JPH10272317A - 耐高温腐食性にすぐれた多孔質材及び高温排ガス用フィルタ - Google Patents
耐高温腐食性にすぐれた多孔質材及び高温排ガス用フィルタInfo
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- JPH10272317A JPH10272317A JP7963197A JP7963197A JPH10272317A JP H10272317 A JPH10272317 A JP H10272317A JP 7963197 A JP7963197 A JP 7963197A JP 7963197 A JP7963197 A JP 7963197A JP H10272317 A JPH10272317 A JP H10272317A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ごみ焼却炉の排ガスから飛灰等の腐食性物質
等を除去するためのフィルタ等として有用な耐高温腐食
性にすぐれた多孔質材を提供する。 【解決手段】 この多孔質材は、多孔質金属焼結体を基
体とし、その表面および基体内部の開気孔の内面がセラ
ミックス皮膜で被覆されている。基体は、低温低圧の熱
間静水圧加圧焼結等により形成され、セラミックス皮膜
は化学蒸着により形成される。セラミックス皮膜の材種
は、例えばAl2 O 3 等の酸化物,SiC 等の炭化物,Si3
N 4 等の窒化物,TiB 等の硼化物, MoSi等の珪化物など
が好適であり、膜厚は数ミクロンである。
等を除去するためのフィルタ等として有用な耐高温腐食
性にすぐれた多孔質材を提供する。 【解決手段】 この多孔質材は、多孔質金属焼結体を基
体とし、その表面および基体内部の開気孔の内面がセラ
ミックス皮膜で被覆されている。基体は、低温低圧の熱
間静水圧加圧焼結等により形成され、セラミックス皮膜
は化学蒸着により形成される。セラミックス皮膜の材種
は、例えばAl2 O 3 等の酸化物,SiC 等の炭化物,Si3
N 4 等の窒化物,TiB 等の硼化物, MoSi等の珪化物など
が好適であり、膜厚は数ミクロンである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ等の廃棄物の
焼却炉から発生する排ガスなどの高温腐食性排ガスから
飛灰等の腐食性物質を濾去するためのフィルタ等として
有用な耐高温腐食性にすぐれた多孔質材に関する。
焼却炉から発生する排ガスなどの高温腐食性排ガスから
飛灰等の腐食性物質を濾去するためのフィルタ等として
有用な耐高温腐食性にすぐれた多孔質材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギの有効利用・多様化促進
の観点から、ごみ等の廃棄物の焼却余熱を利用した廃棄
物発電技術等の開発が推進されている。廃棄物焼却炉の
高温の排ガスから熱エネルギを回収する廃熱回収システ
ムは、廃熱ボイラ,スーパーヒータ,集塵器,ガス処理
塔などからなる。廃熱ボイラで、排ガスと水管内の水と
の熱交換により飽和蒸気を発生し、飽和蒸気はスーパー
ヒータに送り込まれ、更に排ガスと熱交換して高温高圧
の過熱蒸気に変換される。過熱蒸気は、蒸気タービンに
供給され、発電に利用される。廃熱ボイラ,スーパーヒ
ータを経由した排ガスは、集塵器でダストを除去され、
ガス処理塔で塩化水素,窒素酸化物,硫黄酸化物等を除
去されたのち大気中に放出される。
の観点から、ごみ等の廃棄物の焼却余熱を利用した廃棄
物発電技術等の開発が推進されている。廃棄物焼却炉の
高温の排ガスから熱エネルギを回収する廃熱回収システ
ムは、廃熱ボイラ,スーパーヒータ,集塵器,ガス処理
塔などからなる。廃熱ボイラで、排ガスと水管内の水と
の熱交換により飽和蒸気を発生し、飽和蒸気はスーパー
ヒータに送り込まれ、更に排ガスと熱交換して高温高圧
の過熱蒸気に変換される。過熱蒸気は、蒸気タービンに
供給され、発電に利用される。廃熱ボイラ,スーパーヒ
ータを経由した排ガスは、集塵器でダストを除去され、
ガス処理塔で塩化水素,窒素酸化物,硫黄酸化物等を除
去されたのち大気中に放出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ごみ焼却炉から発生す
る高温排ガスは、高濃度の塩素(約500 〜2000ppm )を
含有し、また排ガス中の飛灰には、ナトリウム,カリウ
ム,カルシウム等の塩基性塩(NaCl,KCl,Na
2 SO4 等)が多量に含まれている。このため、高温に
おいて強い腐食環境となり、上記廃熱回収システムの構
成部材の腐食損傷が問題となる。廃熱回収システムの発
電効率を高めるには、スーパーヒータでの過熱蒸気をよ
り高温化することが必要であるが、熱交換パイプの腐食
防止の点から、管壁温度を比較的低温度(約320 ℃程
度) に抑えざるを得ず、従って管内の蒸気温度は高々30
0 ℃程度にとどまっている。
る高温排ガスは、高濃度の塩素(約500 〜2000ppm )を
含有し、また排ガス中の飛灰には、ナトリウム,カリウ
ム,カルシウム等の塩基性塩(NaCl,KCl,Na
2 SO4 等)が多量に含まれている。このため、高温に
おいて強い腐食環境となり、上記廃熱回収システムの構
成部材の腐食損傷が問題となる。廃熱回収システムの発
電効率を高めるには、スーパーヒータでの過熱蒸気をよ
り高温化することが必要であるが、熱交換パイプの腐食
防止の点から、管壁温度を比較的低温度(約320 ℃程
度) に抑えざるを得ず、従って管内の蒸気温度は高々30
0 ℃程度にとどまっている。
【0004】上記廃熱回収システムの部材の腐食を抑制
防止するには、排ガス流路の上流側でガス中の腐食性物
質を除去してやればよいが、ごみ焼却炉から発生する排
ガスは著しく高温(例えば800 〜950 ℃) であるため、
従来より高温集塵用として使用されているガラスファイ
バ濾布や金属繊維等からなるバグフィルタでは、耐熱性
が不足し、使用に耐え得ない。上記排ガスの高温に耐え
得る耐熱性フィルタとして、セラミックスフィルタや、
耐熱金属の多孔質焼結材などを使用することも考えられ
るが、セラミックスフィルタは、熱衝撃,機械衝撃,熱
応力等で破壊されることあり、安定使用を保証し難く、
他方耐熱金属の多孔質材では、脆性の問題はない反面、
飛灰に含まれる塩類等に対する十分な腐食抵抗性を確保
することが困難である。本発明は、ごみ等廃棄物焼却炉
の排ガスの飛灰除去用フィルタ等として有用な、耐高温
腐食性および靱性を備えた多孔質材を提供するものであ
る。
防止するには、排ガス流路の上流側でガス中の腐食性物
質を除去してやればよいが、ごみ焼却炉から発生する排
ガスは著しく高温(例えば800 〜950 ℃) であるため、
従来より高温集塵用として使用されているガラスファイ
バ濾布や金属繊維等からなるバグフィルタでは、耐熱性
が不足し、使用に耐え得ない。上記排ガスの高温に耐え
得る耐熱性フィルタとして、セラミックスフィルタや、
耐熱金属の多孔質焼結材などを使用することも考えられ
るが、セラミックスフィルタは、熱衝撃,機械衝撃,熱
応力等で破壊されることあり、安定使用を保証し難く、
他方耐熱金属の多孔質材では、脆性の問題はない反面、
飛灰に含まれる塩類等に対する十分な腐食抵抗性を確保
することが困難である。本発明は、ごみ等廃棄物焼却炉
の排ガスの飛灰除去用フィルタ等として有用な、耐高温
腐食性および靱性を備えた多孔質材を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の多孔質体は、耐
熱金属からなる多孔質焼結体に化学蒸着処理を施して、
その表面および開気孔の内表面をセラミックス皮膜で被
覆したことを特徴としている。
熱金属からなる多孔質焼結体に化学蒸着処理を施して、
その表面および開気孔の内表面をセラミックス皮膜で被
覆したことを特徴としている。
【0006】セラミックスは一般に、高温強度にすぐれ
ると共に、塩類との濡れ性も低く、卓抜した高温腐食抵
抗性を示す。金属は靱性を有するものの、塩類との濡れ
性がよく、耐熱耐食合金であっても、高温環境での塩類
の付着と著しい腐食を避け得ない。本発明の多孔質体
は、金属の多孔質焼結体を基体としていることにより、
排ガス用フィルタ等の構成部材として必要な靱性を有
し、その表面および開気孔(貫通気孔)の内面がセラミ
ックス皮膜で被覆されていることにより、高温排ガス中
の塩類等の腐食物質に対する高度の腐食抵抗性を備えて
いる。
ると共に、塩類との濡れ性も低く、卓抜した高温腐食抵
抗性を示す。金属は靱性を有するものの、塩類との濡れ
性がよく、耐熱耐食合金であっても、高温環境での塩類
の付着と著しい腐食を避け得ない。本発明の多孔質体
は、金属の多孔質焼結体を基体としていることにより、
排ガス用フィルタ等の構成部材として必要な靱性を有
し、その表面および開気孔(貫通気孔)の内面がセラミ
ックス皮膜で被覆されていることにより、高温排ガス中
の塩類等の腐食物質に対する高度の腐食抵抗性を備えて
いる。
【0007】図1は本発明の多孔質体の断面を模式的に
示している。(1)は基体である多孔質金属焼結体を構
成する耐熱金属粒子、(2)は化学蒸着により形成され
たセラミックス皮膜である。セラミックス皮膜(2)
は、基体の外表面およびその内部を貫通する開気孔
(3)の表面を被覆し、高温腐食性排ガスと基体との接
触を遮断して基体を高温腐食から保護する。また、セラ
ミックス皮膜の塩類との濡れ性が低いことは、排ガス用
フィルタの用途において、飛灰等の凝着を抑制防止し、
逆洗処理によるフィルタの再生を容易化する。
示している。(1)は基体である多孔質金属焼結体を構
成する耐熱金属粒子、(2)は化学蒸着により形成され
たセラミックス皮膜である。セラミックス皮膜(2)
は、基体の外表面およびその内部を貫通する開気孔
(3)の表面を被覆し、高温腐食性排ガスと基体との接
触を遮断して基体を高温腐食から保護する。また、セラ
ミックス皮膜の塩類との濡れ性が低いことは、排ガス用
フィルタの用途において、飛灰等の凝着を抑制防止し、
逆洗処理によるフィルタの再生を容易化する。
【0008】
【発明の実施の形態】基体(多孔質金属焼結体)を構成
する耐熱金属の材種は、多孔質材の具体的な用途・使用
環境条件に応じて適宜選択される。ごみ焼却炉の排ガス
用フィルタでは、例えば、ボイラ用炭素鋼・合金鋼、ま
たステンレス鋼,耐熱鋼,Ni系/Co系耐熱合金(イ
ンコネル,ハステロイ,ステライト等)などであり、こ
のほか高融点金属であるクロム等も好適である。基体の
気孔率,気孔径などは、金属粒子径や焼結処理条件によ
り任意に制御される。ごみ焼却炉の排ガス用フィルタで
は、例えば平均気孔径は約30〜70μm,気孔率は約
15〜40%である。
する耐熱金属の材種は、多孔質材の具体的な用途・使用
環境条件に応じて適宜選択される。ごみ焼却炉の排ガス
用フィルタでは、例えば、ボイラ用炭素鋼・合金鋼、ま
たステンレス鋼,耐熱鋼,Ni系/Co系耐熱合金(イ
ンコネル,ハステロイ,ステライト等)などであり、こ
のほか高融点金属であるクロム等も好適である。基体の
気孔率,気孔径などは、金属粒子径や焼結処理条件によ
り任意に制御される。ごみ焼却炉の排ガス用フィルタで
は、例えば平均気孔径は約30〜70μm,気孔率は約
15〜40%である。
【0009】多孔質の基体の外表面およびその内部を貫
通する開気孔の表面を被覆するセラミックスは、酸化
物,炭化物,窒化物,硼化物,珪化物など、広範囲の選
択が可能である。特に、ごみ焼却炉の排ガスのように塩
素ガスが存在し、かつ,Na,K,Ca等の塩基性塩を
含む飛灰が混在した高温ガス用フィルタのセラミックス
皮膜としては、酸化物としてアルミナ(Al2 O3 ) や
サイアロン(SiAlNO),炭化物として炭化珪素
(SiC),窒化物として窒化珪素(Si3 N4 ),硼
化物として硼化チタン(TiB2 ),珪化物として珪化
モリブデン(MoSi)等の被膜が好適である。これら
のセラミックス皮膜の厚さは数μm(約1〜5μm程
度)であってよい。
通する開気孔の表面を被覆するセラミックスは、酸化
物,炭化物,窒化物,硼化物,珪化物など、広範囲の選
択が可能である。特に、ごみ焼却炉の排ガスのように塩
素ガスが存在し、かつ,Na,K,Ca等の塩基性塩を
含む飛灰が混在した高温ガス用フィルタのセラミックス
皮膜としては、酸化物としてアルミナ(Al2 O3 ) や
サイアロン(SiAlNO),炭化物として炭化珪素
(SiC),窒化物として窒化珪素(Si3 N4 ),硼
化物として硼化チタン(TiB2 ),珪化物として珪化
モリブデン(MoSi)等の被膜が好適である。これら
のセラミックス皮膜の厚さは数μm(約1〜5μm程
度)であってよい。
【0010】本発明の多孔質体は、金属粉末を焼結原料
とし、基体である多孔質金属焼結体を形成する焼結処
理、および化学蒸着によりセラミックス皮膜を形成する
工程により製造される。 〔多孔質金属焼結体の製造〕金属粉末の焼結処理は、熱
間静水圧加圧焼結処理(HIP処理)を適用するのが好
ましい。HIP処理によれば、形状やサイズの如何に拘
らず、均質な多孔質焼結体を得ることができる。HIP
処理は次のA法またはB法により好適に達成される。 A法: 金属粉末をカプセルに封入し、低温・低圧力のH
IP処理を施す。 B法: 金属粉末を加圧成形し、その圧粉体をカプセルに
封入することなく、HIP処理する。
とし、基体である多孔質金属焼結体を形成する焼結処
理、および化学蒸着によりセラミックス皮膜を形成する
工程により製造される。 〔多孔質金属焼結体の製造〕金属粉末の焼結処理は、熱
間静水圧加圧焼結処理(HIP処理)を適用するのが好
ましい。HIP処理によれば、形状やサイズの如何に拘
らず、均質な多孔質焼結体を得ることができる。HIP
処理は次のA法またはB法により好適に達成される。 A法: 金属粉末をカプセルに封入し、低温・低圧力のH
IP処理を施す。 B法: 金属粉末を加圧成形し、その圧粉体をカプセルに
封入することなく、HIP処理する。
【0011】まず、A法(低温低圧HIP処理)につい
て説明すると、HIP処理を低温低圧処理とするのは、
高緻密質の焼結製品を製造する通常のHIP処理と異な
って、焼結体をフィルタ等に必要な多孔体(例えば、気
孔率: 約15〜40%,気孔径:約30〜70μm)とするため
である。金属粉末のカプセル封入も、通常のHIP処理
における真空(減圧)封入に代え、常圧(必要ならば、
N 2,Ar等の不活性雰囲気)のもとに行うことができる。
このHIP処理は、好ましくは、温度: 0.35〜0.85mpK
〔但し,mpK は金属粉末の融点(絶対温度)〕、圧力:
5 〜150 MPaに調整される。低温低圧のHIP処理で
得られる多孔質焼結体は、所望により、粒子間結合を強
化するための熱処理(強化熱処理)に付される。処理温
度は、約0.6 〜0.95mpK の範囲が適当であり、これによ
り焼結体の多孔性を損なわずに、焼結体の機械強度を高
めることができる。熱処理はHIP装置内において、静
水圧媒体の加圧作用を解除した状態で行うこともでき
る。
て説明すると、HIP処理を低温低圧処理とするのは、
高緻密質の焼結製品を製造する通常のHIP処理と異な
って、焼結体をフィルタ等に必要な多孔体(例えば、気
孔率: 約15〜40%,気孔径:約30〜70μm)とするため
である。金属粉末のカプセル封入も、通常のHIP処理
における真空(減圧)封入に代え、常圧(必要ならば、
N 2,Ar等の不活性雰囲気)のもとに行うことができる。
このHIP処理は、好ましくは、温度: 0.35〜0.85mpK
〔但し,mpK は金属粉末の融点(絶対温度)〕、圧力:
5 〜150 MPaに調整される。低温低圧のHIP処理で
得られる多孔質焼結体は、所望により、粒子間結合を強
化するための熱処理(強化熱処理)に付される。処理温
度は、約0.6 〜0.95mpK の範囲が適当であり、これによ
り焼結体の多孔性を損なわずに、焼結体の機械強度を高
めることができる。熱処理はHIP装置内において、静
水圧媒体の加圧作用を解除した状態で行うこともでき
る。
【0012】他方、B法(圧粉体のカプセルフリーHI
P処理)による場合の圧粉体は、一軸プレス成形,押出
成形,冷間静水圧プレス成形(CIP成形)等により形
成されるが、均質性の点からCIP成形によるのが好ま
しい。焼結体を多孔質体とするのに必要な圧粉体の相対
密度は、約95%以下(約30〜95%)であり、成形
加圧力は例えば50〜250MPaである。
P処理)による場合の圧粉体は、一軸プレス成形,押出
成形,冷間静水圧プレス成形(CIP成形)等により形
成されるが、均質性の点からCIP成形によるのが好ま
しい。焼結体を多孔質体とするのに必要な圧粉体の相対
密度は、約95%以下(約30〜95%)であり、成形
加圧力は例えば50〜250MPaである。
【0013】圧粉体のHIP処理は、圧粉体に圧力媒体
(Ar,N2 等の不活性ガス)が接触した状態で行われ
る。処理温度は約0.7〜0.95mpK (mpK は前記と
同義),加圧力は約5〜150MPaの範囲に調整され
る。この処理条件は、高緻密質焼結体を目的とする通常
のHIP処理とほぼ同じであるが、通常のHIP処理と
異なって、静水圧媒体の圧力作用が、圧粉体の表面に作
用すると同時に、開気孔を介してその内部にも作用す
る。このため、圧粉体の多孔性を損なわずに、粒子同士
の焼結を行わせ、機械強度・靱性の高い焼結体に焼き上
げることができる。従って、この場合は上記A法におけ
るHIP処理後の強化熱処理は特に必要としない。
(Ar,N2 等の不活性ガス)が接触した状態で行われ
る。処理温度は約0.7〜0.95mpK (mpK は前記と
同義),加圧力は約5〜150MPaの範囲に調整され
る。この処理条件は、高緻密質焼結体を目的とする通常
のHIP処理とほぼ同じであるが、通常のHIP処理と
異なって、静水圧媒体の圧力作用が、圧粉体の表面に作
用すると同時に、開気孔を介してその内部にも作用す
る。このため、圧粉体の多孔性を損なわずに、粒子同士
の焼結を行わせ、機械強度・靱性の高い焼結体に焼き上
げることができる。従って、この場合は上記A法におけ
るHIP処理後の強化熱処理は特に必要としない。
【0014】〔化学蒸着によるセラミックス皮膜の形
成〕HIP焼結体として形成された多孔質金属焼結体
は、化学蒸着の前処理として、表面および開気孔内の付
着汚染物(油脂,スケール,水分等)の除去処理が施さ
れる。その処理は、金属材の清浄化処理として公知の各
種方法(酸洗,電解酸洗,アルカリ脱脂,溶剤脱脂,電
解脱脂,超音波洗浄等)から、焼結体の金属材種や付着
汚染物の種類等に応じた適当な浄化処理が適用される。
清浄化処理後、表面および開気孔内を十分に乾燥したう
え、化学蒸着処理に付す。
成〕HIP焼結体として形成された多孔質金属焼結体
は、化学蒸着の前処理として、表面および開気孔内の付
着汚染物(油脂,スケール,水分等)の除去処理が施さ
れる。その処理は、金属材の清浄化処理として公知の各
種方法(酸洗,電解酸洗,アルカリ脱脂,溶剤脱脂,電
解脱脂,超音波洗浄等)から、焼結体の金属材種や付着
汚染物の種類等に応じた適当な浄化処理が適用される。
清浄化処理後、表面および開気孔内を十分に乾燥したう
え、化学蒸着処理に付す。
【0015】化学蒸着は、原料ガスとしてハロゲン化
物,硫化物,水素化物等を含む調整されたガスまたはガ
ス混合物の熱化学反応により、皮膜組成を被処理物上に
成膜するものであり、形成される皮膜は密着性が高くか
つ緻密である。原料ガスを被処理物(多孔質金属焼結
体)の開気孔内に流入させることにより、開気孔の内面
をも緻密なセラミックス皮膜で被覆することができる。
蒸着処理は、通常の化学蒸着装置を使用して行うことが
でき、原料ガスが開気孔に十分に流入する時間を与えれ
ばよく、また被処理物の開気孔の入口側と出口側とに適
当な差圧を与え、原料ガスの開気孔内への流入を促進す
ることにより、効率的に処理を達成することができる。
物,硫化物,水素化物等を含む調整されたガスまたはガ
ス混合物の熱化学反応により、皮膜組成を被処理物上に
成膜するものであり、形成される皮膜は密着性が高くか
つ緻密である。原料ガスを被処理物(多孔質金属焼結
体)の開気孔内に流入させることにより、開気孔の内面
をも緻密なセラミックス皮膜で被覆することができる。
蒸着処理は、通常の化学蒸着装置を使用して行うことが
でき、原料ガスが開気孔に十分に流入する時間を与えれ
ばよく、また被処理物の開気孔の入口側と出口側とに適
当な差圧を与え、原料ガスの開気孔内への流入を促進す
ることにより、効率的に処理を達成することができる。
【0016】図2は、上記蒸着処理装置の一例を模式的
に示している。(10)は反応容器、(11)はヒー
タ、(12)は原料ガス供給管、(W)は反応容器内に
装入された被処理物である。この例における被処理物
(多孔質金属焼結体)は中空円筒体であり、反応容器
(10)内の台(13)に直立載置され、その頂部端面
に蓋材(14)が被せられ、蓋材(14)には中空円筒
体の内側空間に連通する排気管(15)が接続されてい
る。反応容器(10)内は原料ガス供給管(12)から
供給される原料ガスで満たされ、被処理物(W)はヒー
タ(11)により所定温度に加熱保持される。反応容器
(10)内の原料ガスは、被処理物(W)の開気孔を透
過して内側空間に流入する。これにより被処理物(W)
は、外側と内側の表面および開気孔の内面の全体に原料
ガスが接触し化学蒸着による皮膜形成が行われる。
に示している。(10)は反応容器、(11)はヒー
タ、(12)は原料ガス供給管、(W)は反応容器内に
装入された被処理物である。この例における被処理物
(多孔質金属焼結体)は中空円筒体であり、反応容器
(10)内の台(13)に直立載置され、その頂部端面
に蓋材(14)が被せられ、蓋材(14)には中空円筒
体の内側空間に連通する排気管(15)が接続されてい
る。反応容器(10)内は原料ガス供給管(12)から
供給される原料ガスで満たされ、被処理物(W)はヒー
タ(11)により所定温度に加熱保持される。反応容器
(10)内の原料ガスは、被処理物(W)の開気孔を透
過して内側空間に流入する。これにより被処理物(W)
は、外側と内側の表面および開気孔の内面の全体に原料
ガスが接触し化学蒸着による皮膜形成が行われる。
【0017】原料ガス組成および蒸着処理温度は、形成
しようとするセラミックス皮膜の材種に応じて調節され
る。例えば、アルミナ皮膜(Al2 O 3 ) の化学蒸着処理
は、塩化アルミニウム(AlCl3 ) ,二酸化炭素(CO2 )
および水素 (H 2 ) からなる混合ガスを原料ガスとし、
処理温度を約1000℃として行われる。窒化珪素皮膜(Si
3 N 4 ) は、四塩化珪素(SiCl 4 ) とアンモニア (N
H3 ) との混合ガスを使用し、処理温度を約1200℃とし
て成膜することができ、炭化珪素皮膜(SiC )は、SiCl
4とプロパン(C3 H 8 ) の混合ガスを使用し、処理温度
を約1200℃として成膜される。また、硼化チタン被膜
(TiB 2 ) は、四塩化チタン(TiCl 4 ) と三塩化硼素(BC
l3 ) との混合瓦斯を使用し、処理温度を約1150℃とし
て成膜することができる。このほか、被処理物(多孔質
金属焼結体)の合金元素と原料ガスとの反応によりセラ
ミックスを成膜することもでき、例えば、被処理物が、
Mo含有合金(ニッケルクロムモリブデン合金等)から
なる焼結体である場合において、SiCl 4を原料ガスと
し、約1000℃で処理することにより、珪化モリブデン(M
oSi)のセラミックス皮膜を形成することができる。
しようとするセラミックス皮膜の材種に応じて調節され
る。例えば、アルミナ皮膜(Al2 O 3 ) の化学蒸着処理
は、塩化アルミニウム(AlCl3 ) ,二酸化炭素(CO2 )
および水素 (H 2 ) からなる混合ガスを原料ガスとし、
処理温度を約1000℃として行われる。窒化珪素皮膜(Si
3 N 4 ) は、四塩化珪素(SiCl 4 ) とアンモニア (N
H3 ) との混合ガスを使用し、処理温度を約1200℃とし
て成膜することができ、炭化珪素皮膜(SiC )は、SiCl
4とプロパン(C3 H 8 ) の混合ガスを使用し、処理温度
を約1200℃として成膜される。また、硼化チタン被膜
(TiB 2 ) は、四塩化チタン(TiCl 4 ) と三塩化硼素(BC
l3 ) との混合瓦斯を使用し、処理温度を約1150℃とし
て成膜することができる。このほか、被処理物(多孔質
金属焼結体)の合金元素と原料ガスとの反応によりセラ
ミックスを成膜することもでき、例えば、被処理物が、
Mo含有合金(ニッケルクロムモリブデン合金等)から
なる焼結体である場合において、SiCl 4を原料ガスと
し、約1000℃で処理することにより、珪化モリブデン(M
oSi)のセラミックス皮膜を形成することができる。
【0018】なお、金属とセラミックスとは一般に熱膨
張係数が異なるので、その熱膨張率の差異により、基体
(多孔質金属焼結体)とセラミックス皮膜との界面の密
着強度を十分に確保することが困難であるような場合に
は、セラミックス皮膜を、材種の異なる複数層からなる
積層構造とし、膜厚方向に熱膨張率の勾配をもたせるよ
うにすればよい。例えば、ステンレス鋼等の多孔質焼結
体を被処理物とし、これにAl2 O 3 被膜を成膜する場合
において、例えば第1層としてTiC 皮膜を形成し、中間
層としてTiN 被膜を積層し、そのうえにAl2 O 3 被膜を
積層成膜することにより、熱望膨張率の勾配が緩和さ
れ、基体に対する皮膜の密着強度が高められる。この積
層構造は、化学蒸着処理における原料ガスの切り換え,
処理温度の調整操作により容易に形成することができ
る。
張係数が異なるので、その熱膨張率の差異により、基体
(多孔質金属焼結体)とセラミックス皮膜との界面の密
着強度を十分に確保することが困難であるような場合に
は、セラミックス皮膜を、材種の異なる複数層からなる
積層構造とし、膜厚方向に熱膨張率の勾配をもたせるよ
うにすればよい。例えば、ステンレス鋼等の多孔質焼結
体を被処理物とし、これにAl2 O 3 被膜を成膜する場合
において、例えば第1層としてTiC 皮膜を形成し、中間
層としてTiN 被膜を積層し、そのうえにAl2 O 3 被膜を
積層成膜することにより、熱望膨張率の勾配が緩和さ
れ、基体に対する皮膜の密着強度が高められる。この積
層構造は、化学蒸着処理における原料ガスの切り換え,
処理温度の調整操作により容易に形成することができ
る。
【0019】
〔1〕基体(多孔質金属焼結体)の製造 (1)焼結原料: アトマイズ粉末(平均粒径: 200 μm) (2)HIP処理および熱処理 処理温度: 0.56 mpK(mpK は金属粉末の融点,絶対温
度) 加圧力: 100 MPa , 処理時間: 3 Hr HIP処理後、圧力媒体の加圧作用を解除し、HIP装
置内で強化熱処理を行う。処理温度: 0.85 mpK ,処理時
間: 10 Hr 該熱処理後、カプセルを機械加工で除去し、多孔質金属
焼結体を得る。焼結体は、中空円筒体(外径: 100, 肉
厚: 2, 長さ: 300, mm )であり、いずれも、気孔率:
約28%,平均孔径: 約70μmである。
度) 加圧力: 100 MPa , 処理時間: 3 Hr HIP処理後、圧力媒体の加圧作用を解除し、HIP装
置内で強化熱処理を行う。処理温度: 0.85 mpK ,処理時
間: 10 Hr 該熱処理後、カプセルを機械加工で除去し、多孔質金属
焼結体を得る。焼結体は、中空円筒体(外径: 100, 肉
厚: 2, 長さ: 300, mm )であり、いずれも、気孔率:
約28%,平均孔径: 約70μmである。
【0020】〔2〕セラミックス皮膜の形成 (1)図2に示す化学蒸着装置により基体にセラミックス
の蒸着膜を形成し、多孔質材を得る。処理時間は、開気
孔内の皮膜厚が約1〜3μm(多層膜の場合は合計層
厚)となるように調整した。 アルミナ(Al 2 O 3 ) 膜: AlCl3 - CO2 -H2 ガス, 処理
温度 1000 ℃ 炭化珪素(SiC) 膜: SiCl 4 -C 3 H 8 ガス, 処理温度 1
000 ℃ 窒化珪素(Si 3 N 4 ) 膜: SiCl 4-NH 3 ガス, 処理温度
1200 ℃ 硼化チタン(Ti B 2 ) 膜:TiCl 4 -BCl3 ガス, 処理温度
1150 ℃ 珪化モリブデン(MoSi)膜: SiCl 4ガス, 処理温度 1000
℃ 炭化チタン(TiC) 膜: TiCl 4 -CH 4 -H 2 ガス, 処理温
度 1200 ℃ 窒化チタン(TiN) 膜: TiCl 4-N2 -H2 ガス, 処理温度 9
00℃
の蒸着膜を形成し、多孔質材を得る。処理時間は、開気
孔内の皮膜厚が約1〜3μm(多層膜の場合は合計層
厚)となるように調整した。 アルミナ(Al 2 O 3 ) 膜: AlCl3 - CO2 -H2 ガス, 処理
温度 1000 ℃ 炭化珪素(SiC) 膜: SiCl 4 -C 3 H 8 ガス, 処理温度 1
000 ℃ 窒化珪素(Si 3 N 4 ) 膜: SiCl 4-NH 3 ガス, 処理温度
1200 ℃ 硼化チタン(Ti B 2 ) 膜:TiCl 4 -BCl3 ガス, 処理温度
1150 ℃ 珪化モリブデン(MoSi)膜: SiCl 4ガス, 処理温度 1000
℃ 炭化チタン(TiC) 膜: TiCl 4 -CH 4 -H 2 ガス, 処理温
度 1200 ℃ 窒化チタン(TiN) 膜: TiCl 4-N2 -H2 ガス, 処理温度 9
00℃
【0021】〔3〕供試多孔質体の特性 (1)曲げ強度測定 JIS B1601 に規定の三点曲げ曲げ試験による(スパン距
離: 30 mm ,試験温度: 常温)。
離: 30 mm ,試験温度: 常温)。
【0022】(2)濾過試験 下記の混合ガス(実炉ガス標準組成)と灰(実缶灰を粉
砕処理した粉末,粒径10 μm以下) からなるガスを、
多孔質材(中空円筒体)の外側から内側空間に透過させ
る。濾過試験前後の多孔質材の重量変化から飛灰の捕捉
量を求める。 混合ガス: NO 100ppm, SO 2 50ppm, HCl 1000ppm, CO 1
00ppm, CO 2 10ppm, O 2 10%, H2 O 20%, N2 Bal 。 灰の組成: Al 3.8, Si 5.07, Fe 1.72, Na 6.43, K 7.7
7, Ca 14.2, Mg 1.56,Pb 0.78, Zn 1.95, Total S 13.4
5, Total Cl 2.06, H2 O 0.43 (mass %) 。 ガス中の灰の濃度: 5 gr/ Nm3 ガス流量: 500 cm 3 /min 試験温度: 700 ℃ 試験時間: 96 Hr
砕処理した粉末,粒径10 μm以下) からなるガスを、
多孔質材(中空円筒体)の外側から内側空間に透過させ
る。濾過試験前後の多孔質材の重量変化から飛灰の捕捉
量を求める。 混合ガス: NO 100ppm, SO 2 50ppm, HCl 1000ppm, CO 1
00ppm, CO 2 10ppm, O 2 10%, H2 O 20%, N2 Bal 。 灰の組成: Al 3.8, Si 5.07, Fe 1.72, Na 6.43, K 7.7
7, Ca 14.2, Mg 1.56,Pb 0.78, Zn 1.95, Total S 13.4
5, Total Cl 2.06, H2 O 0.43 (mass %) 。 ガス中の灰の濃度: 5 gr/ Nm3 ガス流量: 500 cm 3 /min 試験温度: 700 ℃ 試験時間: 96 Hr
【0023】(3)逆洗試験 供試多孔質材に捕捉された飛灰を逆洗除去し、逆洗前後
の多孔質材の重量変化から逆洗の難易を評価する。逆洗
処理は、加圧空気(5 kgf/mm 2, 常温)を使用し、電磁
弁の開閉操作(開放時間 0.1sec)により、5回反復実
施。
の多孔質材の重量変化から逆洗の難易を評価する。逆洗
処理は、加圧空気(5 kgf/mm 2, 常温)を使用し、電磁
弁の開閉操作(開放時間 0.1sec)により、5回反復実
施。
【0024】表1中、各実施例の「A」と「B」(A:
セラミックス皮膜を有しない比較例,B: セラミックス
皮膜が蒸着形成された発明例)の基体の製造条件および
多孔性状(気孔率,平均気孔径等)は実質的に同一であ
る。「濾過・逆洗試験」欄の数値は、供試多孔質材の飛
灰重量を、Aの多孔質材(セラミックス皮膜なし)の濾
過試験における飛灰捕捉重量を「1」とする比率で示し
ている。「飛灰捕捉量」欄は、その数値が大きい程、飛
灰の濾過効率が高く、「逆洗後の飛灰残量」欄は、その
数値が小さい程、逆洗によるフィルタの再生が容易であ
ることを示している。
セラミックス皮膜を有しない比較例,B: セラミックス
皮膜が蒸着形成された発明例)の基体の製造条件および
多孔性状(気孔率,平均気孔径等)は実質的に同一であ
る。「濾過・逆洗試験」欄の数値は、供試多孔質材の飛
灰重量を、Aの多孔質材(セラミックス皮膜なし)の濾
過試験における飛灰捕捉重量を「1」とする比率で示し
ている。「飛灰捕捉量」欄は、その数値が大きい程、飛
灰の濾過効率が高く、「逆洗後の飛灰残量」欄は、その
数値が小さい程、逆洗によるフィルタの再生が容易であ
ることを示している。
【0025】表1に示したように、セラミックス皮膜を
有しない多孔質材A(比較例)と、それを有する多孔質
材B(発明例)とを比較すると、両者は濾過部材として
必要な機械強度を有すると共に、排ガス濾過処理におけ
る飛灰の濾過効率もほぼ同等であるが、濾過処理後の逆
洗処理・再生の難易に大きな差異がある。すなわち、多
孔質材では、逆洗処理を施しても、捕捉された飛灰の大
部分がそのまま残留しているのに対し、多孔質材Bは、
ほぼ全量が逆洗処理で洗い落とされ、使用前の清浄な状
態に回復している。この差異は、多孔質材Aでは、飛灰
が多孔質体の表面(金属表面)と反応して凝着し、他方
多孔質材Bはセラミックス皮膜により、飛灰との反応お
よびその凝着が抑制防止されていることによる。飛灰の
凝着堆積はフィルタの目詰まりを引き起こす。発明例の
多孔質材Bは、セラミックス皮膜の効果により、多孔質
材Aと異なって、飛灰の腐食作用とそれに伴う飛灰の凝
着が阻止され、逆洗処理による再生が容易であり、良好
な濾過機能を安定に維持することができる。
有しない多孔質材A(比較例)と、それを有する多孔質
材B(発明例)とを比較すると、両者は濾過部材として
必要な機械強度を有すると共に、排ガス濾過処理におけ
る飛灰の濾過効率もほぼ同等であるが、濾過処理後の逆
洗処理・再生の難易に大きな差異がある。すなわち、多
孔質材では、逆洗処理を施しても、捕捉された飛灰の大
部分がそのまま残留しているのに対し、多孔質材Bは、
ほぼ全量が逆洗処理で洗い落とされ、使用前の清浄な状
態に回復している。この差異は、多孔質材Aでは、飛灰
が多孔質体の表面(金属表面)と反応して凝着し、他方
多孔質材Bはセラミックス皮膜により、飛灰との反応お
よびその凝着が抑制防止されていることによる。飛灰の
凝着堆積はフィルタの目詰まりを引き起こす。発明例の
多孔質材Bは、セラミックス皮膜の効果により、多孔質
材Aと異なって、飛灰の腐食作用とそれに伴う飛灰の凝
着が阻止され、逆洗処理による再生が容易であり、良好
な濾過機能を安定に維持することができる。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明の多孔質材は、基体を構成する金
属の靱性と基体の金属表面を被覆するセラミックス皮膜
による耐高温腐食性とを兼備しているので、例えばごみ
焼却炉から発生する飛灰等の腐食性物質を含む高温排ガ
スの濾過フィルタとして有用であり、排ガスからの飛灰
の濾過により、ごみ焼却炉の廃熱回収システムにおける
廃熱ボイラやスーパーヒータ等の構成部材の腐食損傷を
抑制防止し、廃熱回収システムの運転の安定化に奏効す
る。また高温運転が可能となり、過熱蒸気の高温高圧化
により、発電効率を大きく高めることが可能となる。本
発明の多孔質材はこのほか、ごみ焼却炉に使用される空
気予熱器など、耐高温腐食性を要求される各種機器の構
成部材として有用である。
属の靱性と基体の金属表面を被覆するセラミックス皮膜
による耐高温腐食性とを兼備しているので、例えばごみ
焼却炉から発生する飛灰等の腐食性物質を含む高温排ガ
スの濾過フィルタとして有用であり、排ガスからの飛灰
の濾過により、ごみ焼却炉の廃熱回収システムにおける
廃熱ボイラやスーパーヒータ等の構成部材の腐食損傷を
抑制防止し、廃熱回収システムの運転の安定化に奏効す
る。また高温運転が可能となり、過熱蒸気の高温高圧化
により、発電効率を大きく高めることが可能となる。本
発明の多孔質材はこのほか、ごみ焼却炉に使用される空
気予熱器など、耐高温腐食性を要求される各種機器の構
成部材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質材を模式的に示す断面図であ
る。
る。
【図2】基体(多孔質金属焼結体)に対するセラミック
ス皮膜の化学蒸着処理の模式的説明図である。
ス皮膜の化学蒸着処理の模式的説明図である。
1: 基体(多孔質金属焼結体)の金属粒子 2: セラミックス皮膜 3: 開気孔 10: 反応容器: 11: ヒータ 12: 原料ガス供給配管 13: 台 14: 蓋材 15: 排気配管 W: 基体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 貴宏 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内 (72)発明者 小阪 晃 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内 (72)発明者 藤田 秀雄 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内 (72)発明者 蒲 隆弘 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株 式会社クボタ枚方製造所内
Claims (4)
- 【請求項1】 耐熱金属からなる多孔質焼結体に化学蒸
着処理を施して、その表面および開気孔の内面をセラミ
ックス皮膜で被覆したことを特徴とする耐高温腐食性に
すぐれた多孔質材。 - 【請求項2】 セラミックスは、酸化物,炭化物,窒化
物,硼化物,または珪化物からなることを特徴とする請
求項1に記載の耐高温腐食性にすぐれた多孔質材。 - 【請求項3】 酸化物が、アルミナまたはサイアロン,
炭化物が炭化珪素,窒化物が窒化珪素,硼化物が硼化チ
タン,珪化物が珪化モリブデンであることを特徴とする
請求項2に記載の耐高温腐食性にすぐれた多孔質材。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
に記載の多孔質材からなる高温排ガス用フィルタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7963197A JPH10272317A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 耐高温腐食性にすぐれた多孔質材及び高温排ガス用フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7963197A JPH10272317A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 耐高温腐食性にすぐれた多孔質材及び高温排ガス用フィルタ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10272317A true JPH10272317A (ja) | 1998-10-13 |
Family
ID=13695441
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7963197A Pending JPH10272317A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 耐高温腐食性にすぐれた多孔質材及び高温排ガス用フィルタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10272317A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2020168625A (ja) * | 2015-02-13 | 2020-10-15 | インテグリス・インコーポレーテッド | 基材物品および装置の特性および性能を増強するためのコーティング |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP7963197A patent/JPH10272317A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2020168625A (ja) * | 2015-02-13 | 2020-10-15 | インテグリス・インコーポレーテッド | 基材物品および装置の特性および性能を増強するためのコーティング |
| US12018382B2 (en) | 2015-02-13 | 2024-06-25 | Entegris, Inc. | Coatings for enhancement of properties and performance of substrate articles and apparatus |
| US12084778B2 (en) | 2015-02-13 | 2024-09-10 | Entegris, Inc. | Coatings for enhancement of properties and performance of substrate articles and apparatus |
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