JPH10271066A - 光信号の伝送方法、光伝送システム、および光伝送システムの監視装置 - Google Patents

光信号の伝送方法、光伝送システム、および光伝送システムの監視装置

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JPH10271066A
JPH10271066A JP3805498A JP3805498A JPH10271066A JP H10271066 A JPH10271066 A JP H10271066A JP 3805498 A JP3805498 A JP 3805498A JP 3805498 A JP3805498 A JP 3805498A JP H10271066 A JPH10271066 A JP H10271066A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光伝送システムを使用中のときでも、分極モ
ード分散の測定ができる光信号の伝送方法を提供する。 【解決手段】 モニタより、光信号が分極モード分散に
よってどの程度劣化しているかを示す監視データを出力
する。このモニタは、光タップからの光信号のサンプル
中にある減極の量を測定する。そして、この監視データ
を用いてシステムの動作を制御し、分極モード分散のレ
ベルが閾値より大きくなった場合、光信号がとる経路を
変更する。光信号の送信機を制御して、光信号の発射時
に分極状態を変更し、監視データの量を減少させるよう
にしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、光導波路
によって光端末が相互に接続され、その間において光信
号を導くようにした光伝送システムに関し、光伝送シス
テムの少なくとも1つの素子が複屈折を呈し、分極モー
ド分散による光信号の劣化を感知する光信号の伝送方
法、光伝送システム、および光伝送システムの監視装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分極モード分散の存在が、光伝送システ
ムの設計上の制約となり、特に、10Gb/s、あるい
はそれ以上の信号データ・ストリームを、長さ100キ
ロメートルオーダの単一モードファイバ上において長距
離伝送する場合に制限を受ける。このようなファイバ
は、通常「単一モード」であるが、ファイバ上での伝搬
は、一般的には2つの直交分極HE11モードにより特徴
づけられるため、複屈折があるときには、わずかに異な
った群速度が存在する。従って、ファイバの一端に発射
された信号パルスは、高速伝搬モードと低速伝搬モード
との間で周期的に結合するパルス・エネルギにより劣化
し、その結果生じる受信信号の分散は、一般的に、分極
モードの分散パラメータMにより特徴づけられる。な
お、この分散パラメータMは、ファイバが長い場合、√
L(Lはファイバ長)に比例する。
【0003】分極モード分散の量はファイバによって異
なり、それは、コアの非対称性や凍結応力(froze
n−in stress)に関連した内部的な複屈折
量、および、ケーブル誘発応力、ファイバの折曲げやね
じれに関連した外部的な複屈折量に依存する。
【0004】現在、10Gb/sの信号データを行って
いる光伝送システムは、√(キロメートル)(これは、
キロメートルの平方根を表わす)当たり、0.2ピコ秒
オーダの分極モード分散に対する耐性がある。しかしな
がら、40Gb/sのデータ伝送を実現しようとしてい
る次世代の光通信システムは、さらに分極モード分散の
影響による制約を受けやすい。特に、交差接続されたフ
ァイバ網を採用したシステム、つまり、同一あるいは異
なるケーブル内において、各々が独自の特性を有する異
なったファイバを使用して複数の経路を可能にし、その
いずれの経路をも、光信号がとることができるようにし
たシステムでは、そのような影響が顕著である。
【0005】現行の分極モード分散の測定方法は、通
常、B.L.ハフナー(Heffner)により、IE
EEフォトニクス技術レターの1992年9月号,10
66〜1069頁に説明されている、厳密な波長でのテ
スト信号入力に基づく一連の測定が必要となる。このよ
うな測定技術には、複雑な試験装置が必要であり、光伝
送システムが通常に動作している間は、その動作周波数
で測定を行うことはできない。
【0006】また、S.C.ラシュリー(Rashle
igh)とR.ユーリッヒ(Ulrich)による、光
学レターの第3巻,第2号(1978年8月)からも、
広帯域幅の光からなるテスト信号の減極(depola
rization)より、短ファイバにおける分極モー
ド分散の量を測定する方法を知ることができる。
【0007】完全に自動化された干渉PMD(分極モー
ド分散)測定方法が、1993年、トロントにおいて開
催されたOFMC 93において、Y.ナミヒラ等によ
り発表された。この技術は、ファイバ増幅器、光ファイ
バ、および他の光ファイバ装置に利用されている。
【0008】また、米国特許第5,473,457号か
らは、受信した光信号を、等分散および逆分散を与える
よう構成された分極保持ファイバを通過させることによ
って、光ファイバ中のPMDが補償され、ファイバの各
主軸間の芯ずれが、分極コントローラにより補償され
る、ということが分かる。しかしながら、このファイバ
も、常に一定の所定PMDを有するものとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
の分極モード分散(PMD)の測定方法では、光伝送シ
ステムが使用中のときには、その測定ができず、テスト
信号を利用した実験測定を行うには、リンクの停止を要
するという問題がある。また、従来の分極モード分散測
定方法には、複雑な試験装置を必要とするという問題も
ある。
【0010】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、光伝送システムを使用
中でも、テスト信号を利用した実験測定を行うために、
特定リンクを停止することなく、分極モード分散の監視
を継続することができる光信号の伝送方法を提供するこ
とである。
【0011】本発明の他の目的は、複数の光素子からな
る光伝送システムにおいて、光信号の減極の程度を測定
することによって、光信号の劣化を監視する光伝送シス
テムを提供することである。
【0012】また、本発明の他の目的は、光送信システ
ムにおける分極モード分散の影響を示すサンプル・デー
タより監視データを決定し、その監視データを光信号の
サンプルが減極される度合いとする、光伝送システムの
監視装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、光伝送システムにおける光信号の伝送方
法において、上記光伝送システムの送信機を動作させる
ことで、信号データ・ストリームで変調された光信号を
生成する工程と、上記光伝送システムの少なくとも1つ
の光導波手段および少なくとも1つの光端末からなる複
数の光素子を介して上記光信号を導く工程であって、こ
れら光素子の少なくとも1つが、分極モード分散を感知
する当該工程と、上記光伝送システムの光端末を構成す
る受信機で上記光信号を受信し、上記信号データ・スト
リームを出力する工程と、監視手段を動作させて上記光
信号を監視することで、伝送中に分極モード分散の影響
を受けた上記光信号と一致する、その光信号の劣化を検
知する工程と、上記分極モード分散によって上記光信号
が劣化された程度を示す監視データを、上記監視手段よ
り出力する工程とを備え、上記監視手段が上記光信号の
減極Uの度合いを測定する、光信号の伝送方法を提供す
る。
【0014】好ましくは、上記監視データを閾値と比較
し、その閾値を越える上記監視データに応じて警告表示
を生成する工程を備える。
【0015】好ましくは、さらに、上記監視データに応
じて制御手段を動作させて、上記光伝送システムの動作
制御を行うことで、伝送する光信号への上記分極モード
分散の影響を減らす工程を備える。また、上記制御手段
は、上記送信機の動作を制御する。さらに、上記制御手
段は、上記送信機の動作を制御することで、上記光導波
手段へ発射された光信号の分極状態を可変制御する。
【0016】また、上記制御手段は、上記光伝送システ
ムの少なくとも1つの光交換装置を制御することで、上
記光信号のとる経路を変更する。
【0017】好ましくは、上記制御手段は、上記光伝送
システムの光素子からなる補償光素子を制御すること
で、上記監視データによって存在することが示された上
記分極モード分散に対抗するよう補償分散を行う。ま
た、上記監視手段は、光タップを動作させて上記光信号
のサンプルを取り出し、この光信号のサンプルに存在す
る減極の程度を測定する。
【0018】他の発明は、複数の光端末と、その光端末
を相互に接続し、その光端末間の信号データ・ストリー
ムによって変調された光信号を導く少なくとも1つの光
導波手段とから構成される複数の光素子からなる光伝送
システムにおいて、上記光素子の少なくとも1つは、分
極モード分散による上記光信号の劣化を感知する複屈折
素子からなり、また、上記光素子の少なくとも1つは監
視手段に結合され、この監視手段は、分極モード分散の
影響に一致する上記光信号の劣化を監視し、また、その
ような光信号の劣化を示す監視データを出力し、上記監
視手段は、上記光信号の減極の程度を測定することによ
って劣化を監視する光伝送システムを提供する。
【0019】また、他の発明は、光伝送システムで用い
られる光伝送システムの監視装置において、信号データ
・ストリームによって変調された受信光信号の分極状態
を抽出して、サンプル・データを供給する抽出手段と、
上記光送信システムにおける分極モード分散の影響を示
す上記サンプル・データより監視データを決定するプロ
セッサと、上記光伝送システムの光素子に結合され、そ
の光素子から上記光信号のサンプルを抽出する光タップ
とを備え、上記プロセッサは、上記監視データを、上記
光信号のサンプルが減極される度合いの尺度として決定
する光伝送システムの監視装置を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明
に係る光伝送システム1を示しており、このシステムで
は、送信機2からの光信号が、光ファイバ5のネットワ
ーク4を介して受信器3に導かれ、このネットワーク4
は、制御装置7の制御によって光交換装置として動作す
る光交差接続部6を有する。
【0021】受信機3には、ファイバ5中にPMD(分
極モード分散)があるときに起こる光信号の劣化を監視
できるモニタ8が組み込まれている。光信号は、送信機
2においてレーザ源より生成される。このレーザ源は、
完全分極単色光を単一モードの光ファイバに発射し、そ
の光を、信号データ・ストリームを用いて40Gb/s
のビット速度で変調する。制御装置7は、光信号が、受
信機3またはシステム中の他の受信機(不図示)に到達
する際に、その光信号がとる経路を選択する動作をし、
光信号が影響を受けるPMDの量は、ある時間に選択さ
れた特定の経路だけでなく、ファイバ5に影響を与える
他の環境条件、例えば、温度によって変化する。
【0022】この制御装置7は、モニタ8からの監視デ
ータ9に応答して動作し、PMDの量が所定の閾値を越
える場合には、交差接続部6を適切に動作させることに
よって、光信号の経路変更を行う。
【0023】モニタ8については、動作変更をして、既
存の受信機3または光伝送システム1のもう1つの端末
に付加して取り込んだり、あるいは、構想段階でシステ
ムに組み込んでも良いが、いずれにしても、光信号の符
号化方法に関して、送信機を特別に変更する必要がない
ことは明らかである。従って、モニタ8の設計は、信号
データ・ストリームで変調され、従来の方法で送信され
た光信号に基づいて動作するよう行われる。
【0024】図2は、受信機3内において、モニタ8
が、光タップ10によってファイバ5に結合され、ま
た、サンプリング・ユニット11が、プロセッサ13に
サンプルデータ12を供給する様子を概略的に示してい
る。なお、この光タップ10は、光信号の小サンプルを
分極の分析用に抽出する。プロセッサ13は、受信機3
あるいはシステム1の他の光端末の既存のプロセッサで
構成され、付加的な処理要求については、適切なソフト
ウエアを追加することによって対処する。
【0025】分極分析およびサンプリング・ユニット1
1、そして、それに続くデータ処理は、様々な形態をと
る。以下の実施の形態によって、それらを例示する。
【0026】実施の形態1 実施の形態1では、受信した光信号の分極状態が完全に
決定され、それを使って、減極の測定値Uを計算する。
すなわち、この減極の測定値は、送信機2から送られた
光信号に、周波数偏移Fに起因するPMDが存在するこ
とによって、その光信号が減極された程度を示してお
り、このような周波数偏移Fは、信号データ・ストリー
ムによる振幅変調、および伝送中におけるチャープの結
果として発生する。
【0027】以下に述べるように、減極Uは、システム
1を通る光経路に存在するPMDの量Mと量的に関連づ
けることができる。以下の説明では、分極状態をポアン
カレ球を用いて表現する。これは、例えば、H.G.ジ
ェラード(Jerrard)による「複屈折および光学
的にアクティブな媒体を介した光伝送;ポアンカレ球」
(米国光学会誌、第44巻,第8号、1954年8月)
に説明されている。
【0028】周波数偏移Fによって生じる、高軸分極と
遅軸分極との間の位相差は、 δ2−δ1=2πMF (1) のように表記できる。ここでMは、分極モード分散量、
言い換えれば、受信分極間の遅延である。
【0029】従来の、分極状態についてのポアンカレ表
記を用いると、受信した光信号における、周波数偏移F
に対する分極状態の変化は、ポアンカレ球の中心に対し
てなす角度Vに対応した、球表面上を横切る移動量とし
て表すことができる。よって、分極変動Vは、 V=2πMF (2) と定義される。なおVは、ポアンカレ球上においてラジ
アンで表される。
【0030】Vについての上記の表記は、積MFが小さ
いときに有効であり、これは、外部変調伝送を行う一般
の伝送システムに有効な近似方法である。
【0031】従って、ビット速度周波数における周波数
偏移は、ポアンカレ球上の小さな角度Vを急速に変動さ
せ、図3に示すように、円錐角2Vで区切られた、球上
の帽子形領域14が定義される。分極状態の測定値に低
周波数のフィルタをかけると、この分極変動Vについて
時間平均した効果として、受信した光信号は、未分極要
素と分極要素の総和とみなすことができる。なお、この
分極要素は、ポアンカレ球の帽子形領域14上における
分極状態の分布の平均的な配置として決まる分極状態を
有する。この処理は、準分極光についての従来の分析の
後に行われる。この従来の分析方法は、例えば、マック
ス・ボーン(Max Born)およびエミール・ウォ
ルフ(Emil Wolff)著の「光学原論」(パー
ガモン出版、1975年)の第10.8章「準単色光の
分極特性」に説明されている。本明細書末尾に添付した
添付資料のセクション3に示すように、単位半径を有す
るポアンカレ球について、時間平均された分極状態ベク
トルは、分極変動をVとしたとき、(1/2)・(1+
cosV)で与えられ、それによって、分極状態ベクトル
の振幅が、効果的に減極Uと同量の単一値以下に減少す
る。
【0032】図3は、軸S2に沿って投影して見た、ポ
アンカレ球上の帽子形領域14の定義を概略的に示して
おり、分極の平均的な状態が軸S1に沿っていると仮定
したものである。
【0033】本実施の形態では、分極分析およびサンプ
リング・ユニット11は、下記の式(3a)〜(3d)
によって規定されるストークス・パラメータs0,s1
2,s3のフィルタ値を得るよう構成されている。 s0=I(0゜,0)+I(90゜,0) (3a) s1=I(0゜,0)−I(90゜,0) (3b) s2=I(45゜,0)−I(135゜,0) (3c) s3=I(45゜,π/2)−I(135゜,π/2) (3d) ここで、I(a,b)は、電界のY成分が、X成分につ
いてのリターデーション(retardation)b
に従うとき、X軸に対して角度aをなす方向における光
振動の強度を示す。
【0034】図4は、分極分析およびサンプリング・ユ
ニットの構成を概略的に示している。図2の光タップ1
0からの光は、4方向スプリッタ15において分岐され
る。全強度s0を示す信号は、光電変換器16aを通過
して、0.5Hzの帯域幅を有する低域通過フィルタ1
7aで濾過され、A/D変換器18aを介してサンプル
データ12として出力される。
【0035】s1フィルタ19からはs1が取り出され、
出力I(0゜,0)およびI(90゜,0)が生成され
る。これらの出力各々が、光電変換器16b、低域通過
フィルタ17b、およびA/D変換器18bによって処
理され、サンプルデータ12が出力される。
【0036】同様に、s2フィルタ20は、出力I(4
5゜,0)およびI(135゜,0)を生成し、s3
ィルタ21は、I(45゜,π/2)およびI(135
゜,π/2)を生成する。
【0037】図2のプロセッサ13は、このサンプルデ
ータを受信して、s0,s1,s2,s3を決定する。よっ
て、減極値Uは、 U={s0−√(s1 2+s2 2+s3 2)}/s0 (4) により計算できる。
【0038】伝送システムが値Fを持ち、主要な状態各
々において同じ電力が放射されたとした場合、上述のよ
うに、PMDの量の瞬時値Mを求めることができる。し
かしながら、例えば、ファイバケーブルが曲ったり、移
動したりすると、瞬時値Mは、一般に数分から数百分の
単位で変化するため、Mの平均値は、上記の測定を何回
か繰り返して決め、その平均値を、図1の制御装置7の
制御用に出力された監視データ9とする。
【0039】添付資料のセクション7で述べられている
ように、Uの平均値は、Mの平均値と関連づけることが
できる。しかし、この関係は、計算が比較的難しく、 U^=1/4−(1/4)・cos2πM^ (5) のような簡単な計算式を用いるのが好ましい。ここで、
U^はUの平均値、M^はMの平均値を意味する。
【0040】式(5)は、曲線適合法で求めた近似値で
あり、より正確な解法は、添付資料のセクション7に提
案されている。図15は、この近似値の妥当性をグラフ
で示したもので、このグラフでは、曲線Aが、上記の近
似方法を用いて得たU^値であり、曲線Bが、より正確
な解法を用いて得たU^値である。
【0041】上記の方法は、図5のフローチャートに要
約されている。図5の抽出(サンプリング)工程(ステ
ップS22)は、図4に示す分極分析およびサンプリン
グ・ユニット11の動作に対応し、ステップS23の計
算工程では、プロセッサ13が減極Uの計算を行う。そ
して、それに続くステップS24で、減極Uを出力す
る。
【0042】ステップS25では、得られたサンプルが
十分であるかどうかを判定し、それが不十分であれば、
処理はステップS22へ戻るが、サンプルが十分であれ
ば、ステップS26で、そのサンプルの平均値を求め
る。そして、図5のフローチャートに示すように、ここ
では、Uの平均値を求めてから、ステップS27でMの
出力値を計算する。
【0043】このように、本実施の形態1によれば、送
信機から送られた光信号の減極Uを、伝送システムを通
る光経路に存在するPMDの量と関連づけ、受信した光
信号の分極状態を完全に決定することで、それを使っ
て、減極の測定値Uを計算することができる。
【0044】実施の形態2 上記実施の形態1では、ストークス・パラメータをそれ
ぞれ計算することで、分極状態が完全に決定されるよう
にするため、比較的複雑な分極分析およびサンプリング
・ユニット11が必要である。そこで、ハードウエアを
ある程度簡略化して、低コストで実現可能とする実施の
形態2について説明する。なお、実施の形態2では、上
記の図面中に対応する要素がある場合、その参照番号を
用いて説明を行う。
【0045】図6は、本実施の形態に係る分極分析およ
びサンプリング・ユニット11を概略的に示す。このユ
ニット11では、光タップ10からの光信号が、分極回
転子25に入力される。その結果、キロヘルツオーダの
割合で、分極状態を任意に変更することができる。この
変更は、ポアンカレ球に対する任意な動きとして視覚化
され、そのため、分極分析およびサンプリングによっ
て、分極状態の統計的な分布を、より都合よく決定する
ことができる。
【0046】回転子25の出力は、光を2つの直交線形
分極に分岐する分極スプリッタ26によって光電変換器
16a,16bへ供給され、分岐された各々が、光電変
換器16a,16bで光信号から電気信号に変換され
る。そして、5キロヘルツの低域通過フィルタ27a,
27bを介し、A/D変換器18a,18bによって、
ディジタル信号に変換される。
【0047】その結果生じたサンプルデータ12は、直
列サンプル値C,Dとしてプロセッサ13に出力され
る。これらのサンプル値C,Dより、正規化されたスト
ークス・パラメータS1を、 S1=s1/s0=(C−D)/(C+D) (6) によって求めることができる。S1を求めるこの式は、
従来のストークス・パラメータs1,s0についての定義
に従う。サンプルには、フィルタ27によって、周波数
変調Fが起こるビット速度周波数よりも、はるかに低い
帯域幅でフィルタがかけられるため、S1の測定値は平
均値となる。この平均値は、図3でポアンカレ球表記を
用いて説明したように、減極Uに対応する分だけs0
り小さい。その結果、S1の値は、±(1−U)を限度
とする時間に渡り、ランダムに変化する。従って、S1
のサンプル値を統計的に分析することによって、測定値
Uが求められる。
【0048】図7は、S1の理論上の分布例であり、こ
こでは、U値が0,0.3,0.7に等しい。図7は、
完全分極光(U=0)に対して、S1の分布は一定であ
ることを示し、U値が漸増する、すなわち、光が次第に
減極すると、その分布は、減少する、S1の最大限界値
と最小限界値の間において縮まる。最終的に、完全未分
極光に対する分布は、S1の生起場所におけるデルタ関
数となる。
【0049】本発明の実施の形態2に係る方法によれ
ば、減極の程度は、測定されたS1の分布と、理論上の
曲線または図7に示すようなテンプレートとの相関、す
なわち、U値の範囲に対する理論上のS1分布によって
決定される。この統計的な分析を行うには、図6に示す
構成から出力されるサンプルデータ12をプロセッサ1
3に入力し、十分なデータ蓄積によって、確率分布が一
定の形状をとるまで、そのデータを、大きさに従って、
アレイ状の256個のデータ・ビンに蓄積する。
【0050】この処理工程は、図8のフローチャートに
その概略が示されている。図8に示す処理では、ステッ
プS86において、ビンへのデータ蓄積が実行され、ス
テップS87で、理論上のテンプレートとの相関がとら
れる。続くステップS88では、相関が十分か否かを判
定し、それが満足されている場合、ステップS89にお
いて、Uについての十分なサンプルがあるかを判断す
る。
【0051】上記のステップS89で、十分なサンプル
がないと判定されたならば、最適な相関について、テン
プレートに対応するU値が保存、出力される(ステップ
S93)。そして、Uについての十分なサンプルが蓄積
されたと判断されるまで、上記の処理が繰り返される。
【0052】このようにして、U値の十分なサンプルが
得られたならば、ステップS90において、Uのサンプ
ルの平均値を求める。続くステップS91において、U
の平均値からPMDのM値を求め、それを出力する。こ
こで出力されるM値は、監視データ9(図1参照)を構
成し、この監視データ9は、図1の制御装置7に出力さ
れて、所定の閾値との比較が行われる(ステップS9
2)。なお、この閾値との比較は、択一的または追加的
に行われ、アラームの発せられる状態がローカルに、あ
るいは遠隔地において開始される。
【0053】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、ある程度簡略化したハードウエアを使用し、正規化
されたストークス・パラメータについての統計的な分析
によって、分極分析およびサンプリングを低コストで実
現できる。
【0054】実施の形態3 以下、本発明に係る実施の形態3を説明する。ここで
も、対応する要素があれば、適宜、上記の図面の参照番
号を使用する。
【0055】図9は、本実施の形態3に係る分極分析お
よびサンプリング・ユニット11であり、図6に示す、
上記実施の形態2に係るユニットの構成に類似している
が、主として、分極回転子を有していない点が異なる。
図9に示すユニット11は、光タップ10からの光出力
を直交分極へ分岐する分極スプリッタを有し、その強度
は、光電変換器16a,16bによって、光信号から電
気信号へ変換され、50Hzの帯域幅を有する低域通過
フィルタ27a,27bを通過する。これらのフィルタ
の各出力は、A/D変換器18a,18bによってディ
ジタル信号に変換され、プロセッサ13へ出力するサン
プルデータ12となる。
【0056】本ユニットは、分極回転子がないため構成
が簡単であるという利点はあるが、サンプルデータ12
より得たS1の分布について、異なる形態の分析が必要
となる。
【0057】ここでも、S1の統計的な分布が決定され
るが、本実施の形態の場合、PMDについての異なるM
の量に対応した、理論上のテンプレートが違っている。
これは、以下の理由による。すなわち、分極回転子がな
いため、ポアンカレ球上の分極状態の進展は、システム
の複屈折成分より生じる分極回転φ、および、光伝送シ
ステム1の分極の発射状態と、最も近い主軸との間の分
極アライメントθの漸進的な変化に依存するからであ
る。なお、これらのパラメータは、サンプルが取られる
期間に比べて、独立に変化するとともに、ゆっくりと変
化する。
【0058】システムの主軸方向は、信号がPMDの影
響を受ける程度の変化をする。この発射状態が主軸と一
致すれば、PMDの影響は観察されないが、この発射状
態の、主軸と一直線にある分極間のエネルギ分布が等し
ければ、信号の100%がPMDを受ける。従って、ど
のような発射分極に対しても、完全に分極された信号の
電力は、PMDを受けた成分とPMDを受けない第2の
成分との和である、とみなすことができる。このよう
に、分極状態の進展は、分極変動Vの強さのゆっくりと
した変化を伴う。
【0059】図10は、上記の要因を考慮に入れた、M
=0.1,M=0.25,M=0.5に対する、理論上
のS1の分布を示す。これらのテンプレートの偏差は、
添付資料に記載されている。
【0060】図11は、S1の統計的な分析より、PM
DのM値を得るための概略を示すフローチャートであ
る。同図のステップS32では、図9のユニット11か
らのサンプルデータ12を、アレイ状の256個の分布
ビンに蓄積し、ステップS33において、この蓄積され
たデータと、図10に示す理論上のテンプレート曲線に
対応するテンプレートとの相関をとる。そして、ステッ
プS34において、相関のピークの大きさを測定した値
が、十分な相関を示したならば、Mの値が保存され、そ
うでなければ、上記の処理が繰り返される。
【0061】ステップS35では、連続したMの値が得
られ、それらにフィルタがかけられる。そして、最終的
にステップS36において、フィルタがかけられたM値
を出力し、それが、図1の制御装置7を制御するために
出力される監視データ9を構成する。フィルタがかけら
れたMの値はまた、ステップS37において所定の閾値
と比較され、閾値の方が大きければ、上記のモニタに対
応させてローカルに、あるいは遠隔においてアラーム信
号が生成される。
【0062】上記の蓄積を行う、図11のステップS3
2はまた、ポアンカレ球の位相探索が起こる程度をチェ
ックする工程を含んでいる。この工程は、図12のフロ
ーチャートに概略的に示されており、そのステップS3
8では、S1のサンプル値を求め、続くステップS39
で、S1についての連続したサンプルを用いて、分布を
特徴づける、アレイの適切なビンをインクリメントす
る。そして、ステップS40では、その前のサンプルに
対する線形分極の位相変化を決定し、それを用いて、そ
の位相探索の累積経路を記録するカウンタをインクリメ
ントする。
【0063】所定のサンプルに対して、各線形分極の位
相は、2つの分極の電力比の平方根のアークタンジェン
トを計算することによって推定できる。上記カウンタ内
の累積経路は、ポアンカレ球上でランダムな動きが進展
するにつれて探索された、ポアンカレ球の領域を示すも
のである。
【0064】判断工程であるステップS41では、カウ
ンタに記録された累積位相が、所定の限界(この例で
は、3,600゜)を越えているかどうかを判定する。
そして、それが限界を越えている場合、プロセッサ13
は、相関をとる工程である、図11のステップS33へ
進む。
【0065】このように、本実施の形態によれば、分極
回転子がない分、簡単な構成で分極分析およびサンプリ
ングを行える。
【0066】実施の形態4 以下、本発明に係る実施の形態4を説明するが、ここで
も、対応する要素があれば、適宜、上記の図面の参照番
号を使用する。図13は、本実施の形態に係る分極分析
およびサンプリング・ユニット11の構成を示してお
り、ここでは、分極フィルタ41を1つだけを用いて、
図9に示す、上記実施の形態3に係るユニットをさらに
簡略化している。
【0067】図13のユニット11では、光タップ10
より得られた入力光信号が、まず、スプリッタ(3dB
スプリッタ)42で等分割される。よって、このスプリ
ッタ42の出力には、サンプル信号の全ての分極状態が
含まれるが、分極フィルタ41の出力は、ただ1つの線
形分極状態を含むように選択される。各出力は、光電変
換器16a,16b、50Hzの低域通過フィルタ27
a,27b、およびA/D変換器18a,18bによっ
て処理され、フィルタ41からの単一分極出力と、スプ
リッタ42からの未修正分極出力とにそれぞれ対応し
た、ディジタル・サンプルA,Bを出力する。このよう
な信号に対して、式(6)は、 S1=s1/s0=(2A−B)/B (7) のようになる。
【0068】正規化されたストークス・パラメータS1
の統計的な分析は、実施の形態3と図9〜図13を参照
して説明した上記の方法に従う。しかしながら、カウン
タを参照して説明した累積位相の計算は、信号A,Bの
性質を考慮に入れるよう変更し、各位相増加は、アーク
サイン(A/B)となるよう計算される。
【0069】図14は、モニタ8を、必ずしも受信機3
内ではなく、光伝送システムの適正な位置に取り込む方
法を概略的に示す。ここでは、モニタ8が、光タップを
介して光信号サンプルを得ることができる位置にあれば
十分である。なお、この光信号は、測定しようとする分
極モード分散に対して感受性のある、光ファイバ等のあ
る種の光素子を通して送信されたものである。
【0070】図14に示すシステムでは、モニタ8は、
それに接続されたアラーム装置43によってアラーム信
号を生成するため、PMDの測定値を閾値と比較する。
このアラーム装置43は、モニタ8の近傍に設置して
も、あるいは、それとは遠く離れた場所(例えば、シス
テムの中央制御部のある場所)に設けてもよい。アラー
ム信号の機能は、是正措置の必要性をオペレータに喚起
することである。
【0071】モニタ8は、制御装置7に監視データ9を
出力し、この制御装置7は、本システムでは、送信機2
を制御するよう送信機2に接続されている。この送信機
2は、例えば、光信号の分極の発射状態を変化するよう
制御され、その結果、システムの主軸を追跡する(すな
わち、発射分極を回転させて、PMDが最小になる方向
と一致させる)ことによって、PMDについてのかなり
の影響を小さくすることができる。なお、分極の発射状
態を制御する方法は、例えば、米国特許第4,960,
319号に説明されている。
【0072】なお、上記の送信機2を、択一的、または
追加的に制御して、光信号が伝搬する信号データ・スト
リームのビット速度および/または波長が変化するよう
にしてもよい。
【0073】上記の制御装置7はまた、減極の他の原
因、例えば、米国特許第5,513,029号に開示さ
れた公知の方法で独自に測定できる増幅自然放出等の特
徴を示すデータをさらに受信する。図14には、このよ
うな他のデータの入力が、データ入力44として概略的
に示されている。このデータ入力44を、直接、モニタ
8に接続して、監視データ9が自動的に補償されるよう
にしてもよい。また、制御装置7へデータ入力を追加し
て、PMDの閾値レベルを変化させ、Qマージンあるい
は光電力レベル等の他のシステム・パラメータを考慮に
入れるようにしてもよい。
【0074】この制御装置7は、システムの様々な位置
にある複数のモニタから監視データを受信して、経路決
定等の制御機能を最適化させるようにしてもよい。
【0075】また、制御装置7を選択的に、または追加
的に用いて、システムに組み込まれた補償光素子45を
制御し、監視データによって存在することが示されてい
るPMDに対抗するよう補償分散を行うようにしてもよ
い。
【0076】このように、本実施の形態によれば、分極
フィルタを1つだけ用いて、装置をさらに簡略化するこ
とで、容易に分極分析およびサンプリングを実行でき
る。
【0077】本発明はまた、波長分割多重光信号を伝送
する光伝送システムに適用できる。このようなシステム
では、米国特許第5,513,029号に開示されてい
るようなディザ法を用いて、監視手段が光信号の選択波
長成分から監視データを生成するよう構成されている。
互いに直交するディザ波形を各波長成分に印加すること
で、注目している特定の波長成分に印加されたディザ波
形に対応する適切なディザ波形との相関関係により、モ
ニタ中において、特定の波長成分に関連する減極の影響
を分離することができる。従って、各波長成分および決
定された各PMDの量に対して、ストークス・パラメー
タ(正規化されたストークス・パラメータS1)を計算
することができる。
【0078】上記の各実施の形態では、S1分布用のテ
ンプレートは、適切な近似計算を使った理論解析から生
成される。あるいは、このテンプレートは、モニタが接
続されたシステムで行った測定によって実験的に生成し
ても良く、このような方法は、例えば、理論上のテンプ
レートを生成するのに要する推定が適用できない場合に
適している。
【0079】図6を参照して説明した実施の形態2にお
いて、分極回転子25は、モニタ8中において、光タッ
プの後に位置するが、結果的に光信号の分極状態の回転
が許容範囲にあれば、あるいは、そのほうが都合がよい
場合には、システム中の他の場所、すなわち光タップの
前に配置してもよい。また、上述の実施の形態における
監視データは、PMDのMの値を示す。あるいは、この
監視データは、減極量Uを示すとした方が適当な場合も
ある。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
変調光信号をPMD測定の基礎として使用することによ
って、光伝送システムを使用中でも、テスト信号を利用
した実験測定を行うために特定リンクを停止することな
く、PMDの監視を継続することができる。さらに、シ
ステム使用中でも、変化が緩慢であるPMDの性質に合
った期間に渡り、PMDを監視することができる。
【0081】また、監視データが閾値を越えた際に警告
表示を生成することで、過剰なPMDが検出された場
合、オペレータに対して是正措置をとる必要があること
を警告できる。
【0082】また、本発明によれば、伝送する光信号へ
の分極モード分散の影響を減らす工程を備え、制御手段
が送信機そのものに作用して、分極状態を制御したり、
あるいは、送信機の利得やデータ・ストリームのビット
速度を調整することで、信号データ・ストリームを調整
できる。
【0083】本発明によれば、光伝送システムの少なく
とも1つの光交換装置を制御して、光信号のとる経路を
変更することで、監視手段が特定の光導波管中において
過剰なPMDを検出した場合、欠陥のある光導波管を迂
回することができる。
【0084】さらに本発明によれば、減極の程度は、ビ
ット速度の周波数で、信号データ・ストリームによって
光信号に与えた変調と関連しており、このビット速度の
周波数より大幅に低い帯域幅での計測値を使って分極状
態を監視することにより、信号変調に関連する、位相の
高速な変動が減極のように見え、その減極が監視手段に
よって定量化され、PMDの測定値が得られる、という
効果がある。
【0085】また、他の発明によれば、複数の光端末
と、光信号を導く光導波手段とから構成される複数の光
素子に監視手段を結合することによって、光信号の劣化
を監視でき、その光信号の減極の程度が測定できる。
【0086】さらに他の発明によれば、受信光信号の分
極状態を抽出して、光送信システムにおける分極モード
分散の影響を示すサンプル・データを供給し、それより
監視データを決定することで、この監視データを、光信
号のサンプルが減極される度合いの尺度として決定でき
る。
【0087】
【添付資料】
<セクション1>長ファイバにおける分極分布は、ポア
ンカレ球上で単一である。S1は、2つの線形状態の間
の差分である。このセクションでは、様々な分極の量を
有する信号に対するS1分布を計算し、分極の程度によ
って決まる左右対称の範囲内に、S1が単一的に分布す
る様子を示す。S1は、単位球に対して+1〜−1に変
化する。球の中心から端までの、角度Vによって区切ら
れた球上の円形領域(area)は、「化学式等を記載
した書面」中の式(10),(11)で表される。この
cos(V)がSであれば、 area=−2・S1・π+2・π area=2・π・(1−S1) となる。
【0088】S1の分布密度(density)は、S
1についての領域の導関数の負を球全体の表面積で割っ
たものに等しい。 Density_S1(S1)=1/2 未分極光のS1値は0である。Uを未分極光の電力の割
合とすると、その信号のS1分布は、式(12)のよう
になる。これは、図7に示されている。
【0089】<セクション2>このセクションでは、P
MD値が一定のとき、PMDの主軸の影響についての分
布を決定する。PMDの影響を受ける信号部分は、0か
ら1へ一様に分布することが示される。線形複屈折シス
テムを仮定すると、PMDの主軸が変化しても、PMD
の量が変わることはないが、PMDの影響を受ける信号
量が変化する。対称的に、S1軸をPMDの主軸とし、
発射分極が球の周囲において変化するとした場合、実際
とは逆になる。
【0090】どのような発射分極に対しても、完全に分
極した信号電力は、2つの成分の和とすることができ
る。 signal=With_PMD + NO_PMD このWith PMDは、各主軸において等しい電力を
有する成分であり、 S1(With_PMD)=0 である。また、NO PMDは残留成分であり、主軸上
にのみ存在する。つまり、 S1(signal)=S1(NO_PMD) である。
【0091】セクション1で計算したように、ポアンカ
レ球上に一様に分布している発射分極に対して、S1
(signal)の分布は、一様に1/2に等しい。従
って、S1(NO PMD)の分布もまた、一様に1/
2に等しくなければならない。これによって、最も近い
線形分極を見つけるために、S1の正と負の密度を加算
すると、NO PMDの電力レベルの分布は、一様に1
に等しくなる。そこで、With PMD信号の光電力
は、(1−NO PMD)であるため、その分布密度も
一様に1で、0〜1の範囲を有していなければならな
い。
【0092】<セクション3>このセクションでは、ポ
アンカレ球上の円形帽子部分における均一平均化によっ
て生じる減極の量を計算する。もしファイバケーブルが
真に単一の線形複屈折素子であれば、弧の領域は適切な
ものとなる。通常、複屈折は複雑であるため、複雑な経
路に対しては、円形領域の近似法が用いられる。測定が
どのように行われようとも、分極の程度はそれに左右さ
れないので、簡単のため、S1軸を用いる。
【0093】ポアンカレ球の円形領域に渡り一様に求め
られたS1の平均は、S1軸を中心とし、その軸から円
の端までの角度をVとすると、式(13),(14),
(15)のようになる。PMDの影響、bと近似された
ソース波長変動、角度Vのポアンカレ球上の円形帽子部
分に対して、S1平均が得られる。
【0094】V=2・π・F・M ここで、Fは、ソースの単側波帯周波数偏差(単位はH
z)であり、Mは、秒を単位とするPMDである。 S1_mean=(1/2)・cos(V)+(1/2) S1_mean=(1/2)・cos(2・π・F・M)+(1/2) これは、平均出力分極状態がS1軸と一直線上にある場
合の、S1の平均値である。
【0095】<セクション4>このセクションでは、主
軸の分布を考慮に入れた、PMDによる分極分布を計算
する。ここで、PMDの影響は、信号全体にはないが、
セクション2で規定したWith PMDの部分にのみ
現れるため、これにより単位球を測定することができ
る。円形部分に渡る平均化による未分極部分は、未分極
部分のS1が0であるから、1からS1 meanを引
いたものとなる(式(16),(17)参照)。0から
1において、With PMDが一様に分布しており、
F,Mが一定に保たれているため、Uは一様に分布す
る。そして、その範囲の上限はF,Mによって決まり、
下限は0である。
【0096】<セクション5>このセクションでは、以
上に述べたものをまとめ、F,Mが一定であるときに測
定されるS1の分布を決定する。2次元のU,S1密度
を考慮に入れ、S1の一様な分布の境界線が、Uの線形
関数であるとき、S1の分布を単独で計算することがで
きる。あるF*Mに対するノン・ゼロ密度の2次元領域
は、U対S1の三角形である。 T(S1)=if[|S1|<1,(1−|S1|),
0] F*Mは、その三角形を切って、Uの上限を決める。 [(1/2)(1−cos(2・π・F・M))] 結果として生じる四辺形は、式(18),(19)に示
すように、単一面積となる必要がある。
【0097】<セクション6>Mの値が変化するより
も、かなり高速で分極状態が探索される場合、Mが適度
に一定である間、十分なデータを蓄積することができる
ため、セクション5の計算で最終的な分布が求められ
る。しかしながら、これが当てはまらない場合、式(2
0)に示す、Mのマクスウエル分布を考えなければなら
ない。なお、式(20)では、MはPMDで、シグマは
変数である。所定の平均値に対するS1の密度は、式
(21)に示すように、そのS1の密度とMをMについ
て積分したものである。これは、図10に示されてい
る。
【0098】<セクション7>方法1,2で用いられる
式Uは分極の程度を示す。With PMDは、セクシ
ョン2で定義したように、光が両方の主軸において同じ
電力を有している部分である。セクション3で計算した
ように、 S1_mean=(1/2)・cos(2・π・F・
M)+(1/2) となる。
【0099】ストークス・パラメータより測定されたよ
うに、Uは、式(22)〜(24)のように表すことが
できる。セクション4で説明したように、With
MDは、0〜1にかけて一様に分布している。Mは、マ
クスウエル分布とともに変化する。これは、式(2
5),(26)に示す2つの部分とみなせる。上記セク
ション6より、Mの密度は、式(27)のようになる。
従って、p1の密度は、式(28)で表され、Uの平均
値は、式(29)で示す値に等しい。これは、減極の程
度を平均したUを、PMDの平均Mに関連づけるもので
ある。
【0100】図15のグラフは、平均Uと、単にPMD
の平均から計算されたUとには違いがあることを示して
いる。精度が求められる場合に、この計算を行う。しか
しながら、平均値から平均値への単純な計算でも、妥当
な近似となる場合が多い。これら推定や近似が不十分な
場合、実験に基づく方法を用いて、UとMの関係を確立
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光伝送システムを概略的に示す
図である。
【図2】 図1のモニタを概略的に示す図である。
【図3】 分極変動の範囲を示すポアンカレ球を説明す
るための図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係る分極分析および
サンプリング・ユニットの概略を示す図である。
【図5】 実施の形態1に係るプロセッサが実行するデ
ータ処理の概略を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態2に係る分極分析および
サンプリング・ユニットの概略を示す図である。
【図7】 正規化されたストークス・パラメータS1の
統計的な分布をグラフ化した図である。
【図8】 実施の形態2に係るデータ処理を示すフロー
チャートである。
【図9】 本発明の実施の形態3に係る分極分析および
サンプリング・ユニットの概略を示す図である。
【図10】 実施の形態3に係る正規化されたストーク
ス・パラメータS1の統計的な分布をグラフ化した図で
ある。
【図11】 実施の形態3に係る処理を示すフローチャ
ートである。
【図12】 実施の形態3に係る処理の詳細を示すフロ
ーチャートである。
【図13】 本発明の実施の形態4に係る分極分析およ
びサンプリング・ユニットの概略を示す図である。
【図14】 本発明に係る他の光伝送システムの概略を
示す図である。
【図15】 平均値U(減極)と平均値M(分極モード
分散)の関係をグラフ化して示す図である。
【符号の説明】
1…光伝送システム、2…送信機、3…受信機、4…ネ
ットワーク、5…光ファイバ、6…交差接続部、7…制
御装置、8…モニタ、9…監視データ、10…光タッ
プ、12…サンプルデータ、13…プロセッサ、16…
光電変換器、17,27…低域通過フィルタ、18…A
/D変換器、19…s1フィルタ、20…s2フィルタ、
21…s3フィルタ、25…分極回転子、26,42…
スプリッタ、44…データ入力、45…補償光素子
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【数15】
【数16】
【数17】
【数18】
【数19】
【数20】
【数21】
【数22】
【数23】
【数24】
【数25】
【数26】
【数27】
【数28】
【数29】
フロントページの続き (72)発明者 キム・バイロン・ロバーツ イギリス国,エイエル8 7ディーエル, ハーツ,ウェルウィン ガーデン シティ ー,シェラーズ パーク ロード 41 (72)発明者 アラン・ロビンソン イギリス国,シーエム19 4ディーイー, エセックス,ハーロー,ノーズブルックス 84 (72)発明者 リチャード・エドワード・エプワース イギリス国,シーエム21 0ビーディー, ソーブリッジワース,ピシオバリー ドラ イブ,セイモア ミューズ 18 (72)発明者 ヘンリー・ジョン・ハーベイ イギリス国,シーエム23 5エイチユー, ハーツ,ビショップス ストートフォー ド,マノア ロード 29

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光伝送システムにおける光信号の伝送方
    法において、 前記光伝送システムの送信機を動作させることで、信号
    データ・ストリームで変調された光信号を生成する工程
    と、 前記光伝送システムの少なくとも1つの光導波手段およ
    び少なくとも1つの光端末からなる複数の光素子を介し
    て前記光信号を導く工程であって、これら光素子の少な
    くとも1つが、分極モード分散を感知する当該工程と、 前記光伝送システムの光端末を構成する受信機で前記光
    信号を受信し、前記信号データ・ストリームを出力する
    工程と、 監視手段を動作させて前記光信号を監視することで、伝
    送中に分極モード分散の影響を受けた前記光信号と一致
    する、その光信号の劣化を検知する工程と、 前記分極モード分散によって前記光信号が劣化された程
    度を示す監視データを、前記監視手段より出力する工程
    とを備え、 前記監視手段は、前記光信号の減極Uの度合いを測定す
    ることを特徴とする光信号の伝送方法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記監視データを閾値と比較
    し、その閾値を越える前記監視データに応じて警告表示
    を生成する工程を備えることを特徴とする請求項1記載
    の光信号の伝送方法。
  3. 【請求項3】 さらに、前記監視データに応じて制御手
    段を動作させて、前記光伝送システムの動作制御を行う
    ことで、伝送する光信号への前記分極モード分散の影響
    を減らす工程を備えることを特徴とする請求項1記載の
    光信号の伝送方法。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記送信機の動作を制
    御することを特徴とする請求項3記載の光信号の伝送方
    法。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記送信機の動作を制
    御することで、前記光導波手段へ発射された光信号の分
    極状態を可変制御することを特徴とする請求項4記載の
    光信号の伝送方法。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記送信機の動作を制
    御して、前記信号データ・ストリームを調整することを
    特徴とする請求項4記載の光信号の伝送方法。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記光伝送システムの
    少なくとも1つの光交換装置を制御することで、前記光
    信号のとる経路を変更することを特徴とする請求項3記
    載の光信号の伝送方法。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記光伝送システムの
    光素子からなる補償光素子を制御することで、前記監視
    データによって存在することが示された前記分極モード
    分散に対抗するよう補償分散を行うことを特徴とする請
    求項3記載の光信号の伝送方法。
  9. 【請求項9】 前記監視手段は、光タップを動作させて
    前記光信号のサンプルを取り出し、この光信号のサンプ
    ルに存在する減極の程度を測定することを特徴とする請
    求項1乃至8のいずれかに記載の光信号の伝送方法。
  10. 【請求項10】 さらに、分極モード分散以外の公知の
    減極源を補償する工程を備えることを特徴とする請求項
    9記載の光信号の伝送方法。
  11. 【請求項11】 前記監視手段は、前記信号データ・ス
    トリームによる前記光信号の変調よりも狭い帯域幅でフ
    ィルタがかけられた前記光信号のサンプルの分極状態を
    分析することを特徴とする請求項9または10記載の光
    信号の伝送方法。
  12. 【請求項12】 前記監視手段は、ストークス・パラメ
    ータについてフィルタがかけられた分極状態を完全に決
    定し、それより分極の程度を計算することを特徴とする
    請求項11記載の光信号の伝送方法。
  13. 【請求項13】 前記監視手段は、S1=s1/s0(こ
    こでs0,s1は、それぞれs0=I(0゜,0)+I
    (90゜,0),s1=I(0゜,0)−I(90゜,
    0)で示されるストークス・パラメータ)の定義に従
    う、正規化されたストークス・パラメータS1を決定
    し、このS1についての測定を繰り返してS1の統計的
    な分布を決定し、この測定されたS1の分布と、減極の
    値の範囲に対する分布テンプレートとの相関をとること
    を特徴とする請求項11記載の光信号の伝送方法。
  14. 【請求項14】 前記監視手段は、分極回転子を動作さ
    せて、前記光信号のサンプルに分極回転を施すことを特
    徴とする請求項13記載の光信号の伝送方法。
  15. 【請求項15】 複数の光端末と、その光端末を相互に
    接続し、その光端末間の信号データ・ストリームによっ
    て変調された光信号を導く少なくとも1つの光導波手段
    とから構成される複数の光素子からなる光伝送システム
    において、 前記光素子の少なくとも1つは、分極モード分散による
    前記光信号の劣化を感知する複屈折素子からなり、 また、前記光素子の少なくとも1つは監視手段に結合さ
    れ、この監視手段は、分極モード分散の影響に一致する
    前記光信号の劣化を監視し、また、そのような光信号の
    劣化を示す監視データを出力し、 前記監視手段は、前記光信号の減極の程度を測定するこ
    とによって劣化を監視することを特徴とする光伝送シス
    テム。
  16. 【請求項16】 さらに、前記監視データを閾値と比較
    する比較手段と、その閾値を越える前記監視データに応
    じて警告表示を生成する手段とを備えることを特徴とす
    る請求項15記載の光伝送システム。
  17. 【請求項17】 さらに、前記監視データに応じて当該
    光伝送システムの動作制御を行うことで、伝送する光信
    号への前記分極モード分散の影響を減らすことを特徴と
    する請求項16記載の光伝送システム。
  18. 【請求項18】 前記制御手段は、前記送信機の動作を
    制御することを特徴とする請求項17記載の光伝送シス
    テム。
  19. 【請求項19】 前記制御手段は、前記送信機の動作を
    制御することで、前記光導波手段へ発射された光信号の
    分極状態を可変制御することを特徴とする請求項18記
    載の光伝送システム。
  20. 【請求項20】 前記制御手段は、前記送信機の動作を
    制御して、前記信号データ・ストリームを調整すること
    を特徴とする請求項18記載の光伝送システム。
  21. 【請求項21】 前記制御手段は、前記光伝送システム
    の少なくとも1つの光交換装置を制御することで、前記
    光信号のとる経路を変更することを特徴とする請求項1
    7記載の光伝送システム。
  22. 【請求項22】 前記制御手段は、前記光伝送システム
    の光素子からなる補償光素子を制御することで、前記監
    視データによって存在することが示された前記分極モー
    ド分散に対抗するよう補償分散を行うことを特徴とする
    請求項17記載の光伝送システム。
  23. 【請求項23】 さらに、前記光素子の1つと結合して
    前記光信号のサンプルを得る光タップを備え、前記監視
    手段は、この光信号のサンプルに存在する減極の度合い
    を測定することを特徴とする請求項15乃至22のいず
    れかに記載の光伝送システム。
  24. 【請求項24】 さらに、他の公知の減極源に対して前
    記監視データを補償する手段を備えることを特徴とする
    請求項23記載の光伝送システム。
  25. 【請求項25】 前記監視手段は、前記信号データ・ス
    トリームによる前記光信号の変調よりも狭い帯域幅でフ
    ィルタがかけられたサンプル・データを提供して、前記
    光信号のサンプルの分極状態を分析する分極分析および
    サンプリング・ユニットを備えることを特徴とする請求
    項23記載の光伝送システム。
  26. 【請求項26】 前記監視手段は、前記サンプル・デー
    タより、ストークス・パラメータについてフィルタがか
    けられた分極状態を決定し、それより分極の程度を計算
    するプロセッサを備えることを特徴とする請求項25記
    載の光伝送システム。
  27. 【請求項27】 前記監視手段は、S1=s1/s0(こ
    こでs0,s1は、それぞれs0=I(0゜,0)+I
    (90゜,0),s1=I(0゜,0)−I(90゜,
    0)で示されるストークス・パラメータ)の定義に従
    う、正規化されたストークス・パラメータS1を決定
    し、S1についての測定を繰り返してS1の統計的な分
    布を決定し、この測定されたS1の分布と、減極の値の
    範囲に対する分布テンプレートとの相関をとることを特
    徴とする請求項25記載の光伝送システム。
  28. 【請求項28】 前記光信号のサンプル上で動作して、
    分極回転を施す分極回転子を備えることを特徴とする請
    求項27記載の光伝送システム。
  29. 【請求項29】 光伝送システムで用いられる光伝送シ
    ステムの監視装置において、 信号データ・ストリームによって変調された受信光信号
    の分極状態を抽出して、サンプル・データを供給する抽
    出手段と、 前記光送信システムにおける分極モード分散の影響を示
    す前記サンプル・データより監視データを決定するプロ
    セッサと、 前記光伝送システムの光素子に結合され、その光素子か
    ら前記光信号のサンプルを抽出する光タップとを備え、 前記プロセッサは、前記監視データを、前記光信号のサ
    ンプルが減極される度合いの尺度として決定することを
    特徴とする光伝送システムの監視装置。
  30. 【請求項30】 さらに、前記光伝送システム上を伝搬
    する前記信号データ・ストリームによる前記光信号の変
    調よりも狭い帯域幅でフィルタがかけられた、前記光信
    号のサンプルの分極状態を示すサンプル・データを提供
    する分極分析およびサンプリング・ユニットを備えるこ
    とを特徴とする請求項29記載の光伝送システムの監視
    装置。
  31. 【請求項31】 前記光信号のサンプルの前記分極状態
    をランダム化する分極回転子を備えることを特徴とする
    請求項30記載の光伝送システムの監視装置。
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