JPH10265865A - 金属の半溶融射出成形方法及びその装置並びに上記方法により製造された成形品 - Google Patents

金属の半溶融射出成形方法及びその装置並びに上記方法により製造された成形品

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JPH10265865A
JPH10265865A JP9094800A JP9480097A JPH10265865A JP H10265865 A JPH10265865 A JP H10265865A JP 9094800 A JP9094800 A JP 9094800A JP 9480097 A JP9480097 A JP 9480097A JP H10265865 A JPH10265865 A JP H10265865A
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    • B22—CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00—Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
    • B22D17/007—Semi-solid pressure die casting

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品に要求特性に応じて異なる固相率部位
を効率良く、しかも簡単かつ確実に成形する。 【解決手段】 射出シリンダ4のノズル6から射出され
る1回分の溶湯射出量のうち最先に射出される溶湯Mの
溶湯温度が、その後に続いて射出される溶湯Mの溶湯温
度に比べて低温に設定されている場合には、金属の半溶
融状態の溶湯Mを成形品の強度を要する部位である低固
相率部位が成形されるキャビティ3側から射出する。こ
れにより、強度を要する部位である低固相率部位と成形
精度を要する部位である高固相率部位とが、キャビティ
3内における溶湯Mの流動方向に分離している成形品を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属の半溶融射出
成形方法及びその装置並びに上記方法により製造された
成形品に関し、特に成形品各部の要求特性に応じた固相
率設定対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、欠陥の少ない高品質の金属製
品を成形する方法として、金属を半溶融状態にして成形
する方法が知られており、一般には、次のような方法が
採られている。
【0003】 ビレットを半溶融状態にして鍛造型内
に注入して鍛造する(以下、「半溶融鍛造方法」とい
う)。
【0004】 ビレットを半溶融状態にして高圧鋳造
機のスリーブ内に注入して高圧鋳造する(以下、「半溶
融鋳造方法」という)。
【0005】 固体の金属ペレットを温度制御された
射出シリンダ内に挿入して半溶融状態にした後、直接に
金型内に射出して成形する(以下、「半溶融射出成形方
法」という)。
【0006】さらに、成形品によっては、各部位で要求
される特性が異なるため、これらの要求を満たすやり方
として、以下の如く各部位の金属組織を異なる固相率に
設定することも行われている。
【0007】 フィルターを配置した金型内に半溶融
状態の金属の溶湯を注入して上記フィルターを境に金属
組織の固相率を変える(特開平6−24620号公報参
照)。
【0008】 半溶融状態の金属の溶湯を金型内に注
入してプランジャで局部的に加圧し、金属組織の固相率
を部分的に変える(特開平7−256427号公報参
照)。
【0009】因みに、固相率と凝固収縮量のばらつきσ
(成形精度)との関係を図5(a)に、固相率と引張最
大強度との関係を図5(b)にそれぞれ示す。このデー
タから明らかなように、固相率が高くなるほど引張最大
強度が低下する傾向にあり、強度を要する部位は低固相
率にする必要があることが判る。また、固相率が高くな
るほど凝固収縮量のばらつきσが少なくなる傾向にあ
り、成形精度を要する部位は高固相率にする必要がある
ことが判る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の〜
の方法は、いずれも下記のような欠点を有している。
【0011】の半溶融鍛造方法は、ビレットを一旦、
誘導加熱炉等で加熱して半溶融状態にした後、この半溶
融状態の金属の溶湯を鍛造型まで搬送して型内に注入
し、鍛造するという手順を経なければならず、生産効率
が悪い。また、この方法は、金属を単に半溶融状態の溶
湯として鍛造型内に注入するだけであり、溶湯温度を炉
内で部分的に異ならせるようにはなっておらず、成形品
に固相率の異なる部位を形成することができない。万が
一、炉内での溶湯温度の制御が可能だとしても、型まで
搬送する過程で冷えるため、当初の金属組織を維持する
ことが難しく、また、固相率を40%以下に設定するこ
とも難しく、これでは成形品によっては要求通りの強度
を付与することができない。
【0012】の半溶融鋳造方法は、ビレットを一旦、
誘導加熱炉等で加熱して半溶融状態の溶湯にした後、こ
の半溶融状態の溶湯を高圧鋳造機まで搬送してスリーブ
内に注入し、高圧鋳造するという手順を経なければなら
ず、上記のの場合と同様に、生産効率が悪くなるとと
もに、成形品に固相率の異なる部位を形成することがで
きず、また、成形品に要求される低固相率を実現できる
とは限らない。
【0013】の半溶融射出成形方法は、金属の半溶融
工程及び射出工程を1つの装置内で連続して行うので、
及びの場合に比べて生産効率が向上し、溶湯の温度
管理もたやすくなるが、金属を単に半溶融状態として射
出成形するだけでは、成形品の各部位を異なる固相率に
設定することができない。
【0014】のフィルターを使用する方法は、フィル
ターを境に金属組織の固相率を変えることができるが、
フィルター使用による不経済性及びフィルターの存在に
よる強度低下を免れることができず、さらには、定量的
に固相率を制御することが困難である。
【0015】の部分加圧による方法は、金属組織の固
相率を部分的に変えるとはいっても、機構的に複雑なた
め不経済になるとともに、広範囲に固相率を制御するこ
とが困難であり、さらには、プランジャにより溶湯をキ
ャビティ外に押し出すため歩留まりが悪化する。また、
定量的に固相率を制御することも困難である。
【0016】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、成形品に要求特性に
応じて異なる固相率部位を効率良く、しかも簡単かつ確
実に付与することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、温度の異なる溶湯の射出順序とキャビテ
ィに対する溶湯射出箇所との関係を、成形品の各部に要
求される特性に応じて適正に設定したことを特徴とす
る。
【0018】具体的には、本発明は、金属の半溶融状態
の溶湯を射出シリンダのノズルから金型のキャビティに
射出し、強度を要する部位である低固相率部位と成形精
度を要する部位である高固相率部位とが、上記キャビテ
ィ内における溶湯の流動方向に分離している成形品を成
形する金属の半溶融射出成形方法及びその装置並びに上
記方法により製造された成形品を対象とし、次のような
解決手段を講じた。
【0019】すなわち、本発明の第1〜4の解決手段
は、金属の半溶融射出成形方法に関するものであり、第
1の解決手段は、上記ノズルから射出される1回分の溶
湯射出量のうち最先に射出される溶湯の溶湯温度が、そ
の後に続いて射出される溶湯の溶湯温度に比べて低温に
設定されている場合には、溶湯を成形品の強度を要する
部位である低固相率部位が成形されるキャビティ側から
射出することを特徴とする。
【0020】第2の解決手段は、上記ノズルから射出さ
れる1回分の溶湯射出量のうち最先に射出される溶湯の
溶湯温度が、その後に続いて射出される溶湯の溶湯温度
に比べて高温に設定されている場合には、溶湯を成形品
の成形精度を要する部位である高固相率部位が成形され
るキャビティ側から射出することを特徴とする。
【0021】第3の解決手段は、第1又は第2の解決手
段において、射出時、射出シリンダのノズル先端側の溶
湯を金型のキャビティ外周りの空間に誘導することを特
徴とする。
【0022】第4の解決手段は、第1〜3の解決手段の
いずれか1の解決手段において、溶湯として、予めスト
ロンチウムが添加されたマグネシウム合金からなる固体
金属材料を塑性加工した後、切り粉状にして半溶融状態
にしたものを採用したことを特徴とする。
【0023】本発明の第5〜9の解決手段は、金属の半
溶融射出成形装置に関するものであり、第5の解決手段
は、ノズルを成形品の強度を要する部位である低固相率
部位が成形されるキャビティ側に対応するよう金型に接
続する。そして、上記ノズルから射出される1回分の溶
湯射出量のうち最先に射出される溶湯の溶湯温度をその
後に続いて射出される溶湯の溶湯温度に比べて低温に設
定したことを特徴とする。
【0024】第6の解決手段は、ノズルを成形品の成形
精度を要する部位である高固相率部位が成形されるキャ
ビティ側に対応するよう金型に接続する。そして、上記
ノズルから射出される1回分の溶湯射出量のうち最先に
射出される溶湯の溶湯温度をその後に続いて射出される
溶湯の溶湯温度に比べて高温に設定したことを特徴とす
る。
【0025】第7の解決手段は、第5又は第6の解決手
段において、射出時、射出シリンダのノズル先端側の溶
湯を誘導する空間を金型のキャビティ外周りに設けたこ
とを特徴とする。
【0026】第8の解決手段は、第7の解決手段におい
て、キャビティとノズルとの間に設けられた第1凹部
と、キャビティ内における溶湯の流動方向最奥部に対応
するキャビティ外側に設けられた第2凹部とで空間を構
成する。そして、前回の射出後に金型の型温影響により
ノズル先端内で冷却凝固した金属凝固部分を次回の射出
時にキャビティ内に入らないように上記第1凹部でトラ
ップする。また、上記ノズル先端内の金属凝固部分後方
の溶湯を上記第2凹部でトラップするようにしたことを
特徴とする。
【0027】第9の解決手段は、第5〜8の解決手段の
いずれか1の解決手段において、加熱ヒーターを射出シ
リンダの外周に設ける。そして、成形品の強度を要する
部位である低固相率部位を成形する溶湯が、成形品の成
形精度を要する部位である高固相率部位を成形する溶湯
よりも高温になるように上記加熱ヒーターでシリンダ内
の溶湯温度を加熱制御するようにしたことを特徴とす
る。
【0028】本発明の第10〜12の解決手段は、金属
の半溶融射出成形方法により製造された成形品に関する
ものであり、第10の解決手段は、固相率をキャビティ
内における溶湯の流動方向で異ならせたことを特徴とす
る。
【0029】第11の解決手段は、第10の解決手段に
おいて、固相率の低い低固相率部位で固相率の高い高固
相率部位に比べて強度を要する部位を構成し、固相率の
高い高固相率部位で上記固相率の低い低固相率部位に比
べて成形精度を要する部位を構成したことを特徴とす
る。
【0030】第12の解決手段は、第10の解決手段に
おいて、成形品として、頭部とネジ部とを備えた締結部
材を採用する。そして、上記頭部裏面及びネジ部をショ
ットブラストにより粗面化したことを特徴とする。
【0031】上記の構成により、第1〜12の解決手段
では、射出シリンダから温度差がつけられた溶湯を成形
品の要求特性に応じて金型のキャビティの所望の箇所か
ら射出するだけで、強度・成形精度という相反する特性
を備えた成形品が効率良く、しかも簡単かつ確実に成形
される。
【0032】特に、第3,7,8の解決手段では、射出
シリンダのノズル先端が金型と接触することによって冷
却されたノズル先端側の溶湯が、金型のキャビティ外周
りの空間に誘導されてキャビティ内に止まらず、過冷却
された溶湯がキャビティ内に止まることにより所期の目
的とする高固相率よりも高い固相率部位が成形される事
態、つまり必要強度が得られないという事態が回避され
る。
【0033】また、第4の解決手段では、固体金属材料
の塑性加工により固相粒径が再粒化する。また、ストロ
ンチウムの添加により結晶粒が微細化する。
【0034】第12の解決手段では、締付け時の摩擦係
数が増大して緩みが防止されるとともに、内部に発生す
る応力が低減する。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。
【0036】図1(a)は本発明の実施の形態に係る金
属の半溶融射出成形方法及びその装置並びに上記方法に
より製造された成形品のうち半溶融射出成形装置を示
す。同図において、1は射出成形機、2は成形品の形状
をしたキャビティ3を有する金型である。上記射出成形
機1は円筒状の射出シリンダ4を備えてなり、該射出シ
リンダ4の内部にはスクリュー5が回転可能にかつ進退
可能に配置されている。
【0037】この射出シリンダ4の先端にはノズル6が
一体に取り付けられているとともに、その後端側には射
出時に上記スクリュー5を前進させる高速射出機構7が
設置されている。
【0038】上記射出シリンダ4及びノズル6の外周に
は、複数の加熱ヒーターH0〜H9が射出シリンダ4及
びノズル6を取り囲むようにかつシリンダ中心線方向に
沿って配置され、射出シリンダ4及びノズル6内の溶湯
温度を成形品の要求特性に応じてシリンダ中心線方向に
複数に区画して個別に加熱制御するようになっている。
【0039】上記射出シリンダ4の後端上部にはアルゴ
ンガスが充填されたアルゴン雰囲気室8が設けられ、該
アルゴン雰囲気室8の上端には原料を投入するホッパー
9が接続され、該ホッパー9に投入された原料をアルゴ
ン雰囲気中に置くことでその酸化を防止している。本例
では原料として、予めストロンチウムが添加されたマグ
ネシウム合金からなる固体金属材料を塑性加工した後、
切り粉状にしたマグネシウムペレットP(ASTM規格
AZ91D合金)を使用している。
【0040】一方、上記金型2は、固定盤10に取り付
けられた固定型2aと、該固定型2aに対し接離する可
動型2bとからなり、型締め状態でこの固定型2aと可
動型2bとの間に成形品を成形する空間としてのキャビ
ティ3を構成するようになっている。また、図1(b)
に拡大詳示するように、上記金型2の固定型2aと可動
型2bとの間には、ゲート11、ランナー12及びスプ
ール13が上記キャビティ3に連通するように形成さ
れ、上記ノズル6が金型2に固定盤10を介して接続さ
れるようになっている。
【0041】上記スプール13の下流端(ノズル6が対
向する箇所)には第1凹部(いわゆるプラグキャッチャ
ー)14が形成され、前回の射出後に金型2の型温影響
によりノズル6先端内で冷却凝固した金属凝固部分(い
わゆるプラグ)m1を次回の射出時にキャビティ3内に
入らないように上記第1凹部14でトラップするように
なっている。また、この第1凹部14の容積は金属凝固
部分m1の体積よりも大きく形成されており、金属凝固
部分m1後方の溶湯Mの一部をもトラップするようにな
っている。さらに、上記キャビティ3内における溶湯M
の流動方向最奥部に対応するキャビティ3外側には、第
2凹部(いわゆるオーバーフローグルーブ)15が形成
され、該第2凹部15により上記ノズル6先端内の金属
凝固部分m1後方の溶湯Mをトラップするようになって
いる。したがって、上記第1凹部14及び第2凹部15
により、射出時、射出シリンダ4のノズル6先端側の溶
湯Mを誘導する空間をキャビティ3外周りに構成してい
る。
【0042】この半溶融射出成形装置により成形しよう
とする成形品は、固相率がキャビティ3内における溶湯
Mの流動方向で異なっているものであり、固相率の低い
低固相率部位は強度を要する部位を、固相率の高い高固
相率部位は成形精度を要する部位をそれぞれ構成するよ
うになっている(図5(a),(b)参照)。そのた
め、上記ノズル6を成形品の強度を要する部位である低
固相率部位が成形されるキャビティ3側に対応するよう
金型2に接続している場合には、ノズル6から射出され
る1回分の溶湯射出量のうち最先に射出される溶湯Mの
溶湯温度を、その後に続いて射出される溶湯Mの溶湯温
度に比べて低温に設定するようにしている。一方、上記
ノズル6を成形品の成形精度を要する部位である高固相
率部位が成形されるキャビティ側に対応するよう金型2
に接続している場合には、ノズル6から射出される1回
分の溶湯射出量のうち最先に射出される溶湯Mの溶湯温
度を、その後に続いて射出される溶湯の溶湯温度に比べ
て高温に設定するようにしている。これにより、強度を
要する部位である低固相率部位と成形精度を要する部位
である高固相率部位とが、キャビティ3内における溶湯
Mの流動方向に分離している成形品を成形することがで
きるのである。
【0043】このためには、キャビティ3内を成形品の
要求特性に応じて溶湯Mの流れ方向に複数に分割すると
ともに、射出シリンダ4及びノズル6内の溶湯Mを加熱
ヒーターH0〜H9により上記キャビティ3の各分割部
位に応じて温度制御しながら、つまり成形品の強度を要
する部位である低固相率部位を成形する溶湯Mが、成形
品の成形精度を要する部位である高固相率部位を成形す
る溶湯よりも高温になるように射出シリンダ4及びノズ
ル6内の溶湯温度を加熱制御しながらノズル6から射出
することが要求される。
【0044】具体的には、射出シリンダ4内部を1回分
の溶湯射出量の範囲でノズル6側から基端側にかけて加
熱ヒーターH9〜H5の位置に対応するよう複数に分割
し、各分割部位の溶湯Mの固相率を基端側からノズル6
側に向かってF1〜F5、各分割部位の容積をV1〜V
5とする一方、金型2の各分割部位に流入した溶湯Mの
固相率を流入方向上流側から下流側にかけてf1,f
6,f2〜f5、各分割部位の容積をv1,v6,v2
〜v5とした場合、 F1=f1、F2=f2、F3=f3、F4=f4、F
5=f5=f6 V1=v1、V2=v2、V3=v3、V4=v4、V
5=v5+v6 になるようにし、成形品の要求特性に応じて加熱ヒータ
ーH9〜H5の温度を制御する。この場合、ノズル6先
端の加熱ヒーターH9は、金属凝固部分(プラグ)m1
を形成するために低温に設定しており、しかも、ノズル
6先端が成形時に金型2(固定盤10)に接触している
ため、金型2の型温の影響によりノズル6先端側の溶湯
温度が設定値よりも低くなりがちであり、該部分の溶湯
Mの固相率が予想よりも高くなるおそれがある。したが
って、この部分にある高固相率の溶湯Mを製品部(キャ
ビティ3)から確実に排除するために、本例では、第1
凹部14の容積v6を金属凝固部分m1の体積よりも大
きく設定している。また、ノズル6後ろ寄りの溶湯M
は、加熱ヒーターH9により温度制御しているとはい
え、ノズル6先端側の溶湯Mの温度影響を受け易く、ノ
ズル6先端側の溶湯Mと同様に高固相率になることか
ら、この部分の溶湯Mも製品部(キャビティ3)から確
実に排除するために、V4+V5=v5+v6にし、第
1凹部14及び第2凹部15に排出するようにしてい
る。なお、V4=v5、V5=v6にする方が溶湯Mの
無駄をなくす観点から好ましい。さらに、キャビティ3
の第2凹部15側に比較的強度を要しない部位を成形す
る場合は、V5>v6にすれば、ノズル6先端部分の高
固相率のV4部分の溶湯Mの一部を製品部(キャビティ
3)のv4部分に流入させることができ、その分だけ歩
留まりを向上させることができる。
【0045】次に、上述の如く構成された半溶融射出成
形装置を用いて固相率の異なる部位が共存する成形品を
製造する要領について説明する。
【0046】 金型2を型締めし、射出シリンダ4の
ノズル6を金型2のスプール13に接続した状態で、原
料としてのマグネシウムペレットP(ASTM規格AZ
91D合金)をホッパー9に投入し、アルゴン雰囲気室
8を経て射出シリンダ4内に供給する。
【0047】 高速射出機構7を作動させてスクリュ
ー5を回転させ、射出シリンダ4内のマグネシウムペレ
ットPをスクリュー5で混練しながらノズル6に向かっ
て押し出し、この間に加熱ヒーターH0〜H9で成形品
の要求特性に応じて温度制御しながら加熱して半溶融状
態の溶湯Mにする。スクリュー5はその際に生ずる圧力
で後退していく。
【0048】この場合、図2(a)に示すように、成形
品として、例えば自動車のオートマチックトランスミッ
ションの締結部材であるオリフィスホルダー16を例に
挙げると、該オリフィスホルダー16は頭部17とネジ
部18とを備えている。上記頭部17は、組付け時に締
付けトルクが作用する部位であることから強度を要する
部位であり、低固相率にしておくことが必要である。ま
た、上記ネジ部18は、強度はそれほど必要としない
が、ネジ加工なしで鋳放しで成形することが製造工数を
低減する上で好ましく、その観点からすれば、ネジ部1
8は、成形精度を要する部位であり、高固相率にしてお
く必要がある。そして、図2(b)に示すように、金型
2のキャビティ3の形状をゲート11がオリフィスホル
ダー16の頭部17に位置するように形成する。一方、
加熱ヒーターH7の温度を600℃に、加熱ヒーターH
8及びH9の温度を530℃にそれぞれ設定する。これ
により、ノズル6から射出される1回分の溶湯射出量の
うち最先に射出される溶湯Mの溶湯温度が、その後に続
いて射出される溶湯Mの溶湯温度に比べて低温に設定さ
れている。
【0049】また、図4に示すように、成形品として、
例えば自動車のエンジン動弁系部材であるバルブタペッ
ト19を例に挙げると、中央の厚肉部20は、バルブを
受けるために強度を要する部位であり、低固相率にして
おくことが必要である。また、外周の薄肉部21は、強
度はそれほど必要としないが、成形精度を要する部位で
あり、高固相率にしておく必要がある。そして、金型の
キャビティ3の形状をゲート11が図4に仮想線で示す
ようにバルブタペット19の厚肉部20に位置するよう
に形成する。一方、加熱ヒーターH7の温度を600℃
に、加熱ヒーターH8及びH9の温度を530℃にそれ
ぞれ設定する。これにより、ノズル6から射出される1
回分の溶湯射出量のうち最先に射出される溶湯Mの溶湯
温度が、その後に続いて射出される溶湯Mの溶湯温度に
比べて低温に設定されている。
【0050】 スクリュー5が所定ストローク後退す
ると、高速射出機構7がこのことを検知してスクリュー
5の回転及び後退を停止させる。つまり、1回分の射出
に必要な溶湯Mの量をスクリュー5の後退ストロークに
より計量するようになっている。
【0051】 高速射出機構7を作動させてスクリュ
ー5を前進させ、射出シリンダ4内の溶湯Mをノズル6
から金型2のキャビティ3内に射出充填する。これによ
り、溶湯Mが、成形品(オリフィスホルダー16、バル
ブタペット19)の強度を要する部位である低固相率部
位が成形されるキャビティ側(頭部17、厚肉部20)
から射出される。
【0052】この際、まず、前回の射出によりノズル6
先端に残存する溶湯Mの凝固物である金属凝固部分m1
が第1凹部14にトラップされるとともに、射出シリン
ダ4の容積V5に相当する溶湯Mの一部が上記第1凹部
14にトラップされる。続いて、該射出シリンダ4の容
積V5に相当する溶湯Mの残部が第2凹部15に流入す
る。その後、射出シリンダ4の容積V4に相当する溶湯
Mがキャビティ3の分割部位v4に、射出シリンダ4の
容積V3に相当する溶湯Mがキャビティ3の分割部位v
3に、射出シリンダ4の容積V2に相当する溶湯Mがキ
ャビティ3の分割部位v2に、射出シリンダ4の容積V
1に相当する溶湯Mがキャビティ3の残部、ゲート1
1、ランナー12及びスプール13で構成された空間v
1にそれぞれ流入する。
【0053】このように、過冷却された溶湯Mをキャビ
ティ3外の第1凹部14及び第2凹部15に排出するの
で、所期の目的とする固相率よりも高い固相率部位が成
形されることがなく、必要な強度を確保することができ
る。
【0054】なお、上記の二例とは逆に、加熱ヒーター
H7の温度が加熱ヒーターH8及びH9の温度よりも低
温に設定されている場合、つまり、ノズル6から射出さ
れる1回分の溶湯射出量のうち最先に射出される溶湯M
の溶湯温度が、その後に続いて射出される溶湯Mの溶湯
温度に比べて高温に設定されている場合には、溶湯Mを
成形品の成形精度を要する部位である高固相率部位が成
形されるキャビティ3側から射出するようにする。
【0055】 キャビティ3内の溶湯Mが型温(例え
ば200℃)により凝固し、成形品が得られる。
【0056】 射出シリンダ4のノズル6を金型2の
スプール13から外し、金型2を型開きして成形品を脱
型する。このようにして得られた成形品(オリフィスホ
ルダー16、バルブタペット19)は、強度を要する部
位である低固相率部位(頭部17、厚肉部20)と成形
精度を要する部位である高固相率部位(ネジ部18、薄
肉部21)とが、キャビティ3内における溶湯Mの流動
方向に分離している。因みに、強度を要する部位である
低固相率部位(頭部17、厚肉部20)の固相率は2%
であり、この金属組織の顕微鏡写真を図3(a)に示
す。また、成形精度を要する部位である高固相率部位
(ネジ部18、薄肉部21)の固相率は10%であり、
この金属組織の顕微鏡写真を図3(b)に示す。写真
中、白く現れている部分がマグネシウムであり、マグネ
シウムは固相率の高い図3(b)の方が固相率の低い図
3(a)よりも多くなっている。
【0057】このように、温度差がつけられた溶湯Mを
成形品の要求特性に応じて金型2のキャビティ3の所望
の箇所から射出するだけでよいことから、強度・成形精
度という相反する特性を備えた成形品を効率良く、しか
も簡単かつ確実に成形することができる。
【0058】また、原料として、予めストロンチウムが
添加されたマグネシウム合金からなる固体金属材料を塑
性加工した後、切り粉状にしたものを用いているので、
塑性加工により固相粒径を再粒化することができるとと
もに、ストロンチウムの添加により結晶粒を微細化する
ことができる。
【0059】なお、成形品がオリフィスホルダー16で
ある場合、頭部17裏面及びネジ部18をショットブラ
ストにより粗面化して締付け時の摩擦係数を増大させる
ことが、緩みを防止するとともに内部応力を低減させる
観点から望ましい。同様に、図2(a)に示すように、
オリフィスホルダー16の頭部17とミッションケース
22との間に介装されるパッキン23もショットブラス
トにより粗面化すれば、その効果は倍増する。さらに、
上記パッキン23の材質をマグネシウムよりも軟質な純
アルミ等にすることにより、締付け時の摩擦係数をさら
に増大させることができて好ましい。また、上記パッキ
ン23の熱膨張係数をマグネシウムと同等もしくはそれ
以下の材質にすることにより、熱応力によるクリープ変
形を防止することができて好ましい。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ノズルから射出される1回分の溶湯射出量のうち最先に
射出される溶湯の溶湯温度が、その後に続いて射出され
る溶湯の溶湯温度に比べて低温に設定されている場合に
は、溶湯を成形品の強度を要する部位である低固相率部
位が成形されるキャビティ側から射出するようにしたの
で、強度・成形精度という相反する特性を備えた成形品
を効率良く、しかも簡単かつ確実に成形することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態に係る半溶融射出
成形装置の全体構成図、(b)は射出シリンダの加熱ヒ
ーターに対応する分割容積と金型のキャビティの分割容
積との対応関係を示す断面図である。
【図2】(a)はオリフィスホルダーの断面図、(b)
はキャビティとゲートとの接続関係を示す断面図であ
る。
【図3】(a)は固相率2%の金属組織の顕微鏡写真、
(b)は固相率10%の金属組織の顕微鏡写真である。
【図4】バルブタペットの断面図である。
【図5】(a)は固相率と凝固収縮量のばらつきσとの
関係を示すデータ、(b)は固相率と引張最大強度との
関係を示すデータである。
【符号の説明】
2 金型 3 キャビティ 4 射出シリンダ 6 ノズル 14 第1凹部(空間) 15 第2凹部(空間) 16 オリフィスホルダー(ネジ部材、成形
品) 17 頭部(強度を要する部位である低固相
率部位) 18 ネジ部(成形精度を要する部位である
高固相率部位) 19 バルブタペット(成形品) 20 厚肉部(強度を要する部位である低固
相率部位) 21 薄肉部(成形精度を要する部位である
高固相率部位) M 溶湯 m1 金属凝固部分 P マグネシウムペレット(固体金属材料) H0〜H9 加熱ヒーター

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の半溶融状態の溶湯を射出シリンダ
    のノズルから金型のキャビティに射出し、強度を要する
    部位である低固相率部位と成形精度を要する部位である
    高固相率部位とが、上記キャビティ内における溶湯の流
    動方向に分離している成形品を成形する金属の半溶融射
    出成形方法であって、 上記ノズルから射出される1回分の溶湯射出量のうち最
    先に射出される溶湯の溶湯温度が、その後に続いて射出
    される溶湯の溶湯温度に比べて低温に設定されている場
    合には、溶湯を成形品の強度を要する部位である低固相
    率部位が成形されるキャビティ側から射出することを特
    徴とする金属の半溶融射出成形方法。
  2. 【請求項2】 金属の半溶融状態の溶湯を射出シリンダ
    のノズルから金型のキャビティに射出し、強度を要する
    部位である低固相率部位と成形精度を要する部位である
    高固相率部位とが、上記キャビティ内における溶湯の流
    動方向に分離している成形品を成形する金属の半溶融射
    出成形方法であって、 上記ノズルから射出される1回分の溶湯射出量のうち最
    先に射出される溶湯の溶湯温度が、その後に続いて射出
    される溶湯の溶湯温度に比べて高温に設定されている場
    合には、溶湯を成形品の成形精度を要する部位である高
    固相率部位が成形されるキャビティ側から射出すること
    を特徴とする金属の半溶融射出成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の金属の半溶融射出
    成形方法において、 射出時、射出シリンダのノズル先端側の溶湯を金型のキ
    ャビティ外周りの空間に誘導することを特徴とする金属
    の半溶融射出成形方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の金
    属の半溶融射出成形方法において、 溶湯は、予めストロンチウムが添加されたマグネシウム
    合金からなる固体金属材料を塑性加工した後、切り粉状
    にして半溶融状態にしたものであることを特徴とする金
    属の半溶融射出成形方法。
  5. 【請求項5】 金属の半溶融状態の溶湯を射出シリンダ
    のノズルから金型のキャビティに射出し、強度を要する
    部位である低固相率部位と成形精度を要する部位である
    高固相率部位とが、上記キャビティ内における溶湯の流
    動方向に分離している成形品を成形する金属の半溶融射
    出成形装置であって、 上記ノズルは、成形品の強度を要する部位である低固相
    率部位が成形されるキャビティ側に対応するよう上記金
    型に接続され、 上記ノズルから射出される1回分の溶湯射出量のうち最
    先に射出される溶湯の溶湯温度が、その後に続いて射出
    される溶湯の溶湯温度に比べて低温に設定されているこ
    とを特徴とする金属の半溶融射出成形装置。
  6. 【請求項6】 金属の半溶融状態の溶湯を射出シリンダ
    のノズルから金型のキャビティに射出し、強度を要する
    部位である低固相率部位と成形精度を要する部位である
    高固相率部位とが、上記キャビティ内における溶湯の流
    動方向に分離している成形品を成形する金属の半溶融射
    出成形装置であって、 上記ノズルは、成形品の成形精度を要する部位である高
    固相率部位が成形されるキャビティ側に対応するよう上
    記金型に接続され、 上記ノズルから射出される1回分の溶湯射出量のうち最
    先に射出される溶湯の溶湯温度が、その後に続いて射出
    される溶湯の溶湯温度に比べて高温に設定されているこ
    とを特徴とする金属の半溶融射出成形装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の金属の半溶融射出
    成形装置において、 金型のキャビティ外周りには、射出時、射出シリンダの
    ノズル先端側の溶湯を誘導する空間が設けられているこ
    とを特徴とする金属の半溶融射出成形装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の金属の半溶融射出成形装
    置において、 空間は、キャビティとノズルとの間に設けられ、前回の
    射出後に金型の型温影響によりノズル先端内で冷却凝固
    した金属凝固部分を次回の射出時にキャビティ内に入ら
    ないようにトラップする第1凹部と、 キャビティ内における溶湯の流動方向最奥部に対応する
    キャビティ外側に設けられ、上記ノズル先端内の金属凝
    固部分後方の溶湯をトラップする第2凹部とからなるこ
    とを特徴とする金属の半溶融射出成形装置。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれか1項に記載の金
    属の半溶融射出成形装置において、 射出シリンダの外周には、成形品の強度を要する部位で
    ある低固相率部位を成形する溶湯が、成形品の成形精度
    を要する部位である高固相率部位を成形する溶湯よりも
    高温になるようにシリンダ内の溶湯温度を加熱制御する
    加熱ヒーターが設けられていることを特徴とする金属の
    半溶融射出成形装置。
  10. 【請求項10】 金属の半溶融状態の溶湯を射出シリン
    ダのノズルから金型のキャビティに射出して成形され
    た,金属の半溶融射出成形方法により製造された成形品
    であって、 固相率が上記キャビティ内における溶湯の流動方向で異
    なっていることを特徴とする金属の半溶融射出成形方法
    により製造された成形品。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の金属の半溶融射出成
    形方法により製造された成形品において、 固相率の低い低固相率部位は固相率の高い高固相率部位
    に比べて強度を要する部位であり、固相率の高い高固相
    率部位は上記固相率の低い低固相率部位に比べて成形精
    度を要する部位であることを特徴とする金属の半溶融射
    出成形方法により製造された成形品。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の金属の半溶融射出成
    形方法により製造された成形品において、 成形品は、頭部とネジ部とを備えた締結部材であり、 上記頭部裏面及びネジ部は、ショットブラストにより粗
    面化されていることを特徴とする金属の半溶融射出成形
    方法により製造された成形品。
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