JPH10265246A - セメント強化用ポリプロピレン繊維 - Google Patents

セメント強化用ポリプロピレン繊維

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JPH10265246A
JPH10265246A JP7289197A JP7289197A JPH10265246A JP H10265246 A JPH10265246 A JP H10265246A JP 7289197 A JP7289197 A JP 7289197A JP 7289197 A JP7289197 A JP 7289197A JP H10265246 A JPH10265246 A JP H10265246A
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cement
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polypropylene
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Masuo Yabuki
増男 矢吹
Masaki Kawano
正樹 川野
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Hagihara Industries Inc
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    • C04B16/00—Use of organic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of organic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B16/04—Macromolecular compounds
    • C04B16/06—Macromolecular compounds fibrous
    • C04B16/0616—Macromolecular compounds fibrous from polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張強度、曲げ強度、耐衝撃性、耐亀裂性等
を改良したセメント成形品を得るためにセメント中に配
合する強化繊維として、特定の紡糸、解繊、捲縮、切断
工程を経ることでセメントとの親和性、分散性に優れた
特殊形状のセメント強化用ポリプロピレン繊維を得る。 【解決手段】 ポリプロピレン一軸延伸連糸テープを解
繊した仮撚糸Aの短繊維からなるセメント強化用ポリプ
ロピレン繊維とするか、又は仮撚糸Aを更に捲縮させて
仮撚捲縮糸Bの短繊維としてセメント強化用ポリプロピ
レン繊維とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント強化用の
ポリプロピレン繊維に関し、さらに詳しくは引張強度、
曲げ強度、耐衝撃性、耐亀裂性等を改良したセメント成
形品を得るためにセメント中に配合する強化繊維とし
て、特定の紡糸、解繊、捲縮、切断工程を経ることでセ
メントとの親和性、分散性に優れた特殊形状のセメント
強化用ポリプロピレン繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメント成形品の強化繊維材とし
て一軸延伸フィラメントからなる通常のポリプロピレン
繊維の短繊維を配合することは広く試みられてきた。し
かしながら、従来のポリプロピレン繊維はセメントとの
親和力が充分でなく、かつ短繊維の形状が単純であるた
めに応力に対してセメントから容易に抜けることにおい
てその補強効果は充分に満足するものではなかった。一
般的には、ポリプロピレン繊維とセメントとの親和力を
増すためにポリプロピレン繊維に対して表面処理剤やカ
ップリング剤が用いられることが多く、さらに合成樹脂
繊維とセメントとの接着性の向上を目的としてポリプロ
ピレンにエポキシ樹脂を配合した繊維状物を用いる方法
(特公昭61-25669号公報)や、繊維表面に金属被覆層を形
成させて界面結合力を高める方法(特公昭63-63504号公
報)等が開示されている。また、短繊維の形状を改善す
ることにより抜けを減少させる方法としては、紡糸され
た糸の断面積を延伸方向に対して不規則に変化させて繊
維の抜けを防止する方法が種々試みられており(特公昭5
8-18343号公報、特公昭61-301号公報、特公昭62-4346号
公報、特公昭62-28106号公報など)、さらにポリプロピ
レン繊維の表面に凹凸を設けた上に電子線による表面処
理を施す方法(特公昭61-26510号公報)、ポリプロピレン
フィルムの割裂繊維を用いる方法(特公平5-87460号、特
開平4-59644号公報)なども試みられている。
【0003】しかし、これらの技術はいずれも充分なも
のではなく、例えばカップリング剤等を用いる方法は配
合が複雑で面倒である上に強化繊維がセメント中に均一
に分散し難いなどの欠点があり、糸の断面積を不規則に
変化させる方法は製造工程において均一な巻取りが困難
でかつ生産性に劣るなどの欠点があった。また、ポリプ
ロピレンフィルムの割裂繊維を用いる方法では割裂分繊
のための工程が増え、割裂分繊によって発生した枝毛は
セメント中での補強効果にあまり期待できない上に割繊
斑による分散にバラツキがあるという欠点を有している
のである。
【0004】また、短繊維に適度のからまりや集束性を
付与してセメント混練時にセメントと短繊維の分散性を
向上させることによりセメント成形物の衝撃強度や曲げ
強度の向上に寄与することも知られているが、短繊維の
からまりや集束性が強すぎると繊維同士が固まってセメ
ントへの分散性が不十分となり、からまりや集束性が不
足すると繊維に剛性が得られずセメント成形物の強度が
でないという問題があった。
【0005】出願人は、先に特願平7-249759号において
個々のフィラメントが分離可能に連結した連糸テープの
短繊維からなるセメント強化用ポリプロピレン繊維を提
案した。この短繊維は、図5及び図6に示すように、単
糸フィラメント2が分離可能な連接部3によって連結し
た連糸テープ1からなる短繊維である。したがって、連
糸テープの短繊維はセメント混練時に適度に分離し、そ
の結果適度の集束性を有しているためにセメントとの分
散性が向上してセメント成形物の曲げ強度や衝撃強度が
著しく改良された。しかしながら、分離可能に連結した
連糸テープは、セメント混練時に混練動作により自動的
に分離するにとどまるため、用途に応じて集束性を調整
することがやや困難であり、かつ分離した短繊維の形状
は単純であるために短繊維同士のからまりがやや不充分
で場合によりセメントから抜けて連糸形状にした効果が
不十分で、さらなる改良が要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
技術的に解決するために、ポリプロピレン系樹脂を用い
て形成された連糸テープの短繊維を用途に応じた最適の
集束性に調節可能であり、かつ短繊維の形状を改善する
ことにより分散性と親和性を改良したセメント強化用ポ
リプロピレン繊維を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の解決手段は、ポ
リプロピレン一軸延伸連糸テープを解繊した仮撚糸の短
繊維からなるセメント強化用ポリプロピレン繊維とする
ことにある。
【0008】このセメント強化用ポリプロピレン繊維の
製造方法としては、ポリプロピレン系樹脂をノズル孔が
シリーズに連結または隣接した連糸形状ダイスから溶融
押出して連糸テープとして紡糸する工程と、紡糸された
連糸テープに対して縦一軸延伸処理を施す工程と、延伸
された連糸テープを空気仮撚ノズルに供して部分的に解
繊した仮撚糸にする工程と、仮撚糸を所定長さに切断し
て短繊維を得る工程からなる。ここで解繊は連糸構造が
残存する程度にする必要があり、その程度は用途に応じ
て好ましい集束性が得られる解繊度にする。解繊度は通
常10〜90%、好ましくは20〜80%程度である。
【0009】更に集束性を高めるための解決手段は、ポ
リプロピレン一軸延伸連糸テープを解繊した仮撚糸を捲
縮した仮撚捲縮糸の短繊維からなるセメント強化用ポリ
プロピレン繊維とすることにある。つまり、前記仮撚糸
を例えば加熱流体押出ノズルに供給して仮撚捲縮糸とす
るのである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のセメント強化用ポリプロ
ピレン繊維の原料となるポリプロピレン樹脂とはプロピ
レン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合
体あるいはランダム共重合体などの公知のポリプロピレ
ン共重合体またはそれらの混合物であって、これらのな
かでも高強度、耐熱性を要求されるセメント成形品補強
材としてはプロピレン単独重合体が望ましく、特に、ア
イソタクチックペンタッド分率0.95以上のものが好適に
採用される。アイソタクチックペンタッド分率とは、A.
Zambelli 等によって Macromolecules 6 925(1973) に
発表された、13C−NMRを使用して測定されるポリプ
ロピレン分子内のペンタッド単位でのアイソタクチック
分率を意味するもので、この数値が高いほど結晶化度が
高くなり、その結果、成形体の剛性と耐熱性が向上した
ものとなる。また、樹脂の溶融流動特性からメルトフロ
ーレート(MFR)は0.1〜50g/10min.、好ましくは1〜40g/
10min.、さらに好ましくは5〜30g/10min.の範囲から選
択するのがよい。
【0011】ポリプロピレン系樹脂には、その使用目的
により本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、酸化防
止剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機充填材、
有機充填材、架橋剤、発泡剤、核剤等の添加剤を配合し
てもよい。
【0012】次に、本発明のセメント強化用ポリプロピ
レン繊維を製造する方法について図面により説明する。
図3は連糸テープの紡糸から部分的に解繊した仮撚糸と
する工程の一例を示す概略説明図である。
【0013】先ず、前述のポリプロピレン系樹脂を押出
機11に投入して溶融混練し、複数のノズル孔を略直線的
に並設した連糸形状ダイス12から溶融状態で押し出し、
冷却ロール13により冷却固化して連糸形状のテープとし
て紡糸し、この紡糸された連糸テープを延伸機17により
加熱して第一延伸ロール14と第二延伸ロール15との周速
差により縦一軸延伸処理を施し、熱処理機18を通過させ
てアニーリングを行った後に、仮撚ノズル19に供して連
糸テープを部分的に解繊することで仮撚糸Aとなり、引
取ロール16を介して巻取られる。押出機11は、特に限定
されるものではなく、公知の単軸押出機、二軸押出機な
どいずれも採用できる。
【0014】連糸テープを得るための連糸形状ダイス12
は、少なくとも5〜100個のノズル孔をシリーズに連結
又は隣接した形状を有しているもので、通常10〜50個、
好ましくは20〜30個のノズルを連結した形状である。ノ
ズルの孔数は連糸を構成するフィラメント本数を表す
が、孔数が5個未満であると後述するがセメント配合前
の取扱性とセメント中で解繊した際の繊維表面の凹凸に
よるマトリックスと繊維の接触面積の増加による補強効
果において通常のモノフィラメント形状のものと差がな
いものとなるし、一方、孔数が100個を超えると連糸テ
ープとしての幅が広くなり必要な熱延伸を均一に行うこ
とが困難となり、また仮撚加工処理を施しても適度な解
繊が困難で、セメントに配合しても解繊せずに繊維塊と
して残存してセメント成形品の表面を荒らし品質低下を
起こすなど問題となる。ノズル形状としては、円形もし
くは、三角形、四角形等の多角形、Y形、星形等の異形
断面形状であってもよい。したがって、得られる連糸テ
ープは、これら連糸形状ダイスの種類によって種々変化
するが、いずれも本発明の中間体に用いることができ
る。
【0015】連糸形状のダイス12から押出成形された未
延伸の連糸テープは、延伸機17に誘導されてポリプロピ
レン系合成樹脂の融点以下、軟化点以上の温度下に熱延
伸処理が行われるが、加熱方式としては、熱ロール式、
熱板接触式、熱オーブン式などの公知の技術がいずれも
採用できる。所定の温度で加熱された連糸テープは、第
一延伸ロール14と第二延伸ロール15との周速度差により
延伸処理が施される。ここで延伸倍率は好ましくは3〜
20倍、より好ましくは10〜15倍である。この延伸処理に
より剛性が高くかつ伸びの小さいフィラメントを成すこ
とができ、さらに重要なのは縦方向に高延伸するため配
向が付与され縦方向に割れやすくなり、連糸が容易に分
離可能な状態とすることである。この加熱延伸処理は一
段に限定されるものではなく、複数段の延伸処理も可能
である。
【0016】延伸された連糸テープを構成する単糸の繊
度は5〜100dr、好ましくは10〜60drである。つまり単
糸繊度が5dr未満では繊維が細すぎてたとえ数本が集束
しても分散が不均一になり強化繊維材としての効果も著
しく低下したものとなるし、単糸繊度が100drを超える
とセメントとの接触面積が減少して補強効果が劣ったも
のでセメント成形品の見栄えも悪い。同時に、単糸当た
りの引張強度が5g/dr以上であることが好ましく、7g/
dr以上であることがより好ましい。つまり引張強度が5
g/dr未満ではセメント強化繊維としての補強効果が不充
分である。そして、延伸された連糸テープの総繊度は20
0〜3,000dr、好ましくは500〜2,000drのものである。つ
まり総繊度200drより小さいものはセメント強化用繊維
としての取扱性が悪く、総繊度3,000drを超えたものは
セメントに配合して使用する際にセメント中で繊維塊を
作って分散不良となり易く、また後述する次工程で解繊
処理を行ったとして解繊の度合いにばらつきが多く、そ
のためセメント成形品の補強効果が充分に発現しないな
ど問題となる。
【0017】次に、延伸された連糸テープは、熱処理機
18を通過してアニーリングを行った後に仮撚ノズル19に
供給される。仮撚ノズル19では、圧空圧が1〜7kg/c
m2、好ましくは3〜5kg/cm2とした条件で仮撚処理が施
される。この空気仮撚処理により連糸テープは解繊され
易い状態となり、または部分的に解繊剥離した状態の仮
撚糸となる。つまり、セメント中での分散性を向上さ
せ、繊維表面の凹凸や分岐した形状によってマトリック
スとの馴染みが良く繊維の抜けが起こり難くなるなど補
強効果が高まるのである。ここで、仮撚ノズル19に入る
前に連糸テープは片撚りを掛け、次いで仮撚ノズル19を
通過するとき逆方向に撚りを掛けてS字状とZ字状の交
互撚りが掛けられた状態の仮撚糸とすることが良好な解
繊状態を発現するためには好ましい。この交互撚り数は
通常30〜200個/m、好ましくは50〜100個/m程度に設定
される。この仮撚糸の状態から直接に所定長に切断した
仮撚糸の短繊維は、セメント強化用繊維として効果的な
ものとなる。
【0018】本発明のセメント強化用ポリプロピレン繊
維は、上記連糸テープの仮撚糸に対して、さらに捲縮加
工を施した後に切断して得られる仮撚捲縮糸の短繊維も
有用である。その具体的構造につき製造方法に基づき説
明する。
【0019】図4は、捲縮加工を施して捲縮糸とする工
程を示す説明図である。先の図3に示した製造工程によ
って得られた仮撚糸Aは適宜の方法で繰り出され、供給
ロール25を経由して加熱流体押込ノズル21に供給され
る。この加熱流体押込ノズル21は、ジェットノズル部2
2、堆積部23、冷却部24から構成されている。仮撚糸A
は、弛緩状態でジェットノズル部22に供給され、仮撚糸
の進行方向と同方向に推進力を有する高圧の加熱流体に
より高速で堆積部23に送られる。堆積部23では送られた
仮撚糸が急速に失速し、この失速による急激な仮撚糸の
弛みと高圧の加熱流体の作る乱流などにより、たるみや
もつれ等となり三次元的な捲縮が形成され、続いて冷却
部24で捲縮状態を固定することで仮撚捲縮糸Bとなり、
引取ロール26を経て巻取られる。ここで、加熱流体はジ
ェットノズル部22にある導入口27から送り込まれ、堆積
部23にある吸引口28から排出されている。
【0020】この捲縮工程では、高圧の加熱流体は空気
またはスチームが用いられ、その温度や圧力は特に限定
されるものではないが、ポリプロピレン繊維に充分な捲
縮を付与できる条件として、加熱温度120〜160℃で圧力
1〜5Kg/cm2の範囲とすることが好ましい。
【0021】本発明の繊維製造方法においては、図3に
示す工程で得られる仮撚糸Aあるいは図4に示す工程に
おいて得られる仮撚捲縮糸Bを、図示しない切断方法に
より所定長さに切断して短繊維とする切断工程を有して
いる。
【0022】この短繊維に切断する方法は、通常の切断
方法をすべて用いることが可能ではあるが、カッター刃
を加熱する必要のあるものや連続運転でカッター刃が熱
を蓄積してしまうような方法は好ましくない。つまり、
連糸テープの切断時に繊維がカッター刃により加熱され
一部溶融することにより隣接する繊維同士が溶着して集
束した繊維塊となり分散不良を生じ易くなるためであ
る。
【0023】そしてセメント強化繊維としての短繊維
は、その繊維長を3〜30mm、好ましくは5〜15mmとなし
たものである。繊維長が3mm未満では、セメントに配合
された際にセメントからの抜けが生じ易く、30mmを越え
ると分散性が不良となり易く好ましくない。
【0024】こうした製法で得られる本発明のポリプロ
ピレン繊維は、強化繊維材としてポルトランドセメン
ト、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント等の
水硬性セメントまたは石膏、石灰等の気硬性セメント等
のセメント類などに配合して用いられる。用途に応じ
て、連糸テープの仮撚糸Aや仮撚捲縮糸Bの短繊維を単
独あるいは混合して用いる。これら仮撚糸Aや仮撚捲縮
糸Bの短繊維に加えて中間体である連糸テープの短繊維
を混合して用いることも妨げない。セメント中の繊維の
配合量は、通常セメント固形分に対して0.1〜20重量%
である。より好ましい配合量は1〜5重量%である。ま
た、ポリプロピレン繊維をセメントに混合する方法とし
ては、セメント粉体に繊維を分散する方法、セメントス
ラリー中に繊維を分散するプレミックス法、セメントと
繊維および水を同時に吹き付けるスプレーアップ法など
の公知の方法を用いることができる。
【0025】こうした使用状態におけるポリプロピレン
繊維は、複数の繊維が適度に解繊されている連糸形状で
あるから表面あるいは全体に凹凸が形成されたもので、
かつ仮撚りや捲縮が付与されて繊維の表面形状に変位が
生じており、セメントスラリーから容易には抜けない特
性が備わっている。また、高倍率に縦一軸延伸処理が施
されているために縦方向に配向が付与され、繊維同士の
連接部が外力によって割れ易くなっている。これらの理
由により、本発明の製造方法によるポリプロピレン繊維
は、セメントに配合されるとき適度の集束性と分散性を
有し、セメントとの物理的結合を著しく向上させるもの
である。
【0026】本発明のセメント強化用ポリプロピレン繊
維は、セメント配合前に種々の処理を施してもよい。例
えば、繊維表面を界面活性剤、分散剤、カップリング剤
等で処理してもよいし、またはコロナ放電処理、紫外線
照射、電子線照射等により表面活性化または架橋化等の
処理を行ってもよい。
【0027】本発明のセメント強化用ポリプロピレン繊
維を適量配合したセメント混合物は、用途により抄造成
形法、押出成形法、注入成形法等公知の成形法にしたが
って成形し、常温で数十日間大気中または水中に放置す
る自然養生法または2〜3日常温で放置後100〜200℃の
温度で処理されるオートクレーブ養生法により養生硬化
しセメント成形品となる。繊維強化されたセメント成形
品の用途としては、あらゆるセメント製品にわたるもの
であるが、例えば建造物の壁材、床材コンクリート、仕
上げモルタル、防水コンクリート、屋根材等、あるいは
土木関係部材としては道路、滑走路等の舗装、道路標
識、側溝等の道路部材、下水管、ケーブルダクト等のパ
イプ類、漁礁、護岸ブロック、テトラポット等、その他
各種構築物として枕木、ベンチ、フラワーポット等に使
用できる。
【0028】
【実施例】
実施例1 ポリプロピレン樹脂(アイソタクチックペンタッド率0.9
6,MFR=5.0g/10min.)を押出機に供給し、0.6mmφ×25孔
の連糸形状ノズルから溶融状態で押し出して冷却した
後、熱風オーブン式延伸法により延伸温度130℃、アニ
ーリング温度135℃、延伸倍率12倍で縦一軸延伸を行
い、単糸繊度20drのフィラメントが幅方向に連結した総
繊度500drの連糸テープを成形した。
【0029】次いで、連糸テープは圧空圧3.5Kg/cm2の
空気を用いた空気仮撚ノズルに供して交互撚り80個/m
を付与した仮撚糸Aとした。この仮撚糸Aはカッター刃
により約6mm長に切断してポリプロピレン繊維とした。
解繊度は約70%であった。
【0030】本実施例のポリプロピレン製繊維をセメン
トに配合して供試体を成形するにあたり、ポルトランド
セメント100重量部と標準砂200重量部とを充分に混合
し、ポリプロピレン繊維を5重量部添加し撹拌混合し、
更に水道水65重量部を加えて全体が均一になるように混
練した。この状態で繊維の形状を確認したところ、僅か
に単繊維に分離したものもあるがその大部分が2〜5本
程度の連糸に分繊してセメント混合物中に均一に分散さ
れた状態であった。このセメント混合物は、型枠に流し
込み、大気中、常温で48時間放置した後に、オートクレ
ーブ中で165℃、20時間養生を行い、厚さ5mm、縦横500
mmの板材とした。
【0031】実施例2 実施例1における仮撚糸をその後に加熱温度135℃、圧
力4.5Kg/cm2の条件で捲縮加工を加えることによって仮
撚捲縮糸Bとし、この仮撚捲縮糸Bをカッター刃により
約6mm長に切断してポリプロピレン繊維とした。以下実
施例1と同様にセメント供試体を作成した。
【0032】実施例3 実施例1で得られた仮撚糸Aの短繊維と実施例2で得ら
れた仮撚捲縮糸Bの短繊維を1:1の比に配合したポリ
プロピレン繊維を実施例1と同様の方法でセメント供試
体を作成した。
【0033】実施例4 実施例1で得られた仮撚糸Aの短繊維と実施例2で得ら
れた仮撚捲縮糸B及び仮撚処理前の連糸テープの約6mm
長の短繊維からなるポリプロピレン繊維を2:2:1の
比率で混合したものを実施例1と同様の方法でセメント
供試体を作成した。この混合物は捲縮糸相互の絡みが緩
和されセメントへの分散性が良好であった。
【0034】比較例1 実施例1における連糸テープの状態で、直ちにカッター
刃により約6mm長に切断してポリプロピレン繊維とし
た。以下実施例1と同様にセメント供試体を作成した。
【0035】比較例2 単糸繊度20drのポリプロピレンマルチフィラメントをカ
ッター刃により約6mm長に切断してポリプロピレン繊維
とした。以下実施例1と同様にセメント供試体を作成し
た。
【0036】評価 実施例および比較例として作成したセメント供試体の物
性評価として、曲げ強度はJIS-A1408に準拠し、シャル
ピー衝撃強度はJIS-B7722に準拠して測定した結果をま
とめて表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明のセメント強化用
ポリプロピレン繊維は、複数の繊維が適度に解繊されて
いる連糸形状であるから表面あるいは全体に凹凸が形成
されたもので、かつ仮撚りや捲縮が付与されて繊維の表
面形状に変位が生じており、セメントスラリーから容易
には抜けない特性が備わっている。また、高倍率に縦一
軸延伸処理が施されているために縦方向に配向が付与さ
れ、繊維同士の連接部が外力によって割れ易いものであ
るから、セメントに配合されるときに適度の集束性と分
散性を有し、セメントとの物理的結合が良好なものとな
る。その結果、強化繊維材としてこのポリプロピレン繊
維を配合したセメント成形物は引張強度、曲げ強度、衝
撃強度などを大幅に改良することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】連糸テープの仮撚糸短繊維の顕微鏡写真(50倍)
からスケッチした平面図である。
【図2】連糸テープの仮撚糸を更に捲縮した仮撚捲縮糸
短繊維の顕微鏡写真(50倍)からスケッチした平面図であ
る。
【図3】本発明のセメント強化用ポリプロピレン繊維に
おける紡糸から仮撚解繊の工程の一例を示す概略説明図
である。
【図4】本発明のセメント強化用ポリプロピレン繊維に
おける捲縮の工程の一例を示す概略説明図である。
【図5】フィラメントが分離可能に連結した連糸テープ
の短繊維の顕微鏡写真(8倍)からスケッチした平面図で
ある。
【図6】フィラメントが分離可能に連結した連糸テープ
の短繊維の顕微鏡写真(60倍)からスケッチした断面図で
ある。
【符号の説明】
1 連糸テープ 2 単糸フィラメント 3 連接部 11 押出機 12 連糸形状ダイス 17 延伸機 18 熱処理機 19 仮撚ノズル 21 加熱流体押込ノズル A 仮撚糸 B 仮撚捲縮糸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン一軸延伸連糸テープを解
    繊した仮撚糸の短繊維からなるセメント強化用ポリプロ
    ピレン繊維。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン一軸延伸連糸テープを解
    繊した仮撚糸を捲縮した仮撚捲縮糸の短繊維からなるセ
    メント強化用ポリプロピレン繊維。
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