JPH10278036A - 乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット及びそれに用いるダイヤモンド砥石の製造方法 - Google Patents

乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット及びそれに用いるダイヤモンド砥石の製造方法

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JPH10278036A
JPH10278036A JP3386398A JP3386398A JPH10278036A JP H10278036 A JPH10278036 A JP H10278036A JP 3386398 A JP3386398 A JP 3386398A JP 3386398 A JP3386398 A JP 3386398A JP H10278036 A JPH10278036 A JP H10278036A
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琢磨 吉田
Wataru Kagohashi
亘 篭橋
Norihisa Sumida
規央 隅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリートや石材などの硬脆材に穿孔する
際、水や加工液を用いず、通常のドリルなど簡便な回転
工具に装着するだけで高速穿孔を可能とすると共に寿命
性能を著しく向上させたダイヤモンドドリルビット及び
該ドリルビットに用いるダイヤモンド砥石の製造方法を
提供する。 【解決手段】 金属ボディと、該金属ボディの先端にダ
イヤモンド砥石を一体に結合した構造のダイヤモンドド
リルビットであって、該ダイヤモンド砥石に設けたスリ
ットの溝間隔を、該ダイヤモンド砥石の回転軸に相当す
る部位で狭く、回転軸から外周方向に離れた部位で広く
設けると共に、該スリットに充填材を埋設してなるダイ
ヤモンドドリルビット、これに用いるダイヤモンド砥石
は、複数のダイヤモンド層一次成形体の間に、所定の寸
法に加工された充填材を挟持するかたちで焼結用モール
ドにセットした後、加圧焼結することによって後加工な
しでスリットを有するダイヤモンド砥石の一体構造物を
得ることにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートや石
材などに代表される硬脆材に対して孔あけ作業を行う場
合、冷却水またはその他の加工液を用いずに、通常のド
リルに装着するだけで容易に操作することができ、かつ
高速穿孔を可能とした乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビ
ット及びそれに用いるダイヤモンド砥石の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】石材やコンクリート構造物などの硬脆材
に孔を穿設するために用いられる穿孔工具として、従来
からダイヤモンドコアビットが汎用されている。これら
ダイヤモンドコアビットは、中空円筒状のボディの先端
にダイヤモンド砥粒とボンドとで形成されたダイヤモン
ド砥石を取り付け、ビットの回転を介して硬脆材を切削
する機構により穿孔される。
【0003】一般に、ダイヤモンド砥石は熱に弱いた
め、これを使用する場合は、主に水を供給して刃先を冷
却する。特にドリルビットとして用いる場合、刃先のダ
イヤモンド砥粒は、被削材に常に押しつけられるため、
ブレードなどとして使用されるよりもはるかに熱的に過
酷な条件となる。また、ビットが小径になるほど、ビッ
ト自体の熱容量と放熱面積が小さくなって、刃先の蓄熱
が増大するため、砥粒として最高級レベルのダイヤモン
ドを用いても、仮に冷却水を用いずにコンクリート等の
穿孔を行った場合、穿孔初期(数十秒)で、刃先砥粒の
ほとんどが熱損耗し、さらにメタルボンドの焼き付きを
起こし、すぐに穿孔不能となる。
【0004】上記の問題点を解決するものとして、ボデ
ィの中空孔から刃先に、水又は適宜な加工液を供給する
ことにより、刃先の冷却と切削屑の排出を強制する湿式
穿孔型ダイヤモンドコアビットも提案されているが、こ
の方式では水または加工液を供給するための設備や専用
の回転工具が必要であることに加え、排水または排液に
よる作業環境の汚染や感電事故対策など、作業前の段取
りや作業後の始末などに煩雑な手間を要し、作業のスピ
ードを問われる小径の孔あけ作業に対しては適切なもの
ではなかった。
【0005】また、上記の問題点を解決するものとして
本発明者らは、軸方向に内孔を有する中空円筒状のボデ
ィと、その先端部に前記ボディの内孔と連通する中空孔
を備えたダイヤモンド砥石を一体に結合した構造のダイ
ヤモンドコアビットであって、前記ダイヤモンド砥石の
刃先形状を、ボディとの結合面から先端部に向かって小
径化した円錐台形に設計するとともに、ダイヤモンド砥
石の中空孔の内径寸法を、その最大外径に対し10〜6
0%の範囲に設定し、かつボディ側面の適宜な位置に少
なくとも1個の切削屑排出口を設けた乾式穿孔用のダイ
ヤモンドコアビットを提案している(特開平8−174
537号)。
【0006】さらに本発明者らは、軸方向の外周に沿っ
て螺旋溝を設けたボディの先端部に、ダイヤモンド砥石
を一体に結合した構造のダイヤモンドドリルビットであ
って、前記ダイヤモンド砥石の刃先形状を、ボディとの
結合面から先端部に向かって小径化した円錐台形に形成
すると共に、ダイヤモンド砥石の回転軸を含む刃先先端
面からボディ回転軸に達し、かつ螺旋溝に連通する少な
くとも1条のスリットを形成した乾式穿孔用ダイヤモン
ドドリルビットを提案した(特開平8−238617
号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の発明により、石
材やコンクリートへの穿孔作業の際、切削屑が高能率で
排出されることになり、刃先で発生する熱も同時に効率
よく系外へ排出され、切れ味が良いので刃先での摩擦熱
の発生も少なく、かつ高速穿孔によって次々と新しい被
削面が現れることによる被削剤への放熱作用も増進する
ため、比較的小孔径の孔あけ作業において、水またはそ
の他の加工液を用いなくても、優れた穿孔速度での穿設
が可能となった。
【0008】このようにダイヤモンドドリルビットの切
れ味を良くするためには、砥石先端の面積をできるだけ
小さくし、被削材への先端砥粒の食い込みを良くするこ
とが必要である。すなわち、ダイヤモンド砥石の砥石面
とスリットが占める相対面積比において、スリット面積
を分母に、砥石面積を分子とした場合に、この面積比を
小さくすることが好ましいが、この場合、先端砥粒の必
要数を確保するためには、ボンドに対するダイヤモンド
のコンセントを高くする必要がある。
【0009】かように、切れ味を良くするために、先端
面積比を小さく、かつダイヤモンドコンセントを高くす
ると、ボンド部分の絶対体積が小さくなり、砥石全体と
しての強度が低くなるため、場合によっては穿孔中の砥
石の欠けや割れが生じる、という課題を残していた。ま
た、砥石部が大きく割れた場合は、そこでビットの寿命
となり、また、小さく欠けが生じる場合でもその直後の
穿孔にて砥石部の摩耗が激しくなり、結果として、安定
した寿命性能を発揮することは困難であった。
【0010】一方、特開平8−174537号等のビッ
トの製造方法において、ダイヤモンド砥石部は、一体物
として焼結した後に、必要なスリットを後加工で設ける
か、もしくはスリットの両サイドに分割した形で別々に
焼結した後に、各々をボディに溶接して一体物とする、
という2通りの方法が採られているが、例えば前者の方
法においては、上記後加工は、放電加工等の熱エネルギ
ーを用いることとなり、しかも非常に長時間を要するこ
とから著しく量産性が低いという問題がある。また、後
者の方法によれば、分割して作るため、焼結や溶接する
部品点数が増加するので、やはり量産性が悪くなり、コ
スト高になるという課題を残していた。
【0011】従って、本発明の目的は、上記従来技術に
残された課題を解決し、コンクリートや石材などの硬脆
材に小孔を穿設するにあたり、水や加工液を用いずに簡
便な汎用工具に装着して高速かつ連続的に穿孔が可能
で、しかも安定した寿命性能を発揮し、かつ量産性が良
く低コストにて生産できる乾式穿孔用ダイヤモンドドリ
ルビットと該ドリルビット用のダイヤモンド砥石の製造
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット
は、金属ボディと、該金属ボディの先端にダイヤモンド
砥石を一体に結合した構造のダイヤモンドドリルビット
であって、該ダイヤモンド砥石に設けたスリットの溝間
隔を、該ダイヤモンド砥石の回転軸に相当する部位で狭
く、回転軸から外周方向に離れた部位で広く設けると共
に、該スリットに充填材を埋設してなることを主要な構
成上の特徴とするものである。また該ダイヤモンドドリ
ルビットに用いるダイヤモンド砥石の製造方法として
は、ダイヤモンド砥石部の原料となるメタルボンドおよ
びダイヤモンド砥粒とが所定の割合に混合された複数の
ダイヤモンド層一次成形体の間に、予め所定寸法に加工
された充填材を挟持するかたちで焼結用モールドにセッ
トし、これを加圧焼結することによって、後加工なしで
スリットを有するダイヤモンド砥石の一体構造物が得ら
れることを構成上の特徴とするものである。
【0013】本発明において使用される充填材は、ダイ
ヤモンド砥石を構成するダイヤモンド砥粒と、ボンドと
の焼結体組成に比較して摩耗し易く、かつ熱膨張率が小
さい耐熱性材料から選択される。その根拠については後
述するが、上記の条件を満たす耐熱性材料としては、カ
ーボン、クラファイト、炭素繊維等の炭素系材料、シリ
カ、アルミナ、チタニア、チッ化ホウ素等のセラミック
ス材料、タングステン系化合物などの金属粉末焼結体、
マイカ、二硫化モリブデンまたはPb−Cu系固体潤滑
材などを挙げることができる。
【0014】本発明において、より好ましい構成は、充
填材が埋設されたスリットの溝間隔が、ダイヤモンド砥
石の回転軸から半径1mm以内では0. 5〜3.0mmの範
囲であり、より好ましくは0.5〜2.0mmの範囲であ
る。一方、ダイヤモンド砥石の回転軸から半径1mm以上
外周方向に離れた部位の溝間隔は、上記の溝間隔より広
く設け、具体的には該条件下、1.0mm以上が好まし
く、特に好ましくは2.5mm以上である。また、スリッ
トの溝形状としては、上記溝間隔の要件を満足するもの
であれば特に制限されないが、例えば、ダイヤモンドド
リルビットの先端部からみた形状が、図3及び図8に示
すようなダンベル形状としたもの、図9に示すような回
転軸から外周方向に少し離れた部位から略扇形形状とし
たもの等が挙げられる。また、ダイヤモンド砥石の砥石
面と、スリットが占める相対面積比が30:70〜7
0:30であること、ダイヤモンド砥石の外径が3〜2
0mmであり、金属ボディの外径がその98%以下である
ことが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビ
ットによる高い穿孔速度(良好な切れ味)を得るために
は、前述のように、ダイヤモンド砥石部の先端面積比を
小さくし、かつダイヤモンドコンセントを高くすること
が必要である。すなわち先端面積を小さくすることによ
って、先端ダイヤが被削材に食い込みやすくなり、一
方、面積比を小さくしていった場合に、先端砥粒の必要
数を確保するためには、ボンドに対するダイヤモンドの
コンセントを高くすることが必要である。
【0016】ところが、先端面積を小さくして、かつダ
イヤモンドのコンセントを高くすることは、同時に砥石
中の金属ボンドの占める割合が、減少することを意味す
ることとなり、結果として砥石部としての強度そのもの
が低下することとなる。
【0017】しかしながら、上記手段により、このダイ
ヤモンド砥石に設けたスリットに充填材を埋設した本発
明の構造によると、該充填材が砥石の肉薄部の補強材と
なり、砥石部全体としての必要強度が保たれ、砥石部の
欠けや割れを防止することができる。すなわちこの構造
により、高い穿孔速度と安定した砥石寿命を両立して得
ることができる。
【0018】ところで、穿孔時に発生する切削屑は回転
運動による遠心力と傾斜角によって生ずる駆動力を介し
て、穿孔壁とボディとの隙間、およびボディの螺旋溝か
ら円滑に後方系外に排出され、刃先面に滞留介在する現
象は効果的に阻止される。同時にダイヤモンド砥石のス
リットに埋設された充填材は、穿孔時に発生する切削屑
によって徐々にかつ適度に摩耗し、穿孔作業の推移と共
に、充填材埋設部が常に砥石先端面よりも少し窪む形を
維持しながら、砥石部の摩耗と共に充填材埋設部の摩耗
も進行する。一方、砥石で切削されない切削面中心部付
近の被削材は、砥石部に埋設された充填材に接触しこれ
を多少摩耗させるが、絶対的サイズが小さいためコアと
して成長せずにすぐに崩れて細かくなり、該充填材にで
きた窪みを通ってやはり後方系外に排出される。
【0019】この切削面中心部付近の被削材がコアとし
て成長せずにすぐに崩れて細かくなるためには、砥石先
端のスリットにて生じる非切削域を充分に小さくしてや
る必要があり、すなわちこれは砥石先端の回転軸近傍の
スリット幅(溝間隔)を一定以下に小さくすることによ
り達成できる。しかし、砥石全域にわたり小さなスリッ
ト幅にしてしまうと、そのぶん砥石の先端面積が大きく
なることになるため、前述のごとく良好な切れ味が得ら
れない。したがって、ダイヤモンド砥石部の構造とし
て、ダイモンド砥石の回転軸近傍ではスリット幅を0.
5〜3.0mmとし、かつ外周方向に離れた部分では前記
スリットの幅以上とすることにより、これを穿孔に用い
たときに被削材のコアを大きく成長させずに、かつ高い
穿孔速度がもたらされる。
【0020】これら作用は、脆く、且つ摩耗性が適度に
高い特性を持つ充填材が砥石部のスリットに埋設されて
いることにより、砥石強度の向上と切削屑の良好な排出
性とが両立されることによってもたらされるものであ
る。したがって、スリットへの充填物質が本発明の充填
材以外の物、例えば曲げ強度が高く、しかも摩耗性が低
い金属の場合は、砥石の補強にはなるが切削屑の効果的
な排出経路が得られないばかりか、この金属面に被削材
が直接当たり、これが切削抵抗になって、高い穿孔速度
を発揮することはできない。
【0021】本発明の乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビ
ット用ダイヤモンド砥石の製造方法は、ダイヤモンド砥
石部の原料となるメタルボンドおよびダイヤモンド砥粒
とが所定の割合で混合された複数のダイヤモンド層一次
成形体の間に、予め所定寸法に加工された充填材を挟持
するかたちで焼結用モールドにセットし、これを加圧焼
結することによって、あと加工なしでスリットを有する
ダイヤモンド砥石の一体構造物を得ることにある。この
際、該ダイヤモンド層一次成形体と充填材とのサンドイ
ッチ構造に隣接して、下地層一次成形体をセットして加
圧焼結することも好ましい態様のひとつである。上記の
方法により、砥石部にスリット空間を設ける従来例のよ
うに焼結後のあと放電加工などの加工を施す必要がな
く、かつ焼結後には砥石部として一体構造の物が得られ
るという点において、本発明の製造方法は非常に量産性
に優れた方法である。
【0022】以下本発明の実施の形態を図面に基づいて
説明する。図2は本発明のダイヤモンドドリルビットを
例示した一部を切り欠いて示した図である。図2におい
て、ダイヤモンド砥石1の回転軸を含むように設けられ
たスリット2は、砥石部先端面の周速がゼロになる回転
軸心4とその近傍の周速が極端に低い部分を砥石面から
無くし、該ビットの高い穿孔性能を得るための役割を果
たす。一方、このスリット2に埋設された充填材5は、
砥石の肉薄になった部分を補強する役割を果たし、これ
によって砥石部全体としての必要強度が保たれて、砥石
部の欠けや割れを防止することができる。つまり、この
構造によると、高い穿孔速度と安定した砥石寿命を両立
して得ることができる。
【0023】また、穿孔時に発生する切削屑は、回転運
動による遠心力と傾斜角によって生ずる駆動力を介し
て、穿孔壁とボディ7との隙間、およびボディ7の螺旋
溝8から円滑に後方系外に排出され、刃先面に滞留介在
する現象は効果的に阻止される。同時にダイヤモンド砥
石のスリット2に埋設された充填材5は、穿孔時に発生
する切削屑によって徐々にかつ適度に摩耗し、穿孔作業
の推移と共に、充填材埋設部の先端6が常に砥石先端面
よりも少し窪む形を維持しながら、砥石部の摩耗に先行
して充填材埋設部の摩耗が進行する。一方、切削されな
い切削面中心部付近の被削材は、充填材5に接触しこれ
を多少摩耗させるが、絶対的サイズが小さいためコアと
して成長せずにすぐに崩れて細かくなり、該充填材5に
出来た窪みを通ってやはり後方系外に排出される。な
お、図2の充填材の埋設部の先端6が少し窪んだ形状と
なっているが、これは穿孔時または穿孔後を例示したも
のであり、穿孔前では窪み状であっても、また、窪みの
ない形状であってもよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、本発明はこれにより制限されるもので
はない。
【0025】実施例1 タングステン系ボンドとダイヤモンド砥粒とをダイヤモ
ンドコンセント5.0cts/cm3 になる割合で混合
成形したダイヤモンド層一次成形体の間に、図1に示す
形状のグラファイト板を挟持すると共に、それに隣接し
て下地層用一次成形体をセットするようにして焼結用モ
ールドに仕込み、加圧焼結することによって得られたダ
イヤモンド砥石焼結体をツルーイング加工して形成した
外径6.0mm、高さ8.0mm、回転軸に対する傾斜角6
0度の円錐台状を有するダイヤモンド砥石を外径5.0
mm、全長140mmのツイストドリルタイプの鋼製ボディ
先端部に溶接し、図2及び図3に示すような構造の乾式
穿孔用ダイヤモンドドリルビットを作製した。なお、図
1の寸法数字はmmを示す。
【0026】次いで、上記の乾式穿孔用ダイヤモンドド
リルビットを電動回転ドリルに装着し、回転数1600
rpm で、高強度コンクリート板(骨材粒径;25mm、板
厚;60mm)に荷重10kgで押し付け、穿孔作業を行っ
たところ、勢い良く切削屑を排出しながらビットはコン
クリートを掘り進み、冷却水や切削水を用いずに乾式で
連続穿孔することができた。平均穿孔速度は100mm/m
inであり、またこのビットの砥石部の完耗に達するまで
に、55穴( トータル3300mm)の穿孔作業が可能で
あることが確認された。
【0027】実施例2 グラファイト板に代えて、図1に示す形状のマイカセラ
ミックス板を用いた以外は、実施例1と同様にして、図
2及び図3に示すような構造の乾式穿孔用ダイヤモンド
ドリルビットを作製した。
【0028】次いで、実施例1と同様のコンクリート板
に対して、実施例1と同様にして穿孔作業を行ったとこ
ろ、勢い良く切削屑を排出しながらビットはコンクリー
トを堀り進み、冷却水や切削水を用いずに乾式で連続穿
孔することができた。なお平均穿孔速度は80mm/min
であり、またこのビットの砥石部の完耗に達するまで
に、50穴(トータル3000mm)の穿孔作業が可能で
あることが確認された。
【0029】実施例3 グラファイト板に代えて、加圧焼結することによって図
1に示す形状でかつ曲げ強度が10MPa 以下になるよう
に調製されたタングステン系金属粉末成形体を用いた以
外は、実施例1と同様にして、図2及び図3に示すよう
な構造の乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビットを作製し
た。
【0030】次いで、実施例1と同様のコンクリート板
に対して、実施例1と同様にして穿孔作業を行ったとこ
ろ、勢い良く切削屑を排出しながらビットはコンクリー
トを堀り進み、冷却水や切削水を用いずに乾式で連続穿
孔することができた。なお平均穿孔速度は70mm/min
であり、またこのビットの砥石部の完耗に達するまで
に、80穴(トータル4800mm)の穿孔作業が可能で
あることが確認された。
【0031】比較例1 タングステン系ボンドとダイヤモンド砥粒で形成した
(グラファイト板を含まない)外径6.0mm、高さ8.
0mm、回転軸に対する傾斜角60度の円錐台状を有する
ダイヤモンド砥石を外径5.0mm、全長140mmのツイ
ストドリルタイプの鋼板ボディ先端部に溶接し、図4及
び図5に示すように、 スリットの無い構造のダイヤモン
ドドリルビットを作成した。
【0032】次いで、実施例1と同様に、回転数160
0rpm で、高強度コンクリート板(骨材粒径;25mm、
板厚;60mm)に荷重10kgで押し付け、乾式で穿孔作
業を行ったところ、砥石部先端面の回転軸心とその近傍
の周速がゼロ若しくは著しく低いため、この部分は被削
材に押し付けるだけという状態となり、これが大きな切
削抵抗となって、満足に穿孔できなかった。
【0033】比較例2 タングステン系ボンドとダイヤモンド砥粒とで形成した
外径6.0mm、高さ8.0mm、回転軸に対する傾斜角6
0度の円錐台状を有するダイヤモンド砥石を外径5.0
mm、全長140mmのツイストドリルタイプの鋼製ボディ
先端部に溶接し、該ダイヤモンド砥石に回転軸を中心と
した幅1.7mmのスリットを放電加工によって施し、図
6及び図7に示すようにスリット部分が空隙となるよう
な構造の乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビットを作成し
た。
【0034】次いで実施例1と同様に、回転数1600
rpm で、高強度コンクリート板(骨材粒径;25mm、板
厚;60mm)に荷重10Kgで押し付け、乾式で穿孔作業
を行ったところ、勢い良く切削屑を排出しながらビット
はコンクリートを掘り進んだが、1穴目の穿孔途中でダ
イヤモンド砥石の一部が割れて外れ、穿孔不能になっ
た。
【0035】また、本発明において、金属ボディ本体
は、軸方向に内孔を有する中空円筒状のものを用いても
よい。
【0036】
【発明の効果】実施例及び比較例から明らかなように、
本発明によるダイヤモンドドリルビットは、コンクリー
トや石材などの硬脆材への穿孔作業、とり分け比較的小
径の穿設作業において、水や加工液を用いることなく、
簡便な汎用工具に装着して高速かつ連続的に穿孔するこ
とが可能であり、しかも安定した寿命性能が保証され
る。一方、本発明のダイヤモンド砥石の製造方法は、簡
便な手段で所望のスリットを形成し得るため、量産性が
確保され、従来公知の方法に比較して極めて低いコスト
で優れたダイヤモンド砥石を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイヤモンドドリルビット砥石部
のスリットに埋設された充填材料の形状を示した図であ
る。
【図2】本発明に係るダイヤモンドドリルビットを例示
した一部を切欠いて示した図である。
【図3】図2の先端部の平面図である。
【図4】従来のダイヤモンドドリルビットの一例を示す
一部を切欠いて示した図である。
【図5】図4の先端部の平面図である。
【図6】従来のダイヤモンドドリルビットの一例を示す
一部を切欠いて示した図である。
【図7】図6の先端部の平面図である。
【図8】本発明のダイヤモンド砥石先端部を例示する平
面図である。
【図9】本発明のダイヤモンド砥石先端部を例示する平
面図である。
【符号の説明】
1 ダイヤモンド砥石 2 スリット 3 砥石部先端面 4 回転軸芯 5 充填材料 6 充填材埋設部の先端 7 金属ボディ
フロントページの続き (72)発明者 隅田 規央 神奈川県海老名市本郷1770 三京ダイヤモ ンド工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属ボディと、該金属ボディの先端にダ
    イヤモンド砥石を一体に結合した構造のダイヤモンドド
    リルビットであって、該ダイヤモンド砥石に設けたスリ
    ットの溝間隔を、該ダイヤモンド砥石の回転軸に相当す
    る部位で狭く、回転軸から外周方向に離れた部位で広く
    設けると共に、該スリットに充填材を埋設してなること
    を特徴とする乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット。
  2. 【請求項2】 該充填材が、該ダイヤモンド砥石より摩
    耗し易く、かつ熱膨張率の小さい耐熱性材料からなる請
    求項1に記載の乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビット。
  3. 【請求項3】 該充填材が、炭素系材料、セラミック
    ス、金属粉末焼結体、マイカ、二硫化モリブテン及びP
    b−Cu系固体潤滑材から選ばれる1種又は2種以上で
    ある請求項1乃至2に記載の乾式穿孔用ダイヤモンドド
    リルビット。
  4. 【請求項4】 ダイヤモンド砥石に設けるスリットの溝
    間隔が該ダイヤモンド砥石の回転軸に相当する部位で
    0.5〜3.0mm、回転軸から外周方向に離れた部位
    が、それ以上である請求項1乃至3に記載の乾式穿孔用
    ダイヤモンドドリルビット。
  5. 【請求項5】 ダイヤモンド砥石の砥石面と、スリット
    が占める相対面積比が30: 70〜70: 30である請
    求項1乃至4に記載の乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビ
    ット。
  6. 【請求項6】 ダイヤモンド砥石の外径が3〜20mmで
    あり、金属ボディの外径がその98%以下である請求項
    1乃至5に記載の乾式穿孔用ダイヤモンドドリルビッ
    ト。
  7. 【請求項7】 金属ボディ本体が、軸方向の外周に沿っ
    て螺旋溝が設けられるか、あるいは軸方向に内孔を有す
    る中空円筒状である請求項1乃至6に記載の乾式穿孔用
    ダイヤモンドドリルビット。
  8. 【請求項8】 メタルボンド及びダイヤモンド砥粒とが
    所定の割合で混合されてなる複数のダイヤモンド層一次
    成形体の間に、予め所定の寸法に加工された充填材を挟
    持するかたちで焼結用モールドにセットした後、加圧焼
    結することによって、後加工なしでスリットを有するダ
    イヤモンド砥石の一体構造物を得ることを特徴とする乾
    式穿孔用ダイヤモンドドリルビット用ダイヤモンド砥石
    の製造方法。
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