JPH10270217A - Ptc素子を用いた限流器及び配線用遮断器 - Google Patents

Ptc素子を用いた限流器及び配線用遮断器

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JPH10270217A
JPH10270217A JP7403497A JP7403497A JPH10270217A JP H10270217 A JPH10270217 A JP H10270217A JP 7403497 A JP7403497 A JP 7403497A JP 7403497 A JP7403497 A JP 7403497A JP H10270217 A JPH10270217 A JP H10270217A
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ptc
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JP7403497A
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Makoto Tani
信 谷
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PTC素子を用いた限流器により過電流が限
流される際に発生するサージ電圧の発生を抑制した信頼
性に優れる限流器、およびこの限流器を用いて小型で遮
断容量の増大した配線用遮断器を提供する。 【解決手段】 室温抵抗率および/または相転移温度の
異なる複数の部位から構成されるPTC素子10を、金
属製の端子板32・33に嵌挿して接続して限流器30
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、短絡電流等の過
大な電流から構内配線系統あるいは構内配線系統等に配
設された電力機器を保護するために使用される限流器お
よび配線用遮断器に関し、さらに詳しくは、室温抵抗率
および/または相転移温度の異なる少なくとも複数のP
TC部位から構成されたPTC素子によって過電流発生
からPTC素子の抵抗転移までの時間に幅をもたせて、
PTC素子の抵抗変化にともなうサージ電圧の発生を抑
制した限流器およびこの限流器を用いた配線用遮断器に
関する。
【0002】
【従来の技術】 電力を供給するケーブルや電気製品の
電気コードといった線材には、それらの線材に流すこと
ができる最大電流値(定格容量)が決められており、こ
の決められた値よりも大きな電流を線材に流した場合に
は、線材と他の装置の接点において、スパークが生じて
発火したり、線材の絶縁被覆が線材の加熱により溶融し
て漏電の原因となることがある。
【0003】 このような事故を防ぐために、定格容量
以上の過大な電流が線材に流れた場合に、この電流を遮
断して構内配線系統を保護する役割を果たすものが配線
用遮断器(Molded Case Circuit
Breaker:以下、MCCBと略す)である。この
MCCBは一般的にブレーカと呼ばれ、電源側と負荷側
との構内配線系統の間に挿入、接続されて用いられる。
【0004】 このMCCBの構造は、一般的に電路の
開閉遮断を行う開閉機構と、定格電流よりも大きな電流
に対して電流値に応じて自動的に電路の開閉遮断を行う
引き外し装置とが絶縁容器内に組み込まれ、この絶縁容
器外部に、これらの電流遮断機構と通ずる電力供給側端
子、および負荷接続側端子が設けられたものとなってい
る。なお、ここでいう電路とは、MCCB内における電
力供給側端子と負荷接続側端子との間の配線路をいう。
【0005】 このようなMCCBの電流遮断容量を増
大させるために、MCCB自体の引き外し機構はそのま
まにして、電路に流れる過電流を限流する装置をMCC
Bに取付けることによって、MCCBの実質的な電流遮
断容量を増大させる試みがなされている。このような限
流装置としては、電磁反発機構、限流ヒューズ、PTC
抵抗素子等が検討されている。
【0006】 たとえば、特開平4−351825号公
報には、PTC素子を用いた限流器が提案されている。
PTC素子は、PTC素子を構成する材料により定まる
所定の温度(相転移温度)以上にPTC素子が加熱され
た場合に、急激に抵抗値が上昇して、電流を制限するも
のである。したがって、このPTC素子を用いた限流器
によれば、過負荷電流や過電流によってPTC素子には
PTC素子の抵抗成分に起因するジュール熱が発生し、
この発生した熱によりMCCB内の開閉機構を作動させ
て過電流が遮断される。したがって、PTC素子が高抵
抗となることにより、短絡電流が限流されるために、遮
断電流容量の小さいMCCBで実用上、電流遮断容量を
高容量化することができる利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この
ようにPTC素子を用いた場合には、図5に示されるよ
うに、PTC素子が過電流により相転移温度に到達し
て、急激に抵抗値が増大して、限流を制限する瞬間に、
PTC素子にかかる電圧もまた急激に増大して、その大
きさは電源電圧の5〜10倍にも達していることがわか
る。このような急激な大電圧の発生はサージと言われ、
このサージ電圧はPTC素子に絶縁破壊という損傷をも
たらして電路の電流の遮断を行えなくしたり、PTC素
子の温度を急激に上昇させて限流器を焼付かせたりする
等の事故の原因となる。
【0008】 電源から負荷までの配線は、配線の太さ
や長さに応じたインピーーダンスを持っており、短絡事
故時の電流は、この配線インピーダンスと電源電圧とか
ら定まる。JIS−C8370は、MCCBの短絡遮断
試験回路定数として、適用する配線インピーダンスを遮
断容量に応じて規定している。
【0009】 一般に、短絡電流の小さな配線のインピ
ーダンスは抵抗性であるのに対して、短絡電流の大きな
配線のインピーダンスはインダクタンス性である。この
ため、PTC素子を使用してMCCBの遮断容量を増大
させる場合には、配線インピーダンスは、インダクタン
ス性であり、PTC素子が急激に抵抗を増加して過電流
を限流しようとすると、インダクタンスの作用により電
流の減少を妨げるように、サージ電圧が発生する。
【0010】
【課題を解決するための手段】 そこで、本発明者はこ
のPTC素子の限流作用にともなうサージ電圧の発生を
抑制し、より信頼性の高い限流器および配線用遮断器を
提供すべく検討を行い、本発明に到達した。すなわち、
本発明によれば、所定の相転移温度になると抵抗値が上
昇する正の抵抗温度係数を有するPTC素子を電路に備
えて、該電路に過電流が流れることにより、当該PTC
素子の温度が上昇して抵抗転移温度に至ると抵抗値が上
昇して過電流を抑制するPTC素子を用いた限流器であ
って、前記PTC素子は、金属製の第一の端子および第
二の端子の間に嵌合されて電流路を形成し、当該PTC
素子内の部位によって過電流が当該PTC素子に通電し
た際の相転移温度までの到達時間を異ならしめて当該過
電流による当該PTC素子の全抵抗の時間変化を緩慢と
することにより、当該PTC素子の抵抗変化にともなう
サージ電圧の発生を抑制することを特徴とする限流器、
が提供される。
【0011】 このような限流器において、PTC素子
は室温抵抗率および/または相転移温度の異なる少なく
とも複数のPTC部位から一体的に構成され、当該PT
C部位が金属製の前記第一の端子および前記第二の端子
の間に電気的に直列あるいは並列に接続されていること
が好ましい。さらに、PTC素子として、室温抵抗率の
異なるPTC部位を端成分として、一方の端成分PTC
部位から他方の端成分PTC部位に向かって室温抵抗率
が連続的に、あるいは段階的に変化している傾斜機能材
料も好適に使用される。
【0012】 さらに、このような限流器に使用される
PTC素子としては、クリストバライトと導電性材料と
の混合比率を調整することによって室温抵抗率を調整し
た少なくとも複数の部位から構成されているPTC素
子、あるいは、三酸化二バナジウム(V23)を主成分
として、当該三酸化二バナジウムに添加する三酸化二ク
ロム(Cr23)の量を調整することによって当該PT
C素子の相転移温度を調整した少なくとも複数の部位か
ら構成されているPTC素子が好ましい。
【0013】 また、本発明によれば、電路に短絡電流
等の過電流が流れると、温度が上昇してその温度が所定
の相転移温度に達すると抵抗値が増大して当該過電流を
限流するPTC素子を備えた限流器を配設した配線用遮
断器であって、前記限流器が、上述した室温抵抗率およ
び/または相転移温度の異なる少なくとも複数のPTC
部位からなるPTC素子を金属製の第一の端子および第
二の端子の間に嵌合して電流路を形成した限流器である
ことを特徴とする配線用遮断、が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】 上述した本発明によるPTC素
子を用いた限流器および配線用遮断器においては、PT
C素子を構成する室温抵抗率および/または相転移温度
の異なるPTC部位が順次、抵抗転移することによって
徐々に抵抗値が大きくなって限流を開始するので、急激
な抵抗値変化によるサージ電圧の発生を抑制することが
でき、PTC素子の絶縁破壊や焼付きによる限流器の故
障を回避できる。また、このようなPTC素子の限流作
用により、低容量のMCCBを大型化することなく大容
量化、すなわち最大電流遮断容量を大きくすることが可
能となる。以下、本発明の実施の形態について、図面を
参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態に
限定されるものではない。
【0015】 図1は本発明の限流器に使用されるPT
C素子の一実施形態を示す斜視図である。PTC素子1
0は、5層の室温抵抗率および/または相転移温度の異
なる薄板状のPTC部位2P・2Q・2R・2S・2T
(以下2P〜2Tと表記する)を積層して一体的に形成
したものである。PTC素子10の端部のPTC部位2
Pおよび2Tの積層方向の外部平板表面に電極3Pおよ
び3Tを設けた場合には、PTC素子10は、PTC部
位2P〜2Tを電極3P・3T間に直列に接続したもの
となる。このとき、PTC素子10の抵抗値を小さく
し、定常状態での自己発熱による電力損失を小さくする
ために、電極3P・3Tの面積が大きく、各PTC部位
の積層方向厚みを薄くすることが好ましい。
【0016】 一方、PTC素子10の側面、すなわち
PTC部位2P〜2Tの厚み方向の面が露出する一面
と、その面に対向する面のそれぞれに電極を設けた場合
には、PTC素子10はPTC部位2P〜2Tを電極間
に並列に接続したものとなる。しかしながら、この場合
には電極面の面積が小さく、かつ、電極間距離が長くな
るために、PTC素子全体の抵抗値が大きくなるので、
限流器に使用するPTC素子としては好ましくない。し
たがって、PTC部位を並列に接続してPTC素子を構
成する場合には、例えば、図2に示すPTC素子11の
ように、電極面6・7の面積が大きく、かつ電極6・7
間の距離が短くなるように、室温抵抗率および/または
相転移温度の異なるPTC部位5P〜5Tを同一面内に
平面的に配列することが好ましい。
【0017】 これらのPTC素子10・11を構成す
るそれぞれのPTC部位2P〜2T・5P〜5Tの室温
抵抗率および/または相転移温度の配列順序は、必ずし
も室温抵抗率および/または相転移温度の低いものから
高いものへ順番に並べられる必要はない。また、本実施
形態においては、5つのPTC部位によりPTC素子が
構成されているが、PTC部位の数は必要に応じて変更
でき、複数であれば特に制限がないことはいうまでもな
い。さらに、所望のPTC特性を実現するために、PT
C素子10において各PTC部位2P〜2Tの厚みを変
えたり、PTC素子11において各PTC部位5P〜5
Tの面積比率を任意に変えて設定することも可能であ
る。あるいは、室温抵抗率および/または相転移温度の
異なるPTC部位を端成分として、それらの端成分の間
で室温抵抗率および/または相転移温度が連続的に、あ
るは段階的に変化しているような傾斜機能材料からなる
PTC素子もまた、本発明の限流器に好適に使用するこ
とができる。
【0018】 このようなPTC素子として、本発明に
おいては、室温抵抗率が約10〜100mΩ・cm、相
転移温度が200℃〜260℃であって、その相転移温
度における抵抗上昇率が約1000倍以上であるクリス
トバライト系複合セラミックスが好適に用いられる。ク
リストバライト系複合セラミックスにおいては、クリス
トバライトと各種の導電性材料、例えば、二珪化モリブ
デン(MoSi2)や二珪化タングステン(WSi2)、
二珪化チタン(TiSi2)等の導電性珪化物、モリブ
デンカーバイド(MoC)やタングステンカーバイド
(WC)、炭化チタン(TiC)、炭化珪素(SiC)
等の導電性炭化物、あるいはモリブデン(Mo)やタン
グステン(W)、チタン(Ti)等の耐熱金属との混合
率を変えることによって室温抵抗率の異なる種々のPT
C材料を作製することができる。
【0019】 また、PTC素子を構成する各部位の室
温抵抗率を変化させる手段として、クリストバライト系
複合セラミックスに電気伝導率の異なる複数の導電性材
料の配合割合を変化させる、たとえば、クリストバライ
トとMoSi2とMoの複合セラミックスにおいてMo
Si2とMoの割合を変化させる、ことも有効である。
【0020】 また、PTC材料として、室温抵抗率が
約1〜10mΩ・cm、相転移温度が約60℃〜150
℃であって、相転移温度における抵抗上昇率が約100
0倍以上の特性を有する酸化バナジウム(V23)−酸
化クロム(Cr23)系セラミックスもまた好適に用い
られ、酸化クロムの添加量を変えることによって相転移
温度の異なる種々のPTC材料を作製することが可能で
ある。
【0021】 その他のPTC素子用の材料としては、
チタン酸鉛(PbTiO3)セラミックス、チタン酸バ
リウム(BaTiO3)セラミックス、チタン酸ビスマ
ス(BiTiO3)セラミックスあるいはこれらの固溶
体が挙げられる。このような材料においても、アルカリ
土類金属等を添加して固溶させる、あるいはこれらの材
料の混合比率を変えることにより、相転移温度や室温抵
抗率、さらに相転移温度における抵抗上昇率を制御する
ことができる。さらに、ポリエチレン−カーボン系複合
材料やポリオレフィン−カーボン系複合材料を用いるこ
とができ、これらに含有する導電性粉体の量等を変更す
ることで室温抵抗値を制御することも可能である。
【0022】 上述した種々の材料を用いてPTC素子
10等を作製するには、特に制限はなく、既知の種々の
方法が用いられる。例えば、セラミックス系材料の場合
には、まず、室温抵抗率および/または相転移温度の異
なる種々のPTC部位の材料それぞれについて、原料粉
末を有機溶媒、可塑剤、バインダーと混合してスラリー
を作製し、ドクターブレード法やカレンダロール法等の
シート成形法によってグリーンシートを作製する。ある
いは、この原料粉末に水、可塑剤、バインダー等を加え
て混練し、得られた混練土から押出成形によってシート
を作製する。次に、作製した各種のグリーンシートを適
当な形状に抜加工等して所望の積層構成、層厚となるよ
うに積層して圧着し、焼成することで一体焼成型のPT
C素子を作製することができる。得られた積層体には、
必要に応じて加工が施されるが、得られた積層体の積層
方向の端面に電極を設ければ、PTC部位を直列に接続
したPTC素子10が得られ、積層体の積層面に垂直な
方向に適当な幅で切断加工を施し、この切断面に電極を
設けることにより各PTC部位を並列に接続したPTC
素子11を作製することができる。
【0023】 このような一体焼成以外のPTC素子の
作製方法としては、プレス金型に逐次異なる組成を有す
るPTC部位の原料を充填してプレス成形し、得られた
積層成形体を焼成する方法や、それぞれの原料粉末のス
リップを作製して鋳込み型に逐次スリップを注入する方
法によって作製された成形体を焼成する方法等が挙げら
れる。このような方法によるPTC素子の作製方法は、
PTC材料の主成分と焼結特性が類似しており、一部の
添加物によってPTC素子の作動特性を変化させること
ができる場合に特に有用である。さらには、溶射法等に
より、供給する原料組成を連続的に変化させることで、
PTC素子内で室温抵抗率および/または相転移温度が
連続的に変化するPTC素子を作製することも可能であ
る。
【0024】 しかしながら、室温抵抗率および/また
は相転移温度や、相転移温度における抵抗上昇率の選択
の都合上、複数種の全く異なるPTC材料を用いてPT
C素子を作製しなければならない場合には、上述の方法
を用いることは困難である。このような場合には、種々
の材料から種々の方法によって作製されたPTC部位を
部品として電極間に直列に接続したい場合には、それぞ
れのPTC部位の部品を導電性ペーストを介して焼付け
て一体化するか、あるいは導電性接着剤で接合して一体
化する等の方法が採られる。一方、複数のPTC部位の
部品を電気的に並列に接続したい場合には、絶縁性で電
気容量の小さい樹脂接着剤や耐熱接着剤を用いてそれぞ
れのPTC部位の部品を接続する方法が簡便である。な
お、このようなPTC素子の作製方法は、上述した一体
成形と焼成が可能なセラミックス材料を用いたPTC素
子を作製する別の方法としても有用である。
【0025】 次に、このようにして作製されたPTC
素子を用いた限流器について説明する。図3は、本発明
の限流器30の一実施形態を示す斜視図であり、PTC
素子として、図1に示したPTC素子10を用いてい
る。限流器30は、PTC素子10または11の平板面
が長手平板形の端子板32および33に挟まれるように
して接合され、電流路が形成されている。
【0026】 長手板状に形成された端子板32、33
は、たとえば、銅、アルミニウム、ステンレス等の導電
性が良好な金属材料が用いられる。端子板32、33
は、薄板状に形成したPTC素子10の平板面に重ね合
わされるようにして導電性接着剤等によりPTC素子1
0と接続されるか、あるいはPTC素子10の電極面を
ニッケルや銀あるいは白金等でメタライズして金属ロウ
付けあるいは溶接等により固着されて電気的に接続され
る。したがって、電流の流路面積が大きく、かつ、PT
C素子10が薄いので、PTC素子10の抵抗値が小さ
くなり、PTC素子による電力損失の低下を防止するこ
とができる。さらに、概して端子板32、33に使用さ
れる良導電性金属は熱伝達性にも優れていることから、
定常電流によってPTC素子10に発生した熱を放熱す
る役割をも果たす。なお、端子板32、33にはMCC
Bや配線との接続に利用される取付孔32A、33Aが
設けられている。
【0027】 限流器30に過電流が通電した際のPT
C素子の限流機構について説明する。PTC素子10を
構成するPTC部位2P〜2Tが、それぞれ異なる室温
抵抗率を有している場合には、PTC素子10は、端子
板32、33間の通電方向沿って室温抵抗率に幅をも
つ。電流によるPTC部位2P〜2Tの各部位の発熱量
は各部位の室温抵抗率に比例するので、室温抵抗率が大
きいほど単位体積当たりの発熱量が大きく、温度上昇速
度が速くなる。このため、限流器30に過電流が流れた
場合には、室温抵抗率の大きいPTC部位から順次時間
差をもって相転移温度に到達して抵抗転移し、PTC素
子10全体の抵抗値が徐々に増加することとなる。した
がって、過電流の限流開始が緩やかに始まるために、サ
ージ電圧の発生が抑制される。なお、全てのPTC部位
2P〜2Tの抵抗値が上昇した時点での最終的なPTC
素子10の抵抗値によって過電流の最終的な限流値が定
められる。
【0028】 これに対し、図2に示したPTC素子1
1において、PTC部位5P〜5Tがそれぞれ異なる室
温抵抗率を有する場合に、図3に示す限流器30に使用
されているPTC素子10の代わりに用いて限流器を作
製すると、PTC素子11は、端子間の通電方向に垂直
な面内で室温抵抗率に幅をもつ。この場合、電流による
発熱量は各PTC部位の室温抵抗率に反比例するので、
室温抵抗率が小さいPTC部位ほど単位体積当たりの発
熱量が大きく、温度上昇速度が速くなる。このため、室
温抵抗率が小さいPTC部位から順次時間差をもって相
転移温度に到達して抵抗転移し、PTC素子11全体の
抵抗値が徐々に増加することとなる。したがって、この
場合も、先に示したPTC素子10を用いた場合と同様
に、過電流の限流開始が緩やかに始まるために、サージ
電圧の発生が抑制される。
【0029】 また、上述した室温抵抗率の異なるPT
C部位からなるPTC素子の代わりに、相転移温度の異
なるPTC部位からなるPTC素子を用いた場合も、本
発明の解決課題であるサージ電圧の発生を抑制すること
ができる。ここで、図1に示したPTC素子10を構成
するPTC部位2P〜2Tがそれぞれ異なる相転移温度
を有し、室温抵抗率にほとんど差がないものとすると、
過電流がPTC素子に流れた場合に、それぞれのPTC
部位の単位体積当たりの発熱量はほぼ等しいので、各P
TC部位はほぼ同じ速度で温度上昇する。したがって、
相転移温度の低いPTC部位から順次抵抗転移を起こし
てPTC素子全体の抵抗値が徐々に増加する。すなわ
ち、過電流の発生からPTC素子の抵抗転移までの時間
に幅をもたせ、過電流の限流開始を緩やかに始めること
ができるので、サージ電圧の発生が抑制される。
【0030】 同様に、図2に示したPTC素子11を
構成するPTC部位5P〜5Tがそれぞれ異なる相転移
温度を有し、室温抵抗率にほとんど差がないものとした
場合にも、各PTC部位はほぼ同じ速度で温度上昇する
ので、相転移温度の低いPTC部位から順次抵抗転移を
起こしてPTC素子全体の抵抗値が徐々に増加する。す
なわち、過電流の発生からPTC素子の抵抗転移までの
時間に幅をもたせ、過電流の限流開始を緩やかに始める
ことができるので、サージ電圧の発生が抑制される。
【0031】 さらに、上述した室温抵抗率の差による
PTC部位の温度上昇速度の差と、相転移温度の差によ
るPTC部位の相転移温度到達時間の差、および各PT
C部位の電極面積や抵抗上昇率を考慮することにより、
目的と用途に応じた過電流の緩やかな初期限流が可能と
なり、サージ電圧の発生を抑制することができることは
いうまでもない。
【0032】 上述した種々のPTC素子を使用した限
流器は、実際には、例えば、図3に示した限流器30を
例にして、図4に示されるように、各種の三相型のMC
CB50と電力供給ケーブル54X、54Y、54Zと
の間に配設されて用いられる。MCCB50は電路に接
続される主接点、主接点を開閉する開閉機構、主接点の
開極時に発生するアークを消弧するための消弧室、過負
荷電流または短絡電流等の過電流に対して開閉機構を釈
放して主接点を引き外す引き外し機構を内蔵し、開閉機
構を動作させて主接点を電路に接続する操作スイッチ5
1と、このMCCB50を電源側の電路に接続する電源
側端子52X・52Y・52Zと、MCCB50を負荷
側の電路に接続する負荷側端子53X・53Y・53Z
とを備えている。なお、55X・55Y・55Zは負荷
配線ケーブルである。
【0033】 限流器30のMCCB50との接続は、
たとえば、電力供給ケーブル54Zの場合、上述した限
流器30の端子板33の取付孔33AをMCCB50の
電源側端子52Zに取付けてネジ止めし、次いで、限流
器30の各端子板32の取付孔32Aにおいて、電源側
の電力供給ケーブル54Zをネジ止めして行われる。同
様の接続を電力供給ケーブル54X、54YとMCCB
50の電源側端子52X、52Yのそれぞれについて行
うことにより、電力供給ケーブル54X、54Y、54
Zが各限流器30を介してMCCB50に接続される。
一方、負荷側端子53X、53Y、53Zに負荷配線ケ
ーブルを相毎に接続する。これにより各相毎に限流器3
0を備えたMCCB50が配線に接続されることにな
る。
【0034】 この図4に示すような構内配線系統にM
CCB50の最大電流遮断容量以上の過電流が流れて
も、配設された本発明のPTC素子を具備する限流器に
より、従来のPTC素子と同じ限流効果を有し、MCC
B50の最大電流遮断容量を上げることができる利点を
そのままにして、限流開始を徐々に始めることによって
サージ電圧の発生を抑制することが可能となる。このこ
とは、従来のPTC素子を用いた場合の問題点であるサ
ージ電圧の発生によるPTC素子の絶縁破壊、PTC素
子の急発熱によるPTC素子や接続端子の焼付き等の事
故を防止することができる効果がある。もちろん、本発
明のPTC素子10等を有する限流器は、定格電流が流
れる状態およびMCCB50の最大遮断容量以下の電流
の遮断に影響を及ぼすものではない。
【0035】 以上、本発明の限流器およびこの限流器
を用いた配線用遮断器の実施形態について説明してきた
が、本発明はこのような実施形態に限定されず、本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が加えられるも
のであることが理解されるべきである。たとえば、本発
明におけるPTC素子の形状は、円形や多角形の板であ
ってもよいし、楕円円筒や多角形円筒であってもかまわ
ず、これらPTC素子等の形状に応じて、あるいは任意
に端子板の形状を適宜変更できることはいうまでもな
い。また、抵抗の小さいPTC素子であれば、ブロック
状のものも用いることが可能である。
【0036】
【実施例】 以下、実施例により本発明をより詳細に説
明する。表1に実施例1、2および比較例の限流器にお
いて使用したPTC素子の材料特性、形状等について示
した。実施例1では、クリストバライトと金属モリブデ
ンの混合比を変えることによって、室温抵抗率に幅をも
たせたPTC素子を使用し、実施例2では、Cr23
添加量を変えることによって相転移温度に幅をもたせた
23−Cr23系PTC素子を使用している。比較例
としては、実施例1のPTC素子と同じ材料系のもの
で、室温抵抗率と相転移温度を両方を一定としたPTC
素子を使用した。これらの素子を、それぞれ、表1に示
したMCCBに接続して、表1に示した試験回路におい
て、JIS−8370に基づいた短絡電流遮断試験を行
った。
【0037】
【表1】
【0038】 試験結果を表2に示す。室温抵抗率また
は相転移温度に幅をもつPTC素子を用いた本発明の実
施例1、2においては、MCCBを通過する最大通過電
流は、125kAから48kAにまで限流されてMCC
Bにより良好に遮断された。また、いずれの場合におい
ても、サージ電圧は発生せず、電流遮断時のPTC素子
温度も340℃以下であった。さらに、試験後のPTC
素子の状態を観察したが、異常は観られなかった。
【0039】 これに対し、室温抵抗率または相転移温
度に幅をもたない比較例においては、MCCBを通過す
る最大通過電流は、125kAから48kAにまで限流
されてMCCBにより遮断されたものの、電源電圧の約
6倍のサージ電圧が発生してPTC素子温度も600℃
にまで上昇し、電流遮断後のPTC素子には、PTC素
子と電極との間にクラックの発生が認められた。
【0040】 このように、PTC素子内に室温抵抗率
および/または相転移温度の幅をもつPTC素子を限流
器に用いることによって、サージ電圧の発生とサージ電
圧によるPTC素子の急発熱が防がれ、限流器自体も保
護された。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】 上述の通り、本発明の限流器によれ
ば、PTC素子が室温抵抗率および/または相転移温度
の異なる複数のPTC部位から構成されているので、P
TC素子による過電流の限流が徐々に行われるので、P
TC素子の急激な抵抗変化にともなうサージ電圧の発生
と、サージ電圧の発生によるPTC素子の急発熱が抑制
される。また、PTC素子の絶縁破壊や焼付きが防止で
きる効果がある。また、PTC素子による限流効果によ
って、小容量のMCCBを用いても大容量のMCCBを
用いた場合と同様の電流遮断効果が得られるので、MC
CBの設置コストを大幅に低減させることが可能であ
り、また、部品の交換等の必要もほとんどないために、
保守性に優れる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の限流器に使用されるPTC素子の実
施形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明の限流器に使用されるPTC素子の別
の実施形態を示す斜視図である。
【図3】 本発明の限流器の一実施形態を示す斜視図で
ある。
【図4】 本発明の限流器をを配線用遮断器(MCC
B)に取付けた例を示す平面図である。
【図5】 従来の配線用遮断器(MCCB)の動作特性
を示す説明図である。
【符号の説明】
2P・2Q・2R・2S・2T…PTC部位、3P・3
T…電極、5P・5Q・5R・5S・5T…PTC部
位、6…電極、7…電極、10…PTC素子、11…P
TC素子、30…限流器、32…端子板、32A…取付
孔、33…端子板、33A…取付孔、50…MCCB、
51…操作スイッチ、52X・52Y・52Z…電源側
端子、53X・53Y・53Z…負荷側端子、54X・
54Y・54Z…三相電力供給ケーブル、55X・55
Y・55Z…負荷配線ケーブル。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の相転移温度になると抵抗値が上昇
    する正の抵抗温度係数を有するPTC素子を電路に備え
    て、該電路に過電流が流れることにより、当該PTC素
    子の温度が上昇して抵抗転移温度に至ると抵抗値が上昇
    して過電流を抑制するPTC素子を用いた限流器であっ
    て、 前記PTC素子は、金属製の第一の端子および第二の端
    子の間に嵌合されて電流路を形成し、当該PTC素子内
    の部位によって過電流が当該PTC素子に通電した際の
    相転移温度までの到達時間を異ならしめて当該過電流に
    よる当該PTC素子の全抵抗の時間変化を緩慢とするこ
    とにより、当該PTC素子の抵抗変化にともなうサージ
    電圧の発生を抑制することを特徴とする限流器。
  2. 【請求項2】 前記PTC素子は、室温抵抗率および/
    または相転移温度の異なる少なくとも複数のPTC部位
    から一体的に構成され、当該PTC部位が金属製の前記
    第一の端子および前記第二の端子の間に電気的に直列あ
    るいは並列に接続されていることを特徴とする請求項1
    記載の限流器。
  3. 【請求項3】 前記PTC素子が、室温抵抗率および/
    または相転移温度の異なるPTC部位を端成分として、
    一方の端成分PTC部位から他方の端成分PTC部位に
    向かって室温抵抗率が連続的に、あるいは段階的に変化
    している傾斜機能材料であることを特徴とする請求項1
    または2記載の限流器。
  4. 【請求項4】 前記PTC素子が、クリストバライトと
    導電性材料との混合比率を調整することによって室温抵
    抗率を調整した少なくとも複数の部位から構成されてい
    ることを特徴とする請求項2または3記載の限流器。
  5. 【請求項5】 前記PTC素子が、三酸化二バナジウム
    (V23)を主成分として、当該三酸化二バナジウムに
    添加する三酸化二クロム(Cr23)の量を調整するこ
    とによって当該PTC素子の相転移温度を調整した少な
    くとも複数の部位から構成されていることを特徴とする
    請求項2または3記載の限流器。
  6. 【請求項6】 電路に短絡電流等の過電流が流れると、
    温度が上昇してその温度が所定の相転移温度に達すると
    抵抗値が増大して当該過電流を限流するPTC素子を備
    えた限流器を配設した配線用遮断器であって、 前記限流器が、請求項1〜5のいずれかに記載の限流器
    であることを特徴とする配線用遮断器。
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