JPH10277969A - 脚式移動ロボットの制御装置 - Google Patents

脚式移動ロボットの制御装置

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JPH10277969A
JPH10277969A JP10032420A JP3242098A JPH10277969A JP H10277969 A JPH10277969 A JP H10277969A JP 10032420 A JP10032420 A JP 10032420A JP 3242098 A JP3242098 A JP 3242098A JP H10277969 A JPH10277969 A JP H10277969A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脚式移動ロボット、特に2足歩行ロボットに
おいてロボットに作用する実全床反力および実各足平床
反力を適切に制御し、大域的のみならず局所的な傾斜や
突起を持つ路面でも安定した姿勢で歩行させる。 【解決手段】 ロボットの姿勢傾斜を検出し、目標全床
反力中心点まわりの補償全床反力モーメントを決定し、
各足平に分配して目標全床反力中心点まわりと目標各足
平床反力中心点まわりに、それぞれ所定角度回転させる
よう足平の位置・姿勢を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は脚式移動ロボット
の制御装置、詳しくはその姿勢制御装置に関し、より詳
しくは2足歩行ロボットなどの脚式移動ロボットの脚部
の動作をコンプライアンス制御し、脚式移動ロボットに
作用する床反力を適切に制御するようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】最も基本的で単純な脚式移動ロボット、
より具体的には2足歩行ロボットの制御装置は、目標運
動パターン生成装置と関節駆動制御装置から構成され
る。目標運動パターン生成装置は、少なくとも目標運動
パターンを生成する。通常、歩行の運動パターンは、そ
れから動力学的計算によって算出される、即ち、オイラ
ー・ニュートン方程式を解くことによって求められるZ
MP軌跡が予め設定しておいた望ましい軌跡になるよう
に生成される。関節駆動制御装置は、歩容生成装置が生
成する各関節の変位指令に追従するように各関節を制御
する。
【0003】ここで、ZMP(Zero Moment Point)は、
運動パターンによって発生する慣性力と重力の合力の床
面上の作用点まわりのモーメントが、鉛直軸まわりの成
分を除き、0である点を意味する。
【0004】尚、その装置においては、歩容生成装置が
平らな床面を想定して歩容を生成していたにも関わら
ず、図40に示すように、現在、両脚支持期の初期に、
前側の足平が予期しない路面を踏んでしまうと、その足
平に想定していた以上の過大な床反力が発生し、ロボッ
トが傾斜する。その問題を解決するために、本出願人
は、例えば特開平5−305586号公報において2足
歩行の脚式移動ロボットのその種の制御装置を提案して
いる。
【0005】そこにおいては、上体傾斜を検出して上体
姿勢を復元させるのに必要な復元モーメント要求量を求
めると共に、目標全床反力中心点(目標ZMP)まわり
の実全床反力モーメント成分を検出し、それを復元モー
メント要求量に一致させようと各足平を上下させるよう
に制御している。この実全床反力モーメントは、各実足
平床反力の合力が目標全床反力中心点(目標ZMP)ま
わりに発生させるモーメントである。
【0006】図40に示すような予期しなかった傾斜が
あった場合を例にとって先に提案した制御(以下『両脚
コンプライアンス制御』という)を説明する。尚、説明
のため、この図に示すように各足平に番号を付す。歩容
生成部は平らな床面を想定して歩容を生成していたにも
関わらず、図40に示すように、現在、両脚支持期の初
期に第1足平が予期しなかった斜面を踏んだため、第1
足平に望ましい値よりも大きな足平床反力が発生した瞬
間であると仮定する。また、この瞬間ロボットは未だ望
ましい姿勢(上体傾斜0)であったと仮定する。
【0007】提案した制御装置では、目標全床反力中心
点(目標ZMP)まわりの実全床反力モーメントが検出
される。この瞬間では、この実全床反力モーメントは、
第1足平床反力の鉛直成分が過大であるため、ロボット
を後に転倒させる方向に作用する。
【0008】このモーメントを0にしようと、図41に
示すごとく、仮想床面A−A’を想定し、各足平をあた
かも仮想床面上に乗せたまま、仮想床面を目標全床反力
中心点(目標ZMP)まわりに適当な角度Δθだけ回転
させた位置に各足平の位置を移動させる。
【0009】それにより、第1足平床反力の鉛直成分が
減少すると共に、第2足平床反力の鉛直成分が増大す
る。この結果、目標全床反力中心点(目標ZMP)まわ
りの実全床反力モーメントがほぼ0になる。即ち、床に
予期しなかった斜面があっても、両脚コンプライアンス
制御が正常に働くので、ロボットを転倒させないで歩行
継続させることができる。
【0010】しかしながら、この提案技術だけでは両脚
支持期に各足平実床反力を制御することができないの
で、足平の接地点あたりの床形状に予期しない局所的な
傾きや凹凸があると、足平の接地性が低下してスピンし
やすくなったり、急激な姿勢変化を起こして転倒する場
合がある。
【0011】例えば、図42に示すように、両脚支持期
に第1足平のつまさきが予期しない突起(段差)を踏ん
でしまうと、両脚支持期は、第1足平のつまさきが急激
に下がりつつある時期であるので、つまさきで床を強く
蹴ってしまい、第1足平床反力の鉛直成分が急増する。
その結果、目標全床反力中心点(目標ZMP)まわりに
急激に実全床反力モーメントが発生し、最悪の場合、両
脚コンプライアンスによって姿勢を復元させようとして
も間に合わずに転倒する。
【0012】また、両脚支持期で倒れなかったとして
も、その直後に第2足平を床から離したとき、目標全床
反力中心点(目標ZMP)は第1足平のかかとにあるに
もかかわらず、かかとが浮いているために実全床反力中
心点はつまさきにあるので、目標全床反力中心点(目標
ZMP)まわりにロボットを後に倒そうとする実全床反
力モーメントが発生し、転倒する。
【0013】即ち、この両脚コンプライアンス制御は、
長い距離でゆったりと変化する大域的な傾斜やうねりに
は対応できるが、足平の着地点の局所的な傾きや段差に
は対応できないと言える。
【0014】上記した両脚コンプライアンス制御とは別
に、本出願人は、例えば特開平5−305584号公報
において、2足歩行ロボットの足首部にゴムなどのばね
特性を持った着地衝撃吸収機構を備えると共に、各足首
まわりの実足平床反力モーメント成分を検出し、それを
0にしようと各足首を回転させる足首コンプライアンス
制御を提案している。
【0015】上記した問題点を解決するため、両脚コン
プライアンス制御に加えて、この特開平5−30558
4号公報で提案する技術(以下『足首コンプライアンス
制御』という)を併用することもできる。
【0016】その結果、足首コンプライアンス制御によ
って、図43に示すように、予期しなかった第1足平床
反力モーメントを打ち消す方向に第1足首を回転させ、
かかとも床に接地させることができる。従って、その後
の片脚支持期になっても上述のようにロボットを転倒さ
せることはない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た両脚コンプライアンス制御および足首コンプライアン
ス制御を単純に併用するだけでは、2種の制御が干渉し
あい、実全床反力と実各足平床反力が望ましい値からず
れたり発振してしまう問題があった。
【0018】従って、この発明の目的は上記した不都合
を解消することにあり、脚式移動ロボットに作用する実
床反力を、干渉を生じることなく、容易かつ適切に制御
することができる脚式移動ロボットの制御装置を提供す
ることにある。
【0019】この発明の第2の目的は、大域的なうねり
や傾斜だけでなく、局所的な凹凸や傾斜なども含む予期
しない床形状変化があっても、その影響をあまり受けず
に脚式移動ロボットに作用する床反力を適切に制御する
ことができる脚式移動ロボットの制御装置を提供するこ
とにある。
【0020】この発明の第3の目的は、脚式移動ロボッ
トに作用する床反力を適切に制御することによって、脚
式移動ロボットの姿勢安定化制御を容易にすることがで
きる脚式移動ロボットの制御装置を提供することにあ
る。
【0021】この発明の第4の目的は、脚式移動ロボッ
トに作用する床反力を適切に制御することによって、脚
式移動ロボットが受ける着地衝撃を低減することができ
る脚式移動ロボットの制御装置を提供することにある。
【0022】さらには、2足歩行ロボットは遊脚を振り
出して歩行するが、それによってロボットの鉛直(重
力)軸まわりの慣性モーメントが生じ、上体が鉛直軸ま
わりに回転振動し、それに起因して実各足平床反力モー
メントの鉛直成分が振動する。上記振動の振幅が過大に
なると、実足平床反力モーメントのピーク値が摩擦の限
界を超え、その瞬間に足底が滑り、ロボットはスピンす
る。スピンが大きいと、姿勢安定性を失って転倒する場
合もある。従って、上記した制御に加え、そのような振
動を低減することが望ましい。
【0023】従って、この発明の第5の目的は、脚式移
動ロボットに作用する床反力を適切に制御すると共に、
床反力モーメントの鉛直成分の振動を低減するようにし
た脚式移動ロボットの制御装置を提供することにある。
【0024】この発明の第6の目的は、さらに、脚式移
動ロボットに作用する床反力を適切に制御することによ
って、脚式移動ロボットの接地性を高め、歩行時のスリ
ップや前述のスピンを防止することができる脚式移動ロ
ボットの制御装置を提供することにある。
【0025】この発明の第7の目的は、脚式移動ロボッ
トに作用する床反力を適切に制御することによって、脚
式移動ロボットのアクチュエータの負荷を低減すること
ができる脚式移動ロボットの制御装置を提供することに
ある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1項にあっては、少なくとも基体と、前記
基体に第1の関節を介して連結されると共に、その先端
に第2の関節を介して連結される足部を備えた複数本の
脚部からなる脚式移動ロボットの制御装置において、前
記ロボットの少なくとも前記足部の目標位置および姿勢
を含む運動パターンと、前記ロボットに作用する全床反
力の目標パターンを少なくとも含む前記ロボットの歩容
を生成する歩容生成手段、前記生成された歩容の全床反
力を前記足部のそれぞれに分配したときの前記足部上の
作用中心点たる目標足部床反力中心点を決定する目標足
部床反力中心点決定手段、前記足部に作用する実床反力
を検出する実床反力検出手段、前記検出された実床反力
が前記算出された目標足部床反力中心点まわりに作用す
るモーメントを算出し、少なくとも前記算出されたモー
メントに基づいて前記足部を回転させる回転量を決定す
る足部回転量決定手段、前記決定された足部回転量に基
づいて前記足部の位置および/または姿勢が回転するよ
うに前記目標位置および/または姿勢を修正する足部位
置・姿勢修正手段、および前記修正された足部の位置・
姿勢に基づいて前記ロボットの第1および第2の関節を
変位させる関節変位手段、を備える如く構成した。
【0027】この請求項および以下の請求項で、「全床
反力の目標パターン」は、少なくとも全床反力の中心点
軌跡を少なくとも含む、全床反力に関する目標パターン
を意味する。また「全床反力」は具体的には、脚部先端
を介してロボットに作用する床反力の合力を意味する。
尚、「足部」は具体的には、2足歩行ロボットの人間の
足に似た足平を意味するが、それ以外の3足以上の脚式
移動ロボットの脚部先端を含むと共に、人間の足と異な
る爪などから主としてなるものも含む意味で使用する。
【0028】請求項2項記載の発明にあっては、少なく
とも基体と、前記基体に第1の関節を介して連結される
と共に、その先端に第2の関節を介して連結される足部
を備えた複数本の脚部からなる脚式移動ロボットの制御
装置において、前記ロボットの少なくとも前記足部の目
標位置および姿勢を含む運動パターンと、前記ロボット
に作用する全床反力の目標パターンを少なくとも含む前
記ロボットの歩容を生成する歩容生成手段、前記生成さ
れた歩容の全床反力を前記足部のそれぞれに分配したと
きの前記足部上の作用中心点たる目標足部床反力中心点
を決定する目標足部床反力中心点決定手段、前記足部に
作用する実床反力を検出する実床反力検出手段、少なく
とも前記検出された実床反力に基づいて前記足部を回転
させる回転量を決定する足部回転量決定手段、前記決定
された足部回転量に基づいて前記足部の位置および/ま
たは姿勢が、前記決定された目標足部床反力中心点ある
いはその近傍まわりに回転するように、前記目標位置お
よび/または姿勢を修正する足部位置・姿勢修正手段、
および前記修正された足部の位置・姿勢に基づいて前記
ロボットの第1および第2の関節を変位させる関節変位
手段、を備える如く構成した。
【0029】請求項3項にあっては、前記足部位置・姿
勢修正手段は、前記決定された足部回転量に基づいて前
記足部の位置および/または姿勢が、前記決定された目
標足部床反力中心点あるいはその近傍まわりに回転する
ように、前記目標位置および/または姿勢を修正する如
く構成した。
【0030】請求項4項にあっては、さらに、前記ロボ
ットに実際に作用する全床反力モーメント、または前記
ロボットに実際に作用する全床反力モーメントから前記
足部に作用する床反力モーメントを減算して得たモーメ
ントのいずれかを算出し、少なくとも前記算出されたモ
ーメントに応じて前記足部を移動させる移動量を決定す
る足部移動量決定手段、を備え、前記足部位置・姿勢修
正手段は、前記決定された足部回転量および前記決定さ
れた移動量に基づいて前記足部の位置および/または姿
勢を修正する如く構成した。
【0031】請求項5項にあっては、前記全床反力の目
標パターンに付加する姿勢安定化補償全床反力モーメン
トを求め、前記足部回転量決定手段および/または前記
足部移動量決定手段は、少なくとも前記検出された実床
反力と前記求めた姿勢安定化補償全床反力モーメントに
基づいて前記足部の回転量および/または移動量を決定
する如く構成した。
【0032】請求項6項にあっては、前記姿勢安定化補
償全床反力モーメントを、少なくとも前記ロボットの傾
き偏差に基づいて求める如く構成した。
【0033】請求項7項にあっては、前記姿勢安定化補
償全床反力モーメントを、少なくとも前記ロボットのヨ
ーレートに基づいて求める如く構成した。
【0034】請求項8項にあっては、前記姿勢安定化補
償全床反力モーメントを、少なくとも前記ロボットの目
標経路からのずれに基づいて求める如く構成した。
【0035】請求項9項にあっては、前記姿勢安定化補
償全床反力モーメントの中の所定の成分を零またはその
近傍に設定する如く構成した。
【0036】請求項10項にあっては、前記足部位置・
姿勢修正手段は、前記ロボットの姿勢偏差に基づいて前
記目標位置および/または姿勢をさらに修正する如く構
成した。
【0037】請求項11項にあっては、前記足部回転量
決定手段および/または前記足部移動量決定手段は、前
記姿勢安定化補償全床反力モーメントが前記複数本の脚
部のそれぞれに分配されるように、前記足部の回転量お
よび/または移動量を決定する如く構成した。
【0038】請求項12項にあっては、少なくとも基体
と、前記基体に第1の関節を介して連結されると共に、
その先端に第2の関節を介して連結される足部を備えた
複数本の脚部からなる脚式移動ロボットの制御装置にお
いて、前記ロボットの少なくとも前記足部の目標位置お
よび姿勢を含む運動パターンと、前記ロボットに作用す
る全床反力の目標軌跡パターンからなる前記ロボットの
歩容を生成する歩容生成手段、前記ロボットの姿勢安定
化のための補償全床反力を算出する姿勢安定化補償全床
反力算出手段、前記足部に作用する実床反力を検出する
足部実床反力検出手段、前記目標歩容の全床反力と前記
補償全床反力を分配する床反力分配手段、前記分配され
た目標歩容の床反力と補償床反力と前記検出された足部
実床反力に基づいて前記目標歩容の足部の位置および/
または姿勢を修正する修正手段、および前記修正された
目標足部位置および姿勢に基づいて前記ロボットの第1
および第2の関節を変位制御する関節変位制御手段、を
備える如く構成した。
【0039】請求項13項にあっては、前記修正手段
は、前記ロボットの姿勢偏差に基づいて前記目標歩容の
足部の位置および/または姿勢をさらに修正する如く構
成した。
【0040】
【作用】請求項1項にあっては、脚式移動ロボットに作
用する床反力を、干渉を生じることなく、容易かつ適切
に制御することができる。換言すれば、先に提案した両
脚コンプライアンス制御および足首コンプライアンス制
御の併用に近い制御を行っても、制御の干渉がなく、実
全床反力と実各足平床反力が望ましい値からずれたり発
振することがない。
【0041】即ち、大域的なうねりや傾斜だけでなく、
局所的な凹凸や傾斜なども含む予期しない床形状変化が
あっても、その影響をあまり受けずに脚式移動ロボット
に作用する床反力を適切に制御することができる。
【0042】また、脚式移動ロボットの姿勢安定化制御
を容易に実現できると共に、脚式移動ロボットが受ける
着地衝撃を低減することができ、脚式移動ロボットの接
地性を高め、歩行時のスリップやスピンを防止すること
ができる。さらに、脚式移動ロボットのアクチュエータ
の負荷を低減することができる。
【0043】請求項2項にあっては、請求項1項と同様
の作用効果を得ることができる。
【0044】請求項3項にあっては、請求項1項と同様
の作用効果を得ることができると共に、床反力をより適
切に制御することができる。
【0045】請求項4項にあっては、請求項1項と同様
の作用効果を得ることができると共に、特に姿勢制御に
重要な全床反力を一層適切に制御することができる。
【0046】請求項5項にあっては、請求項1項と同様
の作用効果を得ることができると共に、姿勢安定化能力
を向上させることができる。
【0047】請求項6項にあっては、前記したと同様の
作用効果を得ることができると共に、姿勢安定化能力を
一層向上させることができる。
【0048】請求項7項にあっては、前記したと同様の
作用効果を得ることができると共に、ロボットのスピン
あるいはスリップを防止することができ、姿勢安定化能
力を一層向上させることができる。従って、摩擦係数が
低い路面を歩行するときも、スピンあるいはスリップを
効果的に防止することができ、安定な姿勢で歩行を継続
させることができる。
【0049】請求項8項にあっては、前記したと同様の
作用効果を得ることができると共に、目標経路に沿って
安定した姿勢で歩行を継続することができる。
【0050】請求項9項にあっては、前記したと同様の
作用効果を得ることができると共に、ヨーレートを検出
しなくてもロボットのスピンあるいはスリップをかなり
の程度まで防止することができ、その意味で姿勢安定化
能力を一層向上させることができる。
【0051】請求項10項にあっては、前記したと同様
の作用効果を得ることができると共に、ロボットに作用
する実床反力を一層精度良く制御することができる。
【0052】請求項11項にあっては、前記したと同様
の作用効果を得ることができると共に、複数の脚部の負
荷を適正に分配することができ、床面との摩擦分布も局
所的に過大に作用することがない。従って、接地性を一
層向上させると共に、スピンあるいはスリップを一層良
く回避することができる。
【0053】請求項12項にあっては、請求項1項など
と同様の作用効果を得ることができると共に、足部の修
正量を一層適切に配分することができるので、姿勢安定
化のためのより大きな復元力とより高い接地性を得るこ
とができる。
【0054】請求項13項にあっては、請求項12項と
同様の作用効果を得ることができると共に、ロボットに
作用する実床反力を一層精度良く制御することができ
る。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明に係る脚式移動ロボットの制御装置を説明する。尚、
脚式移動ロボットとしては2足歩行ロボットを例にと
る。
【0056】図1はその脚式移動ロボットの制御装置を
全体的に示す概略図である。
【0057】図示の如く、2足歩行ロボット1は左右そ
れぞれの脚部リンク2に6個の関節を備える(理解の便
宜のために各関節をそれを駆動する電動モータで示
す)。6個の関節は上から順に、股(腰部)の脚部回旋
用の関節10R,10L(右側をR、左側をLとする。
以下同じ)、股(腰部)のロール方向(Y軸まわり)の
関節12R,12L、同ピッチ方向(X軸まわり)の関
節14R,14L、膝部のロール方向の関節16R,1
6L、足首のロール方向の関節18R,18L、同ピッ
チ方向の関節20R,20Lから構成される。
【0058】関節18R(L),20R(L)の下部に
は足平(足部)22R,22Lが取着されると共に、最
上位には上体(基体)24が設けられ、その内部にマイ
クロコンピュータからなる制御ユニット26(後述)な
どが格納される。上記において股関節(あるいは腰関
節)は関節10R(L),12R(L),14R(L)
から、足関節(足首関節)は関節18R(L),20R
(L)から構成される。また股関節と膝関節とは大腿リ
ンク28R,28L、膝関節と足関節とは下腿リンク3
0R,30Lで連結される。
【0059】上記の構成により、脚部リンク2は左右の
足についてそれぞれ6つの自由度を与えられ、歩行中に
これらの6*2=12個の関節を適宜な角度で駆動する
ことで、足全体に所望の動きを与えることができ、任意
に3次元空間を歩行させることができる(この明細書で
「*」はスカラに対する演算としては乗算を、ベクトル
に対する演算としては外積を示す)。
【0060】尚、この明細書で後述する上体の位置およ
びその速度は、上体24の所定位置、具体的には上体2
4の重心位置などの代表点の位置およびその移動速度を
意味する。
【0061】図1に示す如く、足関節の下方には公知の
6軸力センサ44が取着され、力の3方向成分Fx,F
y,Fzとモーメントの3方向成分Mx,My,Mzと
を測定し、足部の着地の有無および床反力(接地荷重)
などを検出する。また、上体24には傾斜センサ60が
設置され、Z軸(鉛直方向(重力方向))に対する傾き
とその角速度を検出する。また各関節の電動モータに
は、その回転量を検出するロータリエンコーダが設けら
れる。
【0062】図2に示すように、足平22R(L)の上
方には、ばね機構32が装備されると共に、足底にはゴ
ムなどからなる足底弾性体34が貼られる。ばね機構3
2は具体的には、足平22R(L)に取り付けられた方
形状のガイド部材と、足首関節18R(L)および6軸
力センサ44側に取り付けられ、前記ガイド部材に弾性
材を介して微動自在に収納されるピストン状部材とから
なる。
【0063】図中に実線で表示された足平22R(L)
は、床反力を受けていないときの状態を示す。床反力を
受けるとバネ機構32と足底弾性体34がたわみ、足平
は図中に点線で表示された位置・姿勢に移る。この構造
は、着地衝撃を緩和するためだけでなく、制御性を高め
るためにも重要なものである。尚、その詳細は前記した
特開平5−305584号に記載されているので、詳細
な説明は省略する。
【0064】更に、図1では図示を省略するが、2足歩
行ロボット1の適宜な位置にはジョイスティック62が
設けられ、外部から必要に応じて直進歩行しているロボ
ットを旋回させるなど歩容に対する要求を入力できるよ
うに構成される。
【0065】図3は制御ユニット26の詳細を示すブロ
ック図であり、マイクロ・コンピュータから構成され
る。そこにおいて傾斜センサ60などの出力はA/D変
換器70でデジタル値に変換され、その出力はバス72
を介してRAM74に送られる。また各電動モータに隣
接して配置されるエンコーダの出力はカウンタ76を介
してRAM74内に入力される。
【0066】制御ユニット内にはCPUからなる第1、
第2の演算装置80,82が設けられており、第1の演
算装置80は後述の如く、ROM84に格納されている
歩容に基づいて後述の如く関節角変位指令を算出し、R
AM74に送出する。また第2の演算装置82はRAM
74からその指令と検出された実測値とを読み出し、各
関節の駆動に必要な制御値を算出してD/A変換器86
とサーボアンプを介して各関節を駆動する電動モータに
出力する。
【0067】ここで、この明細書および図面で使用する
用語について定義する(尚、定義しない用語に関して
は、本出願人が前記した技術とは別に提案した出願(特
願平8−214261号)で使用した定義に従う)。
【0068】『歩容』は、ロボット工学における一般的
な定義と異なり、目標運動パターンと床反力パターンを
合わせたものを指称する意味で使用する。但し、床反力
パターンとしては、例えば『ZMP軌跡だけ』というよ
うに、部分情報であっても良い。そのため、目標運動パ
ターンだけを出力して床反力パターンに関する情報を出
力しない装置に対して「歩容生成装置」と言う言葉を用
いない。
【0069】各脚には、通し番号をつける。第n脚に作
用する床反力を第n足平床反力という(n:1または
2。以下同じ)。全脚に作用する床反力を合成したもの
を全床反力という(ロボット工学では一般的には床反力
と呼ばれるが、足平床反力と区別するためにここでは
『全床反力』という)。
【0070】足平床反力は作用点とそこにかかる力と力
のモーメントによって表現され、同一の足平床反力に対
して、表現の組み合わせは無限通りある。その中には、
鉛直軸まわりの成分を除くモーメント成分が0でかつ作
用点が床面上にある表記が存在する。この表現における
作用点を、ここでは足平床反力中心点という(本出願人
が別途提案した後述する特開平6−79657号では
『接地圧重心点』と称した)。
【0071】同様に、全床反力は作用点とそこにかかる
力と力のモーメントによって表現され、同一の全床反力
に対して表現の組み合わせは無限通りある。その中に
は、鉛直軸まわりの成分を除くモーメント成分が0でか
つ作用点が床面上にある表現が存在する。この表現にお
ける作用点を、ここでは全床反力中心点という。
【0072】全床反力の目標値を目標全床反力という。
目標全床反力は、通常、目標運動パターンに対して動力
学的に平衡する全床反力である。従って、通常、目標全
床反力中心点は、目標ZMPに一致する。
【0073】尚、始めに触れたように、目標ZMP(Ze
ro Moment Point )は次のように定義される。即ち、目
標運動パターンによって発生する慣性力と重力の合力を
動力学的に求め、これが床面上のある点に作用するモー
メントが、鉛直軸まわりの成分を除き0であるならば、
その点を目標ZMP(Zero Moment Point)という。目標
ZMPは、合力の垂直方向力成分が0でない限り、一義
的に求められる。以下の説明では、理解しやすくするた
めに、目標ZMPという言葉を用いる場合もあるが、厳
密には目標床反力中心点と言うべき箇所が多い。
【0074】各足平床反力の目標値を目標各足平床反力
という。但し、目標全床反力とは異なり、目標運動パタ
ーンが決まっていても目標各足平床反力は一義的には決
定されない。実際のロボットに作用する全床反力を実全
床反力という。実際のロボットに作用する各足平床反力
を実各足平床反力という。
【0075】ここで、この発明の課題について再説する
と、局所的な傾きや段差に対して先に提案した両脚コン
プライアンス制御では良好な姿勢安定性を得ることが困
難であると共に、その不都合は足首コンプライアンス制
御を用いれば解消することができるが、両者を単純に併
用するだけでは干渉しあい、実全床反力と実各足平床反
力が望ましい値からずれたり、発振する不都合があっ
た。
【0076】その問題点を先の図40に示す状況で説明
すると、第1足平はかかとに予期しなかった過大な床反
力を受けているため、第1足首のまわりに過大な実足平
床反力モーメントが発生する。足首コンプライアンス制
御は、このモーメントを0にしようと第1足首を図43
に示すように回転させる。
【0077】しかしながら、足首の回転によって、第1
足平のかかと位置が高くなるので、第1足平床反力の鉛
直成分が減少する。この結果、目標全床反力中心点(目
標ZMP)まわりの実全床反力モーメントが変化する。
これは、両脚コンプライアンス制御の制御量である実全
床反力モーメントが、足首コンプライアンス制御に干渉
されることを意味する。
【0078】従って、足首コンプライアンス制御による
干渉を考慮しないで、両脚コンプライアンス制御を、足
首コンプライアンス制御がない場合と同様に働かせる
と、目標全床反力中心点(目標ZMP)まわりの実全床
反力モーメントが0からずれたり、干渉による振動や発
振が生じる。
【0079】それを防止する方法のひとつとして、両脚
コンプライアンス制御と足首コンプライアンス制御の間
の干渉量を求め、それを打ち消すような操作量を加える
ことによって干渉しないようにすることが考えられる
が、歩行中は姿勢が時々刻々と変化し、干渉関係も時々
刻々と変化するため、この手法で干渉を回避することは
極めて難しい。
【0080】また、図43に示す状況では、第1足平が
接触している床は想定していた床よりも登り傾斜なの
で、第1足平は、目標歩容よりもつまさきを上げるべき
である。それにもかかわらず、足首コンプライアンス制
御によりつまさきが下がってしまうことは、足首コンプ
ライアンス制御が適切に作用していないとも言える。
【0081】以上のように、足首コンプライアンス制御
は足平の着地点の局所的な床の傾きや段差には効果があ
るが、長い距離でゆったりと変化する傾斜やうねりに
は、却って悪影響を与える場合がある。
【0082】従って、実施の形態に係る装置において
は、脚式移動ロボットに作用する床反力、より具体的に
は、目標全床反力中心点まわりの実全床反力モーメント
と、目標各足平床反力中心点まわりの実各足平床反力モ
ーメントを容易かつ適切に制御できるようにした。
【0083】また、それによって大域的なうねりや傾斜
だけでなく、局所的な凹凸や傾斜なども含む予期しない
床形状変化があっても、その影響をあまり受けずに安定
した姿勢でロボットを歩行継続させるようにした。
【0084】図4は、この実施の形態に係る脚式移動ロ
ボットの制御装置(主として図3の第1の演算装置80
に相当)の構成および動作を機能的に示すブロック図で
ある。以下、図4を参照してこの装置の全体構成を概説
する。
【0085】この装置は歩容生成器を備え、歩容生成器
は目標歩容を生成し、出力する。目標歩容は、前述の定
義の通り、目標運動パターンと目標床反力パターン、よ
り具体的には目標上体位置・姿勢軌道、目標足平位置・
姿勢軌道、目標全床反力中心点(目標ZMP)軌道およ
び目標全床反力軌道からなる。目標床反力パターンは、
このように、目標全床反力中心点軌跡を含む(後述する
機構変形補償を行わないならば、目標床反力パターンと
しては目標全床反力中心点軌跡だけでも良い)。
【0086】この実施の形態において歩容生成器が出力
する目標全床反力は、目標運動パターンに対して動力学
的に平衡する全床反力である。従って、目標全床反力中
心点は、目標ZMPに一致する。
【0087】図5にロボット1が平地を歩行するときの
目標運動パターンの一例を示す。これに対応する目標Z
MP軌道の床面上軌跡を図6に、タイム・チャートを図
7に示す。この歩容の期間に床に接触したままの足平
を、第1足平、もう一方を第2足平ということとする。
尚、歩容生成器の詳細は先に提案した特願平8−214
261号に詳細に述べられているので、これ以上の説明
は省略する。
【0088】図4の説明に戻ると、この装置は目標床反
力分配器を備え、目標床反力分配器は、目標全床反力中
心点(目標ZMP)と目標足平位置・姿勢を主な入力と
し、目標各足平床反力中心点を決定して出力する。実際
には、歩容生成器から歩容のパラメータ(例えば、両脚
支持期の時間や遊脚足平の目標着地位置など)や、歩容
の時期・時刻(例えば、現在時刻が両脚支持期の初めか
ら0.1secであるなど)などの情報も必要に応じて取り込
む。
【0089】図5に示すような歩容に対して、目標床反
力分配器は、目標各足平床反力中心点が以下の条件を満
足するように設定する。 条件1)目標各足平床反力中心点軌跡は連続である。 条件2)両脚支持期では、目標第1足平床反力中心点は
かかとに、目標第2足平床反力中心点はつまさきに存在
する。 条件3)このとき目標第1足平床反力中心点と目標第2
足平床反力中心点を結ぶ線分上に、目標全床反力中心点
が存在する。 条件4)片脚支持期では、目標第1足平床反力中心点
は、目標全床反力中心点に一致する。 条件5)片脚支持期の間に、目標第2足平床反力中心点
は、つまさきからかかとに移動する。
【0090】これら条件を満足する目標第1足平床反力
中心点軌跡のタイム・チャートを図8に、目標第2足平
床反力中心点軌跡のタイム・チャートを図9に示す。
尚、この図では足首(関節18,20R(L))から足
平22R(L)への垂直投影点を原点とし、図1に示す
ように足平前方向をX軸の正の向き、足平左方向をY軸
の正の向きにとる。
【0091】目標床反力分配器は、更に、付随的ではあ
るが、目標各足平床反力も決定して出力する。目標各足
平床反力は、ばね機構32などのたわみ補償のために必
要である。
【0092】次式を用いて上記のように設定された目標
各足平床反力中心点に対応する目標各床反力を決定すれ
ば、目標各足平床反力の合力は目標全床反力に一致しな
ければならないと言う条件を満足する。
【0093】 目標第1足平床反力=目標全床反力*(目標第2足平床反力中心点と目標ZM Pの距離)/(目標第1足平床反力中心点と目標第2足平床反力中心点の距離) 目標第2足平床反力=目標全床反力*(目標第1足平床反力中心点と目標ZM Pの距離)/(目標第1足平床反力中心点と目標第2足平床反力中心点の距離) ・・・式1
【0094】このように求めた目標各足平床反力は連続
的に変化するので、衝撃の少ない歩行を実現するために
適している。尚、上記の詳細は本出願人が別途提案した
技術(特開平6−79657号)に記述されている。
【0095】図4の説明に戻ると、この装置は姿勢安定
化制御演算部を備え、姿勢安定化制御演算部はロボット
のセンサ情報に基づいてロボットの状態を推定し、補償
全床反力を算出する。即ち、実際にロボットが歩行ある
いは直立しているときなどには後述する変位コントロー
ラによって実関節変位を目標関節変位に完全に追従させ
ることができたとしても、ロボットの位置・姿勢は必ず
しも望ましい位置・姿勢にならない。
【0096】ロボットの姿勢を長期的に安定化させるた
めには、ロボットを望ましい位置・姿勢に復元させるた
めに必要な力とモーメントを求め、これを目標全床反力
中心点(目標ZMP)を作用点として付加的に発生させ
る必要がある。この付加的な力とモーメントを補償全床
反力という。また、補償全床反力のモーメント成分を補
償全床反力モーメントという。
【0097】尚、脚式移動ロボットの目標歩容が床反力
以外の反力を環境から受けるように想定し、それを例え
ば、目標対象物反力と称し、先に述べた目標ZMPの定
義を次のように拡張しても良い。即ち、目標運動パター
ンによって発生する慣性力と重力と目標対象物反力の合
力を動力学的に求め、それが床面上のある点に作用する
モーメントが、鉛直軸まわりの成分を除いて零であるな
らば、その点を改めて目標ZMPとするようにしても良
い。
【0098】もし、ロボット1が完全剛体であって、変
位コントローラによって実関節変位を目標関節変位に完
全に追従させることができたと仮定すると、足平のばね
機構32および足底弾性体34のたわみによって生じる
ロボット全体の位置・姿勢の摂動的な運動は、以下の6
自由度に分解できる。
【0099】モード1)目標全床反力中心点(目標ZM
P)を中心とした前後軸まわり回転(即ち、左右傾き) モード2)目標全床反力中心点(目標ZMP)を中心と
した左右軸まわり回転(即ち、前後傾き) モード3)目標全床反力中心点(目標ZMP)を中心と
した鉛直軸まわり回転(即ち、スピン) モード4)前後平行移動揺れ モード5)左右平行移動揺れ モード6)上下平行移動揺れ
【0100】この内で、モード4とモード5は、足平の
ばね機構32および弾性体34が前後左右方向のせん断
力を受けてたわむことによって発生するものである。ば
ね機構32および足底弾性体34は剪断方向の剛性が高
いように製作するので、この揺れは極めて少なく、歩行
に及ぼす悪影響はほとんどない。
【0101】残り4自由度の内、モード3とモード6は
この発明に直接の関連を有しないので、この実施の形態
および後述する第2の実施の形態ではモード1とモード
2に対する制御だけを行うこととする。モード1とモー
ド2に対する制御は、これがないとほとんどの場合ロボ
ットが転倒するので、重要度は極めて高い。尚、第3の
実施の形態でモード3に対する制御を行う。
【0102】モード1を制御するための操作量は、補償
全床反力の前後軸(X軸)まわりモーメント成分であ
る。モード2を制御するための操作量は、補償全床反力
の左右軸(Y軸)まわりモーメント成分である。従っ
て、補償全床反力の成分の内、前後軸方向モーメント成
分と左右軸方向モーメント成分だけを求めれば良い。他
の成分は、この実施の形態(および第2の実施の形態)
では用いないので0で良い。
【0103】尚、以降は次の定義に従う。即ち、補償全
床反力のモーメント成分を補償全床反力モーメントMd
md(詳しくは目標全床反力中心点(目標ZMP)まわ
りの補償全床反力モーメントMdmd)という。図5に
示す如く、ロボットの前方向をX軸、左横方向をY軸、
上方向をZ軸にとり、第1足平の足首直下の床面上の点
を原点とした座標系を支持脚座標系と呼び、断らない限
り、位置、力およびモーメントはこの座標系で表現され
るものとする。また、MdmdのX成分をMdmdx、
Y成分をMdmdy、Z成分をMdmdzと記述する。
上体24の傾斜偏差(即ち、実上体傾斜−目標上体傾
斜)θerr のX成分をθerrx, Y成分をθerry、これら
の時間微分値を(dθerrx / dt),(dθerry / dt)と記述
する。
【0104】MdmdxおよびMdmdyは、例えば次
式の制御則によって決定される。 Mdmdx = - Kthxθerrx - Kwx (dθerrx / dt) Mdmdy = - Kthyθerry - Kwy (dθerry / dt) ・・・式2 ここで、Kthx,Kthy,KwxおよびKwyは、
上体傾斜安定化制御ゲインである。
【0105】後述する複合コンプライアンス動作決定部
は、目標全床反力と補償全床反力の合力に実全床反力を
一致させようと働く。
【0106】図4の説明に戻ると、この装置は実各足平
床反力検出器を備え、実各足平床反力検出器は、6軸力
センサ44によって実各足平床反力(その合力が実全床
反力)を検出する。更に、関節のエンコーダによって検
出される実変位(あるいは変位指令)に基づき、上体に
固定された座標系に対する各足平の相対位置・姿勢を算
出し、それによって6軸力センサ44の検出値を座標変
換し、上体に固定された座標系で表現された実各足平床
反力を算出した後、更に、支持脚座標系に変換する。
【0107】この装置はロボット幾何学モデル(逆キネ
マティクス演算部)を備え、ロボット幾何学モデルは、
上体位置・姿勢と足平位置・姿勢を入力されると、それ
らを満足する各関節変位を算出する。この実施の形態に
おけるロボット1のような1脚あたりの関節自由度が6
である場合には、各関節変位は一義的に求まる。
【0108】この実施の形態では逆キネマティクスの解
の式を直接的に求めておき、式に上体位置・姿勢と足平
位置・姿勢を代入するだけで各関節変位を得るようにし
た。即ち、ロボット幾何学モデルは、目標上体位置・姿
勢と複合コンプライアンス動作決定部で修正された修正
目標足平位置・姿勢軌道(機構変形補償入り修正目標足
平位置・姿勢軌道)を入力し、それらから12個の関節
(10R(L)など)の関節変位指令(値)を算出す
る。
【0109】この装置は変位コントローラ(前記した第
2の演算装置82に同じ)を備え、変位コントローラ
は、ロボット幾何学モデル(逆キネマティクス演算部)
で算出された関節変位指令(値)を目標値としてロボッ
ト1の12個の関節の変位を追従制御する。
【0110】この装置は前記複合コンプライアンス動作
決定部を備え、複合コンプライアンス動作決定部は以下
の2つの要求を満足させようと、目標足平位置・姿勢軌
道を修正する。
【0111】要求1)ロボットの位置・姿勢制御のため
に、実全床反力を姿勢安定化制御部が出力する補償全床
反力(モーメントMdmd)と目標全床反力の合力に追
従させる。ロボットの姿勢傾きだけを制御したい場合に
は、目標全床反力中心点まわりの実全床反力水平方向モ
ーメント成分だけを補償全床反力モーメントMdmdに
追従させる。
【0112】要求2)各足平の接地性を確保するため
に、できるかぎり目標各足平床反力中心点まわりの実各
足平床反力モーメントの絶対値を小さくする。
【0113】尚、補足すると、通常は実全床反力を補償
全床反力と目標全床反力の合力に一致させながら目標各
足平床反力中心点まわりの実各足平床反力モーメントを
0にすることが、物理的に不可能な場合が多い。従っ
て、要求1)と要求2)は完全に両立させることはでき
ず、ある点で妥協しなくてはならない。
【0114】上記を前提として図10フロー・チャート
(構造化フロー・チャート)を参照してこの装置の動作
を説明する。尚、図の左端に該当する処理を行う図4装
置の構成要素を示す。
【0115】先ずS10において装置を初期化し、S1
2を経てS14に進み、タイマ割り込みを待機する。タ
イマ割り込みは50msごとになされ、即ち、制御周期
は50msである
【0116】続いてS16に進んで歩容の切り替わり
目、即ち、支持脚の切り替わり目か否か判断し、否定さ
れるときはS22に進むと共に、肯定されるときはS1
8に進んでタイマtをイニシャライズし、S20に進ん
で目標歩容パラメータを設定する。前記の如く、歩容パ
ラメータは、運動パラメータと床反力パラメータ(ZM
P軌道パラメータ)から構成される。
【0117】続いてS22に進み、目標歩容の瞬時値を
決定する。ここで『瞬時値』は制御周期ごとの値を意味
し、目標歩容瞬時値は、目標上体位置・姿勢、目標各足
平位置・姿勢、および目標ZMP位置から構成される。
尚、ここで『姿勢』はX,Y,Z空間における『向き』
を意味する。
【0118】続いてS24に進んで目標各足平床反力中
心点を求める。これは目標床反力分配器の説明で述べた
ように行う。具体的には、図8および図9に示すよう
に、設定した目標各足平床反力中心点軌跡の現在時刻t
における値を求めることで行う。
【0119】続いてS26に進んで目標各足平床反力を
求める。これは目標床反力分配器の説明で述べた式1を
用いて目標各足平床反力を演算することで行う。
【0120】続いてS28に進み、前記した傾斜センサ
60などの出力から上体24の傾斜などロボット1の状
態を検出する。
【0121】続いてS30に進み、ロボット1の状態な
どから姿勢を安定化するための(目標全床反力中心点
(目標ZMP)まわりの)補償全床反力モーメントMd
mdx,Mdmdyを求める。具体的には、上体傾斜が
検出されたとき姿勢安定化を図るために前記した式2に
従って補償全床反力モーメントMdmdx,Mdmdy
を演算する。
【0122】続いてS32に進んで実各足平床反力を検
出する。これは前記の如く、6軸力センサ44の出力か
ら検出する。
【0123】続いてS34に進み、両脚補償角θdbv
および各足平補償角θnx(y)を決定する。これは、
前記した複合コンプライアンス動作決定部が行う作業で
ある。
【0124】その複合コンプライアンス動作決定部の作
業について説明する。説明の便宜のため、両脚支持期に
おいて図11に示すように第1足平22R(L)と第2
足平22L(R)に実各足平床反力が作用している状況
と仮定する。
【0125】ここでベクトルFnactは第n足平床反
力の力成分を表す。ベクトルMnactは第n足平床反
力のモーメント成分を表す。ベクトルMnactの向き
は、向きに対して時計回りのモーメントが床から足平に
作用していることを表す。
【0126】この瞬間の目標全床反力は、図12に示す
ようになっていると仮定する。ちなみに、目標全床反力
中心点(目標ZMP)における目標全床反力モーメント
ベクトルMsumrefは垂直である(定義により、目
標ZMPは目標全床反力モーメントの水平方向成分が0
である点であるから)。
【0127】これを式1に従って目標各足平床反力に分
配すると、図13に示すようになる。同図において、ベ
クトルFnrefは目標第n足平床反力の力成分を表
す。ベクトルMnrefは目標第n足平床反力のモーメ
ント成分を表す。ベクトルMnrefの向きの表現は、
Mnactと同様である。
【0128】説明のため、上体姿勢が左後ろに倒れそう
な状態を想定する。
【0129】前述の姿勢安定化制御演算部では、ロボッ
ト1の上体傾斜偏差検出値θerrx,θerryに基
づいて補償全床反力モーメントMdmdを算出する。こ
の実施の形態では鉛直軸(Z軸)まわりのスピンを制御
しないので、補償全床反力モーメントMdmdの鉛直軸
成分は0である。上体位置の揺れも制御しないので、補
償全床反力モーメントの力成分も0である。この状態に
対応する補償全床反力モーメントMdmdを図14に示
す。
【0130】姿勢を復元させるためには、目標全床反力
中心点(目標ZMP)まわりの実全床反力モーメントの
水平成分を、目標全床反力モーメントMsumrefと
補償全床反力モーメントMdmdの和の水平成分に追従
させれば良い。
【0131】一方、目標全床反力中心点(目標ZMP)
では目標全床反力モーメントMsumrefの水平方向
成分は0である。従って、前後左右の姿勢傾きを復元さ
せるためには、目標ZMPまわりの実全床反力モーメン
トの水平成分を、Mdmdの水平成分に追従させれば良
い。
【0132】この実施の形態にあっては複合コンプライ
アンス動作決定部は、以下の要求をできる限り満足する
ように足平の位置・姿勢を修正する。 要求1)ロボットの姿勢傾斜を安定化制御するために、
目標全床反力中心点(目標ZMP)まわりの実全床反力
モーメントの水平方向(X,Y軸方向)成分を、補償全
床反力モーメントMdmdの水平方向成分に追従させ
る。 要求2)各足平の接地性を確保するために、できるかぎ
り目標各足平床反力中心点まわりの実各足平床反力モー
メントの絶対値を小さくする。
【0133】但し、前述の通り、要求1)と要求2)
は、完全に両立させることはできず、ある点で妥協しな
くてはならない。
【0134】足平の位置・姿勢の修正は、この実施の形
態では次のように行う。 1)目標第1足平床反力中心点Q1と目標第2足平床反
力中心点Q2を含み、かつ水平面と垂直な平面の法線ベ
クトルVを求める。Vの大きさは1とする。Vを図15
に示す。
【0135】2)目標第1足平床反力中心点Q1の座標
を、目標全床反力中心点(目標ZMP)を回転中心に法
線ベクトルVまわりに、ある回転角θdbvだけ回転移
動する。移動した後の点をQ1’とする。同様に、目標
第2足平床反力中心点Q2の座標を、目標全床反力中心
点(目標ZMP)を回転中心に法線ベクトルVまわりに
回転角θdbvだけ回転移動する。移動した後の点をQ
2’とする。
【0136】この回転角θdbvを両脚補償角という。
始点がQ1、終点がQ1’のベクトルをベクトルQ1Q
1’とする。同様に、始点がQ2、終点がQ2’のベク
トルをベクトルQ2Q2’とする。図16にQ1’とQ
2’を示す。
【0137】3)目標第1足平を、姿勢は変えずにベク
トルQ1Q1’だけ平行移動(ほぼ上下移動)させる。
同様に、目標第2足平を、姿勢は変えずにベクトルQ2
Q2’だけ平行移動させる。移動後の目標各足平を図1
6に太線で示す。
【0138】4)次に、目標第1足平をQ1’を中心
に、前後方向軸(X軸)まわりに回転角θ1x、左右方
向軸(Y軸)まわりに回転角θ1yだけ回転させる。同
様に、目標第2足平を目標第2足平をQ2’を中心に前
後方向軸(X軸)まわりに回転角θ2x、左右方向軸
(Y軸)まわりに回転角θ2yだけ回転させる。回転角
θnx,θnyをそれぞれ第n足平X補償角、第n足平
Y補償角という。回転後の目標各足平を図17に太線で
示す。
【0139】以上の補償動作量が過大でなければ、接地
圧力分布は変わっても、接地領域(足底面の圧力が正の
領域)は変わらない。このような場合には、補償動作量
に比例して各足平に装着されたばね機構32や足底弾性
体34などが変形し、変形量に応じた実各足平床反力が
発生する。この結果、補償動作量と補償動作によって発
生する実床反力の変化量との間の関係は、以下に示す良
好な特性を持つ。
【0140】特性1)両脚補償角θdbvだけを操作し
て目標各足平位置を移動させると、下がった足平の実足
平床反力の力成分が増加し、上がった足平の実足平床反
力の力成分が減少する。このとき、修正目標各足平床反
力中心点まわりの実各足平床反力モーメントは、ほとん
ど変化しない。
【0141】特性2)第n足平X補償角だけを操作して
目標第n足平姿勢を回転させると、目標第n足平床反力
中心点に作用する実第n足平床反力のモーメントのX成
分だけが変化し、その他の床反力成分は少ししか変化し
ない。同様に、第n足平Y補償角だけを操作して目標第
n足平姿勢を回転させると、実第n足平床反力のモーメ
ントのY成分だけが変化し、その他の床反力成分は少し
しか変化しない。
【0142】特性3)両脚補償角θdbv、各足平X補
償角および各足平Y補償角を同時に操作すると、実各足
平床反力の変化量は、それぞれを単独に操作したときの
変化量の和になる。
【0143】特性1および特性2は、これらの操作に独
立性があることを示し、特性3はこれらの操作に線形性
があることを示していると言える。
【0144】図18は複合コンプライアンス動作決定部
の演算処理を示すブロック図であり、同図を参照してこ
の作業を説明する。
【0145】概説すると、補償全床反力モーメント分配
器において補償全床反力モーメントMdmdの分配を行
う。次に、実各足平床反力と分配された補償全床反力モ
ーメントなどから、両脚補償角決定部および第n足平X
(Y)補償角決定部において前述の補償角θdbvおよ
びθnx(y)を決定する。
【0146】次に、決定された各種補償角に基づいて修
正目標足平位置算出部は、補償された足平位置・姿勢
(これを修正目標足平位置・姿勢という)を幾何学演算
によって求める。最後に、機構変形補償入り修正目標足
平位置・姿勢算出部は、目標各足平床反力によって発生
が予想されるばね機構32や足底弾性体34の変形量を
求め、それらを打ち消すように修正目標足平位置・姿勢
をさらに修正する。
【0147】以下詳説すると、補償全床反力モーメント
分配器は、補償全床反力モーメントMdmdを、両脚補
償モーメントMdmddb、各足平補償モーメントMd
md1x,y,Mdmd2x,yに分配する。両脚補償
モーメントMdmddbは、両脚補償角(足平上下量)
θdbvを操作することによって目標全床反力中心点
(目標ZMP)まわりに各足平床反力の力成分が作るモ
ーメントの目標値である。
【0148】両脚補償モーメントMdmddbのV方向
まわりの成分をMdmddbvと記述する。尚、ベクト
ルVは複合コンプライアンス動作決定部の説明で定義し
たベクトルである。Vに直交し、鉛直方向にも直交する
ベクトルをUとすると、両脚補償モーメントMdmdd
bのU方向成分Mdmddbuは0に設定される。両脚
補償角θdbvを操作しても、床反力のU方向モーメン
ト成分を発生することはできないからである。
【0149】この実施の形態では補償全床反力モーメン
トMdmdの鉛直方向成分が0なので、Mdmddbの
鉛直方向成分Mdmddbzも0に設定される。
【0150】第1足平補償モーメントMdmd1は、第
1足平補償角θ1x,θ1yを操作することによって目
標第1足平床反力中心点まわりに発生させたいモーメン
トである。第1足平補償モーメントMdmd1のX成分
をMdmd1x、Y成分をMdmdlyと記述する。第
2足平補償モーメントMdmd2は、第2足平補償角θ
2x,θ2yを操作することによって目標第2足平床反
力中心点まわりに発生させたいモーメントである。第2
足平補償モーメントMdmd2のX成分をMdmd2
x、Y成分をMdmd2yと記述する。
【0151】分配は、例えば次のように行う。 Mdmddbv = Wdbx * Mdmdx + Wdby * Mdmdy ・・・式3 Mdmd1x = W1x * (Mdmdx - Wint * Vx * Mdmddbv) Mdmd1y = W1y * (Mdmdy - Wint * Vy * Mdmddbv) Mdmd2x = W2x * (Mdmdx - Wint * Vx * Mdmddbv) Mdmd2y = W2y * (Mdmdy - Wint * Vy * Mdmddbv) ・・・式4
【0152】ここで、Wdbx,Wdby,W1x,W
1y,W2x,W2yおよびWintは分配用重み変数
である。VxはベクトルVのX成分の値、Vyはベクトル
VのY成分の値である。この中で、Wintは、両脚補
償角を操作することによって発生した全床反力モーメン
トを各足平補償角を操作することによって打ち消すため
のものである。
【0153】式3と式4の演算処理を行う補償全床反力
モーメント分配器のブロック図を図19に示す。
【0154】歩行時の分配用重み変数Wdbx,Wdb
y,W1x,W1y,W2x,W2yおよびWintの
設定例を図20に示す。図20のパターンは、以下の注
意点を考慮して決定することが望ましい。
【0155】注意点1)両脚補償角と各足平補償角が不
連続的に変化すると、関節に過大なトルクが発生する。
そこで、両脚補償角と各足平補償角を連続的に変化させ
るために、分配用重み変数は連続的に変化させる。
【0156】注意点2)両脚補償角および各足平補償角
を操作することによって発生する実床反力モーメント
が、なるべく補償全床反力モーメントMdmdに近い値
になるように、分配用重み変数を決定する。
【0157】この際、直立時や歩行時など状況に応じて
以下に示すように設定方針を変えた方が良い。直立時な
どのように、両脚補償モーメントのV方向成分Mdmd
dbv、各足平補償モーメントMdmd1,Mdmd2
を忠実に実各足平床反力に発生させることができる状況
では以下のように設定する。
【0158】この状況では目標全床反力中心点(目標Z
MP)まわりの実全床反力モーメントの水平方向成分
を、補償全床反力モーメントMdmdの水平方向成分に
一致させるために、(即ち、前述の複合コンプライアン
ス動作決定部に対する要求1を満足するために、)式5
と式6の両方をなるべく満足するように重みを設定すべ
きである。
【0159】 Mdmddbv*Vx + Mdmd1x + Mdmd2x = Mdmdx ・・・式5 Mdmddbv*Vy + Mdmd1y + Mdmd2y = Mdmdy ・・・式6
【0160】これに式3、式4を代入すると、式5は式
7に、式6は式8に変換される。 (Wdbx * Mdmdx + Wdby * Mdmdy)*Vx + W1x * (Mdmdx - Wint * Vx * (Wdbx * Mdmdx + Wdby * Mdmdy)) + W2x * (Mdmdx - Wint * Vx * (Wdbx * Mdmdx + Wdby * Mdmdy))= Mdmdx ・・・式7 (Wdbx * Mdmdx + Wdby * Mdmdy)*Vy + W1y * (Mdmdy - Wint * Vy * (Wdbx * Mdmdx + Wdby * Mdmdy)) + W2y * (Mdmdy - Wint * Vy * (Wdbx * Mdmdx + Wdby * Mdmdy)) = Mdmdy ・・・式8
【0161】MdmdxとMdmdyが任意の値を取っ
ても、式7と式8が恒等的に成立するためには、式9、
式10、および式11を同時に満足すれば良い。 Wint = 1 ・・・式9 W1x + W2x =1 ・・・式10 W1y + W2y =1 ・・・式11 即ち、以上の状況では式9、式10および式11を同時
に満足するように、重みを決定すれば良い。
【0162】歩行時ではMdmddbvを目標にして両
脚補償角θdbvを操作して足平の位置を修正しても、
実全床反力モーメントの発生量がMdmddbvに較べ
て不足する場合がある。例えば図21のように両脚支持
期の初期にロボットが後傾して第1足平が未だ着地して
いない状況では、θdbvによって第1足平の位置を下
げても、実床反力は変化しない。
【0163】同様に、Mdmd2を目標にして第2足平
補償角θ2を操作して第2足平の角度を修正しても、実
床反力モーメントの増加量がMdmd2に較べて不足す
る場合がある。例えば、図22のように両脚支持期の後
半にロボットが後傾している状況では、θ2によって第
2足平のかかとを下げても実床反力は変化しない。
【0164】従って、式5、式6を満足するように各重
みを設定しても、複合コンプライアンス制御によって発
生する実全床反力の増加量が補償全床反力モーメントM
dmdに届かない場合がある。このようなことが生じる
可能性が高い状況では、式5、式6の左辺の値を1より
大きくすべきである。
【0165】歩行時の分配用重み変数設定例である図2
0では、Wintを0に設定することによって、図21
の状況のように、両脚補償角θdbv を操作しても実全床
反力モーメントが発生できなくなっても、各足平補償角
を操作して不足分を補うようにした。
【0166】好都合なことに、図21のように後傾する
と第2足平のかかとが結果的に下がって床に接地しやす
くなるので、第2足平補償角を操作することによって実
全床反力モーメントを発生させることができるようにな
る。
【0167】また、後傾していないときには両脚補償角
θdbvを操作することによる実全床反力モーメントが
発生するが、第2足平のかかとが床に接地しないので、
第2足平補償角を操作しても実全床反力モーメントは発
生しない。
【0168】つまり、両脚補償角θdbvが有効に働く
ときには各足平補償角が有効に働かず、各足平補償角が
有効に働くときには両脚補償角θdbvが有効に働かな
いので、結果的に両脚補償角および各足平補償角を操作
することによって発生する実床反力モーメントの総量
は、ほぼ補償全床反力モーメントMdmdに等しくな
る。
【0169】状況によっては、両脚補償角および各足平
補償角を操作することによって発生する実床反力モーメ
ントの総量が補償全床反力モーメントMdmdよりも大
きくなってしまう場合がある。
【0170】しかし、この場合でも、Mdmdがこの実
施の形態のように姿勢安定化のためのフィードバック操
作量であるならば、あまり問題にならない。何故なら
ば、Mdmdの大きさが多少違っていても、一般的に制
御系に言えることであるが、制御系のオープンループゲ
インが多少変化するだけで、クローズドループ特性はほ
とんど変わらないからである。
【0171】注意点3)片脚支持期では、両脚補償角用
の分配用重み変数であるWdbx,Wdbyの絶対値を
小さくする。片脚支持期では両脚補償角を変化させて
も、接地していない足平が無駄に上下するだけで、実各
足平床反力は変化しないからである。
【0172】注意点4)足平の接地性を確保するため
に、目標足平床反力の力成分が小さいときには、その足
平の足平補償角のための分配用重み変数の絶対値を小さ
くする。特に、足平が床から遠く離れているときには、
その足平の足平補償角を動かしても、その足平の実足平
床反力は変化しないので、不要な動きをさせないために
も、その足平の足平補償角のための分配用重み変数の絶
対値を小さくすべきである。
【0173】注意点5)両脚補償角を操作することによ
って制御できる実全床反力モーメントの方向と、各足平
補償角を操作することによって制御できる実全床反力モ
ーメントの方向は通常異なる。
【0174】例えば、両脚補償角θdbvを操作するこ
とによって発生する実全床反力モーメントの向きは必ず
V方向であり、V方向に直交する成分を発生させること
はできない。一方、各足平補償角を操作することによっ
て発生できる実全床反力モーメントの向きは、足平の接
地状況によって制約を受ける。
【0175】例えば、つまさきのエッジだけまたはかか
とのエッジだけが接地している場合には、エッジ線方向
にモーメントを発生することはできない。両脚支持期で
は、この特性を考慮して、なるべく無駄なく両脚補償角
および各足平補償角を操作する。
【0176】例えば、両脚補償角を操作するための分配
重みWdbx,Wdbyは次のように決定する。
【0177】X成分がWdbx、Y成分がWdby、Z
成分が0のベクトルをWdbとすると、式3はベクトル
WdbとMdmdの内積になっている。従って、Mdm
dをベクトルWdb方向成分とその直交成分に分解し、
ベクトルWdb方向成分だけを抽出して、ベクトルWd
bの大きさを乗じたものが、式3によって求められるM
dmddbvであると言える。
【0178】この場合のMdmddbvを図23に示
す。これは、両脚補償角を操作することによって実全床
反力モーメントのWdb方向成分を制御するフィードバ
ック制御系を構成することを意味する。もし、Wdb方
向がベクトルVと直交していたら、両脚補償角をいくら
操作しても実全床反力モーメントのWdb方向成分は発
生しないから、このフィードバック制御系はただ無駄に
両脚補償角を操作するだけになる。
【0179】従って、無駄な動きを減らした場合には、
Wdb方向をベクトルV方向に一致させるか、またはな
るべく近づけるべきである。また、補償全床反力モーメ
ントMdmdのWdb方向成分を、各足平補償角に頼ら
ずに両脚補償角を操作するだけで発生させたいならば、
WdbとVの内積が1になるように設定する。一部を各
足平補償角に頼らせたいならば、WdbとVの内積が1
より小さくなるように設定する。
【0180】ところで、足平の横幅が狭い場合には、各
足平補償角を操作することによって発生し得る実各足平
床反力モーメントのX成分は小さくなる。この場合に
は、Wdbxを大きめに設定する。Wdb方向とベクト
ルV方向は一致しなくなり、両脚補償角の変動が増加す
るが、安定性が増す。
【0181】両脚補償角決定部について更に詳説する
と、図24は両脚補償角決定部の演算処理のブロック図
であり、両脚補償角θdbvは図示の如く演算される。
【0182】図24を参照して説明すると、目標第1足
平床反力中心点Q1に作用するF1actと目標第2足
平床反力中心点Q2に作用するF2actが、目標全床
反力中心点Pのまわりに発生させるモーメントMf1f
2actを、次式により求める。
【0183】 Mf1f2act = PQ1*F1act + PQ2*F2act ・・・式12 ここで、PQ1は始点がP、終点がQ1のベクトル、P
Q2は始点がP、終点がQ2のベクトルである。
【0184】また、式12の代わりに、次式を用いても
実際上はほとんど問題がない。 Mf1f2act = PQ1*F1act + PQ2*F2act+ M1act+ M2act ・・・式12a 式12aは、目標全床反力中心点まわりに作用する実全
床反力モーメントMnactを算出する式になってい
る。尚、式12は、目標全床反力中心点まわりに作用す
る実全床反力モーメントから、目標各足平床反力中心点
まわりに作用する実各足平床反力モーメントを減じたも
のになっている。請求項4項の記載は、これに基づく。
【0185】次に、Mf1f2actのベクトルV方向
成分Mf1f2actvを抽出する。これは、ベクトル
の内積演算を用いた次式によって得られる。尚、ベクト
ルVは前述の動作説明において図15に示したVであ
る。 Mf1f2actv = Mf1f2act・V ・・・式13
【0186】次に、Mf1f2actvをローパスフィ
ルタに通してMf1f2actvfiltを得る。
【0187】次に、両脚補償モーメントV方向成分Md
mddbvを補償用フィルタに通し、それを、Mf1f
2actvfiltから減じ、偏差モーメントV方向成
分Mdiffvを得る。
【0188】尚、補償用フィルタは、Mdmddbvか
ら実全床反力モーメントまでの伝達関数の周波数応答特
性を改善するものである。
【0189】次に、足平ばね機構などの変形による両脚
補償モーメントV方向成分への影響を打ち消すための両
脚機構変形補償角θffdbvを求める。これは、いわ
ゆるフィードフォワード補償である。
【0190】具体的には、両脚補償モーメントV方向成
分Mdmddbvと変形量との関係を表す機構コンプラ
イアンスモデルを用い、目標第1足平床反力中心点Q1
と目標第2足平床反力中心点Q2を結ぶ線分の変形角度
を求め、それの極性を反転したものを両脚機構変形補償
角θffdbvとすれば良い。
【0191】両脚機構変形補償角θffdbvは、近似
的には次式により求めれば良い。 θffdbv =−α*Mdmddbv ・・・式14 ここでαは所定の定数である。
【0192】最後に次式によって両脚補償角θdbvを
得る。ここでKdbは制御ゲインであり、通常、これは
正の値に設定する。 θdbv = Kdb * Mdiffv+θffdbv ・・・式15
【0193】第n足平補償角決定部について説明する
と、図25はその中の第1足平X補償角決定部の演算処
理を示すブロック図であり、第1足平X補償角θ1xは
図示の如く演算する。説明は省略するが、第1足平Y補
償角θ1y、第2足平X補償角θ2x、第2足平Y補償
角θ2yも同様に求める。ここでは第1足平X補償角θ
1xを求めるアルゴリズムだけを説明する。
【0194】第1足平床反力モーメントX成分M1ac
txをローパスフィルタに通してM1actfiltx
を得る。第1足平補償モーメントX成分Mdmd1xを
補償用フィルタに通し、それを、M1actfiltx
から減じ、偏差モーメントMdiff1xを得る。両脚
補償角決定と同様、補償用フィルタは、Mdmd1xか
ら実全床反力までの伝達関数の周波数応答特性を改善す
るものである。
【0195】次に、両脚補償角決定と同様、足平ばね機
構などの変形による第1足平補償モーメントX成分への
影響を打ち消すための第1足平X機構変形補償角θff
1xを求める。これは、いわゆるフィードフォワード補
償である。
【0196】具体的には、第1足平補償モーメントV方
向成分Mdmd1xと変形量との関係を表す機構コンプ
ライアンスモデルを用い、第1足平の変形角度を求め、
それの極性を反転したものを第1足平X機構変形補償角
θff1xとすれば良い。
【0197】第1足平X機構変形補償角θff1xは、
近似的には次式により求めれば良い。 θff1x=−α1x*Mdmddbv ・・・式16 ここでα1xは所定の定数である。
【0198】最後に次式によって第1足平X補償角θ1
xを得る。ここでK1xは制御ゲインであり、通常、こ
れも正の値に設定する。 θ1x = K1x * Mdiff1x+θff1x ・・・式17 尚、図示のブロック線図は、演算処理順序を変えるなど
の等価変形をしても良い。
【0199】図18に戻って説明を続けると、修正目標
足平位置・姿勢算出部は、両脚補償角θdbv、第1足
平X補償角θ1x、第1足平Y補償角θ1y、第2足平
X補償角θ2x、第2足平Y補償角θ2yに基づき、前
述の複合コンプライアンス動作の足平位置・姿勢修正手
法に従って目標足平位置・姿勢を修正し、修正目標足平
位置・姿勢を得る。
【0200】機構変形量算出部は、目標各足平床反力に
よって発生が予想されるばね機構32や足底弾性体34
の変形量を求める。
【0201】機構変形補償入り修正目標足平位置・姿勢
算出部は、算出された機構変形量を打ち消すように、修
正目標足平位置・姿勢をさらに修正し、機構変形補償入
り修正目標足平位置・姿勢を得る。
【0202】例えば、図26に示すような機構変形量が
予想されるときには、機構変形補償入り修正目標足平位
置・姿勢は、図27に実線で示す位置・姿勢に修正され
る。即ち、図27に示す機構変形補償後の足平が目標足
平床反力を受けて変形したときの位置・姿勢が、図26
に示す機構変形補償前の足平位置・姿勢に一致するよう
に、機構変形補償入り修正目標足平位置・姿勢を算出す
る。
【0203】機構変形補償は、ばね機構32や足底弾性
体34の変形によって生じる実足平位置・姿勢のずれを
フィードフォワード的に打ち消す制御であり、この制御
がない場合に比較し、より一層、目標歩容に近い歩行を
実現することができる。
【0204】上記を前提として図10フロー・チャート
の説明に戻ると、前記の如く、S34において上記した
補償角を決定する。
【0205】図28はその作業を示すサブルーチン・フ
ロー・チャートである。
【0206】同図を参照して説明すると、先ずS100
において前記したベクトルVを求め、S102に進んで
分配用重み変数を図20に示すように設定し、現在時刻
tでのこれらの値を求める。続いてS104に進み、式
3および式4によって補償全床反力モーメントMdmd
を両脚補償モーメントMdmddbvと各足平補償モー
メントMdmdnx(y)に分配し、S106に進んで
既述の如く両脚補償角θdbvを求め、S108に進ん
で各足平補償角θnx(y)を求める。
【0207】次いで図10フロー・チャートのS36に
進み、目標各足平床反力に基づいて機構変形補償量を算
出し、S38に進んで目標足平位置・姿勢を補償角θd
bv,θnx(y)に応じて修正し、更にこれを機構変
形補償量に応じて修正し、機構変形補償入り修正目標足
平位置・姿勢を得る。
【0208】次いでS40に進み、上体位置・姿勢と機
構変形補償入り修正足平位置・姿勢から関節変位指令
(値)を算出し、S42に進んで実関節変位を算出され
た関節変位指令(値)にサーボ制御し、S44に進んで
時刻をΔt更新し、S14に戻って上記の処理を繰り返
す。
【0209】この実施の形態は上記の如く構成したの
で、これによって、概括すれば、実全床反力の制御と実
各足平床反力の制御が殆ど干渉しないようになり、それ
らを容易に制御することができる。
【0210】即ち、この実施の形態に係る装置は、先に
提案した技術に対して以下の点を改良した。即ち、特開
平5−305584号公報で提案した足首コンプライア
ンス制御では、足首または足底の基準点などの足平に固
定された点における実床反力モーメントを検出し、それ
に基づいて前記固定されたを中心に足平を回転させてい
たが、この実施の形態に係る装置では、移動する目標足
平床反力中心点における実各足平床反力モーメントを算
出し、それに基づいて目標足平床反力中心点を中心に足
平を回転させるように変更し、その点まわりのモーメン
トを望ましい値に制御するようにした。
【0211】この結果、実全床反力と実各足平床反力が
ほとんど干渉することなく、容易に制御することが可能
となった。より干渉を少なくするために、各瞬間におけ
る想定していた足底接地領域内にもっと適切な点を選定
しても良い。
【0212】更には、ロボットに作用する床反力、より
具体的には目標全床反力中心点(目標ZMP)まわりの
実全床反力モーメントと目標各足平中心点まわりの実各
足平床反力モーメントを容易かつ適切に制御することが
できる。換言すれば、先に提案した両脚コンプライアン
ス制御および足首コンプライアンス制御の併用に比較し
て、制御の干渉がなく、実全床反力と実各足平床反力が
望ましい値からずれたり発振することがない。
【0213】従って、大域的なうねりや傾斜だけでな
く、局所的な凹凸や傾斜なども含む予期しない床形状変
化があっても、その影響をあまり受けずに脚式移動ロボ
ットに作用する床反力を適切に制御することができる。
【0214】また、脚式移動ロボットの姿勢安定化制御
を容易に実現できると共に、脚式移動ロボットが受ける
着地衝撃を低減することができ、脚式移動ロボットの接
地性を高め、歩行時のスリップやスピンを防止すること
ができる。更に、脚式移動ロボットのアクチュエータの
負荷を低減することができる。
【0215】また、特開平5−305586号公報で提
案した両脚コンプライアンス制御では実全床反力(各足
平床反力の合力)の目標全床反力中心点(目標ZMP)
まわりのモーメント成分を検出し、その値が望ましい値
になるように制御していたが、この実施の形態に係る装
置においては、目標各足平床反力中心点に作用する足平
床反力の内のモーメント成分を除いた並進力成分の合成
が目標全床反力中心点(目標ZMP)まわりに作用する
モーメントを検出し、その値を望ましい値になるように
制御するように変更した(尚、この点は先に提案した制
御手法であっても良い)。
【0216】図29はこの発明に係る脚式移動ロボット
の制御装置の第2の実施の形態を示す、図16と同様な
説明図である。
【0217】第2の実施の形態に係る装置は補償動作を
簡易化した。この実施の形態においては、各足平の床反
力の力成分を操作する足平位置修正動作の手法として
は、図16に示した手法に代え、図29に示すように、
鉛直方向にだけ移動させるようにした。このとき、第1
足平鉛直方向移動量Z1と第2足平鉛直方向移動量Z2
は、次式によって求める。 Z1 = -線分PQ1 の長さ *θdbv Z2 = 線分PQ2 の長さ *θdbv ・・・式18 但し、ここで、θdbvには式15で求められる値を代
入する。
【0218】尚、その他の構成は、第1の実施の形態と
異ならない。第2の実施の形態においては、上記の如く
構成したことで、第1の実施の形態とほぼ同様の作用、
効果を得ることができる。
【0219】図30はこの発明に係る脚式移動ロボット
の制御装置の第3の実施の形態を示す、図4と同様な説
明図である。また、図31は、その動作を示す、図10
と同様なフロー・チャートである。
【0220】第3の実施の形態においては、実全床反力
モーメントのZ成分(鉛直軸まわり成分)に対するコン
プライアンス制御を追加した。即ち、第3の実施の形態
は、前記したZ軸まわり固有回転振動に起因する実各足
平床反力モーメントのZ成分を低減するようにした。
【0221】第3の実施の形態にあっては、そのため
に、第1の実施の形態に係る装置の構成に、状態検出
器、姿勢安定化制御演算部、複合コンプライアンス動作
決定部に新たな機能を追加した。
【0222】図30を参照して説明すると、第3の実施
の形態に係る装置においては先ず、ロボット1の上体2
4の適宜位置にヨーレートセンサ100を設けると共
に、その出力などを入力し、現在の位置、姿勢、および
進行方向を推定する自己位置・姿勢・方向推定器102
を備えるようにした。ヨーレートセンサ100は、ロボ
ット1のZ軸まわりのヨーレート(回転角速度)に応じ
た信号を出力する。尚、X,Y軸まわりの回転角速度
は、傾斜センサ60の出力に基づいて算出する。
【0223】自己位置・姿勢・方向推定器102は、目
標足平軌道または実関節角に基づいて一歩前の着地位置
に対する今回の着地位置の相対位置および方向を求める
と共に、ヨーレートセンサ100の検出値を積分するこ
とにより、ロボットの進行方向を検出する。
【0224】さらに、これらの情報に基づき、デッドレ
コニングによって、目標経路に対するロボット1の位置
ずれと方向ずれを推定する。尚、デッドレコニングでは
推定値の誤差が発散する傾向があるので、カメラなどを
用いて環境を認識して補正しても良い。また、上体24
が鉛直軸に対して傾くと、旋回時のヨーレート検出値は
実際値より少ない値となるので、傾斜センサ60の出力
によってヨーレート検出値を補正するのが望ましい。
【0225】第3の実施の形態に係る装置を図31フロ
ー・チャートを参照して説明すると、S10からS30
まで進んだ後、S30aにおいて、推定されたロボット
1の位置および/または方向のずれに基づき、そのずれ
が減少するように、補償全床反力モーメントのZ成分M
dmdzを求める。
【0226】以下、図32に示す経路に沿って歩行する
場合を例にとって説明すると、上記した補償全床反力モ
ーメントのZ成分Mdmdzを求める制御則として次式
を用いる。 Mdmdz =−Kthzθerrz− Kwz (dθerrz / dt)− Khzh ・・・式19 ここで、θerrzは方向のずれ、dθerrz/dt
はその時間微分値、hは経路からの横ずれである。同図
にθerrz,hを示す。この図の状態では、θerrz,
hは正である。また、Kthz,KwzおよびKhzは
経路誘導制御ゲイン(定数)である。
【0227】前記した如く、ロボット1が歩行している
とき、足平のばね機構32や足底弾性体34のねじれ弾
性とロボット1の鉛直軸まわりの慣性力モーメントによ
って、上体24が鉛直軸まわりに回転振動する。これを
Z軸まわり固有回転振動と呼ぶ。この振動によって、実
各足平床反力モーメントのZ成分が振動する。ロボット
1が歩行しているとき、実足平床反力は、ほぼ、目標足
平床反力モーメントと上記振動の和になる。
【0228】上記振動の振幅が過大になると、実足平床
反力モーメントのピーク値が摩擦の限界を超え、その瞬
間に足底が滑り、ロボット1はスピンする。スピンが大
きいと、姿勢安定性を失って転倒する場合もある。つま
り、Z軸まわり固有回転振動を抑制するだけでも、姿勢
安定性を向上させる効果があることがわかる。
【0229】尚、単にZ軸まわり固有回転振動を抑制す
るだけならば、ヨーレートのずれ(方向ずれの時間微分
値)だけから補償全床反力モーメントのZ成分Mdmd
zを決定すれば良い。即ち、式19において、Kwz以
外の経路誘導制御ゲインを0に設定すれば良い。
【0230】また、第3の実施の形態においては、複合
コンプライアンス動作決定部に新たな機能を追加した。
具体的には、実全床反力と実各足平床反力のZ軸まわり
モーメント成分を操作するため、足平22R(L)の位
置姿勢の修正動作を、第1の実施の形態での動作に加え
た。複合コンプライアンス動作決定部は、この修正量を
決定する。
【0231】その決定方法を述べる前に、追加される動
作を以下に具体的に説明する。
【0232】全床反力と各足平床反力のZ軸まわりモー
メント成分を操作するための足平の位置姿勢の修正は、
第1の実施の形態で述べた複合コンプライアンス動作に
よって得られた、修正目標各足平位置姿勢(図16の太
線の足平)と修正目標各足平床反力中心点(図16のQ
1’,Q2’)に対して次のような修正を加えることに
よって行われる。
【0233】1)修正目標第1足平床反力中心点(図1
6のQ1’)の座標を、目標全床反力作用点(目標ZM
P)を回転中心に、Z軸まわりに、ある回転角θdbz
だけ回転移動(rotete)する。移動した後の点をQ1”
とする。
【0234】同様に、目標第2足平床反力中心点(図1
6のQ2’)の座標を、目標全床反力作用点(目標ZM
P)を回転中心に、Z軸まわりに、ある回転角θdbz
だけ回転移動(rotete)する。移動した後の点をQ2”
とする。この回転角θdbzを、Z軸まわり両脚補償角
と呼ぶ。
【0235】始点がQ1’終点がQ1”のベクトルをベ
クトルQ1’Q1”とする。同様に、始点がQ2’終点
がQ2”のベクトルをベクトルQ2’Q2”とする。図
33に上方から見たQ1”とQ2”を示す。
【0236】3)修正目標第1足平を、姿勢は変えず
に、ベクトルQ1’Q1”だけ平行移動させる。同様
に、修正目標第2足平を、姿勢は変えずに、ベクトルQ
2’Q2”だけ平行移動させる。移動後の修正目標各足
平を図33に太線で示す。
【0237】4)次に、3)で得られた修正目標第1足
平をQ1”を中心に、鉛直方向軸(Z軸)まわりに回転
角θ1zだけ回転させる。同様に、3)で得られた修正
目標第2足平をQ2”を中心に、鉛直方向軸(Z軸)ま
わりに回転角θ2zだけ回転させる。回転角θnzを第
n足平Z補償角と呼ぶ。回転後の修正目標各足平を図3
4に太線で示す。
【0238】以上の補償動作量が過大でなければ、補償
動作量と補償動作によって発生する実床反力の変化量と
の間の関係は、以下に示す良好な特性を持つ。
【0239】特性1)Z軸まわり両脚補償角θdbzだ
けを操作して修正目標各足平位置を移動させると、移動
向きと逆向きに実各足平床反力の力成分が発生する。こ
のとき、修正目標各足平実床反力中心点まわりの実各足
平床反力モーメントは、ほとんど変化しない。
【0240】特性2)第n足平Z補償角だけを操作して
目標各足平姿勢を回転させると、目標第n足平床反力中
心点に作用する実第n足平床反力のモーメントのZ軸成
分だけが変化し、その他の床反力成分は少ししか変化し
ない。
【0241】特性3)両脚補償角θdbz、各足平X補
償角、各足平Y補償角、Z軸まわり両脚補償角θdbz
および各足平Z補償角を同時に操作すると、実各足平床
反力の変化量は、それぞれを単独に操作したときの変化
量の和になる(換言すれば、線形結合が可能になる)。
【0242】特性1および特性2は、これらの操作に独
立性があることを示し、特性3は全ての操作に線形性が
あることを示していると言える。
【0243】以上の動作におけるZ軸まわり両脚補償角
θdbzおよび各足平Z補償角を、複合コンプライアン
ス動作決定部において以下のように決定する。
【0244】図35に第3の実施の形態の複合コンプラ
イアンス部の概要ブロック図を示す。図示の如く、モー
メントZ成分補償動作決定部104を追加した。図36
にそのモーメントZ成分補償動作決定部104の詳細を
示す。以下、この追加部分を中心に説明する。
【0245】図36に示す如く、このZ成分補償モーメ
ント決定部104においては、補償全床反力モーメント
分配器の出力から、両脚補償モーメントMdmddbの
Z成分Mdmdbzと各足平補償モーメントMdmd1
z,Mdmd2zを決定すると共に、実各足平床反力と
分配された補償モーメントZ成分(Mdmddbz,M
dmdnz)などから、Z軸まわり両脚補償角θdb
z、第1足平Z補償角θ1zおよび第2足平Z補償角θ
2zを決定する。(これは図38フロー・チャートでS
34aの処理に相当する)。
【0246】修正目標足平位置姿勢算出部では、Z軸ま
わり両脚補償角および各足平Z補償角も含めて、修正足
平位置姿勢を幾何学演算によって求める。
【0247】以下に追加処理の詳細を説明する。
【0248】図37を参照して補償全床反力モーメント
の分配について説明すると、補償全床反力モーメント分
配器では、補償全床反力モーメントMdmdのZ成分M
dmdzを、両脚補償モーメントMdmddbのZ成分
Mdmddbz、第1足平補償モーメントMdmd1の
Z成分Mdmd1z、第2足平補償モーメントMdmd
2のZ成分Mdmd2z、に分配する処理が追加され
る。
【0249】尚、両脚補償モーメントのZ成分Mdmd
dbzは、両脚補償角θdbzを操作することによって
目標全床反力中心点(目標ZMP)まわりに各足平床反
力の力成分Fnactが作るモーメントのZ成分の目標
値である。
【0250】また、第1足平補償モーメントのZ成分M
dmd1zは、第1足平補償角θ1zを操作することに
よって目標第1足平床反力中心点まわりに発生させたい
モーメントZ成分(図34にM1で示す)である。同様
に、第2足平補償モーメントのZ成分Mdmd2は、第
2足平補償角θ2zを操作することによって目標第2足
平床反力中心点まわりに発生させたいモーメントZ成分
(図34にM2で示す)である。
【0251】分配は、例えば、次式を用いて行う。 Mdmddbz =Wdbz× Mdmdz Mdmd1z =W1z × Mdmdz Mdmd2z =W2z × Mdmdz ・・・式20 ここで、Wdbz,W1z,W2zは歩行時の分配用重
み変数である。その分配用重み変数Wdbz,W1z,
W2zの設定例を、図38に示す。同図の設定パターン
は、以下の注意点を考慮して決定される。
【0252】注意点1)両脚補償角と各足平補償角が不
連続的に変化すると、関節に過大なトルクが発生する。
そこで、両脚補償角と各足平補償角を連続的に変化させ
るために、分配用重み変数は連続的に変化させる。
【0253】注意点2)Z軸まわり両脚補償角および各
足平Z補償角を操作することによって発生する実床反力
モーメントのZ成分が、なるべく補償全床反力モーメン
トのZ成分Mdmdzに近い値になるように、分配用重
み変数Wdbz,W1z,W2zを決定する。
【0254】直立時などのように、両脚補償モーメント
のZ成分Mdmddbz、各足平補償モーメントZ成分
Mdmd1z,Mdmd2zを忠実に実各足平床反力に
発生させることができる状況では、以下のように設定す
る。即ち、目標全床反力中心点(目標ZMP)まわりの
実床反力モーメントMactのZ成分を、補償全床反力
モーメントMdmdのZ成分に一致させる(換言すれ
ば、第1の実施の形態で述べた複合コンプライアンス動
作部に対する要求1を満足する)ために、以下の式21
を可能な限り満足するように重みを設定する。
【0255】 Wdbz+ W1z+ W2z= 1 ・・・式21 尚、歩行時では、式21の左辺が1に近ければ十分であ
る。換言すれば、必ずしも1でなくても良い。
【0256】注意点3)遊脚足平が着地する時点でZ軸
まわり両脚補償角θdbzが0でないと、足平着地位置
が目標位置からずれ、軌道誘導制御に悪影響を及ぼす場
合がある。従って、足平が着地する時点付近で、Z軸ま
わり両脚補償角用の分配用重み変数Wbzを0にするの
が望ましい。
【0257】注意点4)遊脚足平が着地する時点でその
足平のZ補償角が0でないと、足平着地向きが目標向き
からずれ、軌道誘導制御に悪影響を及ばす場合がある。
従って、第1足平が着地する時点付近で、第1足平Z補
償角用の分配用重み変数W1zを0にし、第2足平が着
地する頃では、第2足平Z補償角用の分配用重み変数W
2zを0にするのが望ましい。
【0258】また、Z軸まわり両脚補償角θdbzの決
定処理が追加される。Z軸まわり両脚補償角θdbz
は、両脚補償角θdbvと同様のアルゴリズムによって
求められる。違いは、モーメントと角度の向きがV方向
からZ方向に変わっただけである。従って、Z軸まわり
両脚補償角θdbzを決定する処理のブロック図は、図
24のVをZに置き換えることによって得ることができ
る。
【0259】さらに、第1足平補償角θ1z、第2足平
補償角θ2zの決定処理が追加される。第n足平Z補償
角θnzは、第1足平X補償角θ1xを求めるアルゴリ
ズムと同様のアルゴリズムによって求めるられる。違い
は、XがZに、1がnに変わっただけである。従って、
第n足平Z補償角θnzを決定する処理のブロック図
は、図25のXをZに、1をnに置き換えることによっ
て得ることができる。
【0260】上記した、図31のS34aで行われる処
理のサブルーチンを、図39のS200ないしS206
に示す。
【0261】上記に基づいて、修正目標足平位置姿勢算
出(図31フロー・チャートのS38に相当)におい
て、両脚補償角θdbv、Z軸まわり両脚補償角θdb
z、第1足平X補償角θ1x、第1足平Y補償角θ1
y、第1足平Z補償角θ1z、第2足平X補償角θ2
x、第2足平Y補償角θ2y、第2足平Z補償角θ2z
に基づき、前述のZ軸まわり補償動作を追加した複合コ
ンプライアンス動作の足平位置姿勢修正手法に従って目
標足平位置姿勢を修正し、修正目標足平位置姿勢を得
る。
【0262】第3の実施の形態は上記の如く、実全床反
力モーメントのZ成分(鉛直軸まわりの成分)に対する
コンプライアンス制御を追加したので、従前の実施の形
態で述べた作用、効果に加えて、Z軸まわり固有回転振
動に起因する実各足平床反力モーメントのZ成分の振動
を抑制することができ、よって脚式移動ロボットの姿勢
安定化制御を一層効果的に実現することができる。
【0263】さらには、図32に示した経路誘導制御な
どを行うときも、目的とする経路に沿って精度良く誘導
することができる。
【0264】尚、第3の実施の形態において、ヨーレー
トセンサ100、自己位置・姿勢・方向推定器102な
らびに経路誘導制御演算部などを設けず、単に補償全床
反力モーメントのZ成分Mdmdzを零またはその近傍
に固定するだけでも、実全床反力モーメントのZ成分に
対するコンプライアンス制御として、かなり有効であ
る。尚、請求項9項はこの記載に基づく。
【0265】第1ないし第3の実施の形態では上記の如
く、少なくとも基体(上体24)と、前記基体に第1の
関節(10,12,14R(L))を介して連結される
と共に、その先端に第2の関節(18,20R(L))
を介して連結される足部(足平22R(L))を備えた
複数本(2本)の脚部(脚部リンク2)からなる脚式移
動ロボットの制御装置において、前記ロボットの少なく
とも前記足部の目標位置および姿勢を含む運動パターン
(目標上体位置・姿勢、目標足平位置・姿勢)と、前記
ロボットに作用する全床反力の目標パターン(目標全床
反力、目標全床反力中心点(=目標ZMP))を少なく
とも含む前記ロボットの歩容を生成する歩容生成手段
(歩容生成器、S10からS22)、前記生成された歩
容の全床反力を前記足部のそれぞれに分配したときの前
記足部上の作用中心点たる目標足部床反力中心点(目標
各足平床反力中心点)を決定する目標足部床反力中心点
決定手段(目標床反力分配器、S24,S26)、前記
足部に作用する実床反力(実各足平床反力)を検出する
実床反力検出手段(6軸力センサ44、実各足平床反力
検出器、S32)、前記検出された実床反力が前記算出
された目標足部床反力中心点まわりに作用するモーメン
ト(実第n足平床反力モーメントMactx,y,z)
を算出し、少なくとも前記算出されたモーメントに基づ
いて前記足部を回転させる回転量(両脚補償角θdb
v,z、第n足平補償角θnx,y,z)を決定する足
部回転量決定手段(複合コンプライアンス動作決定部、
S32からS34,S34a、両脚補償角決定部、第n
足平補償角決定部、S100からS108およびS20
0からS206)、前記決定された足部回転量に基づい
て前記足部の位置および/または姿勢が回転するように
前記目標位置および/または姿勢を修正する足部位置・
姿勢修正手段(複合コンプライアンス動作決定部、S3
8,S40、修正目標足平位置・姿勢算出部)、およ
び、前記修正された足部の位置・姿勢に基づいて前記ロ
ボットの第1および第2の関節(10,12,14,1
8,20R(L))を変位させる関節変位手段(ロボッ
ト幾何学モデル(キネマティクス演算部)、変位コント
ローラ、S40,S42)を備えるように構成した。
【0266】また、少なくとも基体(上体24)と、前
記基体に第1の関節(10,12,14R(L))を介
して連結されると共に、その先端に第2の関節(18,
20R(L))を介して連結される足部(足平22R
(L))を備えた複数本(2本)の脚部(脚部リンク
2)からなる脚式移動ロボット1の制御装置において、
前記ロボットの少なくとも前記足部の目標位置および姿
勢を含む運動パターン(目標上体位置・姿勢、目標足平
位置・姿勢)と、前記ロボットに作用する全床反力の目
標パターン(目標全床反力、目標全床反力中心点(=目
標ZMP))を少なくとも含む前記ロボットの歩容を生
成する歩容生成手段(歩容生成器、S10からS2
2)、前記生成された歩容の全床反力を前記足部のそれ
ぞれに分配したときの前記足部上の作用中心点たる目標
足部床反力中心点(目標各足平床反力中心点)を決定す
る目標足部床反力中心点決定手段(目標床反力分配器、
S24)、前記足部に作用する実床反力(実各足平床反
力)を検出する実床反力検出手段(6軸力センサ44、
実各足平床反力検出器、S32)、少なくとも前記検出
された実床反力に基づいて前記足部を回転させる回転量
(両脚補償角θdbv,z、第n足平補償角θnx,
y,z)を決定する足部回転量決定手段(複合コンプラ
イアンス動作決定部、S32,S34,S34a、両脚
補償角決定部、第n足平補償角決定部、S100からS
108およびS200からS206)、前記決定された
足部回転量に基づいて前記足部の位置および/または姿
勢が、前記決定された目標足部床反力中心点あるいはそ
の近傍まわりに回転するように、前記目標位置および/
または姿勢を修正する足部位置・姿勢修正手段(複合コ
ンプライアンス動作決定部、S38,S40、修正目標
足平位置・姿勢算出部)、および前記修正された足部の
位置・姿勢に基づいて前記ロボットの第1および第2の
関節(10,12,14,18,20R(L))を変位
させる関節変位手段(ロボット幾何学モデル(キネマテ
ィクス演算部)、変位コントローラ、S42)を備える
ように構成した。
【0267】また、前記足部位置・姿勢修正手段は、前
記決定された足部回転量に基づいて前記足部の位置およ
び/または姿勢が、前記決定された目標足部床反力中心
点あるいはその近傍まわりに回転するように、前記目標
位置および/または姿勢を修正する如く構成した。
【0268】さらに、前記ロボットに実際に作用する全
床反力モーメント(より正確にはモーメント成分PQ1 *
F1act +PQ2 *F2act +M1act +M2act)、または前記ロ
ボットに実際に作用する全床反力のモーメント(PQ1 *
F1act +PQ2 *F2act +M1act +M2act )から前記足部
に作用する床反力モーメント(M1act +M2act)を減算し
て得たモーメント(Mf1f2act=PQ1 *F1act +
PQ2 *F2act )のいずれかを算出し、少なくとも前記算
出されたモーメントに応じて前記足部を移動させる移動
量(θdbv,z)を決定する足部移動量決定手段(複
合コンプライアンス動作決定部、S34,S34a、両
脚補償角決定部、S100からS108,S200から
S206)を備え、前記足部位置・姿勢修正手段は、前
記決定された足部回転量および前記決定された移動量に
基づいて前記足部の位置および/または姿勢を修正する
ように構成した。
【0269】また、前記全床反力の目標パターンに付加
する姿勢安定化補償全床反力モーメント(補償全床反力
Mdmd)を求め、前記足部回転量決定手段および/ま
たは前記足部移動量決定手段は、少なくとも前記検出さ
れた実床反力(実各足平床反力)と前記求めた姿勢安定
化補償全床反力モーメントに基づいて前記足部の回転量
および/または移動量を決定する(S34,S34a,
S100からS108,S200からS206)如く構
成した。
【0270】また、前記姿勢安定化補償全床反力モーメ
ントを、少なくとも前記ロボットの傾き偏差(θerr
x,y)に基づいて求める(S28,S30a)如く構
成した。
【0271】また、前記姿勢安定化補償全床反力モーメ
ントを、少なくとも前記ロボットのヨーレート(θer
rz,dθerrz/dt)に基づいて求める(S2
8,S30a)ように構成した。
【0272】また、前記姿勢安定化補償全床反力モーメ
ントを、少なくとも前記ロボットの目標経路からのず
れ、即ち、目標軌道からの横ずれあるいは方向ずれhに
基づいて求める(S28,S30a)如く構成した。
【0273】また、前記姿勢安定化補償全床反力モーメ
ント(補償全床反力Mdmd)の中の所定の成分(Md
mdz)を零またはその近傍に設定するように構成し
た。
【0274】また、前記足部位置・姿勢修正手段は、前
記ロボットの姿勢偏差に基づいて前記目標位置および/
または姿勢をさらに修正する如く構成した。
【0275】また、前記足部回転量決定手段および/ま
たは前記足部移動量決定手段は、前記姿勢安定化補償全
床反力モーメントが前記複数本の脚部のそれぞれに分配
されるように、前記足部の回転量および/または移動量
を決定する(S34,S34a,S100からS10
8,S200からS206)如く構成した。
【0276】また、少なくとも基体(上体24)と、前
記基体に第1の関節(10,12,14R(L))を介
して連結されると共に、その先端に第2の関節(18,
20R(L))を介して連結される足部(足平22R
(L))を備えた複数本(2本)の脚部(脚部リンク
2)からなる脚式移動ロボット1の制御装置において、
前記ロボットの少なくとも前記足部の目標位置および姿
勢を含む運動パターン(目標上体位置・姿勢、目標足平
位置・姿勢)と、前記ロボットに作用する全床反力の目
標軌跡パターン(目標全床反力、目標全床反力中心点
(=目標ZMP))からなる前記ロボットの歩容を生成
する歩容生成手段(歩容生成器、S10からS22,S
24)、前記ロボットの姿勢安定化のための補償全床反
力(補償全床反力Mdmd)を算出する姿勢安定化補償
全床反力算出手段(姿勢安定化制御演算部、S30,S
30a)、前記足部に作用する実床反力(実各足平床反
力)を検出する足部床反力検出手段(6軸力センサ4
4、実各足平床反力検出器、S32)、前記目標歩容の
全床反力と前記補償全床反力を分配する床反力分配手段
(目標床反力分配器、S34,S34a,S100から
S104,S200からS202)、前記分配された目
標歩容の床反力と補償床反力と前記検出された足部実床
反力に基づいて前記目標歩容の足部の位置および/また
は姿勢を修正する修正手段(複合コンプライアンス動作
決定部、S36からS38、補償角決定部、機構変形量
算出部、修正目標足平位置・姿勢算出部、機構変形補償
入り修正目標足平位置姿勢算出部)、および前記修正さ
れた目標足部位置および姿勢に基づいて前記ロボットの
第1および第2の関節(10,12,14,18,20
R(L))を変位制御する関節変位制御手段(ロボット
幾何学モデル(キネマティクス演算部)、変位コントロ
ーラ、S40,S42)を備える如く構成した。
【0277】また、前記修正手段は、前記ロボットの姿
勢偏差に基づいて前記目標歩容の足部の位置および/ま
たは姿勢をさらに修正する如く構成した。
【0278】尚、上記した第1ないし第3の実施の形態
において、補償動作における足平回転中心点の取り方を
更に敷衍すると、補償動作における足平回転中心点は、
図17に示したような目標各足平床反力中心点の代わり
に、その瞬間に想定している足底接地領域の中の別の点
を回転中心点に設定しても良い。
【0279】その設定手法例を以下に列挙する。演算処
理は複雑になるが、場合によっては、足平を回転させて
も、足平実床反力モーメントだけが変化して、足平実床
反力の力成分に対しては、より干渉しないようにするこ
とができる。但し、いずれの方式であっても、足平回転
中心点の移動軌跡が不連続にならないように注意する。
不連続であると、補償動作が急激に変わって足平がばた
つくからである。
【0280】手法1)各補償モーメントと各足平目標床
反力の力成分から、各補償モーメントを発生させたとき
に実各足平床反力中心点があるべき位置を求め、これを
修正目標各足平床反力中心点と呼ぶ。但し、修正目標各
足平床反力中心点は、その瞬間に想定している足底接地
領域から越えないように設定する。修正目標各足平床反
力中心点またはその点の近傍を回転中心点にする。
【0281】手法2)想定している足底接地領域の面積
中心点を求め、その点またはその点近傍を回転中心点に
する。
【0282】手法3)実各足平床反力から実各足平床反
力中心点を求め、その点またはその点近傍を回転中心点
にする。
【0283】手法4)手法1から3に挙げた各種回転中
心点候補や目標各足平床反力中心点などの内から複数の
候補を選び、その加重平均の点を回転中心点とする。
【0284】尚、上記において、足底接地領域の圧力分
布の一部に負の圧力が発生しない限り、すなわち粘着力
が発生しない限り、実足平床反力中心点は必ず足底接地
領域内に存在する。
【0285】また、上記した第1ないし第3の実施の形
態において、図4にあっては、目標上体位置・姿勢軌道
をそのままロボット幾何学モデルに入力する代わりに、
目標上体位置・姿勢軌道の水平位置と修正目標足平位置
・姿勢軌道から上体高さを、本出願人が先に特願平8−
214260号で提案した上体高さ決定手法を用いて再
計算することによって修正し、それをロボット幾何学モ
デルに入力しても良い。
【0286】目標足平位置・姿勢軌道を大幅に修正する
と、元の上体高さのままでは脚が伸び切って姿勢がとれ
なくなるおそれがある。このような場合には、上記再計
算を行えば、余程のことがない限り脚が伸び切るおそれ
はなくなる。
【0287】また、上記した第1ないし第3の実施の形
態において、上体が傾くと、床に対する実足平の位置・
姿勢がずれ、その結果、実各足平床反力が目標角足平床
反力からずれる。このずれを打ち消したい場合には、上
体が傾くことによって生じる実足平の位置・姿勢のずれ
を、両脚補償角θdbvおよび各足平補償角θnx,θ
nyを補正することによって打ち消せば良い。
【0288】具体的には、次のように、上体の傾斜偏差
のX成分θerrx、Y成分θerryと前記ベクトル
Vを用いて補正する。即ち、前述の両脚補償角決定方法
で得られた両脚補償角θdbvに、次式のΔθdbvを
加えたものを改めて両脚補償角θdbvとする。 Δθdbv = -(θerrx * Vx + θerry * Vy )
【0289】前述の各足平補償角決定手法で得られた第
1足平X補償角θ1x、第2足平X補償角θ2xからそ
れぞれθerrxを引いたものを改めて第1足平X補償
角θ1x、第2足平X補償角θ2xとする。
【0290】同様に各足平補償角決定方法で得られた第
1足平Y補償角θ1y、第2足平Y補償角θ2yからそ
れぞれθerryを引いたものを改めて第1足平Y補償
角θ1y、第2足平Y補償角θ2yとする。尚、請求項
10項および13項は、この記載に基づいている。
【0291】また、上記した第1ないし第3の実施の形
態において、制御精度を高くする必要がない場合には、
両脚機構変形補償角θffdbvは零でも良い。即ち、
機構変形補償角の演算を省略しても良い。
【0292】また、上記した第1ないし第3の実施の形
態において、制御精度を高くする必要がない場合には、
第1足平X機構変形補償角θff1xは零でも良い。即
ち、機構変形補償角の演算を省略しても良い。
【0293】また、上記した第1ないし第3の実施の形
態において、分配用重み変数は目標歩容のタイミングに
合わせて決定されるので、処理が簡単である。但し、実
際の床面状況が目標歩容が想定している床面と大きく異
なる場合には、着地タイミングがずれるために実床反力
の増加量がMdmdに較べて大きくずれる場合がある。
【0294】予期しない床面状況の変化に対するロバス
ト性を高めるためには、実床反力の力成分から着地と離
床の瞬間を検知し、これをトリガにして分配用重み変数
を変化させても良い。
【0295】また、実各足平床反力から足平の接地状態
(例えば各足平実床反力中心点が望みの接地領域から外
れていないかなど)を推定し、接地状態が良くないなら
ば重みを下げてモーメントの発生を抑制するなど、実各
足平床反力も考慮して適宜分配用重み変数の値を変えて
も良い。
【0296】また、上記した第1ないし第3の実施の形
態においては逆キネマティクスの解の式を直接的に求め
ておき、式に上体位置・姿勢と足平位置・姿勢を代入す
るだけで各関節変位を得るようにした。これらの実施の
形態では解があるが、関節の配置によっては直接解が存
在しない場合があり、その場合には当然使えない。
【0297】そのときは、上体位置・姿勢に対する足平
の相対位置・姿勢の摂動に対する関節の摂動の比などを
マトリックスの形で表現する逆ヤコビアンまたは疑似逆
ヤコビアンを用い、近似的に各関節変位を得ても良い。
通常の産業用ロボットなどでも良く用いられる手法であ
る。前記の手法が使えない場合でも、この手法ならば、
解を近似的に求めることができる。
【0298】また、上記した第1ないし第3の実施の形
態において、ばね機構32(および足底弾性体34)自
身はこの発明の本質部分ではない。この発明の本質はフ
ィードバック制御部分にあり、機構変形補償は付随的な
ものである。
【0299】また、上記した第1ないし第3の実施の形
態において、ブロック線図は演算処理順序を変えるなど
の等価変形をしても良い。
【0300】また、上記した第1ないし第3の実施の形
態において、先にも触れた如く、目標歩容が床反力以外
の反力(目標対象物反力)を環境から受けるように想定
し、目標ZMPの定義を、目標運動パターンによって発
生する慣性力と重力と目標対象物反力の合力を動力学的
に求め、それが床面上のある点に作用するモーメント
が、鉛直軸まわりの成分を除いて零であるならば、その
点を改めて目標ZMPとしても良い。
【0301】また、本出願人は、特開平5−33784
9号公報において、目標全床反力中心点をそのままに、
目標運動パターンだけを修正し、修正された目標運動パ
ターンのZMPと目標全床反力中心点にずれを生じさせ
ることによって、姿勢の傾きを復元させる手法を提案し
ている。その手法を併用する場合には、目標全床反力中
心点は、目標ZMPに一致しない。
【0302】また、この発明を2足歩行ロボットに関し
て説明してきたが、2足歩行ロボットに限らず、多脚ロ
ボットにも応用することができる。
【0303】
【発明の効果】請求項1項にあっては、脚式移動ロボッ
トに作用する床反力を、干渉を生じることなく、容易か
つ適切に制御することができる。換言すれば、先に提案
した両脚コンプライアンス制御および足首コンプライア
ンス制御の併用に近い制御を行っても、制御の干渉がな
く、実全床反力と実各足平床反力が望ましい値からずれ
たり発振することがない。
【0304】即ち、大域的なうねりや傾斜だけでなく、
局所的な凹凸や傾斜なども含む予期しない床形状変化が
あっても、その影響をあまり受けずに脚式移動ロボット
に作用する床反力を適切に制御することができる。
【0305】また、脚式移動ロボットの姿勢安定化制御
を容易に実現できると共に、脚式移動ロボットが受ける
着地衝撃を低減することができ、脚式移動ロボットの接
地性を高め、歩行時のスリップやスピンを防止すること
ができる。更に、脚式移動ロボットのアクチュエータの
負荷を低減することができる。
【0306】請求項2項にあっては、請求項1項と同様
の作用効果を得ることができる。
【0307】請求項3項にあっては、請求項1項と同様
の作用効果を得ることができると共に、床反力をより適
切に制御することができる。
【0308】請求項4項にあっては、請求項1項と同様
の作用効果を得ることができると共に、特に姿勢制御に
重要な全床反力を一層適切に制御することができる。
【0309】請求項5項にあっては、請求項1項と同様
の作用効果を得ることができると共に、姿勢安定化能力
を向上させることができる。
【0310】請求項6項にあっては、前記したと同様の
作用効果を得ることができると共に、姿勢安定化能力を
一層向上させることができる。
【0311】請求項7項にあっては、前記したと同様の
作用効果を得ることができると共に、ロボットのスピン
あるいはスリップを防止することができ、姿勢安定化能
力を一層向上させることができる。従って、摩擦係数が
低い路面を歩行するときも、スピンあるいはスリップを
効果的に防止することができ、安定な姿勢で歩行を継続
させることができる。
【0312】請求項8項にあっては、前記したと同様の
作用効果を得ることができると共に、目標経路に沿って
安定した姿勢で歩行を継続することができる。
【0313】請求項9項にあっては、前記したと同様の
作用効果を得ることができると共に、ヨーレートを検出
しなくてもロボットのスピンあるいはスリップをかなり
の程度まで防止することができ、その意味で姿勢安定化
能力を一層向上させることができる。
【0314】請求項10項にあっては、前記したと同様
の作用効果を得ることができると共に、ロボットに作用
する実床反力を一層精度良く制御することができる。
【0315】請求項11項にあっては、前記したと同様
の作用効果を得ることができると共に、複数の脚部の負
荷を適正に分配することができ、床面との摩擦分布も局
所的に過大に作用することがない。従って、接地性を一
層向上させると共に、スピンあるいはスリップを一層良
く回避することができる。
【0316】請求項12項にあっては、請求項1項など
と同様の作用効果を得ることができると共に、足部の修
正量を一層適切に配分することができるので、姿勢安定
化のためのより大きな復元力とより高い接地性を得るこ
とができる。
【0317】請求項13項にあっては、請求項12項と
同様の作用効果を得ることができると共に、ロボットに
作用する実床反力を一層精度良く制御することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る脚式移動ロボットの制御装置を
全体的に示す説明図である。
【図2】図1に示す2足歩行ロボットの足部の構造を示
す説明側面図である。
【図3】図1に示す2足歩行ロボットの制御ユニットの
詳細を示すブロック図である。
【図4】この発明に係る脚式移動ロボットの制御装置の
構成および動作を機能的に示すブロック図である。
【図5】図1に示す脚式移動ロボットが平地を歩行する
ときの運動パターンの一例を示す説明図である。
【図6】図5の運動パターンに対応する目標全床反力中
心点(目標ZMP)軌跡の床面上軌跡を示す説明図であ
る。
【図7】図5の運動パターンに対応する目標全床反力中
心点(目標ZMP)軌跡のタイム・チャートである。
【図8】図5の運動パターンに対応する所定の条件を満
たすように設定した目標第1足平床反力中心点軌跡のタ
イム・チャートである。
【図9】図5の運動パターンに対応する所定の条件を満
たすように設定した目標第2足平床反力中心点軌跡のタ
イム・チャートである。
【図10】図4と同様に、この発明に係る脚式移動ロボ
ットの制御装置の動作を示すフロー・チャートである。
【図11】図10フロー・チャートの内の両脚補償角な
どの演算処理を行う、図4に示す複合コンプライアンス
動作決定部の動作を説明するための、両脚支持期に第1
足平と第2足平に実各足平床反力が作用している状況を
示す説明図である。
【図12】図11に示す状況における目標全床反力の設
定を示す説明図である。
【図13】図11に示す状況における目標各足平床反力
の分配を示す説明図である。
【図14】図11に示す状況における補償全床反力モー
メントを示す説明図である。
【図15】図11に示す状況における、各足平床反力中
心点を含み、水平面に垂直な平面の法線ベクトルVを示
す説明図である。
【図16】図11に示す状況における、目標各足平床反
力中心点を目標全床反力中心点(目標ZMP)まわり
に、所定角度θdbvだけ回転させたときの状態を示す
説明図である。
【図17】図11に示す状況における、各足平を前後方
向軸および左右方向軸まわりに所定角度θnx,θny
だけ回転させたときの状態を示す説明図である。
【図18】図4の複合コンプライアンス動作決定部の演
算処理を示すブロック図である。
【図19】図18に示す補償全床反力モーメント分配器
の演算処理を示すブロック図である。
【図20】図18に示す補償全床反力モーメント分配器
の、両脚補償角などを操作するための分配重み変数の設
定例を示すタイム・チャートである。
【図21】図20の補償全床反力モーメント分配器の分
配重み変数の設定を説明するための、ロボットの姿勢を
示す説明図である。
【図22】図21と同様に、補償全床反力モーメント分
配器の分配重み変数の設定を説明するための、ロボット
の姿勢を示す説明図である。
【図23】両脚補償角を操作するための分配重みを所定
の条件で決定したときの両脚補償モーメントV方向成分
Mdmddbvを示す説明図である。
【図24】図18に示す両脚補償角決定部の演算処理を
示すブロック図である。
【図25】図18に示す各足平の補償角決定部の演算処
理を示すブロック図である。
【図26】図18に示す機構変形補償入り修正目標足平
位置・姿勢算出部の演算処理を説明するための説明図で
ある。
【図27】図26と同様に、図18に示す機構変形補償
入り修正目標足平位置・姿勢算出部の演算処理を説明す
るための説明図である。
【図28】図10フロー・チャートの内の両脚補償角な
どの決定作業を示すサブルーチン・フロー・チャートで
ある。
【図29】この発明の第2の実施の形態を示す図16と
同様の説明図で、足平位置の修正動作の別の例を示す説
明図である。
【図30】第3の実施の形態に係る装置を示す、図14
と同様な説明図である。
【図31】第3の実施の形態に係る装置を示す、図10
と同様なフロー・チャートである。
【図32】第3の実施の形態に係る装置が予定する経路
誘導を示す説明上面図である。
【図33】第3の実施の形態に係る装置の動作を示す、
図16と同様な説明図である。
【図34】第3の実施の形態に係る装置の動作を示す、
図17と同様な説明図である。
【図35】第3の実施の形態に係る装置の複合コンプラ
イアンス動作部の演算処理を示す、図18と同様なブロ
ック図である。
【図36】図35のZ成分補償モーメント決定部の演算
処理を示すブロック図である。
【図37】図36に示す補償全床反力モーメント分配器
の演算処理を示すブロック図である。
【図38】図37に示す補償全床反力モーメント分配器
の分配重み変数の設定例を示すタイム・チャートであ
る。
【図39】図31フロー・チャートの中のZ軸まわり両
脚補償角などの決定作業を示すサブルーチン・フロー・
チャートである。
【図40】2足歩行ロボットが予期しなかった傾斜面を
歩行するときの説明図である。
【図41】図40に示す2足歩行ロボットに対して先に
提案した両脚コンプライアンス制御を行った場合の説明
図である。
【図42】図40に類似する、2足歩行ロボットが予期
しなかった突起を踏んだときの説明図である。
【図43】図42に示す状況で、先に提案した足首コン
プライアンス制御を行ったときの説明図である。
【符号の説明】
1 2足歩行ロボット(脚式移動
ロボット) 2 脚部リンク 10,12,14R,L 股関節 16R,L 膝関節 18,20R,L 足関節 22R,L 足平(足部) 24 上体 26 制御ユニット 32 ばね機構 34 足底弾性体 44 6軸力センサ 60 傾斜センサ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基体と、前記基体に第1の関
    節を介して連結されると共に、その先端に第2の関節を
    介して連結される足部を備えた複数本の脚部からなる脚
    式移動ロボットの制御装置において、 a.前記ロボットの少なくとも前記足部の目標位置およ
    び姿勢を含む運動パターンと、前記ロボットに作用する
    全床反力の目標パターンを少なくとも含む前記ロボット
    の歩容を生成する歩容生成手段、 b.前記生成された歩容の全床反力を前記足部のそれぞ
    れに分配したときの前記足部上の作用中心点たる目標足
    部床反力中心点を決定する目標足部床反力中心点決定手
    段、 c.前記足部に作用する実床反力を検出する実床反力検
    出手段、 d.前記検出された実床反力が前記算出された目標足部
    床反力中心点まわりに作用するモーメントを算出し、少
    なくとも前記算出されたモーメントに基づいて前記足部
    を回転させる回転量を決定する足部回転量決定手段、 e.前記決定された足部回転量に基づいて前記足部の位
    置および/または姿勢が回転するように前記目標位置お
    よび/または姿勢を修正する足部位置・姿勢修正手段、 および f.前記修正された足部の位置・姿勢に基づいて前記ロ
    ボットの第1および第2の関節を変位させる関節変位手
    段、 を備えたことを特徴とする脚式移動ロボットの制御装
    置。
  2. 【請求項2】 少なくとも基体と、前記基体に第1の関
    節を介して連結されると共に、その先端に第2の関節を
    介して連結される足部を備えた複数本の脚部からなる脚
    式移動ロボットの制御装置において、 a.前記ロボットの少なくとも前記足部の目標位置およ
    び姿勢を含む運動パターンと、前記ロボットに作用する
    全床反力の目標パターンを少なくとも含む前記ロボット
    の歩容を生成する歩容生成手段、 b.前記生成された歩容の全床反力を前記足部のそれぞ
    れに分配したときの前記足部上の作用中心点たる目標足
    部床反力中心点を決定する目標足部床反力中心点決定手
    段、 c.前記足部に作用する実床反力を検出する実床反力検
    出手段、 d.少なくとも前記検出された実床反力に基づいて前記
    足部を回転させる回転量を決定する足部回転量決定手
    段、 e.前記決定された足部回転量に基づいて前記足部の位
    置および/または姿勢が、前記決定された目標足部床反
    力中心点あるいはその近傍まわりに回転するように、前
    記目標位置および/または姿勢を修正する足部位置・姿
    勢修正手段、 および f.前記修正された足部の位置・姿勢に基づいて前記ロ
    ボットの第1および第2の関節を変位させる関節変位手
    段、 を備えたことを特徴とする脚式移動ロボットの制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記足部位置・姿勢修正手段は、前記決
    定された足部回転量に基づいて前記足部の位置および/
    または姿勢が、前記決定された目標足部床反力中心点あ
    るいはその近傍まわりに回転するように、前記目標位置
    および/または姿勢を修正することを特徴とする請求項
    1項記載の脚式移動ロボットの制御装置。
  4. 【請求項4】 さらに、 g.前記ロボットに実際に作用する全床反力モーメン
    ト、または前記ロボットに実際に作用する全床反力モー
    メントから前記足部に作用する床反力モーメントを減算
    して得たモーメントのいずれかを算出し、少なくとも前
    記算出されたモーメントに応じて前記足部を移動させる
    移動量を決定する足部移動量決定手段、 を備え、前記足部位置・姿勢修正手段は、前記決定され
    た足部回転量および前記決定された移動量に基づいて前
    記足部の位置および/または姿勢を修正することを特徴
    とする請求項1項ないし3項のいずれかに記載の脚式移
    動ロボットの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記全床反力の目標パターンに付加する
    姿勢安定化補償全床反力モーメントを求め、前記足部回
    転量決定手段および/または前記足部移動量決定手段
    は、少なくとも前記検出された実床反力と前記求めた姿
    勢安定化補償全床反力モーメントに基づいて前記足部の
    回転量および/または移動量を決定することを特徴とす
    る請求項1項ないし4項のいずれかに記載の脚式移動ロ
    ボットの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記姿勢安定化補償全床反力モーメント
    を、少なくとも前記ロボットの傾き偏差に基づいて求め
    ることを特徴とする請求項1項ないし5項のいずれかに
    記載の脚式移動ロボットの制御装置。
  7. 【請求項7】 前記姿勢安定化補償全床反力モーメント
    を、少なくとも前記ロボットのヨーレートに基づいて求
    めることを特徴とする請求項1項ないし6項のいずれか
    に記載の脚式移動ロボットの制御装置。
  8. 【請求項8】 前記姿勢安定化補償全床反力モーメント
    を、少なくとも前記ロボットの目標経路からのずれに基
    づいて求めることを特徴とする請求項1項ないし7項の
    いずれかに記載の脚式移動ロボットの制御装置。
  9. 【請求項9】 前記姿勢安定化補償全床反力モーメント
    の中の所定の成分を零またはその近傍に設定することを
    特徴とする請求項1項ないし8項のいずれかに記載の脚
    式移動ロボットの制御装置。
  10. 【請求項10】 前記足部位置・姿勢修正手段は、前記
    ロボットの姿勢偏差に基づいて前記目標位置および/ま
    たは姿勢をさらに修正することを特徴とする請求項1項
    ないし9項のいずれかに記載の脚式移動ロボットの制御
    装置。
  11. 【請求項11】 前記足部回転量決定手段および/また
    は前記足部移動量決定手段は、前記姿勢安定化補償全床
    反力モーメントが前記複数本の脚部のそれぞれに分配さ
    れるように、前記足部の回転量および/または移動量を
    決定することを特徴とする請求項5項ないし10項のい
    ずれかに記載の脚式移動ロボットの制御装置。
  12. 【請求項12】 少なくとも基体と、前記基体に第1の
    関節を介して連結されると共に、その先端に第2の関節
    を介して連結される足部を備えた複数本の脚部からなる
    脚式移動ロボットの制御装置において、 a.前記ロボットの少なくとも前記足部の目標位置およ
    び姿勢を含む運動パターンと、前記ロボットに作用する
    全床反力の目標軌跡パターンからなる前記ロボットの歩
    容を生成する歩容生成手段、 b.前記ロボットの姿勢安定化のための補償全床反力を
    算出する姿勢安定化補償全床反力算出手段、 c.前記足部に作用する実床反力を検出する足部実床反
    力検出手段、 d.前記目標歩容の全床反力と前記補償全床反力を分配
    する床反力分配手段、 e.前記分配された目標歩容の床反力と補償床反力と前
    記検出された足部実床反力に基づいて前記目標歩容の足
    部の位置および/または姿勢を修正する修正手段、 および f.前記修正された目標足部位置および姿勢に基づいて
    前記ロボットの第1および第2の関節を変位制御する関
    節変位制御手段、 を備えたことを特徴とする脚式移動ロボットの制御装
    置。
  13. 【請求項13】 前記修正手段は、前記ロボットの姿勢
    偏差に基づいて前記目標歩容の足部の位置および/また
    は姿勢をさらに修正することを特徴とする請求項12項
    記載の脚式移動ロボットの制御装置。
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