JPH10275922A - 光電変換装置 - Google Patents

光電変換装置

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JPH10275922A
JPH10275922A JP9078607A JP7860797A JPH10275922A JP H10275922 A JPH10275922 A JP H10275922A JP 9078607 A JP9078607 A JP 9078607A JP 7860797 A JP7860797 A JP 7860797A JP H10275922 A JPH10275922 A JP H10275922A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで高効率な光電変換装置を提供する
こと。 【解決手段】 一主面が受光面を成す透光性基板1の他
主面上に、アルミニウム、マグネシウム、及びカルシウ
ムのうち少なくとも1種を含有する結晶酸化物層2、及
びpn接合を有する複数層から成るシリコン半導体層S
1が順次積層されて成るとともに、シリコン半導体層S
1のp層及びn層から出力を導出するようにしたことを
特徴とする光電変換装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜多結晶シリコ
ン太陽電池や光センサ等の光電変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光電変換装置の一つである太
陽電池の分野においては、結晶シリコンウエハーを用い
た結晶シリコン太陽電池が実用化されているが、大量の
結晶シリコンウエハーを用いる必要があるため、原料不
足の問題、原料コストの問題等があり、これらの問題を
解決できる薄膜多結晶シリコンを用いた低コストかつ高
効率な薄膜多結晶シリコン太陽電池の開発、実用化が期
待されている。
【0003】一般に薄膜太陽電池を低コストで製造する
ための第1の要件は、使用する基板が低コストであるこ
とである。この要求に見合う基板としては、ガラス基板
やSUS基板等があり、低温プロセスであることを特徴
とするアモルファスシリコン太陽電池においては、既に
実用化がなされている。薄膜多結晶シリコン太陽電池に
おいても、素子プロセスを比較的低温とすることで、ガ
ラス基板、SUS基板等の低コスト基板を使えることが
望まれる。
【0004】この方向で進められている研究例を挙げる
と、日本国内では、ガラス基板上に形成されたレーザー
アニール法による薄膜多結晶シリコン下地層上へp−C
VD法による薄膜多結晶シリコン光活性層を製膜する方
式 1 (Proc.1st.WCPEC(1994)1575-1578 、特開平6-16
3957、特開平7-94766 参照)、また、SUS基板上にp
−CVD法で形成されたアモルファスシリコンをSPC
(固相結晶化)法を用いて多結晶化する方式 2 (Pro
c.1st.WCPEC(1994)1315-1318 、特開平2-28315、特開平
6-204539、特開平7-135332、特開平7-335660参照)など
がある。
【0005】また、日本国外においては、LPE法を用
いて液相から薄膜多結晶シリコンをガラス基板上に成長
させる方式 3 (Proc.1st.WCPEC(1994)1579-1582 、So
lid State Phenomena 37-38(1994)459-464、Journal of
Material Science:Materialsin Electronics .5 (199
4)305-309 、J.Electrochem.Soc. Vol.140,No.11(1993)
3290-3293 参照)が研究されている。
【0006】次に、薄膜太陽電池を低コストで製造する
ための第2の要件は、素子の変換効率がより高いことで
ある。これは、変換効率がより高いほどワット当たりの
製造コストが下がるためである。この変換効率を向上さ
せる対策のひとつとして、光入射面側に存在する金属電
極面積をできるだけ減らすことで反射損失光をできるだ
け少なくする方法がある。これに関して、単結晶あるい
は多結晶結晶シリコン基板を用いた素子においては、光
入射側金属電極をファインパターンとして金属電極面積
を減らして金属面で反射する光の量を少なくし、より多
くの入射光を結晶シリコン内部へ導入しようとする試み
が検討されている(第3回高効率太陽電池ワークショッ
プ(富山、1992)28参照)。また、高品質の基板を用
い、pn接合、プラス極電極、及びマイナス極電極をと
もに光入射面とは反対側に配置して、金属電極による光
反射損失を無くした素子構造についても研究がなされて
いる(R.A.Sinton et al, Electron Device Letters,vo
l.EDL-7(1986)567, R.R.Kinget al, 20th IEEE Photovo
ltaic Specialists Conf.,Las Vegas(1988)538 参
照)。一方、アモルファスシリコン太陽電池において
は、透明導電膜を用い、光入射側に高反射率の金属電極
を配置しなくてもよい構造としており、少なくとも入射
光が金属電極で遮られてしまうことは回避できている。
【0007】また、前記以外の高効率化対策のひとつと
して、電極部以外の面での入射光の反射率を下げる方法
についても検討が進められている。この方法において
は、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜などの反射防止膜
を成膜して表面反射率を低減する方法が従来より広く実
施されているが、近年は、より表面反射率を下げること
ができ、かつ、一度シリコン内部に入射した光が再度シ
リコン表面から離脱する確率を低減することができるラ
イトトラッピング構造(光閉じ込め構造)の研究が進め
られてきている。このライトトラッピング構造として代
表的な例は、シリコンを特定の液でウエットエッチング
する際に結晶面方位でエッチング速度が異なることを利
用して形成するTexture 構造(J.Haynos et al, Int.
Conferenceon Photovoltaic Power Generation(Hambur
g,1974)487参照)や、ドライエッチング技術であるRI
E法を用いて形成されるランダムかつ微細な表面構造
(K.Fukui et al, Technical Digest of the Internati
onal PVSEC-9(1996)93-96 、同109-110 参照)などが知
られている。
【0008】以上、薄膜多結晶シリコン太陽電池を低コ
ストで製造可能とするには、ガラス基板等の安価な基板
を使うことができることが望ましい。また変換効率をよ
り高くするためには光入射側金属電極面積ができるだけ
小さいことが望ましく、さらには光入射側への金属電極
の配置を回避できればよりいっそう望ましい。また、ラ
イトトラッピング構造についても導入できることが望ま
しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】薄膜多結晶シリコン太
陽電池の製造にあたって、低コスト材料を用い、かつ高
効率化する際の上記方式の問題点を挙げると下記のごと
くである。
【0010】方式 1 では、ガラス基板を用いることで
低コスト材料化を図っているが、この上に薄膜多結晶シ
リコン層を形成するにあたって使用するレーザーアニー
ル法での大面積再結晶化速度が遅いため低コスト量産化
に適していない。また、再結晶化した結晶粒径が最大で
約1μm程度と充分大きくできず、結晶粒界の存在度が
高くなるため、そこでの再結合の影響が大きくなり、高
効率化に適していない。さらに、p−CVD法による光
活性層形成において、その膜質を光活性層レベルの品質
として充分な膜厚とするには数時間を要するため、低コ
スト化に不向きな問題がある。また、光入射面側の電極
層として、透明導電膜であるITO膜を使用している
が、その取り出し電極部分には、何らかの金属電極端子
が形成されるため、この部分に入射する光が反射損失し
てしまう問題がある。また、素子裏面側電極の取り出し
部分も光入射面側に形成されることになるので、この部
分の面積に相当する入射光が利用できないという問題が
ある。加えて太陽電池素子裏面側に金属電極が形成され
ていないので、素子裏面に到達した光のうち、少なから
ぬ量の光がそのまま透過してしまい、入射光の利用効率
が低いという問題がある。
【0011】方式 2 では、SUS基板を用いて低コス
ト材料化を図っているが、SPC法を適用するアモルフ
ァスシリコン層の形成に数時間を要し、さらにその固相
結晶化に10時間程度を要し、低コスト量産化に問題が
ある。また、再結晶化した結晶粒径が最大約1μm程度
で充分大きくできず、結晶粒界の存在度が高くなるため
に、そこでの再結合量が多くなってしまい高効率化に適
していない。
【0012】また、光入射面側の電極層として、透明導
電膜であるITO膜を使用しているが、その取り出し電
極部分には、何らかの金属電極端子が形成されるため、
この部分に入射する光が反射損失してしまう問題があ
る。
【0013】方式 3 では、ガラス基板を用いて低コス
ト材料化を図っているが、現状のLPE法では太陽電池
級の大面積素子に適した装置開発に難点があり、膜形成
速度も充分ではないため低コスト量産化に問題がある。
また、膜品質も充分なものとなっていないため、現状で
は素子化研究に関する報告はなされておらず、表電極、
裏面電極の形成方法に関する研究例も知られていない。
【0014】そこで、本発明では、上述の諸問題を解消
し、低コストで高効率な光電変換装置を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明の光電変換装置は、一主面が受光面を成す透
光性基板の他主面上に、アルミニウム、マグネシウム、
及びカルシウムのうち少なくとも1種を含有する結晶酸
化物層、及びpn接合を有する複数層から成るシリコン
半導体層が順次積層されて成るとともに、シリコン半導
体層のp層及びn層から出力を導出するようにしたこと
を特徴とする。
【0016】これにより、比較的低温な素子プロセスと
することによって低コスト材料としてのガラス基板を用
いることができる。
【0017】すなわち、ガラス基板上に、アルミニウ
ム,マグネシウム,及びカルシウムのうち少なくとも1
種を含有する結晶酸化物層が形成されており、さらにこ
の上に不純物濃度に関して複数の多結晶シリコン薄膜層
が形成されている薄膜多結晶シリコン太陽電池であっ
て、pn接合、正電極及び負電極が、それぞれ前記薄膜
多結晶シリコン層上に形成されており、入射光はガラス
面側から取り入れることを特徴とする。これによって、
光入射側における金属電極による光反射損失を無くすこ
とができ、入射光の利用効率を高めることができる。
【0018】また、シリコン半導体層の結晶酸化物層に
接する下部層が多結晶状態であり且つその平均粒径が透
光性基板の他主面に平行な方向に3μm以上であること
を特徴とする。また、シリコン半導体層の結晶酸化物層
に接する下部層が多結晶状態であり且つその結晶方位が
透光性基板の他主面に垂直な方向へ主に<111>方位
が選択配向していることを特徴とする。
【0019】すなわち、液相を介した結晶成長であるこ
とを利用して、前記複数のシリコン半導体層のうち、少
なくとも結晶酸化物層に接する下部層中の結晶シリコン
粒に関して、その粒径が基板に水平な方向(基板面方
向)に対して平均粒径が3μm以上とする。特に好適に
は約10μm程度以上の比較的大粒径であるものが主に
存在し、また、その結晶方位が、基板に垂直な方向に対
して主に<111>方位に配向するようにする。これに
より、特に薄膜多結晶シリコン太陽電池において高効率
とすることができる。
【0020】また、薄膜多結晶シリコン中のキャリアの
ライフタイムが最低0.1μsec程度以上、より好適
には約1μsec程度以上であることが望ましいが、そ
のためには、結晶シリコン粒径が、結晶粒界のパッシベ
ーションの程度にもよるが、約10〜30μm程度以上
であることが望ましい(糀谷他:第5回高効率太陽電池
ワークショップ(1995)長野pp.19-22参照)。本発
明の薄膜多結晶シリコンは、この条件に沿うものであ
り、高効率化に好適である。また、結晶方位が、基板に
垂直な方向に対して主に<111>方位に配向している
ことにより、結晶シリコンが多結晶であっても、その表
面をほぼ平坦にすることができ、後述の結晶シリコン層
の表面のランダムかつ微細な凹凸構造の形成の際に、そ
の構造を基板全域に渡ってほぼ均一に、しかも容易に形
成することを可能としている。
【0021】また、シリコン半導体層の結晶酸化物層に
接する下部層が多結晶状態であり且つそのドーピング不
純物濃度が1016〜1022/cm3 であることを特徴と
する。このドーピング不純物濃度における下限値を逸脱
すると、素子の光入射面側における再結合が大きくな
り、太陽電池特性における開放電圧の低下などの特性低
下を生じる。
【0022】また、本発明の光電変換装置は、前記複数
の多結晶シリコン層の総厚が1〜50μmであることを
特徴とする。多結晶シリコン層の厚さが薄すぎると入射
光の充分な利用ができなくなるため短絡電流が減り、一
方、逆に厚すぎると膜質にもよるが一般に暗電流が増加
して開放電圧が低下し、また、光生成キャリアの電極ま
での拡散による移動距離も長くなるため拡散移動中での
再結合確率が増して短絡電流にも悪影響が出ることがあ
る。
【0023】また、シリコン半導体層の正電極又は負電
極に接する層が粗面状で且つその反射率が波長400〜
1000nmの光に対し5%以下であることを特徴とす
る。すなわち、半導体層のうち正及び負電極に接する薄
膜多結晶シリコン層について、その接触面がランダムか
つ微細な凹凸構造となっており、その接触面を表面とし
た場合の反射率が波長400〜1000nmの光に対し
5%以下であることを特徴とする。太陽電池の場合、特
性向上のためにはライトトラッピング構造を導入するこ
とが重要となるが、本発明においては、電極に接する薄
膜多結晶シリコン層の表面をRIE法によるドライエッ
チング技術を用いて、微細かつランダムな凹凸構造と
し、素子裏面での光散乱の効果を高めて太陽電池の高効
率化に優れて好適なライトトラッピング構造を実現して
いるため、従来の薄膜素子よりも格段に高効率な太陽電
池の作製を可能としている。
【0024】
【発明の実施形態】以下に、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すように、
本発明の光電変換装置P1は、一主面1aが入射光を受
光する受光面を成す透光性基板の一つであるガラス基板
1の他主面1b上に、アルミニウム,マグネシウム,及
びカルシウムのうち少なくとも1種を含有する結晶酸化
物層2、及びpn接合を有する複数層から成るシリコン
半導体層S1が順次積層されて成るとともに、シリコン
半導体層S1のp層及びn層から出力を導出するよう
に、正電極及び負電極が並設されていることを特徴とす
る。
【0025】なお、ガラス基板1としては、コーニング
社の7059基板、1737基板、及び各ガラスメーカ
ーによって最も一般的に商品化がなされているソーダガ
ラス基板を用いる。以下ガラス基板による差が問題とな
る場合を除いて、7059基板を用いた例に基づき説明
するが、これに限定されるものではない。また、結晶酸
化物層としては、酸化アルミニウムを用いる例について
説明する。
【0026】まず、ガラス基板1上に、結晶酸化物層で
ある酸化アルミニウム層2を、10nm〜5000nm
程度の膜厚で形成する。この層の形成にあたっては、蒸
着法、CVD法、スパッタ法等の公知の真空成膜技術を
用いることができる。
【0027】次に上記酸化アルミニウム層2上に薄膜多
結晶である第1のシリコン層3を、0.1〜5μm程度
の膜厚で形成する。ただし、後に述べる第2のシリコン
層4を形成しない場合は、この第1のシリコン層は、1
〜50μm程度の膜厚とする。この第一の薄膜多結晶シ
リコン層の形成にあたっては、比較的低温下での液相を
介した結晶成長とし、比較的大粒径な結晶粒成長を行わ
せる。
【0028】すなわち、Siと、これと共融系をなす金
属元素との共融現象によって、比較的低温下で液相を形
成し、また、液相を介した結晶成長であることを利用し
て、比較的大粒径な結晶成長を行わせる。
【0029】このとき、Siと共融金属の供給及び反応
方法としては、Siと共融金属の粉末からなる混合物を
ガラス基板1上へ供給して熱処理する方式や、共融金属
及びSiを気相状態で同時に成膜、あるいは共融金属層
を成膜した後にSi層を成膜し、成膜中あるいは、成膜
後に熱処理する方式などがある。ここで、Siと共融系
を成す金属元素としては、アルミニウム(Al)、錫
(Sn)、インジウム(In)、アンチモン(Sb)、
ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)等、及びこれらの
混合物がある。
【0030】液相の形成は、Siと共融金属元素の共融
点温度以上とすることで実現する。例えばSiとAlと
からなる系においては、SiとAlの共融点温度である
577℃以上の温度で熱処理する。雰囲気としては、ア
ルゴン(Ar)ガスや、窒素(N2 )ガスなどの不活性
ガス雰囲気、あるいは還元性のある水素(H2 )ガスと
不活性ガスとを適当な比で混合したガス雰囲気とする。
また、圧力は、真空等、減圧条件が望ましいが、常圧で
あってもよい。熱処理時間は昇温、降温時間を除いて正
味5分から60分程度とする。
【0031】特に、共融金属としてAlを含んだ金属を
用いる場合は、Alをドーピング元素としても利用可能
であるため、素子化するにあたって、この第1のシリコ
ン層3をp++層として機能させることができる。p+
+層の存在は、後に述べる第2のシリコン層4の光入射
面側に内蔵電界を形成し、光入射面側での光生成キャリ
アの再結合を減らす働きを持つため、高効率化に好適な
ものとなる。このとき、第1のシリコン層3(シリコン
半導体層Sの下部層)中のドーピング不純物濃度は、好
適には1018〜1022/cm3 程度であるが、ドーピン
グ不純物濃度が1016〜1018/cm3 程度である場合
も、前述した効果は少なくなるものの、太陽電池として
の利用を妨げるものではない。また、このとき得られる
結晶粒径は、基板に水平な方向(基板面方向)に対して
平均粒径が3μm 以上であり、約10μm程度以上の比
較的大粒径であるものが主体であった。これにより結晶
粒界の存在度が減り、結晶粒界でのキャリア再結合が低
減されるため、太陽電池の高効率化により好適となる。
また、酸化アルミニウム層2は、多結晶シリコン成長の
ための下地層として好適であり、前述の液相がガラス基
板と反応することを防止する働きも有している。さら
に、この酸化アルミニウム層2の存在によって多結晶シ
リコン層の結晶方位に配向性を与えることもできる。本
発明においては、酸化アルミニウム層2上に成長した薄
膜多結晶シリコンは、基板に垂直な方向に対して主に<
111>方位に選択配向したものとなる。
【0032】次に、第1のシリコン層3上へ、CVD法
やスパッタ法などの真空成膜技術を用いて薄膜多結晶で
ある第2のシリコン層4を、第1のシリコン層3と合わ
せて1〜50μmの総膜厚となるように積層する。ここ
で、第2のシリコン層4のドーピング濃度は、光活性層
として好適に機能するように約1014〜3×1018/c
3 とする。なお、第2のシリコン層4を比較的低温下
で高速に成膜する方法としては、特にcat-CVD法があ
る。また、第2のシリコン層4は、第1のシリコン層3
を形成する際に用いた前述の手法によって形成してもよ
い。ただし、用いる共融金属としては、おもにSnやI
n等の本来ドーピングに関与しない元素を主体とし、A
l(p型ドーピング元素)やSb(n型ドーピング元
素)は、必要な量だけ調節して導入するようにして、先
に述べたドーピング濃度条件を逸脱しないようにして光
活性層としての品質を損なわないようにする。なお、第
2のシリコン層4を形成しない場合は、第1のシリコン
層3の膜厚を1〜50μmとし、ドーピング不純物濃度
を、1016〜3×1018/cm3 程度とする。
【0033】次に、前述の第2のシリコン層4の表面
(素子としては裏面側になる)を、RIE(Reactive I
on Etching)法によるドライエッチング技術を用いてラ
ンダムかつ微細な凹凸構造とする。
【0034】このRIE法による表面構造は、優れたラ
イトトラッピング効果をもたらし、特に薄膜多結晶シリ
コン太陽電池など薄膜状態で入射光の利用効率を高めた
い要求がある場合には、非常に効果的である。
【0035】なお、ここで、RIE法によるランダムか
つ微細な凹凸構造の形成は、第1のシリコン層3が形成
された時点で、この第1のシリコン層3の表面に対して
行っておいてもよい。その場合、上に述べた第2のシリ
コン層3が、第1のシリコン層3の表面に形成されたラ
ンダムかつ微細な凹凸構造にならって積層されるため、
第2のシリコン層4の表面へRIE法を適用する場合と
同様のライトトラッピング構造の形成が可能である。も
ちろん、第1のシリコン層3の表面及び第2のシリコン
層4の表面の両方にRIE法によるランダムかつ微細な
凹凸構造を形成してもよい。
【0036】このようにして、シリコン半導体層7の後
記する正電極又は負電極に接する層が粗面状で、且つそ
の反射率が波長400〜1000nmの光に対し5%以
下となり、高効率の太陽電池を実現させることが可能と
なる。
【0037】次に、光活性層である第2のシリコン層4
上の所定の領域に、第2のシリコン層4の導電型とは逆
の導電型を有する第3のシリコン層5を成膜し、pn接
合を形成する。第3のシリコン層5の形成については、
CVD法、スパッタ法等、公知の真空薄膜形成技術を用
いることができる。ここで、第3のシリコン層5は、結
晶シリコン膜であっても、アモルファスシリコン膜であ
ってもよい。結晶シリコン膜である場合は、100〜2
000nm程度の膜厚で形成し、アモルファスシリコン
膜である場合は、5〜1000nm程度の膜厚で形成す
る。後者の場合、いわゆるヘテロ接合となるが、第2の
シリコン層4と第3のシリコン層(アモルファスシリコ
ン層)5の間に、真性型のアモルファスシリコン層を厚
さ2〜40nmで挿入すると特性向上により好適であ
る。
【0038】次に、光活性層である第2のシリコン層4
上の第3のシリコン層5を形成した領域とは別の特定の
領域に、第2のシリコン層4の導電型と同一の導電型
で、よりドーピング濃度の高い第4のシリコン層6を成
膜する。第4のシリコン層6の形成については、CVD
法、スパッタ法等、公知の真空薄膜形成技術を用いるこ
とができる。ここで、第4のシリコン層6は、結晶シリ
コン膜であっても、アモルファスシリコン膜であっても
よい。結晶シリコン膜である場合は、100〜2000
nm程度の膜厚で形成し、アモルファスシリコン膜であ
る場合は、5〜1000nm程度の膜厚で形成する。後
者の場合、いわゆるヘテロ接合となるが、第2のシリコ
ン層4と第4シリコン層(アモルファスシリコン層)6
の間に、真性型のアモルファスシリコン層を厚さ2〜4
0nmで挿入すると特性向上により好適である。なお、
第4のシリコン層6を形成しなくとも、pn接合を有す
る素子の形成を妨げるものではない。
【0039】次に、前述の第3及び第4のシリコン層
5,6上へ、第1及び第2の取り出し電極となる第1及
び第2金属電極7,8を、真空成膜技術、プリント及び
焼成技術、さらにメッキ技術等の公知の技術を組み合わ
せて形成し、薄膜多結晶シリコン太陽電池を形成する。
【0040】ここで、光生成キャリアをより効果的に取
り出すには、図1に示す第3及び第4のシリコン層5,
6の横幅をより狭くし、図2に示す光電変換装置P2の
ように第3及び第4のシリコン層25,26の配列をよ
り細密にすればよい。なお、図2は図3(a)の上面図
及びその断面斜視図である図3(b)のA視図である。
図2において27は櫛歯状の第1金属電極、28は第1
金属電極と極性の異なる櫛歯状の第2金属電極である。
シリコン半導体層S2は第1のシリコン層3、第2のシ
リコン層4、第3のシリコン層25、及び第4のシリコ
ン層26から構成される。また、他の構成については図
1と同様なものは図1と同一符号を付し説明を省略す
る。
【0041】また、第3及び第4のシリコン層の配列の
細密化に限界があったり、第2のシリコン層4の品質改
善に限界があって、それらだけでは高効率化することが
できない場合は、図4に示す光電変換装置P3のよう
に、第3のシリコン層35が成膜されている領域を、第
4のシリコン層36が成膜されている領域よりも充分広
くとるようにし、第1のシリコン層3と第4のシリコン
層36を直接接触させるようにすればよい。なお、図4
において37は第1金属電極、38は第1金属電極と極
性の異なる第2金属電極である。シリコン半導体層S3
は第1のシリコン層3、第2のシリコン層4、第3のシ
リコン層35、及び第4のシリコン層36から構成され
る。また、他の構成については図1と同様なものは図1
と同一符号を付し説明を省略する。
【0042】また、第4のシリコン層を形成しない場合
においても、第3のシリコン層と第2の取り出し電極の
配列の細密化に限界があったり、第2のシリコン層の品
質改善に限界があって、それらだけでは高効率化するこ
とができない場合は、図5に示す光電変換装置P4のよ
うに、第3のシリコン層45が成膜されている領域を、
第3のシリコン層45が成膜されていないの領域よりも
充分広くとるようにし、第2の取り出し電極をとなる第
2の金属電極48を第1のシリコン層3に直接接触させ
るようにすればよい。なお、図5において47は第1金
属電極、48は第1金属電極と極性の異なる第2金属電
極である。シリコン半導体層S4は第1のシリコン層
3、第2のシリコン層4、第3のシリコン層45から構
成される。また、他の構成については図1と同様なもの
は図1と同一符号を付し説明を省略する。
【0043】以上によって、ガラス基板を用いた低コス
トかつ高効率な薄膜多結晶シリコン太陽電池に非常に好
適な光電変換装置を提供することができる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の光電変換
装置によれば、正電極及び負電極が共に光受光面とは反
対側の面に配置されているため、入射光の金属電極によ
る表面反射を皆無にすることができ、高効率太陽電池等
に好適な入射光の利用効率が非常に高い光電変換装置を
得ることができる。
【0045】また、基板上に結晶酸化物層を介して結晶
シリコン層を形成する構造となっているため、結晶シリ
コンを基板との反応を防止しつつ液相を介した結晶成長
法で形成することができる。このため、基板として安価
なガラス基板を用いることができ、また液相を介した結
晶成長法であることにより、シリコン結晶粒径の充分な
拡大が容易となり、さらにまた、結晶酸化物の存在によ
り、この上に成長する結晶シリコン層の結晶方位を特定
の方位に選択配向させることができる。
【0046】また、結晶酸化物層に接する結晶シリコン
層の不純物ドーピング濃度を特定の範囲とすることによ
って太陽電池等の光電変換装置の高効率化に好適な機能
を持たせることができる。
【0047】さらに、RIE法による優れたライトトラ
ッピング構造の導入によって、入射光の利用効率を高め
ることができ、高効率な光電変換装置を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光電変換装置を説明するための断
面図。
【図2】本発明に係る他の光電変換装置を説明するため
の断面図。
【図3】本発明に係る他の光電変換装置を説明するため
の図であって、(a)は上面図、(b)は一部断面斜視
図。
【図4】本発明に係る他の光電変換装置を説明するため
の断面図。
【図5】本発明に係る他の光電変換装置を説明するため
の断面図。
【符号の説明】
1:ガラス基板(透光性基板) 2:酸化アルミニウム層(結晶酸化物層) 3:第1のシリコン層 4:第2のシリコン層 5,25,35,45:第3のシリコン層 6,26,36:第4のシリコン層 S1〜S4:シリコン半導体層 P1〜P4:光電変換装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一主面が受光面を成す透光性基板の他主
    面上に、アルミニウム,マグネシウム,及びカルシウム
    の少なくとも1種を含有する結晶酸化物層と、pn接合
    を有する複数層のシリコン半導体層とが順次積層されて
    成るとともに、前記シリコン半導体層のp層及びn層か
    ら出力を導出するようにしたことを特徴とする光電変換
    装置。
  2. 【請求項2】 前記シリコン半導体層の下部層が多結晶
    状態であり、且つその平均粒径が透光性基板の主面方向
    に3μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    光電変換装置。
  3. 【請求項3】 前記シリコン半導体層の下部層が多結晶
    状態であり、且つその結晶方位が透光性基板の主面に垂
    直な方向へ主に<111>方位に選択配向していること
    を特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  4. 【請求項4】 前記シリコン半導体層の下部層が多結晶
    状態であり、且つそのドーピング不純物濃度が1016
    1022/cm3 であることを特徴とする請求項1に記載
    の光電変換装置。
  5. 【請求項5】 前記正電極又は負電極に接するシリコン
    半導体層が粗面状で、且つその反射率が波長400〜1
    000nmの光に対し5%以下であることを特徴とする
    請求項1に記載の光電変換装置。
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