JPH10273466A - 2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造方法 - Google Patents

2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造方法

Info

Publication number
JPH10273466A
JPH10273466A JP9526997A JP9526997A JPH10273466A JP H10273466 A JPH10273466 A JP H10273466A JP 9526997 A JP9526997 A JP 9526997A JP 9526997 A JP9526997 A JP 9526997A JP H10273466 A JPH10273466 A JP H10273466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
indanone
hydroxy
genus
aspergillus
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9526997A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Jodai
洋 上代
Shuichi Mitamura
修一 三田村
Tamejirou Hiyama
爲次郎 檜山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Nippon Steel Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP9526997A priority Critical patent/JPH10273466A/ja
Publication of JPH10273466A publication Critical patent/JPH10273466A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/61Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups
    • C07C45/67Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton
    • C07C45/673Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton by change of size of the carbon skeleton

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬等の合成中間体として有用な2−ヒドロ
キシ−1−インダノンを工業的量産プロセスで製造す
る。 【解決手段】 下記一般式(1)で表わされる2−ヒド
ロキシ−1−インダノン誘導体に、LiOH、KCN及
びNaCNから選ばれる塩基性化合物、リパーゼ、アミ
ノアシラーゼ、プロテアーゼ及びエステラーゼから選ば
れる酵素、又はRE(OSO2 Rf)3 (但しREは希
土類金属を、Rfはペルフルオロアルキル基を示す)で
表わされる希土類系触媒を作用させることでラセミ体又
は光学活性の2−ヒドロキシ−1−インダノンを製造す
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、医薬等の合成中間
体として有用な2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造
として、相当するエステル類またはカーボネート類の加
水分解または加アルコール分解による方法が、これらを
工業的に製造することが容易な点で好ましい。一般にエ
ステル類やカーボネート類を加水分解してアルコール類
を製造する際には、水酸化ナトリウム等に代表される無
機塩基が触媒として広く、良好に使用できることが知ら
れているが、前記2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導
体は、塩基に対してきわめて不安定で、通常、加水分解
の際に使用される水酸化ナトリウムのような塩基を作用
させると、加水分解または加アルコール分解以外の副反
応が優先して生じるため、相当するアルコールすなわち
2−ヒドロキシ− 1−インダノンを得ることはできな
い。分解を防止するため、水素気流下で炭酸カリウムを
作用させて、2−アセトキシ−1−インダノンを加水分
解する方法が知られているが(Ishiwara,
F.,J.Pract.Chem.<2>108(19
24)197)、水素気流を使用した方法の工業規模で
の実施には問題がある。
【0003】また、エステル類やカーボネート類を加水
分解してアルコール類を製造する際には、酸触媒を利用
することも可能であるが、一般に反応が遅いという難点
がある。反応速度の改善のためには加熱等の手段がとら
れるが、原料が光学活性化合物の場合にはラセミ化が生
じる問題もある。
【0004】また、光学活性2−ヒドロキシ−1−イン
ダノンの製造方法としては、1−インダノンのシリルエ
ノールエーテルを不斉酸化する方法(特開平7−228
586号)が知られているが、高価な触媒を使用する等
工業的規模で実施するには問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的量産プロセスへの適用並びに光学活性体の製造が容易
な2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)
【化8】 (式中、Rはアシル基またはアルコキシカルボニル基を
示す)で表される2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導
体を加水分解または加アルコール分解する際に、水酸化
リチウム、シアン化カリウム及びシアン化ナトリウムか
らなる群の中から選ばれる少くとも1種の塩基性化合物
を作用させることを特徴とする下記式(2)
【化9】 で表される2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造方法
である。
【0007】また、本発明は下記一般式(1’)
【化10】 (式中、Rは前記に同じ)で表される(R)−2−ヒド
ロキシ−1−インダノン誘導体を加水分解または加アル
コール分解する際に、リパーゼ、アミノアシラーゼ、プ
ロテアーゼ及びエステラーゼからなる群から選ばれる少
くとも1種の酵素を作用させることを特徴とする下記式
(2’)
【化11】 で表される(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノンの
製造方法である。
【0008】また、本発明は一般式(1)
【化12】 で表される2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導体を加
水分解または加アルコール分解する際に、触媒として下
記一般式(3)
【化13】RE(OSO2Rf)3 (3) (ただし、式中、REは希土類金属元素であり、Rfは
ペルフルオロアルキル基である)で表される希土類系触
媒を作用させることを特徴とする2−ヒドロキシ−1−
インダノンの製造方法である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる前記一般式(1)で表される2−ヒドロキシ−1
−インダノン誘導体は、以下の方法で容易に製造でき
る。すなわち1−インダノンに臭素、ジブロモメルドラ
ム酸、ピリジニウムブロミドペルブロミドの様な臭素化
剤を反応させて2−ブロモ1−インダノンをつくり、こ
れに酢酸塩、ぎ酸塩、プロピオン酸塩、安息香塩の様な
カルボン酸塩を反応させる方法、あるいは、フェニルア
ラニンを出発原料として、下記一般式(4)
【化14】 (式中、Rは前記に同じ)及び下記一般式(5)
【化15】 (式中、Rは前記に同じ。Xは塩素原子または臭素原子
を示す)で表される化合物を経由して一般式(1)で表
される2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導体を製造す
る方法も簡便である。この際、フェニルアラニンを一般
式(4)で表される化合物に変換する方法としては、公
知の方法を利用することができるが、例示すれば、フェ
ニルアラニンに酸性溶媒中で亜硝酸塩を作用させて3−
フェニル乳酸を製造し(DE3334739号、J.A
m.Chem.Soc.,1987、52、4978−
4984)、これにハロゲン化アシル類、ハロぎ酸エス
テル類、酸無水物あるいは炭酸エステル類を作用させる
方法(Tetrahedron Lett.,199
5、36、6449−52)がある。酸性溶媒として酢
酸を用い、亜硝酸塩として亜硝酸ナトリウムを用いる
と、前記一般式(4)で表される3−フェニル乳酸誘導
体において、Rがアセチル基である化合物をフェニルア
ラニンから直接得ることができる(J.Org.Che
m.1987、52、4978−4984)。
【0010】一般式(4)で表される3−フェニル乳酸
誘導体を一般式(5)で表される酸ハロゲン化物を経由
して、2−ヒドロキシ−1−インダノンに変換する方法
としては、一般式(4)で表される3−フェニル乳酸誘
導体に対して、塩化チオニル、三塩化りん、五塩化り
ん、三臭化りん、五臭化りん、塩化オキザリル、四塩化
炭素−トリアリールホスフィン、四臭化炭素−トリアリ
ールホスフィン及び塩化シアヌルの中から選ばれたハロ
ゲン化剤と反応させて、一般式(5)で表される酸ハロ
ゲン化物に誘導した後、塩化アルミニウムのようなルイ
ス酸またはポリりん酸のようなプロトン酸を作用させる
方法が使用できる。
【0011】上記のフェニルアラニンを出発原料にし
て、一般式(4)及び(5)を経由して、2−ヒドロキ
シ−1−インダノンを製造する方法では、全反応を通じ
て光学純度はほぼ保たれる。すなわち、原料として光学
純度100%の(R)−フェニルアラニンを使用すれ
ば、光学純度がほぼ100%の(R)−2−ヒドロキシ
−1−インダノンを得ることが可能である。また、反応
は原料の光学純度及び光学中心の絶対配置に影響を受け
ないため、(R)体及び(S)体のいかなる混合比の原
料でも使用することができ、その際得られる生成物は原
料の光学純度とほぼ等しい光学純度を持つことになる。
【0012】本発明で各一般式中のRは、アシル基また
はアルコキシカルボニル基であるが、アシル基としては
アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が例示で
き、アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基等が代表例である。
【0013】一般式(1)で表される2−ヒドロキシ−
1−インダノン誘導体に、水酸化リチウム、シアン化カ
リウム及びシアン化ナトリウムの中から選ばれる塩基性
物質を作用させて、2−ヒドロキシ−1−インダノンを
得る際には、一般式(1)で表される2−ヒドロキシ−
1−インダノン誘導体の(R)体及び(S)体いずれの
光学活性体を用いても差し支えなく、これらの混合物を
使用しても差し支えない。上記塩基性物質を2−ヒドロ
キシ−1−インダノン誘導体に作用させるとラセミ化が
生じるため、原料の光学中心の絶対配置及び光学純度に
関わらず、得られる2−ヒドロキシ−1−インダノン
は、ラセミ体となる。これを既知の方法で光学分割する
ことで(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノン及び
(S)−2−ヒドロキシ−1−インダノンを得ることが
できる。光学分割の方法としては、光学活性な酸を作用
させることでジアステレオマーのエステル類に誘導して
分割する方法、光学活性カラムを使用する方法、一方の
エナンチオマーについてのみ反応活性を有する酵素を用
いて、一方のエナンチオマーのみをエステル化した後に
分割する方法等が挙げられる。
【0014】本発明で、前記2−ヒドロキシ−1−イン
ダノン誘導体に対し、塩基性物質を作用させる場合に
は、これら塩基性物質の使用量は2−ヒドロキシ−1−
インダノン誘導体に対し、通常0.001〜10倍モ
ル、好ましくは0.01〜5倍モルである。少量の場合
は反応速度が遅く、また大過剰用いた場合には目的とす
る2−ヒドロキシ−1−インダノン以外の化合物への分
解反応が優先するため好ましくない。
【0015】反応は、通常、水、メタノール、エタノー
ル、2−プロパノールの如きアルコール類、もしくはこ
れらの混合物を溶媒に用いるが、これらに加えてジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホルアミド、1、3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン等のいわゆる極性非プロトン溶媒
類、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化炭化水
素、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類等
を溶媒に添加してもよい。水、アルコール類に添加する
溶媒は、前記の1種であっても、2種以上を混合して使
用してもよい。原料や生成物の溶解性が高い点で水、あ
るいはメタノール、エタノール、2−プロパノールの如
きアルコール類もしくはこれらの混合溶媒、またはこれ
らにジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホス
ホルアミド、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
等のいわゆる極性非プロトン溶媒類、ニトロメタン、ニ
トロベンゼン等のニトロ化炭化水素、アセトニトリル等
を添加した混合溶媒が好ましい。
【0016】水、アルコール類またはこれらの混合溶媒
に他の溶媒を混合して使用する際には水およびアルコー
ル類が体積%で5%以上、反応速度が速い点で10%以
上含有されているのが好ましい。
【0017】この塩基性化合物の存在下で反応を行う際
の、反応温度は通常−100℃〜70℃、好ましくは−
50℃〜40℃であり、反応時間は通常1分〜72時
間、好ましくは10分〜24時間である。
【0018】本発明で、一般式(1’)で表される
(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導体に対
し、リパーゼ、アミノアシラーゼ、プロテアーゼ、エス
テラーゼの中から選ばれる酵素を作用させることで、
(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノンを得る反応に
おいては、使用できる酵素としては、(1’)で表され
る(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導体を加
水分解または加アルコール分解する能力を有するリパー
ゼ、アミノアシラーゼ、プロテアーゼ及びエステラーゼ
が使用できる。具体的には次のような酵素が好ましい例
として挙げられる。アクロモバクター(Achromo
bacter)属、アルカリゲネス(Alcalige
nes)属、アスペルギルス(Aspergillu
s)属、ブルコルデリア(Burkholderia)
属、キャンディダ(Candida)属、クロモバクテ
リウム(Chromobacterium)属、フミコ
ラ(Humicola)属、ムコール(Mucor)
属、シュードモナス(Pseudomonas)属、リ
ゾムコール(Rhizomucor)属、リゾプス(R
hizopus)属、テルムス(Thermus)属に
属する微生物若しくは豚膵臓由来のリパーゼ、またはア
スペルギルス(Aspergillus)属に属する微
生物若しくは豚腎臓由来のアミノアシラーゼ、アスペル
ギルス(Aspergillus)属、バシルス(Ba
cillus)属、若しくはトリチラキウム(Trit
irachium)属に属する微生物由来のプロテアー
ゼまたは豚肝臓由来のエステラーゼ。より具体的に例示
すれば、アクロモバクター・エスピー(Achromo
bacter sp.)、アルカリゲネス・エスピー
(Alcaligenes sp.)、アスペルギルス
・ニガー(Aspergillus niger)、ア
スペルギルス・オリザエ(Aspergillus o
ryzae)、ブルコルデリア・エスピー(Burkh
olderia sp.)、キャンディダ・アンターク
ティカ(Candida antarctica)、キ
ャンディダ・シリンドラッセ(Candida cyl
indracea)、キャンディダ・ユーティリス(C
andida utilis)、クロモバクテリウム・
ビスコスム(Chromobacterium vis
cosum)、フミコラ・ランギノーサ(Humico
la langinosa)、ムコール・マイハイ(M
ucor miehei)、シュードモナス・セパシア
(Pseudomonas cepacia)、シュー
ドモナス・エスピー(Pseudomonas s
p.)、リゾムコール・マイハイ(Rhizomuco
r miehei)、リゾプス・アリツス(Rhizo
pus arrhizus)、リゾプス・エスピー(R
hizopus sp.)、テルムス・テルモフィルス
(Thermus thermophilus)、豚膵
臓由来のリパーゼ、またはアスペルギルス・メレウス
(Aspergillus melleus)、豚腎臓
由来のアミノアシラーゼ、またはアスペルギルス・メレ
ウス(Aspergillus melleus)、ア
スペルギルス・オリザエ(Aspergillus o
ryzae)、アスペルギルス・エスピー(Asper
gillus sp.)、バシルス・リケニフォルミス
(Bacillus licheniformis)、
トリチラキウム・アルブム(Tritirachium
alubum)由来のプロテアーゼまたは豚肝臓由来
のエステラーゼ等が挙げられる。これらの酵素の使用量
は、前記(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導
体に対して0.01重量%から100重量%、好ましく
は0.1重量%から50重量%である。少量の場合は反
応速度が遅く、大過剰の場合は反応成績は大幅には改善
されず、経済的ではない。
【0019】酵素を作用させて、前記(R)−2−ヒド
ロキシ−1−インダノン誘導体を(R)−2−ヒドロキ
シ−1−インダノンに変換する反応では、原料の(R)
−2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導体とほぼ等しい
光学純度の2−ヒドロキシ−1−インダノンを得ること
ができるため、(R)−フェニルアラニンから(R)−
2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導体を製造し、これ
に酵素を作用させれば、光学分割の操作をすることなく
(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノンを製造するこ
とが可能である。
【0020】この酵素を作用させる反応は通常、溶媒中
で行われ、溶媒としては水または緩衝液を使用できる。
緩衝液としては通常使用される公知のりん酸ナトリウ
ム、りん酸カリウムのごとき無機酸塩の緩衝液、酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム、クエン酸ナトリウムの如き有
機酸塩の緩衝液が使用でき、そのpHは耐アルカリ性酵
素ではpH5〜12、耐酸性酵素の場合にはpH1.5
〜7が好ましい。
【0021】また、加水分解の際に上記の水または緩衝
液に加えて、メタノール、エチレングリコール、2−プ
ロパノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジクロロメタン、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂
肪族炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホル
アミド、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の
いわゆる極性非プロトン溶媒類、ニトロメタン、ニトロ
ベンゼン等のニトロ化炭化水素、アセトニトリル、ベン
ゾニトリル等のニトリル類等の有機溶媒を添加してもよ
い。前記有機溶媒は1種であっても、2種以上を混合し
て使用してもよい。原料や生成物の溶解性が高い点でア
ルコール類、エーテル類、ニトリル類、ハロゲン化炭化
水素、芳香族炭化水素が好ましい。水または緩衝液に加
えて前述の有機溶媒を混合して使用する際には、水また
は緩衝液を体積%で5%以上、反応速度が早い点で10
%以上含有することが好ましい。
【0022】この酵素の存在下で反応を行う際の反応温
度は通常、−20℃〜120℃、好ましくは0℃〜90
℃であり、反応時間は通常15分〜40日間、好ましく
は30分〜20日間である。
【0023】酵素は酵素そのものの粉体または溶液をそ
のまま使用してもよいが、固定化して用いてもよい。こ
の固定化の方法としては、吸着法、単体結合法、架橋
法、包括法等が挙げられる。また、固定化する際の固定
化用坦体としては、シリカゲル、アルミナ、活性炭、酸
性白土、漂白土、カオリナイト、ベントナイト、ヒドロ
キシアパタイト、りん酸カルシウム、多孔性ガラス、金
属酸化物等の無機物質、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリレート樹脂、
フェノール−ホルマリン樹脂、アニオン交換樹脂、カチ
オン交換樹脂、でんぷん、グルテン等の有機高分子等が
挙げられる。これら以外でも、酵素の活性機能発現を阻
害せず、使用する溶媒に不溶性の坦体であれば前記以外
の固定化坦体を使用してもなんら差し支えない。
【0024】上記の坦体に酵素を固定化する方法として
は、従来酵素を坦体に坦持する際に使用されている公知
の方法を使用することができる。この際、固定化する酵
素の重量は、坦体1gあたり、酵素が1〜100%含ま
れている蛋白質を、0.1〜700mgの割合で固定化
するのが好ましい。
【0025】反応はバッチ式、連続式のいずれでもよい
が、工業的規模での実施においては、固定化酵素を充て
んしたバイオリアクターを使用して連続反応を行うのが
好ましい。
【0026】反応終了後、濾過、あるいは遠心沈殿によ
り、酵素を回収することができ、回収した酵素は再利用
することができる。反応生成物及び未反応の原料は、反
応混合物あるいは反応混合物から酵素を除いた溶液を有
機溶媒で抽出し、有機溶媒を除去することで容易に回収
することができる。
【0027】本発明で、一般式(1)で表される2−ヒ
ドロキシ−1−インダノン誘導体に対し、触媒として一
般式RE(OSO2Rf)3で表される希土類系触媒を作
用させる反応においては、希土類金属元素のREとして
はスカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、
プラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、ユーロピウ
ム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
ミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテ
チウムの希土類系元素が好適に使用できる。REは2種
類以上の希土類系元素であってもよい。また、Rfとし
ては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル
基、ノナフルオロブチル基等のペルフルオロアルキル基
を示すことができる。
【0028】本発明で、一般式(1)で表される2−ヒ
ドロキシ−1−インダノン誘導体に対し、触媒として一
般式RE(OSO2Rf)3で表される希土類系触媒を作
用させることで、2−ヒドロキシ−1−インダノンを得
る反応においては、反応は原料の光学純度及び光学中心
の絶対配置に影響を受けないため、(R)体及び(S)
体のいかなる混合比の原料でも使用することができる。
また、反応過程において、ラセミ化は生じないため、使
用した原料と等しい光学中心の絶対配置を持ち、原料と
ほぼ等しい光学純度を持つ2−ヒドロキシ−1−インダ
ノンを得ることができる。すなわち(R)−フェニルア
ラニンから(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノン誘
導体を製造し、これに希土類系触媒を作用させれば、光
学分割の操作をすることなく(R)−2−ヒドロキシ−
1−インダノンを製造することが可能であり、(S)−
フェニルアラニンから(S)−2−ヒドロキシ−1−イ
ンダノン誘導体を製造し、これに前記希土類系触媒を作
用させれば、(S)−2−ヒドロキシ−1−インダノン
を製造することが可能である。原料として(R)体と
(S)体の混合物を使用すれば、生成物は原料と同様の
比率の(R)体と(S)体の混合物の2−ヒドロキシ−
1−インダノンとなる。
【0029】2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導体に
対し、前記希土類系触媒を作用させる場合には、希土類
系触媒の使用量は2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導
体に対し通常0.001〜10倍モル、好ましくは0.
01〜5倍モルである。少量の場合は反応速度が遅く、
大過剰の場合は目的とする2−ヒドロキシ−1−インダ
ノン以外の化合物への分解反応が優先するため好ましく
ない。
【0030】反応は、通常、水、あるいはメタノール、
エタノール、2−プロパノールの如きアルコール類、も
しくはこれらの混合物を溶媒に用いるが、これらに加え
てジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、1、3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン等のいわゆる極性非プロ
トン溶媒類、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ
化炭化水素、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニト
リル類の溶媒を添加してもよい。これらの溶媒は、1種
であっても、2種以上を混合して使用してもよい。原料
や生成物の溶解性が高い点で水、前記の如きアルコール
類もしくはこれらの混合溶媒、またはこれらにジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、
1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のいわゆる
極性非プロトン溶媒類、ニトロメタン、ニトロベンゼン
等のニトロ化炭化水素、アセトニトリル等を添加した混
合溶媒が好ましい。
【0031】水、アルコール類に他の溶媒を混合して使
用する際には水、メタノール、エタノール、2−プロパ
ノールの如きアルコール類が体積%で5%以上、反応速
度が速い点で10%以上含有されているのが好ましい。
【0032】希土類系触媒の存在下で反応を行う際の反
応温度は通常、−100℃〜100℃、好ましくは−5
0℃〜70℃であり、反応時間は通常、10分〜150
時間、好ましくは30分〜48時間である。
【0033】反応終了後は、反応混合物に水と混和しな
い有機物を加え、水により抽出操作を行うことで、希土
類系触媒を水相へ抽出し、有機物と分離することが可能
である。また、回収された希土類系触媒は抽出した水溶
液のまま、あるいは水分を留去し、粉体に調製して、再
使用が可能である。
【0034】
【発明の実施の形態】
[参考例] 参考例1 (±)−2−アセトキシ−1−インダノン(4.00
g,20mmol)を、メタノール(500ml)に溶
解し、炭酸カリウム(2.76g、20mmol)を加
え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を水にあけ、
ジクロロメタンで抽出し、ロータリーエバポレーターに
て溶媒を留去し、残留物を高速液体クロマトグラフィー
にて分析した(ダイセル社OB カラム、エタノール:
ヘキサン=1:4、流量=0.5ml/分、保持時間:
2−ヒドロキシ−1−インダノン=11.6分(R体)
及び16.1分(S体)、2−アセトキシ−1−インダ
ノン=20.1分(R体)及び22.2分(S体))。
原料の(±)−2−アセトキシ−1−インダノンは消失
したが、目的の(±)−2−ヒドロキシ−1−インダノ
ンは全く得られなかった。
【0035】参考例2〜19 各種の塩基を使用して上記と同様の反応を行った。HP
LCによる分析結果を表1に示す。
【表1】
【0036】参考例20 (R)−2−アセトキシ−1−インダノン(500m
g,2.63mmol,ee=98.3%)を、メタノ
ール(20mL)及び水(5mL)の混合溶媒に溶解
し、濃硫酸(129mg、1.31mmol)を加え、
室温で65時30分間撹拌した。反応混合物を水にあ
け、ジクロロメタンで抽出し、ロータリーエバポレータ
ーにて溶媒を留去し、油状物を得た。得られた油状物を
高速液体クロマトグラフィーにて、参考例1と同様の条
件で分析した結果、ee=98.4%の(R)−2−ヒ
ドロキシ−1−インダノンが17.7%、原料の(R)
−2−アセトキシ−1−インダノンが82.3%(ee
=98.4%)の混合物であることが判明した。
【0037】参考例21 参考例20と同様の反応を、酸を濃硫酸から濃塩酸に変
えて行った。65時間30分間後の分析結果は、ee=
98.1%の(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノン
が18.9%の収率で生成し、原料の(R)−2−アセ
トキシ−1−インダノンが81.1%(ee=98.3
%)で回収された。
【0038】
【実施例】
実施例1 (±)−2−アセトキシ−1−インダノン(4.00
g,20mmol)を、メタノール(500ml)に溶
解し、シアン化カリウム(1.30g、20mmol)
を加え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を水にあ
け、ジクロロメタンで抽出し、ロータリーエバポレータ
ーにて溶媒を留去し、淡黄色の油状物を得た。油状物を
参考例1と同様の条件でHPLCにて分析した結果、2
−(R)−ヒドロキシ−1−インダノンが41%、2−
(S)−ヒドロキシ−1−インダノンが42%の収率で
生成していることが判明した。
【0039】実施例2 (±)−2−アセトキシ−1−インダノン(4.00
g,20mmol)を、メタノール(500ml)に溶
解し、シアン化ナトリウム(0.98g、20mmo
l)を加え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を水
にあけ、ジクロロメタンで抽出し、ロータリーエバポレ
ーターにて溶媒を留去し、淡黄色の油状物を得た。油状
物をHPLCにて分析した結果、2−(R)−ヒドロキ
シ−1−インダノンが43%、2−(S)−ヒドロキシ
−1−インダノンが43%の収率で生成していることが
判明した。
【0040】実施例3 (±)−2−アセトキシ−1−インダノン(4.00
g,20mmol)を、メタノール(500ml)に溶
解し、水酸化リチウム(0.84g、20mmol)を
加え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を水にあ
け、ジクロロメタンで抽出し、ロータリーエバポレータ
ーにて溶媒を留去し、淡黄色の油状物を得た。油状物を
HPLCにて分析した結果、2−(R)−ヒドロキシ−
1−インダノンが48%、2−(S)−ヒドロキシ−1
−インダノンが47%の収率で生成していることが判明
した。
【0041】実施例4 2−(R)−アセトキシ−1−インダノン(4.00
g,20mmol)を、メタノール(500ml)に溶
解し、シアン化カリウム(1.30g、20mmol)
を加え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を水にあ
け、ジクロロメタンで抽出し、ロータリーエバポレータ
ーにて溶媒を留去し、淡黄色の油状物を得た。油状物を
HPLCにて分析した結果、2−(R)−ヒドロキシ−
1−インダノンが38%、2−(S)−ヒドロキシ−1
−インダノンが40%の収率で生成していることが判明
した。
【0042】実施例5 2−(R)−アセトキシ−1−インダノン(4.00
g,20mmol)を、メタノール(500ml)に溶
解し、シアン化ナトリウム(0.98g、20mmo
l)を加え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を水
にあけ、ジクロロメタンで抽出し、ロータリーエバポレ
ーターにて溶媒を留去し、淡黄色の油状物を得た。油状
物をHPLCにて分析した結果、2−(R)−ヒドロキ
シ−1−インダノンが43%、2−(S)−ヒドロキシ
−1−インダノンが42%の収率で生成していることが
判明した。
【0043】実施例6 2−(R)−アセトキシ−1−インダノン(4.00
g,20mmol)を、メタノール(500ml)に溶
解し、水酸化リチウム(0.84g、20mmol)を
加え、室温で12時間撹拌した。反応混合物を水にあ
け、ジクロロメタンで抽出し、ロータリーエバポレータ
ーにて溶媒を留去し、淡黄色の油状物を得た。油状物を
HPLCにて分析した結果、2−(R)−ヒドロキシ−
1−インダノンが47%、2−(S)−ヒドロキシ−1
−インダノンが45%の収率で生成していることが判明
した。
【0044】実施例7 (±)−フェニルアラニン(50g,302mmol)
を4規定硫酸(250ml)に溶解し、亜硝酸ナトリウ
ム水溶液(62.5g,906mmol,150ml)
を0℃で1時間かけて滴下した。0℃で5時間、室温で
12時間撹拌した後、酢酸エチル(170ml×3)で
抽出し、集めた有機層を水(100ml)、飽和食塩水
(300ml)で洗浄し、ロータリーエバポレーターで
溶媒を除き、白色固体を得た。これをジクロロメタン−
ヘキサンの混合溶媒から再結晶し(±)−3−フェニル
乳酸の白色結晶(26.7g,160mmol,収率5
3%)を得た。得られた(±)−3−フェニル乳酸全量
をピリジン(270ml)に溶解し、無水酢酸(18.
1ml,192mmol)を加え、室温で12時間撹拌
した。減圧下にピリジンを留去し、淡黄色油状の(±)
−2−アセトキシ−3−フェニルプロピオン酸(33.
3g,160mmol)を得た。得られた(±)−2−
アセトキシ−3−フェニルプロピオン酸全量をジエチル
エーテル(700ml)に溶解し、窒素下、0℃で五塩
化りん(36.6g,176mmol、1.1当量)を
加えた。0℃で30分撹拌した後、ロータリーエバポレ
ーターで溶媒を留去し、更にポンプを用い30分間減圧
した。得られた油状物全量をジクロロメタン(1400
ml)に溶解し、塩化アルミニウム(44.8g,33
6mmol、2.1当量)を加え、室温で1時間撹拌し
た。氷冷しながら、水(1000ml)を加え、ジクロ
ロメタン(300ml×3)で抽出し、集めた有機層を
水(600ml)、飽和食塩水(1400ml)で洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレータ
ーで溶媒を除き、淡黄色液体の(±)−2−アセトキシ
−1−インダノン(29.5g,二段階で収率97%)
を得た。得られた(±)−2−アセトキシ−1−インダ
ノン(29.0g、152mmol)を、メタノール
(900ml)に溶解し、シアン化カリウム(9.88
g、152mmol)を加え、室温で12時間撹拌し
た。反応混合物を水にあけ、ジクロロメタンで抽出し、
ロータリーエバポレーターにて溶媒を留去し、淡黄色の
油状物を得た。油状物を、参考例1と同様の条件でHP
LCにて分析した結果、(±)−2−ヒドロキシ−1−
インダノンが88%の収率で生成していることが判明し
た。
【0045】実施例8 (R)−フェニルアラニン(50g,302mmol、
光学純度〔ee〕=99%)を原料に、実施例7と同様
の反応を行い、(R)−2−アセトキシ−1−インダノ
ン(27.7g、光学純度〔ee〕=99%)を得た。
これの全量を使用して実施例2と同様の反応を行い、黄
色油状の(±)−2−ヒドロキシ−1−インダノン(1
9.6g,収率91%、光学純度〔ee〕=0%)を得
た。
【0046】実施例9 (S)−フェニルアラニン(50g,302mmol、
光学純度〔ee〕=99%)を原料に、実施例7と同様
の反応を行い、(S)−2−アセトキシ−1−インダノ
ン(27.1g、光学純度〔ee〕=99%)を得た。
これの全量を使用して実施例3と同様の反応を行い、黄
色油状の(±)−2−ヒドロキシ−1−インダノン(1
9.6g,収率93%、光学純度〔ee〕=0%)を得
た。
【0047】実施例10〜44 (R)−2−アセトキシ−1−インダノン(4.00
g,20mmol、ee=99%)を、pH7のりん酸
緩衝液(400ml)及びメタノール(150ml)の
混合溶媒に溶解し、各種酵素(1g)を加え、室温で3
6時間撹拌した。反応混合物に硫酸アンモニウム80g
を加えた後、ジクロロメタンで抽出し、ロータリーエバ
ポレーターにて溶媒を留去し、淡黄色の油状物を得た。
酵素の種類及び油状物をHPLCにて分析した結果
((R)−2−ヒドロキシ−1−インダノンの収率及び
光学純度〔ee〕)を表2及び表3に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】実施例45 (R)−フェニルアラニン(50g,302mmol、
光学純度〔ee〕=99%)を原料に、実施例7と同様
の反応を行い、(R)−2−アセトキシ−1−インダノ
ン(26.1g、光学純度〔ee〕=99%)を得た。
これの全量をメタノール(900ml)に溶解し、pH
7のりん酸バッファー(2400ml)及び酵素(天野
製薬(株)製リパーゼPS(シュードモナス・エスピー
由来のリパーゼ)、10.0g)を加え、pHが6から
7の範囲に収まるように、適宜飽和炭酸ナトリウム水溶
液を滴下しながら、40℃で2時間撹拌した。硫酸アン
モニウム(150g)を加え、ジクロロメタン(600
ml×7)で抽出し、集めた有機層を水(700ml×
2)、飽和食塩水(1000ml×2)で洗浄し、ロー
タリーエバポレーターで溶媒を除き、淡黄色固体を得
た。これをジクロロメタン−ヘキサンの混合溶媒から再
結晶し(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノンの白色
結晶(14.4g,収率71%、光学純度〔ee〕=9
9%)を得た。
【0051】実施例46 (R)−2−アセトキシ−1−インダノン(500m
g,2.63mmol、ee=98.3%)を、メタノ
ール(20mL)及び水(5mL)の混合溶媒に溶解
し、スカンジウムトリフルオロメタンスルホネート(2
59mg、0.526mmol)を加え、室温で10時
間撹拌した。反応混合物を水にあけ、ジクロロメタンで
抽出し、ロータリーエバポレーターにて溶媒を留去し、
淡黄色の油状物を得た。油状物をHPLCにて分析した
結果、〔ee〕=98.0%の(R)−2−ヒドロキシ
−1−インダノンが91%の収率で生成していることが
判明した。
【0052】実施例47 (R)−フェニルアラニン(50g,302mmol、
ee=99%)を4規定硫酸(250ml)に溶解し、
亜硝酸ナトリウム水溶液(62.5g,906mmo
l,150ml)を0℃で1時間かけて滴下した。0℃
で5時間、室温で12時間撹拌した後、酢酸エチル(1
70ml×3)で抽出し、集めた有機層を水(100m
l)、飽和食塩水(300ml)で洗浄し、ロータリー
エバポレーターで溶媒を除き、白色固体を得た。これを
ジクロロメタン−ヘキサンの混合溶媒から再結晶し
(R)−3−フェニル乳酸の白色結晶(26.7g,1
60mmol,ee=100%、収率53%)を得た。
得られた(R)−3−フェニル乳酸全量をピリジン(2
70ml)に溶解し、無水酢酸(18.1ml,192
mmol、ee=100%)を加え、室温で12時間撹
拌した。減圧下にピリジンを留去し、淡黄色油状の
(R)−2−アセトキシ−3−フェニルプロピオン酸
(33.3g,160mmol)を得た。得られた
(R)−2−アセトキシ−3−フェニルプロピオン酸全
量をジエチルエーテル(700ml)に溶解し、窒素
下、0℃で五塩化りん(36.6g,176mmol、
1.1当量)を加えた。0℃で30分撹拌した後、ロー
タリーエバポレーターで溶媒を留去し、更にポンプを用
い30分間減圧した。得られた油状物全量をジクロロメ
タン(1400ml)に溶解し、塩化アルミニウム(4
4.8g,336mmol、2.1当量)を加え、室温
で1時間撹拌した。氷冷しながら、水(1000ml)
を加え、ジクロロメタン(300ml×3)で抽出し、
集めた有機層を水(600ml)、飽和食塩水(140
0ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリ
ーエバポレーターで溶媒を除き、淡黄色液体の(R)−
2−アセトキシ−1−インダノン(29.5g,ee=
98.3%,二段階で収率97%)を得た。得られた
(±)−2−アセトキシ−1−インダノン(500m
g、152mmol,ee=98.3%)を、メタノー
ル(20mL)及び水(5mL)の混合溶媒に溶解し、
スカンジウムトリフルオロメタンスルホネート(259
mg、0.526mmol)を加え、室温で10時間撹
拌した。反応混合物を水にあけ、ジクロロメタンで抽出
し、ロータリーエバポレーターにて溶媒を留去し、淡黄
色の油状物を得た。油状物をHPLCにて分析した結
果、ee=98.2%の(R)−2−ヒドロキシ−1−
インダノンが92%の収率で生成していることが判明し
た。
【0053】実施例48 原料に(S)−2−アセトキシ−1−インダノン(50
0mg,2.63mmol、ee=98.7%)を使用
して、実施例46と同様の反応を行い、淡黄色の油状物
を得た。油状物をHPLCにて分析した結果、ee=9
8.3%の(S)−2−ヒドロキシ−1−インダノンが
93%の収率で生成していることが判明した。
【0054】実施例49 原料に(S)−フェニルアラニン(50g,302mm
ol、ee=99%)を使用し、実施例47と同様の反
応を行い、淡黄色の油状物を得た。油状物をHPLCに
て分析した結果、ee=98.6%の(S)−2−ヒド
ロキシ−1−インダノンが91%の収率で生成している
ことが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 檜山 爲次郎 神奈川県相模原市上鶴間4丁目29番3− 101

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rはアシル基またはアルコキシカルボニル基を
    示す)で表される2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導
    体を加水分解または加アルコール分解する際に、水酸化
    リチウム、シアン化カリウム及びシアン化ナトリウムの
    中から選ばれる塩基性物質を作用させることを特徴とす
    る下記式(2) 【化2】 で表される2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1’) 【化3】 (式中、Rはアシル基またはアルコキシカルボニル基を
    示す)で表される(R)−2−ヒドロキシ−1−インダ
    ノン誘導体を加水分解または加アルコール分解する際
    に、リパーゼ、アミノアシラーゼ、プロテアーゼ及びエ
    ステラーゼの中から選ばれる酵素を作用させることを特
    徴とする下記式(2’) 【化4】 で表される(R)−2−ヒドロキシ−1−インダノンの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 酵素がアクロモバクター(Achrom
    obacter)属、アルカリゲネス(Alcalig
    enes)属、アスペルギルス(Aspergillu
    s)属、ブルコルデリア(Burkholderia)
    属、キャンディダ(Candida)属、クロモバクテ
    リウム(Chromobacterium)属、フミコ
    ラ(Humicola)属、ムコール(Mucor)
    属、シュードモナス(Pseudomonas)属、リ
    ゾムコール(Rhizomucor)属、リゾプス(R
    hizopus)属、テルムス(Thermus)属に
    属する微生物若しくは豚膵臓由来のリパーゼ、またはア
    スペルギルス(Aspergillus)属に属する微
    生物若しくは豚腎臓由来のアミノアシラーゼ、アスペル
    ギルス(Aspergillus)属、バシルス(Ba
    cillus)属、若しくはトリチラキウム(Trit
    irachium)属に属する微生物由来のプロテアー
    ゼまたは豚肝臓由来のエステラーゼであり、一般式
    (1)で表される2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導
    体を加水分解する能力を有する酵素である請求項2記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 酵素がアクロモバクター・エスピー(A
    chromobacter sp.)、アルカリゲネス
    ・エスピー(Alcaligenes sp.)、アス
    ペルギルス・ニガー(Aspergillus nig
    er)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergil
    lus oryzae)、ブルコルデリア・エスピー
    (Burkholderia sp.)、キャンディダ
    ・アンタークティカ(Candida antarct
    ica)、キャンディダ・シリンドラッセ(Candi
    da cylindracea)、キャンディダ・ユー
    ティリス(Candida utilis)、クロモバ
    クテリウム・ビスコスム(Chromobacteri
    um viscosum)、フミコラ・ランギノーサ
    (Humicolalanginosa)、ムコール・
    マイハイ(Mucormiehei)、シュードモナス
    ・セパシア(Pseudomonas cepaci
    a)、シュードモナス・エスピー(Pseudomon
    as sp.)、リゾムコール・マイハイ(Rhizo
    mucor miehei)、リゾプス・アリツス(R
    hizopus arrhizus)、リゾプス・エス
    ピー(Rhizopus sp.)、テルムス・テルモ
    フィルス(Thermus thermophilu
    s)若しくは豚膵臓由来のリパーゼ、アスペルギルス・
    メレウス(Aspergillus melleu
    s)、豚腎臓由来のアミノアシラーゼ、またはアスペル
    ギルス・メレウス(Aspergillus mell
    eus)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergi
    llus oryzae)、アスペルギルス・エスピー
    (Aspergillus sp.)、バシルス・リケ
    ニフォルミス(Bacillus lichenifo
    rmis)若しくはトリチラキウム・アルブム(Tri
    tirachium alubum)由来のプロテアー
    ゼまたは豚肝臓由来のエステラーゼである請求項2記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 下記一般式(1) 【化5】 (式中、Rはアシル基またはアルコキシカルボニル基を
    示す)で表される2−ヒドロキシ−1−インダノン誘導
    体を加水分解または加アルコール分解する際に、触媒と
    して下記一般式(3) 【化6】RE(OSO2Rf)3 (3) (ただし、式中、REは希土類金属元素であり、Rfは
    ペルフルオロアルキル基を示す)で表される希土類系触
    媒を作用させることを特徴とする下記式(2) 【化7】 で表される2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造方
    法。
JP9526997A 1997-03-28 1997-03-28 2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造方法 Withdrawn JPH10273466A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9526997A JPH10273466A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9526997A JPH10273466A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10273466A true JPH10273466A (ja) 1998-10-13

Family

ID=14133060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9526997A Withdrawn JPH10273466A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10273466A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999022015A1 (en) * 1997-10-24 1999-05-06 Molecular Optoelectronics Corporation Method for preparing optically active 5-hydroxy-3- (4'-hydroxyphenyl)-1, 1,3-trimethylindane
EP1087018A1 (en) * 1999-09-24 2001-03-28 Degussa-Hüls Aktiengesellschaft Aminoacylases for acylation of alcohols and amines

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999022015A1 (en) * 1997-10-24 1999-05-06 Molecular Optoelectronics Corporation Method for preparing optically active 5-hydroxy-3- (4'-hydroxyphenyl)-1, 1,3-trimethylindane
EP1087018A1 (en) * 1999-09-24 2001-03-28 Degussa-Hüls Aktiengesellschaft Aminoacylases for acylation of alcohols and amines

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5538891A (en) Process for enzymatic production of isomerically pure isosorbide-2 and 5-monoesters and their conversion to isosorbide-2 and -5 nitrate
WO2009158343A1 (en) Stereoselective enzymatic synthesis of (s) or (r)-iso-butyl-glutaric ester
JPH0436195A (ja) 光学活性α―ヒドロキシエステル類の製造方法
Wallace et al. Resolution of a chiral ester by lipase-catalyzed transesterification with polyethylene glycol in organic media
CA2507944C (en) Process for producing (4e)-5-chloro-2-isopropyl-4-pentenoate and optically active form thereof
CA1294910C (en) Process for the enzymatic separation of the optical isomers of racemic oxazolidinonic derivatives
EP0644949B1 (en) A process for the preparation of s-(+)-2-(3-benzoylphenyl)propionic acid by enzyme-catalysed enantioselective hydrolysis
KR100654587B1 (ko) 효소를 이용한 (r)- 또는(s)-n-(2,6-디메틸페닐)알라닌과 그것의 대응 에스테르화합물의 입체이성질체의 제조방법
JP2000509254A (ja) 治療用アミドの立体選択的調製のための酵素的方法
JPH10273466A (ja) 2−ヒドロキシ−1−インダノンの製造方法
JP4493851B2 (ja) 第一級アミンラセミ体の酵素触媒作用による分割
US5534436A (en) Enzymatic resolution of asymmetric alcohols by means of vinyl esters of polybasic carboxylic acids
JP3819082B2 (ja) 光学活性3−n置換アミノイソ酪酸類およびその塩ならびにそれらの製造方法
JP2006519001A (ja) シス−1,3−シクロヘキサンジオール誘導体のエナンチオマー形の製造法
US5756321A (en) Process for enzymatic acylation of alcohols with alkoxyvinyl acetates by transesterification
EP0239122B1 (en) Process for the enzymatic resolution of racemic 2-amino-1-alkanols
JPH06256278A (ja) 光学活性α−カルバモイルアルカン酸誘導体およびその製法
JPH05227991A (ja) 光学活性な3−ピロリジノール誘導体の製造法
JP2689474B2 (ja) 光学活性なエタノール誘導体およびその製造方法
JP2002171994A (ja) 光学活性なテトラヒドロフラン−2−カルボン酸またはその対掌体エステルの製造方法
EP0435293B1 (en) Methods of producing optically active hydroxyesters
US5643793A (en) Method for producing optically active 3-hydroxyhexanoic acids using porcine pancreatic lipase
JPH10316607A (ja) 光学活性2−ヒドロキシ−1−インダノン及びその誘導体の製造方法
JP2689478B2 (ja) 光学活性なフェネチルアルコール誘導体の製法
JP3158700B2 (ja) 光学活性なexo−3−アリル−endo−2−ノルボルナノールの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040601