さとする。
載のコンクリート柱状構造体の補強方法において、 前
記補強糸の傾斜方向の長さを、 前記織布がコンクリー
ト面に接着されたときの、補強糸の方向の引張力に対す
る接着強度が、補強糸自身の引張強度より大きくなる接
着長の2倍以上の長さとする。
【0017】上記の構成を詳述すると次のようになる。
コンクリートに引張応力が生じると、これが補強糸に伝
達されて補強糸にも引張力が生じるが、この引張力は補
強糸とコンクリートとの接着力によって伝えられる。こ
の接着力は接着面積にほぼ比例するものと考えられ、補
強糸の端部では一端までの長さが充分でないと補強糸に
大きな引張力が伝達されない。つまり、コンクリートの
ひずみが大きくなったり、ひび割れが生じたときに補強
糸の端部では大きな引張応力が作用せず、図7に示すよ
うに一端aからの距離dの増大とともに補強糸に作用す
る引張力が増加する。そして、接着長として一端aから
ある長さの位置からコンクリートの変形に対応した引張
力が作用する。したがって、図7に示すように、ある位
置でコンクリート112にせん断ひび割れ110が生
じ、この両側に作用する引張力Tに対して補強糸111
が抵抗するとき、このせん断ひび割れ110の位置から
補強糸111の一端aまでの長さが充分でないと、この
範囲の接着力は補強糸111の引張強度より小さく、補
強糸111の引張応力度が限界値に達するまでに補強糸
がコンクリートから剥れてしまうことになる。つまり、
補強糸111とコンクリート112との接着力が補強糸
自身の引張強度より大きくなる接着長L1 よりも一端a
側では、補強糸の補強効果が充分に発揮されない。この
ため、補強糸は補強効果が期待される位置から両側に接
着長L1 以上の長さを有していることによって、その強
度を充分に活用することが可能となるもので、その条件
として、少なくとも接着長L1 の2倍の長さが必要とな
るものである。なお、上記接着長L1 は接着剤の種類・
補強糸の材料等により変動するものであり、実験等によ
り、求めるのが望ましい。
コンクリートに引張応力が生じると、これが補強糸に伝
達されて補強糸にも引張力が生じるが、この引張力は補
強糸とコンクリートとの接着力によって伝えられる。こ
の接着力は接着面積にほぼ比例するものと考えられ、補
強糸の端部では一端までの長さが充分でないと補強糸に
大きな引張力が伝達されない。つまり、コンクリートの
ひずみが大きくなったり、ひび割れが生じたときに補強
糸の端部では大きな引張応力が作用せず、図7に示すよ
うに一端aからの距離dの増大とともに補強糸に作用す
る引張力が増加する。そして、接着長として一端aから
ある長さの位置からコンクリートの変形に対応した引張
力が作用する。したがって、図7に示すように、ある位
置でコンクリート112にせん断ひび割れ110が生
じ、この両側に作用する引張力Tに対して補強糸111
が抵抗するとき、このせん断ひび割れ110の位置から
補強糸111の一端aまでの長さが充分でないと、この
範囲の接着力は補強糸111の引張強度より小さく、補
強糸111の引張応力度が限界値に達するまでに補強糸
がコンクリートから剥れてしまうことになる。つまり、
補強糸111とコンクリート112との接着力が補強糸
自身の引張強度より大きくなる接着長L1 よりも一端a
側では、補強糸の補強効果が充分に発揮されない。この
ため、補強糸は補強効果が期待される位置から両側に接
着長L1 以上の長さを有していることによって、その強
度を充分に活用することが可能となるもので、その条件
として、少なくとも接着長L1 の2倍の長さが必要とな
るものである。なお、上記接着長L1 は接着剤の種類・
補強糸の材料等により変動するものであり、実験等によ
り、求めるのが望ましい。
【0018】請求項4に記載の発明は、 請求項1に記
載のコンクリート柱状構造体の補強方法において、 前
記織布は、コンクリート橋脚の側面を周方向に連続する
ように囲み、上下方向には、一部を重ね合わせて複数段
を接着し、 重ね合わせる幅は、重ね合わせた織布間の
補強糸の方向の引張力に対する接着強度が、補強糸自身
の引張強度より大きくなるように設定するものである。
載のコンクリート柱状構造体の補強方法において、 前
記織布は、コンクリート橋脚の側面を周方向に連続する
ように囲み、上下方向には、一部を重ね合わせて複数段
を接着し、 重ね合わせる幅は、重ね合わせた織布間の
補強糸の方向の引張力に対する接着強度が、補強糸自身
の引張強度より大きくなるように設定するものである。
【0019】上記のように織布が重ね合わされて接着さ
れることによって、補強糸の方向の引張力に対する補強
効果が、弱点を生じることなく得られる。つまり、織布
が重ね合わされた部分で双方の織布間で補強糸の接着力
が充分でないと、補強糸の応力が限界値に達するまでに
双方が剥離していまい、この部分の補強効果は、補強糸
が連続して貼着されている部分より小さくなる。したが
って重ね合わされた部分での、補強糸の方向への引張力
に対する接着強度が補強糸自身の引張強度以上となるよ
うに、重ね合わせる幅を設定することによって補強糸の
強度を有効に活用した補強が可能となるものである。
れることによって、補強糸の方向の引張力に対する補強
効果が、弱点を生じることなく得られる。つまり、織布
が重ね合わされた部分で双方の織布間で補強糸の接着力
が充分でないと、補強糸の応力が限界値に達するまでに
双方が剥離していまい、この部分の補強効果は、補強糸
が連続して貼着されている部分より小さくなる。したが
って重ね合わされた部分での、補強糸の方向への引張力
に対する接着強度が補強糸自身の引張強度以上となるよ
うに、重ね合わせる幅を設定することによって補強糸の
強度を有効に活用した補強が可能となるものである。
【0020】請求項5に記載の発明は、 請求項1に記
載のコンクリート柱状構造体の補強方法において、 前
記織布には、前記補強糸が織り込まれた2方向の交角を
2等分する方向に、補助糸が織り込まれており、この補
助糸の方向がほぼ水平又はほぼ鉛直となるように、該織
布を接着するものである。
載のコンクリート柱状構造体の補強方法において、 前
記織布には、前記補強糸が織り込まれた2方向の交角を
2等分する方向に、補助糸が織り込まれており、この補
助糸の方向がほぼ水平又はほぼ鉛直となるように、該織
布を接着するものである。
【0021】一般に、柱状構造体の外側面に織布を接着
する際には、長尺の織布を周方向に巻き回すか、鉛直方
向に接着するのが容易である。しかし、織糸が水平方向
または鉛直方向に対して傾斜した方向にある状態で水平
方向または鉛直方向に織布を引っ張り、柱状構造体の外
側面にぴったりと貼り付けようとすると、織布はその方
向に容易に伸びて織糸すなわち補強糸の方向が変わった
り、蛇行することになる。これに対して、上記のように
補助糸が織り込まれていると、この方向に引っ張ったと
きに、この補助糸の拘束によって大きな伸びが生じな
い。このため、織布を正確に接着するのが容易となる。
する際には、長尺の織布を周方向に巻き回すか、鉛直方
向に接着するのが容易である。しかし、織糸が水平方向
または鉛直方向に対して傾斜した方向にある状態で水平
方向または鉛直方向に織布を引っ張り、柱状構造体の外
側面にぴったりと貼り付けようとすると、織布はその方
向に容易に伸びて織糸すなわち補強糸の方向が変わった
り、蛇行することになる。これに対して、上記のように
補助糸が織り込まれていると、この方向に引っ張ったと
きに、この補助糸の拘束によって大きな伸びが生じな
い。このため、織布を正確に接着するのが容易となる。
【0022】請求項6に記載の発明は、 外周面に、有
機繊維からなる補強糸が織り込まれた織布が接着され、
前記補強糸が、水平方向に対して角度が同じで逆方向
に傾斜する2方向に配列され、コンクリート柱状構造体
内の斜め方向に作用する引張力を負担し得るように、前
記織布が接着されていることを特徴とする繊維補強され
たコンクリート柱状構造体を提供するものである。
機繊維からなる補強糸が織り込まれた織布が接着され、
前記補強糸が、水平方向に対して角度が同じで逆方向
に傾斜する2方向に配列され、コンクリート柱状構造体
内の斜め方向に作用する引張力を負担し得るように、前
記織布が接着されていることを特徴とする繊維補強され
たコンクリート柱状構造体を提供するものである。
【0023】また、請求項7に記載の発明は、請求項6
に記載の繊維補強されたコンクリート柱状構造体におい
て、 前記織布は、少なくとも2方向に補強糸が織り込
まれたものであり、 該補強糸が織り込まれた2方向が
水平方向に対して逆方向に傾斜し、その角度がほぼ同じ
となるように接着されているものである。
に記載の繊維補強されたコンクリート柱状構造体におい
て、 前記織布は、少なくとも2方向に補強糸が織り込
まれたものであり、 該補強糸が織り込まれた2方向が
水平方向に対して逆方向に傾斜し、その角度がほぼ同じ
となるように接着されているものである。
【0024】上記繊維補強されたコンクリート柱状構造
体は外周面に織り込まれた補強糸が斜方向となるように
織布が接着されており、上記請求項1について説明した
とおりに作用して大きな耐力を有する。
体は外周面に織り込まれた補強糸が斜方向となるように
織布が接着されており、上記請求項1について説明した
とおりに作用して大きな耐力を有する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は請求項1から請求項
5までに記載の発明をコンクリート橋脚の耐震補強に適
用した例を示す図であって、橋脚が補強されたラーメン
高架橋の正面図である。この高架橋は、フーチング1の
上にコンクリートの橋脚2が立ち上げられ、その上部に
コンクリート梁3が連続するように設けられている。こ
のような橋脚2は橋軸方向(図1では紙面と直角の方
向)に複数列が配設され、上部に架設されたコンクリー
ト梁3と一体となって、橋軸方向および橋軸と直角の方
向にラーメン構造となっている。そして上記コンクリー
ト梁3に連続して床版4が設けられ橋面を形成してい
る。
態を図に基づいて説明する。図1は請求項1から請求項
5までに記載の発明をコンクリート橋脚の耐震補強に適
用した例を示す図であって、橋脚が補強されたラーメン
高架橋の正面図である。この高架橋は、フーチング1の
上にコンクリートの橋脚2が立ち上げられ、その上部に
コンクリート梁3が連続するように設けられている。こ
のような橋脚2は橋軸方向(図1では紙面と直角の方
向)に複数列が配設され、上部に架設されたコンクリー
ト梁3と一体となって、橋軸方向および橋軸と直角の方
向にラーメン構造となっている。そして上記コンクリー
ト梁3に連続して床版4が設けられ橋面を形成してい
る。
【0026】上記橋脚2は、一辺が90cmの正方形断
面を有する鉄筋コンクリート部材であり、この橋脚の上
端(コンクリート梁3との接続端)から下端(フーチン
グ1との接続端)までの外周面全域に補強用シート10
を接着することによって耐震補強を行なったものであ
る。上記補強用シート10は、補強糸としてアラミド繊
維束を織り込んだ織布であり、織目の状態は図2に示す
とおりである。この図に示すように、補強糸であるアラ
ミド繊維束11は、織り上げる方向に対して45度の角
度をなす2方向に織り込まれており、さらに織り上げる
方向およびこれと直角の方向に補助糸12が織り込まれ
ている。アラミド繊維束11は、アラミド繊維によりを
加えずに束ねたものであり、単繊維の径が12μm程度
のものが用いられ、1m2 当りに200gが織り込まれ
ている。このアラミド繊維の他の特性は下記に示すとお
りである。また、補助糸としては、ポリエステル糸を用
いている。
面を有する鉄筋コンクリート部材であり、この橋脚の上
端(コンクリート梁3との接続端)から下端(フーチン
グ1との接続端)までの外周面全域に補強用シート10
を接着することによって耐震補強を行なったものであ
る。上記補強用シート10は、補強糸としてアラミド繊
維束を織り込んだ織布であり、織目の状態は図2に示す
とおりである。この図に示すように、補強糸であるアラ
ミド繊維束11は、織り上げる方向に対して45度の角
度をなす2方向に織り込まれており、さらに織り上げる
方向およびこれと直角の方向に補助糸12が織り込まれ
ている。アラミド繊維束11は、アラミド繊維によりを
加えずに束ねたものであり、単繊維の径が12μm程度
のものが用いられ、1m2 当りに200gが織り込まれ
ている。このアラミド繊維の他の特性は下記に示すとお
りである。また、補助糸としては、ポリエステル糸を用
いている。
【0027】◎アラミド繊維の特性 色 相 : ゴールド 密 度 : 1.39 g/cm3 引張強度 : 350 kgf/mm2 引張弾性率 : 7400kgf/mm2 破断伸度 : 4.6% 熱分解開始温度: 500℃
【0028】この補強用シート10は幅が50cmに織
り上げられており、図3に示すように、橋脚2の周方向
に巻き回して接着されている。また、上下方向には10
cmを重ね合わせて複数段が接着されている。このと
き、重ね合わせる長さ(以下ラップ長という)は、重ね
合わされたシートの補強糸同士が強固に接着され、補強
糸の引張強さの力で引き張っても剥れない長さに設定さ
れるものであり、上記値は実験により定められたもので
ある。このようにして橋脚2の外周面の全域を覆うよう
に接着された補強繊維シート10はさらに積層して貼着
され、全域で4層となっている。
り上げられており、図3に示すように、橋脚2の周方向
に巻き回して接着されている。また、上下方向には10
cmを重ね合わせて複数段が接着されている。このと
き、重ね合わせる長さ(以下ラップ長という)は、重ね
合わされたシートの補強糸同士が強固に接着され、補強
糸の引張強さの力で引き張っても剥れない長さに設定さ
れるものであり、上記値は実験により定められたもので
ある。このようにして橋脚2の外周面の全域を覆うよう
に接着された補強繊維シート10はさらに積層して貼着
され、全域で4層となっている。
【0029】このように補強用シート10が接着され、
補強層が形成されることにより、橋脚2の外側面には、
水平方向に対して45度で逆方向に傾斜した2方向に補
強糸が配列され、コンクリートに作用する斜引張力に対
して有効に抵抗し、大きなせん断補強効果が得られる。
また、曲げ応力が作用する部分では補強糸に作用する引
張力の鉛直成分で曲げ応力を負担することになり、曲げ
に対しても補強効果が得られる。さらに、橋脚のコンク
リートを周方向の引張力で拘束する効果もあり、大きな
曲げモーメントが作用したときに、コンクリートの剥離
や主筋のはらみ出しを防止して破壊までの変形量が増大
する。つまり、じん性が向上し、破壊までのエネルギー
吸収量が大きくなって耐震性が向上する。
補強層が形成されることにより、橋脚2の外側面には、
水平方向に対して45度で逆方向に傾斜した2方向に補
強糸が配列され、コンクリートに作用する斜引張力に対
して有効に抵抗し、大きなせん断補強効果が得られる。
また、曲げ応力が作用する部分では補強糸に作用する引
張力の鉛直成分で曲げ応力を負担することになり、曲げ
に対しても補強効果が得られる。さらに、橋脚のコンク
リートを周方向の引張力で拘束する効果もあり、大きな
曲げモーメントが作用したときに、コンクリートの剥離
や主筋のはらみ出しを防止して破壊までの変形量が増大
する。つまり、じん性が向上し、破壊までのエネルギー
吸収量が大きくなって耐震性が向上する。
【0030】次に、上記補強用シートの接着による補強
方法の施工順序を説明する。図4は、上記補強方法が実
施された橋脚の補強層を示す拡大断面図である。まず、
補強用シートを貼着する前にコンクリート2aの表面を
清浄するとともに、剥れやすい表面層の除去を行う。そ
して、接着剤の接着性を高めるためにプライマー21を
塗布する。この上に、ハケ、ローラ、コテ等を用いて接
着剤22aの塗布を行う。本例では、接着剤としてエポ
キシ樹脂を用いている。接着剤22aを塗布した後、硬
化する前に補強用シート10aを貼着する。この補強用
シートは水平方向に引っ張りながら橋脚2の外周面に巻
き付けその上からローラ等を用いて押さえることによっ
て全面を接着させる。
方法の施工順序を説明する。図4は、上記補強方法が実
施された橋脚の補強層を示す拡大断面図である。まず、
補強用シートを貼着する前にコンクリート2aの表面を
清浄するとともに、剥れやすい表面層の除去を行う。そ
して、接着剤の接着性を高めるためにプライマー21を
塗布する。この上に、ハケ、ローラ、コテ等を用いて接
着剤22aの塗布を行う。本例では、接着剤としてエポ
キシ樹脂を用いている。接着剤22aを塗布した後、硬
化する前に補強用シート10aを貼着する。この補強用
シートは水平方向に引っ張りながら橋脚2の外周面に巻
き付けその上からローラ等を用いて押さえることによっ
て全面を接着させる。
【0031】この補強用シート10aは、図2に示すよ
うに、織り上げる方向に補助糸12が通っているので、
貼り付ける際に水平方向へ多少の張力をかけても大きく
伸びることがなく、45度の方向に織り込まれた補強糸
11の方向が著しく変動したり、蛇行することがない。
また、織糸間に隙間が生じるようにゆるく織られている
ため、ローラで押さえたときに接着剤22aが織糸間か
ら浸出するので、織布10aが接着剤層と完全になじん
でいるか容易に確認することができる。
うに、織り上げる方向に補助糸12が通っているので、
貼り付ける際に水平方向へ多少の張力をかけても大きく
伸びることがなく、45度の方向に織り込まれた補強糸
11の方向が著しく変動したり、蛇行することがない。
また、織糸間に隙間が生じるようにゆるく織られている
ため、ローラで押さえたときに接着剤22aが織糸間か
ら浸出するので、織布10aが接着剤層と完全になじん
でいるか容易に確認することができる。
【0032】このようにして橋脚2の上端から下端まで
の全外周面への補強用シート10aの接着が終了する
と、その上に接着剤22bを塗布して第2層目の補強用
シート10bを貼り付ける。これをくり返して4層の補
強用シートを接着する。その後さらに接着剤22eを塗
布し、モルタル層結合用のシート23を貼り付ける。こ
のシート23は、織糸がループ状となった突出部を多数
有する織布である。このシート23の上から樹脂モルタ
ル24を塗り付け、表面保護層を形成する。この樹脂モ
ルタル24は上記シート23の突出部を取り込んで強固
に一体化され、このシート23の拘束力によって樹脂モ
ルタル24のひび割れが防止される。
の全外周面への補強用シート10aの接着が終了する
と、その上に接着剤22bを塗布して第2層目の補強用
シート10bを貼り付ける。これをくり返して4層の補
強用シートを接着する。その後さらに接着剤22eを塗
布し、モルタル層結合用のシート23を貼り付ける。こ
のシート23は、織糸がループ状となった突出部を多数
有する織布である。このシート23の上から樹脂モルタ
ル24を塗り付け、表面保護層を形成する。この樹脂モ
ルタル24は上記シート23の突出部を取り込んで強固
に一体化され、このシート23の拘束力によって樹脂モ
ルタル24のひび割れが防止される。
【0033】
【発明の効果】以上、説明したように、本願発明に係る
コンクリート柱状構造体の補強方法では、既存のコンク
リート柱状構造体に対して、容易に施工することがで
き、せん断力に対する大きな補強効果が得られる。さら
に、コンクリートに作用する曲げ応力の低減や曲げ破壊
までの変形を大きくしてじん性の大きい構造体とするこ
ともできる。また、本願発明に係る繊維補強されたコン
クリート柱状構造体では、外周面に織布が接着され、こ
れに織り込まれた補強糸が斜方向となっているので、地
震時等におけるせん断力に対して大きな耐力を有すると
ともに曲げに対しても大きな耐力を有する構造体とな
る。
コンクリート柱状構造体の補強方法では、既存のコンク
リート柱状構造体に対して、容易に施工することがで
き、せん断力に対する大きな補強効果が得られる。さら
に、コンクリートに作用する曲げ応力の低減や曲げ破壊
までの変形を大きくしてじん性の大きい構造体とするこ
ともできる。また、本願発明に係る繊維補強されたコン
クリート柱状構造体では、外周面に織布が接着され、こ
れに織り込まれた補強糸が斜方向となっているので、地
震時等におけるせん断力に対して大きな耐力を有すると
ともに曲げに対しても大きな耐力を有する構造体とな
る。
【図1】請求項1から請求項5までに記載の発明の一実
施形態であるコンクリート柱状構造体の補強方法を示す
概略図であって、本方法が施されたコンクリート構造物
の概略正面図である。
施形態であるコンクリート柱状構造体の補強方法を示す
概略図であって、本方法が施されたコンクリート構造物
の概略正面図である。
【図2】図1に示すコンクリート柱状構造体の補強方法
で用いられる補強用シートの拡大図である。
で用いられる補強用シートの拡大図である。
【図3】図1に示すコンクリート柱状構造体の補強方法
における補強用シートの貼着状態を示す概略斜視図であ
る。
における補強用シートの貼着状態を示す概略斜視図であ
る。
【図4】図1に示すコンクリート柱状構造体の補強方法
における補強用シートの貼着状態を示す拡大断面図であ
る。
における補強用シートの貼着状態を示す拡大断面図であ
る。
【図5】請求項1に記載の発明における織布の貼着パタ
ーンを示す概略図である
ーンを示す概略図である
【図6】請求項1に記載の発明による補強効果を説明す
る概略図である。
る概略図である。
【図7】請求項3に記載の発明の構成を説明するための
図であって、コンクリート柱状構造体とこれに接着され
た補強糸とを示す概略断面図である。
図であって、コンクリート柱状構造体とこれに接着され
た補強糸とを示す概略断面図である。
【図8】従来におけるコンクリート柱状構造体の補強方
法を示す概略斜視図及びこれに用いられる補強繊維シー
トの拡大断面図である。
法を示す概略斜視図及びこれに用いられる補強繊維シー
トの拡大断面図である。
1 フーチング 2 橋脚 3 コンクリート梁 4 床版 10 補強用シート 11 アラミド繊維束(補強糸) 12 補助糸 21 プライマー 22 接着剤 23 モルタル層結合用のシート 24 樹脂モルタル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:08 (72)発明者 佐々木 和道 北海道札幌市中央区大通西10丁目4番16号 住友建設株式会社北海道支店内 (72)発明者 藤田 学 栃木県河内郡南河内町仁良川1726 住友建 設株式会社内 (72)発明者 玉置 一清 東京都新宿区荒木町13番地の4 住友建設 株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 有機繊維からなる補強糸が織り込まれ
た織布を用い、 前記補強糸が、水平方向に対して角度が同じで逆方向に
傾斜する2方向へ配列され、コンクリート柱状構造体内
の斜め方向の引張力を負担し得るように、該織布をコン
クリート柱状構造体の外側面に接着することを特徴とす
るコンクリート柱状構造体の補強方法。 - 【請求項2】 前記織布は、少なくとも2方向に補強
糸が織り込まれたものであり、 該補強糸の織り込まれた2方向が、水平方向に対して逆
方向に傾斜し、その角度がほぼ同じとなるように、前記
織布をコンクリート柱状構造体の外側面に接着すること
を特徴とする請求項1に記載のコンクリート柱状構造体
の補強方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のコンクリート柱状構
造体の補強方法において、 前記補強糸の傾斜方向の長さを、 前記織布がコンクリート面に接着されたときの、補強糸
の方向の引張力に対する接着強度が、補強糸自身の引張
強度より大きくなる接着長の2倍以上の長さとすること
を特徴とするコンクリート柱状構造体の補強方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載のコンクリート柱状構
造体の補強方法において、 前記織布は、コンクリート橋脚の側面を周方向に連続す
るように囲み、上下方向には、一部を重ね合わせて複数
段を接着し、 重ね合わせる幅は、重ね合わせた織布間の補強糸の方向
の引張力に対する接着強度が、補強糸自身の引張強度よ
り大きくなるように設定することを特徴とするコンクリ
ート柱状構造体の補強方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載のコンクリート柱状構
造体の補強方法において、前記織布には、前記補強糸が
織り込まれた2方向の交角を2等分する方向に、補助糸
が織り込まれており、この補助糸の方向がほぼ水平又は
ほぼ鉛直となるように、該織布を接着することを特徴と
するコンクリート柱状構造体の補強方法。 - 【請求項6】 外周面に、有機繊維からなる補強糸が
織り込まれた織布が接着され、 前記補強糸が、水平方向に対して角度が同じで逆方向に
傾斜する2方向に配列され、コンクリート柱状構造体内
の斜め方向の引張力を負担し得るように、前記織布が接
着されていることを特徴とする繊維補強されたコンクリ
ート柱状構造体。 - 【請求項7】 請求項6に記載の繊維補強されたコン
クリート柱状構造体において、 前記織布は、少なくとも2方向に補強糸が織り込まれ、 該補強糸が織り込まれた2方向が水平方向に対して逆方
向に傾斜し、その角度がほぼ同じとなるように接着され
ていることを特徴とする繊維補強されたコンクリート柱
状構造体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19697096A JPH1025908A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | コンクリート柱状構造体の補強方法及び繊維補強されたコンクリート柱状構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19697096A JPH1025908A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | コンクリート柱状構造体の補強方法及び繊維補強されたコンクリート柱状構造体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1025908A true JPH1025908A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16366684
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19697096A Pending JPH1025908A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | コンクリート柱状構造体の補強方法及び繊維補強されたコンクリート柱状構造体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1025908A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101290175B1 (ko) * | 2011-06-01 | 2013-07-30 | 최은수 | 다층 에프알피 와이어 자켓을 이용한 기둥구조물 시공방법 |
| JP2018003361A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | 大成建設株式会社 | 可縮部材 |
| JP2024074485A (ja) * | 2022-11-21 | 2024-05-31 | 株式会社新井組 | 既存建物の外付け鉄骨造補強架構 |
-
1996
- 1996-07-09 JP JP19697096A patent/JPH1025908A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101290175B1 (ko) * | 2011-06-01 | 2013-07-30 | 최은수 | 다층 에프알피 와이어 자켓을 이용한 기둥구조물 시공방법 |
| JP2018003361A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | 大成建設株式会社 | 可縮部材 |
| JP2024074485A (ja) * | 2022-11-21 | 2024-05-31 | 株式会社新井組 | 既存建物の外付け鉄骨造補強架構 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050425 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050428 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050624 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060404 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |