JPH10271942A - 電気化学的な生物制御用部材 - Google Patents
電気化学的な生物制御用部材Info
- Publication number
- JPH10271942A JPH10271942A JP9649397A JP9649397A JPH10271942A JP H10271942 A JPH10271942 A JP H10271942A JP 9649397 A JP9649397 A JP 9649397A JP 9649397 A JP9649397 A JP 9649397A JP H10271942 A JPH10271942 A JP H10271942A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive
- potential
- layer
- metal
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Catching Or Destruction (AREA)
- Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
- Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 基材となる金属の腐食が発生せず、経時的に
も安定であり、且つ、面積の広い水中構造物にも応用で
きる電気化学的な生物制御用部材を提供すること。 【構成】 金属よりなる導電性基材表面に、接着層を介
して絶縁樹脂フィルムを接合し、該絶縁樹脂フィルム上
に接着層を介して導電性シート材を接合し、該導電性シ
ート上に導電性塗膜層を形成してなる電気化学的な生物
制御用部材。 【作用】 絶縁樹脂フィルムにより、基材金属と、導電
性シート材と導電性塗膜層からなる導電性複合層が完全
に絶縁され、電位を導電性複合層に印加しても基材の金
属の電気化学的な付着や溶解が発生しない。また、導電
性シート材と導電性塗膜層からなる導電性複合層は、導
電性塗膜層よりも抵抗値が低くなり、電位印加部位から
離れた箇所でも抵抗値による電位の低下が防止できる。
したがって、大面積の水中構造物表面には設定された電
位が印加できることから、水中構造物表面全体に付着し
た水生生物を電気化学的に制御できる。
も安定であり、且つ、面積の広い水中構造物にも応用で
きる電気化学的な生物制御用部材を提供すること。 【構成】 金属よりなる導電性基材表面に、接着層を介
して絶縁樹脂フィルムを接合し、該絶縁樹脂フィルム上
に接着層を介して導電性シート材を接合し、該導電性シ
ート上に導電性塗膜層を形成してなる電気化学的な生物
制御用部材。 【作用】 絶縁樹脂フィルムにより、基材金属と、導電
性シート材と導電性塗膜層からなる導電性複合層が完全
に絶縁され、電位を導電性複合層に印加しても基材の金
属の電気化学的な付着や溶解が発生しない。また、導電
性シート材と導電性塗膜層からなる導電性複合層は、導
電性塗膜層よりも抵抗値が低くなり、電位印加部位から
離れた箇所でも抵抗値による電位の低下が防止できる。
したがって、大面積の水中構造物表面には設定された電
位が印加できることから、水中構造物表面全体に付着し
た水生生物を電気化学的に制御できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶や冷却用海水
の取水管、配水管などの接水面に付着した水性生物を電
気化学的に制御するのに好適な部材に関する。
の取水管、配水管などの接水面に付着した水性生物を電
気化学的に制御するのに好適な部材に関する。
【0002】
【従来の技術】海水や淡水中には多くの生物が存在し、
病原性を示したり、水中構造物表面に付着し、様々な問
題を引き起こしている。例えば、船舶では生物が付着す
ると推進抵抗の増大や、定置網や養殖生け簀網では、海
水の交流阻害や網成りの変形などの問題が生じる。さら
に、火力発電所で用いられている冷却用配管では、熱交
換効率の低下や冷却用配管内面に付着して増殖した大型
生物が脱離して冷却管の閉塞を招く等の問題である。
病原性を示したり、水中構造物表面に付着し、様々な問
題を引き起こしている。例えば、船舶では生物が付着す
ると推進抵抗の増大や、定置網や養殖生け簀網では、海
水の交流阻害や網成りの変形などの問題が生じる。さら
に、火力発電所で用いられている冷却用配管では、熱交
換効率の低下や冷却用配管内面に付着して増殖した大型
生物が脱離して冷却管の閉塞を招く等の問題である。
【0003】一般に、接水面に生物が付着する機構は次
の通りである。まず、付着性のグラム陰性菌が表面に吸
着して脂質に由来するスライム状物質を多量に分泌す
る。さらに、このスライム層に微生物が集まって増殖
し、微生物皮膜を形成する。そして、この微生物皮膜層
上に大型の水性生物である藻類、貝類、フジツボ等が付
着し、付着した大型の水性生物が繁殖し成長し、最終的
に接水面を覆い尽くすことになる。
の通りである。まず、付着性のグラム陰性菌が表面に吸
着して脂質に由来するスライム状物質を多量に分泌す
る。さらに、このスライム層に微生物が集まって増殖
し、微生物皮膜を形成する。そして、この微生物皮膜層
上に大型の水性生物である藻類、貝類、フジツボ等が付
着し、付着した大型の水性生物が繁殖し成長し、最終的
に接水面を覆い尽くすことになる。
【0004】こうした水中構造物表面に付着する水生生
物の防汚手段としては、海水中に次亜塩素酸塩などの殺
菌性を有する物質を添加して生物を殺菌させる方法や、
有機錫系化合物を含有した塗料で船舶や漁網に塗膜を形
成し、有機錫系化合物を溶出させることにより防汚する
方法が一般に行われていた。しかし、次亜塩素酸塩など
の殺菌性を有する物質の添加や有機錫系化合物を使用す
ると、水中の有機物などと反応し、トリハロメタン等の
有害物質の発生や有機錫化合物の溶出などによる海洋の
汚染や、有用な海洋生物への影響が懸念される。また、
最近では、有機錫系化合物の代替えとして、非有機錫系
の防汚剤が用いられているが、非有機錫系防汚剤では、
付着防止効果の維持時間が短いため、塗料の塗り替え作
業に要する労力が大幅に増大し、コストアップにつなが
る等の問題があり、新たな生物の殺菌法や生物防汚法が
望まれている。
物の防汚手段としては、海水中に次亜塩素酸塩などの殺
菌性を有する物質を添加して生物を殺菌させる方法や、
有機錫系化合物を含有した塗料で船舶や漁網に塗膜を形
成し、有機錫系化合物を溶出させることにより防汚する
方法が一般に行われていた。しかし、次亜塩素酸塩など
の殺菌性を有する物質の添加や有機錫系化合物を使用す
ると、水中の有機物などと反応し、トリハロメタン等の
有害物質の発生や有機錫化合物の溶出などによる海洋の
汚染や、有用な海洋生物への影響が懸念される。また、
最近では、有機錫系化合物の代替えとして、非有機錫系
の防汚剤が用いられているが、非有機錫系防汚剤では、
付着防止効果の維持時間が短いため、塗料の塗り替え作
業に要する労力が大幅に増大し、コストアップにつなが
る等の問題があり、新たな生物の殺菌法や生物防汚法が
望まれている。
【0005】最近、塩素などの有害物質を発生させない
で、電気化学的に船舶や漁網などに付着する水生生物を
制御する方法が提案されている。この電気化学的制御方
法では、微生物の直接反応が確認されている所定電位以
上の電位を微生物に印加すると、微生物内部の酸化還元
物質の一つである補酵素Aが不可逆的に酸化され、微生
物の呼吸活性及び微生物膜の透過障壁の低下を誘発し、
微生物を死滅させることが可能であることが知られてい
る(特公平6−91821号公報)。すなわち、グラム
陰性菌の付着を電気化学的に制御することにより大型の
生物の付着を防止する方法である。また、特開平4−3
41392号公報には、導電性を有する被防汚面に+0
〜+1.5V vs.SCEの正電位を印加し付着する
微生物を殺菌する行程と、−0〜−0.4V vs.S
CEの負電位を印加して生物を脱離する工程からなる防
汚方法が記載されている。
で、電気化学的に船舶や漁網などに付着する水生生物を
制御する方法が提案されている。この電気化学的制御方
法では、微生物の直接反応が確認されている所定電位以
上の電位を微生物に印加すると、微生物内部の酸化還元
物質の一つである補酵素Aが不可逆的に酸化され、微生
物の呼吸活性及び微生物膜の透過障壁の低下を誘発し、
微生物を死滅させることが可能であることが知られてい
る(特公平6−91821号公報)。すなわち、グラム
陰性菌の付着を電気化学的に制御することにより大型の
生物の付着を防止する方法である。また、特開平4−3
41392号公報には、導電性を有する被防汚面に+0
〜+1.5V vs.SCEの正電位を印加し付着する
微生物を殺菌する行程と、−0〜−0.4V vs.S
CEの負電位を印加して生物を脱離する工程からなる防
汚方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法は、海水
や水の分解が起こらないことから海洋や水の汚染が無
く、さらに、海洋生物の生態系への影響や食品加工製品
への影響が無いことから、優れた殺菌および防汚方法と
考えられる。具体的な方法としては、接水面に導電性ゴ
ムや導電性塗膜を被覆して導電性樹脂層を設け、対極に
白金やカ−ボン電極を配置して導電性樹脂層と対極の間
に電位を印加して生物を制御する方法である。特に、基
材が金属からなる場合では、これらの金属基材上に導電
性樹脂層を形成しても、導電性樹脂層に形成されたピン
ホールにより、基材金属が電気化学的に腐食することか
ら、金属上絶縁塗膜層を設ける方法が提案されている
(特願昭63−84042号、公開又は公告番号をいれ
る)。しかしながら、絶縁塗膜層は、溶剤を含む塗料で
形成されるためにピンホールが発生し易い。さらに、塗
料に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂よりも反応
硬化型樹脂が優れているものの、低分子モノマーを、架
橋剤や触媒を用い、加熱などにより反応硬化させること
から、硬化した塗膜は三次元構造となり、水分が透過し
易い等の問題があった。
や水の分解が起こらないことから海洋や水の汚染が無
く、さらに、海洋生物の生態系への影響や食品加工製品
への影響が無いことから、優れた殺菌および防汚方法と
考えられる。具体的な方法としては、接水面に導電性ゴ
ムや導電性塗膜を被覆して導電性樹脂層を設け、対極に
白金やカ−ボン電極を配置して導電性樹脂層と対極の間
に電位を印加して生物を制御する方法である。特に、基
材が金属からなる場合では、これらの金属基材上に導電
性樹脂層を形成しても、導電性樹脂層に形成されたピン
ホールにより、基材金属が電気化学的に腐食することか
ら、金属上絶縁塗膜層を設ける方法が提案されている
(特願昭63−84042号、公開又は公告番号をいれ
る)。しかしながら、絶縁塗膜層は、溶剤を含む塗料で
形成されるためにピンホールが発生し易い。さらに、塗
料に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂よりも反応
硬化型樹脂が優れているものの、低分子モノマーを、架
橋剤や触媒を用い、加熱などにより反応硬化させること
から、硬化した塗膜は三次元構造となり、水分が透過し
易い等の問題があった。
【0007】さらに、導電性樹脂層は、カ−ボンブラッ
クやグラファイト或いは金属酸化物などの耐酸化性の導
電性微粒子を合成樹脂に分散して形成したものである。
しかしながら、カ−ボンブラックやグラファイト等の耐
酸化性の導電性微粒子を合成樹脂に分散して得られた導
電性樹脂層の比抵抗値は、導電性微粒子の充填量にもよ
るが、1/102Ωcm以上である。従って、広い面積
に電位を均一に印加する場合では、電位を印加する部位
からの距離が増大すると、それに伴い導電性樹脂層の抵
抗値が高まり、その結果、印加された電位の低下が発生
する。よって、広い面積の水中構造物では、電位の低下
が発生し、水中構造物表面全体への生物汚損防止ができ
なくなる場合もあり、その対策が望まれていた。
クやグラファイト或いは金属酸化物などの耐酸化性の導
電性微粒子を合成樹脂に分散して形成したものである。
しかしながら、カ−ボンブラックやグラファイト等の耐
酸化性の導電性微粒子を合成樹脂に分散して得られた導
電性樹脂層の比抵抗値は、導電性微粒子の充填量にもよ
るが、1/102Ωcm以上である。従って、広い面積
に電位を均一に印加する場合では、電位を印加する部位
からの距離が増大すると、それに伴い導電性樹脂層の抵
抗値が高まり、その結果、印加された電位の低下が発生
する。よって、広い面積の水中構造物では、電位の低下
が発生し、水中構造物表面全体への生物汚損防止ができ
なくなる場合もあり、その対策が望まれていた。
【0008】また、導電性材料上に電気絶縁性材料を介
して導電性シートを接合した部材も提案(特開平3−1
82897号公報)されているが、接水面が導電性シー
ト材料からなる部材では、導電性シート材料に空隙が存
在するため、この空隙を介して下部の接着層と海水や淡
水接触しており、水生生物はこの空隙から浸入して接着
層表面に付着し、その後付着した水生生物は、増殖して
微生物皮膜を形成し、そこに大型の水生生物が付着して
成長することが認められた。また、大型水生生物の成長
により、導電性シート材料の剥離が発生し、電気化学的
に水生生物を制御できない。
して導電性シートを接合した部材も提案(特開平3−1
82897号公報)されているが、接水面が導電性シー
ト材料からなる部材では、導電性シート材料に空隙が存
在するため、この空隙を介して下部の接着層と海水や淡
水接触しており、水生生物はこの空隙から浸入して接着
層表面に付着し、その後付着した水生生物は、増殖して
微生物皮膜を形成し、そこに大型の水生生物が付着して
成長することが認められた。また、大型水生生物の成長
により、導電性シート材料の剥離が発生し、電気化学的
に水生生物を制御できない。
【0009】
【課題を解決するための手段】よって、本発明の目的
は、基材となる金属の腐食が発生せず、経時的にも安定
であり、且つ、面積の広い水中構造物にも応用できる電
気化学的な生物制御用部材を提供することであって、金
属よりなる導電性基材表面に、接着層を介して絶縁樹脂
フィルムを接合し、該絶縁樹脂フィルム上に接着層を介
して導電性シート材を接合し、該導電性シート上に導電
性塗膜層を形成してなる電気化学的な生物制御用部材を
要旨とするものである。
は、基材となる金属の腐食が発生せず、経時的にも安定
であり、且つ、面積の広い水中構造物にも応用できる電
気化学的な生物制御用部材を提供することであって、金
属よりなる導電性基材表面に、接着層を介して絶縁樹脂
フィルムを接合し、該絶縁樹脂フィルム上に接着層を介
して導電性シート材を接合し、該導電性シート上に導電
性塗膜層を形成してなる電気化学的な生物制御用部材を
要旨とするものである。
【0010】以下、本発明について詳述する。図1は、
本発明で得られた電気化学的な生物制御用部材の断面を
模式的に示した図である。図中1は、金属よるなる導電
性基材であり、例えば、鉄およびその合金、アルミニウ
ムおよびその合金、銅およびその合金、亜鉛およびその
合金、ステンレス等である。これらの基材1は、電気化
学的に溶解や腐食し易いため、基材1上に接着層2を介
して絶縁樹脂フィルム層3を接合している。なお、基材
1表面には、基材1と接着層2との密着性を高めるため
に、リン酸皮膜やクロメート皮膜などの化学的な複合酸
化皮膜やアルマイト等の陽極酸化による酸化皮膜、或い
は、黒クロムめっき皮膜を形成することが好ましい。
本発明で得られた電気化学的な生物制御用部材の断面を
模式的に示した図である。図中1は、金属よるなる導電
性基材であり、例えば、鉄およびその合金、アルミニウ
ムおよびその合金、銅およびその合金、亜鉛およびその
合金、ステンレス等である。これらの基材1は、電気化
学的に溶解や腐食し易いため、基材1上に接着層2を介
して絶縁樹脂フィルム層3を接合している。なお、基材
1表面には、基材1と接着層2との密着性を高めるため
に、リン酸皮膜やクロメート皮膜などの化学的な複合酸
化皮膜やアルマイト等の陽極酸化による酸化皮膜、或い
は、黒クロムめっき皮膜を形成することが好ましい。
【0011】次に、絶縁樹脂フィルム3を金属材料上に
接合するための接着層2は、金属材料1と絶縁樹脂フィ
ルム3の材質により適宜選択すれば良く、特に限定され
るものではないが、配管内面に絶縁樹脂フィルム3を積
層させる場合では、作業性を重視すると、感圧接着剤や
ホットメルト接着剤が好ましい。また、船体などの比較
的平面で大面積の場合では、ゴム系接着剤やエポキシ系
接着剤、または感圧接着剤やホットメルト接着剤を用い
れば良い。また、基材1上に複合酸化皮膜や酸化皮膜が
形成されている場合では、接着剤はむしろ、絶縁樹脂フ
ィルム3の材料にあった物を用いればさらに良い。これ
らの接着層2は予め絶縁樹脂フィルム上に形成されてあ
っても、金属材料1上に形成されてあっても良い。尚、
基材1上に接着層2を形成する場合、その形成方法は、
ロールコーター、スプレー法、刷毛による塗布法などが
採用でき、特に限定されない。
接合するための接着層2は、金属材料1と絶縁樹脂フィ
ルム3の材質により適宜選択すれば良く、特に限定され
るものではないが、配管内面に絶縁樹脂フィルム3を積
層させる場合では、作業性を重視すると、感圧接着剤や
ホットメルト接着剤が好ましい。また、船体などの比較
的平面で大面積の場合では、ゴム系接着剤やエポキシ系
接着剤、または感圧接着剤やホットメルト接着剤を用い
れば良い。また、基材1上に複合酸化皮膜や酸化皮膜が
形成されている場合では、接着剤はむしろ、絶縁樹脂フ
ィルム3の材料にあった物を用いればさらに良い。これ
らの接着層2は予め絶縁樹脂フィルム上に形成されてあ
っても、金属材料1上に形成されてあっても良い。尚、
基材1上に接着層2を形成する場合、その形成方法は、
ロールコーター、スプレー法、刷毛による塗布法などが
採用でき、特に限定されない。
【0012】さらに、接着層2上に積層される絶縁樹脂
フィルム3は、電気的な絶縁性が高く、さらに、海水や
水中で膨潤や劣化が少ない材料からなるフィルムであれ
ば良く、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹
脂、テレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、
ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、
シリコン樹脂などが用いられる。これらの樹脂フィルム
表面は、樹脂フィルムの材質にもよるが、接着層との接
着性を高めるために、プラズマ処理やコロナ放電処理、
或いはクロム酸によるエッチング処理などにより親水化
処理が施されてあればさらに良い。また、樹脂フィルム
の厚さは特に限定はしないが、好ましくは10μm以上
の厚さであれば良い。
フィルム3は、電気的な絶縁性が高く、さらに、海水や
水中で膨潤や劣化が少ない材料からなるフィルムであれ
ば良く、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹
脂、テレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、
ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、
シリコン樹脂などが用いられる。これらの樹脂フィルム
表面は、樹脂フィルムの材質にもよるが、接着層との接
着性を高めるために、プラズマ処理やコロナ放電処理、
或いはクロム酸によるエッチング処理などにより親水化
処理が施されてあればさらに良い。また、樹脂フィルム
の厚さは特に限定はしないが、好ましくは10μm以上
の厚さであれば良い。
【0013】次に導電性シート材5について説明する。
導電性シート材5は電気化学的に溶解や変質しない材料
であれば良く、例えば、炭素繊維、チタン、ジルコニ
ア、タンタル、ニオブ等のバルブ金属からなる。また、
炭素繊維上にこれらのバルブ金属膜が蒸着により形成さ
れてあっても良い。これらからなる導電性シート材はメ
ッシュ状、織物状、編物状であれば良い。
導電性シート材5は電気化学的に溶解や変質しない材料
であれば良く、例えば、炭素繊維、チタン、ジルコニ
ア、タンタル、ニオブ等のバルブ金属からなる。また、
炭素繊維上にこれらのバルブ金属膜が蒸着により形成さ
れてあっても良い。これらからなる導電性シート材はメ
ッシュ状、織物状、編物状であれば良い。
【0014】導電性シート材5は、絶縁樹脂フィルム3
と接着層4を介して接合される。接着層4に用いられる
接着剤は、ゴム系接着剤やエポキシ系接着剤、または感
圧接着剤やホットメルト接着剤であって、基材1からな
る水中構造物の形状や絶縁樹脂フィルム3の材質により
適宜選択して用いれば良く、特に耐水性に優れた接着剤
であればさらに良い。
と接着層4を介して接合される。接着層4に用いられる
接着剤は、ゴム系接着剤やエポキシ系接着剤、または感
圧接着剤やホットメルト接着剤であって、基材1からな
る水中構造物の形状や絶縁樹脂フィルム3の材質により
適宜選択して用いれば良く、特に耐水性に優れた接着剤
であればさらに良い。
【0015】さらに、導電性シート材5上に形成される
導電性塗膜層6について説明する。導電性塗膜層6は、
バインダー樹脂と導電性微粒子からなり、特に導電性微
粒子は、化学的および電気化学的に溶出または変質しな
い材料であれば良く、例えば、カーボンブラック、グラ
ファイト、酸化錫、酸化インジウム等の酸化物、窒化チ
タン、窒化クロム、窒化ジルコニウム、窒化タンタル等
の窒化物、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化タンタ
ル等の炭化物、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホ
ウ化タンタル等のホウ化物などが好ましい。これらの導
電性微粒子の形状は無定型、鱗片状、球状、繊維状であ
れば良く、単体または複数を混合して用いても良い。ま
た、粒子径は0.001μmから100μm程度であれ
ば良い。また、バインダー樹脂への充填量は、得られた
導電性塗膜層6の比抵抗値が1Ω・cm以下になる様に
すれば良い。
導電性塗膜層6について説明する。導電性塗膜層6は、
バインダー樹脂と導電性微粒子からなり、特に導電性微
粒子は、化学的および電気化学的に溶出または変質しな
い材料であれば良く、例えば、カーボンブラック、グラ
ファイト、酸化錫、酸化インジウム等の酸化物、窒化チ
タン、窒化クロム、窒化ジルコニウム、窒化タンタル等
の窒化物、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化タンタ
ル等の炭化物、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホ
ウ化タンタル等のホウ化物などが好ましい。これらの導
電性微粒子の形状は無定型、鱗片状、球状、繊維状であ
れば良く、単体または複数を混合して用いても良い。ま
た、粒子径は0.001μmから100μm程度であれ
ば良い。また、バインダー樹脂への充填量は、得られた
導電性塗膜層6の比抵抗値が1Ω・cm以下になる様に
すれば良い。
【0016】次にバインダー樹脂について詳述する。バ
インダー樹脂としては、常温で乾燥もしくは反応硬化す
るもの、加熱して硬化するものであって、有機溶剤型、
水溶性型、エマルジョン型などが用いられ、具体的には
ニトロセルロース、塩化ビニル、アクリル、ポリアミド
樹脂、メラミン、メラミンアルギット樹脂、ポリウレタ
ンエラストマー、ポリエステルエラストマー、熱硬化型
アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽
和ポリエステル、アミノ樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹
脂、水溶性合成ラテックスとしてポリ酢酸ビニル樹脂、
酢ビーアクリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニルー塩化ビニリデン共重合体、合成ゴムラテックス等
が用いられ、目的に応じて選択すれば良い。導電性シー
ト材5上への導電性塗膜層6の形成方法は、スプレー
法、ロールコーター法、静電塗装法、刷毛塗り法などに
より形成される。
インダー樹脂としては、常温で乾燥もしくは反応硬化す
るもの、加熱して硬化するものであって、有機溶剤型、
水溶性型、エマルジョン型などが用いられ、具体的には
ニトロセルロース、塩化ビニル、アクリル、ポリアミド
樹脂、メラミン、メラミンアルギット樹脂、ポリウレタ
ンエラストマー、ポリエステルエラストマー、熱硬化型
アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽
和ポリエステル、アミノ樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹
脂、水溶性合成ラテックスとしてポリ酢酸ビニル樹脂、
酢ビーアクリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニルー塩化ビニリデン共重合体、合成ゴムラテックス等
が用いられ、目的に応じて選択すれば良い。導電性シー
ト材5上への導電性塗膜層6の形成方法は、スプレー
法、ロールコーター法、静電塗装法、刷毛塗り法などに
より形成される。
【0017】次に生物の電気化学的制御における電位印
加条件について説明する。生物を含む水中において導電
性シートと導電性塗膜層6からなる導電性複合層7に正
電位を印加すると、水中の生物を導電性複合層7に吸着
させることができる。さらに、導電性複合層7に印加さ
れている正電位には、該導電性複合層7表面に吸着して
接触した水生生物を電気化学的に殺菌する作用がある。
すなわち、水生生物は、正電位によって導電性複合層7
表面に吸着させられ、表面上で殺菌される。印加する正
電位は+0〜1.5V vs. SCE、好ましくは+
0.5〜+1.5V vs. SCEであり、印加電位
が0V vs. SCE以下では生物を導電性複合層7
に吸着させて殺菌することができない。さらに+1.5
V vs.SCEを越えた電位を長時間印加すると、水
や溶解している塩が電気分解して有害物質が発生したり
するので好ましくない。導電性複合層7に正電位を印加
する時間は水中に存在する水生生物の種類や濃度、また
は流速や温度によっても異なるが、5分から6時間程度
が好ましく、印加時間が6時間よりも長いと、導電性複
合層7上で殺菌された水生生物の上に他の水生生物が吸
着してしまい、後から吸着した水生生物は導電性複合層
7と直接接触していないので、正電位による電気化学的
殺菌作用を受けない。
加条件について説明する。生物を含む水中において導電
性シートと導電性塗膜層6からなる導電性複合層7に正
電位を印加すると、水中の生物を導電性複合層7に吸着
させることができる。さらに、導電性複合層7に印加さ
れている正電位には、該導電性複合層7表面に吸着して
接触した水生生物を電気化学的に殺菌する作用がある。
すなわち、水生生物は、正電位によって導電性複合層7
表面に吸着させられ、表面上で殺菌される。印加する正
電位は+0〜1.5V vs. SCE、好ましくは+
0.5〜+1.5V vs. SCEであり、印加電位
が0V vs. SCE以下では生物を導電性複合層7
に吸着させて殺菌することができない。さらに+1.5
V vs.SCEを越えた電位を長時間印加すると、水
や溶解している塩が電気分解して有害物質が発生したり
するので好ましくない。導電性複合層7に正電位を印加
する時間は水中に存在する水生生物の種類や濃度、また
は流速や温度によっても異なるが、5分から6時間程度
が好ましく、印加時間が6時間よりも長いと、導電性複
合層7上で殺菌された水生生物の上に他の水生生物が吸
着してしまい、後から吸着した水生生物は導電性複合層
7と直接接触していないので、正電位による電気化学的
殺菌作用を受けない。
【0018】電気化学的殺菌が起きる正電位を一定の時
間印加した後、水生生物の細胞壁を破損させるために、
印加した電位よりも高い電位を印加しても良い。印加す
る電位は+1.5〜+2V vs. SCEが好ましい
が、+2V vs. SCE以上の電位を印加すると印
加時間に関係なく水や溶解している塩が電気分解して有
害なガスの気泡が発生するので好ましくない。印加する
時間は印加電位によっても異なるが、水や溶解している
塩が電気分解して有害なガスの気泡が認められない短時
間印加すればよく、具体的には1/1000秒〜60秒
であればよく、印加時間が短いため、水や溶解している
塩が電気分解して有害ガスが発生してもその量は極めて
少ないため、環境への影響は問題とされない。また+0
〜+1.5V vs.SCEの電位を印加後+1.5〜
+2V vs. SCEの電位を短時間印加する周期
は、5分〜6時間であれば良い。
間印加した後、水生生物の細胞壁を破損させるために、
印加した電位よりも高い電位を印加しても良い。印加す
る電位は+1.5〜+2V vs. SCEが好ましい
が、+2V vs. SCE以上の電位を印加すると印
加時間に関係なく水や溶解している塩が電気分解して有
害なガスの気泡が発生するので好ましくない。印加する
時間は印加電位によっても異なるが、水や溶解している
塩が電気分解して有害なガスの気泡が認められない短時
間印加すればよく、具体的には1/1000秒〜60秒
であればよく、印加時間が短いため、水や溶解している
塩が電気分解して有害ガスが発生してもその量は極めて
少ないため、環境への影響は問題とされない。また+0
〜+1.5V vs.SCEの電位を印加後+1.5〜
+2V vs. SCEの電位を短時間印加する周期
は、5分〜6時間であれば良い。
【0019】さらに、前述した水生生物の制御方法に基
づいた生物の付着防止方法について説明する。水生生物
の制御方法では、水生生物の制御がそれらが存在する環
境に大きく左右される。即ち、流速が早い環境下では殺
菌された生物は、導電性複合層7表面から流速による抵
抗で容易に脱離され、スライム層の形成が阻止される
が、海水や淡水が淀んだ環境下では流速による抵抗がな
いため、導電性複合層7に吸着している殺菌された水生
生物の脱離が起こらない。そこで導電性複合層に負の電
位を印加することで、導電性複合層7表面に吸着してい
る殺菌された水生生物を強制的に脱離させる方法を採用
することが好ましい。この原理は、水生生物が負の電位
を有していることに着目した方法であり、正電位印加に
よる水生生物の導電性複合層7表面へ吸着して殺菌する
工程と、本構造物表面に負電位を印加して前記導電性複
合層7表面に吸着している殺菌された水生生物を脱離す
る工程とを周期的に行うことにより各種環境下でもスラ
イム層の形成を阻止せんとした方法である。正電位は前
に示した印加条件でよく、導電性複合層7に+0〜+
1.5V vs. SCEの正電位を印加する時間は水
中に存在する生物の種類や濃度、または流速や温度によ
っても異なるが、5分から6時間程度が好ましく、印加
時間が6時間よりも長いと、基材上で殺菌された水生生
物の上に他の水生生物が吸着してしまい、後から吸着し
た水生生物は導電性複合層7と直接接触していないの
で、正電位による電気化学的殺菌作用を受けない。
づいた生物の付着防止方法について説明する。水生生物
の制御方法では、水生生物の制御がそれらが存在する環
境に大きく左右される。即ち、流速が早い環境下では殺
菌された生物は、導電性複合層7表面から流速による抵
抗で容易に脱離され、スライム層の形成が阻止される
が、海水や淡水が淀んだ環境下では流速による抵抗がな
いため、導電性複合層7に吸着している殺菌された水生
生物の脱離が起こらない。そこで導電性複合層に負の電
位を印加することで、導電性複合層7表面に吸着してい
る殺菌された水生生物を強制的に脱離させる方法を採用
することが好ましい。この原理は、水生生物が負の電位
を有していることに着目した方法であり、正電位印加に
よる水生生物の導電性複合層7表面へ吸着して殺菌する
工程と、本構造物表面に負電位を印加して前記導電性複
合層7表面に吸着している殺菌された水生生物を脱離す
る工程とを周期的に行うことにより各種環境下でもスラ
イム層の形成を阻止せんとした方法である。正電位は前
に示した印加条件でよく、導電性複合層7に+0〜+
1.5V vs. SCEの正電位を印加する時間は水
中に存在する生物の種類や濃度、または流速や温度によ
っても異なるが、5分から6時間程度が好ましく、印加
時間が6時間よりも長いと、基材上で殺菌された水生生
物の上に他の水生生物が吸着してしまい、後から吸着し
た水生生物は導電性複合層7と直接接触していないの
で、正電位による電気化学的殺菌作用を受けない。
【0020】続いて、導電性複合層7に負電位を印加す
ると、導電性複合層7表面に吸着していた水生生物を脱
離させることができる。印加電位は−0〜−1.5V
vs. SCE、好ましくは−0.1〜1.0V vs.
SCEである。印加電位が−0V vs. SCE以
上では、水生生物を本構造物表面から脱離させることが
できず、−1.0V vs. SCEより低いとpHが
上昇するので好ましくない。また負電位を印加する時間
は導電性複合層7表面に吸着している水生生物の種類や
量によっても異なるが、30秒〜60分、好ましくは1
分〜30分間行えば良い。30秒よりも短いと殺菌され
た生物の脱離が十分でなく、次に正電位を印加すると殺
菌された生物の上に他の生物が付着してしまう。また、
60分よりも長いと、被処理液体の効果的な殺菌を行う
ことができない。
ると、導電性複合層7表面に吸着していた水生生物を脱
離させることができる。印加電位は−0〜−1.5V
vs. SCE、好ましくは−0.1〜1.0V vs.
SCEである。印加電位が−0V vs. SCE以
上では、水生生物を本構造物表面から脱離させることが
できず、−1.0V vs. SCEより低いとpHが
上昇するので好ましくない。また負電位を印加する時間
は導電性複合層7表面に吸着している水生生物の種類や
量によっても異なるが、30秒〜60分、好ましくは1
分〜30分間行えば良い。30秒よりも短いと殺菌され
た生物の脱離が十分でなく、次に正電位を印加すると殺
菌された生物の上に他の生物が付着してしまう。また、
60分よりも長いと、被処理液体の効果的な殺菌を行う
ことができない。
【0021】本発明では、水中構造物の接水面に形成さ
れた導電性複合層7を作用極とし、その導電性複合層7
作用極に対して適切な対極を、作用極と接触しないよう
に設置し、極性が変換できる直流電源により電位を印加
すれば良く、さらに、海水や淡水が電気分解しない電位
を正確に印加する場合では、参照極を設置して参照極と
作用極との間の電位を制御する3極方式で、直流電源と
してはポテンショスタットを用いて導電性複合層に印加
する電位を制御しても良い。
れた導電性複合層7を作用極とし、その導電性複合層7
作用極に対して適切な対極を、作用極と接触しないよう
に設置し、極性が変換できる直流電源により電位を印加
すれば良く、さらに、海水や淡水が電気分解しない電位
を正確に印加する場合では、参照極を設置して参照極と
作用極との間の電位を制御する3極方式で、直流電源と
してはポテンショスタットを用いて導電性複合層に印加
する電位を制御しても良い。
【0022】本発明による電気化学的な生物制御を応用
するための水中構造物は、船舶や船舶用の取水管、冷却
用海水の取水管、港湾設備や他の水中構造物などの電極
などに用いられる。
するための水中構造物は、船舶や船舶用の取水管、冷却
用海水の取水管、港湾設備や他の水中構造物などの電極
などに用いられる。
【0023】
【作用】本発明は、金属よりなる導電性基材表面に、接
着層を介して絶縁樹脂フィルムを接合し、該絶縁樹脂フ
ィルム上に接着層を介して導電性シート材を接合し、該
導電性シート上に導電性塗膜層を形成したので、絶縁樹
脂フィルムにより、基材金属と、導電性シート材と導電
性塗膜層からなる導電性複合層が完全に絶縁され、電位
を導電性複合層に印加しても基材の金属の電気化学的な
付着や溶解が発生しない。また、導電性シート材と導電
性塗膜層からなる導電性複合層は、導電性塗膜層よりも
抵抗値が低くなり、電位印加部位から離れた箇所でも抵
抗値による電位の低下が防止できる。したがって、大面
積の水中構造物表面には設定された電位が印加できるこ
とから、水中構造物表面全体に付着した水生生物を電気
化学的に制御できる。
着層を介して絶縁樹脂フィルムを接合し、該絶縁樹脂フ
ィルム上に接着層を介して導電性シート材を接合し、該
導電性シート上に導電性塗膜層を形成したので、絶縁樹
脂フィルムにより、基材金属と、導電性シート材と導電
性塗膜層からなる導電性複合層が完全に絶縁され、電位
を導電性複合層に印加しても基材の金属の電気化学的な
付着や溶解が発生しない。また、導電性シート材と導電
性塗膜層からなる導電性複合層は、導電性塗膜層よりも
抵抗値が低くなり、電位印加部位から離れた箇所でも抵
抗値による電位の低下が防止できる。したがって、大面
積の水中構造物表面には設定された電位が印加できるこ
とから、水中構造物表面全体に付着した水生生物を電気
化学的に制御できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。 〈電気化学的生物制御用部材の調製〉 実施例1 ステンレス板(30×50×1mm)の表面にポリエス
テル系接着剤(東亜合成(株)製、PES360SK)
にイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン(株)製
コロネートL)を5重量%添加し、スプレー法にて塗布
した後、100℃、5分間乾燥した。次に、絶縁樹脂フ
ィルムとして50μmの厚さのポリエステル樹脂フィル
ム(リンテック(株)製)を加熱圧着により積層した。
次いで、ポリエステル樹脂フィルムをステンレス基材上
に接着するために用いたポリエステル系接着剤を同様の
条件でポリエステル樹脂フィルム上に被覆し、乾燥し
た。次に、炭素繊維からなる導電性シート(東レ(株)
製、トレカC06141)を加熱圧着することで、ポリ
エステル樹脂フィルム上に積層した。次いで、次に示す
導電性樹脂組成物をスプレー法で被覆し、130℃、6
0分間乾燥することで、炭素繊維からなる導電性シート
上に導電性塗膜層を形成した。導電性組成物は、バイン
ダー樹脂としてウレタン系樹脂(関西ペイント(株)
製)を用い、ウレタン系樹脂の固形分に対して10μm
のグラファイト(日本黒鉛(株)製)に0.03μmの
カーボンブラック(三菱化学(株)製、ケッチェンブラ
ックECー600JD)を30重量%混合したものを5
0重量%配合し、ボールミルで分散して作成した。尚、
得られた導電性組成物にはスプレー法で塗布する前に専
用硬化剤を10重量%添加した。
する。 〈電気化学的生物制御用部材の調製〉 実施例1 ステンレス板(30×50×1mm)の表面にポリエス
テル系接着剤(東亜合成(株)製、PES360SK)
にイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン(株)製
コロネートL)を5重量%添加し、スプレー法にて塗布
した後、100℃、5分間乾燥した。次に、絶縁樹脂フ
ィルムとして50μmの厚さのポリエステル樹脂フィル
ム(リンテック(株)製)を加熱圧着により積層した。
次いで、ポリエステル樹脂フィルムをステンレス基材上
に接着するために用いたポリエステル系接着剤を同様の
条件でポリエステル樹脂フィルム上に被覆し、乾燥し
た。次に、炭素繊維からなる導電性シート(東レ(株)
製、トレカC06141)を加熱圧着することで、ポリ
エステル樹脂フィルム上に積層した。次いで、次に示す
導電性樹脂組成物をスプレー法で被覆し、130℃、6
0分間乾燥することで、炭素繊維からなる導電性シート
上に導電性塗膜層を形成した。導電性組成物は、バイン
ダー樹脂としてウレタン系樹脂(関西ペイント(株)
製)を用い、ウレタン系樹脂の固形分に対して10μm
のグラファイト(日本黒鉛(株)製)に0.03μmの
カーボンブラック(三菱化学(株)製、ケッチェンブラ
ックECー600JD)を30重量%混合したものを5
0重量%配合し、ボールミルで分散して作成した。尚、
得られた導電性組成物にはスプレー法で塗布する前に専
用硬化剤を10重量%添加した。
【0025】実施例2 実施例1で用いた炭素繊維からなる導電性シートが0.
1mmのチタン線からなる導電性シートに変えた以外、
実施例1と同様になし金属材料からなる部材を得た。
1mmのチタン線からなる導電性シートに変えた以外、
実施例1と同様になし金属材料からなる部材を得た。
【0026】比較例1 実施例1で用いたステンレス板上に、実施例1で用いた
炭素繊維からなる導電性シートを、実施例1で用いたポ
リエステル系接着剤で直接接合した。
炭素繊維からなる導電性シートを、実施例1で用いたポ
リエステル系接着剤で直接接合した。
【0027】〈耐久性評価〉実施例1と2、比較例1に
より得られた部材について、耐久性評価を行った。耐久
性評価は図2に示した装置を用いた。試験槽8には実施
例、比較例より得られた部材9(作用極となる)が配置
されており、この作用極はポテンショスタット10と連
結している。また、ポテンショスタット10は試験槽8
に配置された参照極11と対極12と連結している。試
験槽8には500mlの滅菌海水が入っており、また、
底部には撹拌装置13および撹拌棒14が配置されてい
る。参照極11には飽和甘コウ電極(SCE)を、対極
12には白金板を用いた。
より得られた部材について、耐久性評価を行った。耐久
性評価は図2に示した装置を用いた。試験槽8には実施
例、比較例より得られた部材9(作用極となる)が配置
されており、この作用極はポテンショスタット10と連
結している。また、ポテンショスタット10は試験槽8
に配置された参照極11と対極12と連結している。試
験槽8には500mlの滅菌海水が入っており、また、
底部には撹拌装置13および撹拌棒14が配置されてい
る。参照極11には飽和甘コウ電極(SCE)を、対極
12には白金板を用いた。
【0028】電位は次に示した条件で印加した。(1)
1.2V vs.SCEの定電圧、 (2)1.2V vs.SCE60分/ー0.6V v
s.SCE10分を交互に連続して印加、の2通りとし
た。試験期間は30日間連続して行った。尚、電極の裏
面(金属が露出した面)には、試験前にシリコン樹脂
(コニシ(株)製バスボンド)を被覆してマスキングし
た。評価は試験終了後、金属基材と導電性塗膜層との間
の抵抗値をテスターにて測定して行った。結果を表1に
示す。
1.2V vs.SCEの定電圧、 (2)1.2V vs.SCE60分/ー0.6V v
s.SCE10分を交互に連続して印加、の2通りとし
た。試験期間は30日間連続して行った。尚、電極の裏
面(金属が露出した面)には、試験前にシリコン樹脂
(コニシ(株)製バスボンド)を被覆してマスキングし
た。評価は試験終了後、金属基材と導電性塗膜層との間
の抵抗値をテスターにて測定して行った。結果を表1に
示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は実施例の結果が示すように、電
位を印加しても金属の腐食が発生せず、金属と導電性塗
膜層との間の抵抗値は無限大であることから、経時安定
性にも優れており、また、導電性シート材が導電性塗膜
層の下部に接合されているので、抵抗値も低くなり、船
舶や、湾岸設備、配水管などの面積の広い水中構造物に
応用できる有用なものである。
位を印加しても金属の腐食が発生せず、金属と導電性塗
膜層との間の抵抗値は無限大であることから、経時安定
性にも優れており、また、導電性シート材が導電性塗膜
層の下部に接合されているので、抵抗値も低くなり、船
舶や、湾岸設備、配水管などの面積の広い水中構造物に
応用できる有用なものである。
【図1】本発明の部材の断面を模式的に示した図。
【図2】実施例、比較例により得られた部材の評価用試
験装置。
験装置。
1 導電性基材 2 接着層 3 絶縁樹脂フィルム 4 接着層 5 導電性シート材 6 導電性塗膜層 7 導電性複合層 8 試験槽 9 試験用部材(実施例、比較例により得られた部材、
作用極) 10 ポテンショスタット 11 参照極 12 対極 13 撹拌装置 14 撹拌棒
作用極) 10 ポテンショスタット 11 参照極 12 対極 13 撹拌装置 14 撹拌棒
Claims (1)
- 【請求項1】 金属よりなる導電性基材表面に、接着層
を介して絶縁樹脂フィルムを接合し、該絶縁樹脂フィル
ム上に接着層を介して導電性シート材を接合し、該導電
性シート上に導電性塗膜層を形成してなる電気化学的な
生物制御用部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9649397A JPH10271942A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 電気化学的な生物制御用部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9649397A JPH10271942A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 電気化学的な生物制御用部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10271942A true JPH10271942A (ja) | 1998-10-13 |
Family
ID=14166618
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9649397A Pending JPH10271942A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 電気化学的な生物制御用部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10271942A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000022240A1 (en) * | 1998-10-14 | 2000-04-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Soil resisting device for structure in contact with seawater |
| US6579429B2 (en) | 2000-11-29 | 2003-06-17 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Antifouling system for structure exposed to seawater and heat exchanger |
| EP3109203A4 (en) * | 2014-03-28 | 2017-09-13 | Daikin Industries, Ltd. | Submerged discharge device |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP9649397A patent/JPH10271942A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000022240A1 (en) * | 1998-10-14 | 2000-04-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Soil resisting device for structure in contact with seawater |
| US6511586B1 (en) | 1998-10-14 | 2003-01-28 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Marine organism prevention system for structures in seawater |
| US6579429B2 (en) | 2000-11-29 | 2003-06-17 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Antifouling system for structure exposed to seawater and heat exchanger |
| EP3109203A4 (en) * | 2014-03-28 | 2017-09-13 | Daikin Industries, Ltd. | Submerged discharge device |
| US10087091B2 (en) | 2014-03-28 | 2018-10-02 | Daikin Industries, Ltd. | Submerged discharge device |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| WO1999043618A1 (en) | Electrochemical antifouling device comprising underwater structure and method of producing underwater structure used for the device | |
| JPH0478482A (ja) | 防汚方法および防汚装置 | |
| JPH10271942A (ja) | 電気化学的な生物制御用部材 | |
| JPH10128337A (ja) | 電気化学的水生生物制御用部材 | |
| JPH11264062A (ja) | 金属窒化物、その溶射皮膜および電気化学的な生物制御用または防汚用部材の製造方法 | |
| JP4157757B2 (ja) | 防汚装置 | |
| JP3491081B2 (ja) | 電気化学的な生物制御用または防汚用部材 | |
| JP3888756B2 (ja) | 水生生物の電気化学的制御方法及び防汚方法及び防汚装置 | |
| JP3962846B2 (ja) | 防汚方法および防汚装置 | |
| JP2007186933A (ja) | 海水に接する構造物の防汚防食装置および防汚防食方法 | |
| JP2000008338A (ja) | 水中構造物の防汚装置 | |
| JP3526469B2 (ja) | 水中構造物の防汚方法 | |
| JPH11244861A (ja) | 水中構造物の防汚装置および生物の電気化学的な制御方法 | |
| JPH1161373A (ja) | 電気化学的な生物制御用または防汚用部材 | |
| JP3668976B2 (ja) | 水生生物の電気化学的制御方法及び防汚方法 | |
| JP4069060B2 (ja) | 電気化学的水質制御方法および装置 | |
| JP2004298785A (ja) | 生物付着防止材 | |
| JP4229047B2 (ja) | 電子制菌装置 | |
| JP4923375B2 (ja) | 電気化学的防汚方法 | |
| JP4385546B2 (ja) | 電気化学的防汚方法 | |
| JP2002136972A (ja) | 電気化学的防汚方法及び装置 | |
| JP3697650B2 (ja) | 水生生物の電気化学的制御方法及び防汚方法 | |
| JP2004116136A (ja) | 電子制菌防汚方法 | |
| JP2002035762A (ja) | 電気化学的防汚板 | |
| JP4075263B2 (ja) | 電気化学的防汚方法及び装置 |