JPH10268317A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子およびその製造方法

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JPH10268317A
JPH10268317A JP9076118A JP7611897A JPH10268317A JP H10268317 A JPH10268317 A JP H10268317A JP 9076118 A JP9076118 A JP 9076118A JP 7611897 A JP7611897 A JP 7611897A JP H10268317 A JPH10268317 A JP H10268317A
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JP
Japan
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liquid crystal
substrate
control film
spacer
crystal display
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JP9076118A
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English (en)
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Hideki Uchida
秀樹 内田
Kazuhiko Tamai
和彦 玉井
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UK Government
Sharp Corp
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UK Government
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対の基板間に液晶を挟持した液晶表示素子
において、基板間の接着力を向上させることにより、均
一なセル厚、十分な耐ショック性、および良好な表示品
位を実現する。 【解決手段】 絶縁性基板1a上に、電極2aおよび遮
光膜3aを覆う絶縁膜4aを形成し、この絶縁膜4a上
にスペーサ6を形成した後に、絶縁膜4aおよびスペー
サ6を覆うように、熱重合型ポリアミック酸系樹脂から
なる配向制御膜5aを形成する。スペーサ6の上面の配
向制御膜5aと、基板20側の熱重合型ポリアミック酸
系樹脂からなる配向制御膜5bとを、焼成にてイミド化
を進行させることによって互いに接着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子およ
びその製造方法に関するものであり、特に、液晶表示素
子において、均一なセル厚、十分な耐ショック性、およ
び良好な表示品位を実現するための構造および製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、少なくとも電極を備えた一対の基
板を、電極が形成された面が内側になるように互いに貼
り合わせ、その間隙に液晶を封入してなる液晶表示素子
が知られている。
【0003】このような液晶表示素子は、外圧による基
板の変形などにより、対向する基板間の厚みが変化する
と、液晶分子の配向乱れ、電極のリークによる閾値電圧
の変化などが生じ、良好な表示が不可能になる。
【0004】このため、上記一対の基板の間隔を一定に
保つためのスペーサを基板間に配置することが従来から
知られており、一般的には、(1)球状の粒子を散布す
る方法、(2)有機系または無機系の柱状の壁を形成す
る方法、のいずれかが採用されている。
【0005】しかし、(1)の方法では、以下のような
問題がある。第1に、微粒子には互いに凝集し合う性質
があるので、基板上に均等に散布することが困難であ
り、均一なセル厚を実現することが難しい。第2の問題
は、粒子の配置を制御することが困難であるので、画素
領域に散布された粒子から配向欠陥が生じ、表示品位を
低下させるという点である。さらに、第3の問題は、こ
の方法では、基板がスペーサの支持点のみで支えられ、
外圧に対する強度が不足する点である。
【0006】それに対して、(2)の方法は、有機系ま
たは無機系の膜から、フォトリソグラフィによって柱状
の壁を形成する方法である。この方法では、柱を画素領
域の外部に選択的に形成できるので、基板と柱との接触
面を任意にコントロールできる。このため、(2)の方
法は、(1)の方法が有する上述の3つの問題点を克服
できる点で優れている。
【0007】近年、液晶材料として、強誘電性液晶が注
目されている。強誘電性液晶は、自発分極を有するので
高速応答が可能であり、平面上のスイッチングによって
視野角の依存性がないなどの優れた性質を持つ。しか
し、この反面、分子の規則性がより結晶に近い構造を持
つため、外圧により分子の規則性が乱されると元に戻ら
ない、つまり衝撃に対して弱いという問題を有してい
る。
【0008】このため、強誘電性液晶を用いた液晶表示
素子に適用するスペーサとしては、上記(2)の方法が
有力な候補であると考えられている。具体的には、ポリ
イミドタイプ、あるいは完全にイミド化したポリアミッ
ク酸タイプの配向制御層を形成し、その上層にスペーサ
を形成する、またはスペーサを形成した後、上記配向制
御層を形成し、ラビング処理の後に貼り合わせる方法が
知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
製造方法にて形成された柱状あるいは壁状のスペーサを
有する液晶表示素子は、上下基板間の接着力が無い、あ
るいは接着してもすぐに剥がれるなどの欠点があった。
【0010】より具体的には、配向制御膜を例えばポリ
イミド樹脂等のイミド化物で形成した場合、ポリイミド
樹脂は、反応性に乏しく、高分子膜としては比較的硬い
膜であるので、ポリイミド樹脂からなる配向制御膜を互
いに接着させることは困難である。
【0011】また、一方の基板の配向制御膜上に柱状ス
ペーサを形成し、他方の基板をこの柱状スペーサに接着
することにより基板を貼り合わせる場合、接着性を持つ
樹脂にてスペーサを形成すればある程度の接着力が得ら
れるものの、十分な強度は得られず、剥がれやすいとい
う問題がある。
【0012】また、スペーサ自身が接着力を持たない無
機系または有機系樹脂からなる場合、上下基板は接着し
ない。
【0013】このように、上下基板の接着力が不十分な
場合、セル厚の均一性に悪影響を及ぼし、表示品位が低
下する。また、上下基板間に隙間が生じ、液晶移動が容
易になり、外圧に対する強度が著しく低下するという問
題も生じる。
【0014】本発明は、このような従来の問題を解決す
べくなされたもので、均一なセル厚を有すると共に、上
下基板が強固に接着されたことによって十分な耐ショッ
ク性と良好な表示品位とを備えた液晶表示素子を提供す
ることを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1記載の液晶表示素子は、少なく
とも一方が光透過性を有する第1および第2の基板と、
上記基板の各々に設けられた配向制御膜と、上記の基板
間に挟持された液晶とを備えた液晶表示素子において、
第1および第2の基板の少なくとも一方が、柱状あるい
は壁状のスペーサを備え、少なくとも第1の基板の配向
制御膜が、熱重合型ポリアミック酸系樹脂からなり、上
記第1の基板の配向制御膜と第2の基板とが、加熱処理
によって互いに接着されていることを特徴とする。
【0016】上記の構成では、第1および第2の基板
は、柱状あるいは壁状のスペーサによって均一な間隔を
保った状態で互いに貼り合わされるので、セル厚を均一
に形成することができる。また、従来の粒子状スペーサ
を基板上に散布する方法と比較して、衝撃や圧力に対す
る強度が向上する。
【0017】さらに、第1の基板の配向制御膜が、熱重
合型ポリアミック酸系の樹脂から形成されているので、
加熱処理を行うことによって、軟度が低下した部分、あ
るいは融解した部分が、第2の基板と密着することによ
り、第1および第2の基板の間で優れた接着力を発揮す
る。なお、第2の基板における第1の基板の配向制御膜
との接着面は、第2の基板に必要に応じて設けられた配
向制御膜、あるいは第2の基板に必要に応じて設けられ
たスペーサである。
【0018】特に、第1の基板の配向制御膜が、第2の
基板にも同様に設けられた熱重合型ポリアミック酸系樹
脂からなる配向制御膜に接着される場合には、加熱処理
を行うことにより、これらの配向制御膜間でイミド化が
進行し、化学結合による高い接着力が生じる。
【0019】また、ポリアミック酸系樹脂は、分子中に
水酸基および水素基を含むので、第1の基板の配向制御
膜が、第2の基板に設けられたスペーサに接着される場
合には、上記配向制御膜側の水酸基および水素基と、ス
ペーサに含まれる官能基との間の分子間結合によって接
着力が生じる。また、同様にアミノ基や、配向制御膜が
含む他の官能基による分子間結合も、接着力を向上させ
る効果を奏する。
【0020】さらに、加熱処理によって、ポリアミック
酸系樹脂と第2の基板とが融着することによっても、第
1および第2の基板間の接着力が向上する。
【0021】このように、上記の構成では、第1および
第2の基板が、柱状あるいは壁状のスペーサを挟んで、
ポリアミック酸系樹脂からなる配向制御膜が有する高い
接着力によって強固に貼り合わされているので、均一な
セル厚、高い耐ショック性、および、高品位な表示を実
現し得る液晶表示素子を提供できる。
【0022】請求項2記載の液晶表示素子は、請求項1
記載の構成において、スペーサが配向制御膜によって覆
われ、第1の基板の配向制御膜と、第2の基板の配向制
御膜とが互いに接着されていることを特徴とする。
【0023】上記の構成によれば、第1および第2の基
板の少なくとも一方に形成された柱状または壁状のスペ
ーサは、各基板の配向制御膜によって覆われている。す
なわち、各基板の製造工程において、上記スペーサは配
向制御膜よりも前に形成される。これにより、スペーサ
形成工程で一般的に用いられる溶剤や現像液等によって
配向制御膜が汚染されたり損傷したりすることが防止さ
れる。この結果、むらのない良好な表示品位を持つ液晶
表示素子を提供することができる。
【0024】また、スペーサの形成に焼成工程を必要と
する場合に、配向制御膜の焼成温度よりも高い焼成温度
を必要とするスペーサ材料を使用することが可能とな
り、スペーサ材料の選択範囲が広がるという利点もあ
る。
【0025】さらに、第2の基板の配向制御膜を、第1
の基板の配向制御膜と同様に熱重合型ポリアミック酸系
樹脂を用いて実現すれば、第1および第2の基板の配向
制御膜間の接着性がさらに向上する。これにより、第1
および第2の基板が強固に接着され、表示品位および耐
ショック性に優れた液晶表示素子を提供できる。
【0026】請求項3記載の液晶表示素子は、請求項1
記載の構成において、上記スペーサが第2の基板の配向
制御膜上に形成され、第1の基板の配向制御膜と、上記
スペーサの上面とが互いに接着されていることを特徴と
する。
【0027】上記の構成によれば、第1の基板と第2の
基板との接着は、配向制御膜とスペーサとの接着によっ
て実現される。なお、各基板には、必要に応じて、電
極、遮光層、または絶縁層等を形成することができる。
この構成では、第1の基板の配向制御膜は、接着性に優
れた熱重合型ポリアミック酸系樹脂からなるので、スペ
ーサの材料に関わらず、第1および第2の基板が強固に
接着される。
【0028】例えば、従来のようにポリイミドタイプの
配向制御膜を用いた場合には、ポリイミド自身が接着性
を持たないので、十分な基板の接着力が得られない場合
があった。特に、接着性を持たない無機系材料でスペー
サを形成した場合、基板の接着力は著しく低くなるとい
う問題があった。
【0029】これに対して、上記の構成によれば、第1
および第2の基板が強固に接着されるので、セル厚を均
一に形成することができ、耐ショック性に優れ、高品位
な表示を実現し得る液晶表示素子を提供することが可能
となる。
【0030】請求項4記載の液晶表示素子は、請求項1
記載の構成において、上記液晶が強誘電性液晶であるこ
とを特徴とする。
【0031】強誘電性液晶は、自発分極を持ち、メモリ
性を有するので、高速応答が可能であるという優れた特
性を持つ反面、例えばネマティック液晶等と比較すると
分子配列が結晶に近いので、外圧により分子の配向規則
が一旦乱されると元の状態に戻りにくい、つまり衝撃に
弱いという欠点を有している。また、良好な表示を実現
するためには、極めて高精度にセル厚を均一化する必要
がある。
【0032】上記の構成によれば、均一なセル厚および
高い耐ショック性が実現されているために、上記の強誘
電性液晶の欠点が補償され、優れた特性を有する強誘電
性液晶を用いて、大容量かつ高精細な画像の表示が可能
な液晶表示素子を実用化へ導くことができる。
【0033】上記の課題を解決するために、本発明の請
求項5記載の液晶表示素子の製造方法は、少なくとも一
方が光透過性を有する第1および第2の基板間に液晶を
封入してなる液晶表示素子の製造方法において、熱重合
型ポリアミック酸系樹脂を塗布して焼成することによ
り、少なくとも第1の基板に配向制御膜を形成する第1
工程と、上記第1の基板の配向制御膜と第2の基板とを
焼成しながら接着させる第2工程とを含むことを特徴と
する。
【0034】上記の製造方法は、配向制御膜の形成時に
焼成を行う第1工程と、基板の貼り合わせ時に焼成を行
う第2工程とを含む。このように、配向制御膜の形成時
に第1回目の焼成を行い、必要に応じてラビング処理等
を施した後に、貼り合わせ工程において第2回目の焼成
を行うことにより、ポリアミック酸系樹脂に高い接着性
を持たせ、第1および第2の基板を強固に接着すること
ができる。
【0035】ポリアミック酸系樹脂からなる配向制御膜
が第2の基板との間に生じる接着力は、主に、(1)ポ
リアミック酸系樹脂に未反応基として存在あるいは内在
する水酸基、水素基、およびアミノ基と、対峙する第2
の基板側の接着面に存在する官能基との間の分子間結合
力、(2)第2回目の焼成時の熱によって接着面に生じ
る融着力、である。
【0036】特に、第2の基板側にも熱重合型ポリアミ
ック酸系樹脂からなる配向制御膜が設けられ、第1およ
び第2の基板の配向制御膜を互いに接着させる場合に
は、(3)接着面となる第1および第2の基板の配向制
御膜間で起こるポリアミック酸からポリイミドへの縮合
重合による化学結合力、もさらに加わることにより、第
1および第2の基板の接着強度がさらに向上する。
【0037】このように、上記の製造方法によれば、第
1および第2の基板が強固に接着されるので、均一なセ
ル厚を有し、耐ショック性に優れ、且つ高品位な表示を
実現し得る液晶表示素子を提供することが可能となる。
【0038】請求項6記載の液晶表示素子の製造方法
は、請求項5記載の製造方法において、第1および第2
の基板の少なくとも一方に対し、第1工程に先立って、
壁状または柱状のスペーサを形成する工程をさらに含
み、第1および第2の基板の双方に対して、第1工程に
て、熱重合型ポリアミック酸系樹脂からなる配向制御膜
を形成し、第2工程において、第1工程における焼成温
度よりも高い焼成温度にて、上記スペーサの上面におい
て第1および第2の基板の配向制御膜を接着させること
を特徴とする。
【0039】上記の製造方法によれば、第1および第2
の基板の配向制御膜間でのポリアミック酸のイミド化
(高分子化)による接着力の増進に効果がある。つま
り、図3に示すように、焼成温度とイミド化率との間に
は、焼成温度が高くなるほどイミド化率も上昇するとい
う関係があり、第2工程の焼成(基板の貼り合わせ時)
を、第1工程の焼成(配向制御膜の形成時)よりも高温
で行うことにより、第2工程においてイミド化を促進す
ることができる。すなわち、基板の貼り合わせ時にイミ
ド化による化学結合力が生じ、高い接着強度を得ること
ができる。
【0040】また、上記の製造方法では、配向制御膜に
先立ってスペーサの形成を行うことにより、スペーサ形
成工程で一般的に用いられる溶媒や現像液によって配向
制御膜が汚染されたり損傷されることを防止できる。さ
らに、スペーサの形成に焼成を必要とする場合は、配向
制御層よりも高い焼成温度を必要とするスペーサ材料を
使用することが可能となり、スペーサ材料の選択範囲が
広がるという利点も有する。なお、上記の製造方法にお
いて、必要に応じて第1工程の前に、各基板に電極、遮
光層、あるいは絶縁膜等を形成しても良い。
【0041】請求項7記載の液晶表示素子の製造方法
は、請求項6記載の製造方法において、第1工程におけ
る焼成温度での上記熱重合型ポリアミック酸系樹脂のイ
ミド化率をa%、第2工程における焼成温度での上記熱
重合型ポリアミック酸系樹脂のイミド化率をb%とする
と、 10≦b−a≦90 が満たされることを特徴とする。
【0042】上記の製造方法では、配向制御膜の形成時
(第1工程)の焼成温度よりも高い温度で、貼り合わせ
工程時(第2工程)に第2回目の焼成を行う。
【0043】このように、第1回目の焼成よりも高い温
度で第2回目の焼成を行うことにより、第2回目の焼成
時にイミド化が促進され、第1の基板の配向制御膜と第
2の基板の配向制御膜との接着面で化学反応が進み、互
いに接着される。第1回目の焼成温度と第2回目の焼成
温度との差が大きいほど、第2回目の焼成においてイミ
ド化が促進され、接着力も大きくなる。
【0044】つまり、第1工程における焼成温度でのイ
ミド化率a%と、第2工程における焼成温度でのイミド
化率b%との差が10〜90%となるように焼成温度を
設定することにより、所望の接着力を得ることができ
る。なお、上記のイミド化率の差が大きいほど、第2工
程での熱重合型ポリアミック酸系樹脂のイミド化による
化学結合が促進され、第1および第2の基板間の接着を
より強固なものとすることができる。この結果、均一な
セル厚と良好な表示品位とを実現し得る液晶表示素子を
提供することが可能となる。
【0045】請求項8記載の液晶表示素子の製造方法
は、請求項6記載の製造方法において、第1工程におけ
る焼成温度での上記熱重合型ポリアミック酸系樹脂のイ
ミド化率が10〜50%であることを特徴とする。
【0046】上記の製造方法によれば、第1工程におけ
る焼成後も、熱重合型ポリアミック酸系樹脂からなる配
向制御膜に未反応基が50〜90%残っている。つま
り、配向制御膜表面に接着可能な反応基を多く残すこと
で、第2工程におけるイミド化を促進させ、第1および
第2の基板間の接着をより強固なものとすることができ
る。この結果、均一なセル厚と良好な表示品位とを実現
し得る液晶表示素子を提供することが可能となる。
【0047】請求項9記載の液晶表示素子の製造方法
は、請求項6記載の製造方法において、第2工程におけ
る焼成温度での上記熱重合型ポリアミック酸系樹脂のイ
ミド化率が50〜100%であることを特徴とする。
【0048】上記の製造方法によれば、第2工程におい
て、熱重合型ポリアミック酸系樹脂からなる配向制御膜
のイミド化を促進させ、第1および第2の基板間の接着
をより強固なものとすることができる。この結果、均一
なセル厚と良好な表示品位とを実現し得る液晶表示素子
を提供することが可能となる。
【0049】請求項10記載の液晶表示素子の製造方法
は、請求項5記載の製造方法において、第1工程におけ
る焼成温度と第2工程における焼成温度とが等しいこと
を特徴とする。
【0050】上記の製造方法によれば、第1回目の焼成
よりも高い温度で第2回目の焼成を行う方法に比べれ
ば、基板の接着強度は弱くなるものの、機械的強度をあ
まり必要としない液晶表示素子にとっては十分な強度
で、第1および第2の基板を接着させることができる。
また、液晶の配向性と配向制御膜の焼成温度とは相関関
係にあり、液晶の種類や組成によって、液晶に良好な配
向性を与える配向膜の焼成温度は固有であると考えられ
る。このため、例えば、第1工程における焼成温度と第
2工程における焼成温度との双方を、用いる液晶の種類
や組成に応じた適温に設定すれば、基板の接着性と液晶
の配向性との両方が良好な液晶表示素子を提供できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1な
いし図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
図1は、本実施の形態に係る液晶表示素子の概略構成を
示す断面図である。上記液晶表示素子は、一対の基板1
0・20を備えており、その間隙に液晶7を挟持してい
る。
【0052】基板10は、絶縁性基板1aと、互いに平
行に配された複数の電極2aと、遮光膜3aと、上記電
極2aおよび遮光膜3aを覆うように形成された絶縁膜
4aと、絶縁膜4a上に形成されたスペーサ6と、絶縁
膜4aおよびスペーサ6を覆うように形成された配向制
御膜5aとによって構成されている。
【0053】基板20は、絶縁性基板1bと、互いに平
行に配された複数の電極2bと、絶縁膜4bと、絶縁膜
4bの表面に積層された配向制御膜5bとにより構成さ
れている。
【0054】上記の絶縁性基板1a・1bは、ガラスあ
るいはプラスティックなどの透明材料からなる。電極2
a・2bの材料としては、インジウム錫酸化物(IT
O)が一般的に用いられるが、この限りではなく、透過
型液晶表示素子として構成する場合は透明であればよ
い。また、反射型液晶表示素子として構成する場合は、
電極2a・2bのいずれか一方が透明でなくてもよい。
【0055】遮光膜3aはSi膜などにより実現される
が、不透明であれば、無機材料や有機樹脂などの種々の
材料を適用できる。
【0056】次に、本実施形態の液晶表示素子の製造工
程について説明する。まず、絶縁性基板1aの表面に、
スパッタ法によりITOを1000Åの膜厚で成膜す
る。さらに、このITO膜の表面にフォトレジストをス
ピンコートし、フォトリソグラフィー法により、電極2
aをパターニングする。ここで、フォトレジストを剥離
せずに残しておくと、図2(a)に示すように、パター
ニングされた電極2a上に、剥離せずに残しておいたフ
ォトレジスト8aが重なった状態となる。
【0057】この後、スパッタ法で基板全体にSiを1
000Åの膜厚で成膜し、リフトオフすることにより、
図2(b)に示すように、隣合う電極2a・2aの間に
遮光膜3aを形成できる。
【0058】なお、ここでは、遮光膜3aの材料として
Siを用い、遮光膜3aのパターニング法としてリフト
オフ法を用いたが、この他の材料および方法を用いるこ
とも可能である。例えば、遮光膜3aの材料として、有
機材料や、エッチングが容易な無機材料を用いる場合に
は、電極2aをパターニングした後に遮光膜3aをパタ
ーニングする方法、あるいはこの逆に、遮光膜3aをパ
ターニングした後に電極2aをパターニングする方法を
用いても良い。
【0059】さらにこの上に、絶縁膜材料をスピンコー
ト法により塗布した後、200℃で焼成する。これによ
り、図2(c)に示すように、均一な表面を有する絶縁
膜4aが形成される。なお、上記の絶縁膜材料として
は、例えば日産化学社製のA2014(商品名)等を用
いることができる。
【0060】次に、絶縁膜4a上に、紫外線硬化型樹脂
を、後述する焼成を行った後の膜厚が1.5μmになる
ように、スピンコート法で塗布する。次に、フォトマス
クを用いて、この紫外線硬化型樹脂をパターニングし、
電極2aに重ならないようにストライプ状に形成する。
その後、200℃で1時間の焼成を行うことにより、図
2(d)に示すように、電極2aに平行に、且つ遮光膜
3aの上方に位置するように、壁状のスペーサ6が形成
される。
【0061】なお、スペーサ6の材料となる紫外線硬化
型樹脂としては、例えば新日鐡化学社製のV259−P
A(商品名)等を用いることができるが、他社の同様な
紫外線硬化型樹脂を用いても良い。あるいは、フォトレ
ジストとの組合せに応じて、無機材料や有機系の樹脂を
用いても良い。
【0062】また、ここでは、スペーサ6を、電極2a
と重ならず、遮光膜3aの上方に位置するストライプ状
に形成したが、スペーサ6の形状はこれに限定されるも
のではない。例えば、電極2aの長手方向に沿って複数
の円柱が断続的に並ぶように形成してもよい。あるい
は、角柱状に形成してもよい。
【0063】続いて、上述のようにスペーサ6を形成し
た基板上に、ポリアミック酸系樹脂を、スピンコート法
によって塗布し、100℃で焼成する(第1工程)。さ
らに、この樹脂膜に対してラビング配向処理を行うこと
により、図2(e)に示すように、絶縁膜4aおよびス
ペーサ6の表面を覆うように、配向制御膜5aが形成さ
れる。
【0064】以上の工程により、基板10が完成する。
【0065】なお、ポリアミック酸系樹脂とは、ポリカ
ルボン酸化合物の一部のカルボキシル基がカルボキサア
ミド(carboxamide) になった化合物であり、市販品とし
ては、例えば日産化学社製のSE7792(商品名)等
が入手可能である。ポリアミック酸の化学式を下記に示
す。なお、下記の化学式において、R1 およびR2 は、
芳香族環状化合物である。
【0066】
【化1】
【0067】一方、基板20については、絶縁性基板1
b上に、基板10側と同様の工程によって電極2b、遮
光膜(図示せず)、絶縁膜4b、および配向制御膜5b
を順次形成する。
【0068】なお、この実施形態では、絶縁膜4a・4
b、配向制御膜5a・5b、およびスペーサ6のそれぞ
れの材料を基板に塗布する際に、スピンコート法を用い
ているが、この方法の他に、例えば、ロールコート法や
印刷法によって材料を塗布しても良い。
【0069】次に、基板10・20を、配向制御膜5a
・5bのラビング方向が同一になるように対向配置し、
1kg/cm2 の圧力下で200℃で1時間の加熱を行
い、互いに接着させた(第2工程)。すなわち、200
℃にて配向制御膜5a・5bの焼成を行った。
【0070】その後、基板10・20の間隙に液晶7を
封入すれば、本実施形態の液晶表示素子が完成する。な
お、ここでは、液晶7として強誘電性液晶を用いる。
【0071】以上の工程で作成した液晶表示素子は、セ
ル厚を0.03μm以内の精度で均一化できた。また、
画素表示部において均一な配向とスイッチング特性を得
ることができた。
【0072】また、この実施形態では、配向制御膜5a
・5bの焼成を、膜塗布時に100℃、基板10・20
の貼り合わせ時に200℃でそれぞれ行った。このよう
に、基板10・20の貼り合わせ時の焼成温度を、膜塗
布時の焼成温度よりも高く設定することにより、貼り合
わせ時のイミド化を促進することができる。ここでは、
貼り合わせ時における配向制御膜5a・5bのイミド化
は、膜塗布時よりも40%程度進行した。
【0073】このように、貼り合わせ時にイミド化を進
行させて配向制御膜5a・5bの間に化学結合を生じさ
せることにより、基板10・20の間に十分な接着力を
得ることができる。
【0074】なお、膜塗布時の焼成温度と基板の貼り合
わせ時の焼成温度とを共に120℃としても接着性を得
ることができた。また、膜塗布時の焼成温度と基板の貼
り合わせ時の焼成温度とを共に180℃としても、同様
に接着性が得られた。すなわち、ポリアミック酸系樹脂
を配向制御膜材料として用いれば、膜塗布時の焼成温度
と基板の貼り合わせ時の焼成温度とを同一にしても、上
下基板を接着させることができる。
【0075】この理由について、図3を参照しながら説
明する。図3は、本実施形態の配向制御膜5a・5bの
材料として使用できる二種類のポリアミック酸系樹脂を
それぞれ用いて配向制御膜A・Bを試作し、焼成温度に
対するイミド化率を測定した結果を示すグラフである。
図3から明らかなように、上述の焼成温度である120
℃〜200℃程度の温度では、ポリアミック酸系樹脂の
イミド化が完全ではなく、水酸基や水素基が残ってい
る。このため、基板を貼り合わせる際に、ポリアミック
酸系樹脂のイミド化(化学結合)による接着は進まなく
とも、水素結合によって基板間に接着力が生じると考え
られる。また、イミド化が完全でないことから、配向制
御膜自体が完全に硬化していないので、貼り合わせの際
の上下基板間の塗れ性が向上し、接着性の向上に寄与し
たと考えられる。
【0076】しかしながら、好ましくは、膜塗布時の焼
成温度におけるイミド化率が10〜50%、貼り合わせ
時の焼成温度におけるイミド化率が50〜100%とな
るように、これらの焼成温度を設定することにより、貼
り合わせ時のイミド化が促進され、上下基板間の接着力
をさらに強固にすることができる。
【0077】さらに、好ましくは、貼り合わせ時の焼成
温度におけるイミド化率と、膜塗布時の焼成温度におけ
るイミド化率との差が、10〜90%となるように、こ
れらの焼成温度を設定することが好ましい。
【0078】なお、比較のために、ポリイミドタイプの
配向制御膜材料(日本合成ゴム社製:商品名AL541
7)を用い、本実施形態と同じプロセスで配向制御膜を
形成したところ、この配向制御膜は、全く接着力を持つ
に至らなかった。この原因は、ポリイミドタイプの配向
制御膜材料ではイミド化が完了されているのでイミド化
の化学結合による接着がなされなかったこと、および、
分子に水酸基および水素基をほとんど持たなかったため
水素結合による接着力が得られなかったためと考えられ
る。
【0079】以上のように、本実施の形態の液晶表示素
子では、基板10・20が強固に接着されているので、
均一なセル厚、十分な耐ショック性、および良好な表示
品位が得られる。
【0080】また、配向制御膜5aに先立ってスペーサ
6が形成されることにより、スペーサ6の形成時に用い
られる溶媒や現像剤等によって配向制御膜5aが汚染さ
れたり損傷されたりすることがなく、配向制御力が低下
するという問題がない。
【0081】なお、上記のプロセスでは、基板10側の
みにスペーサ6を設けたが、これに限らず、基板10お
よび基板20の双方にスペーサを形成した後にこれらの
基板を貼り合わせるようにしても良い。
【0082】〔実施の形態2〕本発明の実施に係る他の
形態について図4および図5に基づいて説明すれば、以
下のとおりである。なお、前記した実施の形態1で説明
した構成と同様の構成については同一の符号を付記し、
その説明を省略する。図4は、本実施の形態に係る液晶
表示素子の概略構成を示す断面図である。本実施形態に
係る液晶表示素子は、図4に示すように、実施の形態で
説明した基板10の代わりに、基板11を備えている。
基板11は、実施の形態1で説明した絶縁性基板1a、
電極2a、および遮光膜3aと同様の、絶縁性基板11
aと、電極12aと、遮光膜13aとを備えている。さ
らに、遮光膜13a上に、この遮光膜13aに沿って壁
状のスペーサ16が形成されている。そして、これらを
覆うように、絶縁膜4aおよび配向制御膜5aと同様
の、絶縁膜14aおよび配向制御膜15aが順次形成さ
れている。
【0083】次に、本実施形態の液晶表示素子の製造工
程について説明する。まず、実施の形態1と同様の工程
を経て、絶縁性基板11aの表面に、電極12aおよび
遮光膜13aを形成する。ここまでの工程が終了した時
点の状態を、図5(a)に示す。
【0084】続いて、電極12aおよび遮光膜13aの
表面に、紫外線硬化型樹脂を、後述する焼成を行った後
の膜厚が1.5μmになるように、スピンコート法で塗
布する。次に、フォトマスクを用いて、この紫外線硬化
型樹脂をパターニングし、電極12aに重ならないよう
にストライプ状に形成する。その後、200℃で1時間
の焼成を行うことにより、図5(b)に示すように、遮
光膜13a上に、電極12aに沿った壁状のスペーサ1
6が形成される。
【0085】なお、スペーサ16の材料となる紫外線硬
化型樹脂としては、例えば新日鐡化学社製のV259−
PA(商品名)等を用いることができるが、他社の同様
な紫外線硬化型樹脂を用いても良い。あるいは、フォト
レジストとの組合せに応じて、無機材料や有機系の樹脂
を用いても良い。
【0086】また、ここでは、スペーサ16を、電極1
2aと重ならず、遮光膜13a上に位置するストライプ
状に形成したが、スペーサ16の形状はこれに限定され
るものではない。例えば、電極12aの長手方向に沿っ
て複数の円柱が断続的に並ぶように形成してもよい。あ
るいは角柱状としてもよい。
【0087】次に、上述のようにスペーサ16が形成さ
れた基板に、絶縁膜材料をスピンコート法により塗布
し、図5(c)に示すように、均一な表面を有する絶縁
膜14aを形成する。なお、上記の絶縁膜材料として
は、例えば日産化学社製のA2014(商品名)等を用
いることができる。
【0088】続いて、上記絶縁膜14a上に、ポリアミ
ック酸系樹脂を、スピンコート法によって塗布し、10
0℃で焼成する。さらに、この樹脂膜に対してラビング
配向処理を行うことにより、図5(d)に示すように、
配向制御膜15aが形成される。なお、上記のポリアミ
ック酸系樹脂としては、例えば日産化学社製のSE77
92(商品名)等を用いることができる。
【0089】以上の工程により、基板11が完成するの
で、この基板11と基板20とを、前記の実施の形態1
と同様の工程を経て互いに貼り合わせ、その間隙に液晶
7を注入すれば、液晶表示素子が完成する。
【0090】以上のように、本実施形態に係る液晶表示
素子は、スペーサ16が絶縁膜14aよりも前に形成さ
れる点において、実施の形態1と異なっている。しか
し、上下基板が、配向制御膜同士によって接着されてい
る点においては、実施の形態1と同じである。
【0091】このため、上下基板の接着力については、
実施の形態1と同様の効果が得られる。この結果、セル
厚の均一性、表示品位の良好さ、耐ショック性について
も、実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに、本
実施の形態では、スペーサ16の材料として、その焼成
温度が絶縁膜14aの焼成温度よりも高い材料を適用す
ることができるので、スペーサ材料の選択幅が広がると
いう利点がある。
【0092】〔実施の形態3〕本発明の実施に係るさら
に他の形態について図6に基づいて説明すれば、以下の
とおりである。なお、前記した各実施の形態で説明した
構成と同様の構成については同一の符号を付記し、その
説明を省略する。図6は、本実施の形態に係る液晶表示
素子の概略構成を示す断面図である。この液晶表示素子
は、実施の形態で説明した基板10の代わりに、基板3
0を備えている。基板30は、実施の形態1で説明した
絶縁性基板1a、電極2a、および遮光膜3aと同様
の、絶縁性基板31aと、電極32aと、遮光膜33a
とを備えている。
【0093】さらに、電極32aおよび遮光膜33aを
覆うように、絶縁膜34aおよび配向制御膜35aが順
次積層されている。そして、壁状のスペーサ36が、配
向制御膜35aの上に、電極32aと重ならないように
ストライプ状に形成されている。
【0094】次に、本実施形態の液晶表示素子の製造工
程について説明する。まず、実施の形態1と同様の工程
を経て、絶縁性基板31aの表面に、電極32aおよび
遮光膜33aを形成する。
【0095】次に、電極32aおよび遮光膜33aの表
面に、絶縁膜材料をスピンコート法により塗布し、均一
な表面を有する絶縁膜34aを形成する。なお、上記の
絶縁膜材料としては、例えば日産化学社製のA2014
(商品名)等を用いることができる。
【0096】続いて、上記絶縁膜34a上に、ポリアミ
ック酸系樹脂を、スピンコート法によって塗布し、まず
80℃のホットプレート上でプリベイクを行った後、2
00℃のオーブン中で焼成する。さらに、この樹脂膜に
対してラビング配向処理を行うことにより、配向制御膜
35aが形成される。なお、上記のポリアミック酸系樹
脂としては、例えば日産化学社製のSE7792(商品
名)等を用いることができる。
【0097】続いて、配向制御膜35aの表面に、紫外
線硬化型樹脂を、後述する焼成を行った後の膜厚が1.
5μmになるように、スピンコート法で塗布する。次
に、フォトマスクを用いて、この紫外線硬化型樹脂をパ
ターニングし、電極32aに重ならないようにストライ
プ状に形成する。その後、200℃で1時間の焼成を行
うことにより、スペーサ36が形成される。
【0098】なお、スペーサ36の材料となる紫外線硬
化型樹脂としては、例えば新日鐡化学社製のV259−
PA(商品名)等を用いることができるが、他社の同様
な紫外線硬化型樹脂を用いても良い。あるいは、フォト
レジストとの組合せに応じて、無機材料や有機系の樹脂
を用いても良い。
【0099】また、ここでは、スペーサ36を、電極3
2aと重ならないように、ストライプ状に形成したが、
スペーサ36の形状はこれに限定されるものではない。
例えば、電極32aの長手方向に沿って複数の円柱が断
続的に並ぶように形成してもよい。あるいは角柱状とし
てもよい。
【0100】以上の工程により、基板30が完成するの
で、この基板30と基板20とを、1Kg/cm2 の加
圧下で200℃にて焼成することにより貼り合わせ、そ
の間隙に液晶7を注入すれば、液晶表示素子が完成す
る。
【0101】以上のように、本実施形態に係る液晶表示
素子は、スペーサ36が配向制御膜35aよりも後に形
成され、下側の基板30と上側の基板20とが、スペー
サ36と配向制御膜5bとの接着によって貼り合わされ
ている点において、実施の形態1と異なっている。
【0102】なお、200℃で焼成した場合の配向制御
膜35aのイミド化率は50%程度であるので、水酸基
および水素基が残存し、配向制御膜35aとスペーサ3
6との間に水素結合による接着力が生じている。また、
スペーサ36の材料自身がアクリル系樹脂であり、接着
性を持っている。これにより、基板20・30が強固に
接着され、均一なセル厚、高い耐ショック性、および良
好な表示品位を有する液晶表示素子が実現されている。
【0103】なお、比較のために、ポリイミドタイプの
配向膜材料(日本合成ゴム社製:商品名Al5417)
を用い、本実施形態と同様のプロセスによって液晶表示
素子を試作したところ、この液晶表示素子の上下基板
は、本実施形態の液晶表示素子に比較して接着性が弱
く、はがれ易いことが分かった。
【0104】また、スペーサ36を無機系の材料で形成
したところ、配向制御膜をポリアミック酸系樹脂で形成
した場合は接着性が得られたが、配向制御膜をポリイミ
ドタイプの材料で形成した場合は、接着性が得られなか
った。
【0105】これらの結果から、配向制御膜の材料とし
て、完全にイミド化されていないポリアミック酸系樹脂
を用いれば、スペーサの材料に関わらず、スペーサとの
間で良好な接着性が得られることが分かる。
【0106】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の液晶表示
素子は、第1および第2の基板の少なくとも一方が、柱
状あるいは壁状のスペーサを備え、少なくとも第1の基
板の配向制御膜が、熱重合型ポリアミック酸系樹脂から
なり、上記第1の基板の配向制御膜と第2の基板とが、
加熱処理によって互いに接着された構成である。
【0107】このように、第1および第2の基板が、柱
状あるいは壁状のスペーサによって均一な間隔を保った
状態で互いに貼り合わされるので、従来の粒子状スペー
サを基板上に散布する方法と比較して、セル厚の均一性
および耐ショック性が向上する。さらに、第1の基板の
配向制御膜は、接着性に優れた熱重合型ポリアミック酸
系樹脂から形成されているから、第1および第2の基板
が強固に貼り合わされる。この結果、均一なセル厚、高
い耐ショック性、および、高品位な表示を実現し得る液
晶表示素子を提供できるという効果を奏する。
【0108】請求項2記載の液晶表示素子は、スペーサ
が配向制御膜によって覆われ、第1の基板の配向制御膜
と、第2の基板の配向制御膜とが互いに接着されている
構成である。
【0109】これにより、請求項1記載の構成による効
果に加えて、スペーサ形成工程で一般的に用いられる溶
剤や現像液等によって配向制御膜が汚染されたり損傷し
たりすることが防止されると共に、スペーサの形成に焼
成工程を必要とする場合に、配向制御膜の焼成温度より
も高い焼成温度を必要とするスペーサ材料を使用するこ
とが可能となり、スペーサ材料の選択範囲が広がるとい
う効果を奏する。
【0110】請求項3記載の液晶表示素子は、スペーサ
が第2の基板の配向制御膜上に形成され、第1の基板の
配向制御膜と、上記スペーサの上面とが互いに接着され
ている構成である。
【0111】この構成では、第1の基板の配向制御膜
が、接着性に優れた熱重合型ポリアミック酸系樹脂から
なるので、スペーサの材料に関わらず、第1および第2
の基板が強固に接着される。この結果、セル厚を均一に
形成することができ、耐ショック性に優れ、高品位な表
示を実現し得る液晶表示素子を提供することが可能とな
るという効果を奏する。
【0112】請求項4記載の液晶表示素子は、液晶が強
誘電性液晶である。
【0113】強誘電性液晶は、例えばネマティック液晶
等と比較すると、衝撃に弱く、また良好な表示品位を実
現するためにはセル厚を厳密に均一化しなければならな
いという欠点を有する。しかし、上記の構成によれば、
均一なセル圧および高い耐ショック性が実現されている
ので、強誘電性液晶の欠点が補償され、請求項1記載の
構成による効果に加えて、優れた特性を有する強誘電性
液晶を用いた液晶表示素子を実用化へ導くことができる
という効果を奏する。
【0114】請求項5記載の液晶表示素子の製造方法
は、熱重合型ポリアミック酸系樹脂を塗布して焼成する
ことにより、少なくとも第1の基板に配向制御膜を形成
する第1工程と、上記第1の基板の配向制御膜と第2の
基板とを焼成しながら接着させる第2工程とを含む。
【0115】このように、配向制御膜の形成時に第1回
目の焼成を行い、必要に応じてラビング処理等を施した
後に、貼り合わせ工程において第2回目の焼成を行うこ
とにより、ポリアミック酸系樹脂に接着性を持たせ、第
1および第2の基板を強固に接着することができる。こ
の結果、均一なセル厚、高い耐ショック性、および高品
位な表示を実現し得る液晶表示素子を提供できるという
効果を奏する。
【0116】請求項6記載の液晶表示素子の製造方法
は、第1および第2の基板の少なくとも一方に対し、第
1工程に先立って、壁状または柱状のスペーサを形成す
る工程をさらに含み、第1および第2の基板の双方に対
して、第1工程にて、熱重合型ポリアミック酸系樹脂か
らなる配向制御膜を形成し、第2工程において、第1工
程における焼成温度よりも高い焼成温度にて、上記スペ
ーサの上面において第1および第2の基板の配向制御膜
を接着させる。
【0117】焼成温度とイミド化率との間には、焼成温
度が高くなるほどイミド化率も上昇するという関係があ
るので、第2工程の焼成(基板の貼り合わせ時)を、第
1工程の焼成(配向制御膜の形成時)よりも高温で行う
ことにより、第2工程においてイミド化を促進すること
ができる。すなわち、基板の貼り合わせ時にイミド化に
よる化学結合力が生じ、より高い接着強度を得られると
いう効果を奏する。
【0118】また、上記の製造方法では、配向制御膜に
先立ってスペーサの形成を行うことにより、スペーサ形
成工程で一般的に用いられる溶媒や現像液によって配向
制御膜が汚染されたり損傷されることを防止できると共
に、配向制御層よりも高い焼成温度を必要とするスペー
サ材料を使用することが可能となり、スペーサ材料の選
択範囲が広がるという利点も有する。
【0119】請求項7記載の液晶表示素子の製造方法
は、第1工程における焼成温度での上記熱重合型ポリア
ミック酸系樹脂のイミド化率をa%、第2工程における
焼成温度での上記熱重合型ポリアミック酸系樹脂のイミ
ド化率をb%とすると、 10≦b−a≦90 が満たされる。
【0120】このように、第1工程における焼成温度で
のイミド化率a%と、第2工程における焼成温度でのイ
ミド化率b%との差が10〜90%となるように焼成温
度を設定することにより、所望の接着力を得ることがで
きる。なお、上記のイミド化率の差が大きいほど、第2
工程での熱重合型ポリアミック酸系樹脂のイミド化によ
る化学結合が促進され、第1および第2の基板間の接着
力がより向上するという効果を奏する。
【0121】請求項8記載の液晶表示素子の製造方法
は、第1工程における焼成温度での上記熱重合型ポリア
ミック酸系樹脂のイミド化率が、10〜50%である。
【0122】このように、第1工程における焼成後も、
配向制御膜表面に接着可能な反応基を多く残すことで、
第2工程におけるイミド化を促進させ、第1および第2
の基板間の接着力がさらに向上するという効果を奏す
る。
【0123】請求項9記載の液晶表示素子の製造方法
は、第2工程における焼成温度での上記熱重合型ポリア
ミック酸系樹脂のイミド化率が、50〜100%であ
る。
【0124】上記の製造方法によれば、第2工程におい
て、熱重合型ポリアミック酸系樹脂からなる配向制御膜
のイミド化を促進させ、第1および第2の基板間の接着
をより強固なものとすることができるという効果を奏す
る。
【0125】請求項10記載の液晶表示素子の製造方法
は、第1工程における焼成温度と第2工程における焼成
温度とが等しい。
【0126】上記の製造方法によれば、第1回目の焼成
よりも高い温度で第2回目の焼成を行う方法に比べれ
ば、基板の接着強度は弱くなるものの、機械的強度をあ
まり必要としない液晶表示素子にとっては十分な強度
で、第1および第2の基板を接着させることができ、基
板の接着性と液晶の配向性との両方が良好な素子を提供
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る液晶表示素子の概
略構成を示す断面図である。
【図2】同図(a)ないし(e)は、製造工程の主要な
段階における上記液晶表示素子の概略構成を示す断面図
である。
【図3】ポリアミック酸系樹脂における焼成温度とイミ
ド化率との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施に係る他の形態としての液晶表示
素子の概略構成を示す断面図である。
【図5】同図(a)ないし(d)は、図4に示す液晶表
示素子の概略構成を、製造工程の主要な段階の順に示す
断面図である。
【図6】本発明の実施に係るさらに他の形態としての液
晶表示素子の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1a・1b 絶縁性基板 2a・2b 電極 3a 遮光膜 4a・4b 絶縁膜 5a・5b 配向制御膜 6 スペーサ 7 液晶 10・20 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390040604 イギリス国 THE SECRETARY OF ST ATE FOR DEFENCE IN HER BRITANNIC MAJES TY’S GOVERNMENT OF THE UNETED KINGDOM OF GREAT BRITAIN AN D NORTHERN IRELAND イギリス国 ハンプシャー ジーユー14 0エルエックス ファーンボロー アイヴ ェリー ロード(番地なし) ディフェン ス エヴァリュエイション アンド リサ ーチ エージェンシー (72)発明者 内田 秀樹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 玉井 和彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が光透過性を有する第1お
    よび第2の基板と、上記基板の各々に設けられた配向制
    御膜と、上記の基板間に挟持された液晶とを備えた液晶
    表示素子において、 第1および第2の基板の少なくとも一方が、柱状あるい
    は壁状のスペーサを備え、 少なくとも第1の基板の配向制御膜が、熱重合型ポリア
    ミック酸系樹脂からなり、 上記第1の基板の配向制御膜と第2の基板とが、加熱処
    理によって互いに接着されていることを特徴とする液晶
    表示素子。
  2. 【請求項2】スペーサが配向制御膜によって覆われ、 第1の基板の配向制御膜と、第2の基板の配向制御膜と
    が互いに接着されていることを特徴とする請求項1に記
    載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】上記スペーサが第2の基板の配向制御膜上
    に形成され、 第1の基板の配向制御膜と、上記スペーサの上面とが互
    いに接着されていることを特徴とする請求項1に記載の
    液晶表示素子。
  4. 【請求項4】上記液晶が強誘電性液晶であることを特徴
    とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】少なくとも一方が光透過性を有する第1お
    よび第2の基板間に液晶を封入してなる液晶表示素子の
    製造方法において、 熱重合型ポリアミック酸系樹脂を塗布して焼成すること
    により、少なくとも第1の基板に配向制御膜を形成する
    第1工程と、 上記第1の基板の配向制御膜と第2の基板とを焼成しな
    がら接着させる第2工程とを含むことを特徴とする液晶
    表示素子の製造方法。
  6. 【請求項6】第1および第2の基板の少なくとも一方に
    対し、第1工程に先立って、壁状または柱状のスペーサ
    を形成する工程をさらに含み、 第1および第2の基板の双方に対して、第1工程にて、
    熱重合型ポリアミック酸系樹脂からなる配向制御膜を形
    成し、 第2工程において、第1工程における焼成温度よりも高
    い焼成温度にて、上記スペーサの上面において第1およ
    び第2の基板の配向制御膜を接着させることを特徴とす
    る請求項5に記載の液晶表示素子の製造方法。
  7. 【請求項7】第1工程における焼成温度での上記熱重合
    型ポリアミック酸系樹脂のイミド化率をa%、第2工程
    における焼成温度での上記熱重合型ポリアミック酸系樹
    脂のイミド化率をb%とすると、 10≦b−a≦90 が満たされることを特徴とする請求項6に記載の液晶表
    示素子の製造方法。
  8. 【請求項8】第1工程における焼成温度での上記熱重合
    型ポリアミック酸系樹脂のイミド化率が10〜50%で
    あることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示素子の
    製造方法。
  9. 【請求項9】第2工程における焼成温度での上記熱重合
    型ポリアミック酸系樹脂のイミド化率が50〜100%
    であることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示素子
    の製造方法。
  10. 【請求項10】第1工程における焼成温度と第2工程に
    おける焼成温度とが等しいことを特徴とする請求項5に
    記載の液晶表示素子の製造方法。
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