JPH10274405A - 微粉炭燃焼バーナおよびその燃焼方法 - Google Patents

微粉炭燃焼バーナおよびその燃焼方法

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JPH10274405A
JPH10274405A JP7965597A JP7965597A JPH10274405A JP H10274405 A JPH10274405 A JP H10274405A JP 7965597 A JP7965597 A JP 7965597A JP 7965597 A JP7965597 A JP 7965597A JP H10274405 A JPH10274405 A JP H10274405A
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研滋 木山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低負荷燃焼時であっても空気に与える旋回力を
維持し、微粉炭火炎内に空気量の不足した還元炎を形成
することで、NOxや未燃分の排出量を抑制することが
できる微粉炭燃焼バーナを提供する。 【解決手段】微粉炭と空気との混合物を噴出する微粉炭
ノズル10と、この微粉炭ノズルの外周に配置された燃
焼用空気ノズル11と、この燃焼用空気ノズルの内部に
設けられ、流通する空気に旋回を与える旋回流発生器と
を備え、前記燃焼用空気ノズルから噴射される空気に旋
回が与られ燃焼するように形成されている微粉炭燃焼バ
ーナにおいて、前記燃焼用空気ノズル11の空気流路内
部に、空気ノズルの出口部流路断面積よりも小さい流路
断面積となる部分を設けるとともに、この小さい断面積
の流路部分若しくはその上流側近傍流路部分に、前記旋
回流発生器を設けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微粉炭燃焼バーナお
よびその燃焼方法の改良に係わり、特に窒素酸化物(以
下NOxと記す)濃度を低減するに好適な微粉炭燃焼バ
ーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃焼においては、燃焼時に発生する窒素
酸化物(以下NOxと記す)の抑制が課題となる。特
に、石炭は気体燃料や液体燃料に比べて窒素含有量が多
い。このため、微粉炭の燃焼時に発生するNOxは、気
体燃料や液体燃料の燃焼時に発生するNOxより多く、
このNOxを減らすことが求められる。
【0003】微粉炭の燃焼時に発生するNOxは、ほと
んどが石炭中に含まれる窒素が酸化されて発生するいわ
ゆるフーエルNOxである。このNOxを減らすため
に、従来よりバーナの構造や燃焼方法が検討されてき
た。NOxを抑制する方法の1つとして、火炎内に酸素
濃度が高く、空気比が1以上の酸化炎領域と、酸素濃度
が低く、空気比が1以下の還元炎領域を形成するいわゆ
る火炎内二段燃焼方法がある。
【0004】石炭中の窒素分は燃焼初期の熱分解反応時
にシアン化水素(以下HCNと記す)やアンモニア(以
下NH3と記す)として気相中に放出される。これらの
窒素化合物は酸化されてNOxになる一方で、酸素濃度
に低い条件ではNOxを還元する効果を持つ。火炎内二
段燃焼方法はこの窒素化合物によるNOxの還元反応を
利用したものである。
【0005】燃焼のような高温条件下では、この窒素化
合物によるNOxの還元反応は雰囲気が低酸素濃度にな
るほど進行しやすい。したがって、微粉炭燃焼において
発生するNOxを低減するには、低酸素濃度の雰囲気の
形成が課題となる。また、石炭を完全燃焼させるため、
火炎の下流側で酸素濃度の高い領域を設ける必要があ
る。
【0006】火炎内にこのような低酸素濃度雰囲気の火
炎を形成し、かつ、石炭を完全燃焼させる方法として、
例えば特開昭60−226609号公報、特開昭61−
22105号公報、特開昭61−280302号公報、
および特開平1−57004号公報等がある。これらに
開示されている燃焼バーナは、微粉炭を気流搬送する燃
料ノズルを中心とし、その外周に燃焼用空気を旋回流で
噴出させる空気ノズルを備えた構成をなしている。
【0007】このように形成されている燃焼器バーナで
は、燃焼用の空気を2次空気ノズルおよび3次空気ノズ
ルと分割して供給することにより、火炎内の酸素濃度を
調節することができる。また、燃焼用の空気を旋回流と
して供給することにより、燃焼用の空気は旋回の中心部
を流れる微粉炭との混合が遅れる。このため、バーナ近
傍では空気量の不足した燃料過剰状態となり、還元炎が
形成される。また、旋回流により旋回の中心近くは負圧
となるため、火炎の下流側では燃焼用の空気は旋回の中
心に向かって流れる。このため、火炎の下流側では燃焼
用の空気と微粉炭が迅速に混合し、酸化炎が形成され火
炎の長炎化や燃焼率の低下が防げる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の燃焼器
バーナは、燃焼用空気を旋回流として供給することで、
NOxの抑制と燃焼率の向上を図るものである。この燃
焼用空気に旋回を与える方法として、通常2つの方法が
考えられる。一つは空気を径方向に導入し、旋回に対し
接線方向に傾けた案内羽根により旋回力を与える旋回流
発生器(レジスタ)を用いる方法である。もう一つは、
空気を軸方向に導入し、軸方向に対し傾けて取り付けた
案内羽根により旋回力を与える旋回流発生器(ベーン)
を用いる方法である。どちらも案内羽根を可動にするこ
とで任意に旋回力を変えることができる。レジスタ方式
は旋回流を発生させる効率(旋回効率)がベーン方式よ
り一般に高いが、設置体積は大きくなる傾向がある。
【0009】このため、流路の狭い場合はベーン方式が
用いられる。しかし、ベーン方式では案内羽根の角度を
大きくすると旋回効率が悪い。特に、案内羽根を流れる
空気流速が低い場合には強い旋回を与えることは困難と
なる。
【0010】また、微粉炭ボイラにおいて、負荷を変動
させる場合、微粉炭バーナに供給する微粉炭と空気の量
を変化させ、微粉炭バーンの運用範囲を低負荷に広げる
方法とバーナを停止させる方法がある。このうち微粉炭
バーナの運用範囲を広げる方法は迅速に負荷を変えられ
る。
【0011】しかし、微粉炭バーナにおいては、微粉炭
粒子の堆積防止のため微粉炭搬送管内を流れる微粉炭粒
子の流速をある一定流速以下にさげることはできない。
このため、微粉炭バーナの運用範囲を低負荷まで広げる
方法では、空気の流量を低下させる際、ある程度の負荷
以下では微粉炭搬送空気の流量を一定にし、空気ノズル
に供給する空気の流量を減少させることで対応しなくて
はならない。
【0012】空気ノズルに供給する空気の流量が減少す
ると、空気に与える旋回力が弱まる。このため、空気は
バーナ近傍で微粉炭と混ざることになり、微粉炭火炎内
に空気量の不足した還元炎が形成されにくくなる。した
がってこの状態では微粉炭火炎内で生成されるNOx量
が多くなる恐れがある。
【0013】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、低負荷燃焼時であっても空気に与
える旋回力を維持し、微粉炭火炎内に空気量の不足した
還元炎を形成することで、NOxや未燃分の排出量を抑
制することができるこの種の微粉炭燃焼バーナを提供す
ることにある。またもう一つの目的は、以下の何れかの
要件を満たす微粉炭バーナの燃焼方法を提供することに
ある。すなわち、(1)低負荷燃焼時に空気に与える旋
回力を維持し、微粉炭火炎内に空気量の不足した還元炎
を形成すること、(2)油による助燃時に燃焼用空気と
燃料との混合を促進すること、(3)バーナカット時に
目的部の冷却を促進し、冷却用空気流量を減少すること
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、微粉
炭とその搬送用空気との混合物を噴出する微粉炭ノズル
と、この微粉炭ノズルの外周に配置された燃焼用空気ノ
ズルと、この燃焼用空気ノズルの内部に設けられ、流通
する空気に旋回を与える旋回流発生器とを備え、前記燃
焼用空気ノズルから噴射される空気に旋回が与られ燃焼
するように形成されている微粉炭燃焼バーナにおいて、
前記燃焼用空気ノズルの空気流路内部に、空気ノズルの
出口部流路断面積よりも小さい流路断面積となる部分を
設けるとともに、この小さい断面積の流路部分若しくは
その上流側近傍流路部分に、前記旋回流発生器を設ける
ようにし所期の目的を達成するようにしたものである。
【0015】またこの場合、前記旋回流発生器を周方向
に並設された案内羽根群にて形成するとともに、この案
内羽根群を前記燃焼用空気の流れ方向に移動可能に形成
するようにしたものである。また、燃焼用空気に旋回を
与える前記旋回流発生器を、その旋回流強度の変更が可
能なように形成するとともに、その強度の変更を、前記
燃焼用空気の流れ方向への流路の投影面積に対する旋回
流発生器の占める投影面積との比を変えるか、又は前記
小さい流路断面積となる部分と前記旋回流発生器との距
離を変える若しくは前記旋回流発生器を案内羽根にて形
成し、かつ案内羽根の角度を変えるのいずれか若しくは
これらの組合せとしたものである。
【0016】また、前記小さい断面積の流路部分を形成
するに際し、空気流路の外周もしくは内周部に流れ方向
に緩やかに流路が変化するテーパ状の構造物を設ける又
は流路の外周もしくは内周部から挿入される仕切り板
(ゲート)を前記旋回流発生器の上流部に設ける或いは
前記旋回流発生器を案内羽根にて形成し、かつ案内羽根
の内いづれかの羽根を他の羽根とは別個の角度とするの
いずれか若しくはこれらの組合せとしたものである。
【0017】また、前記燃焼用空気流路内に設けられた
案内羽根の燃焼用空気の流れ方向への投影面積を、前記
燃焼用空気流路の小さい断面積の流路部分での投影面積
より小さく形成するようにしたものである。また、前記
燃焼用空気流路内に設けられた案内羽根の上流側に円筒
型の仕切り板を設けるようにしたものである。
【0018】また、微粉炭とその搬送用空気との混合物
を噴出する微粉炭ノズルと、この微粉炭ノズルの外周に
配置された燃焼用空気ノズルと、この燃焼用空気ノズル
の内部に設けられ、流通する空気に旋回を与える旋回流
発生器とを備え、前記燃焼用空気ノズルから噴射される
空気に旋回を与えつつ噴出させ燃焼するようにした微粉
炭燃焼バーナの燃焼方法において、前記燃焼用空気ノズ
ルの空気流路内部に、空気ノズルの出口部流路断面積よ
りも小さい流路断面積となる部分を設けるとともに、こ
の小さい断面積の流路部分若しくはその上流側近傍流路
部分に、前記旋回流発生器を空気の流通方向に移動可能
に設け、かつ前記微粉炭バーナを低負荷で運用する際、
前記燃焼用空気の流れ方向への流路の投影面積に対する
旋回流発生器の占める投影面積との比を大きくするか若
しくは前記燃焼用空気流路内に設けた流路縮小部と旋回
流発生器との距離を小さくし燃焼するようにしたもので
ある。
【0019】また、微粉炭とその搬送用空気との混合物
を噴出する微粉炭ノズルと、この微粉炭ノズルの外周に
配置された燃焼用空気ノズルと、この燃焼用空気ノズル
の内部に設けられ、流通する空気に旋回を与える旋回流
発生器とを備え、前記燃焼用空気ノズルから噴射される
空気に旋回を与えつつ噴出させ燃焼するようにした微粉
炭燃焼バーナの燃焼方法において、前記燃焼用空気ノズ
ルの空気流路内部に、空気ノズルの出口部流路断面積よ
りも小さい流路断面積となる部分を設けるとともに、こ
の小さい断面積の流路部分若しくはその上流側近傍流路
部分に、前記旋回流発生器を空気の流通方向に移動可能
に設け、かつ前記微粉炭バーナを油で助燃する際、前記
燃焼用空気の流れ方向への流路の投影面積に対する旋回
流発生器の占める投影面積との比を小さくするか若しく
は前記燃焼用空気流路内に設けた流路縮小部と旋回流発
生器との距離を大きくし燃焼するようにしたものであ
る。
【0020】すなわちこのように形成された微粉炭燃焼
バーナおよび微粉炭燃焼バーナの燃焼方法であると、流
路内にノズルの出口部流路断面積よりも小さい流路断面
積となる部分,すなわち流路縮小部を設けることで空気
の軸方向流速を変えられる。旋回流発生器としてベーン
を流路内に設け、ベーンの設置位置を流路断面積に対し
変えることでベーン部を通過する空気の軸方向流速を変
えることができる。通常、燃焼用空気の旋回強度を変え
る際、ベーンの角度を変動させるが、本発明によれば、
ベーン部を通過する空気の軸方向流速を変えることで発
生する旋回流速を変えることができる。
【0021】また、バーナの負荷に対し変動する燃焼用
空気の供給量に対応し、適切な旋回流速を発生できる軸
方向流速が存在する位置にベーンを設置することで、微
粉炭火炎内に空気量の不足した還元炎を形成すること
で、NOxの発生量を少なくすることができる。
【0022】さらに本発明では、ベーンの案内羽根角度
を固定とすることも可能である。この場合、角度可動の
ベーンが可動のためのすき間を有するため旋回効率が低
下するのに対し、ベーンの案内羽根が固定のため、ベー
ン部のすき間をなくすことが可能となる。また、角度可
動のベーンで旋回強度を強めようと角度を大きくする
と、旋回効率は悪化するのに対し、本発明では旋回強度
を強める際には、ベーン部を通過する空気流速が増すの
で、旋回効率は変わらない。このため、空気ノズルでの
圧力損失は低減できる。
【0023】さらに本発明では、前記燃焼用空気流路内
の外周側に流れ方向に緩やかに流路が変化するテーパ状
の構造物,すなわちベンチュリ状の流路縮小部を設け、
バーナカット時や油などによる助燃時にベーンを流路縮
小部から遠ざけることで、空気ノズルの内周の空気流速
を高めることができる。バーナカット時は微粉炭ボイラ
の運用上、停止バーナに供給する冷却用空気を少なくす
ることが望ましい。本発明では、ベンチュリにより空気
ノズル内周の空気流速を高められるので、冷却用空気量
を低減できる。
【0024】また、微粉炭焚きボイラにおいて、油によ
る助燃を行う際に、煤の発生を防止するには、燃料と燃
焼用空気のバーナノズル近傍での混合を促進させる必要
がある。本発明によると燃焼用空気流路の外周側にベン
チュリなどの障害物を設け、さらにベーンを離すこと
で、空気ノズル内周の空気流速を高められ、ノズル噴出
後の燃料とのバーナノズル近傍での混合を促進させるこ
とができるのである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下図示した実施例に基づいて本
発明を詳細に説明する。図1にはその微粉炭燃焼バーナ
が断面で示されている。10が微粉炭ノズルであり、1
1が2次空気ノズル、13が3次空気ノズルである。す
なわち、本実施例のバーナは微粉炭と一次空気との混合
流を噴出する微粉炭ノズルをバーナ中心に有する。さら
に燃焼用空気の噴出口として微粉炭ノズルの外周に同心
円状に2次空気を噴出する2次空気ノズルおよび3次空
気を噴出する3次空気ノズルを有する。
【0026】また、この実施例では、微粉炭ノズルを貫
通してオイルガンが設けられており、バーナ起動時ある
いは低負荷燃焼時に助燃できるようにしている。微粉炭
ノズルは上流側で微粉炭の搬送管(図示せず)に接続さ
れる。微粉炭ノズルの内部にはノズルの内径を狭める絞
り部がある。絞り部を設け、一時的に流速を高めること
で、微粉炭の逆火を防げる。2次空気と3次空気からな
る燃焼用空気はブロア(図示せず)により風箱に導入さ
れ、旋回器により旋回流となりそれぞれ2次空気ノズル
および3次空気ノズルより噴出される。
【0027】3次空気流路は、隔壁と火炉壁により構成
された環状の流路である。2次空気流路は、微粉炭ノズ
ルと隔壁により構成された環状の流路である。3次空気
流路には旋回器として、径方向に空気を導入する際にレ
ジスタ羽根と呼ばれる案内羽根により接線方向に流速を
誘起し、旋回流を発生されるレジスタが用いられる。
【0028】本実施例では2次空気流路に案内羽根を固
定したベーンを設け、流路の外周にはなだらかに流路断
面積を変えるベンチュリ状の障害物を設ける。このとき
ベーンは流れ方向(軸方向)に移動可能である。また、
ベーンに設けた案内羽根の径方向の長さは流路の径方向
長さに比べて短い。
【0029】保炎板は1次空気と2次空気の流れに対し
障害物として存在するため保炎板の下流は負圧となり循
環流が形成される。この循環流には高温の燃焼ガスが滞
留し、そばを流れる微粉炭を着火する働きを持つ。さら
に2次空気や3次空気を旋回流として噴出すると、遠心
力により保炎板の下流の負圧はさらに高くなり、循環流
は大きくなり、安定に存在する。また、2次空気や3次
空気を旋回流として噴出することで、燃焼用空気と微粉
炭とのバーナ近傍での混合が遅れる。このため、着火が
促進され、燃焼用空気の消費が進み還元炎を迅速に形成
し、NOxの生成量を抑制できる。
【0030】従来の方法では、2次空気に与える旋回流
の強さは案内羽根の角度により変える。このとき、図2
に示される案内羽根により誘起される旋回流速は理想的
には案内羽根の角度と軸方向流速の大きさから決まる。
【0031】しかし、案内羽根の角度を変えられる従来
方法では、案内羽根を動かすために内,外壁に接する部
分は図2の(b)に示されるようにベーンの案内羽根と
流路のあいだにすき間をあける必要がある。旋回を加え
る際は案内羽根は空気の流れに対し障害となるため、こ
のすき間を通過する空気は多くなる。特に強旋回流速を
得ようとするとすき間部は大きくなり、この部分を流れ
る空気が多くなる。
【0032】また、角度がある値より大きいと案内羽根
の下流側面に沿って生じる逆流が大きくなり、下流側の
乱れが強まる。このため、強旋回の条件では旋回効率は
落ち、また圧力損失も増加する。特に、バーナの負荷を
下げ、燃焼用空気量を減らした場合、空気量に比例して
軸流速が低下するため、強旋回流速を得ることは困難と
なることがある。
【0033】それに対し、図1に示す本発明の実施例で
は、ベーンを通過する空気の流速が高いため、効率良く
旋回を与えられる。この図では、ベーンの位置を軸方向
に移動し、流路に設けたベンチュリ状の障害物との距離
を変更できる。ベーンを障害物に近づけると、障害物に
より流路は狭まるため、軸方向の流速は高まる。また、
軸方向の流路の投影面積に占めるベーン部の面積は増
し、ベーンを流れる空気の割合は増える。
【0034】このため、流路を流れる2次空気に加わる
旋回力は強まる。特に、流路を狭めることで軸流速の高
い部分を作るため、バーナ負荷が低く、燃焼用空気流量
が低下する場合でも、この高流速部にベーンを設置する
ことで、強い旋回流速を得られる。また、本実施例では
旋回強度を変えるのに本実施例ではベーンの位置を軸方
向に移動するため、機械的に構造が簡単である。このた
め、保守性や耐久性が高まる。
【0035】本実施例によると低負荷時でも燃焼用の2
次空気に適切な旋回流速を発生できる。このため、微粉
炭火炎内に空気量の不足した還元炎を形成することがで
きる。また、2次空気の旋回により保炎板の下流に形成
される循環流は大きくなる。この循環流内には、火炎で
のNOxの発生量を少なくすることができる。
【0036】さらに本実施例では、前記2次空気流路内
の外周側にベンチュリ状の流路縮小部を設けている。こ
のため、図3に示されるようにベーンを流路縮小部から
遠ざけることで、2次空気に旋回を与えず、ベンチュリ
により内周に空気を寄せることで、2次空気ノズルの内
周の空気流速を高めることができる。
【0037】バーナカット時は微粉炭ボイラの運用上、
停止バーナに供給する冷却用空気を少なくすることが望
ましい。本実施例によると、ベンチュリにより2次空気
ノズル内周の空気流速を高められる。このため、2次空
気ノズル内周に設けた保炎板に2次空気を衝突できるの
で、効果的に冷却し、冷却用空気量を低減できる。
【0038】また、微粉炭焚きボイラにおいて、油によ
る助燃を行う際に、煤の発生を防止するには、燃料と燃
焼用空気のバーナノズル近傍での混合を促進させる必要
がある。本発明によると燃焼用空気流路の外周側にベン
チュリなどの障害物を設け、さらにベーンを離すこと
で、空気ノズル内周の空気流速を高められ、ノズル噴出
後の燃料とのバーナノズル近傍での混合を促進させるこ
とができる。
【0039】本実施例では燃焼用空気を2次、3次と分
割して供給する微粉炭バーナを適用例としているが、燃
焼用空気を1つのノズルから噴出させるバーナや、燃焼
用空気をさらに多段に分割して供給するバーナに適用す
ることが可能である。
【0040】図4に本発明の他の実施例が示されてい
る。この実施例では、2次空気流路にベーンを設け、流
路の内周にはなだらかに流路断面積を変える紡錘体状の
障害物を設ける。このときベーンは流路の外周に沿って
設けられ、流れ方向(軸方向)に移動可能である。ま
た、ベーンに設けた案内羽根の径方向の長さは流路の径
方向長さに比べて短い。
【0041】本実施例においても図1に示す実施例と同
様に、ベーンを通過する空気の流速は高いため効率良く
旋回を与えられる。ベーンの位置は軸方向に移動し、流
路に設けた紡錘体状の障害物との距離を変更できる。ベ
ーンを障害物に近づけると、障害物により流路は狭まる
ため、軸方向の流速は高まる。また、軸方向の流路の投
影面積に占めるベーン部の面積は増し、ベーンを流れる
空気の割合は増える。このため、流路を流れる2次空気
に加わる旋回力は強まる。
【0042】特に、流路を狭めることで軸流速の高い部
分を作るため、バーナ負荷が低く、燃焼用空気流量が低
下する場合でも、この高流速部にベーンを設置すること
で、強い旋回流速を得られる。
【0043】本実施例によると低負荷時でも燃焼用の2
次空気に適切な旋回流速を発生できる。このため、微粉
炭火炎内に空気量の不足した還元炎を形成することがで
きる。また、2次空気の旋回により保炎板の下流に形成
される循環流は大きくなる。この循環流内には、火炎で
のNOxの発生量を少なくすることができる。
【0044】図5は本発明のさらに他の実施例を示す微
粉炭燃焼バーナの概略図である。本実施例では2次空気
流路に案内羽根の流れ方向に対する角度を可変となるベ
ーンを設け、流路の外周にはなだらかに流路断面積を変
えるベンチュリ状の障害物を設ける。本実施例のよう
に、角度可変のベーンを設けると、旋回流発生器におい
て発生する旋回流の強度を変えるに際し、前記燃焼用空
気流路内に設けた流路縮小部と旋回流発生器との距離を
変え、旋回流発生器での軸方向の空気流速を変える方法
の他に、前記旋回流発生器に設けた案内羽根の角度を変
える方法を併用できる。
【0045】図6はさらに本発明の別の実施例を示す微
粉炭燃焼バーナの概略図である。本実施例では2次空気
流路にベーンを設け、流路の外周には流路断面積を変え
るベンチュリ状の障害物を設ける。このときベーンと障
害物は、流れ方向(軸方向)に移動可能である。
【0046】本実施例ではベーンの位置もしくは障害物
の何れかを軸方向に移動することで障害物により流路は
狭まるため、軸方向の流速は高まる。また、軸方向の流
路の投影面積に占めるベーン部の面積は増し、ベーンを
流れる空気の割合は増える。このため、流路を流れる2
次空気に加わる旋回力は強まる。
【0047】さらに本実施例において、角度可変のベー
ンを設けると、旋回流発生器において発生する旋回流の
強度を変えるに際し、前記燃焼用空気流路内に設けた流
路縮小部と旋回流発生器との距離を変え、旋回流発生器
での軸方向の空気流速を変える方法の他に、前記旋回流
発生器に設けた案内羽根の角度を変える方法を併用でき
る。
【0048】図7は本発明の別の実施例を示す微粉炭燃
焼バーナの概略図である。この実施例では2次空気流路
にベーンを設け、ベーンの上流側にゲートを設け流路断
面積を変えられる。本実施例ではゲートにより流路は狭
まるため、軸方向の流速は高まる。また、軸方向の流路
の投影面積に占めるベーン部の面積は増し、ベーンを流
れる空気の割合は増える。このため、流路を流れる2次
空気に加わる旋回力は強まる。
【0049】さらに本実施例において、角度可変のベー
ンを設けると、旋回流発生器において発生する旋回流の
強度を変えるに際し、旋回流発生器での軸方向の空気流
速を変える方法の他に、前記旋回流発生器に設けた案内
羽根の角度を変える方法を併用できる。
【0050】図8は本発明の別の実施例を示す微粉炭燃
焼バーナのベーン部の概略図である。本実施例では2次
空気流路に設けたベーンの案内羽根のうち、いくつかの
羽根につき他の羽根とは別個に角度を変えることで、ベ
ーン部の流路を狭め、ベーン部の軸方向の流速を変えら
れる。軸方向の流速を高めると流路を流れる2次空気に
加わる旋回力は強まる。
【0051】図9は本発明の別の実施例を示す微粉炭燃
焼バーナの概略図である。本実施例では2次空気流路に
ベーンを設け、流路の外周には流路断面積を変えるベン
チュリ状の障害物を設ける。このとき、ベーンは流れ方
向(軸方向)に移動可能である。さらに、本実施例では
ベーンの上流側に円筒型の仕切り板を設けている。
【0052】この実施例のように、ベーンの上流側で流
路を分割することで、ベーンを流れる空気の割合を増減
できる。図9のように上流側に向かって仕切り板をテー
パ状に広げている場合、ベーン部を流れる流量は増し
て、流路全体での空気の旋回力は強くなる。
【0053】図10は本発明の別の実施例を示す微粉炭
燃焼バーナの概略図である。本実施例では2次空気流路
にベーンを設け、ベーンに設けた案内羽根は流れ方向
(軸方向)に対する角度を変更可能である。さらに、ベ
ーンの下流では流路を拡大する構造となる。
【0054】本実施例のように、ベーンの下流側で流路
を拡大すると、ベーン部では軸流速が高いため、案内羽
根により誘起される旋回流速も高まる。また、下流側で
流路を拡大することで、軸流速は低下する。軸流速が低
下するため、旋回力を示す指標である空気の旋回方向と
軸方向の運動量の比であるスワール数は高まる。また、
遠心力により流路外周により多くの空気が流れる。この
ため、ノズルから噴出する空気は外周ほど多くなり、バ
ーナノズル近傍での燃料との混合は遅れる。このため、
バーナノズルの近傍では空気量の少ない還元炎が形成さ
れ、NOxの排出量を低減することができるのである。
【0055】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、低負荷燃焼時であっても空気に与える旋回力を維持
し、微粉炭火炎内に空気量の不足した還元炎を形成する
ことができ、NOxや未燃分の排出量を抑制することが
できるこの種の微粉炭燃焼バーナを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微粉炭燃焼バーナの一実施例を示す縦
断側面図である。
【図2】旋回流発生装置の要部部を示す斜視図である。
【図3】本発明の微粉炭燃焼バーナの他の実施例を示す
縦断側面図である。
【図4】本発明の微粉炭燃焼バーナの他の実施例を示す
縦断側面図である。
【図5】本発明の微粉炭燃焼バーナの他の実施例を示す
縦断側面図である。
【図6】本発明の微粉炭燃焼バーナの他の実施例を示す
縦断側面図である。
【図7】本発明の微粉炭燃焼バーナの他の実施例を示す
縦断側面図である。
【図8】本発明の微粉炭燃焼バーナの旋回流発生部の要
部を示す断面図である。
【図9】本発明の微粉炭燃焼バーナの他の実施例を示す
縦断側面図である。
【図10】本発明の微粉炭燃焼バーナの他の実施例を示
す縦断側面図である。
【符号の説明】
10…微粉炭ノズル、11…2次空気ノズル、12…3
次空気ノズル、13…1次空気と微粉炭の混合気、14
…2次空気、15…3次空気、16…オイルガン、17
…ベンチュリ、18…1次スロート、19…保炎板、2
0…2次スロート。
フロントページの続き (72)発明者 谷口 正行 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 山本 研二 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 木山 研滋 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 バ ブコック日立株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粉炭とその搬送用空気との混合物を噴
    出する微粉炭ノズルと、この微粉炭ノズルの外周に配置
    された燃焼用空気ノズルと、この燃焼用空気ノズルの内
    部に設けられ、流通する空気に旋回を与える旋回流発生
    器とを備え、前記空気ノズルから噴射される空気に旋回
    が与られる微粉炭燃焼バーナにおいて、 前記燃焼用空気ノズルの空気流路内部に、空気ノズルの
    出口部流路断面積よりも小さい流路断面積となる部分を
    設けるとともに、この小さい断面積の流路部分若しくは
    その上流側近傍流路部分に、前記旋回流発生器を設ける
    ようにしたことを特徴とする微粉炭燃焼バーナ。
  2. 【請求項2】 前記旋回流発生器を周方向に並設された
    案内羽根群にて形成するとともに、この案内羽根群が前
    記燃焼用空気の流れ方向に移動可能に形成されてなる請
    求項1記載の微粉炭燃焼バーナ。
  3. 【請求項3】 燃焼用空気に旋回を与える前記旋回流発
    生器を、その旋回流強度の変更が可能なように形成する
    とともに、その強度の変更を、前記燃焼用空気の流れ方
    向への流路の投影面積に対する旋回流発生器の占める投
    影面積との比を変える又は前記小さい流路断面積となる
    部分と前記旋回流発生器との距離を変える若しくは前記
    旋回流発生器を案内羽根にて形成し、かつ案内羽根の角
    度を変えるのいずれか若しくはこれらの組合せである請
    求項1記載の微粉炭燃焼バーナ。
  4. 【請求項4】 前記小さい断面積の流路部分を形成する
    に際し、空気流路の外周もしくは内周部に流れ方向に緩
    やかに流路が変化するテーパ状の構造物を設ける又は流
    路の外周もしくは内周部から挿入される仕切り板(ゲー
    ト)を前記旋回流発生器の上流部に設ける或いは前記旋
    回流発生器を案内羽根にて形成し、かつ案内羽根の内い
    づれかの羽根を他の羽根とは別個の角度とするのいずれ
    か若しくはこれらの組合せである請求項1記載の微粉炭
    燃焼バーナ。
  5. 【請求項5】 前記燃焼用空気流路内に設けられた案内
    羽根の燃焼用空気の流れ方向への投影面積が、前記燃焼
    用空気流路の小さい断面積の流路部分での投影面積より
    小さく形成されてなる請求項2,3又は4記載の微粉炭
    燃焼バーナ。
  6. 【請求項6】 前記燃焼用空気流路内に設けられた案内
    羽根の上流側に円筒型の仕切り板を設けてなる請求項
    2,3又は4記載の微粉炭燃焼バーナ。
  7. 【請求項7】 微粉炭とその搬送用空気との混合物を噴
    出する微粉炭ノズルと、この微粉炭ノズルの外周に配置
    された燃焼用空気ノズルと、この燃焼用空気ノズルの内
    部に設けられ、流通する空気に旋回を与える旋回流発生
    器とを備え、前記燃焼用空気ノズルから噴射される空気
    に旋回を与えつつ噴出させ燃焼するようにした微粉炭燃
    焼バーナの燃焼方法において、 前記燃焼用空気ノズルの空気流路内部に、空気ノズルの
    出口部流路断面積よりも小さい流路断面積となる部分を
    設けるとともに、この小さい断面積の流路部分若しくは
    その上流側近傍流路部分に、前記旋回流発生器を空気の
    流通方向に移動可能に設け、かつ前記微粉炭バーナを低
    負荷で運用する際、前記燃焼用空気の流れ方向への流路
    の投影面積に対する旋回流発生器の占める投影面積との
    比を大きくするか若しくは前記燃焼用空気流路内に設け
    た流路縮小部と旋回流発生器との距離を小さくし燃焼す
    るようにしたことを特徴とする微粉炭燃焼バーナの燃焼
    方法。
  8. 【請求項8】 微粉炭とその搬送用空気との混合物を噴
    出する微粉炭ノズルと、この微粉炭ノズルの外周に配置
    され、かつこの微粉炭ノズルと同心円状に形成された燃
    焼用空気ノズルと、この燃焼用空気ノズルの内部に設け
    られ、流通する空気に旋回を与える旋回流発生器とを備
    え、前記燃焼用空気ノズルから噴射される空気に旋回を
    与えつつ噴出させ燃焼するようにした微粉炭燃焼バーナ
    の燃焼方法において、 前記燃焼用空気ノズルの空気流路内部に、空気ノズルの
    出口部流路断面積よりも小さい流路断面積となる部分を
    設けるとともに、この小さい断面積の流路部分若しくは
    その上流側近傍流路部分に、前記旋回流発生器を空気の
    流通方向に移動可能に設け、かつ前記微粉炭バーナを油
    で助燃する際、前記燃焼用空気の流れ方向への流路の投
    影面積に対する旋回流発生器の占める投影面積との比を
    小さくするか若しくは前記燃焼用空気流路内に設けた流
    路縮小部と旋回流発生器との距離を大きくし燃焼するよ
    うにしたことを特徴とする微粉炭燃焼バーナの燃焼方
    法。
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