JPH10274204A - 慣性体駆動装置 - Google Patents

慣性体駆動装置

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JPH10274204A
JPH10274204A JP9646197A JP9646197A JPH10274204A JP H10274204 A JPH10274204 A JP H10274204A JP 9646197 A JP9646197 A JP 9646197A JP 9646197 A JP9646197 A JP 9646197A JP H10274204 A JPH10274204 A JP H10274204A
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oil
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Yoshinori Takeuchi
祥典 竹内
Hitoshi Sato
均 佐藤
Kazuyuki Ino
和幸 猪野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反転防止手段の作動を外部から制御し、慣性
体に対する反転防止動作を選択的に行うことができるよ
うにする。 【解決手段】 反転防止弁21の油室にパイロットポン
プ40等を接続し、このパイロットポンプ40から油室
に供給される圧油の圧力を第1の制御圧値P1 と、第2
の制御圧値P2 と、第3の制御圧値P3 とに可変に設定
できる構成とする。これにより、反転防止弁21の油室
に第1の制御圧値P1 の圧油が供給されたときには、反
転防止弁21が油圧モータ3に対する反転防止動作を行
い、第2の制御圧値P2 の圧油が供給されたときには、
主管路4A,4B間を連通させることにより油圧モータ
3に大きなブレーキ圧が作用するのを防止でき、第3の
制御圧値P3 の圧油が供給されたときには、主管路4
A,4B間を遮断させることにより油圧モータ3に供給
される駆動圧を高い圧力に保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に設けられ、上部旋回体等の慣性体を駆
動する慣性体駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の建設機械で
は、下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体を
慣性体駆動装置により旋回駆動するようにしている。
【0003】そこで、図11を参照してこの種の従来技
術による慣性体駆動装置を油圧ショベルに適用した場合
について述べる。
【0004】図において、1はタンク2と共に油圧源を
構成する油圧ポンプ、3は旋回用の油圧モータを示し、
該油圧モータ3は油圧ポンプ1、タンク2に一対の主管
路4A,4Bを介して接続され、油圧ポンプ1からの圧
油により、慣性体となる上部旋回体を下部走行体(いず
れも図示せず)上で旋回駆動する。
【0005】5は主管路4A,4Bの途中に設けられた
方向切換弁を示し、該方向切換弁5は操作レバー5Aに
より中立位置(イ)から左,右の切換位置(ロ),
(ハ)に切換えられ、油圧ポンプ1から油圧モータ3に
給排する圧油の方向等を切換えるようになっている。
【0006】6A,6Bは油圧モータ3と方向切換弁5
との間に位置して主管路4A,4Bの途中に接続された
一対のチャージ用チェック弁を示し、該チェック弁6
A,6Bは補助管路7およびタンク管路8を介してタン
ク2に接続され、油圧モータ3の慣性回転時等に主管路
4Aまたは4B内が負圧傾向になると、タンク2内の作
動油をこの主管路4A,4B内に補給させる。
【0007】9A,9Bは油圧モータ3と方向切換弁5
との間に位置して主管路4A,4Bの途中に接続された
一対のオーバロードリリーフ弁を示し、該オーバロード
リリーフ弁9A,9Bは補助管路7等を介してタンク2
と接続されると共に、チェック弁6A,6Bの流入側に
も接続されている。
【0008】ここで、オーバロードリリーフ弁9A,9
Bは圧力制御弁を構成し、主管路4A,4B内の最高圧
力を予め設定した圧力値としての開弁圧Pc(図12参
照)に設定するばね10A,10Bを有している。そし
て、オーバロードリリーフ弁9A(9B)は、油圧モー
タ3の慣性回転時に主管路4A(4B)内に開弁圧Pc
を越える過剰圧が発生すると、この過剰圧を相手方の主
管路4B(4A)等にチェック弁6B(6A)を介して
リリーフすべく開弁する。
【0009】11は油圧モータ3のドレン管路を示し、
該ドレン管路11は油圧モータ3に供給した圧油の一部
がドレンとなってリークすると、このリークした油液を
タンク2内へと排出させる。
【0010】12は油圧ポンプ1の吐出側に設けられた
メインのリリーフ弁で、該リリーフ弁12は、油圧ポン
プ1から吐出する圧油が設定圧を越えたときに余剰圧を
タンク2側にリリーフさせるものである。
【0011】このように構成される従来技術では、方向
切換弁5を中立位置(イ)から切換位置(ロ)に切換え
ると、油圧ポンプ1からの圧油が主管路4Aを介して油
圧モータ3に供給され、該油圧モータ3はこの圧油によ
り慣性体としての上部旋回体を、例えば右方向に旋回駆
動する。そして、該油圧モータ3からの戻り油は主管路
4Bを介してタンク2内へと順次排出される。
【0012】また、この状態で上部旋回体を停止すべ
く、例えば図12中の時点t1において方向切換弁5を
切換位置(ロ)から中立位置(イ)に戻すと、油圧ポン
プ1から油圧モータ3への圧油の供給が中断され、上部
旋回体に対する駆動力が解除される。
【0013】しかし、慣性体としての上部旋回体はその
慣性力により油圧モータ3を慣性回転させるので、油圧
モータ3はポンピング作用を行い、主管路4A内の圧油
を主管路4B側に吐出させ、主管路4A側が負圧傾向と
なると、タンク2内の作動油をチェック弁6Aを介して
主管路4A側に補給させる。
【0014】これにより、主管路4B内には油圧モータ
3と方向切換弁5との間に比較的多量の圧油が封じ込め
られるので、主管路4B内には油圧モータ3の慣性回転
を停止させるようにブレーキ圧が発生する。そして、こ
のブレーキ圧が図12に示す特性線13の如く、時点t
2においてオーバロードリリーフ弁9Bの開弁圧Pcを
越えると、該オーバロードリリーフ弁9Bがばね10B
に抗して開弁し、主管路4B内のブレーキ圧を補助管路
7、チェック弁6Aを介して主管路4A内にリリーフさ
せることにより、油圧モータ3の慣性回転を制動し、そ
の後にオーバロードリリーフ弁9Bがばね10Bにより
閉弁する時点t3で、油圧モータ3は上部旋回体と共に
一旦停止する。
【0015】ここで、時点t3でオーバロードリリーフ
弁9Bが閉弁して油圧モータ3が一旦停止したときに、
主管路4B内の圧力は特性線13の如く比較的高い圧力
状態にある。一方、主管路4A内の圧力は図12中に点
線で示す特性線14の如く、時点t3まで低い圧力状態
にある。
【0016】このため、時点t3で油圧モータ3が一旦
停止したとしても、特性線13,14の如く主管路4
B,4A間には比較的大きな差圧ΔPが生じ、この差圧
ΔPにより油圧モータ3は慣性回転時の回転方向とは逆
向きに反転して回転し始め、主管路4B側から主管路4
A側に向けて圧油が流通することにより、差圧ΔPは漸
次小さくなる。
【0017】しかし、このときに油圧モータ3は上部旋
回体の慣性力で回転を続けるから、主管路4A内の圧力
は特性線14の如く時点t4を過ぎると主管路4B側よ
りも高圧となる。この結果、油圧モータ3は前,後の圧
力差が増大して一時的に停止するものの、その後再び逆
向きに反転して回転し、油圧モータ3のモータ回転数は
特性線15の如く慣性体である上部旋回体と共に変動を
繰返すという問題がある。
【0018】そこで、このような問題を解決するため
に、本出願人は、先に特願平5−519690号(WO
94/01682)等において、油圧モータに接続した
一対の主管路間に慣性体反転防止弁を設けることを提案
している。
【0019】この反転防止弁は、慣性体駆動用の油圧モ
ータに接続される一対の主管路間に配設された弁ケーシ
ングと、該弁ケーシング内に相対変位可能に設けられた
筒状弁体およびスプールと、該筒状弁体およびスプール
の一端側と弁ケーシングとの間に設けられた油室と、筒
状弁体およびスプールの他端側と弁ケーシングとの間に
設けられタンクに接続されるばね室と、該ばね室内に設
けられスプールを油室側に向けて常時付勢する設定ばね
と、一対の主管路のうち高圧側の圧油がパイロット圧と
して供給されることにより、前記スプールを設定ばねに
抗して初期位置からストロークエンドに向けて摺動変位
させるピストンと、前記油室とタンクとを連通させる管
路の途中に設けられ、前記設定ばねによりスプールがス
トロークエンドから初期位置に復帰するときに、前記油
室からタンクに排出される油液を絞ることにより該油室
内の圧力を上昇させ、筒状弁体をばね室側へと摺動変位
させる絞りとから大略構成されている。
【0020】上述の如く構成された反転防止弁は、油圧
モータの慣性回転時にピストンに高圧のパイロット圧が
作用すると、該ピストンによりスプールが設定ばねに抗
してストロークエンドまで変位する。そして、油圧モー
タの慣性回転が停止してパイロット圧が低下することに
より、スプールが設定ばねによってストロークエンドか
ら初期位置に復帰するときに、絞りによって油室からタ
ンクに排出される油液が絞られることにより該油室内の
圧力が上昇する。そして、この油液室内の圧力上昇によ
って筒状弁体をばね室側に変位させることにより、油圧
モータに接続される一対の主管路間を一時的に連通させ
て該各主管路間の圧力差を減少させ、油圧モータの反転
動作を防止するようになっている。
【0021】従って、上述の如き反転防止弁を含む慣性
体駆動装置を備えた油圧ショベルでは、例えばバケット
によって掘削した土砂等をダンプカーに積載する作業を
行う場合に、旋回させた上部旋回体を所望の位置に急停
止させたときに該上部旋回体の反転動作を防止すること
ができ、その作業性を向上することができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
技術にあっては、例えば油圧ショベルのバケット背面の
フックにワイヤ等を介して吊下げた荷物を、上部旋回体
を旋回させることにより所望の場所に移送する吊荷作業
等を行う場合に、上部旋回体を急停止させると吊荷がバ
ケット部分で大きく振れる荷振れが発生し易く、この荷
振れ収まるまでは吊荷を所望の場所に移送することがで
きず、吊荷作業に余分な時間を費やすという問題があ
る。
【0023】また、例えば油圧ショベルのバケット側面
を溝の側面に押付けつつ土砂を掘削する所謂押付け掘削
等を行う場合には、例えば油圧ポンプ1から主管路4A
を介して油圧モータ3に供給される圧油の圧力(駆動
圧)がオーバロードリリーフ弁9Aの開弁圧Pcを越え
ると、オーバロードリリーフ弁9Aが開弁した後に反転
防止弁が作動し、これにより、各主管路4A,4B間が
不用意に連通してしまうことがある。この結果、油圧ポ
ンプ1から供給される油圧モータ3の駆動圧が反転防止
弁の作動によって急激に低下されることになり、上部旋
回体の安定した旋回動作が阻害されるおそれがある。
【0024】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、反転防止手段の作動を外部から切換制御
できるようにし、常時は反転防止手段による慣性体の反
転防止動作を行わせると共に、例えば吊荷作業時等には
ブレーキ圧の上昇を抑え、慣性体を緩やかに停止させる
ことができるようにした慣性体駆動装置を提供すること
を目的としている。
【0025】また、本発明の他の目的は、例えば押付け
掘削等を行うときに、反転防止手段による慣性体の反転
防止動作を禁止させることができ、慣性体を駆動するた
めの駆動圧を高い圧力に保持できるようにした慣性体駆
動装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、油圧源からの圧油が給排されることに
よって慣性体を駆動する油圧モータと、該油圧モータを
前記油圧源に接続する一対の主管路の途中に設けられ、
中立位置から切換えられたときに前記油圧源からの圧油
を油圧モータに給排させ、中立位置に復帰したときに該
油圧モータへの圧油の給排を停止する方向切換弁と、該
方向切換弁と前記油圧モータとの間に位置して前記一対
の主管路間に設けられ、該各主管路内の最高圧力を予め
設定した圧力値に制御する圧力制御弁と、前記方向切換
弁と油圧モータとの間に位置して前記各主管路間に設け
られ、前記油圧モータの慣性回転後に前記慣性体の回転
方向が反転するのを抑えるため前記各主管路の圧力に応
じて該各主管路間を連通、遮断する反転防止手段とから
なる慣性体駆動装置に適用される。
【0027】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、常時は前記反転防止手段に対して第1の制御信
号を出力することにより前記反転防止手段が反転防止動
作を行うのを許し、第2の制御信号を出力するときには
前記反転防止手段により前記各主管路間を連通状態に保
持させる制御手段を備えたことにある。
【0028】上記構成によれば、制御手段が反転防止手
段に対して第1の制御信号を出力している間は、反転防
止手段による反転防止動作を許すようになるので、反転
防止手段は油圧モータの慣性回転時に各主管路の圧力に
応じて該各主管路間を連通、遮断することができ、該各
主管路間に生じる圧力差を減少させ、油圧モータによっ
て駆動される慣性体の反転動作を抑えることができる。
一方、制御手段が反転防止手段に対して第2の制御信号
を出力している間は、反転防止手段により各主管路間が
連通状態に保持されるから、油圧モータの慣性回転時に
主管路内に大きなブレーキ圧が発生するのを回避でき、
慣性体が急停止するのを防止できる。
【0029】また、請求項2の発明は、前記制御手段
は、前記反転防止手段に供給すべき第1,第2の制御信
号としての制御圧を発生する補助油圧源と、該補助油圧
源からの制御圧を前記第1の制御信号に該当する第1の
制御圧値と該第1の制御圧値よりも高い前記第2の制御
信号に該当する第2の制御圧値として可変に設定する圧
力制御手段とからなり、前記反転防止手段は、該圧力制
御手段からの制御圧が前記第1,第2の制御圧値のいず
れかの状態で選択的に供給される油室を有し、該油室内
が前記第1の制御圧値となったときに前記反転防止動作
を行い、前記油室内が第2の制御圧値まで上昇したとき
には前記各主管路間を連通状態に保持する構成としたこ
とにある。
【0030】上記構成によれば、圧力制御手段が反転防
止手段の油室に供給される制御圧を第1の制御圧値に設
定したときには、反転防止手段による反転防止動作を許
すようになり、油圧モータの反転動作を防止できる。ま
た、制御圧を第2の制御圧値に設定したときには、各主
管路間が連通状態に保持されるようになり、油圧モータ
の慣性回転時に主管路内に大きなブレーキ圧が発生する
のを回避できる。
【0031】さらに、請求項3の発明は、前記反転防止
手段は、前記各主管路間に設けられ、弁体摺動穴の軸方
向に離間して前記各主管路に連通する一対のポートが形
成された弁ケーシングと、外周側が該弁ケーシングの弁
体摺動穴に挿嵌され、内周側にスプール摺動穴が形成さ
れた筒状弁体と、該筒状弁体のスプール摺動穴に挿嵌さ
れ、該筒状弁体に対して相対変位可能に前記弁ケーシン
グ内に設けられたスプールと、該スプールおよび筒状弁
体の一端側と前記弁ケーシングとの間に形成され、少な
くともタンク内の油液が給排されると共に、前記圧力制
御手段からの制御圧が第1,第2の制御圧値のいずれか
として選択的に供給される油室と、前記筒状弁体および
スプールの他端側と前記弁ケーシングとの間に形成さ
れ、タンクに接続されるばね室と、該ばね室内に設けら
れ、前記スプールを初期位置に復帰させるべく、前記圧
力制御弁による圧力値よりも一定比率だけ低い圧力値を
もって前記スプールを油室側へと常時付勢した設定ばね
と、該設定ばねよりも弱いばね力をもって前記筒状弁体
を油室側に向け常時付勢した弱ばねと、前記各主管路の
うち高圧側となる圧油の圧力がパイロット圧として供給
されることにより、前記スプールを設定ばねに抗して前
記ばね室側のストロークエンドへと摺動変位させ、前記
油室内にタンクからの油液を補給させるピストンと、前
記油室内をタンクに接続する管路の途中に設けられ、前
記設定ばねによりスプールがストロークエンドから初期
位置に復帰するときに、前記油室からタンクに排出され
る油液を絞ることにより該油室内の圧力を上昇させ、前
記筒状弁体が油室側に戻るのを前記スプールよりも遅ら
せる絞りと、少なくとも前記筒状弁体に形成され、該筒
状弁体に対して前記スプールが相対変位したときに、前
記弁ケーシングの各ポート間を連通させる絞り通路とか
ら構成したことにある。
【0032】上記構成によれば、反転防止手段の油室に
第1の制御圧値をもった制御圧が供給された場合には、
油圧モータの慣性回転時にピストンに高圧のパイロット
圧が作用することにより、スプールが設定ばねに抗して
ストロークエンドまで変位する。そして、油圧モータの
慣性回転が停止してパイロット圧が低下することによ
り、スプールが設定ばねによってストロークエンドから
初期位置に復帰するときに、絞りによって油室からタン
クに排出される油液が絞られることにより該油室内の圧
力が上昇する。そして、この油液室内の圧力上昇によっ
て筒状弁体がばね室側に変位し、油圧モータに接続され
る一対の主管路間が一時的に連通して該各主管路間の差
圧が減少することにより、油圧モータの反転動作を防止
できる。
【0033】一方、反転防止手段の油室に第2の制御圧
値をもった制御圧が供給された場合には、油室内の圧力
上昇によって筒状弁体がばね室側に摺動変位することに
より、絞り通路を介して弁ケーシングの各ポート間が強
制的に連通され、該各ポートを介して各主管路間が連通
状態に保持されるから、油圧モータの慣性回転時に主管
路内に大きなブレーキ圧が発生するのを回避できる。
【0034】さらにまた、請求項4の発明は、前記圧力
制御手段は、少なくとも前記補助油圧源を反転防止手段
の油室に対して選択的に連通,遮断させる切換弁からな
り、該切換弁は遮断位置となったときに前記油室側の圧
力を第1の制御圧値まで低下させ、連通位置に切換った
ときには前記油室側の圧力を第2の制御圧値まで上昇さ
せる構成としたことにある。
【0035】上記構成によれば、切換弁が遮断位置とな
って油室側の圧力が第1の制御圧値まで低下すると、反
転防止手段は油圧モータの慣性回転時に各主管路の圧力
に応じて該各主管路間を連通、遮断し、慣性体の反転防
止動作を行う。一方、切換弁が連通位置に切換ったとき
には、油室側の圧力が第2の制御圧値まで上昇し、この
油室内の圧力上昇によって筒状弁体がばね室側に摺動変
位することにより、各主管路間を連通状態に保持するこ
とができる。
【0036】そして、請求項5の発明は、前記反転防止
手段は、前記各主管路間に設けられ該各主管路間を連
通,遮断する電磁弁と、前記各主管路のうち高圧側の圧
力を検出する圧力センサと、少なくとも該圧力センサか
らの信号に基づいて前記電磁弁を連通位置と遮断位置と
に切換えるコントローラとからなり、前記制御手段は、
該コントローラに少なくとも前記第1,第2の制御信号
を出力し、前記第1の制御信号を出力する間は前記コン
トローラにより電磁弁を前記圧力センサからの信号に基
づいて切換制御するのを許し、前記第2の制御信号を出
力する間は前記コントローラにより電磁弁を連通位置に
保持させる信号出力器によって構成したことにある。
【0037】上記構成によれば、信号出力器がコントロ
ーラに対して第1の制御信号を出力している間は、コン
トローラが圧力センサからの信号に基づいて電磁弁を切
換制御するのを許すようになるので、油圧モータの慣性
回転時に電磁弁が各主管路間を連通,遮断することによ
って該各主管路間に生じる圧力差を減少させることがで
きる。一方、信号出力器がコントローラに対して第2の
制御信号を出力している間は、コントローラが電磁弁を
連通位置に保持することにより各主管路間が連通状態に
保持されるから、油圧モータの慣性回転時に主管路内に
大きなブレーキ圧が発生するのを回避できる。
【0038】また、請求項6の発明は、前記信号出力器
は、前記コントローラに第1,第2または第3の制御信
号を選択的に出力し、前記第3の制御信号を出力する間
は前記コントローラにより電磁弁を遮断位置に保持させ
る構成としたことにある。
【0039】上記構成によれば、信号出力器がコントロ
ーラに対して第3の制御信号を出力している間は、コン
トローラが電磁弁を遮断位置に保持することにより各主
管路間が遮断状態に保持されるから、油圧モータを駆動
するための駆動圧を高い圧力に保持することができる。
【0040】さらに、請求項7の発明は、油圧源からの
圧油が給排されることによって慣性体を駆動する油圧モ
ータと、該油圧モータを前記油圧源に接続する一対の主
管路の途中に設けられ、中立位置から切換えられたとき
に前記油圧源からの圧油を油圧モータに給排させ、中立
位置に復帰したときに該油圧モータへの圧油の給排を停
止する方向切換弁と、該方向切換弁と前記油圧モータと
の間に位置して前記一対の主管路間に設けられ、該各主
管路内の最高圧力を予め設定した圧力値に制御する圧力
制御弁と、前記方向切換弁と油圧モータとの間に位置し
て前記各主管路間に設けられ、前記油圧モータの慣性回
転後に前記慣性体の回転方向が反転するのを抑えるため
前記各主管路の圧力に応じて該各主管路間を連通、遮断
する反転防止手段とからなる慣性体駆動装置において、
常時は前記反転防止手段に対して第1の制御信号を出力
することにより前記反転防止手段が反転防止動作を行う
のを許し、第2の制御信号を出力するときには前記反転
防止手段により前記各主管路間を連通状態に保持させ、
第3の制御信号を出力するときには前記反転防止手段に
より前記各主管路間を遮断状態に保持する制御手段を備
える構成としたことにある。
【0041】上記構成によれば、制御手段が反転防止手
段に第3の制御信号を出力している間は、反転防止手段
により各主管路間が遮断状態に保持されるから、例えば
油圧源から油圧モータに高圧の圧油(駆動圧)が供給さ
れるときに反転防止弁が作動して各主管路間が不用意に
連通するのを防止でき、油圧モータを駆動するための駆
動圧を高い圧力に保持することができる。
【0042】さらにまた、請求項8の発明は、前記制御
手段は、前記反転防止手段に供給すべき第1,第2,第
3の制御信号としての制御圧を発生する補助油圧源と、
該補助油圧源からの制御圧を前記第1の制御信号に該当
する第1の制御圧値と、該第1の制御圧値よりも高い前
記第2の制御信号に該当する第2の制御圧値と、該第2
の制御圧値よりも高い前記第3の制御信号に該当する第
3の制御圧値として可変に設定する圧力制御手段とから
なり、前記反転防止手段は、該圧力制御手段からの制御
圧が前記第1,第2,第3の制御圧値のいずれかの状態
で選択的に供給される油室を有し、該油室内が前記第1
の制御圧値となったときに前記反転防止動作を行い、前
記油室内が第2の制御圧値まで上昇したときには前記各
主管路間を連通状態に保持し、前記油室内が第3の制御
圧値まで上昇したときには前記各主管路間を遮断状態に
保持する構成としたことにある。
【0043】上記構成によれば、圧力制御手段が反転防
止手段の油室に供給される制御圧を第3の制御圧値に設
定したときには、各主管路間が遮断状態に保持されるよ
うになり、油圧モータに高圧の駆動圧が供給されるとき
に反転防止弁が作動して各主管路間が不用意に連通する
のを防止できる。
【0044】そして、請求項9の発明は、前記反転防止
手段は、前記各主管路間に設けられ、弁体摺動穴の軸方
向に離間して前記各主管路に連通する一対のポートが形
成された弁ケーシングと、外周側が該弁ケーシングの弁
体摺動穴に挿嵌され、内周側にスプール摺動穴が形成さ
れた筒状弁体と、該筒状弁体のスプール摺動穴に挿嵌さ
れ、該筒状弁体に対して相対変位可能に前記弁ケーシン
グ内に設けられたスプールと、該スプールおよび筒状弁
体の一端側と前記弁ケーシングとの間に形成され、少な
くともタンク内の油液が給排されると共に、前記圧力制
御手段からの制御圧が第1,第2,第3の制御圧値のい
ずれかとして選択的に供給される油室と、前記筒状弁体
およびスプールの他端側と前記弁ケーシングとの間に形
成され、タンクに接続されるばね室と、該ばね室内に設
けられ、前記スプールを初期位置に復帰させるべく、前
記圧力制御弁による圧力値よりも一定比率だけ低い圧力
値をもって前記スプールを油室側へと常時付勢した設定
ばねと、該設定ばねよりも弱いばね力をもって前記筒状
弁体を油室側に向け常時付勢した弱ばねと、前記各主管
路のうち高圧側となる圧油の圧力がパイロット圧として
供給されることにより、前記スプールを設定ばねに抗し
て前記ばね室側のストロークエンドへと摺動変位させ、
前記油室内にタンクからの油液を補給させるピストン
と、前記油室内をタンクに接続する管路の途中に設けら
れ、前記設定ばねによりスプールがストロークエンドか
ら初期位置に復帰するときに、前記油室からタンクに排
出される油液を絞ることにより該油室内の圧力を上昇さ
せ、前記筒状弁体が油室側に戻るのを前記スプールより
も遅らせる絞りと、少なくとも前記筒状弁体に形成さ
れ、該筒状弁体に対して前記スプールが相対変位したと
きに、前記弁ケーシングの各ポート間を連通させる絞り
通路とから構成したことにある。
【0045】上記構成によれば、圧力制御手段が反転防
止手段の油室に供給される制御圧を第3の制御圧値に設
定したときには、油室内の圧力上昇によって筒状弁体と
スプールとがばね室側に摺動変位することにより、弁ケ
ーシングの各ポート間が強制的に遮断されて各主管路間
が遮断状態に保持されるから、油圧モータを駆動するた
めの駆動圧を高い圧力に保持することができる。
【0046】また、請求項10の発明は、前記圧力制御
手段は、前記補助油圧源を反転防止手段の油室に対して
選択的に連通,遮断させる切換弁と、前記補助油圧源か
ら反転防止手段の油室に向けて供給する圧油の圧力を前
記第2の制御圧値と第3の制御圧値とに選択的に設定す
る圧力設定器とからなり、前記切換弁は遮断位置となっ
たときに前記油室側の圧力を第1の制御圧値まで低下さ
せ、連通位置に切換ったときには前記油室に供給する圧
力を前記圧力設定器による第2,第3の制御圧値のいず
れかまで選択的に上昇させる構成としたことにある。
【0047】上記構成によれば、切換弁が遮断位置とな
って制御管路が遮断されると油室側の圧力が第1の制御
圧値まで低下することにより、反転防止手段による油圧
モータの反転防止動作が行われる。一方、切換弁が連通
位置に切換った状態で、圧力設定器が反転防止手段の油
室に供給される圧油の圧力を第2の制御圧値に設定した
ときには、反転防止手段により各主管路間を連通状態に
保持することができる。また、圧力設定器が反転防止手
段の油室に供給される圧油の圧力を第3の制御圧値に設
定したときには、反転防止手段により各主管路間を遮断
状態に保持することができる。
【0048】また、請求項11の発明は、前記補助油圧
源を前記反転防止手段の油室に接続する制御管路の途中
には、該補助油圧源から前記反転防止手段の油室に向け
て圧油が流通するのを許し、逆向きの流れを阻止する逆
止弁を設ける構成としたことにある。
【0049】上記構成によれば、反転防止手段による反
転防止動作時に、該反転防止手段のスプールがばね室側
のストロークエンドから油室側の初期位置に摺動変位す
るとき、油室内の圧油が制御管路を介して補助油圧源側
に流れるのを逆止弁によって阻止することにより、油室
内の圧力を確実に上昇させることができる。
【0050】さらに、請求項12の発明は、前記スプー
ルの一端側には、前記ピストンによってスプールが初期
位置からストロークエンドに向けて摺動変位するとき前
記筒状弁体に係合して該筒状弁体をスプールと共にばね
室側に摺動変位させる係合部を設ける構成としたことに
ある。
【0051】上記構成によれば、反転防止手段による反
転防止動作時にスプールが初期位置からストロークエン
ドに摺動変位するとき、筒状弁体は係合部によってスプ
ールと共にストロークエンドに摺動変位する。従って、
スプールが設定ばねによってストロークエンドから初期
位置に復帰するときに、弁ケーシングの各ポート間が筒
状弁体の絞り通路を介して瞬時に連通することにより、
油圧モータの慣性回転時に各主管路間に生じた圧力差を
速やかに減少させることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して詳細に説明する。
【0053】まず、図1ないし図8は本発明による第1
の実施例を示し、本実施例では上述した従来技術と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。
【0054】図中、21は主管路4A,4B間に配設さ
れる反転防止手段としての反転防止弁を示し、該反転防
止弁21の弁ケーシング22には図2等に示す如く、軸
方向に伸びる弁体摺動穴22Aが形成され、該弁体摺動
穴22Aの外周側には軸方向に所定寸法離間してポート
23A,23Bの一部をなす環状の油溝22B,22C
がノッチ部22D,22Dを含んで形成されている。ま
た、該弁ケーシング22には弁体摺動穴22Aの左側端
部に後述する油室28の一部を構成する環状溝22Eが
形成され、弁体摺動穴22Aの右側部位に後述の管路3
1と連通する環状溝22Fが形成されている。そして、
環状溝22Eと油溝22Bとの間には後述のピストン3
4にパイロット圧を供給すべく弁体摺動穴22Aと連通
する後述のパイロット管路37が形成されている。
【0055】ここで、弁ケーシング22は油圧モータ3
のケーシング(図示せず)にチャージ用チェック弁6
A,6Bおよびオーバロードリリーフ弁9A,9B等と
共に一体に形成され、旋回用油圧回路の途中にコンパク
トに収納される。また、該弁ケーシング22のポート2
3A,23Bはバイパス管路24A,24Bを介して主
管路4A,4Bに油圧モータ3と方向切換弁5との間で
接続されている。
【0056】25は弁体摺動穴22A内に挿嵌された筒
状弁体としてのスリーブを示し、該スリーブ25は弁体
摺動穴22Aの穴径に対応する外径寸法を有した円筒体
として形成され、その内周側にはスプール摺動穴25A
が形成されている。そして、該スリーブ25にはその左
側部位に弁ケーシング22の環状溝22Eから離間し
て、パイロット管路37に常時連通する環状の凹溝25
Bおよび該凹溝25Bに連通する径方向の油穴25C,
25Cが形成され、右側端部にはばね受部25Dが形成
されている。また、該スリーブ25には凹溝25Bとば
ね受部25Dとの間で前記各ノッチ部22Dに対応する
軸方向の離間寸法をもって、例えば二対の油穴としての
絞り孔25E,25E,…が径方向に穿設され、該各絞
り孔25Eは後述の油溝27Dと共に弁ケーシング22
のポート23A,23B間を図4に示す如く連通させる
絞り通路26を構成している。
【0057】27はスリーブ25のスプール摺動穴25
A内に挿嵌されたスプールを示し、該スプール27はス
リーブ25よりも長尺の段付き棒状体として形成され、
弁ケーシング22内にスリーブ25とは相対変位可能に
配設されている。そして、該スプール27にはその左側
部位に、スリーブ25の各油穴25Cと常時連通する環
状の凹溝27Aと、該凹溝27Aに常時連通する径方向
の油穴27Bと、該油穴27Bから左側端面に向けて軸
方向に穿設され、ピストン34を摺動可能に支持するピ
ストン摺動穴27Cとが設けられ、凹溝27Aから右側
に所定寸法離間した位置にはスリーブ25の各絞り孔2
5Eと共に絞り通路26を構成する環状の油溝27Dが
軸方向に伸長して形成されている。
【0058】また、該スプール27の右側部分はスリー
ブ25のスプール摺動穴25Aから弁ケーシング22内
に突出し、スリーブ25のばね受部25Dと軸方向で対
向する位置には環状段部27Eが設けられている。ま
た、環状段部27Eの右側には、ばね受部27Fが径方
向に突出して形成されると共に、後述のばね室30内に
向けて棒状のストッパ部27Gが軸方向に延設され、該
ストッパ部27Gは図3に示す如くばね室30の端面に
当接することにより、スプール27のストロークエンド
を規制している。
【0059】27Hはスプール27の一端側(左側端
部)に設けられた係合部としての係合鍔部を示し、該係
合鍔部27Hは、例えばスプール27の左側端部に全周
に亘って拡径するように形成されている。そして、該係
合鍔部27Hは、スプール27が図2に示す初期位置か
らストロークエンドに向けて摺動変位するときスリーブ
25に係合し、該スリーブ25をスプール27と共にば
ね室30側に摺動変位させるものである。
【0060】28はスリーブ25、スプール27の左側
端面と弁ケーシング22との間に形成される油室を示
し、該油室28は弁ケーシング22に形成した環状溝2
2Eおよび管路29を介してタンク2に接続され、該油
室28内にはタンク2の作動油としての油液がスリーブ
25、スプール27の摺動変位に応じて給排されるよう
になっている。
【0061】30はスリーブ25、スプール27の右側
に位置して弁ケーシング22内に形成されたばね室を示
し、該ばね室30は管路31を介してタンク2と接続さ
れ、タンク2からの作動油によって満されている。
【0062】32はスプール27のストッパ部27G周
囲に位置してばね室30内に配設された設定ばねを示
し、該設定ばね32はその先端側がスプール27のばね
受部27Fに当接し、スプール27を油室28側に向け
て常時付勢することにより、スプール27を図2に示す
初期位置に復帰させる。ここで、該設定ばね32の設定
圧Ps(図6参照)は、オーバロードリリーフ弁9A,
9Bの開弁圧Pcに対して一定比率だけ低い圧力値(例
えば、開弁圧Pcに対して85〜95%程度の範囲)に
設定され、パイロット管路37からのパイロット圧が、
例えば0.95×Pc以上となったときに、スプール2
7がピストン34により図3に示す如くストロークエン
ドまで押動されるのを許すようになっている。
【0063】33はばね室30内に位置して、スリーブ
25のばね受部25Dとスプール27のばね受部27F
との間に配設された弱ばねを示し、該弱ばね33は設定
ばね32よりも弱いばね力に設定され、スリーブ25を
油室28側に向けて常時付勢している。
【0064】34はスプール27のピストン摺動穴27
C内に挿嵌され、先端側が油室28内に向けて突出する
小径のピストンを示し、該ピストン34は、スプール2
7の油穴27B内にパイロット管路37等を介して、後
述のシャトル弁36から主管路4A,4Bのうち高圧側
の圧油がパイロット圧として供給されることにより、油
室28内へと突出し、スプール27を設定ばね32に抗
して図3に示すストロークエンドまで摺動変位させる。
このときに、油室28はスプール27のストローク量に
応じて図3に示す如く拡張され、油室28内はタンク2
内から管路29を介して作動油が補給されることにより
油液で満たされる。
【0065】35は油室28内をタンク2に接続する管
路29の途中に設けられた絞りを示し、該絞り35は、
スプール27が設定ばね32により図3に示すストロー
クエンドから図4に示すように油室28側に押戻される
ときに、該油室28内からタンク2に排出される油液
(作動油)に絞り作用を与えることにより、油室28内
の圧力を上昇させる。従って、スプール27がストロー
クエンドから初期位置に向けて摺動変位すると、スリー
ブ25は、弱ばね33によって油室28側に押圧される
ものの、該油室28内の圧力上昇によってばね室30側
への摺動変位がスプール27よりも遅れるようになり、
図3ないし図5に示すように、各絞り孔25Eと弁ケー
シング22の各油溝22B,22Cとが連通する位置
(開弁位置)を比較的長い時間に亘って保つようにな
る。
【0066】なお、スプール27が初期位置からストロ
ークエンドに向けて摺動変位するときには、管路29は
タンク2内の作動油を油室28内に補給するが、絞り3
5により油室28内が負圧傾向となる。しかし、このと
きに絞り35はスリーブ25、スプール27の作動には
何等影響を及ぼさず、油室28が負圧となるのも瞬時に
回復する。
【0067】この結果、スプール27はピストン34に
よりばね室30側に向けて押動されるときには、油室2
8内にタンク2から油液(作動油)がスムーズに補給さ
れ、スリーブ25を伴って図2に示す初期位置から図3
に示すストロークエンドに速やかに摺動変位する。しか
し、逆にスプール27が設定ばね32によりストローク
エンドから初期位置へと押戻され、スリーブ25が弱ば
ね33により油室28側に押圧されるときには、絞り3
5が油室28からの排出油を絞ることにより、スリーブ
25の摺動速度(戻り速度)が低く抑えられ、スリーブ
25は開弁位置を比較的長い時間に亘り保つようにな
る。
【0068】36は油圧モータ3と方向切換弁5との間
で主管路4A,4B間に配設された高圧選択弁としての
シャトル弁を示し、該シャトル弁36は主管路4A,4
Bのうち、高圧側の主管路4Aまたは4Bをパイロット
管路37に接続させ、高圧の圧油をパイロット圧として
パイロット管路37からスリーブ25の凹溝25B、各
油穴25Cおよびスプール27の凹溝27A、油穴27
Bを介してピストン34の端面へと供給させる。
【0069】38は反転防止弁21による反転防止動作
を制御する制御手段としての制御装置を示し、該制御装
置38は、反転防止弁21の油室28に制御管路39を
介して接続された後述のパイロットポンプ40、該パイ
ロットポンプ40と油室28との間に位置して制御管路
39の途中に設けられた切換弁41および減圧弁42等
から構成されている。
【0070】40は補助油圧源としてのパイロットポン
プを示し、該パイロットポンプ40は、タンク2内の作
動油を制御圧力として制御管路39に吐出するもので、
その吐出圧の最大値は後述のリリーフ弁44によって設
定されている。
【0071】41はパイロットポンプ40と反転防止弁
21の油室28との間に位置して制御管路39の途中に
設けられた電磁式の切換弁で、該切換弁41は減圧弁4
2と共に圧力制御手段を構成するものである。ここで、
切換弁41は、ばね41Aによって常時は遮断位置
(ニ)にあり、このときにはパイロットポンプ40から
油室28に供給される第1の制御信号としての圧力を第
1の制御圧値P1 (例えば、タンク圧程度)まで低下さ
せる。そして、例えば油圧ショベルの運転室内に設けら
れる切換弁用スイッチ(いずれも図示せず)を閉成した
ときに、切換弁41はソレノイド部41Bが励磁される
ことにより、ばね41Aに抗して連通位置(ホ)に切換
えられ、パイロットポンプ40の吐出側を制御管路39
を介して油室28に連通させる構成となっている。
【0072】42はパイロットポンプ40と切換弁41
との間に位置して制御管路39の途中に設けられた圧力
設定器としての電磁比例減圧弁を示し、該減圧弁42
は、前記運転室内に設けた設定スイッチ(図示せず)等
により、ソレノイド部42Aに供給される設定信号の電
流値等が可変に設定され、これにより、パイロットポン
プ40から油室28内に供給すべき第2,第3の制御信
号としての圧力を、第2の制御圧値P2 または第3の制
御圧値P3 に減圧制御するものである。
【0073】ここで、反転防止弁21を構成するスリー
ブ25が図2に示す初期位置にあるとき、油室28内に
位置するスリーブ25の環状の断面積をS1 、弱ばね3
3の初期設定ばね力をF1 、該弱ばね33のばね定数を
1 、スリーブ25が弱ばね33に抗してスプール27
の環状段部27Eに当接するまでの変位量をL1 とする
と、前記第2の制御圧値P2 は、
【0074】
【数1】P2 >(F1 +K1 ×L1 )/S1 を満足するように設定されている。
【0075】従って、反転防止弁21の油室28内に第
2の制御圧値P2 の圧油が供給されたときには、ピスト
ン34に作用するパイロット圧にかかわらず、スリーブ
25は図2に示す初期位置から図7に示す位置に摺動変
位し、スリーブ25の各絞り孔25Eおよびスプール2
7の油溝27Dからなる絞り通路26を介してポート2
3A,23B間を連通させる。これにより、該各ポート
23A,23Bにバイパス管路24A,24Bを介して
接続された主管路4A,4B間が連通する構成となって
いる。
【0076】一方、反転防止弁21を構成するスプール
27が図2に示す初期位置にあるとき、油室28内に位
置するスプール27から係合鍔部27Hを減じた部分の
断面積をS2 、設定ばね32の初期設定ばね力をF
2 、設定ばね32のばね定数をK2 、スプール27が
設定ばね32に抗して初期位置からストロークエンドま
で摺動するときの変位量をL2 とすると、前記第3の
制御圧値P3 は、
【0077】
【数2】P3 >(F2 +K2 ×L2 )/S2 を満足するように設定されている。
【0078】従って、反転防止弁21の油室28内に第
3の制御圧値P 3の圧油が供給されたときには、スプー
ル27はスリーブ25を伴って図2に示す初期位置から
図8に示すストロークエンドに摺動変位し、各ポート2
3A,23B間、即ち主管路4A,4B間を遮断状態に
保持する構成となっている。
【0079】43は切換弁41と油室28との間に位置
して制御管路39の途中に設けられたチェック弁で、該
チェック弁43は、パイロットポンプ40から反転防止
弁21の油室28に圧油が流れるのを許し、逆向きの流
れを阻止するものである。
【0080】44はパイロットポンプ40の吐出側に設
けられたリリーフ弁で、該リリーフ弁44は、パイロッ
トポンプ40から吐出する圧油が設定圧を越えたときに
余剰圧をタンク2側にリリーフさせるものである。
【0081】本実施例による慣性体駆動装置は上述の如
き構成を有するもので、次にその作動について説明す
る。
【0082】まず、例えば油圧ショベルの掘削作業時に
上部旋回体を旋回させる場合には、オペレータが方向切
換弁5を中立位置(イ)から切換位置(ロ)に切換える
ことにより、油圧ポンプ1からの圧油が主管路4Aを介
して油圧モータ3に供給され、油圧モータ3は、例えば
図6中に示す特性線51のように一定の回転数をもって
回転し、慣性体としての上部旋回体を旋回駆動する。
【0083】この場合、前記切換弁用スイッチを開成し
ておくことにより、切換弁41は遮断位置(ニ)となっ
て制御管路39を遮断するから、パイロットポンプ40
から吐出した圧油はリリーフ弁44を介してタンク2内
にリリーフされる。
【0084】そして、主管路4A内を流れる圧油(駆動
圧)は、その一部がシャトル弁36からパイロット管路
37等を介してスプール27の油穴27B内に供給され
るが、このときの主管路4A内の圧力が設定ばね32の
設定圧Ps(オーバロードリリーフ弁9A,9Bの開弁
圧に対して85〜95%の圧力)に達するまで上昇しな
い限りは、スプール27は図2に示すように設定ばね3
2によって初期位置に保持される。
【0085】次に、この状態で上部旋回体を停止すべ
く、図6中の時点t1において方向切換弁5を切換位置
(ロ)から中立位置(イ)に戻すと、油圧ポンプ1から
油圧モータ3への圧油の供給が絶たれ、図6中に点線で
示す特性線52の如く主管路4A内の圧力が低下するこ
とにより、油圧モータ3は上部旋回体に対する駆動力を
失い、その回転数は特性線51の如く時点t1から徐々
に低下していく。
【0086】しかし、慣性体としての上部旋回体はその
慣性力によって油圧モータ3を慣性回転させ、油圧モー
タ3はポンピング作用を行って主管路4A内の圧油を主
管路4B側に吐出し、負圧となった主管路4A内にはチ
ェック弁6Aを介してタンク2内の作動油が補給され
る。
【0087】これにより、主管路4B内には比較的多量
の圧油が封じ込められ、油圧モータ3の慣性回転を停止
させるように圧力(ブレーキ圧)が発生する。このと
き、主管路4B内に発生したブレーキ圧の一部は、シャ
トル弁36からパイロット管路37等を介してスプール
27の油穴27B内にパイロット圧として供給される。
そして、この主管路4B内のブレーキ圧が、特性線53
で示すように時点t2において設定ばね32の設定圧P
sを越えると、スプール27の油穴27B内に供給され
たパイロット圧によってピストン34が油室28側に向
け押動され、スプール27から油室28内へと突出す
る。これにより、スプール27が特性線54のように、
図2に示す初期位置(油室側)から設定ばね32に抗し
て図3に示すストロークエンド(ばね室側)まで摺動変
位する。
【0088】このとき、スプール27の左側端部に設け
られた係合鍔部27Hがスリーブ25の左側端面に係合
することにより、スリーブ25が特性線55のようにス
プール27に追従してばね室30側に摺動変位し、図3
に示すように各絞り孔25Eが弁ケーシング22の油溝
22B,22Cに連通する開弁位置に保持される。ま
た、このときに油室28は、スプール27のストローク
量に応じて図3に示す如く拡張され、油室28内はタン
ク2から管路29を介して補給される油液で満たされ
る。
【0089】そして、主管路4B内のブレーキ圧がオー
バロードリリーフ弁9Bの開弁圧Pcに達すると、該オ
ーバロードリリーフ弁9Bがばね10Bに抗して開弁
し、主管路4B内のブレーキ圧が補助管路7、チェック
弁6Aを介して主管路4A内にリリーフされることによ
り、該ブレーキ圧によって油圧モータ3の慣性回転が制
動され、その後にオーバロードリリーフ弁9Bがばね1
0Bにより閉弁すると、油圧モータ3は上部旋回体と共
に停止する。
【0090】そして、オーバロードリリーフ弁9Bが閉
弁して油圧モータ3の慣性回転がほぼ停止すると、主管
路4B内への作動油の供給がなくなり、主管路4B内の
圧力はオーバロードリリーフ弁9Bの開弁圧Pcから低
下し、やがて時点t3において設定ばね32の設定圧P
s以下に低下する。
【0091】この結果、主管路4Bからシャトル弁3
6、パイロット管路37等を介してピストン34に作用
するパイロット圧も設定圧Ps以下に低下するので、ピ
ストン34は、スプール27が設定ばね32により図3
に示すストロークエンドから油室28側に向けて押動さ
れるのを許す。これにより、スプール27の係合鍔部2
7Hとスリーブ25の左側端面との係合状態が解除され
るから、スリーブ25は、スプール27との間に設けら
れた弱ばね33に押圧され、弁ケーシング22の弁体摺
動穴22A内を油室28側に向けて摺動変位し得る状態
となる。
【0092】一方、スプール27が設定ばね32によっ
て油室28側に摺動変位することにより、油室28内に
満たされた油液が管路29を介してタンク2へと排出さ
れるが、このとき、排出される油液に対して絞り35に
よって絞り作用が与えられ、油室28から排出される油
液の流量が制限されるので、該油室28内の圧力が上昇
する。
【0093】なお、油室28には制御管路39が接続さ
れているが、該制御管路39の途中にはチェック弁43
が設けられているから、油室28内の圧油が制御管路3
9を介してパイロットポンプ40側に流れるのを確実に
阻止でき、スプール27が油室28側に摺動変位したと
きに該油室28内の圧力を確実に上昇させることができ
る。
【0094】この結果、スリーブ25は弱ばね33によ
って油室28側に摺動変位するものの、上昇した油室2
8内の圧力がスリーブ25に作用するために、図6中の
特性線55に示すように、スリーブ25は時点t3から
後述する時点t6までの間に比較的長い時間をかけて徐
々に油室28側に摺動変位する。これにより、スリーブ
25の各絞り孔25Eと弁ケーシング22の油溝22
B,22Cとが比較的長い時間に亘って連通する状態を
保つようになる。
【0095】これに対し、スプール27は特性線54に
示すように、時点t3から時点t4の間に設定ばね32
によって瞬時にストロークエンドから初期位置に復帰
(スリーブ25に対して相対変位)する。そして、スプ
ール27が初期位置に復帰することにより、図4に示す
ように、スプール27の油溝27Dがスリーブ25の各
絞り孔25Eに連通し、スリーブ25の各絞り孔25E
およびスプール27の油溝27Dからなる絞り通路26
を介して、ポート23A,23B(バイパス管路24
A,24B)間が連通する。
【0096】かくして、スプール27がストロークエン
ドから初期位置に復帰し始める時点t3において、スリ
ーブ25の各絞り孔25Eおよびスプール27の油溝2
7Dからなる絞り通路26を介してポート23A,23
B間が連通し、該ポート23A,23Bに接続されたバ
イパス管路24A,24Bを介して主管路4A,4Bが
連通する。そして、スプール27が図4に示す如く初期
位置に復帰した状態では、スリーブ25が弱ばね33に
より油室28側に向けて押動されるに応じて、油室28
内の油液が管路29から絞り35を介してタンク2へと
排出されるので、絞り35の絞り作用によってスリーブ
25が図4に示す開弁位置から油室28側に向けて摺動
変位するときの戻り速度を遅くできる。
【0097】これにより、スリーブ25が、各絞り孔2
5Eとスプール27の油溝27Dとが遮断される位置
(閉弁位置)に達する時点t5まで、絞り通路26を介
してポート23A,23B(バイパス管路24A,24
B)間を比較的長い時間に亘って連通させておくことが
できる。従って、例えば高圧側となる主管路4B内の圧
力を、絞り通路26等を介して絞り作用を与えつつ、バ
イパス管路24A,24Bを介して主管路4A側に確実
に逃がすことができ、各主管路4A,4B間の差圧ΔP
を速やかに、かつ確実に減少することができ、該主管路
4A,4B間の差圧ΔPに起因して生じる油圧モータ3
の反転動作を効果的に防止することができる。
【0098】そして、スリーブ25が弱ばね33によっ
て油室28側に摺動変位した時点t6では、図2に示す
ように、スリーブ25の絞り孔25Eとスプール27の
油溝27Dとが遮断した状態に保持されて、ポート23
A,23B間が閉塞されることにより、反転防止弁21
による主管路4A,4B間のバイパス管路24A,24
Bを介した連通が絶たれ、油圧モータ3を停止状態に保
持できる。
【0099】従って、本実施例によれば、油圧モータ3
の慣性回転が停止した後に、油圧モータ3が反転動作を
生じるのを効果的に防止でき、油圧モータ3を上部旋回
体等の慣性体と共に速やかに停止させることができる。
この結果、油圧ショベルによる掘削作業時に上部旋回体
の旋回動作を急停止することができ、掘削時の作業性を
向上することができる。
【0100】また、反転防止弁21は弁ケーシング22
内にスリーブ25とスプール27とを相対変位可能に設
けることによって構成され、主管路4A,4B間にシャ
トル弁36等を介して1個のみ設ければよいので、例え
ば油圧モータ3のケーシング等に反転防止弁21を簡単
に組込むことができ、油圧回路全体を簡略化できる上
に、反転防止弁21をスリーブ25およびスプール27
を含んでコンパクトに形成でき、小型化を図ることがで
きる。
【0101】さらに、スプール27に形成したピストン
摺動穴27Cはスリーブ25のスプール摺動穴25Aに
比較して小径に形成され、パイロット管路37からスプ
ール27の油穴27B内に供給されるパイロット圧に対
するピストン34の受圧面積は大幅に小さくなっている
から、該ピストン34の受圧面積に対応させて設定ばね
32のばね力を小さく設定でき、スプール27を初期位
置に設定ばね32によって確実に戻すことができる。そ
して、ピストン摺動穴27Cに比較して油室28の容積
を大きくすることができるから、スプール27がストロ
ークエンドに達したときに油室28内に比較的多量の油
液を収容させ、スリーブ25が開弁位置から弱ばね33
により閉弁位置に戻されるまでの開弁時間を有効に延ば
すことができる。
【0102】また、この開弁時間をスリーブ25、スプ
ール27、ピストン34および絞り35の寸法または設
定ばね32、弱ばね33のばね力により上部旋回体等の
慣性体の大きさに応じて適宜に調整することができる。
さらに、絞り孔25E,25E,…はスリーブ25の摺
動方向に対して直角に穿設されているから、作動油が絞
り通路26を通過するときの流体力を最小限に抑えるこ
とができ、スリーブ25の摺動が流体力で乱されるのを
防止できる。
【0103】次に、例えば油圧ショベルのバケット先端
にワイヤ等を介して吊下げた荷物を所望の場所に移送す
る吊荷作業を行う場合について述べる。
【0104】この吊荷作業を行う場合にも、オペレータ
は上述の場合と同様に、方向切換弁5を徐々に中立位置
(イ)から切換位置(ロ)に切換える。これにより、油
圧ポンプ1からの圧油が主管路4Aを介して油圧モータ
3に供給され、該油圧モータ3が上部旋回体を旋回駆動
することにより、バケット先端に吊下げられた荷物が所
望の位置に向けて移送される。
【0105】このとき、主管路4A内を流れる圧油はシ
ャトル弁36からパイロット管路37等を介してスプー
ル27の油穴27B内に供給されるが、このときの主管
路4A内の圧力が設定ばね32の設定圧Psに達するま
で上昇しない限りは、スプール27は図2に示すように
設定ばね32によって初期位置に保持される。
【0106】そして、吊荷が移送すべき場所に接近し始
めると、オペレータは、例えば方向切換弁5を中立位置
(イ)に復帰させ、これとほぼ同時に、運転室内で前記
切換弁用スイッチを閉成して切換弁41のソレノイド部
41Bを励磁すると共に、前記設定スイッチを操作して
減圧弁42のソレノイド部42Aに設定信号を供給す
る。
【0107】これにより、図7に示すように切換弁41
が遮断位置(ニ)から連通位置(ホ)に切換えられ、パ
イロットポンプ40から吐出した圧油が制御管路39を
介して反転防止弁21の油室28に供給される。
【0108】このとき、減圧弁42は、ソレノイド部4
2Aに供給された設定信号の電流値に応じて、例えばパ
イロットポンプ40から吐出した圧油の圧力を前記第2
の制御圧値P2 に減圧する。これにより、パイロットポ
ンプ40から吐出した圧油が、第2の制御圧値P2 をも
った圧油として反転防止弁21の油室28内に供給され
る。
【0109】これにより、反転防止弁21を構成するス
リーブ25が、弱ばね33に抗して図2に示す初期位置
から図7に示す位置に摺動変位し、該スリーブ25の各
絞り孔25E、スプール27の油溝27Dからなる絞り
通路26を介してポート23A,23B間を連通させ
る。この結果、各ポート23A,23Bにバイパス管路
24A,24Bを介して接続された主管路24A,24
B間が連通状態に保持されるようになる。
【0110】この場合、油圧ポンプ1から油圧モータ3
への圧油の供給が絶たれると、上部旋回体はその慣性力
によって油圧モータ3を慣性回転させ、油圧モータ3は
ポンピング作用を行って主管路4A内の圧油を主管路4
B側に吐出するが、主管路4Bに吐出した圧油は、バイ
パス管路24B、反転防止弁21の絞り通路26、バイ
パス管路24A等を介して主管路4A側に流れるように
なる。この結果、油圧モータ3から主管路4B内に吐出
した圧油は該主管路4B内に封じ込められることがな
く、主管路4B内の圧力はリリーフ弁9Bの開弁圧Pc
よりも低く抑えられる。
【0111】従って、主管路4B内の圧油がリリーフ弁
9B、補助管路7、チェック弁6Aを介して主管路4A
内にリリーフされることがなくなり、油圧モータ3に対
して大きなブレーキ圧が作用するのを回避できる。この
結果、油圧モータ3は、主管路4Bに吐出した圧油が反
転防止弁21の絞り通路26を流れるときに発生する僅
かなブレーキ圧によって徐々に減速されつつ慣性回転を
継続し、上部旋回体は下部走行体上で旋回動作を継続す
るようになる。
【0112】そして、上部旋回体の旋回動作を停止する
場合には、方向切換弁5を中立位置(イ)から徐々に切
換位置(ハ)に切換え、油圧ポンプ1から主管路4B内
に徐々に圧油を吐出させることにより、この圧油が慣性
回転する油圧モータ3に背圧として作用するようにな
り、油圧モータ3を緩やかに停止させることができる。
この結果、上部旋回体が緩やかに旋回停止するようにな
り、該上部旋回体に吊下げられた吊荷の荷振れを抑える
ことができ、該吊荷を所望の場所に移送する作業を短時
間で効率よく行うことができる。
【0113】しかも、本実施例によれば、油圧モータ3
に大きなブレーキ圧が作用するのを回避するために、反
転防止弁21に設けられた絞り通路26、各ポート23
A,23B等を利用して各主管路4A,4B間を連通さ
せる構成としているから、例えば各主管路4A,4B間
を連通するために該各主管路4A,4B間に切換弁等を
追加して設ける場合に比較して、装置全体の簡素化を図
ることができる。
【0114】次に、油圧ショベルのバケット側面を溝の
側面等に押付けつつ土砂を掘削する、所謂押付け掘削作
業を行う場合について述べる。
【0115】この押付け掘削作業を行う場合にも、オペ
レータは上述の場合と同様に、方向切換弁5を中立位置
(イ)から切換位置(ロ)に切換える。これにより、油
圧ポンプ1からの圧油が主管路4Aを介して油圧モータ
3に供給され、該油圧モータ3が上部旋回体を旋回駆動
する。このとき、バケットの側面を溝の側面に押付けて
おくため、主管路4Aに吐出する圧油は高圧となってリ
リーフ弁9Aの開弁圧Pcを越えるようになる。
【0116】ここで、仮に主管路4A内の高圧の圧油
が、シャトル弁36、パイロット管路37等を介して反
転防止弁21のピストン34にパイロット圧として作用
した場合には、反転防止弁21を構成するスプール27
が図2に示す初期位置から図3に示すストロークエンド
に摺動変位することになる。この状態で、例えば方向切
換弁5の操作量が減少して主管路4A内の圧力が設定ば
ね32の設定圧よりも低下した場合には、スプール27
が設定ばね32によって図4に示す位置に摺動変位す
る。この結果、絞り通路26、バイパス通路24A,2
4B等を介して主管路4A,4B間が不用意に連通して
しまい、油圧ポンプ1から供給される油圧モータ1の駆
動圧が急激に低下して上部旋回体の安定した旋回動作が
阻害されるおそれがある。
【0117】このため、オペレータは運転室内で前記切
換弁用スイッチを閉成して切換弁41のソレノイド部4
1Bを励磁すると共に、前記設定スイッチを操作して減
圧弁42のソレノイド部42Aに設定信号を供給する。
【0118】これにより、図8に示すように切換弁41
が遮断位置(ニ)から連通位置(ホ)に切換えられ、パ
イロットポンプ40から吐出した圧油が制御管路39を
介して反転防止弁21の油室28に供給される。
【0119】このとき、減圧弁42は、ソレノイド部4
2Aに供給された設定信号の電流値に応じて、例えばパ
イロットポンプ40からの圧油が前記第3の制御圧値P
3 まで上昇するのを許す。これにより、パイロットポン
プ40からの圧油は、第3の制御圧値P3 をもった制御
圧力として反転防止弁21の油室28内に供給され、ス
プール27とスリーブ25とが設定ばね32に抗して図
2に示す初期位置から図8に示すストロークエンドに摺
動変位し、各ポート23A,23B間を遮断状態に保持
する。かくして、反転防止弁21による反転防止動作が
禁止されることにより、主管路4A,4B間が不用意に
連通してしまうのを確実に防止できる。
【0120】この結果、油圧ポンプ1から油圧モータ3
に供給される駆動圧を高い圧力に保持できるようにな
り、油圧モータ3は大きなトルクをもって上部旋回体を
旋回駆動することができる。従って、側溝掘り作業等に
おいてバケット側面を溝の側面に強く押付けておくこと
ができ、この押付け掘削時の作業性を大幅に向上するこ
とができる。
【0121】上述の如く本実施例によれば、反転防止弁
21の動作を制御するため、制御管路39を介して反転
防止弁21の油室28に接続されたパイロットポンプ4
0、制御管路39の途中に設けられた切換弁41および
減圧弁42等からなる制御装置38を設け、パイロット
ポンプ40から油室28に供給される圧油の圧力を第1
の制御圧値P1 に設定したときには、反転防止弁21が
反転防止動作を行うのを許すようにしている。このた
め、例えば油圧ショベルが掘削作業時において掘削した
土砂等をダンプカーに積載するような場合には、反転防
止弁21を作動させて油圧モータ3の反転動作を抑える
ことにより、上部旋回体の旋回動作を急停止することが
でき、掘削作業を効率よく行うことができる。
【0122】また、パイロットポンプ40から油室28
に供給される圧油の圧力を第2の制御圧値P2 に設定し
たときには、反転防止弁21のスリーブ25のみを強制
的に摺動変位させ、絞り通路26、ポート23A,23
B等を介して各主管路4A,4B間を連通状態に保持さ
せることにより、油圧モータ3の慣性回転時に該油圧モ
ータ3に対して大きなブレーキ圧が作用するのを回避
し、上部旋回体を緩やかに停止させることができる。こ
のため、例えば油圧ショベルのバケット先端にワイヤ等
を介して吊下げた荷物を所望の場所に移送するような場
合に、バケット先端に吊下げられた吊荷の荷振れを抑え
ることができ、吊荷作業を効率よく行うことができる。
【0123】さらに、パイロットポンプ40から油室2
8に供給される圧油の圧力を第3の制御圧値P3 に設定
したときには、反転防止弁21のスリーブ25およびス
プール27を強制的に摺動変位させることにより、各主
管路4A,4B間を遮断状態に保持することができる。
このため、例えば押付け掘削作業を行うような場合に、
油圧モータ3に供給される駆動圧によって反転防止弁2
1が作動して主管路4A,4B間が不用意に連通してし
まうのを確実に回避できる。これにより、油圧モータ3
に対する駆動圧を高い圧力に保持することができ、側溝
掘り作業時にバケット側面を溝の側面に強く押付けてお
くことができ、この押付け掘削時の作業性を大幅に向上
することができる。
【0124】次に、図9は本発明による第2の実施例を
示している。なお、本実施例では前記第1の実施例と同
一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0125】図中、61は油圧モータ3と方向切換弁5
との間に位置して主管路4A,4B間に設けられた反転
防止弁としての電磁弁で、該電磁弁61は後述の圧力セ
ンサ62、コントローラ63と共に本実施例による反転
防止手段を構成している。
【0126】ここで、電磁弁61は、ばね61Aにより
主管路4A,4B間を遮断する遮断位置(ヘ)に常時付
勢され、コントローラ63からの開弁信号がソレノイド
部61Bに供給されることにより、ばね61Aに抗して
連通位置(ト)に切換えられる。そして、電磁弁61は
連通位置(ト)に切換えられたときに主管路4A,4B
間を絞り61Cを介して連通させる構成となっている。
【0127】62はシャトル弁36の出口側に設けられ
た圧力センサで、該圧力センサ62は主管路4A,4B
のうちシャトル弁36によって選択された高圧側の圧力
を検出し、この圧力に応じた検出信号をコントローラ6
3に出力するものである。
【0128】63は電磁弁61を切換制御するコントロ
ーラを示し、該コントローラ63の入力側には圧力セン
サ62、および後述する信号出力器64が接続され、出
力側には電磁弁61のソレノイド部61Bが接続されて
いる。そして、コントローラ63は、その記憶回路内に
図10に示すプログラム等を格納し、電磁弁61の切換
制御処理等を行うようになっている。
【0129】64は本実施例による制御手段を構成する
信号出力器で、該信号出力器64は、例えば運転室内に
設けられた設定スイッチ(図示せず)を操作することに
より、コントローラ63に対して第1,第2,第3の制
御信号を選択的に出力するものである。そして、信号出
力器64は、第1の制御信号を出力している間は、コン
トローラ63が圧力センサ62からの検出信号に基づい
て電磁弁61を切換制御するのを許し、第2の制御信号
を出力している間は、コントローラ63により電磁弁6
1を連通位置(ト)に保持させ、第3の制御信号を出力
している間は、コントローラ63により電磁弁61を遮
断位置(ヘ)に保持させる。
【0130】本実施例は上述の如き構成を有するもの
で、運転室内に設けられた設定スイッチの操作に応じて
信号出力器64から第1,第2,第3の制御信号が出力
されると、コントローラ63は該各制御信号に基づいて
電磁弁61に対して異なる切換制御を行なうようになっ
ている。
【0131】そこで、コントローラ63による電磁弁6
1の切換制御処理について図10を参照しつつ説明す
る。
【0132】まず、処理動作がスタートすると、圧力セ
ンサ62からの検出信号、および設定スイッチの操作に
応じた制御信号が信号出力器64からコントローラ63
に入力される。
【0133】そして、ステップ1で信号出力器64から
入力された制御信号が第2の制御信号であるか否かを判
定し、「YES」と判定したときにはステップ2に移
り、電磁弁61に開弁保持信号を出力してこれを連通位
置(ト)に保持させる制御処理を行う。
【0134】これにより、主管路4A,4B間が電磁弁
61を介して連通状態に保持され、油圧モータ3の慣性
回転時に該油圧モータ3から吐出した圧油が主管路4A
(4B)内に封じ込められて大きなブレーキ圧が発生す
るのを回避でき、上部旋回体を緩やかに停止させること
ができる。
【0135】次に、ステップ1で「NO」と判定した場
合には、ステップ3で信号出力器64から入力された制
御信号が第3の制御信号であるか否かを判定し、「YE
S」と判定したときにはステップ4に移り、電磁弁61
に対する開弁信号の出力を停止してこれを遮断位置
(ヘ)に保持させる制御処理を行う。
【0136】これにより、主管路4A,4B間が電磁弁
61を介して遮断状態に保持され、例えば油圧モータ3
の駆動時に主管路4A,4B間が不用意に連通してしま
うのを防止でき、油圧ポンプ1から油圧モータ3に供給
される駆動圧を、オーバロードリリーフ弁9A,9Bの
開弁圧Pcに対応する高い圧力に保持できる。
【0137】次に、ステップ3で「NO」と判定した場
合には、信号出力器64から入力された制御信号が第1
の制御信号であるから、ステップ5で圧力センサ62か
らの検出信号に基づいて主管路4A,4Bのうち高圧側
の圧力Pを読込む。
【0138】そして、ステップ6で高圧側の主管路4A
(4B)内の圧力Pがオーバロードリリーフ弁9A(9
B)の開弁圧Pc以上であるか否かを判定し、「NO」
と判定したときには主管路4A(4B)内にブレーキ圧
が発生していないから、ステップ1に戻って上述の処理
を繰返す。
【0139】次に、ステップ6で「YES」と判定した
ときには、油圧モータ3の慣性回転によって主管路4A
(4B)内にブレーキ圧が発生しているから、ステップ
7で再び圧力センサ62からの検出信号に基づいて主管
路4A(4B)内の圧力Pを読込んだ後、ステップ8で
圧力Pが設定圧Ps′(例えば、オーバロードリリーフ
弁9A,9Bの開弁圧Pcに対して85〜95%の圧
力)よりも低下したか否かを判定する。
【0140】そして、ステップ8で「NO」と判定する
間はステップ7以降の処理を繰返し、「YES」と判定
した場合には主管路4A(4B)内の圧力Pが設定圧P
s′よりも低下して油圧モータ3の慣性回転が停止する
場合であるから、次なるステップ9に移って電磁弁61
に一定時間だけ開弁信号を出力し、電磁弁61を一定時
間だけ連通位置(ト)に切換える制御処理を行う。
【0141】これにより、主管路4A,4B間が電磁弁
61を介して一定時間だけ連通し、油圧モータ3の慣性
回転時に主管路4A(4B)内に発生したブレーキ圧を
主管路4B(4A)側に逃がすことにより、油圧モータ
3の慣性回転時に主管路4A,4B間に生じた圧力差を
減少させることができ、油圧モータ3の反転動作を効果
的に防止することができる。
【0142】かくして、本実施例においても、信号出力
器64から出力される第1,第2,第3の制御信号に基
づいて、コントローラ63が電磁弁61に対して異なる
切換制御を行なう構成とすることにより、油圧ショベル
が通常の掘削作業を行う場合には上部旋回体の反転動作
を防止することができ、また、吊荷作業を行う場合には
上部旋回体を緩やかに停止させることができ、さらに、
押付け掘削等を行う場合には油圧モータ3に供給される
駆動圧を高い圧力に保持することができる。
【0143】なお、前記第1の実施例では、反転防止弁
21の油室28内に供給される圧油の圧力を第1,第
2,第3の制御圧値に設定するため、切換弁41と減圧
弁42とからなる圧力制御手段を設けた場合を例に挙げ
たが、本発明はこれに限るものではなく、例えばパイロ
ットポンプ40からの圧力を3段階に変化させる減圧弁
型の圧力制御弁等を用いるようにしてもよい。
【0144】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、制御手段が反転防止手段に対して第1の制御信号
を出力している間は、反転防止手段が反転防止動作を行
うのを許す構成としたから、油圧モータの慣性回転時に
各主管路間に生じる圧力差を減少させ、油圧モータが反
転動作を繰返すのを確実に防止できる。従って、例えば
油圧ショベルによる掘削作業時に上部旋回体を急停止さ
せることができ、その作業性を向上することができる。
【0145】一方、制御手段が反転防止手段に対して第
2の制御信号を出力している間は、反転防止手段により
各主管路間を連通状態に保持する構成としたから、油圧
モータの慣性回転時に油圧モータから吐出した圧油が主
管路内に封じ込められることに起因して油圧モータに大
きなブレーキ圧が作用するのを回避できる。従って、例
えば油圧ショベルによる吊荷作業時に上部旋回体を緩や
かに停止させることにより、吊荷の荷振れを防止でき、
吊荷作業を効率良く行うことができる。
【0146】また、請求項2の発明によれば、反転防止
手段の油室に供給される制御圧を第1の制御圧値に設定
したときには、油圧モータの慣性回転時に主管路内の圧
力に応じて各主管路間を連通させることにより、該各主
管路間に生じる圧力差を確実に減少させることができ
る。また、油室に供給される制御圧を第2の制御圧値に
設定したときには、各主管路間を連通状態に保持させる
ことにより、油圧モータの慣性回転時に主管路内に大き
なブレーキ圧が発生するのを回避できる。
【0147】さらに、請求項3の発明によれば、反転防
止手段の油室に第1の制御圧値をもった制御圧が供給さ
れた場合には、反転防止動作が許され、油圧モータの慣
性回転時に各主管路のうち高圧側から供給されるパイロ
ット圧に応じてスプールと筒状弁体とが弁ケーシング内
を摺動変位できるから、油圧モータの慣性回転が停止し
てパイロット圧が低下したときに筒状弁体がスプールに
対して相対変位することにより、該筒状弁体の絞り通路
等を介して各主管路間を連通させることができる。一
方、反転防止手段の油室に第2の制御圧値をもった制御
圧が供給された場合には、油室内の圧力上昇によって筒
状弁体のみを摺動変位させることにより、該筒状弁体の
絞り通路等を介して各主管路間を連通状態に保持でき、
油圧モータの慣性回転時に主管路内に大きなブレーキ圧
が発生するのを回避できる。
【0148】さらにまた、請求項4の発明によれば、補
助油圧源に対して反転防止手段の油室を選択的に連通,
遮断させる切換弁によって圧力制御手段を構成したか
ら、切換弁を遮断位置と連通位置とに切換えることによ
り、反転防止手段の動作を選択的に設定することができ
る。
【0149】そして、請求項5の発明によれば、信号出
力器がコントローラに対して第1の制御信号を出力して
いる間は、コントローラが圧力センサからの信号に基づ
いて電磁弁を切換制御するのを許す構成としたから、油
圧モータの慣性回転時に該油圧モータが反転動作を繰返
すのを確実に防止できる。また、信号出力器がコントロ
ーラに対して第2の制御信号を出力している間は、コン
トローラが電磁弁を連通位置に保持する構成としたか
ら、油圧モータの慣性回転時に各主管路間が連通状態に
保持され、主管路内に大きなブレーキ圧が発生するのを
回避できる。
【0150】また、請求項6の発明によれば、信号出力
器がコントローラに対して第3の制御信号を出力してい
る間は、コントローラが電磁弁を遮断位置に保持するこ
とにより各主管路間が遮断状態に保持される構成とした
から、油圧モータの駆動時に該油圧モータに供給される
駆動圧を高い圧力に保持することができる。
【0151】さらに、請求項7の発明によれば、制御手
段が反転防止手段に第3の制御信号を出力するときに
は、反転防止手段により各主管路間が遮断状態に保持さ
れる構成としたから、例えば油圧モータの駆動時に反転
防止手段が作動して各主管路間が不用意に連通してしま
うのを確実に防止でき、油圧モータに供給される駆動圧
を高い圧力に保持することができ、慣性体を安定して駆
動することができる。
【0152】さらにまた、請求項8の発明によれば、補
助油圧源から反転防止手段の油室に供給される制御圧を
圧力制御手段によって第3の制御圧値に設定することに
より、各主管路間を遮断状態に保持する構成としたか
ら、油圧モータの駆動時に各主管路間が不用意に連通し
てしまうのを確実に回避できる。
【0153】そして、請求項9の発明によれば、反転防
止手段の油室に第3の制御圧値をもった制御圧が供給さ
れた場合には、油室内の圧力上昇によってスプールおよ
び筒状弁体を摺動変位させることによって各主管路間を
遮断状態に保持でき、油圧モータの駆動時に各主管路間
が不用意に連通してしまうのを確実に回避できる。
【0154】また、請求項10の発明によれば、圧力制
御手段を、補助油圧源に対して反転防止手段の油室を選
択的に連通,遮断させる切換弁と、該切換弁が連通位置
に切換ったときに油室側の圧力を第2,第3の制御圧値
のいずれかに設定する圧力設定器とから構成したから、
切換弁を遮断位置に切換えたときには、油室に供給され
る制御圧を第1の制御圧値に設定することができ、切換
弁を連通位置に切換えたときには、圧力設定器によって
油室に供給される制御圧を第2,第3の制御圧値のいず
れかに設定することができる。
【0155】さらに、請求項11の発明によれば、補助
油圧源を反転防止手段の油室に接続する制御管路の途中
に設けた逆止弁によって、油室内の圧油が制御管路を介
して補助油圧源側に流れるのを阻止する構成としたか
ら、反転防止手段による適正な反転防止動作を補償する
ことができる。
【0156】さらにまた、請求項12の発明によれば、
スプールの一端側に筒状弁体に係合する係合部を設ける
ことにより、反転防止動作時にスプールが初期位置から
ストロークエンドに摺動変位するとき、筒状弁体がスプ
ールに追従してストロークエンドに摺動変位する構成と
したから、筒状弁体の絞り通路を介して弁ケーシングの
各ポート間を瞬時に連通させて各主管路間に生じた圧力
差を減少させることができ、油圧モータの反転動作を速
やかに収束させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による慣性体駆動装置を
示す旋回用油圧回路図である。
【図2】スプールが初期位置に復帰した状態を示す反転
防止弁の縦断面図である。
【図3】スプールがストロークエンドに達した状態を示
す縦断面図である。
【図4】スプールがスリーブに対して相対変位した状態
を示す縦断面図である。
【図5】スリーブが開弁位置から油室側に押戻されてい
る状態を示す縦断面図である。
【図6】反転防止弁の作動時における油圧モータの回転
数、主管路内の圧力、スプールおよびスリーブの摺動変
位を示す特性線図である。
【図7】パイロットポンプからの圧力によってスリーブ
のみが摺動変位した状態を示す縦断面図である。
【図8】パイロットポンプからの圧力によってスリーブ
およびスプールが摺動変位した状態を示す縦断面図であ
る。
【図9】本発明の第2の実施例による慣性体駆動装置を
示す図1と同様の旋回用油圧回路図である。
【図10】図9中のコントローラによる電磁弁の切換制
御処理を説明する流れ図である。
【図11】従来技術による旋回用油圧回路図である。
【図12】油圧モータが反転動作を繰返す状態を示す各
主管路の圧力特性線図である。
【符号の説明】 1 油圧ポンプ(油圧源) 2 タンク 3 油圧モータ 4A,4B 主管路 5 方向切換弁 9A,9B オーバロードリリーフ弁(圧力制御弁) 21 反転防止弁(反転防止手段) 22 弁ケーシング 22A 弁体摺動穴 23A,23B ポート 25 スリーブ(筒状弁体) 26 絞り通路 27 スプール 27H 係合鍔部(係合部) 28 油室 30 ばね室 32 設定ばね 33 弱ばね 34 ピストン 35 絞り 38 制御装置(制御手段) 39 制御管路 40 パイロットポンプ(補助油圧源) 41 切換弁(圧力制御手段) 42 減圧弁(圧力設定器) 43 チェック弁(逆止弁) 61 電磁弁(反転防止手段) 62 圧力センサ(反転防止手段) 63 コントローラ(反転防止手段) 64 信号出力器(制御手段)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧源からの圧油が給排されることによ
    って慣性体を駆動する油圧モータと、 該油圧モータを前記油圧源に接続する一対の主管路の途
    中に設けられ、中立位置から切換えられたときに前記油
    圧源からの圧油を油圧モータに給排させ、中立位置に復
    帰したときに該油圧モータへの圧油の給排を停止する方
    向切換弁と、 該方向切換弁と前記油圧モータとの間に位置して前記一
    対の主管路間に設けられ、該各主管路内の最高圧力を予
    め設定した圧力値に制御する圧力制御弁と、 前記方向切換弁と油圧モータとの間に位置して前記各主
    管路間に設けられ、前記油圧モータの慣性回転後に前記
    慣性体の回転方向が反転するのを抑えるため前記各主管
    路の圧力に応じて該各主管路間を連通、遮断する反転防
    止手段とからなる慣性体駆動装置において、 常時は前記反転防止手段に対して第1の制御信号を出力
    することにより前記反転防止手段が反転防止動作を行う
    のを許し、第2の制御信号を出力するときには前記反転
    防止手段により前記各主管路間を連通状態に保持させる
    制御手段を備える構成としたことを特徴とする慣性体駆
    動装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記反転防止手段に供
    給すべき第1,第2の制御信号としての制御圧を発生す
    る補助油圧源と、該補助油圧源からの制御圧を前記第1
    の制御信号に該当する第1の制御圧値と該第1の制御圧
    値よりも高い前記第2の制御信号に該当する第2の制御
    圧値として可変に設定する圧力制御手段とからなり、 前記反転防止手段は、該圧力制御手段からの制御圧が前
    記第1,第2の制御圧値のいずれかの状態で選択的に供
    給される油室を有し、該油室内が前記第1の制御圧値と
    なったときに前記反転防止動作を行い、前記油室内が第
    2の制御圧値まで上昇したときには前記各主管路間を連
    通状態に保持する構成としてなる請求項1に記載の慣性
    体駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記反転防止手段は、 前記各主管路間に設けられ、弁体摺動穴の軸方向に離間
    して前記各主管路に連通する一対のポートが形成された
    弁ケーシングと、 外周側が該弁ケーシングの弁体摺動穴に挿嵌され、内周
    側にスプール摺動穴が形成された筒状弁体と、 該筒状弁体のスプール摺動穴に挿嵌され、該筒状弁体に
    対して相対変位可能に前記弁ケーシング内に設けられた
    スプールと、 該スプールおよび筒状弁体の一端側と前記弁ケーシング
    との間に形成され、少なくともタンク内の油液が給排さ
    れると共に、前記圧力制御手段からの制御圧が第1,第
    2の制御圧値のいずれかとして選択的に供給される油室
    と、 前記筒状弁体およびスプールの他端側と前記弁ケーシン
    グとの間に形成され、タンクに接続されるばね室と、 該ばね室内に設けられ、前記スプールを初期位置に復帰
    させるべく、前記圧力制御弁による圧力値よりも一定比
    率だけ低い圧力値をもって前記スプールを油室側へと常
    時付勢した設定ばねと、 該設定ばねよりも弱いばね力をもって前記筒状弁体を油
    室側に向け常時付勢した弱ばねと、 前記各主管路のうち高圧側となる圧油の圧力がパイロッ
    ト圧として供給されることにより、前記スプールを設定
    ばねに抗して前記ばね室側のストロークエンドへと摺動
    変位させ、前記油室内にタンクからの油液を補給させる
    ピストンと、 前記油室内をタンクに接続する管路の途中に設けられ、
    前記設定ばねによりスプールがストロークエンドから初
    期位置に復帰するときに、前記油室からタンクに排出さ
    れる油液を絞ることにより該油室内の圧力を上昇させ、
    前記筒状弁体が油室側に戻るのを前記スプールよりも遅
    らせる絞りと、 少なくとも前記筒状弁体に形成され、該筒状弁体に対し
    て前記スプールが相対変位したときに、前記弁ケーシン
    グの各ポート間を連通させる絞り通路とから構成してな
    る請求項2に記載の慣性体駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力制御手段は、少なくとも前記補
    助油圧源を反転防止手段の油室に対して選択的に連通,
    遮断させる切換弁からなり、該切換弁は遮断位置となっ
    たときに前記油室側の圧力を第1の制御圧値まで低下さ
    せ、連通位置に切換ったときには前記油室側の圧力を第
    2の制御圧値まで上昇させる構成としてなる請求項2に
    記載の慣性体駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記反転防止手段は、前記各主管路間に
    設けられ該各主管路間を連通,遮断する電磁弁と、前記
    各主管路のうち高圧側の圧力を検出する圧力センサと、
    少なくとも該圧力センサからの信号に基づいて前記電磁
    弁を連通位置と遮断位置とに切換えるコントローラとか
    らなり、 前記制御手段は、該コントローラに少なくとも前記第
    1,第2の制御信号を出力し、前記第1の制御信号を出
    力する間は前記コントローラにより電磁弁を前記圧力セ
    ンサからの信号に基づいて切換制御するのを許し、前記
    第2の制御信号を出力する間は前記コントローラにより
    電磁弁を連通位置に保持させる信号出力器によって構成
    してなる請求項1に記載の慣性体駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記信号出力器は、前記コントローラに
    第1,第2または第3の制御信号を選択的に出力し、前
    記第3の制御信号を出力する間は前記コントローラによ
    り電磁弁を遮断位置に保持させる構成としてなる請求項
    5に記載の慣性体駆動装置。
  7. 【請求項7】 油圧源からの圧油が給排されることによ
    って慣性体を駆動する油圧モータと、 該油圧モータを前記油圧源に接続する一対の主管路の途
    中に設けられ、中立位置から切換えられたときに前記油
    圧源からの圧油を油圧モータに給排させ、中立位置に復
    帰したときに該油圧モータへの圧油の給排を停止する方
    向切換弁と、 該方向切換弁と前記油圧モータとの間に位置して前記一
    対の主管路間に設けられ、該各主管路内の最高圧力を予
    め設定した圧力値に制御する圧力制御弁と、 前記方向切換弁と油圧モータとの間に位置して前記各主
    管路間に設けられ、前記油圧モータの慣性回転後に前記
    慣性体の回転方向が反転するのを抑えるため前記各主管
    路の圧力に応じて該各主管路間を連通、遮断する反転防
    止手段とからなる慣性体駆動装置において、 常時は前記反転防止手段に対して第1の制御信号を出力
    することにより前記反転防止手段が反転防止動作を行う
    のを許し、第2の制御信号を出力するときには前記反転
    防止手段により前記各主管路間を連通状態に保持させ、
    第3の制御信号を出力するときには前記反転防止手段に
    より前記各主管路間を遮断状態に保持する制御手段を備
    える構成としたことを特徴とする慣性体駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記反転防止手段に供
    給すべき第1,第2,第3の制御信号としての制御圧を
    発生する補助油圧源と、該補助油圧源からの制御圧を前
    記第1の制御信号に該当する第1の制御圧値と、該第1
    の制御圧値よりも高い前記第2の制御信号に該当する第
    2の制御圧値と、該第2の制御圧値よりも高い前記第3
    の制御信号に該当する第3の制御圧値として可変に設定
    する圧力制御手段とからなり、 前記反転防止手段は、該圧力制御手段からの制御圧が前
    記第1,第2,第3の制御圧値のいずれかの状態で選択
    的に供給される油室を有し、該油室内が前記第1の制御
    圧値となったときに前記反転防止動作を行い、前記油室
    内が第2の制御圧値まで上昇したときには前記各主管路
    間を連通状態に保持し、前記油室内が第3の制御圧値ま
    で上昇したときには前記各主管路間を遮断状態に保持す
    る構成としてなる請求項7に記載の慣性体駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記反転防止手段は、 前記各主管路間に設けられ、弁体摺動穴の軸方向に離間
    して前記各主管路に連通する一対のポートが形成された
    弁ケーシングと、 外周側が該弁ケーシングの弁体摺動穴に挿嵌され、内周
    側にスプール摺動穴が形成された筒状弁体と、 該筒状弁体のスプール摺動穴に挿嵌され、該筒状弁体に
    対して相対変位可能に前記弁ケーシング内に設けられた
    スプールと、 該スプールおよび筒状弁体の一端側と前記弁ケーシング
    との間に形成され、少なくともタンク内の油液が給排さ
    れると共に、前記圧力制御手段からの制御圧が第1,第
    2,第3の制御圧値のいずれかとして選択的に供給され
    る油室と、 前記筒状弁体およびスプールの他端側と前記弁ケーシン
    グとの間に形成され、タンクに接続されるばね室と、 該ばね室内に設けられ、前記スプールを初期位置に復帰
    させるべく、前記圧力制御弁による圧力値よりも一定比
    率だけ低い圧力値をもって前記スプールを油室側へと常
    時付勢した設定ばねと、 該設定ばねよりも弱いばね力をもって前記筒状弁体を油
    室側に向け常時付勢した弱ばねと、 前記各主管路のうち高圧側となる圧油の圧力がパイロッ
    ト圧として供給されることにより、前記スプールを設定
    ばねに抗して前記ばね室側のストロークエンドへと摺動
    変位させ、前記油室内にタンクからの油液を補給させる
    ピストンと、 前記油室内をタンクに接続する管路の途中に設けられ、
    前記設定ばねによりスプールがストロークエンドから初
    期位置に復帰するときに、前記油室からタンクに排出さ
    れる油液を絞ることにより該油室内の圧力を上昇させ、
    前記筒状弁体が油室側に戻るのを前記スプールよりも遅
    らせる絞りと、 少なくとも前記筒状弁体に形成され、該筒状弁体に対し
    て前記スプールが相対変位したときに、前記弁ケーシン
    グの各ポート間を連通させる絞り通路とから構成してな
    る請求項8に記載の慣性体駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記圧力制御手段は、前記補助油圧源
    を反転防止手段の油室に対して選択的に連通,遮断させ
    る切換弁と、前記補助油圧源から反転防止手段の油室に
    向けて供給する圧油の圧力を前記第2の制御圧値と第3
    の制御圧値とに選択的に設定する圧力設定器とからな
    り、前記切換弁は遮断位置となったときに前記油室側の
    圧力を第1の制御圧値まで低下させ、連通位置に切換っ
    たときには前記油室に供給する圧力を前記圧力設定器に
    よる第2,第3の制御圧値のいずれかまで選択的に上昇
    させる構成としてなる請求項8に記載の慣性体駆動装
    置。
  11. 【請求項11】 前記補助油圧源を前記反転防止手段の
    油室に接続する制御管路の途中には、該補助油圧源から
    反転防止手段の油室に向けて圧油が流通するのを許し、
    逆向きの流れを阻止する逆止弁を設ける構成としてなる
    請求項2,4,8または10に記載の慣性体駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記スプールの一端側には、前記ピス
    トンによってスプールが初期位置からストロークエンド
    に向けて摺動変位するとき前記筒状弁体に係合し、該筒
    状弁体をスプールと共にばね室側に摺動変位させる係合
    部を設ける構成としてなる請求項3または9に記載の慣
    性体駆動装置。
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