JPH10268679A - 定着用ベルト及びその製造方法 - Google Patents

定着用ベルト及びその製造方法

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JPH10268679A
JPH10268679A JP9171197A JP9171197A JPH10268679A JP H10268679 A JPH10268679 A JP H10268679A JP 9171197 A JP9171197 A JP 9171197A JP 9171197 A JP9171197 A JP 9171197A JP H10268679 A JPH10268679 A JP H10268679A
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fixing belt
elastic layer
layer
heat
particles
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JP9171197A
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English (en)
Inventor
Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
Masahiro Miyamoto
昌宏 宮本
Katsuya Yamada
克弥 山田
Toshihiko Takiguchi
敏彦 滝口
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チューブ状基材上に弾性層と離型層の少なく
とも2層がこの順に形成された定着用ベルトであって、
これら両層間の接着力が顕著に改善されて、耐久性に優
れた定着用ベルト、及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 チューブ状基材上に、耐熱性エラストマ
ーからなる弾性層が形成され、該弾性層の上に、シリコ
ーンゴム、フッ素ゴム、及びフッ素樹脂からなる群より
選ばれる少なくとも一種からなる離型層が形成された定
着用ベルトであって、弾性層が、耐熱性エラストマー中
に平均粒子径20〜100μmの塊状粒子を分散させた
エラストマー組成物から形成され、かつ、弾性層表面に
塊状粒子の除去による孔が形成されることによって、弾
性層と離型層との界面に微小な凹凸が形成されているこ
とを特徴とする定着用ベルト、及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電子写真
複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の
画像形成装置の定着部において使用される定着用ベルト
に関し、さらに詳しくは、高速でモノクロ画像が出力で
きる機種、部分カラーまたはフルカラー画像が出力でき
る機種等の定着部に好適に用いられる弾性を持つ定着用
ベルトに関する。ただし、本発明の定着用ベルトは、こ
れと同様の特性(弾性や非汚染性など)を活用する圧着
用ベルトや搬送用ベルト等の類似製品への用途を除外す
るものではない。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機、ファクシミリ、プリン
ターなどの画像形成装置において、印刷・複写の最終段
階では、一般に、転写材(例、転写紙)上のトナーを加
熱溶融して、トナー像を転写紙上に定着させている。よ
り具体的に、電子写真複写機では、潜像担持体(例、
感光体ドラム)上に像露光を行って静電潜像を形成する
工程、静電潜像に現像剤(トナー)を付着させて可視
像(トナー像)とする工程、感光体ドラム上のトナー
像を転写紙上に転写する工程、転写紙上の未定着のト
ナー像を、加熱等の方法で転写紙上に定着させる工程を
経て複写が行われている。トナーとしては、通常、結着
樹脂中にカーボンブラックなどの着色剤を分散させた着
色樹脂粒子が用いられている。
【0003】定着方法としては、熱定着方式が一般的で
あり、従来より、図1に示すような熱ローラ定着方法が
汎用されている。熱ローラ定着法では、内部に熱ヒータ
ー2を配置し、外周を離型性の良いゴムまたは樹脂で被
覆したヒートローラ(定着用ローラ)1をゴムローラ
(加圧用ローラ)5と圧接させ、そのローラ間にトナー
像3が形成された転写紙4を通過させてトナーを加熱
し、転写紙上に融着させている。ヒートローラは、トナ
ーの結着樹脂の溶融温度以上の温度に加熱されている。
熱ローラ定着法は、運転中、ヒートローラ全体が所定の
温度に保持されるため、高速化に適している反面、運転
開始時の待ち時間が長いという欠点を有している。すな
わち、装置の運転開始時にヒートローラを所定の温度に
まで加熱する時間が必要であるため、電源投入から運転
可能となるまでの間に、比較的長い待ち時間が発生す
る。しかも、ヒートローラ全体を加熱しなければならな
いため、消費電力も大きい。
【0004】そこで、近年、図2に示すように、薄肉チ
ューブ状のエンドレスベルトを介して、ヒーターによ
り、転写紙上のトナーを加熱する定着方法が提案されて
いる。このエンドレスベルト定着法では、定着用ベルト
6とゴムローラ10とを圧接させ、この間にトナー像8
が形成された転写紙9を通過させ、その際、ヒーター7
によりトナーを加熱融着させて定着させている。この定
着法では、薄いフィルム状のベルト6を介するだけで、
ヒーター7により実質的に直接トナーを加熱するため、
加熱部が短時間で所定の温度に達し、電源投入時の待ち
時間がほぼゼロとなる。さらに、この定着法では、定着
に必要な部分のみを加熱するため、熱ローラ定着法に比
べて、消費電力が少ないという利点がある。
【0005】従来、エンドレスベルト定着法に用いられ
る定着用ベルトとしては、耐熱性、弾力性、強度、ベル
ト内面の絶縁性、ベルト外面の離型性などを考慮して、
ポリイミド製のエンドレスベルト(すなわち、ポリイミ
ドチューブ)の外面に、フッ素樹脂のコーティング層を
離型層として設けたものが用いられている。このような
定着用ベルトは、主として、着色剤としてカーボンブラ
ックを含有する単色トナーのみを定着するモノクロ用レ
ーザービームプリンターに用いられている。
【0006】一方、フルカラー用レーザービームプリン
ターなどのフルカラーの画像形成装置では、一般に、
赤、黄、青、黒の4色のトナーが用いられている。フル
カラーのトナー像を定着させるには、単にトナーを軟化
して加圧しながら定着させる単色トナーの場合とは異な
り、複数種のカラートナーを溶融に近い状態で混色する
ため、トナーを溶融状態にまですることが求められる。
ところが、従来の定着用ベルトをフルカラー用レーザー
ビームプリンターの定着部に用いた場合には、ベルト表
面の弾力性が不足しているため、カラートナーを充分に
包み込むことができず、その結果、複数種のカラートナ
ーを溶融状態で混色させることが困難で、満足できる定
着を行うことができなかった。
【0007】定着用ベルトの表面に充分な弾力性を付与
させるためには、例えば、ポリイミドチューブの外面に
シリコーンゴム等の耐熱性エラストマーからなる弾性層
を形成することが考えられる。さらに、トナーに対する
離型性を高めるために、弾性層の上に離型層を形成する
ことが考えられる。離型層は、離型性に優れたフッ素樹
脂やフッ素ゴムを用いて形成するか、あるいは特性の異
なるシリコーンゴムに弾性と離型性の機能を分担させ
て、弾性層と離型層の複数の層に成形することができ
る。しかしながら、このような積層構成の定着用ベルト
の最大の問題は、弾性層と離型層との間の層間接着力が
小さく、耐久性が充分ではないことである。定着用ベル
トの耐久性が不足していると、複写機等の定着用ベルト
の交換頻度が高くなり、装置メンテナンス費用が嵩むこ
とになる。定着用ローラに関する従来技術を定着用ベル
トに適用しても、上記の問題を克服することは困難であ
る。
【0008】すなわち、従来、フルカラー画像用の定着
用ローラとして、HTV型(高温硬化型)シリコーンゴ
ムを弾性層とし、その上に、フッ素ゴムやRTV型(室
温硬化型)シリコーンゴムなどからなる離型層を順に積
層した構造のものが知られているが、各層間は、接着処
理の難しい材料同士の異種材料間接着になっているた
め、接着力を上げることが難しく、せいぜい数十g/c
mの剥離強度しか得られなかった。このため、これまで
のフルカラー複写機用の定着用ローラでは、A4用紙で
2万枚程度コピーするか、あるいはOHP用紙をコピー
することなどにより、層間剥離が発生していた。また、
従来の高速モノクロ画像用定着用ローラでは、シリコー
ンゴムを弾性層とし、その上にフッ素樹脂からなる離型
層を積層した構造となっているが、この場合も、接着処
理の難しい材料同士の異種材料間接着になっているた
め、接着力を上げることが難しく、数十g/cm程度の
剥離強度しか得られなかった。
【0009】特公平7−19104号公報及び特公平7
−78659号公報には、定着用ローラの弾性層のシリ
コーンゴム中に0.5〜15μmの大きさの無機フィラ
ーを分散混入させ、弾性層の研磨時に表面の無機フィラ
ーを脱落させて孔を形成した後、その上に離型層を積層
することにより、層間接着力の改善を図る方法が提案さ
れている。しかしながら、このような小さな粒径の無機
フィラーを用いたのでは、弾性層と離型層との間の接着
力の向上に必要な大きさの凹凸が形成されないため、層
間の剥離強度は低く、最大で百数十g/cm程度の剥離
強度しか得られていない。したがって、この方法は、両
層を物理的に強固に接着させるために充分なものとはい
えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、チュ
ーブ状基材上に弾性層と離型層の少なくとも2層がこの
順に形成された定着用ベルトであって、これら両層間の
接着力が顕著に改善されて、耐久性に優れた定着用ベル
ト、及びその製造方法を提供することにある。本発明者
らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究
した結果、耐熱性エラストマー中に平均粒子径20〜1
00μmの塊状粒子を分散させたエラストマー組成物か
ら弾性層を形成し、次いで、弾性層表面の塊状粒子を除
去して孔を形成した後、その上に離型層を形成すること
により、アンカー効果が顕著に向上し、層間接着力がよ
り強力となって、耐久性に優れた定着用ベルトの得られ
ることを見出した。弾性層表面の塊状粒子の除去は、研
磨処理により行うことができるが、塊状粒子として水溶
性粒子や昇華性の界面活性剤を用いると、水に溶かした
り、あるいは加熱して昇華させることにより、効果的に
孔を形成することができる。このようにして、表面に多
数の孔を形成した弾性層の上に離型層を形成すると、両
者の界面は微小な凹凸構造により密着することになり、
それによって、層間接着力が顕著に増大する。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、チュー
ブ状基材上に、耐熱性エラストマーからなる弾性層が形
成され、該弾性層の上に、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、及びフッ素樹脂からなる群より選ばれる少なくとも
一種からなる離型層が形成された定着用ベルトであっ
て、弾性層が、耐熱性エラストマー中に平均粒子径20
〜100μmの塊状粒子を分散させたエラストマー組成
物から形成され、かつ、弾性層表面に塊状粒子の除去に
よる孔が形成されることによって、弾性層と離型層との
界面に微小な凹凸が形成されていることを特徴とする定
着用ベルトが提供される。また、本発明によれば、チュ
ーブ状基材上に、耐熱性エラストマー中に平均粒子径2
0〜100μmの塊状粒子を分散させたエラストマー組
成物からなる弾性層を形成し、次いで、弾性層表面の塊
状粒子を除去して孔を形成した後、その上に、シリコー
ンゴム、フッ素ゴム、及びフッ素樹脂からなる群より選
ばれる少なくとも一種からなる離型層を形成することを
特徴とする定着用ベルトの製造方法が提供される。
【0012】定着用ベルトに関する発明の好ましい実施
態様は、以下のとおりである。 (1)弾性層と離型層との界面に、JIS B−060
1に規定される最大高さ(Rmax)が15〜80μm
の微小な凹凸が形成されている前記の定着用ベルト。 (2)塊状粒子の平均粒子径が20〜50μmである前
記の定着用ベルト。 (3)エラストマー組成物中に塊状粒子が10〜40体
積%の割合で含有されている前記の定着用ベルト。 (4)塊状粒子が、無機フィラー、水溶性粒子、及び昇
華性の界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一
種である前記の定着用ベルト。 (5)無機フィラーが、窒化ホウ素、シリカ、及びアル
ミナからなる群より選ばれる少なくとも一種である第4
項記載の定着用ベルト。 (6)水溶性粒子が、塩化ナトリウム及び炭酸カルシウ
ムからなる群より選ばれる少なくとも一種である第4項
記載の定着用ベルト。 (7)昇華性の界面活性剤が、100℃以上の昇華点を
有する化合物である第4項記載の定着用ベルト。 (8)耐熱性エラストマーが、シリコーンゴム、フッ素
ゴム、及びシリコーンゴム−エチレンプロピレンゴム共
重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種である前
記の定着用ベルト。 (9)シリコーンゴムが、フロロシリコーンゴム及びメ
チルフェニルシリコーンゴムからなる群より選ばれる少
なくとも一種である第8項記載の定着用ベルト。 (10)離型層が、フロロシリコーンゴム及びメチルフ
ェニルシリコーンゴムからなる群より選ばれる少なくと
も一種から形成されたものである前記の定着用ベルト。 (11)離型層が、RTV型のシリコーンゴムから形成
されたものである前記の定着用ベルト。 (12)離型層が、フッ素樹脂から形成されたものであ
る前記の定着用ベルト。
【0013】定着用ベルトに関する発明の好ましい実施
態様は、以下のとおりである。 (1)塊状粒子が、無機フィラー、水溶性粒子、及び昇
華性の界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一
種である前記の定着用ベルトの製造方法。 (2)耐熱性エラストマー中に平均粒子径20〜100
μmの塊状粒子を分散させたエラストマー組成物から弾
性層を形成した後、研磨処理することにより弾性層表面
の塊状粒子を除去して孔を形成する前記の定着用ベルト
の製造方法。 (3)弾性層表面の研磨処理後に、水溶性粒子を水に溶
かすか、あるいは昇華性の界面活性剤を昇華させて、こ
れらの粒子を除去する前記の定着用ベルトの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の定着用ベルトは、耐熱
性プラスチックチューブや金属チューブなどのチューブ
状基材上に、耐熱性エラストマーと塊状粒子を含有す
るエラストマー組成物からなる弾性層が形成され、さら
にその上に、シリコーンゴム、フッ素ゴム、及びフッ
素樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種からなる
離型層が形成された積層構成を有するものである。研磨
処理等により、弾性層表面の塊状粒子を除去して孔を形
成した後、その上に離型層が形成される。本発明の目的
を阻害しない範囲内において、プライマー処理層などの
付加的な層が存在してもよい。
【0015】内層の弾性層には、通常、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、シリコーンゴム−エチレンプロピレン
ゴム共重合体などの耐熱性エラストマー、あるいはこれ
らの2種以上の混合物を用いる。耐熱性エラストマーと
は、定着用ベルトに形成した場合、定着温度での連続使
用に耐える程度の耐熱性を有するものをいう。耐熱性エ
ラストマーとしては、耐熱性が特に優れている点で、シ
リコーンゴム、フッ素ゴム、またはこれらの混合物が好
ましい。
【0016】弾性層を形成するシリコーンゴムとして
は、通常、ミラブルタイプのHTV型(高温硬化型)シ
リコーンゴムが使用される。このようなシリコーンゴム
としては、ジメチルシリコーンゴム、フロロシリコーン
ゴム、メチルフェニルシリコーンゴムなどが挙げられ
る。耐油性の点からは、シリコーンゴムの中でもフロロ
シリコーンゴムまたはメチルフェニルシリコーンゴムを
単独で用いるか、あるいは併用することが好ましい。
【0017】弾性層の厚みは、用途や設置する機械装置
の構造、目標とする弾性、用いる材料の高度等を勘案し
て適宜設置されるが、一般的には100μm〜3mmの
範囲に設定されることが多い。勿論、これより厚い膜厚
に成形した後に研磨等により必要な膜厚に加工してもよ
い。弾性層は、チューブ状基材上にプライマーを介して
積層してもよく、該基材をブラスト、電気化学的エッチ
ング、化学的エッチングのいずれか、もしくはそれらを
組み合わせた方法により粗面化して、さらに必要に応じ
てプライマーを介して積層してもよい。
【0018】外層の離型層は、シリコーンゴム、フッ素
ゴム、フッ素樹脂、またはこれらの2種以上の混合物
(例、シリコーンゴムとフッ素ゴムとの混合物)を用い
て形成するが、トナー離型性の観点から、シリコーンゴ
ムまたはフッ素樹脂を用いることが好ましい。離型層の
シリコーンゴムとしては、HTV(高温硬化型)、LT
V(低温硬化型)、及びRTV(室温硬化型)のいずれ
を用いてもよいが、平滑な表面が得られ、良好な定着画
像が得られる点で、特にRTV型シリコーンゴムが好ま
しい。シリコーンゴムの化学構造としては、ジメチルシ
リコーン、フロロシリコーン、メチルフェニルシリコー
ンなどがあり、いずれを用いてもよいが、特に耐油性と
高耐久性を付与するため、フロロシリコーンまたはメチ
ルフェニルシリコーンを単独で用いるか、あるいは両者
を併用することが好ましい。
【0019】離型層のフッ素樹脂としては、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(P
FA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロ
エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフル
オロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)等任意のものが選択でき、それらを
2種以上の混合物として用いてもよい。これらの材料形
態としては、ディスパージョン、粉体等のいずれでもよ
く、また、チューブ状等に成形されていてもよい。フッ
素樹脂の中でも、耐熱性や離型性(非汚染性、非粘着
性)の観点から、PTFE、PFA、FEPのいずれ
か、あるいはその2種以上の混合物がより好ましく用い
られる。
【0020】離型層の厚みも、用途や設置する機械装置
の構造、目標とする弾性、用いる材料の硬度、弾性層の
硬度、摩耗耐久性等を勘案して適宜設定されるが、一般
的には5〜300μmに設定される。本発明では、内層
の弾性層と外層の離型層との界面にアンカー効果を発揮
するような15〜80μmの大きさの孔(凹凸)を均一
に形成することを特徴としている。この孔(凹凸)の大
きさは、JIS B−0601に規定される最大高さ
(Rmax)によって定義される。このような孔を形成
するため、平均粒子径が20〜100μm、好ましくは
20〜50μmの大きさの塊状粒子を耐熱性エラストマ
ーに練り込んだエラストマー組成物を用いて弾性層を形
成する。そして、この塊状粒子を研磨時に弾性層の表面
から除去することにより、弾性層表面がえぐり取られた
ようになり、蛸壷状の孔が形成される。鱗片状粒子の場
合、このような蛸壷状の孔は形成されない。研磨時に除
去する塊状粒子としては、無機フィラーが好ましいが、
中でも窒化ホウ素粒子は、摺動性を持っているので研磨
時に脱落しやすく、孔が形成されやすい。塊状粒子の平
均粒子径は、島津製作所製のUV光散乱型の粒度分布測
定器SALD−1100を用い、面積基準分布のモード
平均値で求めた。
【0021】塊状粒子として水溶性粒子を用いると、研
磨後に、弾性層表面からこれを水に溶かし出すことによ
り、より複雑な蛸壷状の微細な凹凸が形成される。水溶
性粒子としては、塩化ナトリウムや炭酸カルシウムが好
ましく、含水によって凝集した水溶性粒子については、
粉砕し、乾燥してから弾性層のゴムに練り込むことが好
ましい。塊状粒子として昇華性の界面活性剤を用いる
と、弾性層を加熱して粒子を昇華させることにより孔を
形成することができる。この場合、弾性層のプレス成形
時には昇華するが、金型内では発泡しないよう、昇華温
度が100〜200℃の範囲内の界面活性剤であること
が好ましい。
【0022】さらに、ここに示した無機フィラー、水溶
性粒子、昇華性の界面活性剤は、それぞれ単独で練り込
んでもよい。しかし、これらの2種以上の混合物を用い
ることにより、さらに複雑な凹凸が弾性層表面に形成さ
れ、離型層との物理的接着力が向上することが期待でき
る。弾性層に練り込む塊状粒子の量は、10〜40体積
%の範囲が望ましい。10体積%より少ないと内層表面
に形成される孔の数が少なく、アンカー効果が充分に発
揮されない。また、40体積%より多いと、弾性層のゴ
ムの強度が大幅に低下し、耐久性が低下する。このよう
にして孔を形成した内層の弾性層の上に、外層である離
型層を被覆すると、外層が内層表面の凹凸に食い込み、
強い層間接着力が得られる。
【0023】本発明の定着用ベルトの基材には、チュー
ブ(すなわち、エンドレスベルト)を用いる。チューブ
の材質としては、通常、耐熱性プラスチックまたは金属
を用いる。耐熱性プラスチックとしては、例えば、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾー
ル等が用いられるが、これらの中でも特にポリイミドが
好ましい。金属チューブとしては、例えば、アルミニウ
ム、ステンレス、鉄、ニッケル、及びこれらの合金が用
いられるが、電磁誘導加熱方式によって金属チューブを
加熱することを考慮した場合、鉄、ニッケル、及びこれ
らの合金、またはフェライト系ステンレスが好ましい。
電磁誘導加熱方式を採用する場合には、ヒーターに代え
て、高周波コイルなどの電磁誘導発熱用コイルを配置す
る。チューブ状基材の厚さは、通常10〜100μm、
好ましくは30〜60μmである。
【0024】チューブ状基材または定着用ベルトの外径
は、定着装置の大きさなどによって適宜定めることがで
きるが、通常、15〜150mm、好ましくは20〜1
00mm程度である。定着用ベルトの長さは、転写紙な
どの転写材の幅に応じて適宜定めることができる。図3
に、本発明の定着用ベルトの一例を示す。チューブ状基
材11の上に、弾性層12が形成され、さらにその上
に、離型層13が形成されている。
【0025】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例を
挙げてより具体的に説明する。
【0026】[実施例1]ポリイミドワニス(宇部興産
製UワニスS)を用い、常法に従って円筒状金型を用い
て、厚み50μm、外径27.6mmのポリイミドチュ
ーブを作製した。このチューブの上に、厚さ2mmの内
層エラストマー(弾性層)を被覆し、その上に厚さ20
0μmの外層ゴムまたは外層樹脂(離型層)を被覆した
構造のものを作製した。まず、ポリイミドチューブ上に
プライマー(信越化学社製プライマーX−93−80
5)を刷毛塗りし、80℃で30分間乾燥させた。弾性
層用エラストマーとして、表1〜2に示した各生ゴムに
充填剤粒子を練り込み、さらにパーオキサイド加硫剤
(信越化学製のC−8A)を0.5重量部練り込んだ。
この弾性層用エラストマーを約4mmの厚さにシーティ
ングしたものをポリイミドチューブ上に巻き付け、金型
にてプレス成形して3mm厚さで被覆した。プレス温度
は160℃、プレス時間は60分間であった。次いで、
被覆した弾性層の表面を回転砥石で均一に研磨し、厚さ
を2mmとした。
【0027】表1〜2で水溶性粒子を弾性層用エラスト
マーに配合したものについては、研磨後に60℃の水に
6時間浸漬し、その後100℃で30分間乾燥させた。
このようにして弾性層の表面に、表1〜2に示した大き
さの孔を形成した。この上に外層である離型層として、
表1〜2に示した配合のゴムまたはフッ素樹脂を被覆し
た。被覆厚さは200μmとした。シリコーンゴムの場
合、液状のRTV型シリコーンゴムに、弾性層を形成し
たポリイミドチューブを浸漬してから、ゆっくり引き上
げて塗布し、120℃で1時間、180℃で1時間熱処
理した。フッ素樹脂は、水分散液であるダイキン工業社
製のEK4300CRをスプレーで塗布し、100℃で
30分間、380℃で15分間熱処理した。
【0028】層間接着力の測定 こうして完成させた定着用ベルトの内層と外層の接着力
を測定した。具体的には、図3に示すように、離型層1
3の一部14を剥離して引張試験機のクランプ15に取
り付け、50mm/分の速度で剥離して、180°の剥
離強度(接着力)を測定した。その結果、表1〜2に示
すように、弾性層に孔が形成されたサンプルでは、接着
力が大幅に向上していることがわかる。耐久試験 定着用ベルトを図4に示すように、実際の定着を擬した
回転耐久試験装置に装着して回転させた。ウエブ16を
介して、定着用ベルト17にシリコーンオイル(信越化
学製ジメチルシリコーンオイルKF96H)を塗布し
た。回転耐久試験時は、定着用ベルト17の表面温度が
180℃で一定になるように、中空の定着用ベルトの内
部に挿入したハロゲンヒーター19の出力を制御した。
定着用ベルト17は、加圧用ローラ18と接触させて回
転させた。この回転耐久試験機を用いて、外層が内層か
ら剥離するまでの時間を測定したところ、各実施例で
は、耐久時間が大幅に延長されていることがわかる。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】(脚注) *HTVジメチルシリコーン:信越化学社製KE931
U *HTVフロロシリコーン:信越化学社製FE241U *HTVメチルフェニリシリコーン:信越化学社製KE
7016U *RTVジメチルシリコーン:信越化学社製KE193
5 *RTVフロロシリコーン:信越化学社製FE61 *昇華性界面活性剤:住友3M社製フロラードFC−1
43 <回転耐久時間> ◎:1000時間以上でも離型層が剥離しない。 ○:500時間以上、1000時間未満で離型層が剥離
する。 ×:500時間未満で離型層が剥離する。 <脆さ> ○:内層の弾性層が脆い。 ×:内層の弾性層が脆くない。
【0032】
【発明の効果】本発明により、弾性層と離型層との層間
接着力が著しく高められた結果、弾性を有する定着用ベ
ルトの耐久性を顕著に改善することができる。本発明の
定着用ベルトは、電子写真複写機、レーザービームプリ
ンター、ファクシミリ等の特に高速でモノクロ画像が出
力できる機種、あるいは部分カラーまたはフルカラー画
像が出力できる機種等の定着部に好適に用いることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱ローラ定着法の説明図である。
【図2】エンドレスベルト(定着用ベルト)を用いた定
着法の説明図である。
【図3】本発明の定着用ベルトの積層構成と層間接着力
の測定法を示す図である。
【図4】回転耐久試験機の模式図である。
【符号の説明】
1:定着用ローラ 2:ヒーター 3:トナー 4:転写紙 5:加圧用ローラ 6:定着用ベルト 7:ヒーター 8:トナー 9:転写紙 10:加圧用ローラ 11:チューブ状基材 12:弾性層 13:離型層 14:離型層の剥離部分 15:クランプ 16:ウエブ 17:定着用ベルト 18:加圧用ローラ 19:ハロゲンランプヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝口 敏彦 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チューブ状基材上に、耐熱性エラストマ
    ーからなる弾性層が形成され、該弾性層の上に、シリコ
    ーンゴム、フッ素ゴム、及びフッ素樹脂からなる群より
    選ばれる少なくとも一種からなる離型層が形成された定
    着用ベルトであって、弾性層が、耐熱性エラストマー中
    に平均粒子径20〜100μmの塊状粒子を分散させた
    エラストマー組成物から形成され、かつ、弾性層表面に
    塊状粒子の除去による孔が形成されることによって、弾
    性層と離型層との界面に微小な凹凸が形成されているこ
    とを特徴とする定着用ベルト。
  2. 【請求項2】 弾性層と離型層との界面に、JIS B
    −0601に規定される最大高さ(Rmax)が15〜
    80μmの微小な凹凸が形成されている請求項1記載の
    定着用ベルト。
  3. 【請求項3】 塊状粒子の平均粒子径が20〜50μm
    である請求項1記載の定着用ベルト。
  4. 【請求項4】 弾性層が、塊状粒子を10〜40体積%
    の割合で含有するエラストマー組成物から形成されてい
    る請求項1記載の定着用ベルト。
  5. 【請求項5】 耐熱性エラストマーが、シリコーンゴム
    及びフッ素ゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種
    である請求項1記載の定着用ベルト。
  6. 【請求項6】 チューブ状基材上に、耐熱性エラストマ
    ー中に平均粒子径20〜100μmの塊状粒子を分散さ
    せたエラストマー組成物からなる弾性層を形成し、次い
    で、弾性層表面の塊状粒子を除去して孔を形成した後、
    その上に、シリコーンゴム、フッ素ゴム、及びフッ素樹
    脂からなる群より選ばれる少なくとも一種からなる離型
    層を形成することを特徴とする定着用ベルトの製造方
    法。
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