JPH10271924A - 養液栽培による高糖度トマトの生産方法 - Google Patents

養液栽培による高糖度トマトの生産方法

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JPH10271924A
JPH10271924A JP9079351A JP7935197A JPH10271924A JP H10271924 A JPH10271924 A JP H10271924A JP 9079351 A JP9079351 A JP 9079351A JP 7935197 A JP7935197 A JP 7935197A JP H10271924 A JPH10271924 A JP H10271924A
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Japan
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nutrient solution
cultivation
sugar content
period
tomato
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JP9079351A
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Ichiro Oka
一郎 岡
Hisayuki Takahashi
久幸 高橋
Hiroteru Oota
浩輝 太田
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 養液栽培期間の内、少なくとも1週間以
上の栽培期間を、EC(電気伝導度)0.5〜3.0S
/mの範囲の高EC養液を用いて栽培することを特徴と
する養液栽培による高糖度トマト生産方法。 【効果】 高糖度トマトを安定して生産でき、しかもか
なりの収量を確保できる。生産されたトマトは、ビタミ
ンCも多く、味がよく、大多数の人に好まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養液栽培におい
て、高糖度トマトを栽培する方法に関する。特に、本発
明は、ある程度の収量を確保しながら、高糖度で美味な
トマトを生産する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、適度な甘みと酸味のある美味しい
トマト、いわゆる高糖度トマトへの消費者の需要が高ま
っている。高糖度トマトは、主に土耕によって生産され
ていたが、例えば、「農耕と園芸」1996年10号7
2〜76Pには、養液栽培によって高糖度トマトを生産
する方法が提案されている。ここに記載されている生産
システムは、根域制限法と点滴給液方式を併用したもの
である。
【0003】しかしながら、上記高糖度トマトの生産シ
ステムは、そのための特殊な生産装置を必要とするもの
であり、栽培管理上も特殊な技術を要するものである。
すなわち、根域を制限した栽培ベッドは、気象条件の変
化に伴う温度と湿度の変動によって、水分変動が激し
く、高糖度トマトの安定的栽培が困難であり、高糖度ト
マトの生産に適する養液の点滴間隔及び点滴量を毛細管
作用によって実現するためには、熟練を要するという課
題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来技術に存在する前述の課題であり、本
発明は、従来から使われている養液栽培装置をそのまま
使用するものであり、養液栽培を行う上で一般的に調節
・管理されているEC(電気伝導度)に着目するもので
あり、ECを高めた養液を使用することによって、高糖
度トマトを生産する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、養液栽培期間
の内、少なくとも1週間以上の栽培期間を、EC(電気
伝導度)0.5〜3.0S/mの範囲の高EC養液を用
いて栽培することを特徴とする養液栽培による高糖度ト
マト生産方法を要旨とするものである。また、本発明
は、高EC養液を用いる栽培期間が、開花期以降の間に
あることあるいは養液栽培開始から開花期の間にあるこ
とを特徴とする上記の養液栽培による高糖度トマト生産
方法を要旨とするものである。
【0006】さらに、本発明は、養液を循環使用する養
液栽培において、栽培開始時の養液のECを0.1〜
1.0S/mとし、養液栽培の進行に応じた水分蒸散と
植物の吸水によって、循環使用する養液のECを徐々に
高め、少なくとも開花期以降において、高EC養液を用
いて栽培することを特徴とする上記の養液栽培による高
糖度トマト生産方法を要旨とするものである。
【0007】さらに、本発明は、高EC養液を用いる栽
培期間が、栽培開始時から開花期までの間にあることを
特徴とする上記の養液栽培による高糖度トマト生産方法
を要旨とするものである。さらに、本発明は、NaC
l、KCl、MgCl2、MgSO4、Na2SO4、
NaH2PO4、MgHPO4及びCaCl2などから
なる塩類の1ないし2種以上を添加することによりつく
られた高EC養液を用いることを特徴とする上記の養液
栽培による高糖度トマト生産方法を要旨とするものであ
る。
【0008】従来の養液栽培に使用される養液のEC
(電気伝導度)は、0.05〜0.2S/m程度であっ
て、EC0.5以上の高EC養液で栽培することは、一
般的に考えられなかった。本発明者らは、高糖度トマト
の養液栽培について鋭意研究を進めた結果、驚くべきこ
とに、従来常識では考えられなかった高EC養液で栽培
すると、高糖度トマトが生産できることを見出し、この
新しい知見に基づいて、本発明を完成した。
【0009】本発明方法に用いる高EC養液を得るため
の好ましい方法は、NaCl、KCl、MgCl2、M
gSO4、Na2SO4、NaH2PO4、MgHPO
4及びCaCl2などからなる塩類の1ないし2種以上
を添加することによる方法である。この方法によって、
養液の浸透圧を高めることができ、植物への水分ストレ
スを増大させることができる。トマト植物への水分スト
レスが高糖度トマトの生産を可能とする。
【0010】養液のECを0.5〜3.0S/mの範囲
にするということは、使用する塩類の種類によって異な
るが、塩類濃度を概ね1,500〜25,000ppm
にすることである。なお、本発明方法において、ECの
上限については、絶対にEC3.0S/mを超えてはな
らないという意味ではない。EC3.0S/mを超えて
もトマトは生育するが、収量を確保する上で、できるだ
け避けた方が好ましいという意味である。
【0011】高EC養液のECの範囲は、このような意
味で0.5〜3.0S/mとするが、好ましくは0.7
〜2.0S/m、もっとも好ましくは0.7〜1.5S
/mである。
【0012】本発明方法は、0.5〜3.0S/mの範
囲の高EC養液をトマト養液栽培の最初から用いて栽培
する方法でもよいが、好ましくは、トマト養液栽培の開
始時は、ECの低い養液を用いて、トマトの開花期以降
の間において、高EC養液を使用するか、あるいは、ト
マト養液栽培の最初からトマトの開花期までの間におい
て、高EC養液を使用するか、いずれかの方法が、トマ
ト果実の収量を確保する上で望ましい。
【0013】高EC養液を用いるトマトの栽培期間につ
いては、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも2週
間、もっとも好ましくは少なくとも4週間である。
【0014】さらに好ましくは、養液を循環使用する養
液栽培において、栽培開始時の養液のEC度を0.1〜
1.0S/mとし、養液栽培の進行に応じた水分蒸散と
植物の吸収によって、ECを徐々に高め、少なくとも開
花期以降において、高EC養液で栽培することを特徴と
する高糖度トマト生産方法である。
【0015】養液を循環する養液栽培は、いかなる養液
栽培装置を用いても可能であるが、望ましい一つの養液
栽培装置として実公平7―50921号公報に示される
「浮根式養液栽培装置」を上げることができる。この装
置を用いる場合には、栽培を始めるときに貯液槽内にE
Cを0.2〜0.5S/mに調整した養液を入れ、毛細
管作用によって吸液部材で吸い上げられ、浮板上のトマ
ト苗根部に供給される。栽培を始めるときの貯液槽内の
養液のECは、さらに好ましくは0.2〜0.8S/m
に、もっとも好ましくは、0.4〜0.7S/mに調整
する。
【0016】この装置では、貯液槽内の養液を間隔を置
いて運転されるポンプで汲み上げて、浮板の上面に設け
られた溝部に設置した養液供給部材から養液が循環して
時間を置いて供給され、吸液部材に蓄積されている余剰
成分が洗浄される。
【0017】養液のECは、養液が吸液部材で植物に常
時供給され、また、養液供給部材から時間を置いて循環
供給されることによって、養液内の水分が蒸散し、徐々
に高くなっていく。少なくとも、トマトの開花期以降の
間に、養液のECが0.5〜3.0S/mの範囲に達
し、高糖度トマトを生産することができる。本発明方法
によって栽培されるトマト品種は、いかなる品種でもよ
いが、大玉の完熟系である品種名「桃太郎」や「おどり
こ」などが好ましい。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を以下に示すが、もちろん本
発明は、これらの実施例に限るものではない。 1.材料および方法 1996年6月18日にトマト(Lycopersicon esculentum Mil
l.)の品種・桃太郎(発売元:タキイ種苗株式会社)の
種子をロックウールキューブ(3×3×3cm)に1粒ずつ
播種し、温度25℃設定の育苗器の中で発芽させた後、温
室内で育苗した。
【0019】本葉2枚時の7月2日にロックウールキュー
ブ(7.5×7.5×7.5cm)に仮植し、本葉5〜7枚時の7月16
日に幅約0.5m、長さ約2.7mの9つの養液栽培ベッドに
それぞれ12本ずつ定植した。なお、ベッド間の間隔は約
2.2mであり、10アール当たりの植付本数は、約2,000本
に相当する。
【0020】育苗期間中は水1,000リットル当たりJT
養液栽培用肥料A−1号を600g、B−2号(11.0硝酸カ
ルシウム)を 325g、微量要素入りC−1号を50g(発売
元:A−1号、B−2号、C−1号ともに日本たばこ産
業株式会社)を溶かし、pHを約6.5に調整した養液を
用いた。この養液のEC(電気伝導度)は約0.13S/mで
あった。以下、この養液を「標準養液」と記すこともあ
る。
【0021】
【表1】 表1に示す1区から7区では、実公平7−50921号
公報の第2図に示される浮根式養液栽培装置(市販の水
耕栽培装置「楽農太郎」、発売元;日本たばこ産業株式
会社)を、8区と9区では特公平8−24498号公報
の第2図に示される従来の浮根式養液栽培装置を使用し
た。
【0022】8区と9区で使用した従来の浮根式養液栽
培装置では吸水性の不織布等により吸い上げられた養液
の養分のうち、作物に吸収されなかった塩類等が浮き板
の上面の中央部に集積し、このため作物の根や地上部の
生育が抑制されることが知られている。
【0023】一方、1区から7区で使用した「楽農太
郎」では発泡スチロール製の浮き板に傾斜が付けられ、
さらに浮き板の上面に設けた溝に小さな穴を開けたビニ
ールチューブからなる養液供給部材を設置して、ベッド
内の養液をこのチューブを通して定期的に循環させるこ
とにより浮き板上面の不織布等に集積した塩類等が洗い
流される構造となっている。各ベッドは各処理養液を入
れた個別のタンクに接続されており、ベッドに取り付け
られたレベルセンサーによりベッド内の養液が減少する
と自動的に養液が供給された。
【0024】表1に本実施例の区別を示した。1区は、
従来技術による対照区であり、2〜9区が本発明方法区
である。 表1に示す各区の具体的な養液栽培方法は、
次のとおりである。
【0025】1区の対照区では育苗に用いた養液と同じ
組成の標準養液を使用し、1日に3回、1回当たり15
分間ベッド内の養液を循環した。また、2週間毎に養液
を全量交換した。ただし、8月19日からベッド内の養液
のECが約0.2S/mと設定値よりかなり高くなったの
で、以後は標準養液を薄めてEC約0.08S/mの養液を供
給した。
【0026】2区、3区および4区では標準養液に塩化
ナトリウム(NaCl)、塩化マグネシウム(MgCl2)、硫
酸ナトリウム(Na2SO4)、塩化カルシウム(CaCl
2)、塩化カリウム(KCl)を主成分とし、その他数十
種類の微量成分を含む観賞魚用人工海水「SEALIFE(発
売元:株式会社マリン・テック、以下「人工海水」と記
すこともある)」をそれぞれ1,200、2,400、3,600ppm加
えた養液を定植時から供給し、栽培期間中の養液交換は
原則として行わなかった。養液循環は対照区と同様に行
った。
【0027】5区は標準養液に人工海水を2,400ppm加え
た養液を定植時から供給し、毎週ベッド内のECを測定
し、0.7S/mを越えていた場合に同じ組成の新しい養液
と全量交換した。養液循環は対照区と同様に行った。
【0028】6区と7区では定植時から第2花房開花期
の8月8日までは標準養液で栽培し、8月8日に標準養液に
人工海水を2,400ppm加えた養液と全量交換し、以後この
養液を供給して栽培した。ただし、7区は5区と同様に
ECが0.7S/mを越えていた場合養液を全量交換した。
両区とも養液循環は対照区と同様に行った。
【0029】8区と9区では先に述べた従来の浮根式養
液栽培装置を使用し、標準養液に人工海水をそれぞれ1,
200、2,400ppm加えた養液を供給し、養液循環は行わな
かった。
【0030】標準養液に人工海水を1,200ppm加えた場合
の養液のECは約0.31S/m、2,400ppmの場合は約0.51S/
m、3,600ppmの場合は0.69S/mであった。
【0031】ベッド内の養液のECとpHを毎週2回程
度測定し、pHは概ね5〜7に調整した。各区とも第3
花房の上位葉2枚を残して摘心し、3段栽培とした。ま
た、カルシウム欠乏による尻腐れ果の発生を防ぐために
市販のカルシウム剤「アグリメイト(発売元:日本曹達
株式会社)を100倍に希釈した液を各区12株のうち8株
の各花房に8月12日から9月6日の間、数日おきに計6回
散布した。第1回目散布時の第1果房の果実は直径3cm
程度に肥大していた。なお、尻腐れが発生した果実を発
見した場合は取り除き、その数を記録した。その他温度
管理、病害虫防除などは通常通り行った。
【0032】収穫は1996年9月6日から10月30日に実施
し、果数と果重、果実の糖度および還元型アスコルビン
酸(以下、「ビタミンC」と記すこともある)含有率を
調査した。
【0033】果実の糖度はデジタル糖度計(株式会社ア
タゴ製、PR101)を用いて測定した。また、ビタミンC
含有率は5〜10g程度の果実の切片に等重量の5%メタリ
ン酸溶液を加えて乳鉢で磨砕し、小型反射式光度計シス
テム「RQフレックスシステム(製造:メルク、発売
元:関東化学株式会社)」により測定した。また、栽培
期間中に1または2週間毎にベッド内の養液を採取し、
養液組成を調査した。分析にはイオンクロマト(横河ア
ナリティカルシステム製、IC7000)と原子吸光光度計
(日立製、Z-6100)を使用した。
【0034】2.結果 (1)栽培概要 本発明方法区では対照区に比べて草丈は低く、茎は細
く、葉は小さく、下方に湾曲した。また、本発明では栽
培後期に下位葉が対照区よりやや多く枯れ上がる傾向は
あったが、いずれの区においても枯死することは無かっ
た。
【0035】第1花房の開花は7月31日から8月1日に始
まり、開花や収穫開始時期には対照区と本発明方法区の
間には大きな差は無かったが、収穫は対照区が本発明方
法区より約2週間早く終了した。つまり、本発明方法区
では対照区に比べて果実の成熟はやや遅かった。
【0036】(2)ベッド内の養液のECの推移
【表2】 表2に約1ヶ月毎の養液のECを示した。1区の対照区
では8月20日頃の数日間を除き、ECは約0.12s/mとほぼ
一定に保たれたが、本発明方法区では処理後時間の経過
とともにECは高くなり、栽培終了の約1ヶ月前からや
や低下する傾向があった。
【0037】2区と3区ではEC1.0s/mを越え、さらに
は4区では3.0s/mを越えた。これに対して、養液を循環
しない8区と9区では養液のECは0.6または0.7s/mを
越えることはなかった。その他の5区、6区、7区でも
ECは0.7S/mを越え、いずれの区でも標準養液のECよ
り著しく高い値であった。
【0038】栽培中のベッド内の養液を採取して分析し
た結果、本発明方法区では対照区に比べてナトリウムと
塩素の濃度が著しく高く、マグネシウムとイオウの濃度
がかなり高く、またカリウムやカルシウム、リンなどの
濃度が高かった。
【0039】(3)収穫したトマト果実の糖度およびビ
タミンC含有率
【表3】 表3にトマト果実の糖度とビタミンC含有率を示した。
対照区の糖度(Brix%)は5.4、ビタミンC含有率は新
鮮重100g当たり22mg(以下、ビタミンC含有率の単位を
「mg/100g・FW」と記すこともある)であった。また、一
般に市販されているトマトの糖度は5〜6程度、ビタミ
ンC含有率は20mg/100g・FW程度である。
【0040】これに対して本発明方法区の2〜9区では
糖度が8.3〜11.5、ビタミンC含有率が29〜41mg/100g・F
Wと明らかに高く、本発明方法が高糖度で、しかも高ビ
タミンCであるトマトの生産に極めて有効であることが
示された。一般に高温期ではトマトの果実の肥大と着色
が早く、このため糖度が低いトマトが多く生産される
が、本実施例では高温期に栽培したにもかかわらず、最
低でも糖度8.3のトマトが生産され、3つの本発明方法
区では糖度10以上のトマトが生産された。
【0041】また、ECが高い養液を用いて、長期間栽
培した区のトマト果実ほど、糖度とビタミンC含有率は
高いトマトが生産できることが示された。
【0042】
【表4】 表4に1株当たりの果重、果数および尻腐れ果の数を示
した。なお、尻腐れ果についてはカルシウム剤を散布し
た区と散布しない区に分け、収穫時に尻腐れが発生して
いた果実と収穫前に取り除いた果実を合わせた数を示し
てあるが、1株当り収量の果重と果数はカルシウム剤の
散布の有無を区別しないで示してあり、また収穫前に除
去した尻腐れ果は含まれていない。
【0043】1株当たりの果重の合計は対照区の1,765g
に対して、本発明方法区では196〜651gであった。開花
期以降に高EC養液で栽培した6区及び7区は、収量が
高かった。また、ECが0.7S/mを超えたら養液を
全量交換した5区の収量が高かった。
【0044】一般に、高糖度トマトの生産では普通のト
マトの場合より収量が低い。本方法では、糖度が低く、
食味が著しく劣るトマトが出回っている高温期におい
て、糖度が8以上で食味が良いトマトを対照区の1/3以
上の収量を確保して生産できることを示したものであ
り、実用価値が十分あると判断する。高糖度トマトの生
産では尻腐れ果の発生が多くなり、特に高温期の栽培に
おいて著しく多くなるが、カルシウム剤を散布すれば、
尻腐れ果の発生を防止することができることも明らかに
なった。
【0045】(5)果実の特性と食味評価の結果 対照区や市販トマトは果実は大きく、形や色は良いが、
甘みは少なく、果肉は柔らかく、べとべとした食感があ
る。これに対して、本発明方法で得られた果実は果皮や
果肉がかなり硬く、このため貯蔵性や輸送性に極めて優
れ、高温期であっても樹上で赤くなった果実、つまり完
熟した果実を収穫できる。食味は甘みが強く、酸味もや
や強い。つまり味が濃く、食味が良い。また果肉が硬い
ために、噛みごたえがあり、テクスチャーが極めて良
い。
【0046】
【表5】 表5は、食味試験の結果を示す。20人で対照区と本発
明方法区で得られた果実の食味を評価した結果、18人
は本発明方法区のトマトが「とてもおいしい」又は「お
いしい」と評価し、「まずい」又は「とてもまずい」と
評価する者はいなかった。
【0047】本発明方法区のトマトは「甘み、酸味が強
く、味が濃く、おいしい」、「果肉が硬く、テクスチャ
ーが良い」という意見が大多数であり、中には「トマト
とは思えなく、果物のようだ」とのコメントがあった。
一方、「同じ(どちらとも言えない)」と評価した者は
「甘みが強く、味が濃い」ことは認めたが、「酸味が強
すぎる」あるいは「果皮や果肉が硬い」ために「どちら
とも言えない」と評価した。なお、対照区のトマトは普
段小売店から購入しているトマトと同等の食味であると
ういことであった。
【0048】従って、本食味試験の結果から本発明方法
区のトマトは、大多数の人が「おいしい」と評価し、対
照区や小売店で売られているトマトに比べて味やテクス
チャーなどの食味にいて優れていることが確認された。
【0049】
【発明の効果】本発明方法によって、高糖度トマトを安
定して生産でき、しかも、かなりの収量を確保できる。
本発明方法によって生産し、収穫したトマトは、ビタミ
ンCも多く、味がよく、通常の養液栽培法で生産された
トマトと比べて大多数に人に好まれる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 養液栽培期間の内、少なくとも1週間以
    上の栽培期間を、EC(電気伝導度)0.5〜3.0S
    /mの範囲の高EC養液を用いて栽培することを特徴と
    する養液栽培による高糖度トマト生産方法。
  2. 【請求項2】 高EC養液を用いる栽培期間が、開花期
    以降の間にあることを特徴とする請求項1記載の養液栽
    培による高糖度トマト生産方法。
  3. 【請求項3】 養液を循環使用する養液栽培において、
    栽培開始時の養液のECを0.1〜1.0S/mとし、
    養液栽培の進行に応じた水分蒸散と植物の吸水によっ
    て、循環使用する養液のECを徐々に高め、少なくとも
    開花期以降において、高EC養液を用いて栽培すること
    を特徴とする請求項1記載の養液栽培による高糖度トマ
    ト生産方法。
  4. 【請求項4】高EC養液を用いる栽培期間が、栽培開始
    時から開花期までの間にあることを特徴とする請求項1
    記載の養液栽培による高糖度トマト生産方法。
  5. 【請求項5】NaCl、KCl、MgCl2、MgSO
    4、Na2SO4、NaH2PO4、MgHPO4及び
    CaCl2などからなる塩類の1ないし2種以上を添加
    することによりつくられた高EC養液を用いることを特
    徴とする請求項1〜4記載の養液栽培による高糖度トマ
    ト生産方法。
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