JPH10275698A - 大気圧プラズマ生成方法および装置並びに表面処理方法 - Google Patents

大気圧プラズマ生成方法および装置並びに表面処理方法

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JPH10275698A
JPH10275698A JP9169010A JP16901097A JPH10275698A JP H10275698 A JPH10275698 A JP H10275698A JP 9169010 A JP9169010 A JP 9169010A JP 16901097 A JP16901097 A JP 16901097A JP H10275698 A JPH10275698 A JP H10275698A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘリウムガスなどの希ガスの使用量を大幅に
減少することができ、且つ大気圧下でプラズマを容易に
生成できるようにする。 【解決手段】 誘電体1、1によって形成したガス流路
23に、酸素ガスボンベ34とヘリウムガスボンベ36
とから酸素ガスとヘリウムガスとを供給するとともに、
電極2a、2b間に高周波電源いよって高周波電圧を印
加し、プラズマ生成領域22にプラズマを発生させる。
その後、ヘリウムガスの供給を停止し、酸素ガスのみに
よるプラズマを生成し、それにより生ずる活性種を被処
理体8に照射して被処理体のアッシング処理やエッチン
グ処理などを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマを発生さ
せるプラズマ生成方法に係り、特に被処理体の表面を処
理するプラズマを大気圧下において発生させる大気圧プ
ラズマ生成方法及び装置並びに表面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機物の除去方法として、真空中
において酸素プラズマを形成し、生成された酸素ラジカ
ルにより半導体基板等に塗布した有機物すなわちレジス
トを酸化し、ガス化して除去するアッシング処理や、大
気圧下においてコロナ放電などによって生成されたオゾ
ンを用いて除去するアツシング処理、あるいはUV(紫
外線)を用いて有機物を分解し、除去する処理が知られ
ている。
【0003】ところが、真空プラズマを用いたアツシン
グによる有機物除去方法は、真空容器や排気ポンプ等を
要するため、装置が大型化・複雑化し、しかも高価で処
理コストが上昇するとともに、生産性においても、真空
排気を行う必要が有り処理可能な数量が制限されるとい
う課題を有する。
【0004】また、大気圧下でヘリウムを用いない放電
処理として知られているコロナ放電処理や無声放電処理
は、数十Hzから数十kHzの周波数で且つ十数kVま
で昇圧された高電圧を印加して放電させオゾンを生成
し、その酸化力により有機物を除去するものであるが、
本方法では、酸素の活性種に比べオゾンの酸化力が小さ
いため、有機物の除去処理の高速化が困難である。
【0005】これに対し、こうした課題を解決するため
に、例えば特開平07一245192号公報で公開され
ているように、比較的安価で生産性を向上させる手段と
して大気圧またはその近傍の圧力で形成されるプラズマ
により処理する方法が提案されている。そして、特開平
07−245192号公報では、モールド樹脂封入前に
被処理体のICとモールド樹脂との密着性を向上させる
ために、ICに付着している有機物を除去し、濡れ性を
向上させる表面処理が開示されている。上述のアッシン
グ処理及び表面処理で、大気圧プラズマを生成する際に
用いられるプラズマ生成用ガスとしては、放電し易いガ
ス、例えば放電開始電圧の低いヘリウムガスを用いる事
が知られており、さらにはアツシングを行うためにプラ
ズマ生成ガスと共に酸素を添加することが知られてい
る。
【0006】大気圧プラズマによる表面処理の手法とし
ては、被処理体を直接プラズマに晒す直接放電処理方式
と、被処理体をプラズマに直接晒さず、プラズマにより
生成された活性種等を被処理体に照射する間接放電処理
方式がある。
【0007】直接放電型処理方式では、処理の高速化が
望めるがプラズマダメージに起因した被処理体の破壊や
特性シフト等が生じやすい。特に、被処理体の被処理面
が金属であると、突起部に放電が集中しやすく被処理面
が均一に処理できなくなる。これに対し間接放電処理方
式では、被処理体が放電に晒されないため上述したプラ
ズマダメージは生じない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、放電中で生
成された活性種には寿命が有り、この寿命が比較的短い
ため、間接放電処理方式の場合、被処理体をプラズマ発
生部より離れた位置に設置すると、被処理体に照射でき
る活性種の数が減少し処理効率が大幅に低下するという
問題点を有する。
【0009】また、間接放電処理方式で、高速処理を行
うためには、ヘリウムガスを大量に使用しなければなら
ない。これは、ヘリウムガスが比較的容易に放電するガ
スであると共に、放電中に生成した活性種をより多く被
処理体に輸送するための輸送ガスとしても働くためであ
る。この場合には、ヘリウムガスは単位容量当たりのコ
ストが高く、大量に使用することによりランニングコス
トが高くなるという問題点を有する。
【0010】一般的に、プラズマの密度が高いほど処理
速度が向上することが知られている。放電中のプラズマ
密度は印加される電圧の周波数にも依存し、周波数が高
いほど高密度のプラズマが得られると言われている。こ
れは、周波数が高いほど電子の振動が活発になり、気体
との衝突確率が上がり電離頻度が高まるためと考えられ
る。しかしながら、大気圧下、ヘリウムガスを用いず、
他の反応性ガスを数MHz以上の周波数を用いて放電を
開始させることは極めて困難てある。これは、例えば窒
素ガス、酸素ガスなどの反応性ガスの放電開始電圧が、
パッシェンの放電理論から示されるように、ヘリウムガ
スに比べ大気圧下における火花電圧が極めて大きいこと
にも起因する。窒素ガスの場合、1mm程度の電極間距
離においては、放電を開始させるには数kVから十数K
V程度が必要である。このように、ヘリウムを使わず周
波数の高い放電の開始が困難であることから、大気圧プ
ラズマを生成する場合、プラズマ生成ガス(放電用ガ
ス)の組成は、全体の90%以上を放電開始電圧の小さ
いヘリウムガス、残りの10%以下を酸素ガスなどの反
応ガスとなっており、反応ガスのみを用いたアツシング
や濡れ性の改善処理の高速化が困難であるという課題が
ある。このため、高価なヘリウムガスを大量に使用する
ことになり、処理コストを低減することが困難となって
いる。
【0011】また、以上述べた表面処理方法における有
機物除去に際しては、かならず酸素を用いている。この
ため、被処理体上の有機物の除去と同時に被処理体の表
面が酸化されてしまうという課題がある。したがって、
極度に表面酸化を問題とする被処理体においては、前述
の処理方法を用いた有機物の除去は困難である。
【0012】また、酸素を用いているため、オゾン処理
以外の処理方法においてもオゾンの生成は避けられな
い。周知のとおり、オゾンが人体に対して有害性をもつ
ことから、特に高濃度のオゾン発生に対しては除害等の
安全対策が必要となる。
【0013】また、大気圧プラズマ処理は、真空プラズ
マに比べ大気開放で使用できるため場所を選ばずに設置
できるという利便性があるが、酸素を大量に使用する条
件下では、処理室内に着火源となりやすいリレー等の電
装系や可燃物が設置されていると酸素濃度が高くなり発
火の危険性がある。したがって、オゾンと同様、安全対
策が必要てあり、装置の設置場所の制約のみならず、装
置コスト上昇といった課題を有する。
【0014】本発明は、以上の課題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、ヘリウムガスなど
の希ガスの使用量を大幅に減少することができ、且つ大
気圧下でプラズマを容易に生成できるようにすることに
ある。
【0015】また、本発明の目的は、希ガスを使用する
ことなく大気圧下でプラズマを生成できるようにするこ
とにある。
【0016】さらに、本発明の目的は、プラズマ処理時
の有機物除去処理速度、表面の濡れ性処理速度、エッチ
ング速度などの表面処理速度の向上を目的としている。
【0017】さらに、本発明は、処理に用いるガスのラ
ンニングコストの低減、さらには酸素を用いない新たな
有機物除去手段を提供することで新たなプロセスを提案
できる表面処理方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明に係る大気圧プラズマ生成方法
は、誘電体により形成した大気圧又はその近傍の圧力下
にあるプラズマ生成領域に放電用ガスを導入し、前記誘
電体を挟んで設けた第1電極と第2電極とに高周波電圧
を印加してプラズマを発生させる大気圧プラズマ生成方
法において、希ガスと表面処理用ガスとの混合ガスを前
記プラズマ生成領域に供給してプラズマを発生させ、そ
の後、前記希ガスの供給を停止することを特徴とする。
【0019】請求項2の発明に係る大気圧プラズマ生成
方法は、誘電体により形成した大気圧又はその近傍の圧
力下にあるプラズマ生成領域に放電用ガスを導入し、前
記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極とに高周波
電圧を印加してプラズマを発生させる大気圧プラズマ生
成方法において、希ガスを前記プラズマ生成領域に供給
してプラズマを発生させ、その後、表面処理用ガスを前
記プラズマ生成領域に供給して表面処理用ガスによるプ
ラズマを生成するとともに、前記希ガスの供給を停止す
ることを特徴とする。
【0020】請求項3の発明に係る大気圧プラズマ生成
方法は、請求項1又は2において、前記表面処理用ガス
は酸素ガス又は四フッ化炭素ガスのいずれかであり、前
記トリガガスはヘリウムガスであることを特徴とする。
【0021】請求項4の発明に係る大気圧プラズマ生成
方法は、誘電体により形成した大気圧又はその近傍の圧
力下にあるプラズマ生成領域に放電用ガスを導入し、前
記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極とに高周波
電圧を印加してプラズマを発生させる大気圧プラズマ生
成方法において、少なくとも前記プラズマ生成領域での
放電開始時に、前記プラズマ生成領域に電子又はガス状
の活性種を前記放電用ガスとともに供給してプラズマを
発生させることを特徴とする。電子又は活性種は、加熱
したフィラメントから放出される熱電子や電子銃から放
射された電子、さらにはコロナ放電を発生させて生成し
た電子や活性種を用いてよい。
【0022】請求項5の発明に係る大気圧プラズマ生成
方法は、請求項4において、前記放電用ガスは、酸素ガ
ス、四フッ化炭素ガス又はこれらの1つと希ガスとの混
合ガスであることを特徴とする。
【0023】請求項6の発明に係る大気圧プラズマ生成
方法は、請求項4又は5において、前記プラズマの発生
後に、前記電子又は活性種の供給を停止することを特徴
とする。電子又は活性種は、プラズマの発生後も継続し
て供給してもよい。
【0024】請求項7の発明に係る大気圧プラズマ生成
方法は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記高周
波電圧は、周波数が400kHz〜100MHzである
ことを特徴とする。
【0025】上記の大気圧プラズマ生成方法を実施する
請求項8の発明に係る大気圧プラズマ生成装置は、プラ
ズマ生成領域を形成する誘電体と、大気圧又はその近傍
の圧力下にある前記プラズマ生成領域に表面処理用ガス
を供給する第1ガス供給手段と、大気圧又はその近傍の
圧力下にある前記プラズマ生成領域に、希ガスを供給す
る第2ガス供給手段と、前記誘電体を挟んで設けた第1
電極及び第2電極と、この第1電極と第2電極との間に
高周波電圧を印加する高周波電源と、前記プラズマ生成
領域にプラズマが発生したことを検知するプラズマ検出
手段と、このプラズマ検出手段の検出信号に基づいて前
記第2ガス供給手段を制御し、前記プラズマ生成領域へ
の前記希ガスの供給を停止する制御手段とを有すること
を特徴とする。
【0026】請求項9の発明に係る大気圧プラズマ生成
装置は、請求項8において、前記制御手段は、前記希ガ
スによるプラズマの発生後に、前記第1ガス供給手段を
制御して前記プラズマ生成領域に前記表面処理用ガスを
供給することを特徴とする。請求項10の発明に係る大
気圧プラズマ生成装置は、プラズマ生成領域を形成する
誘電体と、大気圧又はその近傍の圧力下にある前記プラ
ズマ生成領域に放電用ガスを供給するガス供給手段と、
大気圧又はその近傍の圧力下にある前記プラズマ生成領
域に電子又はガス状の活性種を供給するトリガ供給手段
と、前記誘電体を挟んで設けた第1電極及び第2電極
と、この第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加
し、プラズマを発生させる高周波電源とを有することを
特徴とする。
【0027】請求項11の発明に係る大気圧プラズマ生
成装置は、プラズマ生成領域を形成する誘電体と、大気
圧又はその近傍の圧力下にある前記プラズマ生成領域に
放電用ガスを供給するガス供給手段と、大気圧又はその
近傍の圧力下にある前記プラズマ生成領域に電子又はガ
ス状の活性種を供給するトリガ供給手段と、前記誘電体
を挟んで設けた第1電極及び第2電極と、この第1電極
と第2電極との間に高周波電圧を印加し、プラズマを発
生させる高周波電源と、前記プラズマ生成領域にプラズ
マが発生したことを検知するプラズマ検出手段と、この
プラズマ検出手段の検出信号に基づいて、前記トリガ供
給手段を制御して前記電子又は活性種の供給を停止する
制御手段とを有することを特徴とする。
【0028】請求項12の発明に係る大気圧プラズマ生
成装置は、請求項8乃至11のいずれかにおいて、前記
高周波電源の出力する高周波電圧は、周波数が400k
Hz〜100MHzであることを特徴とする。
【0029】請求項13の発明に係る大気圧プラズマ生
成装置は、請求項8乃至12のいずれかにおいて、前記
高周波電源に接続した前記電極を取り付けた前記誘電体
には、前記高周波電源に接続した電極を覆ってカバーが
設けてあり、このカバー内に空気より放電しにくい流体
が注入してあることを特徴とする。
【0030】請求項14の発明に係る大気圧プラズマ生
成装置は、請求項13において、前記空気より放電しに
くい流体は四フッ化炭素ガスであり、前記誘電体には前
記カバーの内部と前記プラズマ生成領域とを連通する孔
が形成され、この孔を介して前記カバー内に注入された
四フッ化炭素ガスを前記プラズマ生成領域に供給するこ
とを特徴とする。
【0031】請求項15の発明に係る大気圧プラズマ生
成装置は、請求項13乃至14のいずれかにおいて、前
記高周波電源に接続した電極と前記カバーの内面との距
離は、前記プラズマ生成領域の放電ギャップより大きく
してあることを特徴とする。請求項16の発明に係る表
面処理方法は、大気圧又はその近傍の圧力下で、一対の
誘電体により形成されたセルと、前記誘電体を挟んだ第
1電極及び第2電極から構成され、前記セル内に放電用
ガスを導入し、前記第1電極及び第2電極間に高周波電
圧を印加することでプラズマを生成し、プラズマによっ
て生成された活性種を被処理体に照射処理して前記被処
理体の表面の有機物を除去する表面処理方法において、
前記放電用ガスは、窒素及び酸素を含むガスであり、窒
素の酸素に対する混合率=(窒素流量/(窒素流量十酸
素流量))×100が99%以上であることを特徴とす
る。
【0032】請求項17の発明に係る表面処理方法は、
大気圧又はその近傍の圧力下で、一対の誘電体により形
成されたセルと、前記誘電体を挟んだ第1電極及び第2
電極から構成され、前記セル内に放電用ガスを導入し、
前記第1電極及び第2電極間に高周波電圧を印加するこ
とでプラズマを生成し、プラズマによって生成された活
性種を被処理体に照射処理して前記被処理体の表面を親
水化する表面処理方法において、前記放電用ガスは、窒
素及び酸素を含むガスであり、窒素の酸素に対する混合
率=(窒素流量/(窒素流量十酸素流量))×100が
99%以上であることを特徴とする。
【0033】請求項18の発明に係る表面処理方法は、
請求項16又は17において、前記プラズマを継続的に
生成する放電維持手段が1MHz〜100MHzの高周
波電圧を印加することであることを特徴とする。
【0034】請求項19の発明に係る表面処理方法は、
請求項18において、電極に前記放電維持手段と、50
kHz以下の高電圧印加手段を併設し、前記高電圧印加
手段を前記放電維持手段に重畳して印加し、放電開始
後、前記放電維持手段単独または前記放電維持手段に前
記高電圧印加手段を重畳して用いることを特徴とする。
請求項20の発明に係る表面処理方法は、請求項18に
おいて、放電開始前に予め前記誘電体の放電面を加熱す
ることを特徴とする。
【0035】請求項21の発明に係る表面処理方法は、
大気圧又はその近傍の圧力下で、一対の誘電体により形
成されたセルと、前記誘電体を挟んだ第1電極及び第2
電極から構成され、前記セル内に放電用ガスを導入し、
前記第1電極及び第2電極間に電圧を印加することでプ
ラズマを生成し、プラズマによって生成された活性種を
被処理体に照射処理する表面処理方法において、少なく
ともプラズマ生成開始までの所定の期間、前記第1電極
及び前記第2電極間に複数の異なる周波数を有する電圧
を重畳して印加することを特徴とする。
【0036】請求項22の発明に係る表面処理方法は、
請求項21において、前記複数の異なる周波数を有する
電圧は、少なくとも、1MHz〜100MHzの第1電
圧源及び50kHz以下の第2電圧源から供給されるも
のてあることを特徴とする。請求項23の発明に係る表
面処理方法は、誘電体により形成したプラズマ生成領域
に大気圧又はその近傍の圧力下で放電用ガスを導入し、
前記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極とに高周
波電圧を印加してプラズマを生成し、プラズマによって
生成された活性種を被処理体に照射して前記被処理体の
表面の有機物を除去する表面処理方法において、前記プ
ラズマ生成領域に希ガスと酸素ガスとの混合ガスを供給
してプラズマを発生させ、その後、希ガスの供給を停止
して酸素ガスによるプラズマを生成することを特徴とす
る。
【0037】請求項24の発明に係る表面処理方法は、
誘電体により形成した大気圧又はその近傍の圧力下にあ
るプラズマ生成領域に放電用ガスを導入し、前記誘電体
を挟んで設けた第1電極と第2電極とに高周波電圧を印
加してプラズマを生成し、プラズマによって生成された
活性種を被処理体に照射して前記被処理体の表面の有機
物を除去する表面処理方法において、前記プラズマ生成
領域に希ガスを供給してプラズマを発生させたのち、前
記プラズマ生成領域に酸素ガスを供給して酸素ガスによ
るプラズマを生成するとともに、前記希ガスの供給を停
止することを特徴とする。
【0038】請求項25の発明に係る表面処理方法は、
誘電体により形成した大気圧又はその近傍の圧力下にあ
るプラズマ生成領域に放電用ガスを導入し、前記誘電体
を挟んで設けた第1電極と第2電極とに高周波電圧を印
加してプラズマを生成し、プラズマによって生成された
活性種を被処理体に照射して前記被処理体の表面の有機
物を除去する表面処理方法において、電子又はガス状の
活性種を酸素ガス又は酸素ガスと希ガスとの混合ガスか
らなる放電用ガスとともに前記プラズマ生成領域に供給
してプラズマを生成させることを特徴とする。
【0039】請求項26の発明に係る表面処理方法は、
誘電体により形成したプラズマ生成領域に大気圧又はそ
の近傍の圧力下で放電用ガスを導入し、前記誘電体を挟
んで設けた第1電極と第2電極とに高周波電圧を印加し
てプラズマを生成し、プラズマによって生成された活性
種を被処理体に照射して前記被処理体の表面をエッチン
グする表面処理方法において、前記プラズマ生成領域に
希ガスと四フッ化炭素ガスとの混合ガスを供給してプラ
ズマを発生させ、その後、希ガスの供給を停止して四フ
ッ化炭素ガスによるプラズマを生成することを特徴とす
る。
【0040】請求項27の発明に係る表面処理方法は、
誘電体により形成した大気圧又はその近傍の圧力下にあ
るプラズマ生成領域に放電用ガスを導入し、前記誘電体
を挟んで設けた第1電極と第2電極とに高周波電圧を印
加してプラズマを生成し、プラズマによって生成された
活性種を被処理体に照射して前記被処理体の表面をエッ
チングする表面処理方法において、前記プラズマ生成領
域に希ガスを供給してプラズマを発生させたのち、前記
プラズマ生成領域に四フッ化炭素ガスを供給して四フッ
化炭素ガスによるプラズマを生成するとともに、前記希
ガスの供給を停止することを特徴とする。
【0041】請求項28の発明に係る表面処理方法は、
誘電体により形成した大気圧又はその近傍の圧力下にあ
るプラズマ生成領域に放電用ガスを導入し、前記誘電体
を挟んで設けた第1電極と第2電極とに高周波電圧を印
加してプラズマを生成し、プラズマによって生成された
活性種を被処理体に照射して前記被処理体の表面をエッ
チングする表面処理方法において、電子又はガス状の活
性種を四フッ化炭素ガス又は四フッ化炭素ガスと希ガス
との混合ガスからなる放電用ガスとともに前記プラズマ
生成領域に供給してプラズマを発生することを特徴とす
る。
【0042】請求項29の発明に係る表面処理方法は、
請求項25又は28において、前記プラズマの発生後
に、前記電子又は活性種の前記プラズマ生成領域への供
給を停止することを特徴とする。
【0043】請求項30の発明に係る表面処理方法は、
請求項24乃至32のいずれかにおいて、前記高周波電
圧は、周波数が400kHz〜100MHzであること
を特徴とする。
【0044】
【作用】上記のごとく構成した請求項1又は2に係る発
明においては、プラズマを立上げるときにだけ高価な希
ガスを使用し、プラズマが立上がったのちは希ガスの供
給を停止するようにしているため、希ガスの使用量を大
幅に削減することができ、大気圧プラズマを安価に得る
ことができ、安価な大気圧プラズマを用いた表面処理を
行うことができる。表面処理用ガスとしては、レジスト
などの有機物を酸化除去する場合には酸素ガス、半導体
基板のエッチングなどの場合には四フッ化炭素ガスを用
いることができる。
【0045】請求項4に係る発明においては、プラズマ
生成領域に電子又は活性種を供給してグロー放電を生じ
やすくしているため、希ガスに対する酸素ガスや四フッ
化炭素ガスなどの混入量を多くしたり、希ガスを用いず
に酸素ガスや四フッ化炭素ガスのみによりグロー放電を
発生させてプラズマを生成することができ、希ガスの使
用量を削減できて大気圧プラズマの生成コストを削減す
ることができる。放電用ガスとしては、酸素ガス、四フ
ッ化炭素ガス又はこれらの1つと希ガスとの混合ガスを
用いることができる。また、プラズマが発生したのち
は、適正な処理条件が得られるように、電子又は活性種
の供給を停止してよし、継続して供給してもよい。
【0046】上記の大気圧プラズマ生成方法において、
高周波電圧の周波数は、カットオフ周波数以上、400
kHz〜100MHz、望ましくは400kHz〜40
MHz程度以下にすると、プラズマ生成領域の電子が電
極に衝突することによるコロナ放電(ストリーマ放電)
への移行を防止することができる。周波数が400kH
zより低くなると、電極に衝突する電子の数が多くな
り、コロナ放電を生じやすい。また、周波数が100M
Hzを超えるような高周波になると、電子の移動距離が
短くなって電界による充分なエネルギーが得られず、プ
ラズマの発生、維持が困難になる。
【0047】そして、請求項8又は9に係る大気圧プラ
ズマ生成装置によれば、プラズマの立上げるときだけ希
ガスを使用し、その後は希ガスを用いずに大気圧プラズ
マを容易に生成することができる。
【0048】請求項10又は12に係る発明によれば、
プラズマ生成領域に電子又は活性種を供給するため、希
ガスに比較的多量の酸素ガスや四フッ化炭素ガスを混入
して、もしくは希ガスを用いずに大気圧プラズマを生成
することができる。
【0049】また、請求項13のように、高周波電源に
接続した電極をカバーで覆って空気より放電しにくい流
体を注入すると、希ガスを用いないためにより高い電圧
する場合であっても、沿面放電を確実に防止することが
できる。そして、空気より放電しにくい流体を四フッ化
炭素ガスとし、カバー内に注入した四フッ化炭素ガスを
誘電体に設けた孔を介してプラズマ生成領域に供給して
プラズマを発生させるようにすると、沿面放電を避けつ
つカバーを放電用ガスの供給路として利用することがで
き、装置の小型化、簡素化を図ることができる。さら
に、カバーの内面と電極との間隔を放電ギャップより大
きくすると、カバーと電極との放電を確実に防止するこ
とができる。
【0050】そして、請求項16乃至17の発明に係る
表面処理方法によれば、窒素ガスを用いて有機物の除去
高速化や表面の濡れ性改善処理の高速化が可能になるの
で、表面酸化が問題となる被処理体への処理や、酸素雰
囲気中では発火等危険性の高い雰囲気での被処理体の有
機物が除去可能となる。
【0051】請求項18の発明によれば、数MHz以上
の放電を用いるため、高密度の窒素プラズマが形成で
き、さらに有機物の除去あるいは濡れ性処理の高速化が
可能となる。また、請求項18の発明によれば、数MH
z以上の高周波電圧にて、ヘリウムガスを用いずとも大
気圧下で、窒素ガス等の反応性ガス単体での放電が可能
になる。これにより高密度の窒素プラズマが生成でき処
理の高速化が図れるとともに、安価な窒素ガスを用いる
ことができるので、ランニングコストが低減できる。
【0052】請求項19の発明によれば、放電開始と放
電維持の機能が別れており、それぞれ独立して制御出来
る。放電開始時の電圧は、放電維持時の電圧にくらべ高
いことが知られており、放電開始時と放電維持時の機能
が別れることで適正且つ効率のよい電圧をそれぞれ選択
できる。ヘリウムガスを用いずに単体のガスのみでは、
大気圧下において数十Hzから数十kHzの範囲で高電
圧のみしか放電が開始でなかった窒素ガスでも、放電開
始時のみ高電圧を用い、放電維持時には高周波電圧に切
り替えることで、容易に、数MHz以上の高周波放電が
開始でき、処理速度を高めることができる。
【0053】請求項20の発明に係る表面処理方法によ
れば、放電面を予め暖めておくことで、電極表面から二
次電子の放出性を高めることができ、従来、大気圧下に
おいて数十Hzから数十kHzの範囲で高電圧のみしか
放電が開始できなかった窒素ガスても、放電のトリガー
時の二次電子または熱電子により放電が容易に得られる
ようになる。
【0054】また、請求項21の発明によれば、印加す
る電圧を放電開始機能及び放電維持機能との2つの役割
に分割し、適切な電圧を選択でき、処理方法の最適化等
を図ることが可能となる。
【0055】また、請求項22の発明によれば、放電開
始電圧の高いガスに関しても、放電開始時に高電圧を印
加し、放電維持時に高周波に切り替えることがことが可
能となる。
【0056】さらに、請求項23又は24に係る表面処
理方法によれば、プラズマの立上げ時にのみ希ガスを使
用し、その後、酸素ガスのみによるプラズマを生成でき
るため、希ガスの使用量を大幅に削減することができ、
酸素ガスを用いたアッシング処理のコストの低減と、処
理速度の向上とを図ることができる。
【0057】そして、請求項25に係る表面処理方法に
おいては、電子又はガス状の活性種を利用してプラズマ
を生成するようにしているため、希ガスをまったく用い
ることなく酸素ガスによるプラズマを生成でき、さらに
コストの低減を図ることができる。また、希ガスを用い
た場合でも、酸素ガスの混入量を大幅に増加させること
ができ、従来より大幅なコストの低減と処理速度の向上
が図れる。
【0058】請求項26乃至28に係る表面処理方法に
おいては、希ガスを用いずに四フッ化炭素ガス単独での
プラズマを生成でき、四フッ化炭素ガスによるエッチン
グ処理コストの低減と、処理速度の向上とを図ることが
できる。
【0059】そして、請求項29に係る表面処理方法に
よれば、プラズマの立上げ後にプラズマ生成領域への電
子又は活性種の供給を停止して適正な処理条件を設定す
ることができる。さらに、請求項30の発明によれば、
プラズマの生成を容易に行うことができ、しかも密度の
高いプラズマが得られる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る大気圧プラ
ズマ生成方法及び装置並びに表面処理方法の実施の形態
について、図面を参照して説明する。
【0061】図1は、本発明の第1の実施例に係る大気
圧プラズマ生成装置の概略的な構成図である。
【0062】図1において、プラズマ生成装置は、下部
が開口しているチャンバー21の内部にプラズマ発生部
が設けてある。プラズマ発生部は、供給された放電用ガ
スの流路23を形成するため1mmから3mm程度のギ
ャツプを形成した一対の板状の誘電体1と、一対の誘電
体1を挟んで設けた第1電極、第2電極である一対の電
極2a、2bから構成される。電極2a、2bは、ガス
流路23内でグロー放電を発生させてプラズマを生成す
るためのもので、両電極間がプラズマ生成領域22とな
っている。そして、誘電体1は、実施例の場合、放電に
よる温度上昇に起因する割れを防ぐため、石英ガラスを
用いているが、セラミックなどを用いてもよい。
【0063】チャンバー21の下部が被処理体8の表面
処理を行う処理部となっていて、処理部に被処理体8を
設置するステージ7が設けてある。このステージ7は、
図1の矢印24のように水平方向に移動可能であり、ス
テージ7を移動させることで被処理体8の上面全体を処
理できるようにしてある。そして、誘電体1は、被処理
体8に近い端面から被処理体8までの距離が1〜2mm
程度に保たれている。また、ガス流路23は下端が開口
し、下方を移動する被処理体8の表面にプラズマによっ
て生成された活性種を照射できるようにしてある。
【0064】一方の電極2bは接地してあって、他方の
電極2aにはインピーダンス整合器6を介して高周波電
源25が接続してあり、両電極2a、2b間に所定周波
数((400kHz〜100MHz)の高周波電圧を印
加できるようにしてある。また、チャンバー21内の適
宜の個所には、プラズマ検出手段である光センサ26が
配設してあって、プラズマ発生時のグロー放電による光
を検出して検出信号を制御手段であるコントローラ28
に入力するようになっている。
【0065】チャンバー21の上部には、中間チャンバ
ー12が設けてある。この中間チャンバー12には、管
路30、32を介して放電用ガスである酸素ガスを充填
してある酸素ガスボンベ34と、希ガスであるヘリウム
ガスを充填したヘリウムガスボンベ36とが接続してあ
る。そして、中間チャンバー12とガス流路23とは、
チャンバー21に形成したガス供給口13によって連通
していて、中間チャンバー12に流入したヘリウムガス
と酸素ガスとをガス流路23に供給できるようにしてあ
る。また、管路30には、酸素ガスボンベ34とともに
第1ガス供給手段を構成している流量制御弁38が設け
てある。さらに、管路32には、ヘリウムガスボンベ3
6とともに第2ガス供給手段を構成している流量制御弁
40が設けてある。これらの流量制御弁38、40は、
コントローラ28によって開度が制御されるようにして
ある。
【0066】このように構成したプラズマ生成装置によ
る大気圧プラズマの生成は、次のごとくして行う。
【0067】ガス流路23は、減圧せずに大気圧に保持
してある。そして、コントローラ28によって流量制御
弁38、40を制御し、中間チャンバー12の所定量の
酸素ガスとヘリウムガスとを流入させ、その混合ガスを
ガス流路23を介してプラズマ生成領域22に供給す
る。プラズマ生成領域22へのガスの供給量は、流量比
で酸素ガスが20%以下、ヘリウムガスが80%以上で
あることが望ましい。具体的には、例えばガス流路23
の幅(誘電体1、1間の間隙)が2.2mm、奥行き
(図1の紙面に直交した方向)が38mmである場合、
酸素ガスを100cc/min流したとすると、ヘリウ
ムガスを400cc/min以上流す。その後、ガスを
流した状態で電極2a、2b間に高周波電圧を印加す
る。
【0068】本実施例の場合、印加した電圧の周波数
は、40.68MHzであり、印加電圧がピークピーク
(peak−to−peak)値で約2.3kVにおい
てグロー放電が開始し、プラズマを発生することができ
た。
【0069】グロー放電が開始されると、放電に伴う光
が光センサ26によって検出され、検出信号がコントロ
ーラ28に入力される。コントローラ28は、光センサ
26の出力信号に基づいてグロー放電が開始され、プラ
ズマが発生したことを検知すると、酸素ガスの流量を被
処理体8の表面処理、例えば被処理体8の表面に存在し
ているレジストなど有機物の除去に必要な量に制御する
とともに、ヘリウムガスの供給を停止する。これによ
り、酸素ガスのみでは生成しにくい酸素ガスのみによる
プラズマを容易に生成することができる。これは、一度
プラズマが発生すると、多量の電子がプラズマによって
生成され、これらの電子が酸素ガスに衝突して酸素ガス
の電離が容易に行われるようになるためと考えられる。
【0070】酸素ガスプラズマによる被処理体8の表面
処理、例えば被処理体8の表面に存在する有機物を酸化
して除去するアッシングの場合、上記のようにして発生
させた酸素ガスプラズマにより生じる活性種を被処理体
8の表面に照射する。
【0071】このように、本実施例においては、プラズ
マの発生時にのみヘリウムガスをトリガとして使用し、
被処理体8の表面処理時には酸素ガスのみを使用したプ
ラズマを生成できるため、高価なヘリウムガスの使用量
を大幅に削減でき、アッシング処理のランニングコスト
の大幅な低減を図ることができる。しかも、酸素ガスの
みによるプラズマであるため、活性種が大幅に増大して
アッシング処理速度を大幅に向上することができる。例
えば、従来、ヘリウムガスに流量比2%の酸素ガスを混
入してプラズマを発生させてアッシングした場合、アッ
シング速度が数μm/minであったものが、酸素ガス
100%のプラズマによるアッシング速度を約100μ
m/minにすることができる。
【0072】なお、上記の実施例においては、酸素ガス
とヘリウムガスとを同時に流してプラズマを発生させる
場合について説明したが、プラズマを立上げるときにヘ
リウムガスのみをプラズマ生成領域22に供給し、ヘリ
ウムガスによるプラズマが発生したのちに酸素ガスの供
給を開始するとともに、ヘリウムガスの供給を停止する
ようにしてもよい。
【0073】前記実施例においては、光センサ26をチ
ャンバー21の内部に配置した場合について説明した
が、チャンバー21にプラズマ生成領域22を観察可能
な透光部を形成し、その透光部に対面させて光センサ2
6をチャンバー21の外部に配置してもよい。このよう
に光センサ26をチャンバー21の外部に設けると、光
センサ26が活性種に晒されることがなく、光センサ2
6が損傷することがない。そして、前記実施の形態にお
いては、プラズマ検出手段が光センサ26である場合に
ついて説明したが、高周波電源25に接続した回路の電
流を検出したり、整合器6のインピーダンスの整合状態
を検出してプラズマの発生を検知するようにしてもよ
い。そして、前記実施例においては、ヘリウムガスを用
いた場合について説明したが、ネオンガスやアルゴンガ
スなどを用いてもよい。
【0074】また、四フッ化炭素ガスのプラズマによる
被処理体8のエッチング処理や、エアプラズマによる被
処理体8の表面に存在する汚染物質(例えば、有機物)
の除去によるハンダや樹脂等の濡れ性の改善を図る場
合、上記の酸素ガスによるプラズマの生成と同様にして
四フッ化炭素ガスプラズマ、エアプラズマを得ることが
できる。
【0075】図2は、大気圧プラズマ生成装置の第2実
施例のを示したもので、(1)が斜視図、(2)が平面
図、(3)が(2)のA−A線に沿った断面図である。
【0076】図2において、プラズマ生成装置42は、
セル44が石英ガラスなどの誘電体から形成してあっ
て、中心部に矩形状のガス流路46が設けてある。ガス
流路46は、実施例の場合、放電ギャップ(高さ)dが
2.2mm、幅Bが38mmに形成してある。そして、
セル44の一端側上部には、第1ガス供給ヘッド48が
固定してある。
【0077】第1ガス供給ヘッド48の内部とガス流路
46とは、セル44に設けたガス流入口50を介して連
通していて、管路52を介して第1ガス供給ヘッド48
に導かれたトリガガスをガス流路46の一端側に供給で
きるようにしてある。そして、ガス流路46に供給され
たトリガガスは、同図(3)の矢印54に示したよう
に、反対側の吹出し口56に向けて流れるようになって
いる。
【0078】セル44の上面中央部には、トリガ供給手
段を構成している低周波用電極58がガス流路46と直
交させて設けてある。そして、低周波電極58には、ロ
ーパスフィルタを介して低周波電源が接続してある(い
ずれも図示せず)。さらに、セル44の上面には、第1
電極である高周波電極60が配設してある。この高周波
電極60は、プラズマを発生させるためのもので、低周
波電極58よりガス流の下流側に低周波電極58と平行
に配置してあって、インピーダンス整合器6を介して高
周波電源25に接続してある。また、高周波電極60
は、端部がセル44の縁よりD(実施例の場合、約10
mm)だけ内側となるように配してあり、セル44の側
面をつたわった放電が生じないようにしてある。
【0079】高周波電極60と低周波電極58との間に
は、第2ガス供給ヘッド62が設けてある。この第2ガ
ス供給ヘッド62は、管路63を介して流入するヘリウ
ムガスと酸素ガス又はヘリウムガスと四フッ化炭素ガス
との混合ガスからなる放電用ガスをガス流路46に供給
するためのもので、ガス流入口64を介してガス流路4
6と連通している。また、セル44の下面には、少なく
とも高周波電極60から低周波電極58にわたるように
第2電極となる接地電極66が設けてある。そして、ガ
ス流路46の高周波電極60と対応した部分がプラズマ
生成領域22となっている。
【0080】このプラズマ生成装置によるプラズマの生
成は、次のごとくして行う。
【0081】管路63、第2ガス供給ヘッド62を介し
て、ヘリウムガスと酸素ガス又はヘリウムガスと四フッ
化炭素ガスとの混合ガスからなる放電用ガスをガス流路
46に供給するとともに、管路52、第1ガス供給ヘッ
ド48を介して、放電用ガスと同じ組成のトリガガスを
ガス流路46に供給する。そして、低周波電極58と接
地電極66との間に低周波電圧(実施例の場合、9.7
6kHz、10kV((ピークピーク値))を印加する
とともに、高周波電極60と接地電極66との間に高周
波電圧(実施例の場合、周波数40.68MHz)を印
加する。
【0082】これにより、低周波電極58に対応した部
分のガス流路46内にコロナ放電が発生し、トリガガス
の一部が電離して電子が生成されるとともに、トリガガ
スが活性化される。これらの電子と活性種は、トリガガ
スと放電用ガスとの流れに乗って、プラズマを立上げる
トリガとしてプラズマ生成領域22に供給される。そし
て、電子は、プラズマ生成領域22において高周波電界
によりエネルギーを受けて活性種又は放電用ガス分子に
衝突し、これら電離して電子を増大させてグロー放電が
発生し、プラズマを生成する。高周波電極60に印加す
る高周波電圧を下げることが可能であって、プラズマを
容易に生成することができる。プラズマの発生によって
生成された活性種は、吹出し口56から本図に図示しな
い被処理体に照射し、アッシングやエッチングなどの表
面処理に供することができる。
【0083】なお、上記実施例においては、酸素ガスと
ヘリウムガスとの混合ガス、又は四フッ化炭素ガスとヘ
リウムガスとの混合ガスを放電用ガス及びトリガがすと
して使用した場合について説明したが、酸素ガス又は四
フッ化炭素ガスのみを放電用ガス、トリガガスとして使
用してもよい。さらに、エア単独又はヘリウムガスにエ
アを混入したものを放電用ガス、トリガガスとして使用
してもよい。また、放電用ガスとして酸素ガス、四フッ
化炭素ガス、エア又はこれらの1つとヘリウムガスとの
混合ガスを用い、トリガ用ガスとしてヘリウムガスを用
いてもよい。そして、上記のいずれの場合においても、
適正な処理条件を得るために、グロー放電が発生してプ
ラズマが立上がったならば、トリガガスの供給を停止す
るとともに、低周波電圧の印加を停止してもよい。ま
た、四フッ化炭素ガスを使用する場合、四フッ化炭素ガ
スをバブリング装置において水中を通し、水分(H2
O)を含ませて使用してもよい。
【0084】図3と図4には、第2実施例のプラズマ生
成装置42を用いた大気圧プラズマの生成実験の結果が
示してある。図3は、酸素ガス(O2 )の流量を100
cc/minに固定し、ヘリウムガス(He)の流量を
変えたときのグロー放電開始時とグロー放電OFF(消
滅)時との高周波入力電力を示したものである。また、
図4は、四フッ化炭素ガスの流量を50cc/minに
固定し、ヘリウムガスの流量を変えたときのグロー放電
開始時とグロー放電OFF時の高周波入力電力が示して
ある。
【0085】いずれの場合においても、ガス流路46の
放電ギャップd=2.2mm、幅B=38mmである。
また、低周波電極58に印加した低周波電圧は周波数が
9.76kHz、電圧がピークピーク値で10kV、高
周波電極60に印加した高周波電圧は周波数が40.6
8MHzであって、出力1kWの高周波電源を使用して
いる。
【0086】そして、図3においては、○が高周波(R
F)電圧のみを印加した場合の放電開始時の入力電力値
であり、●が高周波電圧のみを印加した場合の放電がO
FFしたときの入力電力値である。また、図中の×はグ
ロー放電が発生しなかったこと示している。また、△は
低周波電極58に低周波(LF)電圧を印加し、高周波
電極60に高周波(RF)電圧を印加したときの、グロ
ー放電開始時の高周波電極60に供給した電力であり、
▲は同じくグロー放電がOFFするときの高周波電極6
0に供給された電力である。
【0087】図3に示されているように、酸素ガスを1
00cc/min流し、高周波電圧のみを印加した場
合、流量比で酸素ガスが25%、ヘリウムガスが75%
(300cc/min)ではグロー放電が発生せず、プ
ラズマの生成が行われなかった。しかし、酸素ガス10
0cc/minに対してヘリウムガスを400cc/m
inを流した場合、印加電圧が約2.3kVでグロー放
電が開始した。そして、酸素ガスに対するヘリウムガス
の流量が多くなるのにしたがって、グロー放電の発生す
る電圧が低下するとともに、入力電力が低下する。ま
た、グロー放電がOFFする電力もヘリウムガスの流量
が増加するのにともなって低下する。
【0088】一方、低周波電圧と高周波電圧とを併用し
た場合、図3に示されているように、ヘリウムガスの流
量が300cc/min、すなわち流量比で酸素ガスが
25%、ヘリウムガスが75%であってもグロー放電が
発生し、プラズマを生成することができる。したがっ
て、ヘリウムガスの使用量を削減できてアッシングの処
理コストを低減できる。しかも、酸素ガスの混入量を増
大することができるため、アッシング処理の速度を高め
ることができる。さらに、プラズマの発生後も低周波電
極58に低周波電圧を印加した状態で表面処理を行え
ば、グロー放電の維持電圧を下げることができるととも
に、低周波電圧によって生成された活性種がプラズマに
よる活性種と重畳されるため、処理速度をさらに向上す
ることができる。
【0089】図4においては、○が高周波(RF)電圧
のみを印加したときのグロー放電開始時の入力電力値、
●が高周波電圧のみを印加したときのグロー放電OFF
時の入力電力値である。そして、×は放電しなかったこ
とを示す。また、△は低周波電極58に低周波(LF)
電圧を印加し、高周波電極60に高周波(RF)電圧を
印加したときの、グロー放電開始時の高周波電極60に
供給した電力であり、▲は同じくグロー放電がOFFす
るときの高周波電極60に供給された電力である。
【0090】図4に示されているように、四フッ化炭素
ガスを50cc/min流した場合、ヘリウムガスの流
量を400cc/minにすると放電しない。そして、
ヘリウムガスの流量が500cc/minでは、高周波
電圧の印加のみでもグロー放電を発生させることがで
き、ヘリウムガスの流量の増加に伴って入力電力が低下
する。そして、低周波電圧と高周波電圧とを併用した場
合、ヘリウムガスの流量が500cc/minであって
も、高周波電圧単独の時よりもより低い入力電力でもグ
ロー放電をさせることができる。なお、処理用のガス
(反応ガス)として四フッ化炭素ガスを使用する場合、
フッ素による腐食を避けるため、誘電体はセラミックを
用いることが望ましい。
【0091】なお、前記実施例においては、トリガとし
て低周波電圧を印加して生成した電子又は活性種を用い
た場合について説明したが、加熱したフィラメンとから
放射された熱電子、電子銃などから出射された電子やそ
れにより生じた活性種などをトリガとして使用してもよ
い。
【0092】図5は、第3実施例に係る大気圧プラズマ
生成装置の断面図であって、図2に示したプラズマ生成
装置42の変形例を示したものである。すなわち、この
プラズマ生成装置70は、図2に示した第2ガス供給ヘ
ッド62を省略したもので、他の構成は図2に示したも
のと同様となっている。
【0093】この実施例に係るプラズマ生成装置70
は、ガス供給ヘッド48を介してヘリウムガスと酸素ガ
ス、又はヘリウムガスと四フッ化炭素ガスとの混合ガス
からなる放電用ガスをガス流路46に導入する。そし
て、放電用ガスを低周波電極58に印加した低周波電圧
によって電離又は活性化して電子や活性種を生成し、こ
れらを高周波電極60に対応したプラズマ生成領域22
にトリガとして供給し、プラズマを発生させるものであ
る。このように構成することにより、プラズマ生成装置
の簡素化を図ることができる。ヘリウムガスにエアを混
入したガスを用いた場合も、同様にプラズマを発生させ
ることができる。
【0094】なお、ガス供給ヘッド48から酸素ガス、
四フッ化炭素ガス又はエアを供給し、低周波電極58に
低周波電圧を印加するとともに、高周波電極に高周波電
圧を印加して酸素ガス、四フッ化炭素ガス又はエア単独
によるプラズマを発生させてもよい。
【0095】図6は、第4実施例に係る大気圧プラズマ
生成装置の断面図である。この実施例のプラズマ生成装
置72は、セル44がT字状に形成してあって、セル4
4の水平部74に第1ガス供給ヘッド48と連通してい
るガス流路46が設けてある。そして、セル44の鉛直
部76には、ガス流路46に接続させた第2流路78が
形成してある。また、鉛直部76の上端部には、第2ガ
ス供給ヘッド62が取り付けてあって、第2ガス供給ヘ
ッド62に流入したトリガガスをガス流路46に導ける
ようにしてある。さらに、鉛直部76には、第2ガス供
給ヘッド62の下方の一側に低周波電極58が配設して
あるとともに、反対側の低周波電極58と対応した位置
に接地電極80が取り付けてある。
【0096】このように構成したプラズマ生成装置72
によるプラズマの生成方法は、前記した第2実施例に係
るプラズマ生成装置42とほぼ同様である。すなわち、
第2ガス供給ヘッド62からトリガガスを導入するとと
もに、低周波電極58に低周波電圧を印加して電子と活
性種とを生成してプラズマ生成領域22に供給する。ま
た、放電用ガスは、第1ガス供給ヘッド48を介して第
1ガス流路46に供給する。そして、高周波電極60に
高周波電圧を印加してグロー放電を発生させてプラズマ
を生成する。なお、破線に示したように、低周波電極5
8とともに、水平部74にも低周波電極82を設けて第
1ガス供給ヘッド48から供給された放電用ガスを電離
または活性化させてもよい。
【0097】図7は、第5実施例であって、表面処理で
ある有機物除去方法を実施する装置の概略構成図であ
る。この装置は、プラズマ生成用ガスを供給するガス供
給部と、プラズマを生成し活性なガスを形成するプラズ
マ発生部、及び活性化されたガスを吹き付け被処理体を
処理する処理部から構成される。
【0098】ガス供給部は、極めて安価である圧縮空気
より窒素を生成できる窒素生成器11を備えている。窒
素生成器11のかわりに、市販の窒素ガスボンベ等から
供給してもよい。窒素生成器11からは、純度99%以
上の濃度の窒素ガスを数十l/min供給することが出
来る。
【0099】プラズマ発生部は、供給されたガスの流路
を形成するため1mmから3mm程度のギャツプを形成
した一対の誘電体1と、一対の誘電体1で形成されたガ
スの流路内で放電を発生させるために設けられた、ガス
流路を挟んだ一対の電極2a、2bから構成される。誘
電体1は、放電による昇温に起因する割れを防ぐため、
石英ガラスを用いている。
【0100】処理部は、被処理体8を設置するステージ
7から構成され、ステージ7は水平方向に移動可能であ
り、ステージ7を移動させることで被処理体全体を処理
することが可能である。誘電体1の被処理体に近い端面
から被処理体8までの距離は、1〜2mm程度に保たれ
ている。
【0101】ガス供給部から導入された窒素ガスは、プ
ラズマ発生部上部に設置される中間チャンバー12に供
給される。中間チャンバー12を設けることで、スリッ
ト状に開口されたガス供給口13から、一対の誘電体1
で形成されたガス流路23を経由してガスが被処理体8
にライン状に一様なガス流速分布をもって供給されるよ
うになる。
【0102】電極2aには、2種類の周波数の電圧を同
時に印加できるように2つの電源が接続されている。一
つは、20kHz電源9であって、十数kVに昇圧する
ための昇圧トランス4と、更には13.56MHz高周
波電源出力による20kHz電源9の過負荷防止のため
に設けられたフィルター回路3とを介して電極2aに接
続されている。もう一つは、13.56MHz高周波電
源10であって、インピーダンス整合器6と、20kH
z電源9の出力による13.56MHz高周波電源10
の過負荷を防止するため設けられたフイルター回路5と
を介して電極2aに接続されている。これら2つの電源
9、10は、それぞれ独立して制御されており、単独ま
たは重畳して電圧を印加することが可能である。対向す
る電極2bは、接地電極となっている。
【0103】次に、放電発生方法について説明する。1
3.56MHzの高周波電源10においては、周波数が
高いために2〜3kV程度しか電圧を印加できないた
め、窒素ガス単体の雰囲気中では放電が開始されない。
そこで、まず十数kVに昇圧された20kHzの高電圧
を電源9により電極2aに印加してコロナ放電を開始さ
せる。電源出力は、放電が開始させることが出来れば、
大出力を必要としない。また、この時放電していなくて
も、電極間に十数kV以上の電圧が印加されていればよ
い。
【0104】コロナ放電が開始された後、電源10によ
り13.56MHzの高周波電圧を20kHzの電圧が
印加されている電極2aに重畳して印加する。
【0105】図8は、20kHzの出力を50Wと一定
にし、重畳した13.56MHzの高周波出力を徐々に
増加していったときの放電の発光強度の変化を示したも
のである。横軸が13.56MHz電源10の出力であ
り、縦軸が放電の発光強度である。放電の発光強度は、
放電部を誘電体1のセルのガス吹き出し口から光ファイ
バーにより採光し、分光器によりスペクトル分解したも
のを光電子増倍管で検出したものてある。発光強度は、
任意の強度であり、分光した波長は、336.9nmの
窒素分子スペクトルである。
【0106】図中の領域aにおいては、13.56MH
zの高周波出力を徐々に増加させていっても殆ど発光強
度が変わらない。この条件下では、20kHzの高電圧
を切ると放電は停止してしまい、13.56MHzの高
周波電圧単体では放電を維持することはできない。領域
bになると、局部的に発光強度が強くなる部分が現れ
る。この放電状態では、20kHzの高電圧を切って
も、13.56MHzの高周波電圧のみで放電を持続で
きるようになる。これは、一旦、放電によって発生した
電子が、20kHzの高電圧を利用しなくとも高周波電
圧から得られるエネルギーにより電子が気体の電離持続
を行えるようになったためと考えられる。
【0107】領域cは、電極全面に高周波放電が形成さ
れた状態であり、領域b同様、20kHzの高電圧を切
っても、高周波電圧単独で放電を維持できる。発光強度
の強い放電が、ほぼ電極全面に形成されているため、被
処理体8の処理を均一に行うのに最も適した条件であ
る。このようにして得られた放電中を通過させ、活性化
した窒素ガスを、被処理体に吹きつけることて、被処理
体をプラズマに晒す事なく被処理体8の表面処理が可能
となる。
【0108】次に、図7のプラズマ生成装置による表面
処理における有機物除去に関する実験結果について説明
する。
【0109】
【表1】
【0110】表1は、シリコン基板上に塗布したレジス
トを除去した時の除去速度である。処理条件は、13.
56MHz出力400W、窒素ガス流量10l/mi
n、ワークと放電部の距離は、約6mmに設定した。誘
電体1端面からワークまでの距離は約1mm程度であ
る。この時のレジスト除去速度は、レジスト深さ方向で
ガスの吹き出し直下において、150nm/minが得
られた。
【0111】比較のため、同一装置を用いて酸素ガスに
よりレジストをアッシングした結果を表1に示した。処
理条件は、ガス種が異なる以外、窒素ガス処理と同一条
件としている。酸素ガスによる除去速度は、180nm
/min程度であり、窒素ガスによるレジストン除去
は、酸素のアッシング処理速度とほとんど差異が無いこ
とがわかる。また、酸素ガスによるアッシングは放電部
と被処理体の距離が離れるにつれて、アッシング速度が
減少する割合がおおきく、窒素ガスを用いた場合には、
比較的距離が離れても有機物の除去処理がされた。これ
は、放電中で生成される窒素の活性種の寿命が酸素の活
性種より長いため、より拡散して処理反応が起きるため
と推定される。
【0112】また、周波数条件が異なる処理についての
比較も行った。一般的に、図7のような間接放電方式の
場合、有機物除去速度を向上させるには、放電部を被処
理体に接近させるか印加出力を増加させるとよい。放電
部を被処理体に接近させるのは、放電部で生成された活
性種が被処理体に輸送される過程で、輸送距離が短いほ
ど活性種の減衰が小さいため被処理体に多くの活性種が
到達できるからであり、印加出力を増加させることによ
り、放電中に生成する活性種の絶対数が増加するからで
ある。しかしながら、20kHzの高電圧を用いた場
合、印加される電圧が高いため、ある出力以上になると
一対の電極間で放電が維持されるだけでなく、被処理体
との間で放電が発生し、場合によっては被処理体が損傷
してしまう。本実施例での20kHzの低周波高圧電源
を用いた比較実験では、被処理体と電極の距離は、印加
出力が200Wの時、約25mm以上離さなければなら
ない。これを処理条件とした時の20kHzの低周波電
源によるプラズマ処理では、窒素ガスのみならず酸素ガ
スを用いた場合においてもレジスト除去速度は極めて遅
く、5nm/min以下であった。
【0113】以上の結果から、周波数の高い13.56
MHz高周波放電では、被処理基板を放電に晒すことな
く、プラズマをより被処理体に接近させる事ができ、且
つ印加可能な出力を増加させる事ができるため高密度の
プラズマが形成できる。その結果、生成された高密度の
活性種が被処理体に到達する事ができ、処理の高速化が
図れた。
【0114】ところで、本実施例において、空気を用い
て同一条件にてレジストの除去を試みてみたが、レジス
トは全く除去されなかった。そこで窒素の酸素に対する
混合率を (窒素流量/(窒素流量十酸素流量))×100% と定義し、いくつかの混合率にて確認してみた結果、図
9に示す様に、混合率99%以上及び20%以下におい
てレジスト除去効果を有し、その間の混合率のガス条件
では、全くレジストが除去されない事がわかった。
【0115】この理由については、以下の様に考えられ
る。まず、混合率20%以下での反応は、従来の酸素ア
ッシングと同様、酸化による有機物除去現象と推定され
る。これに対し、混合率99%以上における反応は、プ
ラズマ中で形成された窒素の活性種とレジストの反応
で、レジストの酸化反応ではなく、窒化反応またはエネ
ルギーの比較的高い粒子により有機物が分解されると考
えられる。
【0116】しかしながら、放電中、酸素がある一定以
上混入すると、窒素の活性種と酸素の活性種が反応し、
比較的安定な窒素酸化物が形成される。この安定な窒素
酸化物は、有機物と反応することなく排気され、有機物
反応は起きない。空気の窒素の酸素に対する混合率は約
80%程度であるため、窒素酸化物の影響により有機物
の除去ができなかったと推定される。
【0117】図10は、本発明に関する第6の実施例で
あり、有機物除去方法を実施する装置の概略的な構成図
てある。第5の実施例と共通部分については同一符号て
示し、詳細な説明は省略する。
【0118】すなわち本実施例においては、誘電体1を
挟んで、接地された電極2bと電極2aが設置されてい
る。電極2aには13.56MHzの電源10がインピ
ーダンス整合器6を介して接続されている。電極2a及
び電極2bには、内部にヒータが設置されており、所定
の温度まて電極を加熟し一定に保つことが出来る。
【0119】次に、放電手順を説明する。まず、電極2
a及び電極2bをヒーターにより加熱し、間接的に誘電
体1の放電面を暖める。誘電体1の放電面を暖めるの
は、表面からの二次電子又は熱電子の放出性を高めるた
めのものであり、この二次電子又は熱電子の放出が多い
ほど放電開始がし易くなる。したがって、誘電体1の放
電面の表面温度が高いほど放電がし易い。誘電体1表面
が暖まった後、誘電体1のセル内(ガス流路23)に窒
素ガスを導入し、13.56MHzの電圧を電極2aに
印加する。本実施例では、電極2a、2bの加熱温度を
200℃に設定したところ、13.56MHzの高周波
電圧で窒素ガス単体で放電が開始することが出来た。す
なわち、第5の実施例同様、窒素ガスを用いて高速のレ
ジスト除去ができた。
【0120】電極を加熱する手段は、電極2a又は電極
2bの内部に設置したヒーターでなくとも、誘電体1の
放電面を外部から赤外線等を用いて加熱する手段であっ
てもかまわない。さらには、放電面の材料が二次電子放
出の高いもの、もしくは熱電子放出の高いものであるこ
とが望ましい。例えば、SrO、CaO、BaO等は仕
事関数が小さく、比較的表面の温度が高くなくても熱電
子が放出しやすいので電極表面材料に適している。これ
ら材料は、誘電体表面に薄膜として構成されていても構
わない。
【0121】次に、本発明による窒素ガスを用いた被処
理体の表面処理による濡れ性改善の実施例について説明
する。
【0122】本実施例に用いた表面処理装置は、第5及
び第6の実施例と同一処理装置であり、詳細な説明は省
略する。
【0123】すなわち被処理体8としてガラス基板を用
いて、本発明による表面処理方法によりガラス基板に活
性な窒素ガス吹き付け処理を行い、純水の接触角により
基板表面の濡れ性について評価を行った。評価用に用い
たガラスは、OA−2。処理前のガラス表面の純水の接
触角は、平均70度であった。
【0124】図11は、ガラス基板の処理時間による接
触角の変化を示す。比較のため、周波数の異なる条件に
ついて評価した結果についても示した。20kHzの周
波数を用いた処理の場合、第1の実施例において既に説
明したとおり、高電圧を用いるため、条件に制約があ
り、表1に示した有機物除去条件と同一条件にて比較評
価している。図11からも解るように、本発明による1
3.56MHzを用いた窒素ガス放電処理は、20kH
zの放電処理に比ベ、濡れ性が明らかに短時間で飽和す
る。
【0125】ところで、本実施例において、空気を用い
た濡れ性の改善に処理について試みてみたが、ガラス基
板表面の濡れ性の改善は極めて遅く、接触角が飽和する
までに5分以上かかった。そこで窒素の酸素に対する混
合率を (窒素流量/(窒素流量十酸素流量))×100% と定義し、処理時間30秒における接触角について混合
率を変化させ確認してみた結果、図12に示す様に、混
合率99%以上及び20%以下においては濡れ性の改善
処理の速い条件があることが判明した。
【0126】濡れ性の場合、幾つかの要因が考えられる
が、現在のところ、濡れ性の処理速度改善効果の高い条
件が、窒素ガスプラズマでも述べた有機物除去条件とほ
ぼ一致していることから、基板表面に付着している有機
物の汚れが除去された事による基板表面のクリーニング
効果が大きいと推定される。但し、窒素ガスを用いた場
合には、基板表面にNH基等の親水基が生成してること
が推定される。したがって、需れ性の改善のために用い
るガスとしては、窒素ガスが望ましい。
【0127】図13は、第7実施例の斜視図と断面図で
ある。この実施例は、局部的な表面処理を容易に行える
ようにしたもので、例えば石英などの誘電体から形成し
たパイプ82によってガス流路23が形成してある。ま
た、パイプ82の直径方向両側には、第1電極2aと第
2電極2bとが配設してあり、これらの電極間でプラズ
マを生成するようになっている。そして、パイプ82に
は、ガス導入管84が接続してあって、同図(2)の矢
印に示したように、ガス導入管84を介して放電用ガス
86をガス流路23に供給できるようにしてある。この
第7実施例によるプラズマの生成は、第1実施例と同様
に行うことができる。
【0128】図14は、第8実施例を示したものであっ
て、被処理体のバッチ処理用のプラズマ生成装置であ
る。本実施例においては、チャンバー90内にガス流路
23を形成しているパイプ状の誘電体92が配設してあ
る。そして、誘電体92の一端には、ガス導入管94が
接続してあって、ガス流路23に放電用ガス86を導入
できるようにしてある。また、誘電体92の他端には、
フレキシブルパイプなどからなるプラズマ供給管96が
接続してある。このプラズマ供給管96は、先端が処理
ボックス98に接続してある。処理ボックス98の内部
には、多数の被処理体8がラック100などに配置した
状態で収納してある。
【0129】このように構成した第8実施例において
は、誘電体92の上下に配置した電極2a、2b間に高
周波電圧を印加し、第1実施例と同様にしてプラズマを
発生させる。そして、プラズマの発生に伴い生成された
活性種をプラズマ供給管96を介して処理ボックス98
に導入して被処理体8に照射し、一度に多数の被処理体
8のアッシングやエッチングなどを行う。
【0130】図15は、第9実施例の断面図と斜視図で
あって、エッチングなどに適した直接放電処理用のもの
である。このプラズマ生成装置102は、一方の誘電体
104がコ字状に形成してあって、接地電極106の凸
部を跨いで配置させるようになっている。そして、誘電
体104と接地電極106とは、長手方向に相対移動で
きるようにしてある。
【0131】誘電体104の上部には、高周波電極10
8が設けてあるとともに、ガス供給ヘッド110が取り
付けてある。また、接地電極106の凸部上面には、被
処理体8が配置される板状の誘電体112が設けてあ
り、この誘電体112と誘電体104とでガス流路23
が形成される。このように構成した第9実施例において
は、被処理体8を直接放電に晒すことができるため、迅
速なエッチングなどの表面処理を行うことができる。
【0132】図16は、さらに他の実施例を示したもの
である。図16において、プラズマ生成装置114は、
ガス流路23が上下の誘電体116、118によって形
成してある。また、プラズマ生成装置114は、高周波
電極120と接地電極122とが誘電体116、118
を挟んで対向するように設けてある。そして、誘電体1
16の上部には、高周波電極120を覆ってカバー12
4が取り付けてある。このカバー124の内面と高周波
電極120との距離Lは、誘電体120、122間の距
離(放電ギャップ)dより大きくしてある。また、この
カバー124の内部には、空気より放電しにくい流体、
例えば四フッ化炭素ガスが封入してある。
【0133】このように構成したことにより、高周波電
極120に高周波電圧を印加することによる沿面放電を
防止することができる。すなわち、ヘリウムガスなどの
希ガスを混入せずにプラズマを発生させる場合、希ガス
を混入した場合よりも高電圧を必要とする。特に、四フ
ッ化炭素ガスなどの空気より放電しずらいガスを使用す
る場合は、沿面放電が発生するおそれがあり、沿面放電
が発生すると電圧が低下して放電の維持が困難となって
プラズマを生成することができない。そこで、カバー1
24内に空気より放電しにく四フッ化炭素ガスなどを封
入して沿面放電を防止する。
【0134】なお、四フッ化炭素ガスに代えて絶縁油な
どを封入してもよい。また、図16の破線に示したよう
に、誘電体116にカバー124内とガス流路23とを
連通する連通孔126を形成し、カバー124内に流入
させた四フッ化炭素ガスを連通孔126を介してガス流
路23に供給するようにしてもよい。このように、カバ
ー124を介して四フッ化炭素ガスをガス流路23に供
給するようにすると、沿面放電の防止が図れるととも
に、装置を小型化することができる。
【0135】なお、沿面放電の防止を図るために、電極
の近傍には何も配置せず、電極のみにすることが望まし
い。そして、電極の近くに何かを配置する場合には、望
ましくは2mm/v以上の距離をおくとよい。また、誘
電体は、ガス流路を形成する面ができるだけ凹凸の少な
い平なものを使用することが望ましく、平均粗さが0.
02μm以下にすることが望ましい。これは、凹部が存
在すると、その部分に電界が集中し、部分放電が生じて
望ましくないことによる。
【0136】さらに、図2に示したような場合、高周波
電極60は、セル(誘電体)44からはみださないよう
にすることが望ましく、セル44の端部より1cm以上
内側に配置することが望ましい。これは、電極がセルの
端からはみだすと、セル44の側面をつたわった沿面放
電を生じやすいことによる。
【0137】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、希ガスを使用せずに、又は希ガスに対する酸素ガス
や四フッ化炭素ガスなどの割合を多くしたガスを用いて
容易に大気圧プラズマを生成することができ、高価な希
ガスの使用量の大幅な削減を図れて、表面処理に利用し
た場合に、表面処理のコスト低減と処理速度の向上を図
ることができる。
【0138】また、本発明によれば、大気圧下、ヘリウ
ムを用いず安価な窒素ガスを使用して放電できるのでラ
ンニングコストが低減できる。さらには、ヘリウムを用
いなくとも、窒素ガスや酸素ガスのような反応性ガスに
より数MHz以上の高周波電圧を用いて大気圧下放電が
容易にでき、処理の高速化が可能である。また、大気圧
下、窒素ガスを用いた高周波放電の実現により、酸素ガ
スを用いる事なく、酸素処理同様、有機物を除去や基板
表面の濡れ性の改善ができるので、酸化を問題とする被
処理体又は発火等の危険性がある雰囲気においてる被処
理体の処理に適用でき、新たなプロセスが提言できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る大気圧プラズマ生成
装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施例の説明図であって、(1)
は斜視図であり、(2)は平面図であり、(3)は
(2)のA−A線の沿った断面図である。
【図3】第2実施の形態に係るプラズマ生成装置による
一定の酸素ガス流量に対するヘリウムガス流量と、グロ
ー放電を開始時およびグロー放電OFF時における高周
波入力電力との関係を示し図である。
【図4】第2実施の形態に係るプラズマ生成装置による
一定の四フッ化炭素ガス流量に対するヘリウムガス流量
と、グロー放電を開始時およびグロー放電OFF時にお
ける高周波入力電力との関係を示し図である。
【図5】第3実施例に係る大気圧プラズマ生成装置の断
面図である。
【図6】第4実施例に係る大気圧プラズマ生成装置の断
面図である。
【図7】第5実施例の概略構成図である。
【図8】低周波放電に高周波出力を重畳することによっ
て得られる放電の発光強度を示す特性図である。
【図9】窒素ガスの酸素ガスに対する混合率による有機
物除去速度を示す特性図である。
【図10】第6実施例の概略的な装置構成図である。
【図11】窒素ガスの周波数によるガラス基板表面の処
理時間による接触角を示す特性図である。
【図12】窒素ガスの酸素がすに対する混合率によるガ
ラス基板表面の処理時間による接触角を示す特性図であ
る。
【図13】第7実施例の斜視図と断面図である。
【図14】第8実施例の断面図である。
【図15】第9実施例の断面図と斜視図である。
【図16】さらに他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 誘電体 2a、2b 電極 3、5 フィルター回路 4 昇圧トランス 6 インピーダンス整合器 7 ステージ 8 被処理体 9 低周波電源(20kHz電源) 10 高周波電源(13.56MHz電源) 11 窒素生成器 12 中間チャンバー 13 ガス供給スリット 20 ヒーター 21 チャンバー 22 プラズマ生成領域 23、46 ガス流路 25 高周波電源 26 プラズマ検出手段(光センサ) 28 制御手段(コントローラ) 34、38 第1ガス供給手段(酸素ガスボンベ、流
量制御弁) 36、40 第2ガス供給手段(ヘリウムガスボン
ベ、流量制御弁) 42 プラズマ生成装置 44 セル(誘電体) 58 低周波電極 60 高周波電極 66 接地電極 70、72 プラズマ生成装置 82 パイプ 86 放電用ガス 98 処理ボックス 108、120 高周波電極 106、122 接地電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 義明 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体により形成した大気圧又はその近
    傍の圧力下にあるプラズマ生成領域に放電用ガスを導入
    し、前記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極とに
    高周波電圧を印加してプラズマを発生させる大気圧プラ
    ズマ生成方法において、 希ガスと表面処理用ガスとの混合ガスを前記プラズマ生
    成領域に供給してプラズマを発生させ、その後、前記希
    ガスの供給を停止することを特徴とする大気圧プラズマ
    生成方法。
  2. 【請求項2】 誘電体により形成した大気圧又はその近
    傍の圧力下にあるプラズマ生成領域に放電用ガスを導入
    し、前記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極とに
    高周波電圧を印加してプラズマを発生させる大気圧プラ
    ズマ生成方法において、 希ガスを前記プラズマ生成領域に供給してプラズマを発
    生させ、その後、表面処理用ガスを前記プラズマ生成領
    域に供給して表面処理用ガスによるプラズマを生成する
    とともに、前記希ガスの供給を停止することを特徴とす
    る大気圧プラズマ生成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記表面処理用ガスは、酸素ガス又は四フッ化炭素ガス
    であることを特徴とする大気圧プラズマ生成方法。
  4. 【請求項4】 誘電体により形成した大気圧又はその近
    傍の圧力下にあるプラズマ生成領域に放電用ガスを導入
    し、前記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極とに
    高周波電圧を印加してプラズマを発生させる大気圧プラ
    ズマ生成方法において、 少なくとも前記プラズマ生成領域での放電開始時に、前
    記プラズマ生成領域に電子又はガス状の活性種を前記放
    電用ガスとともに供給してプラズマを発生させることを
    特徴とする大気圧プラズマ生成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記放電用ガスは、酸素ガス、四フッ化炭素ガス又はこ
    れらの1つと希ガスとの混合ガスであることを特徴とす
    る大気圧プラズマ生成方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、 前記プラズマの発生後に、前記電子又は活性種の供給を
    停止することを特徴とする大気圧プラズマ生成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかにおいて、 前記高周波電圧は、周波数が400kHz〜100MH
    zであることを特徴とする大気圧プラズマ生成方法。
  8. 【請求項8】 プラズマ生成領域を形成する誘電体と、
    大気圧又はその近傍の圧力下にある前記プラズマ生成領
    域に表面処理用ガスを供給する第1ガス供給手段と、大
    気圧又はその近傍の圧力下にある前記プラズマ生成領域
    に、希ガスを供給する第2ガス供給手段と、前記誘電体
    を挟んで設けた第1電極及び第2電極と、この第1電極
    と第2電極との間に高周波電圧を印加する高周波電源
    と、前記プラズマ生成領域にプラズマが発生したことを
    検知するプラズマ検出手段と、このプラズマ検出手段の
    検出信号に基づいて前記第2ガス供給手段を制御し、前
    記プラズマ生成領域への前記希ガスの供給を停止する制
    御手段とを有することを特徴とする大気圧プラズマ生成
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記制御手段は、前記希ガスによるプラズマの発生後
    に、前記第1ガス供給手段を制御して前記プラズマ生成
    領域に前記表面処理用ガスを供給することを特徴とする
    大気圧プラズマ生成装置。
  10. 【請求項10】 プラズマ生成領域を形成する誘電体
    と、大気圧又はその近傍の圧力下にある前記プラズマ生
    成領域に放電用ガスを供給するガス供給手段と、大気圧
    又はその近傍の圧力下にある前記プラズマ生成領域に電
    子又はガス状の活性種を供給するトリガ供給手段と、前
    記誘電体を挟んで設けた第1電極及び第2電極と、この
    第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加し、プラ
    ズマを発生させる高周波電源とを有することを特徴とす
    る大気圧プラズマ発生装置。
  11. 【請求項11】 プラズマ生成領域を形成する誘電体
    と、大気圧又はその近傍の圧力下にある前記プラズマ生
    成領域に放電用ガスを供給するガス供給手段と、大気圧
    又はその近傍の圧力下にある前記プラズマ生成領域に電
    子又はガス状の活性種を供給するトリガ供給手段と、前
    記誘電体を挟んで設けた第1電極及び第2電極と、この
    第1電極と第2電極との間に高周波電圧を印加し、プラ
    ズマを発生させる高周波電源と、前記プラズマ生成領域
    にプラズマが発生したことを検知するプラズマ検出手段
    と、このプラズマ検出手段の検出信号に基づいて、前記
    トリガ供給手段を制御して前記電子又は活性種の供給を
    停止する制御手段とを有することを特徴とする大気圧プ
    ラズマ発生装置。
  12. 【請求項12】 請求項8乃至11のいずれかにおい
    て、 前記高周波電源の出力する高周波電圧は、周波数が40
    0kHz〜100MHzであることを特徴とする大気圧
    プラズマ生成装置。
  13. 【請求項13】 請求項8乃至12のいずれかにおい
    て、 前記高周波電源に接続した前記電極を取り付けた前記誘
    電体には、前記高周波電源に接続した電極を覆ってカバ
    ーが設けてあり、このカバー内に空気より放電しにくい
    流体が注入してあることを特徴とする大気圧プラズマ生
    成装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、 前記空気より放電しにくい流体は四フッ化炭素ガスであ
    り、前記誘電体には前記カバーの内部と前記プラズマ生
    成領域とを連通する孔が形成され、この孔を介して前記
    カバー内に注入された四フッ化炭素ガスを前記プラズマ
    生成領域に供給することを特徴とする大気圧プラズマ生
    成装置。
  15. 【請求項15】 請求項13乃至14のいずれかにおい
    て、 前記高周波電源に接続した電極と前記カバーの内面との
    距離は、前記プラズマ生成領域の放電ギャップより大き
    くしてあることを特徴とする大気圧プラズマ生成装置。
  16. 【請求項16】 大気圧又はその近傍の圧力下で、一対
    の誘電体により形成されたセルと、前記誘電体を挟んだ
    第1電極及び第2電極から構成され、前記セル内に放電
    用ガスを導入し、前記第1電極及び第2電極間に高周波
    電圧を印加することでプラズマを生成し、プラズマによ
    って生成された活性種を被処理体に照射処理して前記被
    処理体の表面の有機物を除去する表面処理方法におい
    て、 前記放電用ガスは、窒素及び酸素を含むガスであり、窒
    素の酸素に対する混合率=(窒素流量/(窒素流量十酸
    素流量))×100が99%以上であることを特徴とす
    る表面処理方法。
  17. 【請求項17】 大気圧又はその近傍の圧力下で、一対
    の誘電体により形成されたセルと、前記誘電体を挟んだ
    第1電極及び第2電極から構成され、前記セル内に放電
    用ガスを導入し、前記第1電極及び第2電極間に高周波
    電圧を印加することでプラズマを生成し、プラズマによ
    って生成された活性種を被処理体に照射処理して前記被
    処理体の表面を親水化する表面処理方法において、 前記放電用ガスは、窒素及び酸素を含むガスであり、窒
    素の酸素に対する混合率=(窒素流量/(窒素流量十酸
    素流量))×100が99%以上であることを特徴とす
    る表面処理方法。
  18. 【請求項18】 請求項16又は17において、 前記プラズマを継続的に生成する放電維持手段が1MH
    z〜100MHzの高周波電圧を印加することであるこ
    とを特徴とする表面処理方法。
  19. 【請求項19】 請求項18において、 電極に前記放電維持手段と、50kHz以下の高電圧印
    加手段を併設し、前記高電圧印加手段を前記放電維持手
    段に重畳して印加し、放電開始後、前記放電維持手段単
    独または前記放電維持手段に前記高電圧印加手段を重畳
    して用いることを特徴とする表面処理方法。
  20. 【請求項20】 請求項18において、 放電開始前に予め前記誘電体の放電面を加熱することを
    特徴とする表面処理方法。
  21. 【請求項21】 大気圧又はその近傍の圧力下で、一対
    の誘電体により形成されたセルと、前記誘電体を挟んだ
    第1電極及び第2電極から構成され、前記セル内に放電
    用ガスを導入し、前記第1電極及び第2電極間に電圧を
    印加することでプラズマを生成し、プラズマによって生
    成された活性種を被処理体に照射処理する表面処理方法
    において、 少なくともプラズマ生成開始までの所定の期間、前記第
    1電極及び前記第2電極間に複数の異なる周波数を有す
    る電圧を重畳して印加することを特徴とする表面処理方
    法。
  22. 【請求項22】 請求項21において、 前記複数の異なる周波数を有する電圧は、少なくとも、
    1MHz〜100MHzの第1電圧源及び50kHz以
    下の第2電圧源から供給されるものてあることを特徴と
    する表面処理方法。
  23. 【請求項23】 誘電体により形成したプラズマ生成領
    域に大気圧又はその近傍の圧力下で放電用ガスを導入
    し、前記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極とに
    高周波電圧を印加してプラズマを生成し、プラズマによ
    って生成された活性種を被処理体に照射して前記被処理
    体の表面の有機物を除去する表面処理方法において、 前記プラズマ生成領域に希ガスと酸素ガスとの混合ガス
    を供給してプラズマを発生させ、その後、希ガスの供給
    を停止して酸素ガスによるプラズマを生成することを特
    徴とする表面処理方法。
  24. 【請求項24】 誘電体により形成した大気圧又はその
    近傍の圧力下にあるプラズマ生成領域に放電用ガスを導
    入し、前記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極と
    に高周波電圧を印加してプラズマを生成し、プラズマに
    よって生成された活性種を被処理体に照射して前記被処
    理体の表面の有機物を除去する表面処理方法において、 前記プラズマ生成領域に希ガスを供給してプラズマを発
    生させたのち、前記プラズマ生成領域に酸素ガスを供給
    して酸素ガスによるプラズマを生成するとともに、前記
    希ガスの供給を停止することを特徴とする表面処理方
    法。
  25. 【請求項25】 誘電体により形成した大気圧又はその
    近傍の圧力下にあるプラズマ生成領域に放電用ガスを導
    入し、前記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極と
    に高周波電圧を印加してプラズマを生成し、プラズマに
    よって生成された活性種を被処理体に照射して前記被処
    理体の表面の有機物を除去する表面処理方法において、 電子又はガス状の活性種を酸素ガス又は酸素ガスと希ガ
    スとの混合ガスからなる放電用ガスとともに前記プラズ
    マ生成領域に供給してプラズマを生成させることを特徴
    とする表面処理方法。
  26. 【請求項26】 誘電体により形成したプラズマ生成領
    域に大気圧又はその近傍の圧力下で放電用ガスを導入
    し、前記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極とに
    高周波電圧を印加してプラズマを生成し、プラズマによ
    って生成された活性種を被処理体に照射して前記被処理
    体の表面をエッチングする表面処理方法において、 前記プラズマ生成領域に希ガスと四フッ化炭素ガスとの
    混合ガスを供給してプラズマを発生させ、その後、希ガ
    スの供給を停止して四フッ化炭素ガスによるプラズマを
    生成することを特徴とする表面処理方法。
  27. 【請求項27】 誘電体により形成した大気圧又はその
    近傍の圧力下にあるプラズマ生成領域に放電用ガスを導
    入し、前記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極と
    に高周波電圧を印加してプラズマを生成し、プラズマに
    よって生成された活性種を被処理体に照射して前記被処
    理体の表面をエッチングする表面処理方法において、 前記プラズマ生成領域に希ガスを供給してプラズマを発
    生させたのち、前記プラズマ生成領域に四フッ化炭素ガ
    スを供給して四フッ化炭素ガスによるプラズマを生成す
    るとともに、前記希ガスの供給を停止することを特徴と
    する表面処理方法。
  28. 【請求項28】 誘電体により形成した大気圧又はその
    近傍の圧力下にあるプラズマ生成領域に放電用ガスを導
    入し、前記誘電体を挟んで設けた第1電極と第2電極と
    に高周波電圧を印加してプラズマを生成し、プラズマに
    よって生成された活性種を被処理体に照射して前記被処
    理体の表面をエッチングする表面処理方法において、 電子又はガス状の活性種を四フッ化炭素ガス又は四フッ
    化炭素ガスと希ガスとの混合ガスからなる放電用ガスと
    ともに前記プラズマ生成領域に供給してプラズマを発生
    することを特徴とする表面処理方法。
  29. 【請求項29】 請求項25又は28において、 前記プラズマの発生後に、前記電子又は活性種の前記プ
    ラズマ生成領域への供給を停止することを特徴とする表
    面処理方法。
  30. 【請求項30】 請求項23乃至29のいずれかにおい
    て、 前記高周波電圧は、周波数が400kHz〜100MH
    zであることを特徴とする表面処理方法。
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