JPH10261785A - 量子箱半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
量子箱半導体装置及びその製造方法Info
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- JPH10261785A JPH10261785A JP6411897A JP6411897A JPH10261785A JP H10261785 A JPH10261785 A JP H10261785A JP 6411897 A JP6411897 A JP 6411897A JP 6411897 A JP6411897 A JP 6411897A JP H10261785 A JPH10261785 A JP H10261785A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 量子箱半導体装置及びその製造方法に関し、
フォノンボトルネック現象を抑制して、キャリア緩和速
度を速くする。 【解決手段】 量子箱4の3次元量子閉じ込めポテンシ
ャル6を調和振動子型、或いは、調和振動子型からのず
れに起因して縮退が解けた各準位8〜10のエネルギー
間隔が量子箱4を構成する結晶中の縦光学フォノンエネ
ルギーの揺らぎと、縦音響フォノンエネルギー幅を合計
したエネルギー幅を越えない準調和振動子型とする。
フォノンボトルネック現象を抑制して、キャリア緩和速
度を速くする。 【解決手段】 量子箱4の3次元量子閉じ込めポテンシ
ャル6を調和振動子型、或いは、調和振動子型からのず
れに起因して縮退が解けた各準位8〜10のエネルギー
間隔が量子箱4を構成する結晶中の縦光学フォノンエネ
ルギーの揺らぎと、縦音響フォノンエネルギー幅を合計
したエネルギー幅を越えない準調和振動子型とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は量子箱半導体装置及
びその製造方法に関するものであり、特に、量子箱の量
子閉じ込めポテンシャルを調和振動子型或いはそれに近
い準調和振動子型にすることによってフォノンボトルネ
ック現象を抑制した量子箱半導体装置及びその製造方法
に関するものである。
びその製造方法に関するものであり、特に、量子箱の量
子閉じ込めポテンシャルを調和振動子型或いはそれに近
い準調和振動子型にすることによってフォノンボトルネ
ック現象を抑制した量子箱半導体装置及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体プロセスの進歩に伴い、ナ
ノスケールの成長技術・微細加工技術が半導体装置の作
製に利用されるようになり、このナノスケールの成長技
術・微細加工技術によって半導体装置の集積度の向上は
もとより、量子力学的効果を利用した半導体装置、例え
ば、HBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)や歪
量子井戸半導体レーザ等が実用化されている。
ノスケールの成長技術・微細加工技術が半導体装置の作
製に利用されるようになり、このナノスケールの成長技
術・微細加工技術によって半導体装置の集積度の向上は
もとより、量子力学的効果を利用した半導体装置、例え
ば、HBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)や歪
量子井戸半導体レーザ等が実用化されている。
【0003】この様な量子力学的効果を利用した半導体
装置においても多くの電子が移動するために生ずる発熱
による集積度の限界が指摘されており、この問題を解決
するための方法の一つとして3次元量子井戸構造である
量子箱(QWB:Quantum Well Box)
の採用が提案されている。
装置においても多くの電子が移動するために生ずる発熱
による集積度の限界が指摘されており、この問題を解決
するための方法の一つとして3次元量子井戸構造である
量子箱(QWB:Quantum Well Box)
の採用が提案されている。
【0004】この量子箱は、キャリアに3次元的な量子
閉じ込めを与えるほど極微細なポテンシャルの箱であ
り、この量子箱においてはキャリアの状態関数密度はデ
ルタ関数的に離散化し、その基底準位には2個のキャリ
ア、例えば、伝導帯においては2個の電子しか存在する
ことができず、また、励起準位にはその準位の次数に応
じて複数個の電子が存在することができる。
閉じ込めを与えるほど極微細なポテンシャルの箱であ
り、この量子箱においてはキャリアの状態関数密度はデ
ルタ関数的に離散化し、その基底準位には2個のキャリ
ア、例えば、伝導帯においては2個の電子しか存在する
ことができず、また、励起準位にはその準位の次数に応
じて複数個の電子が存在することができる。
【0005】この量子箱の持つ原子レベルの小さなサイ
ズは、電子デバイスの微細化を極限まで推し進めるもの
であり、そこで実現される量子箱固有の量子力学的効果
は、新しい機能素子の開発を促し得るものであり、光学
素子においても、電子・正孔と光との相互作用を極限ま
で効率化できるメリットがあり、次世代素子技術として
の期待が大きいものである。
ズは、電子デバイスの微細化を極限まで推し進めるもの
であり、そこで実現される量子箱固有の量子力学的効果
は、新しい機能素子の開発を促し得るものであり、光学
素子においても、電子・正孔と光との相互作用を極限ま
で効率化できるメリットがあり、次世代素子技術として
の期待が大きいものである。
【0006】この様な量子箱構造を作製するために、各
種の技術が提案されており、まず、微細加工技術開発の
延長線上にある人為的に加工精度を向上させたものとし
ては、電子線を用いたリソグラフィーによる方法、マス
クパターンを利用して選択成長させたピラミッド型の結
晶の頂部を量子箱構造とする方法、マスクパターンを利
用したエッチングによって形成された正4面体状の凹部
の底に量子箱構造を作製する方法(必要ならば、特願平
7−65492号参照)、微傾斜基板上における成長初
期の横方向成長を利用する方法、或いは、STM(Sc
anningTunnel Microscope)技
術を応用した原子マニュピレーションの方法がある。
種の技術が提案されており、まず、微細加工技術開発の
延長線上にある人為的に加工精度を向上させたものとし
ては、電子線を用いたリソグラフィーによる方法、マス
クパターンを利用して選択成長させたピラミッド型の結
晶の頂部を量子箱構造とする方法、マスクパターンを利
用したエッチングによって形成された正4面体状の凹部
の底に量子箱構造を作製する方法(必要ならば、特願平
7−65492号参照)、微傾斜基板上における成長初
期の横方向成長を利用する方法、或いは、STM(Sc
anningTunnel Microscope)技
術を応用した原子マニュピレーションの方法がある。
【0007】これらの方法は、人為的に加工するという
共通の特徴の故に、量子箱の大きさ(サイズ)やその形
成位置を任意に制御できるという利点を有している。
共通の特徴の故に、量子箱の大きさ(サイズ)やその形
成位置を任意に制御できるという利点を有している。
【0008】また、量子箱構造を自己形成的に作製する
方法としては、本発明者等により、下地半導体層との格
子不整合が結晶の弾性限界を越える数十nm程度の量子
スケールの厚さの半導体層を気相エピタキシャル成長さ
せることにより量子箱を形成することが提案(特願平7
−217466号参照)されているので、この従来の自
己形成型の量子箱半導体装置を図6及び図7を参照して
説明する。
方法としては、本発明者等により、下地半導体層との格
子不整合が結晶の弾性限界を越える数十nm程度の量子
スケールの厚さの半導体層を気相エピタキシャル成長さ
せることにより量子箱を形成することが提案(特願平7
−217466号参照)されているので、この従来の自
己形成型の量子箱半導体装置を図6及び図7を参照して
説明する。
【0009】図6参照 まず、GaAs基板31上に、MOVPE法(有機金属
気相成長法)を用いて厚さ100nmのGaAsバッフ
ァ層32を形成したのち、H2 、トリメチルインジウム
ジメチルエチルアミンアダクト〔Trimethyli
ndium−dimethylamine adduc
t(TMIDMEA)、分子式:In(CH3 )3 N
(CH3 )3 (C2 H5 )〕、トリメチルガリウム(T
MG)、及び、AsH3 を交互に12回供給するALE
法(原子層エピタキシャル成長法)によって厚さ7nm
のInGaAs層33を形成し、次いで、再び、トリメ
チルインジウム(TMI)、トリエチルガリウム(TE
G)、及び、PH3 を用いたMOVPE法によってIn
GaP層35を成長させる。
気相成長法)を用いて厚さ100nmのGaAsバッフ
ァ層32を形成したのち、H2 、トリメチルインジウム
ジメチルエチルアミンアダクト〔Trimethyli
ndium−dimethylamine adduc
t(TMIDMEA)、分子式:In(CH3 )3 N
(CH3 )3 (C2 H5 )〕、トリメチルガリウム(T
MG)、及び、AsH3 を交互に12回供給するALE
法(原子層エピタキシャル成長法)によって厚さ7nm
のInGaAs層33を形成し、次いで、再び、トリメ
チルインジウム(TMI)、トリエチルガリウム(TE
G)、及び、PH3 を用いたMOVPE法によってIn
GaP層35を成長させる。
【0010】この場合、InGaAs層33の成長工程
において、H2 ガスでバブリングしたTMIDMEAの
供給量200sccmで1.0秒、H2 ガスでバブリン
グしたTMGの供給量を35sccmで0.1秒、As
H3 とH2 の混合ガスを400sccmで10秒とする
ことによって、InGaAs層33の中にIn組成比が
0.5のIn0.5 Ga0.5 AsからなるInGaAs量
子箱34が形成され、また、InGaAs量子箱34以
外の領域のInGaAs層33のIn組成比は約0.1
となる。
において、H2 ガスでバブリングしたTMIDMEAの
供給量200sccmで1.0秒、H2 ガスでバブリン
グしたTMGの供給量を35sccmで0.1秒、As
H3 とH2 の混合ガスを400sccmで10秒とする
ことによって、InGaAs層33の中にIn組成比が
0.5のIn0.5 Ga0.5 AsからなるInGaAs量
子箱34が形成され、また、InGaAs量子箱34以
外の領域のInGaAs層33のIn組成比は約0.1
となる。
【0011】これは、InGaAs層33を成長させる
ための下地層となるGaAsバッファ層32とInGa
As層33との格子不整合が大きいため、InGaAs
層33の厚さが結晶の弾性限界を越える臨界厚以上に成
長させた場合、歪の大きなInGaAs量子箱34を局
所的に発生させることによってInGaAs層33全体
としてはInGaAs層33の全面に歪が発生する場合
よりも低歪エネルギーとなり、結晶学的に安定した成長
になるためと考えられる。なお、歪の大きなInGaA
s量子箱34が形成された結果、InGaAs量子箱3
4以外のInGaAs層33は、結果として弾性限界を
越えていない状態となる。
ための下地層となるGaAsバッファ層32とInGa
As層33との格子不整合が大きいため、InGaAs
層33の厚さが結晶の弾性限界を越える臨界厚以上に成
長させた場合、歪の大きなInGaAs量子箱34を局
所的に発生させることによってInGaAs層33全体
としてはInGaAs層33の全面に歪が発生する場合
よりも低歪エネルギーとなり、結晶学的に安定した成長
になるためと考えられる。なお、歪の大きなInGaA
s量子箱34が形成された結果、InGaAs量子箱3
4以外のInGaAs層33は、結果として弾性限界を
越えていない状態となる。
【0012】また、このInGaAs量子箱34が球状
に近いほど歪エネルギーが低くなるものと考えられるの
で、得られたInGaAs量子箱は偏平球状となり、ま
た、その均一性も5〜10%と非常に良好であり、且
つ、密度も高密度に形成される。
に近いほど歪エネルギーが低くなるものと考えられるの
で、得られたInGaAs量子箱は偏平球状となり、ま
た、その均一性も5〜10%と非常に良好であり、且
つ、密度も高密度に形成される。
【0013】図7(a)参照 図7(a)は、InGaAs量子箱34における量子閉
じ込めポテンシャルが調和振動子型の理想的ポテンシャ
ル36であると仮定した場合の図であり、この様な調和
振動子型の場合には、量子箱中における励起子の相対運
動部分と重心運動部分のエネルギー準位間隔が一致し、
準位の縮退度が上がることが知られている(必要なら
ば、Physical Review,Vol.B5
1,1995,p.10743参照)。
じ込めポテンシャルが調和振動子型の理想的ポテンシャ
ル36であると仮定した場合の図であり、この様な調和
振動子型の場合には、量子箱中における励起子の相対運
動部分と重心運動部分のエネルギー準位間隔が一致し、
準位の縮退度が上がることが知られている(必要なら
ば、Physical Review,Vol.B5
1,1995,p.10743参照)。
【0014】この様な準位が縮退している調和振動子型
ポテンシャルの場合、或いは、調和振動子型からのずれ
に起因して縮退が解けた各準位のエネルギー間隔、例え
ば、図においては第2量子準位38乃至第4量子準位4
0等の各量子準位の同次数の量子準位における準位間の
エネルギー間隔が結晶中のLOフォノンエネルギーの揺
らぎと縦音響(LA)フォノンエネルギー幅を合計した
エネルギー幅を越えないようなほぼ調和振動子型に近い
準調和振動子型のポテンシャルの場合、この縮退或いは
ほぼ縮退している複数の準位が協調した効率的なキャリ
ア緩和が実現されるため、緩和速度は速くなる。
ポテンシャルの場合、或いは、調和振動子型からのずれ
に起因して縮退が解けた各準位のエネルギー間隔、例え
ば、図においては第2量子準位38乃至第4量子準位4
0等の各量子準位の同次数の量子準位における準位間の
エネルギー間隔が結晶中のLOフォノンエネルギーの揺
らぎと縦音響(LA)フォノンエネルギー幅を合計した
エネルギー幅を越えないようなほぼ調和振動子型に近い
準調和振動子型のポテンシャルの場合、この縮退或いは
ほぼ縮退している複数の準位が協調した効率的なキャリ
ア緩和が実現されるため、緩和速度は速くなる。
【0015】この様な量子閉じ込めポテンシャル形状が
調和振動子型或いは準調和振動子型の量子箱構造を半導
体レーザに応用した場合、キャリアの温度分布が急激に
変化するため、微分利得が向上して温度特性が改善され
るものと期待される。
調和振動子型或いは準調和振動子型の量子箱構造を半導
体レーザに応用した場合、キャリアの温度分布が急激に
変化するため、微分利得が向上して温度特性が改善され
るものと期待される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の量子箱
半導体装置においては、フォノンボトルネック現象のた
めに、縦光学フォノン(LOフォノン)の放出が抑制さ
れて準位間のキャリアの遷移による緩和時間が長くな
り、所期の特性が得られないという問題がある。
半導体装置においては、フォノンボトルネック現象のた
めに、縦光学フォノン(LOフォノン)の放出が抑制さ
れて準位間のキャリアの遷移による緩和時間が長くな
り、所期の特性が得られないという問題がある。
【0017】即ち、半導体の伝導帯の電子の状態密度を
考えたとき、バルクや1次量子井戸では、電子の状態密
度は全てのエネルギーについて存在し連続と言えるもの
であり、より詳しく言うと、バルクにおける状態密度関
数はE1/2 であり、1次量子井戸ではエネルギー値に対
するステップ関数となる。
考えたとき、バルクや1次量子井戸では、電子の状態密
度は全てのエネルギーについて存在し連続と言えるもの
であり、より詳しく言うと、バルクにおける状態密度関
数はE1/2 であり、1次量子井戸ではエネルギー値に対
するステップ関数となる。
【0018】これに対して、量子細線(2次元量子井
戸)や量子箱(3次元量子井戸)のように、キャリアに
対する閉じ込めの次元を上げていくと状態関数密度は離
散化するようになり、理想的な量子箱ではデルタ関数的
に完全に離散化する。
戸)や量子箱(3次元量子井戸)のように、キャリアに
対する閉じ込めの次元を上げていくと状態関数密度は離
散化するようになり、理想的な量子箱ではデルタ関数的
に完全に離散化する。
【0019】この様な量子箱における電子と正孔の再結
合を考えると、伝導帯のエネルギー最小点(直接遷移に
おいてはk=0の点)にある電子が正孔(同じくk=0
の点のもの)と再結合することになるが、再結合によっ
て失われた電子の状態は、より高いエネルギーの励起準
位にある電子が緩和することによって補給されるもので
あり、この緩和(遷移)に際しては主に縦型フォノン
(LO,LAフォノン)の放出を伴うことになる。
合を考えると、伝導帯のエネルギー最小点(直接遷移に
おいてはk=0の点)にある電子が正孔(同じくk=0
の点のもの)と再結合することになるが、再結合によっ
て失われた電子の状態は、より高いエネルギーの励起準
位にある電子が緩和することによって補給されるもので
あり、この緩和(遷移)に際しては主に縦型フォノン
(LO,LAフォノン)の放出を伴うことになる。
【0020】この場合、バルクや1次元量子井戸の場合
には、縦型フォノンを放出したのちの状態は、状態密度
が連続的に存在するために遷移後の量子準位は必ず存在
し、遷移はいつでも起こり得るものであるのに対して、
量子箱の場合には準位が3次元量子化によって離散して
おり、しかもエネルギー幅が大きいので、丁度縦型フォ
ノンのエネルギー分だけ低い位置に準位がなければ遷移
ができないことになる。
には、縦型フォノンを放出したのちの状態は、状態密度
が連続的に存在するために遷移後の量子準位は必ず存在
し、遷移はいつでも起こり得るものであるのに対して、
量子箱の場合には準位が3次元量子化によって離散して
おり、しかもエネルギー幅が大きいので、丁度縦型フォ
ノンのエネルギー分だけ低い位置に準位がなければ遷移
ができないことになる。
【0021】この様に、量子箱の様にキャリアに対する
閉じ込めの次元が高い場合に、電子の遷移、或いは、エ
ネルギー緩和がフォノンの放出の確率低下のために抑制
されることになる現象をフォノンボトルネック現象とい
う。
閉じ込めの次元が高い場合に、電子の遷移、或いは、エ
ネルギー緩和がフォノンの放出の確率低下のために抑制
されることになる現象をフォノンボトルネック現象とい
う。
【0022】なお、このフォノンボトルネック現象によ
る影響はまだ理論的な予測の段階であり、実際のフォノ
ンボトルネック現象がどの程度量子箱半導体装置の特性
を阻害するかは議論の最中であるが、最近、1次元量子
井戸に比べてキャリアが基底準位に注入されにくいこと
を示す実験結果も得られ始めており(必要ならば、Ph
ysical Review,Vol.B54,199
6,p.R5243参照)、量子箱半導体装置の特性向
上のためにはできるだけフォノンボトルネック現象を抑
制することが必要なことは明らかである。
る影響はまだ理論的な予測の段階であり、実際のフォノ
ンボトルネック現象がどの程度量子箱半導体装置の特性
を阻害するかは議論の最中であるが、最近、1次元量子
井戸に比べてキャリアが基底準位に注入されにくいこと
を示す実験結果も得られ始めており(必要ならば、Ph
ysical Review,Vol.B54,199
6,p.R5243参照)、量子箱半導体装置の特性向
上のためにはできるだけフォノンボトルネック現象を抑
制することが必要なことは明らかである。
【0023】図7(b)参照 そして、実際の量子箱における量子閉じ込めポテンシャ
ルは、破線のポテンシャル42で示すように非調和振動
子型になっており、準位の縮退が大きく解けているため
高次の励起準位からのキャリア緩和は個々の準位での物
理現象となり、理想的な調和振動子型の場合のように縮
退による協調緩和が行われないためにフォノンボトルネ
ック現象が強く作用し緩和速度が遅くなる。
ルは、破線のポテンシャル42で示すように非調和振動
子型になっており、準位の縮退が大きく解けているため
高次の励起準位からのキャリア緩和は個々の準位での物
理現象となり、理想的な調和振動子型の場合のように縮
退による協調緩和が行われないためにフォノンボトルネ
ック現象が強く作用し緩和速度が遅くなる。
【0024】したがって、本発明は、フォノンボトルネ
ック現象を抑制して量子箱におけるキャリア緩和速度を
速くし、量子箱半導体装置の特性を向上させることを目
的とする。
ック現象を抑制して量子箱におけるキャリア緩和速度を
速くし、量子箱半導体装置の特性を向上させることを目
的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。 図1(a)及び(b)参照 (1)本発明は、量子箱半導体装置において、量子箱4
の3次元量子閉じ込めポテンシャル6が調和振動子型、
或いは、調和振動子型からのずれに起因して縮退が解け
た各準位8〜10のエネルギー間隔が量子箱4を構成す
る結晶中の縦光学フォノンエネルギーの揺らぎと、縦音
響フォノンエネルギー幅を合計したエネルギー幅を越え
ない準調和振動子型であることを特徴とする。
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。 図1(a)及び(b)参照 (1)本発明は、量子箱半導体装置において、量子箱4
の3次元量子閉じ込めポテンシャル6が調和振動子型、
或いは、調和振動子型からのずれに起因して縮退が解け
た各準位8〜10のエネルギー間隔が量子箱4を構成す
る結晶中の縦光学フォノンエネルギーの揺らぎと、縦音
響フォノンエネルギー幅を合計したエネルギー幅を越え
ない準調和振動子型であることを特徴とする。
【0026】この様に、量子箱4の3次元量子閉じ込め
ポテンシャル6が調和振動子型、或いは、準調和振動子
型である場合、準位8〜10は縮退或いはほぼ縮退した
状態にあるので、この縮退している或いはほぼ縮退して
いる複数の準位8〜10が協調したキャリア緩和が実現
されるため緩和速度は速くなり、フォノンボトルネック
現象の影響が少なくなり、量子箱半導体装置の所期の特
性を発揮することができる。
ポテンシャル6が調和振動子型、或いは、準調和振動子
型である場合、準位8〜10は縮退或いはほぼ縮退した
状態にあるので、この縮退している或いはほぼ縮退して
いる複数の準位8〜10が協調したキャリア緩和が実現
されるため緩和速度は速くなり、フォノンボトルネック
現象の影響が少なくなり、量子箱半導体装置の所期の特
性を発揮することができる。
【0027】なお、この様な量子箱4の形成方法は特定
の方法に限られるものではなく、例えば、通常のリソグ
ラフィー法によって形成したものでも良いし、或いは、
下記に示す自己形成法によって形成したものでも良い。
の方法に限られるものではなく、例えば、通常のリソグ
ラフィー法によって形成したものでも良いし、或いは、
下記に示す自己形成法によって形成したものでも良い。
【0028】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、量子箱4が、下地半導体層2に設けられた下地半導
体層2と格子定数の異なる格子不整合系の半導体層3の
中に散点状に含まれることを特徴とする。
て、量子箱4が、下地半導体層2に設けられた下地半導
体層2と格子定数の異なる格子不整合系の半導体層3の
中に散点状に含まれることを特徴とする。
【0029】この様に、量子箱4として、下地半導体層
2上にこの下地半導体層2に対する格子不整合条件で格
子不整合系の半導体層3をエピタキシャル成長させるこ
とによって、格子不整合系の半導体層3の中に散点状に
自己形成された量子箱4を用いることにより、量子箱4
のサイズを均一に、且つ、高密度に形成することができ
る。
2上にこの下地半導体層2に対する格子不整合条件で格
子不整合系の半導体層3をエピタキシャル成長させるこ
とによって、格子不整合系の半導体層3の中に散点状に
自己形成された量子箱4を用いることにより、量子箱4
のサイズを均一に、且つ、高密度に形成することができ
る。
【0030】(3)また、本発明は、上記(1)におい
て、量子箱4が、下地半導体層2に設けられた下地半導
体層2と格子定数の異なる格子不整合系の半導体層3の
上に散点状に配置され、格子不整合系の半導体層3より
高歪の格子定数を有することことを特徴とする。
て、量子箱4が、下地半導体層2に設けられた下地半導
体層2と格子定数の異なる格子不整合系の半導体層3の
上に散点状に配置され、格子不整合系の半導体層3より
高歪の格子定数を有することことを特徴とする。
【0031】この様に、量子箱4としては、下地半導体
層2上にこの下地半導体層2に対する格子不整合条件で
格子不整合系の半導体層3をエピタキシャル成長させる
ことによって、濡れ層となる薄い格子不整合系の半導体
層3の上に散点状に自己形成された量子箱4を用いても
良い。
層2上にこの下地半導体層2に対する格子不整合条件で
格子不整合系の半導体層3をエピタキシャル成長させる
ことによって、濡れ層となる薄い格子不整合系の半導体
層3の上に散点状に自己形成された量子箱4を用いても
良い。
【0032】(4)また、本発明は、上記(1)乃至
(3)のいずれかにおいて、量子箱4が半導体レーザの
活性領域を構成することを特徴とする。
(3)のいずれかにおいて、量子箱4が半導体レーザの
活性領域を構成することを特徴とする。
【0033】この様な構成の量子箱4を半導体レーザに
応用した場合には、キャリアの温度分布が急激に変化す
るため、微分利得が向上して温度特性が改善される。
応用した場合には、キャリアの温度分布が急激に変化す
るため、微分利得が向上して温度特性が改善される。
【0034】(5)また、本発明は、量子箱半導体装置
の製造方法において、量子箱4を形成した後、量子箱4
の形成温度より高温で熱処理することにより、量子箱4
中の励起準位8〜10のエネルギーをシフトさせ、量子
箱4の3次元量子閉じ込めポテンシャル6を調和振動子
型、或いは、調和振動子型からのずれに起因して縮退が
解けた各励起準位8〜10のエネルギー間隔が量子箱4
を構成する結晶中の縦光学フォノンエネルギーの揺らぎ
と、縦音響フォノンエネルギー幅を合計したエネルギー
幅を越えない準調和振動子型にすることを特徴とする。
の製造方法において、量子箱4を形成した後、量子箱4
の形成温度より高温で熱処理することにより、量子箱4
中の励起準位8〜10のエネルギーをシフトさせ、量子
箱4の3次元量子閉じ込めポテンシャル6を調和振動子
型、或いは、調和振動子型からのずれに起因して縮退が
解けた各励起準位8〜10のエネルギー間隔が量子箱4
を構成する結晶中の縦光学フォノンエネルギーの揺らぎ
と、縦音響フォノンエネルギー幅を合計したエネルギー
幅を越えない準調和振動子型にすることを特徴とする。
【0035】この様に、一旦形成した量子箱4を高温で
熱処理することによって、量子箱4の3次元量子閉じ込
めポテンシャル6を調和振動子型、或いは、準調和振動
子型にすることができる。
熱処理することによって、量子箱4の3次元量子閉じ込
めポテンシャル6を調和振動子型、或いは、準調和振動
子型にすることができる。
【0036】(6)また、本発明は、上記(5)におい
て、量子箱4中の励起準位8〜10のエネルギーのシフ
トが、基底準位7のエネルギーのシフトより大きいこと
を特徴とする。
て、量子箱4中の励起準位8〜10のエネルギーのシフ
トが、基底準位7のエネルギーのシフトより大きいこと
を特徴とする。
【0037】この場合の熱処理の温度条件は、量子箱4
中の励起準位8〜10のエネルギーのシフトが、基底準
位7のエネルギーのシフトより大きくなる条件に設定す
ることが必要になり、温度が低すぎると熱処理の効果が
なく、また、高すぎると、一旦形成された調和振動子型
ポテンシャルが崩れて上述の図7(b)の実線41で示
すように非調和振動子型になり、緩和速度が低下する。
中の励起準位8〜10のエネルギーのシフトが、基底準
位7のエネルギーのシフトより大きくなる条件に設定す
ることが必要になり、温度が低すぎると熱処理の効果が
なく、また、高すぎると、一旦形成された調和振動子型
ポテンシャルが崩れて上述の図7(b)の実線41で示
すように非調和振動子型になり、緩和速度が低下する。
【0038】(7)また、本発明は、上記(5)または
(6)において、格子不整合系の半導体層3を格子不整
合系の半導体層3と格子定数の異なる下地半導体層2上
に結晶の弾性限界を越える厚さにエピタキシャル成長さ
せることによって、量子箱4を格子不整合系の半導体層
3の中に散点状に形成したことを特徴とする。
(6)において、格子不整合系の半導体層3を格子不整
合系の半導体層3と格子定数の異なる下地半導体層2上
に結晶の弾性限界を越える厚さにエピタキシャル成長さ
せることによって、量子箱4を格子不整合系の半導体層
3の中に散点状に形成したことを特徴とする。
【0039】この様に、格子不整合系の半導体層3を下
地半導体層2上に結晶の弾性限界を越える厚さにエピタ
キシャル成長させることによって、量子箱4をリソグラ
フィー技術を用いずに自己形成的に再現性良く形成する
ことができる。なお、この場合、量子箱4が自己形成さ
れることによって、格子不整合系の半導体層3の量子箱
4以外の部分は、結果としては弾性限界を越えないこと
になる。
地半導体層2上に結晶の弾性限界を越える厚さにエピタ
キシャル成長させることによって、量子箱4をリソグラ
フィー技術を用いずに自己形成的に再現性良く形成する
ことができる。なお、この場合、量子箱4が自己形成さ
れることによって、格子不整合系の半導体層3の量子箱
4以外の部分は、結果としては弾性限界を越えないこと
になる。
【0040】(8)また、本発明は、上記(5)または
(6)において、格子不整合系の半導体層3を格子不整
合系の半導体層3と格子定数の異なる下地半導体層2上
に結晶の弾性限界を越える厚さにエピタキシャル成長さ
せることによって、結晶の弾性限界を越えない厚さの格
子不整合系の半導体層3及びその上に散点状に配置され
た量子箱4を自己形成したことを特徴とする。
(6)において、格子不整合系の半導体層3を格子不整
合系の半導体層3と格子定数の異なる下地半導体層2上
に結晶の弾性限界を越える厚さにエピタキシャル成長さ
せることによって、結晶の弾性限界を越えない厚さの格
子不整合系の半導体層3及びその上に散点状に配置され
た量子箱4を自己形成したことを特徴とする。
【0041】この様に、格子不整合系の半導体層3を下
地半導体層2上に結晶の弾性限界を越える厚さにエピタ
キシャル成長させることによって、厚さが弾性限界を越
えない時点までは薄い濡れ層が形成され、弾性限界を越
えた時点から三次元的成長が始まり量子箱4が形成され
るので、量子箱4をリソグラフィー技術を用いずに自己
形成的に再現性良く形成することができる。
地半導体層2上に結晶の弾性限界を越える厚さにエピタ
キシャル成長させることによって、厚さが弾性限界を越
えない時点までは薄い濡れ層が形成され、弾性限界を越
えた時点から三次元的成長が始まり量子箱4が形成され
るので、量子箱4をリソグラフィー技術を用いずに自己
形成的に再現性良く形成することができる。
【0042】(9)また、本発明は、上記(7)または
(8)において、量子箱4及び格子不整合系の半導体層
3がIII-V族化合物半導体或いはII−VI族化合物半
導体のいずれかであることを特徴とする。
(8)において、量子箱4及び格子不整合系の半導体層
3がIII-V族化合物半導体或いはII−VI族化合物半
導体のいずれかであることを特徴とする。
【0043】この様に、量子箱4及び格子不整合系の半
導体層3としてIII-V族化合物半導体或いはII−VI
族化合物半導体を用いることにより、特性の優れた半導
体レーザ等の光半導体装置を形成することができる。
導体層3としてIII-V族化合物半導体或いはII−VI
族化合物半導体を用いることにより、特性の優れた半導
体レーザ等の光半導体装置を形成することができる。
【0044】(10)また、本発明は、上記(9)にお
いて、量子箱4及び格子不整合系の半導体層3がInx
Ga1-x As(0≦x≦1)であることを特徴とする。
いて、量子箱4及び格子不整合系の半導体層3がInx
Ga1-x As(0≦x≦1)であることを特徴とする。
【0045】この様に、量子箱4及び格子不整合系の半
導体層3としてInx Ga1-x As(0≦x≦1)を用
いることによって、温度特性の優れた1μm帯の半導体
レーザを形成することができる。
導体層3としてInx Ga1-x As(0≦x≦1)を用
いることによって、温度特性の優れた1μm帯の半導体
レーザを形成することができる。
【0046】(11)また、本発明は、上記(9)にお
いて、量子箱4及び格子不整合系の半導体層3がInx
Ga1-x Asy N1-y (0≦x≦1,0≦y<1)であ
ることを特徴とする。
いて、量子箱4及び格子不整合系の半導体層3がInx
Ga1-x Asy N1-y (0≦x≦1,0≦y<1)であ
ることを特徴とする。
【0047】この様に、量子箱4及び格子不整合系の半
導体層3としてInx Ga1-x As y N1-y (0≦x≦
1,0≦y<1)を用いることによって、バルクのIn
x Ga1-x Asy N1-y を用いた場合より温度特性の優
れた可視半導体レーザを形成することができる。
導体層3としてInx Ga1-x As y N1-y (0≦x≦
1,0≦y<1)を用いることによって、バルクのIn
x Ga1-x Asy N1-y を用いた場合より温度特性の優
れた可視半導体レーザを形成することができる。
【0048】(12)また、本発明は、上記(9)乃至
(11)のいずれかにおいて、量子箱4及び格子不整合
系の半導体層3を成長させる半導体基板1として、Ga
As、InP、Inx Ga1-x As(0<x≦1)、あ
るいは、SiCのいずれかを用いたことを特徴とする。
(11)のいずれかにおいて、量子箱4及び格子不整合
系の半導体層3を成長させる半導体基板1として、Ga
As、InP、Inx Ga1-x As(0<x≦1)、あ
るいは、SiCのいずれかを用いたことを特徴とする。
【0049】この様なInx Ga1-x As、Inx Ga
1-x Asy N1-y 等のIII-V族化合物半導体或いはII
−VI族化合物半導体を成長させる半導体基板1として
は、GaAs、InP、Inx Ga1-x As(0<x≦
1)、或いは、SiCのいずれかが適当である。
1-x Asy N1-y 等のIII-V族化合物半導体或いはII
−VI族化合物半導体を成長させる半導体基板1として
は、GaAs、InP、Inx Ga1-x As(0<x≦
1)、或いは、SiCのいずれかが適当である。
【0050】(13)また、本発明は、上記(7)また
は(8)において、量子箱4及び格子不整合系の半導体
層3がSi1-x Gex (0≦x≦1)であることを特徴
とする。
は(8)において、量子箱4及び格子不整合系の半導体
層3がSi1-x Gex (0≦x≦1)であることを特徴
とする。
【0051】この様に、量子箱4及び格子不整合系の半
導体層3としてSi1-x Gex (0≦x≦1)を用いる
ことにより、SET(単一電子トランジスタ)等の量子
箱半導体装置を形成することができると共に、通常のS
iデバイスとの集積化も可能になる。
導体層3としてSi1-x Gex (0≦x≦1)を用いる
ことにより、SET(単一電子トランジスタ)等の量子
箱半導体装置を形成することができると共に、通常のS
iデバイスとの集積化も可能になる。
【0052】(14)また、本発明は、上記(13)に
おいて、量子箱4及び格子不整合系の半導体層3を成長
させる半導体基板1として、SiまたはGeを用いたこ
とを特徴とする。
おいて、量子箱4及び格子不整合系の半導体層3を成長
させる半導体基板1として、SiまたはGeを用いたこ
とを特徴とする。
【0053】この様なSi1-x Gex を成長させる半導
体基板1としては、SiまたはGeが適当であり、特に
Siを用いた場合には通常のSiデバイスと集積化する
ことができる。
体基板1としては、SiまたはGeが適当であり、特に
Siを用いた場合には通常のSiデバイスと集積化する
ことができる。
【0054】
【発明の実施の形態】まず、本発明の実施の形態を図2
及び図4を参照して説明する。 図2(a)参照 まず、図6において説明した従来例と同様に、GaAs
基板11上に、MOVPE法を用いて厚さ500nmの
GaAsバッファ層12を形成したのち、H2、TMI
DMEA、TMG、及び、AsH3 を交互に24回供給
するALE法によって460℃の成長温度においてIn
GaAs層13及びInGaAs量子箱14を形成し、
次いで、再び、MOVPE法によって厚さ100nmの
GaAs層15を成長させる。
及び図4を参照して説明する。 図2(a)参照 まず、図6において説明した従来例と同様に、GaAs
基板11上に、MOVPE法を用いて厚さ500nmの
GaAsバッファ層12を形成したのち、H2、TMI
DMEA、TMG、及び、AsH3 を交互に24回供給
するALE法によって460℃の成長温度においてIn
GaAs層13及びInGaAs量子箱14を形成し、
次いで、再び、MOVPE法によって厚さ100nmの
GaAs層15を成長させる。
【0055】この場合も、InGaAs層13の成長工
程において、H2 ガスでバブリングしたTMIDMEA
の供給量200sccmで1.0秒、H2 ガスでバブリ
ングしたTMGの供給量を35sccmで0.1秒、A
sH3 とH2 の混合ガスを400sccmで10秒とす
ることによって、InGaAs層13の中にIn組成比
が0.5のIn0.5 Ga0.5 AsからなるInGaAs
量子箱14が散点状に形成され、また、InGaAs量
子箱14以外の領域のInGaAs層13のIn組成比
は約0.1となる。
程において、H2 ガスでバブリングしたTMIDMEA
の供給量200sccmで1.0秒、H2 ガスでバブリ
ングしたTMGの供給量を35sccmで0.1秒、A
sH3 とH2 の混合ガスを400sccmで10秒とす
ることによって、InGaAs層13の中にIn組成比
が0.5のIn0.5 Ga0.5 AsからなるInGaAs
量子箱14が散点状に形成され、また、InGaAs量
子箱14以外の領域のInGaAs層13のIn組成比
は約0.1となる。
【0056】図2(b)及び(c)参照 得られたInGaAs量子箱14は、直径R≒30n
m、高さH≒15nmの偏平球状であり、その形状の均
一性は5〜10%のズレ程度であり、また、密度も高密
度に形成される。
m、高さH≒15nmの偏平球状であり、その形状の均
一性は5〜10%のズレ程度であり、また、密度も高密
度に形成される。
【0057】次いで、InGaAs量子箱14の形成温
度より高い温度における熱処理を30分間行うことによ
りInGaAs量子箱14の3次元閉じ込めポテンシャ
ルを調和振動子型、或いは、準調和振動子型にする。
度より高い温度における熱処理を30分間行うことによ
りInGaAs量子箱14の3次元閉じ込めポテンシャ
ルを調和振動子型、或いは、準調和振動子型にする。
【0058】この場合、3次元閉じ込めポテンシャルの
形状は調和振動子型である方が望ましいが、調和振動子
型からのずれに起因して縮退が解けた各準位のエネルギ
ー間隔が量子箱を構成する結晶中の縦光学フォノンエネ
ルギーの揺らぎと、縦音響フォノンエネルギー幅を合計
したエネルギー幅を越えない準調和振動子型であっても
良いものである。
形状は調和振動子型である方が望ましいが、調和振動子
型からのずれに起因して縮退が解けた各準位のエネルギ
ー間隔が量子箱を構成する結晶中の縦光学フォノンエネ
ルギーの揺らぎと、縦音響フォノンエネルギー幅を合計
したエネルギー幅を越えない準調和振動子型であっても
良いものである。
【0059】なお、結晶中の縦光学フォノンエネルギー
の揺らぎとは、InGaAs量子箱14の結晶組成の揺
らぎ、即ち、結晶中の組成の不均一性に起因する量子準
位の揺らぎに基づくものであり、また、縦音響フォノン
エネルギー幅とは、ボーズ・アインシュタイン分布に従
う統計的な幅ある。
の揺らぎとは、InGaAs量子箱14の結晶組成の揺
らぎ、即ち、結晶中の組成の不均一性に起因する量子準
位の揺らぎに基づくものであり、また、縦音響フォノン
エネルギー幅とは、ボーズ・アインシュタイン分布に従
う統計的な幅ある。
【0060】図3(a)参照 図3(a)は、InGaAs量子箱14における第1量
子準位(1st)、即ち、基底準位と第2量子準位(2
nd)のエネルギーシフト、及び、PL(フォトルミネ
ッセンス)強度の熱処理温度依存性を示す図であり、エ
ネルギーシフトの始まる初期の温度においては基底準位
より第2量子準位のシフト量が大きく、温度の上昇とと
もにその差が縮まる。
子準位(1st)、即ち、基底準位と第2量子準位(2
nd)のエネルギーシフト、及び、PL(フォトルミネ
ッセンス)強度の熱処理温度依存性を示す図であり、エ
ネルギーシフトの始まる初期の温度においては基底準位
より第2量子準位のシフト量が大きく、温度の上昇とと
もにその差が縮まる。
【0061】図3(b)参照 これは、InGaAs量子箱14の形成直後(as−g
rown)の量子閉じ込めポテンシャル16は中心付近
が比較的穏やかな非調和振動子型のポテンシャルを形成
しているのに対して、熱処理による相互拡散の拡散長D
t とした場合、Dt 1/2 が1nm程度の熱処理温度が比
較的低い状態の場合には、基底準位より第2量子準位等
の高次の量子準位のエネルギーシフトが大きくなり、ポ
テンシャルの側壁がだれてきて放物線状のポテンシャル
形状、即ち、調和振動子型のポテンシャル形状へと移行
する。
rown)の量子閉じ込めポテンシャル16は中心付近
が比較的穏やかな非調和振動子型のポテンシャルを形成
しているのに対して、熱処理による相互拡散の拡散長D
t とした場合、Dt 1/2 が1nm程度の熱処理温度が比
較的低い状態の場合には、基底準位より第2量子準位等
の高次の量子準位のエネルギーシフトが大きくなり、ポ
テンシャルの側壁がだれてきて放物線状のポテンシャル
形状、即ち、調和振動子型のポテンシャル形状へと移行
する。
【0062】熱処理温度を次第に高くすることによっ
て、Dt 1/2 が2nm、5nmになるにしたがって基底
準位のエネルギーシフトも大きくなって量子準位間隔が
狭まり、ポテンシャルの底上が生じると共に左右の形が
いびつになり、非放物線状のポテンシャル形状、即ち、
非調和振動子型のポテンシャル形状へと移行する。
て、Dt 1/2 が2nm、5nmになるにしたがって基底
準位のエネルギーシフトも大きくなって量子準位間隔が
狭まり、ポテンシャルの底上が生じると共に左右の形が
いびつになり、非放物線状のポテンシャル形状、即ち、
非調和振動子型のポテンシャル形状へと移行する。
【0063】したがって、InGaAs量子箱14の量
子閉じ込めポテンシャル16の形状を調和振動子型或い
は準調和振動子型にするためには、所定の温度範囲で熱
処理を行う必要がある。
子閉じ込めポテンシャル16の形状を調和振動子型或い
は準調和振動子型にするためには、所定の温度範囲で熱
処理を行う必要がある。
【0064】再び、図3(a)参照 また、PL強度は熱処理温度の上昇とともに一旦上昇し
その後低下するが、これは、PL強度が熱処理によって
結晶中の欠陥がアニールアウトされる過程と、逆に熱に
より欠陥が生成・増殖する過程とのトレードオフによっ
て決まることを表していると考えられる。
その後低下するが、これは、PL強度が熱処理によって
結晶中の欠陥がアニールアウトされる過程と、逆に熱に
より欠陥が生成・増殖する過程とのトレードオフによっ
て決まることを表していると考えられる。
【0065】即ち、PL強度の低下は結晶性の低下を意
味するので、特に、半導体レーザ等の光半導体装置を製
造する場合には、熱処理をPL強度の低下が生じない温
度範囲で行う必要がある。
味するので、特に、半導体レーザ等の光半導体装置を製
造する場合には、熱処理をPL強度の低下が生じない温
度範囲で行う必要がある。
【0066】図4(a)参照 図4(a)は、InGaAs量子箱14を、第2量子準
位が基底準位より大きくシフトする615℃で60分間
熱処理を行った場合のキャリアの緩和時間(Relax
ation Lifetime)を時間分解PL測定に
よって測定した場合の緩和時間の測定温度依存性を表す
ものであり、熱処理によってキャリアの緩和時間が1/
2乃至1/3程度短くなったことが判る。
位が基底準位より大きくシフトする615℃で60分間
熱処理を行った場合のキャリアの緩和時間(Relax
ation Lifetime)を時間分解PL測定に
よって測定した場合の緩和時間の測定温度依存性を表す
ものであり、熱処理によってキャリアの緩和時間が1/
2乃至1/3程度短くなったことが判る。
【0067】この場合の調和振動子型からのずれに起因
して縮退が解けた各量子準位の同次数の量子準位におけ
る準位間のエネルギー間隔は5meV以下と予測され、
この値はLOフォノンエネルギーの揺らぎと、ALフォ
ノンエネルギー幅の和よりも小さい。
して縮退が解けた各量子準位の同次数の量子準位におけ
る準位間のエネルギー間隔は5meV以下と予測され、
この値はLOフォノンエネルギーの揺らぎと、ALフォ
ノンエネルギー幅の和よりも小さい。
【0068】図4(b)参照 図4(b)はキャリアの再結合時間(Recombin
ation Lifetime)の測定温度依存性を示
す図であり、この図4(b)を参照してフォノンボトル
ネック現象が抑制されているか否かを説明する。
ation Lifetime)の測定温度依存性を示
す図であり、この図4(b)を参照してフォノンボトル
ネック現象が抑制されているか否かを説明する。
【0069】フォノンボトルネック現象を議論するため
には、キャリアの再結合時間と緩和時間との差を調べる
必要があるが、キャリアの再結合時間は熱処理前後でほ
とんど変化しておらず、したがって、熱処理によってキ
ャリアの再結合時間と緩和時間との差が大きくなってい
るので、フォノンボトルネック現象が抑制されているの
が判る。
には、キャリアの再結合時間と緩和時間との差を調べる
必要があるが、キャリアの再結合時間は熱処理前後でほ
とんど変化しておらず、したがって、熱処理によってキ
ャリアの再結合時間と緩和時間との差が大きくなってい
るので、フォノンボトルネック現象が抑制されているの
が判る。
【0070】この様に、熱処理時間を適当な温度範囲で
行うことによって量子箱の量子閉じ込めポテンシャルの
形状を調和振動子型或いは準調和振動子型にすることが
でき、それによって縮退或いはほぼ縮退している複数の
量子準位が協調したキャリア緩和が実現されるため緩和
速度は速くなり、フォノンボトルネック現象が抑制され
る。
行うことによって量子箱の量子閉じ込めポテンシャルの
形状を調和振動子型或いは準調和振動子型にすることが
でき、それによって縮退或いはほぼ縮退している複数の
量子準位が協調したキャリア緩和が実現されるため緩和
速度は速くなり、フォノンボトルネック現象が抑制され
る。
【0071】この場合の適当な温度範囲及び処理時間
は、量子箱の組成、サイズ等により異なるので適宜実験
的に決定する必要がある。
は、量子箱の組成、サイズ等により異なるので適宜実験
的に決定する必要がある。
【0072】次に、図5を参照して本発明の実施の形態
の具体的応用例である量子箱半導体レーザを説明する。 図5参照 まず、MOVPE法を用いてn型GaAs基板21上
に、厚さ500nmのn型GaAsバッファ層22、厚
さ1000nmのn型In0.5 Ga0.5 Pクラッド層2
3、及び、厚さ100nmの下地半導体層となるGaA
s層24を順次成長させる。
の具体的応用例である量子箱半導体レーザを説明する。 図5参照 まず、MOVPE法を用いてn型GaAs基板21上
に、厚さ500nmのn型GaAsバッファ層22、厚
さ1000nmのn型In0.5 Ga0.5 Pクラッド層2
3、及び、厚さ100nmの下地半導体層となるGaA
s層24を順次成長させる。
【0073】次いで、H2 、TMIDMEA、TMG、
及び、AsH3 を交互に24回供給するALE法によっ
て460℃の成長温度においてInGaAs層25を形
成し、次いで、再び、MOVPE法によって厚さ100
nmのGaAs層27、厚さ1000nmのp型In
0.5 Ga0.5 Pクラッド層28を成長させる。
及び、AsH3 を交互に24回供給するALE法によっ
て460℃の成長温度においてInGaAs層25を形
成し、次いで、再び、MOVPE法によって厚さ100
nmのGaAs層27、厚さ1000nmのp型In
0.5 Ga0.5 Pクラッド層28を成長させる。
【0074】この場合も、InGaAs層25の成長工
程において、H2 ガスでバブリングしたTMIDMEA
の供給量200sccmで1.0秒、H2 ガスでバブリ
ングしたTMGの供給量を35sccmで0.1秒、A
sH3 とH2 の混合ガスを400sccmで10秒とす
ることによって、InGaAs層25の中にIn組成比
が0.5のIn0.5 Ga0.5 Asからなる直径R≒30
nm、高さH≒15nmの偏平球状のInGaAs量子
箱26が散点状に形成され、また、InGaAs量子箱
26以外の領域のInGaAs層25のIn組成比は約
0.1となる。
程において、H2 ガスでバブリングしたTMIDMEA
の供給量200sccmで1.0秒、H2 ガスでバブリ
ングしたTMGの供給量を35sccmで0.1秒、A
sH3 とH2 の混合ガスを400sccmで10秒とす
ることによって、InGaAs層25の中にIn組成比
が0.5のIn0.5 Ga0.5 Asからなる直径R≒30
nm、高さH≒15nmの偏平球状のInGaAs量子
箱26が散点状に形成され、また、InGaAs量子箱
26以外の領域のInGaAs層25のIn組成比は約
0.1となる。
【0075】次いで、InGaAs量子箱27の形成温
度より高い615℃において60分間の熱処理を行うこ
とによって、InGaAs量子箱27の3次元閉じ込め
ポテンシャル形状を調和振動子型乃至準調和振動子型に
する。
度より高い615℃において60分間の熱処理を行うこ
とによって、InGaAs量子箱27の3次元閉じ込め
ポテンシャル形状を調和振動子型乃至準調和振動子型に
する。
【0076】次いで、図示しないものの、n型GaAs
基板21の裏面にn側電極を設けると共に、p型In
0.3 Ga0.7 Pクラッド層30にp側電極を設けること
によって量子箱半導体レーザが完成する。
基板21の裏面にn側電極を設けると共に、p型In
0.3 Ga0.7 Pクラッド層30にp側電極を設けること
によって量子箱半導体レーザが完成する。
【0077】この様な量子箱半導体レーザにおいては、
量子閉じ込めポテンシャルの形状が調和振動子型乃至準
調和振動子型になっているのでフォノンボトルネック現
象が抑制され、量子化効果による所期の温度特性の改善
が可能になり、高性能な半導体レーザが実現された。
量子閉じ込めポテンシャルの形状が調和振動子型乃至準
調和振動子型になっているのでフォノンボトルネック現
象が抑制され、量子化効果による所期の温度特性の改善
が可能になり、高性能な半導体レーザが実現された。
【0078】なお、上記の量子箱半導体レーザにおいて
は、1μm帯半導体レーザを形成するために活性層、即
ち、量子箱を構成するための格子不整合系の半導体層と
してIn組成比が0.5のIn0.5 Ga0.5 As組成の
InGaAs量子箱が形成される様にガスの流量比を制
御しているが、In0.5 Ga0.5 As組成のInGaA
s量子箱に限られるものではなく、In組成比が0.2
〜0.7範囲であれば良く、その場合のInGaAs量
子箱が内部に形成されたInGaAs層のIn組成比は
InGaAs量子箱のIn組成比より0.2以上小さく
なる。
は、1μm帯半導体レーザを形成するために活性層、即
ち、量子箱を構成するための格子不整合系の半導体層と
してIn組成比が0.5のIn0.5 Ga0.5 As組成の
InGaAs量子箱が形成される様にガスの流量比を制
御しているが、In0.5 Ga0.5 As組成のInGaA
s量子箱に限られるものではなく、In組成比が0.2
〜0.7範囲であれば良く、その場合のInGaAs量
子箱が内部に形成されたInGaAs層のIn組成比は
InGaAs量子箱のIn組成比より0.2以上小さく
なる。
【0079】また、量子箱はInGaAs量子箱に限ら
れるものでなく、Nを含むInGaAsN量子箱であっ
ても良く、この場合には、発振が困難であった青色半導
体レーザ等の可視半導体レーザを量子箱の量子効果によ
って発振を容易にすることが期待できる。
れるものでなく、Nを含むInGaAsN量子箱であっ
ても良く、この場合には、発振が困難であった青色半導
体レーザ等の可視半導体レーザを量子箱の量子効果によ
って発振を容易にすることが期待できる。
【0080】例えば、サファイア基板上に、GaNバッ
ファ層、n型GaNバッファ層、及び、n型In0.1 G
a0.9 N層を介してn型Al0.15Ga0.85Nクラッド層
及びn型GaN光ガイド層を成長させる。
ファ層、n型GaNバッファ層、及び、n型In0.1 G
a0.9 N層を介してn型Al0.15Ga0.85Nクラッド層
及びn型GaN光ガイド層を成長させる。
【0081】次いで、TMI、TEG、及び、NH3 を
供給してInGaN層を成長させることによって、薄い
InGaN層上にInGaN量子箱を形成する。
供給してInGaN層を成長させることによって、薄い
InGaN層上にInGaN量子箱を形成する。
【0082】即ち、この場合には、InGaN層の厚さ
が結晶の弾性限界を越えない厚さまでは、薄いInGa
N層が濡れ層として二次元的に成長し、厚さが結晶の弾
性限界に達した時点で三次元的成長が始まり、濡れ層と
同じ組成のInGaN量子箱が濡れ層の上に散点状に形
成されることになる。
が結晶の弾性限界を越えない厚さまでは、薄いInGa
N層が濡れ層として二次元的に成長し、厚さが結晶の弾
性限界に達した時点で三次元的成長が始まり、濡れ層と
同じ組成のInGaN量子箱が濡れ層の上に散点状に形
成されることになる。
【0083】次いで、p型GaN光ガイド層、p型Al
0.15Ga0.85Nクラッド層、及び、p型GaNコンタク
ト層を設け、最後に、n側電極及びp側電極を設けて可
視半導体レーザを構成する。
0.15Ga0.85Nクラッド層、及び、p型GaNコンタク
ト層を設け、最後に、n側電極及びp側電極を設けて可
視半導体レーザを構成する。
【0084】この場合の活性層、即ち、量子箱はInG
aNに限られるものではなく、InGaAsNであって
も良く、所望する波長に応じて組成比を変えれば良く、
その組成比の変化に応じて光ガイド層及びクラッド層の
組成比を変えれば良い。
aNに限られるものではなく、InGaAsNであって
も良く、所望する波長に応じて組成比を変えれば良く、
その組成比の変化に応じて光ガイド層及びクラッド層の
組成比を変えれば良い。
【0085】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、実施の形態で説明した構造及び材料に限られるもの
ではなく、各種の半導体に適用されるものであり、ま
た、量子箱の構造は、格子不整合系の半導体層中に散点
状に形成される量子箱はInGaAs系で典型的に生ず
るものであるが、格子不整合系の半導体層上に散点状に
形成される量子箱はその他の半導体系において多く見ら
れる構造である。
が、実施の形態で説明した構造及び材料に限られるもの
ではなく、各種の半導体に適用されるものであり、ま
た、量子箱の構造は、格子不整合系の半導体層中に散点
状に形成される量子箱はInGaAs系で典型的に生ず
るものであるが、格子不整合系の半導体層上に散点状に
形成される量子箱はその他の半導体系において多く見ら
れる構造である。
【0086】例えば、上記の図5に示した量子箱半導体
レーザにおいては、量子箱を自己形成するための下地半
導体層としてGaAs層を用いているが、量子箱を構成
するための格子不整合系の半導体層の組成に応じて、そ
の半導体層と大きな格子定数の差がある半導体を用いれ
ば良く、例えば、GaAs、InP、或いは、InGa
Asが好適であり、また、その成長基板としては、例え
ば、GaAs、InP、InGaAs、或いは、SiC
等が好適である。
レーザにおいては、量子箱を自己形成するための下地半
導体層としてGaAs層を用いているが、量子箱を構成
するための格子不整合系の半導体層の組成に応じて、そ
の半導体層と大きな格子定数の差がある半導体を用いれ
ば良く、例えば、GaAs、InP、或いは、InGa
Asが好適であり、また、その成長基板としては、例え
ば、GaAs、InP、InGaAs、或いは、SiC
等が好適である。
【0087】また、量子箱を構成する半導体は、InG
aAs等のIII-V族化合物半導体に限られるものでな
く、II−VI族化合物半導体を用いても良く、この場
合には、広い禁制帯幅を利用した可視発光半導体装置を
構成することができ、この場合にも、半導体基板として
はInP、InGaAs、或いは、SiC等が好適であ
る。
aAs等のIII-V族化合物半導体に限られるものでな
く、II−VI族化合物半導体を用いても良く、この場
合には、広い禁制帯幅を利用した可視発光半導体装置を
構成することができ、この場合にも、半導体基板として
はInP、InGaAs、或いは、SiC等が好適であ
る。
【0088】また、量子箱を構成する半導体は、Si
1-x Gex であっても良く、この場合には、下地半導体
層或いは成長基板としてSiまたはGeを用いることに
よって量子箱を自己形成することができ、SET等の量
子電子デバイスの基本構造として重要になる。
1-x Gex であっても良く、この場合には、下地半導体
層或いは成長基板としてSiまたはGeを用いることに
よって量子箱を自己形成することができ、SET等の量
子電子デバイスの基本構造として重要になる。
【0089】また、本発明の実施の形態においては、量
子箱を下地半導体層を用いて自己形成しているが、量子
箱の形成方法はこの様な自己形成法に限られるものでは
なく、上記において説明した微細加工技術を用いて形成
した量子箱を熱処理するようにしても良い。
子箱を下地半導体層を用いて自己形成しているが、量子
箱の形成方法はこの様な自己形成法に限られるものでは
なく、上記において説明した微細加工技術を用いて形成
した量子箱を熱処理するようにしても良い。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、一旦形成した量子箱
を、量子箱の形成温度より高温で熱処理することによっ
て量子閉じ込めポテンシャルの形状を調和振動子型乃至
準調和振動子型にしているので、量子箱構造中における
準位間のキャリアの緩和速度が速くなり、半導体装置の
性能向上に寄与するところが大きい。
を、量子箱の形成温度より高温で熱処理することによっ
て量子閉じ込めポテンシャルの形状を調和振動子型乃至
準調和振動子型にしているので、量子箱構造中における
準位間のキャリアの緩和速度が速くなり、半導体装置の
性能向上に寄与するところが大きい。
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態における量子箱構造の熱処
理依存性の説明図である。
理依存性の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態における緩和時間及び再結
合時間の説明図である。
合時間の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の具体的応用例の説明図で
ある。
ある。
【図6】従来の量子箱半導体装置の説明図である。
【図7】従来の量子箱半導体装置の特性の説明図であ
る。
る。
1 半導体基板 2 下地半導体層 3 格子不整合系の半導体層 4 量子箱 5 半導体層 6 量子閉じ込めポテンシャル 7 基底準位 8 第2量子準位 9 第3量子準位 10 第4量子準位 11 GaAs基板 12 GaAsバッファ層 13 InGaAs層 14 InGaAs量子箱 15 GaAs層 16 量子閉じ込めポテンシャル 21 GaAs基板 22 n型GaAsバッファ層 23 n型In0.5 Ga0.5 Pクラッド層 24 GaAs層 25 InGaAs層 26 InGaAs量子箱 27 GaAs層 28 p型In0.5 Ga0.5 Pクラッド層 31 GaAs基板 32 GaAsバッファ層 33 InGaAs層 34 InGaAs量子箱 35 GaAs層 36 理想的ポテンシャル 37 基底準位 38 第2量子準位 39 第3量子準位 40 第4量子準位 41 ポテンシャル 42 ポテンシャル
Claims (14)
- 【請求項1】 量子箱の3次元量子閉じ込めポテンシャ
ルが調和振動子型、或いは、調和振動子型からのずれに
起因して縮退が解けた各準位のエネルギー間隔が量子箱
を構成する結晶中の縦光学フォノンエネルギーの揺らぎ
と、縦音響フォノンエネルギー幅を合計したエネルギー
幅を越えない準調和振動子型であることを特徴とする量
子箱半導体装置。 - 【請求項2】 上記量子箱が、下地半導体層上に設けら
れた下地半導体層と格子定数の異なる格子不整合系の半
導体層の中に散点状に含まれることを特徴とする請求項
1記載の量子箱半導体装置。 - 【請求項3】 上記量子箱が、下地半導体層上に設けら
れた下地半導体層と格子定数の異なる格子不整合系の半
導体層上に散点状に配置され、且つ、前記格子不整合系
の半導体層より高歪の格子定数を有することを特徴とす
る請求項1記載の量子箱半導体装置。 - 【請求項4】 上記量子箱が半導体レーザの活性領域を
構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
項に記載の量子箱半導体装置。 - 【請求項5】 量子箱を形成した後、前記量子箱の形成
温度より高温で熱処理することにより、前記量子箱中の
励起準位のエネルギーをシフトさせ、前記量子箱の3次
元量子閉じ込めポテンシャルを調和振動子型、或いは、
調和振動子型からのずれに起因して縮退が解けた各励起
準位のエネルギー間隔が前記量子箱を構成する結晶中の
縦光学フォノンエネルギーの揺らぎと、縦音響フォノン
エネルギー幅を合計したエネルギー幅を越えない準調和
振動子型にすることを特徴とする量子箱半導体装置の製
造方法。 - 【請求項6】 上記量子箱中の励起準位のエネルギーの
シフトが、基底準位のエネルギーのシフトより大きいこ
とを特徴とする請求項5記載の量子箱半導体装置の製造
方法。 - 【請求項7】 格子不整合系の半導体層を格子不整合系
の半導体層と格子定数の異なる下地半導体層上に結晶の
弾性限界を越える厚さにエピタキシャル成長させること
によって、上記量子箱を前記格子不整合系の半導体層の
中に散点状に自己形成したことを特徴とする請求項5ま
たは6に記載の量子箱半導体装置の製造方法。 - 【請求項8】 格子不整合系の半導体層を格子不整合系
の半導体層と格子定数の異なる下地半導体層上に結晶の
弾性限界を越える厚さにエピタキシャル成長させること
によって、結晶の弾性限界を越えない厚さの前記格子不
整合系の半導体層及びその上に散点状に配置された上記
量子箱を自己形成したことを特徴とする請求項5または
6に記載の量子箱半導体装置の製造方法。 - 【請求項9】 上記量子箱及び格子不整合系の半導体層
が、III-V族化合物半導体或いはII−VI族化合物半
導体のいずれかであることを特徴とする請求項7または
8に記載の量子箱半導体装置の製造方法。 - 【請求項10】 上記量子箱及び格子不整合系の半導体
層が、Inx Ga1- x As(0≦x≦1)であることを
特徴とする請求項9記載の量子箱半導体装置の製造方
法。 - 【請求項11】 上記量子箱及び格子不整合系の半導体
層が、Inx Ga1- x Asy N1-y (0≦x≦1,0≦
y<1)であることを特徴とする請求項9記載の量子箱
半導体装置の製造方法。 - 【請求項12】 上記量子箱及び格子不整合系の半導体
層を成長させる半導体基板として、GaAs、InP、
Inx Ga1-x As(0<x≦1)、或いは、SiCの
いずれかを用いたことを特徴とする請求項9乃至11の
いずれか1項に記載の量子箱半導体装置の製造方法。 - 【請求項13】 上記量子箱及び格子不整合系の半導体
層が、Si1-x Ge x (0≦x≦1)であることを特徴
とする請求項7または8に記載の量子箱半導体装置の製
造方法。 - 【請求項14】 上記量子箱及び格子不整合系の半導体
層を成長させる半導体基板として、SiまたはGeを用
いたことを特徴とする請求項13記載の量子箱半導体装
置の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6411897A JPH10261785A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 量子箱半導体装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6411897A JPH10261785A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 量子箱半導体装置及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10261785A true JPH10261785A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13248841
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6411897A Pending JPH10261785A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 量子箱半導体装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10261785A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5991535A (ja) * | 1982-11-16 | 1984-05-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | デイジタルコ−ド設定スイツチ |
| WO2003007445A1 (en) * | 2001-07-10 | 2003-01-23 | Nec Corporation | Semiconductor quantum dot⋅device |
| JP2014209609A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-11-06 | 京セラ株式会社 | 半導体レーザ |
-
1997
- 1997-03-18 JP JP6411897A patent/JPH10261785A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5991535A (ja) * | 1982-11-16 | 1984-05-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | デイジタルコ−ド設定スイツチ |
| WO2003007445A1 (en) * | 2001-07-10 | 2003-01-23 | Nec Corporation | Semiconductor quantum dot⋅device |
| US7189986B2 (en) | 2001-07-10 | 2007-03-13 | Nec Corporation | Semiconductor quantum dot device |
| US8106378B2 (en) | 2001-07-10 | 2012-01-31 | Nec Corporation | Semiconductor quantum dot device |
| JP2014209609A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-11-06 | 京セラ株式会社 | 半導体レーザ |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070130 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070529 |