JPH10263394A - 改良吸着剤、及び、その製造方法、及び、吸着冷凍機 - Google Patents

改良吸着剤、及び、その製造方法、及び、吸着冷凍機

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JPH10263394A
JPH10263394A JP7703297A JP7703297A JPH10263394A JP H10263394 A JPH10263394 A JP H10263394A JP 7703297 A JP7703297 A JP 7703297A JP 7703297 A JP7703297 A JP 7703297A JP H10263394 A JPH10263394 A JP H10263394A
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JP
Japan
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adsorbent
refrigerant
relative pressure
adsorption
improved
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Application number
JP7703297A
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English (en)
Inventor
Masanobu Katani
昌信 架谷
Hitoki Matsuda
仁樹 松田
Fujio Watanabe
藤雄 渡辺
Yasuo Uchikawa
靖夫 内川
Fumio Kimura
二三夫 木村
Yosuke Takemoto
洋介 竹本
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低相対圧域での吸着性を高める。また、吸着
冷凍機の冷凍能力の向上、及び、装置の小型化を図る。 【解決手段】 吸着剤周りでの吸着対象質の飽和蒸気圧
0 に対する吸着対象質の蒸気圧pの比の値である相対
圧p/p0 の高低によって、吸着対象質に対する平衡吸
着量に逆転が生じる異種の吸着剤を用い、これら吸着剤
のうち、高相対圧の側で他方の吸着剤よりも大きい平衡
吸着量を示す吸着剤を主体吸着剤xとし、かつ、低相対
圧の側で主体吸着剤xよりも大きい平衡吸着量を示す吸
着剤を添着吸着剤yとして、主体吸着剤xの細孔内表面
に添着吸着剤yを添着する。また、この改良吸着剤を吸
着冷凍機の冷凍サイクル用吸着剤に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種物質の吸着に
用いる改良吸着剤、及び、その製造方法、及び、その改
良吸着剤を用いた吸着冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吸着剤としては活性炭、シリカゲ
ル、球状化シリカゲル(Sovabead)、ゼオライ
ト、活性アルミナ、ケイ酸カルシウム(Florit
e)など種々のものが知られている。
【0003】また、吸着冷凍機については、従来、冷媒
に水が用いられ、冷凍サイクル用吸着剤にはシリカゲル
又はゼオライトが用いられてる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図4の例からも判るよ
うに、シリカゲルやゼオライト(分子ふるい:モレキュ
ラーシーブ5A)などの吸着剤は、相対圧(吸着剤周り
での吸着対象質の飽和蒸気圧p0 に対する吸着対象質の
蒸気圧pの比の値p/p0 )が0.4以下や0.2以下
といった低相対圧域でも、ある程度の吸着性(平衡吸着
量)を示す。しかし、例えば活性炭が高相対圧域で示す
ような高い吸着性(大きな平衡吸着量)を低相対圧域に
おいて示す吸着剤は無く、この点、吸着を利用する各種
分野において、それらの吸着目的の一層の効率化のた
め、低相対圧域での吸着性に一層優れた吸着剤の開発が
望まれている。
【0005】殊に、吸着冷凍機では、要求される発生冷
熱の温度、及び、吸着の際の吸着剤冷却に用いる冷却用
媒体の温度などの運転条件から、一般に吸着・蒸発工程
での相対圧が0.1〜0.4程度に規定されることが多
く、この為、この相対圧範囲でもある程度の吸着性(平
衡吸着量)を示すシリカゲルやゼオライトなどを冷凍サ
イクル用吸着剤に用いざるを得ない。しかし、この制約
から、冷凍能力が制限される、また、所要の冷凍能力を
得るのに冷凍サイクル用吸着剤の必要量が大量となって
装置が大型化するなどの問題があった。
【0006】なお、図4の例は水蒸気の等温吸着(29
8°K)における各吸着剤の相対圧p/p0 (換言すれ
ば、関係湿度%)と平衡吸着量q(kgH2 O/kg吸
着剤)との関係を示す。
【0007】以上の実情に対し、本発明の第1の課題
は、低相対圧域でも高い吸着性を発揮する改良吸着剤を
提供する点にある。また、本発明の第2の課題は、この
改良吸着剤の製造に好適な製造方法を提供する点にあ
る。また、本発明の第3の課題は、この改良吸着剤を用
いて、冷凍能力の向上、及び、装置の小型化を効果的に
実現できる吸着冷凍機を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔1〕請求項1記載の発明では、相対圧(吸着剤周りで
の吸着対象質の飽和蒸気圧に対する吸着対象質の蒸気圧
の比の値)の高低によって、吸着対象質に対する平衡吸
着量に逆転が生じる異種の吸着剤を用いる。そして、こ
れら吸着剤のうち、高相対圧の側で他方の吸着剤よりも
大きい平衡吸着量を示す吸着剤を主体吸着剤とし、か
つ、低相対圧の側で主体吸着剤よりも大きい平衡吸着量
を示す吸着剤を添着吸着剤として、主体吸着剤の細孔内
表面に添着吸着剤を添着する。
【0009】つまり、吸着特性の異なる吸着剤について
見た場合、図4からも判るように、相対圧の高低によっ
て吸着対象質に対する平衡吸着量(吸着性)に逆転が生
じるもの、すなわち、ある相対圧を境として、高相対圧
の側では、第1吸着剤の方が第2吸着剤よりも大きい平
衡吸着量を示すが、逆に低相対圧の側では第2吸着剤の
方が第1吸着剤よりも大きい平衡吸着量を示すものが種
々ある。
【0010】この逆転は、これら吸着剤の細孔径の違い
などが原因で、第2吸着剤の方が第1吸着剤よりも吸着
対象質に対する親和性が高いため、低相対圧の側では第
2吸着剤の方が第1吸着剤よりも大きい平衡吸着量を示
すが、高相対圧の側では、第2吸着剤よりも第1吸着剤
の方が細孔数が多い(換言すれば、比表面積が大きい)
などの第1吸着剤の特質が発揮され、これが原因で、第
1吸着剤の方が第2吸着剤よりも大きい平衡吸着量を示
すに至るものと考えられる。
【0011】この点に着目して、請求項1記載の発明で
は、上記例の第1,第2吸着剤の場合、第1吸着剤を主
体吸着剤とし、かつ、第2吸着剤を添着吸着剤として、
第1吸着剤の細孔内表面に第2吸着剤を添着することに
より、第2吸着剤(添着吸着剤)が有する吸着対象質へ
の高い親和性をもって、第1吸着剤(主体吸着剤)の吸
着特性を低相対圧の側へシフトさせる(例えば、図4に
破線で示す如く活性炭の吸着特性を低相対圧の側へシフ
トさせる)。そして、この特性シフトにより、第1吸着
剤(主体吸着剤)が高相対圧の側で示す高い吸着性(大
きい平衡吸着量)を低相対圧の側から発揮できる改良吸
着剤にする。
【0012】すなわち、請求項1記載の発明によれば、
主体吸着剤として選択した吸着剤が高相対圧の側で示す
高い吸着性(大きい平衡吸着量)を低相対圧の側から発
揮して、低相対圧域で高い吸着性を示す優れた改良吸着
剤を提供でき、この改良吸着剤を用いることで、吸着を
利用する各種分野において、低相対圧域での吸着性を高
め、吸着目的の一層の効率化が可能となる。
【0013】また、吸着冷凍機の冷凍サイクル用吸着剤
に、この改良吸着剤を用いれば、吸着・蒸発工程におい
て、前述の如く相対圧が低く規定される条件下でも、高
い吸着性をもって効率良く冷媒蒸気を冷凍サイクル用吸
着剤に吸着させることができ、このことから、従来の吸
着冷凍機に比べ、冷凍能力を高めることができ、また、
吸着剤の必要量を少なくして装置を小型化することがで
きる。
【0014】〔2〕請求項2記載の発明では、請求項1
記載の発明の実施において、前記主体吸着剤に活性炭を
用いる。
【0015】つまり、図4からも判るように、活性炭は
低相対圧域では極めて小さい平衡吸着量しか示さない
が、相対圧を高くすると平衡吸着量が大きく増大して他
の吸着剤よりも大きい平衡吸着量を示す。
【0016】したがって、活性炭を前記の主体吸着剤と
し、一方、相対圧によって活性炭との間で平衡吸着量の
逆転が生じ、高相対圧の側では活性炭よりも小さい平衡
吸着量を示すが、低相対圧の側では活性炭よりも大きい
平衡吸着量を示す適当な別の吸着剤を前記の添着吸着剤
として、この別吸着剤を活性炭の細孔内表面に添着すれ
ば、活性炭が高相対圧の側で示す他の吸着剤よりも高い
吸着性(大きな平衡吸着量)を低相対圧の側から発揮で
きる優れた改良吸着剤にすることができる。
【0017】〔3〕請求項3記載の発明では、請求項1
又は2記載の発明の実施において、前記添着吸着剤にシ
リカゲル又はゼオライト又は活性アルミナ又はケイ酸カ
ルシウムを用いる。
【0018】つまり、図4からも判るように、シリカゲ
ル、ゼオライト、活性アルミナ、ケイ酸カルシウムとい
った吸着剤は、相対圧を高くしても、限られた変化率で
一次関数的に平衡吸着量が大きくなるにすぎないが、例
えば0.4以下や0.2以下といった低相対圧域におい
ても、ある程度の平衡吸着量は得ることができる。
【0019】したがって、シリカゲル又はゼオライト又
は活性アルミナ又はケイ酸カルシウムを前記の添着吸着
剤とし、一方、相対圧によって、その添着吸着剤との間
で平衡吸着量の逆転が生じ、高相対圧の側ではその添着
吸着剤よりも大きい平衡吸着量を示すが、低相対圧の側
ではその添着吸着剤よりも小さい平衡吸着量を示す適当
な別の吸着剤を前記の主体吸着剤として、この別吸着剤
の細孔内表面にその添着吸着剤を添着すれば、これらシ
リカゲル、ゼオライト、活性アルミナ、ケイ酸カルシウ
ムが示す吸着対象質への高い親和性をもって、上記別吸
着剤の吸着特性を低相対圧の側へ効果的にシフトさせる
ことができ、これにより、この別吸着剤が高相対圧の側
で示す高い吸着性(大きな平衡吸着量)を低相対圧の側
で効果的に発揮できる優れた改良吸着剤にすることがで
きる。
【0020】〔4〕請求項4記載の発明では、請求項2
又は3記載の発明の実施において、前記主体吸着剤に活
性炭を用い、前記添着吸着剤にシリカゲルを用いる。
【0021】つまり、活性炭を主体吸着剤とし、かつ、
シリカゲルを添着吸着剤として、活性炭の細孔内表面に
シリカゲルを添着すれば、図4からも判るように、シリ
カゲルが低相対圧域においては他の吸着剤に比べ比較的
大きな平衡吸着量を示すものであって、主体吸着剤とし
ての活性炭の吸着特性を低相対圧の側へシフトさせる作
用が強いこと、及び、主体吸着剤としての活性炭が本
来、高相対圧域で他の吸着剤よりも大きい平衡吸着量を
示すことが相まって、低相対圧域での吸着性が極めて高
い改良吸着剤にすることができる。
【0022】〔5〕請求項5記載の発明では、請求項4
記載の発明の改良吸着剤を製造するにあたり、活性炭に
対し、ケイ酸ソーダを含浸させる第1工程と、乾燥させ
る第2工程と、硫酸を含浸させてシリカゾルを形成する
第3工程と、加熱によりゲル化処理する第4工程と、洗
浄により硫酸を除去する第5工程と、乾燥させる第6工
程とを、その順に実施して、活性炭の細孔内表面にシリ
カゲルを添着する。
【0023】つまり、この製法によれば、上記第4工程
での加熱処理によりシリカゲルを熱的に熟成する形態
で、添着吸着材としてのシリカゲルを活性炭の細孔内表
面に対し熱化学的に凝着させて極めて安定な状態に添着
することができる。そして、このことにより、特性シフ
ト後の状態を安定的に保つことができて、活性炭が高相
対圧の側で示す高い吸着性(大きな平衡吸着量)を低相
対圧の側で極めて安定的に発揮できる良好な改良吸着剤
を得ることができる。また、製法そのものも簡単であ
り、能率良く安価に、この改良吸着剤を製造することが
できる。
【0024】なお、図6は第1工程で活性炭に含浸させ
るケイ酸ソーダ溶液の濃度を代えて、夫々、第1工程か
ら第6工程にわたるシリカゲル添着処理を一回だけ実施
した場合の実験結果を示す。
【0025】〔6〕請求項6記載の発明では、請求項5
記載の発明の実施において、前記の第1工程から第6工
程にわたるシリカゲルの添着処理を活性炭に対し繰り返
して行う。
【0026】つまり、前記の第1工程から第6工程にわ
たるシリカゲル添着処理を繰り返すことにより、一回だ
けの添着処理に比べ、活性炭細孔内表面の全体に対し一
層密な状態にムラ無くシリカゲルを添着することがで
き、これにより、活性炭が高相対圧の側で示す高い吸着
性(大きな平衡吸着量)を低相対圧の側において一層効
果的に発揮できるより優れた改良吸着剤を得ることがで
きる。
【0027】〔7〕請求項7記載の発明では、吸着冷凍
機を構成するのに、吸着剤周りでの冷媒の飽和蒸気圧に
対する冷媒蒸気圧の比の値である相対圧の高低によっ
て、冷媒に対する平衡吸着量に逆転が生じる異種の吸着
剤を用い、これら吸着剤のうち、高相対圧の側で他方の
吸着剤よりも大きい平衡吸着量を示す吸着剤を主体吸着
剤とし、かつ、低相対圧の側で前記主体吸着剤よりも大
きい平衡吸着量を示す吸着剤を添着吸着剤として、この
主体吸着剤の細孔内表面にその添着吸着剤を添着した改
良吸着剤(すなわち、請求項1記載の発明による改良吸
着剤)を冷凍サイクル用吸着剤として用いる。
【0028】そして、冷却用媒体による冷却下で上記の
冷凍サイクル用吸着剤に蒸発器での発生冷媒蒸気を吸着
させながら、その蒸発器で冷媒を蒸発させて、その冷媒
蒸発の際の気化熱奪取により冷熱を発生させる吸着・蒸
発工程と、駆動熱源による加熱下で冷凍サイクル用吸着
剤から吸着の冷媒蒸気を脱着させながら、その脱着冷媒
蒸気を凝縮器で凝縮させて、その冷媒凝縮により放熱用
媒体に対し放熱させる脱着・凝縮工程とを、交互に繰り
返し実施する装置構成とする。
【0029】つまり、請求項7記載の発明によれば、前
記の請求項1記載の発明による改良吸着剤を冷凍サイク
ル用吸着剤に用いることで、吸着・蒸発工程の相対圧が
低く規定される条件下でも、高い吸着性をもって効率良
く冷媒蒸気を冷凍サイクル用吸着剤に吸着させることが
でき、これにより、従来の吸着冷凍機に比べ、冷凍能力
を効果的に高めることができ、また、吸着剤の必要量を
少なくして装置を効果的に小型化することができる。
【0030】〔8〕請求項8記載の発明では、請求項7
記載の発明の実施において、冷媒に水を用いるのに対
し、冷凍サイクル用吸着剤の主体吸着剤に活性炭を用い
る。
【0031】すなわち、冷媒に水を用いるのに対し、前
記の請求項2記載の発明による改良吸着剤、つまり、水
に対して活性炭が高相対圧の側で示す他の吸着剤よりも
高い吸着性(図4参照)を低相対圧の側から効果的に発
揮できる改良吸着剤を、冷凍サイクル用吸着剤に用いる
のであり、これにより、冷媒に水を用いることによる環
境保全上の利点を活かしながら、その水冷媒吸着冷凍機
の冷凍能力の向上や、吸着剤必要量の低減による装置の
小型化を効果的に実現できる。
【0032】
〔9〕請求項9記載の発明では、請求項7
又は8記載の発明の実施において、冷媒に水を用いるの
に対し、冷凍サイクル用吸着剤の添着吸着剤にシリカゲ
ル又はゼオライト又は活性アルミナ又はケイ酸カルシウ
ムを用いる。
【0033】すなわち、冷媒に水を用いるのに対し、前
記の請求項3記載の発明による改良吸着剤、つまり、シ
リカゲル、ゼオライト、活性アルミナ、ケイ酸カルシウ
ムが示す水への高い親和性(図4参照)をもって、主体
吸着剤が高相対圧の側で示す高い吸着性を低相対圧の側
で効果的に発揮できる改良吸着剤を、冷凍サイクル用吸
着剤に用いるのであり、これにより、上記の請求項8記
載の発明と同様に、冷媒に水を用いることによる環境保
全上の利点を活かしながら、その水冷媒吸着冷凍機の冷
凍能力の向上や、吸着剤必要量の低減による装置の小型
化を効果的に実現できる。
【0034】〔10〕請求項10記載の発明では、請求
項8又は9記載の発明の実施において、冷媒に水を用い
るのに対し、冷凍サイクル用吸着剤の主体吸着剤に活性
炭を用い、かつ、冷凍サイクル用吸着剤の添着吸着剤に
シリカゲルを用いる。
【0035】すなわち、冷媒に水を用いるのに対し、前
記の請求項4記載の発明による改良吸着剤、つまり、水
に対しシリカゲルが低相対圧域においては他の吸着剤に
比べ比較的大きな平衡吸着量を示す(図4参照)もので
あって、主体吸着剤としての活性炭の吸着特性を低相対
圧の側へシフトさせる作用が強いことと、主体吸着剤と
しての活性炭が水に対し高相対圧域で他の吸着剤よりも
大きい平衡吸着量を示す(図4参照)こととが相まって
低相対圧域で極めて高い吸着性を示す改良吸着剤を、冷
凍サイクル用吸着剤に用いるのであり、これにより、水
冷媒吸着冷凍機の冷凍能力の向上や、吸着剤必要量の低
減による装置の小型化を一層効果的に実現できる。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した吸着冷凍
機の概略装置構成を示し、1は吸着剤熱交換器2を内装
した吸着器、3は第1冷媒熱交換器4を内装した第1蒸
発・凝縮器、5は第2冷媒熱交換器6を内装した第2蒸
発・凝縮器である。
【0037】吸着剤熱交換器2には冷凍サイクル用吸着
剤Aを付帯させてあり、吸着器1に対しては、第1蒸発
・凝縮器3と第2蒸発・凝縮器5とを冷媒蒸気路7を介
して並列に接続し、この冷媒蒸気路7には冷媒蒸気の流
れ経路を切り換える冷媒蒸気弁8を介装してある。ま
た、冷媒蒸気路7で結んだ吸着器1、第1蒸発・凝縮器
3、第2蒸発・凝縮器5の内部は、冷凍機運転において
真空ポンプ(図示せず)により所定圧力の減圧状態に保
つ。
【0038】冷凍サイクル用吸着剤Aには、図3に模式
的に示す如く、主体吸着剤xの細孔内表面に添着吸着剤
yを添着した改良吸着剤を用い、これら主体吸着剤x及
び添着吸着剤yの選定については、吸着剤周りでの冷媒
Rの飽和蒸気圧p0 に対する冷媒蒸気圧pの比の値であ
る相対圧p/p0 (換言すれば関係湿度%)の高低によ
り冷媒Rに対する平衡吸着量qに逆転が生じる異種の吸
着剤を選び、これら吸着剤のうち、高相対圧の側で他方
の吸着剤よりも大きい平衡吸着量qを示す吸着剤を主体
吸着剤xとし、かつ、低相対圧の側でその主体吸着剤x
よりも大きい平衡吸着量qを示す吸着剤を添着吸着剤y
としてある。
【0039】つまり、添着吸着剤yが低相対圧の側で主
体吸着剤xよりも大きい平衡吸着量q(すなわち高い吸
着性)を示す原因と考えられる添着吸着剤yの冷媒Rに
対する高い親和性をもって、主体吸着剤xの吸着特性を
低相対圧の側へシフト(例えば、図4に破線で示す如く
活性炭の吸着特性を低相対圧の側へシフト)させ、この
特性シフトにより、主体吸着剤xが高相対圧の側で示す
高い吸着性(大きい平衡吸着量q)を低相対圧の側から
発揮できる改良吸着剤とする。そして、この改良吸着剤
を冷凍サイクル用吸着剤Aに用いることにより、相対圧
p/p0 が例えば0.4以下といった低い値に制限され
る運転条件下においても、後述の吸着・蒸発工程におい
て冷媒蒸気を冷凍サイクル用吸着剤Aに効率良く吸着で
きるようにしてある。
【0040】また、具体的には、冷媒Rとして水を用い
環境保全の面で優れた吸着冷凍機とするのに対し、主体
吸着剤xには、図4に示す如く高相対圧域で水に対し他
の吸着剤よりも高い吸着性(大きい平衡吸着量q)を示
す活性炭を、かつ、添着吸着剤yには、同図4に示す如
く低相対圧域で水に対し他の吸着剤に比べ比較的高い吸
着性(換言すれば水に対する高い親和性)を示すシリカ
ゲルを用い、これにより、上記の如き特性シフトによる
低相対圧域での吸着性の向上を効果的に実現する。
【0041】冷凍機運転は往サイクル運転と復サイクル
運転との交互実施により行うようにしてあり、往サイク
ル運転では図1に示す如く、第1冷媒熱交換器4に冷却
対象媒体としての冷水C(例えば、12℃から7℃程度
への冷却を要する冷水)を流通させるのに対し、第2冷
媒熱交換器6に放熱用媒体としての冷却水W(例えばク
ーリングタワーとの間で循環させる冷却水)を流通させ
る。また、復サイクル運転では図2に示す如く、往サイ
クル運転とは逆に、第1冷媒熱交換器4に放熱用媒体と
しての冷却水Wを流通させるのに対し、第2冷媒熱交換
器6に冷却対象媒体としての冷水Cを流通させる。
【0042】そして、往サイクル運転の内容としては
(図1参照)、先ず、冷媒蒸気弁8の操作により、第2
蒸発・凝縮器5と吸着器1との間での冷媒蒸気流通を遮
断して、第1蒸発・凝縮器3と吸着器1との間での冷媒
蒸気流通のみを許すようにした状態で、吸着剤熱交換器
1に冷却用媒体としての冷却水W’(例えばクーリング
タワーとの間で循環させる冷却水)を流通させ、これに
より、往サイクル運転での吸着・蒸発工程として、冷却
水W’による冷却下で冷凍サイクル用吸着剤Aに第1蒸
発・凝縮器3での発生冷媒蒸気を吸着させながら、第1
蒸発・凝縮器3で冷媒Rを蒸発させて、その冷媒蒸発の
際の気化熱奪取により第1冷媒熱交換器4で冷水Cを冷
却する。すなわち、第1蒸発・凝縮器3を蒸発器EVと
して機能させて冷熱を発生させる。
【0043】その後、冷媒蒸気弁8の操作により、第1
蒸発・凝縮器3と吸着器1との間での冷媒蒸気流通を遮
断して、第2蒸発・凝縮器5と吸着器1との間での冷媒
蒸気流通のみを許すようにした状態で、吸着剤熱交換器
1に駆動熱源としての温水H(例えば、80℃以下の廃
熱利用温水)を流通させ、これにより、往サイクル運転
での脱着・凝縮工程として、温水Hによる加熱下で冷凍
サイクル用吸着剤Aから吸着の冷媒蒸気を脱着させなが
ら、その脱着冷媒蒸気を第2蒸発・凝縮器5で凝縮させ
て、その冷媒凝縮により第2冷媒熱交換器6において冷
却水Wに対し放熱させる。すなわち、第2蒸発・凝縮器
5を凝縮器CDとして機能させて排熱を放熱させる。
【0044】一方、復サイクル運転の内容としては(図
2参照)、往サイクル運転での脱着・凝縮工程と同様、
先ず、第1蒸発・凝縮器3と吸着器1との間での冷媒蒸
気流通を遮断して、第2蒸発・凝縮器5と吸着器1との
間での冷媒蒸気流通のみを許すようにした状態で、吸着
剤熱交換器1に冷却媒体としての冷却水W’を流通さ
せ、これにより、復サイクル運転での吸着・蒸発工程と
して、冷却水W’による冷却下で冷凍サイクル用吸着剤
Aに第2蒸発・凝縮器5での発生冷媒蒸気を吸着させな
がら、第2蒸発・凝縮器5で冷媒Rを蒸発させて、その
冷媒蒸発の際の気化熱奪取により第2冷媒熱交換器6で
冷水Cを冷却する。すなわち、第2蒸発・凝縮器5を蒸
発器EVとして機能させて冷熱を発生させる。
【0045】その後、冷媒蒸気弁8の操作により第2蒸
発・凝縮器5と吸着器1との間での冷媒蒸気流通を遮断
して、第1蒸発・凝縮器3と吸着器1との間での冷媒蒸
気流通のみを許すようにした状態で、吸着剤熱交換器1
に駆動熱源としての温水Hを流通させ、これにより、復
サイクル運転での脱着・凝縮工程として、温水Hによる
加熱下で冷凍サイクル用吸着剤Aから吸着の冷媒蒸気を
脱着させながら、その脱着冷媒蒸気を第1蒸発・凝縮器
3で凝縮させて、その冷媒凝縮により第1冷媒熱交換器
3において冷却水Wに対し放熱させる。すなわち、第1
蒸発・凝縮器3を凝縮器CDとして機能させて排熱を放
熱させる。そして、この後に往サイクル運転に再び戻
る。
【0046】活性炭を主体吸着剤xとし、かつ、シリカ
ゲルを添着吸着剤yとする上記改良吸着剤(冷凍サイク
ル用吸着剤A)の製法については、活性炭(例えば、粒
径1000μmふるい下の粉粒状活性炭)に対し、次の
第1工程から第6工程にわたるシリカゲル添着処理(図
5参照)を適当回数繰り返す手法を採る。
【0047】第1工程:ケイ酸ソーダ溶液(例えば水溶
液)を含浸させる→第2工程:所定温度(例えば80
℃)の加熱雰囲気で所定時間、乾燥させる→第3工程:
硫酸(例えば3.9規定濃度)を含浸させて、ケイ酸ソ
ーダとの反応でシリカゾルを活性炭の細孔内表面に形成
する→第4工程:所定温度(例えば80℃)の加熱雰囲
気で所定時間(例えば24時間)、加熱熟成することに
より、シリカゾルをゲル化して、そのシリカゲルを活性
炭の細孔内表面に熱化学的に凝着させる→第5工程:水
で洗浄して硫酸分を除去する→第6工程:所定温度で所
定時間、乾燥させる。
【0048】なお、主体吸着剤xとして活性炭を用いる
場合、その活性炭には、800〜1500程度の比表面
積(m2 /g)を有する通常の活性炭、あるいは、20
00〜4000といった大きな比表面積(m2 /g)を
有する超多孔質活性炭(いわゆるスーパー活性炭)のい
ずれを用いてもよい。
【0049】〔別の実施形態〕次に別の実施形態を列記
する。請求項1記載の発明の実施において、主体吸着剤
x及び添着吸着剤yには、活性炭(スーパー活性炭を含
む)とシリカゲルの組み合わせに限らず、相対圧p/p
0 の高低によって吸着対象質に対する平衡吸着量q(吸
着性)に逆転が生じる異種の吸着剤であれば、種々の吸
着剤を採用できる。
【0050】また、吸着対象質も水(水蒸気)に限定さ
れるものではなく、種々のものを吸着対象とすることが
でき、さらに、改良吸着剤の用途も吸着冷凍機の冷凍サ
イクル用吸着剤に限定されるものではなく、例えば、減
湿や脱臭などの各種の吸着利用分野に用いることができ
る。
【0051】請求項5記載の発明の実施において、第1
〜第6の各工程における温度、圧力、処理時間、溶液濃
度、使用洗浄液といった具体的処理条件は、前述の実施
形態で示した例に限らず、種々の変更が可能である。
【0052】また、第1〜第6工程にわたるシリカゲル
添着処理を複数回繰り返す場合、その繰り返し回数は改
良吸着剤としての必要吸着特性に応じ適宜決定すればよ
く、場合によっては、第1〜第6工程にわたるシリカゲ
ル添着処理の回数を一回だけとしてもよい。
【0053】請求項7記載の発明の実施において、吸着
冷凍機における吸着剤Aの装備構造、冷媒蒸気の流通構
造、冷却用媒体W’や駆動熱源Hの流通構造、吸着器1
・蒸発器EV・凝縮器CDの各容器構造といった具体的
装置構造は種々の構成変更が可能である。
【0054】また、冷却用媒体W’、駆動熱源H、冷却
対象媒体C、放熱用媒体Wも水に限らず、種々のものを
採用でき、さらに、冷媒Rも水に限定されるものではな
く、その他の冷媒を用いてもよい。
【0055】なお、特許請求の範囲の項に図面との対照
を便利にするため符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸着冷凍機の概略装置構成、及び、往サイクル
運転の運転状態を示す図
【図2】復サイクル運転の運転状態を示す図
【図3】改良吸着剤の模式図
【図4】各吸着剤の相対圧と平衡吸着量との関係を示す
等温吸着線図
【図5】改良吸着剤の製法のフローシート
【図6】シリカゲル添着による活性炭特性のシフト効果
を示す等温吸着線図
【符号の説明】
0 飽和蒸気圧 p 蒸気圧 x 主体吸着剤 y 添着吸着剤 R 冷媒 A 冷凍サイクル用吸着剤 W’ 冷却用媒体 EV 蒸発器 H 駆動熱源 CD 凝縮器 W 放熱用媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内川 靖夫 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 木村 二三夫 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 竹本 洋介 東京都中央区日本橋室町3―1―3 株式 会社クボタ研究開発企画部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着剤周りでの吸着対象質の飽和蒸気圧
    (p0 )に対する吸着対象質の蒸気圧(p)の比の値で
    ある相対圧(p/p0 )の高低によって、吸着対象質に
    対する平衡吸着量に逆転が生じる異種の吸着剤を用い、 これら吸着剤のうち、高相対圧の側で他方の吸着剤より
    も大きい平衡吸着量を示す吸着剤を主体吸着剤(x)と
    し、かつ、低相対圧の側で前記主体吸着剤(x)よりも
    大きい平衡吸着量を示す吸着剤を添着吸着剤(y)とし
    て、 前記主体吸着剤(x)の細孔内表面に前記添着吸着剤
    (y)を添着してある改良吸着剤。
  2. 【請求項2】 前記主体吸着剤(x)に活性炭を用いて
    ある請求項1記載の改良吸着剤。
  3. 【請求項3】 前記添着吸着剤(y)にシリカゲル又は
    ゼオライト又は活性アルミナ又はケイ酸カルシウムを用
    いてある請求項1又は2記載の改良吸着剤。
  4. 【請求項4】 前記主体吸着剤(x)に活性炭を用い、
    前記添着吸着剤(y)にシリカゲルを用いてある請求項
    2又は3記載の改良吸着剤。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の改良吸着剤の製造方法で
    あって、 活性炭に対し、 ケイ酸ソーダ溶液を含浸させる第1工程と、 乾燥させる第2工程と、 硫酸を含浸させてシリカゾルを形成する第3工程と、 加熱によりシリカゾルをゲル化する第4工程と、 洗浄により硫酸を除去する第5工程と、 乾燥させる第6工程とを、 その順に実施して、活性炭の細孔内表面にシリカゲルを
    添着する改良吸着剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記の第1工程から第6工程にわたるシ
    リカゲルの添着処理を活性炭に対し繰り返して行う請求
    項5記載の改良吸着剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の改良吸着剤を用いた吸着
    冷凍機であって、 吸着剤周りでの冷媒(R)の飽和蒸気圧(p0 )に対す
    る冷媒蒸気圧(p)の比の値である相対圧(p/p0
    の高低によって、冷媒(R)に対する平衡吸着量に逆転
    が生じる異種の吸着剤を用い、 これら吸着剤のうち、高相対圧の側で他方の吸着剤より
    も大きい平衡吸着量を示す吸着剤を主体吸着剤(x)と
    し、かつ、低相対圧の側で前記主体吸着剤(x)よりも
    大きい平衡吸着量を示す吸着剤を添着吸着剤(y)とし
    て、 前記主体吸着剤(x)の細孔内表面に前記添着吸着剤
    (y)を添着した改良吸着剤を冷凍サイクル用吸着剤
    (A)とし、 冷却用媒体(W’)による冷却下で前記冷凍サイクル用
    吸着剤(A)に蒸発器(EV)での発生冷媒蒸気を吸着
    させながら、その蒸発器(EV)で冷媒(R)を蒸発さ
    せて、その冷媒蒸発の際の気化熱奪取により冷熱を発生
    させる吸着・蒸発工程と、 駆動熱源(H)による加熱下で前記冷凍サイクル用吸着
    剤(A)から吸着の冷媒蒸気を脱着させながら、その脱
    着冷媒蒸気を凝縮器(CD)で凝縮させて、その冷媒凝
    縮により放熱用媒体(W)に対し放熱させる脱着・凝縮
    工程とを、交互に繰り返し実施する構成としてある吸着
    冷凍機。
  8. 【請求項8】 前記冷媒(R)に水を用いるのに対し、
    前記冷凍サイクル用吸着剤(A)の前記主体吸着剤
    (x)に活性炭を用いてある請求項7記載の吸着冷凍
    機。
  9. 【請求項9】 前記冷媒(R)に水を用いるのに対し、
    前記冷凍サイクル用吸着剤(A)の前記添着吸着剤
    (y)にシリカゲル又はゼオライト又は活性アルミナ又
    はケイ酸カルシウムを用いてある請求項7又は8記載の
    吸着冷凍機。
  10. 【請求項10】 前記冷媒(R)に水を用いるのに対
    し、前記冷凍サイクル用吸着剤(A)の前記主体吸着剤
    (x)に活性炭を用い、かつ、前記冷凍サイクル用吸着
    剤(A)の前記添着吸着剤(y)にシリカゲルを用いて
    ある請求項8又は9記載の吸着冷凍機。
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