JPH10279380A - 単結晶引き上げ方法 - Google Patents
単結晶引き上げ方法Info
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- JPH10279380A JPH10279380A JP8015897A JP8015897A JPH10279380A JP H10279380 A JPH10279380 A JP H10279380A JP 8015897 A JP8015897 A JP 8015897A JP 8015897 A JP8015897 A JP 8015897A JP H10279380 A JPH10279380 A JP H10279380A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】単結晶の品質の健全性を失うことなく、その引
き上げ速度を増大させるための方法の提供 【解決手段】種結晶を原料の溶融液の表面に接触させて
引き上げることによる単結晶成長方法であって、るつぼ
内の溶融液の上部を溶融層、下部は固層とし、かつ、る
つぼの回転軸に対し軸対称の磁場を、溶融液表面におい
てその方向の垂直成分が0.05〜0.2Tとなるように印加
しつつ引き上げることにより、引き上げ速度を増加させ
ることを特徴とする単結晶引き上げ方法。
き上げ速度を増大させるための方法の提供 【解決手段】種結晶を原料の溶融液の表面に接触させて
引き上げることによる単結晶成長方法であって、るつぼ
内の溶融液の上部を溶融層、下部は固層とし、かつ、る
つぼの回転軸に対し軸対称の磁場を、溶融液表面におい
てその方向の垂直成分が0.05〜0.2Tとなるように印加
しつつ引き上げることにより、引き上げ速度を増加させ
ることを特徴とする単結晶引き上げ方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転引き上げによ
る単結晶成長方法、すなわち半導体材料として使用され
るシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
る単結晶成長方法、すなわち半導体材料として使用され
るシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体材料に用いられるシリコンの単結
晶の製造手段として、回転引き上げ法すなわちチョクラ
ルスキー法(CZ法)は、種々の改善改良が加えられ、
工業的量産の場で広く活用されている。
晶の製造手段として、回転引き上げ法すなわちチョクラ
ルスキー法(CZ法)は、種々の改善改良が加えられ、
工業的量産の場で広く活用されている。
【0003】図1は、CZ法による単結晶製造装置の原
理を模式的に示したものである。ここで原料となるシリ
コンは、有底円筒形の石英るつぼの中に溶融状態にあ
り、単結晶をその底面が溶融シリコン液の表面と接した
状態にして回転させ、底面に凝固成長する速度にあわせ
て上方に引き上げ、成長させて所要寸法の単結晶を得
る。溶融液を入れる石英るつぼは、有底円筒状の外側支
持用黒鉛るつぼの内側に嵌合されており、このるつぼ
は、全体を中心軸の周りに回転させることができ、さら
に上下に移動させることができる。るつぼの中心軸上方
には、中心軸の周りに回転でき、そして上方に引き上げ
可能なワイヤからなる引き上げ装置が付いている。るつ
ぼの外側には、加熱用の電熱ヒーター、およびさらに外
側に保温材が同心円状に配置され、これら全体は外気を
遮断できるチャンバー内に設置されて、CZ法の回転引
き上げ装置が構成されている。
理を模式的に示したものである。ここで原料となるシリ
コンは、有底円筒形の石英るつぼの中に溶融状態にあ
り、単結晶をその底面が溶融シリコン液の表面と接した
状態にして回転させ、底面に凝固成長する速度にあわせ
て上方に引き上げ、成長させて所要寸法の単結晶を得
る。溶融液を入れる石英るつぼは、有底円筒状の外側支
持用黒鉛るつぼの内側に嵌合されており、このるつぼ
は、全体を中心軸の周りに回転させることができ、さら
に上下に移動させることができる。るつぼの中心軸上方
には、中心軸の周りに回転でき、そして上方に引き上げ
可能なワイヤからなる引き上げ装置が付いている。るつ
ぼの外側には、加熱用の電熱ヒーター、およびさらに外
側に保温材が同心円状に配置され、これら全体は外気を
遮断できるチャンバー内に設置されて、CZ法の回転引
き上げ装置が構成されている。
【0004】この装置による通常の単結晶製造方法は、
まず、原料となる高純度の多結晶シリコンを所要量るつ
ぼ内に装荷し、減圧下アルゴンなどの不活性雰囲気中で
電熱ヒーターにより高温に加熱し溶融する。溶融液の表
面温度を調整後、引き上げ装置の先端に取り付けた種結
晶を溶融液表面に接触させ、回転しつつ引き上げること
によりまず細長いネック部を形成させる。次に引き上げ
速度および温度を調節して所定の直径の定径部まで増径
させ、その後は結晶成長にあわせて回転させつつ上方に
引き上げることによって一定径の単結晶を成長させる。
所定重量に達した単結晶は、定径部から結晶直径を次第
に細くしていき、最後に直径をゼロにして溶融液から切
り離す。
まず、原料となる高純度の多結晶シリコンを所要量るつ
ぼ内に装荷し、減圧下アルゴンなどの不活性雰囲気中で
電熱ヒーターにより高温に加熱し溶融する。溶融液の表
面温度を調整後、引き上げ装置の先端に取り付けた種結
晶を溶融液表面に接触させ、回転しつつ引き上げること
によりまず細長いネック部を形成させる。次に引き上げ
速度および温度を調節して所定の直径の定径部まで増径
させ、その後は結晶成長にあわせて回転させつつ上方に
引き上げることによって一定径の単結晶を成長させる。
所定重量に達した単結晶は、定径部から結晶直径を次第
に細くしていき、最後に直径をゼロにして溶融液から切
り離す。
【0005】このようなCZ法は、空孔や転位など結晶
欠陥ができるだけ少なく、均質なそして大型の単結晶を
安定して製造するための、様々な工夫がなされてきた。
例えば、引き上げる結晶を中心軸周りにゆっくり回転さ
せ、同時に溶融液を満たしたるつぼも結晶とは逆方向に
回転させたり、引き上げにワイヤを用いたり、炉内雰囲
気を不活性ガスの減圧下として発生するSiOガスを排
除したりすることなどである。
欠陥ができるだけ少なく、均質なそして大型の単結晶を
安定して製造するための、様々な工夫がなされてきた。
例えば、引き上げる結晶を中心軸周りにゆっくり回転さ
せ、同時に溶融液を満たしたるつぼも結晶とは逆方向に
回転させたり、引き上げにワイヤを用いたり、炉内雰囲
気を不活性ガスの減圧下として発生するSiOガスを排
除したりすることなどである。
【0006】半導体用シリコン単結晶は、結晶欠陥のな
いことに加えて、さらに不純物の偏析のないこともきわ
めて重要である。とくに不純物の一つである酸素は、多
すぎると結晶の欠陥の原因となる。しかし、ウエハから
デバイスを作製する過程において、熱処理による歪みを
抑止し、欠陥のない正常な表面を作り出すために、一定
レベルの含有が必要である。また、単結晶にはシリコン
ウエハの電気抵抗率や電導型を定めるため、特定の不純
物元素(ドーパント)を添加する必要があり、この不純
物も、偏析することなく単結晶全体に均一に分布してい
なければならない。
いことに加えて、さらに不純物の偏析のないこともきわ
めて重要である。とくに不純物の一つである酸素は、多
すぎると結晶の欠陥の原因となる。しかし、ウエハから
デバイスを作製する過程において、熱処理による歪みを
抑止し、欠陥のない正常な表面を作り出すために、一定
レベルの含有が必要である。また、単結晶にはシリコン
ウエハの電気抵抗率や電導型を定めるため、特定の不純
物元素(ドーパント)を添加する必要があり、この不純
物も、偏析することなく単結晶全体に均一に分布してい
なければならない。
【0007】酸素は、るつぼに用いる石英から溶けだし
て溶融液中に入り、るつぼ壁近傍ではその濃度が高めら
れるが、シリコンの溶融点以上の温度ではSiOガスの
蒸気圧が高いため、減圧下の溶融液表面から排除され、
その濃度が低められる。一方溶融液は、温度差による熱
対流と、結晶やるつぼの回転によって引き起こされる強
制流により流動し、その動き方は液量、温度分布、結晶
およびるつぼの回転数により大きく影響される。単結晶
の引き上げ中、これらの溶融液の流動を定常的に制御す
ることは容易ではなく、結晶中に取り込まれる酸素量は
様々に変化する。このため、酸素の均一な濃度分布の単
結晶を得るのは困難であり、結晶の酸素レベルが、長手
方向あるいは断面方向で変動し、要望する範囲を外れて
いたりする。
て溶融液中に入り、るつぼ壁近傍ではその濃度が高めら
れるが、シリコンの溶融点以上の温度ではSiOガスの
蒸気圧が高いため、減圧下の溶融液表面から排除され、
その濃度が低められる。一方溶融液は、温度差による熱
対流と、結晶やるつぼの回転によって引き起こされる強
制流により流動し、その動き方は液量、温度分布、結晶
およびるつぼの回転数により大きく影響される。単結晶
の引き上げ中、これらの溶融液の流動を定常的に制御す
ることは容易ではなく、結晶中に取り込まれる酸素量は
様々に変化する。このため、酸素の均一な濃度分布の単
結晶を得るのは困難であり、結晶の酸素レベルが、長手
方向あるいは断面方向で変動し、要望する範囲を外れて
いたりする。
【0008】結晶中の酸素の量を制御し、さらに濃度分
布を均一にするため、例えば、特開昭56-104791号公報
や特開昭56-45889号公報に提示されたように、るつぼ内
の溶融液に磁場を印加する方法がある。これは、磁場に
垂直な方向に移動する導体は、生じた誘導電流により、
逆向きの力(ローレンツ力)を受けるという原理を利用
しており、るつぼに対し横から水平方向の磁場を印加す
れば、熱対流の上下方向の移動が妨げられ、溶融液中の
酸素の移動を抑制でき、結晶に取り込まれる酸素量を制
御できるものである。
布を均一にするため、例えば、特開昭56-104791号公報
や特開昭56-45889号公報に提示されたように、るつぼ内
の溶融液に磁場を印加する方法がある。これは、磁場に
垂直な方向に移動する導体は、生じた誘導電流により、
逆向きの力(ローレンツ力)を受けるという原理を利用
しており、るつぼに対し横から水平方向の磁場を印加す
れば、熱対流の上下方向の移動が妨げられ、溶融液中の
酸素の移動を抑制でき、結晶に取り込まれる酸素量を制
御できるものである。
【0009】水平方向に磁場を印加する方法の他、例え
ば、特開昭57-149894号公報には、結晶の引き上げ方向
すなわち垂直方向の磁場を印加する方法が開示され、さ
らに特公平8-22797号公報には、垂直の磁場を溶融液表
面位置において、引き上げの中心軸周りが強く、るつぼ
壁近傍ではほぼ0の分布とする発明が提示されている。
また、特公平2-12920公報には、るつぼの上下に同極対
向磁石をおき、溶融液に対し軸対称的かつ放射状のカス
プ磁場を作り、単結晶引き上げをおこなう方法が提示さ
れている。このように磁場の印加の方法を変えることに
より、酸素濃度のレベルや分布が改善されるばかりでな
く、ドーパント不純物の成長方向の濃度分布や、成長に
垂直な方向の面内での濃度分布の不均一も、改善できる
とされている。
ば、特開昭57-149894号公報には、結晶の引き上げ方向
すなわち垂直方向の磁場を印加する方法が開示され、さ
らに特公平8-22797号公報には、垂直の磁場を溶融液表
面位置において、引き上げの中心軸周りが強く、るつぼ
壁近傍ではほぼ0の分布とする発明が提示されている。
また、特公平2-12920公報には、るつぼの上下に同極対
向磁石をおき、溶融液に対し軸対称的かつ放射状のカス
プ磁場を作り、単結晶引き上げをおこなう方法が提示さ
れている。このように磁場の印加の方法を変えることに
より、酸素濃度のレベルや分布が改善されるばかりでな
く、ドーパント不純物の成長方向の濃度分布や、成長に
垂直な方向の面内での濃度分布の不均一も、改善できる
とされている。
【0010】ドーパントとなる不純物元素は、液相と固
相が共存する場合、固相中の濃度(CS)と、液相中の
濃度(CL)とは異なっていて、その濃度比は温度と液
相中濃度が定まれば、平衡状態では一定値を示す。現実
の単結晶引き上げでは、平衡状態とは多少ずれがある
が、通常、シリコンに用いられるドーパントの場合、そ
の実効偏析係数KE=(CS/CL)は1よりも小さい。
すなわち、成長する単結晶中の濃度は溶融液中の濃度よ
りも低い。このため、結晶が成長し、溶融液が減少して
いくにつれて、溶融液中のドーパント分の濃度が増加し
ていき、成長させた結晶の後方になるほどドーパント濃
度が増すという傾向がある。必要とする電気的特性を具
備する単結晶部分をより多く採取するには、ドーパント
の成長方向に沿った濃度変化をできるだけ小さくする必
要がある。そのような偏析を抑制する方法として、溶融
層法(DLCZ法)が知られている。
相が共存する場合、固相中の濃度(CS)と、液相中の
濃度(CL)とは異なっていて、その濃度比は温度と液
相中濃度が定まれば、平衡状態では一定値を示す。現実
の単結晶引き上げでは、平衡状態とは多少ずれがある
が、通常、シリコンに用いられるドーパントの場合、そ
の実効偏析係数KE=(CS/CL)は1よりも小さい。
すなわち、成長する単結晶中の濃度は溶融液中の濃度よ
りも低い。このため、結晶が成長し、溶融液が減少して
いくにつれて、溶融液中のドーパント分の濃度が増加し
ていき、成長させた結晶の後方になるほどドーパント濃
度が増すという傾向がある。必要とする電気的特性を具
備する単結晶部分をより多く採取するには、ドーパント
の成長方向に沿った濃度変化をできるだけ小さくする必
要がある。そのような偏析を抑制する方法として、溶融
層法(DLCZ法)が知られている。
【0011】溶融層法というのは、るつぼ内の溶融液の
下層は未溶解の固層としておき、上層の溶融液が単結晶
になって引き上げられ、減少していくのに合わせて下部
の固層を溶解し溶融液を補給していく方法である。特公
昭34-8242号公報、あるいは特公昭62-880号公報には、
単結晶が引き上げられていくのに応じて、るつぼ内の不
純物濃度の低い固層を溶解させ、溶融層厚を一定に保つ
ことにより、溶融液中の不純物濃度の上昇を抑止し、単
結晶の成長方向のドーパント濃度を一定に保つ方法が提
示されている。また、溶融液量を変えて液相中の不純物
濃度一定に保つ方法も特開昭61-205691号公報などに示
されている。溶融層法では、初めに原料となる多結晶小
片をるつぼ内に装荷し、るつぼ上方をより強く加熱して
上層に溶融液をつくり、単結晶の引き上げと共に下部の
原料を溶かしていけばよい。しかし、後から溶け出す原
料から気泡が放出されることがあり、とくに引き上げ開
始のネック部形成時にそれによって結晶が切れることも
あるので、一旦全体を溶融させた後、るつぼ下方の温度
を低めて固層を作らせるという改良方法も、特開平3-13
1591号公報に開示されている。
下層は未溶解の固層としておき、上層の溶融液が単結晶
になって引き上げられ、減少していくのに合わせて下部
の固層を溶解し溶融液を補給していく方法である。特公
昭34-8242号公報、あるいは特公昭62-880号公報には、
単結晶が引き上げられていくのに応じて、るつぼ内の不
純物濃度の低い固層を溶解させ、溶融層厚を一定に保つ
ことにより、溶融液中の不純物濃度の上昇を抑止し、単
結晶の成長方向のドーパント濃度を一定に保つ方法が提
示されている。また、溶融液量を変えて液相中の不純物
濃度一定に保つ方法も特開昭61-205691号公報などに示
されている。溶融層法では、初めに原料となる多結晶小
片をるつぼ内に装荷し、るつぼ上方をより強く加熱して
上層に溶融液をつくり、単結晶の引き上げと共に下部の
原料を溶かしていけばよい。しかし、後から溶け出す原
料から気泡が放出されることがあり、とくに引き上げ開
始のネック部形成時にそれによって結晶が切れることも
あるので、一旦全体を溶融させた後、るつぼ下方の温度
を低めて固層を作らせるという改良方法も、特開平3-13
1591号公報に開示されている。
【0012】このような溶融層法を適用すれば溶融液中
の熱対流は小さくなり、さらにるつぼの回転速度を増せ
ば、通常のCZ法の場合に比較して、得られる単結晶の
酸素濃度をより効果的に低下できる、という発明が特開
平5-24972号公報に示されている。しかし、るつぼの回
転速度を増すことは溶融液の温度の変動を大きくし、溶
融液量の少ない溶融層法ではその影響がより増大する。
とくに、種結晶の接触で生じた熱ショックによる単結晶
の転位を除去する目的のネック形成時に、液温変動が大
きければ転位が完全に消滅せず、得られる単結晶が転位
欠陥を含むことになる。これを避けるため、るつぼの回
転速度を変化させてもよいが、るつぼ回転速度の変化は
溶融液の温度不安定を招き、結晶引き上げの制御が安定
して作動しない難点がある。これの対処方法として、溶
融層に磁場を印加する発明が特開平7-267776号公報に開
示されている。これは水平方向の磁場印加により、るつ
ぼの回転数を増さなくても低酸素化が可能であり、単結
晶中の酸素レベルを低くかつ均一に制御でき、また、従
来の磁場制御によるCZ法の場合に比較し、はるかに低
い磁場で十分効果があるとしている。
の熱対流は小さくなり、さらにるつぼの回転速度を増せ
ば、通常のCZ法の場合に比較して、得られる単結晶の
酸素濃度をより効果的に低下できる、という発明が特開
平5-24972号公報に示されている。しかし、るつぼの回
転速度を増すことは溶融液の温度の変動を大きくし、溶
融液量の少ない溶融層法ではその影響がより増大する。
とくに、種結晶の接触で生じた熱ショックによる単結晶
の転位を除去する目的のネック形成時に、液温変動が大
きければ転位が完全に消滅せず、得られる単結晶が転位
欠陥を含むことになる。これを避けるため、るつぼの回
転速度を変化させてもよいが、るつぼ回転速度の変化は
溶融液の温度不安定を招き、結晶引き上げの制御が安定
して作動しない難点がある。これの対処方法として、溶
融層に磁場を印加する発明が特開平7-267776号公報に開
示されている。これは水平方向の磁場印加により、るつ
ぼの回転数を増さなくても低酸素化が可能であり、単結
晶中の酸素レベルを低くかつ均一に制御でき、また、従
来の磁場制御によるCZ法の場合に比較し、はるかに低
い磁場で十分効果があるとしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】回転引き上げによる単
結晶成長方法は、以上にその主要例を説明したように、
数多くの改良が加えられてきた。その改良の多くは、欠
陥がなく均一な組成の単結晶を得るための手段に関する
ものであった。
結晶成長方法は、以上にその主要例を説明したように、
数多くの改良が加えられてきた。その改良の多くは、欠
陥がなく均一な組成の単結晶を得るための手段に関する
ものであった。
【0014】本発明の課題とするところは、単結晶の品
質改善のための磁場印加法や溶融層法を活用し、健全か
つ均質な単結晶をより速い速度で引き上げる方法を提供
することにある。引き上げ速度の高速化により生産性が
向上し、高品質の単結晶をより低コストで製造すること
ができる。
質改善のための磁場印加法や溶融層法を活用し、健全か
つ均質な単結晶をより速い速度で引き上げる方法を提供
することにある。引き上げ速度の高速化により生産性が
向上し、高品質の単結晶をより低コストで製造すること
ができる。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、単結晶の
品質の健全性を失うことなく、その引き上げ速度を増大
させるための手段の検討を種々おこなった。引き上げ速
度の増加に最も大きく影響するのは、固液界面における
単結晶引上げ方向の温度勾配である。この温度勾配を大
きくするには、単結晶からの抜熱が効率よくおこなわれ
なければならない。また、溶融液表面やヒーターからの
輻射も遮蔽して、単結晶への入熱を低減することが望ま
しい。この温度勾配を固液界面全体にて均一かつ十分に
大きくするには、凝固後の抜熱の観点から溶融液の温度
をできるだけ下げることがもっとも必要であると考えら
れた。しかし、溶融液の温度を下げていくと、結晶の非
軸対称的な成長を誘発し変形した単結晶となりやすい。
同時に、溶融液の表面で微細な結晶の晶出を生じるよう
になり、健全な単結晶の引き上げを困難にする。さらに
ヒーターの位置によっては、るつぼ壁と接する面から凝
固が生じ、これが成長して結晶の引き上げを不可能にす
ることがある。これらの問題は、溶融液表面においてる
つぼの中心部にある単結晶の温度が低く、るつぼ壁に近
づくほど温度が高くなるような温度勾配を付けることに
より解消できる。
品質の健全性を失うことなく、その引き上げ速度を増大
させるための手段の検討を種々おこなった。引き上げ速
度の増加に最も大きく影響するのは、固液界面における
単結晶引上げ方向の温度勾配である。この温度勾配を大
きくするには、単結晶からの抜熱が効率よくおこなわれ
なければならない。また、溶融液表面やヒーターからの
輻射も遮蔽して、単結晶への入熱を低減することが望ま
しい。この温度勾配を固液界面全体にて均一かつ十分に
大きくするには、凝固後の抜熱の観点から溶融液の温度
をできるだけ下げることがもっとも必要であると考えら
れた。しかし、溶融液の温度を下げていくと、結晶の非
軸対称的な成長を誘発し変形した単結晶となりやすい。
同時に、溶融液の表面で微細な結晶の晶出を生じるよう
になり、健全な単結晶の引き上げを困難にする。さらに
ヒーターの位置によっては、るつぼ壁と接する面から凝
固が生じ、これが成長して結晶の引き上げを不可能にす
ることがある。これらの問題は、溶融液表面においてる
つぼの中心部にある単結晶の温度が低く、るつぼ壁に近
づくほど温度が高くなるような温度勾配を付けることに
より解消できる。
【0016】この温度勾配は、加熱による熱対流やるつ
ぼ回転による溶融液流動が溶融液表面においてるつぼ壁
から中心に向かう方向になるので、通常の場合でもある
程度実現可能ではあが、引き上げ速度増加の目的には十
分でない。また昇温過程の、るつぼの外側から熱を流入
させる過程において十分な熱勾配を実現できたとして
も、これは溶融液全体の温度上昇をもたらすことにな
り、引き上げ速度増加のための溶融液温度の低下を実施
困難にする。すなわち単結晶引き上げの全過程におい
て、定常的に溶融液表面温度に大きな勾配を付けるの
は、従来の方法では不可能である。
ぼ回転による溶融液流動が溶融液表面においてるつぼ壁
から中心に向かう方向になるので、通常の場合でもある
程度実現可能ではあが、引き上げ速度増加の目的には十
分でない。また昇温過程の、るつぼの外側から熱を流入
させる過程において十分な熱勾配を実現できたとして
も、これは溶融液全体の温度上昇をもたらすことにな
り、引き上げ速度増加のための溶融液温度の低下を実施
困難にする。すなわち単結晶引き上げの全過程におい
て、定常的に溶融液表面温度に大きな勾配を付けるの
は、従来の方法では不可能である。
【0017】流体における熱の伝達は、主として対流に
よりおこなわれる。したがって、CZ法にて実施されて
いる磁場印加の技術を活用すれば、対流を抑止でき、温
度勾配を大きくできる可能性がある。磁場は溶融液の上
下方向の対流の抑止を目的に、溶融液面に平行な方向に
印加されるのが一般的である。これに対し、溶融液面に
垂直の磁場を印加すれば、溶融液の水平方向の流動を抑
制できる。そこで、るつぼの回転軸にほぼ軸対称な垂直
方向の磁場印加の効果を検討したところ、溶融液温度低
下による引き上げ速度増加に十分と考えられる温度勾配
が得られることがわかった。さらに、同時にるつぼに回
転を与えれば、温度勾配はより一層大きくできる。しか
しながら垂直磁場の印加は、単結晶の成長方向の平均不
純物濃度を安定させる効果はあるが、酸素濃度が高くな
り、さらに成長方向に垂直な面内での不純物濃度分布が
不均一になりやすい、という問題がある。これは、るつ
ぼ壁から混入した酸素を多く含む溶融液が、表面で脱酸
素される機会が少なくなるためと、水平方向の対流によ
る攪拌が阻害され不純物分布の均一化が不十分となるた
めである。
よりおこなわれる。したがって、CZ法にて実施されて
いる磁場印加の技術を活用すれば、対流を抑止でき、温
度勾配を大きくできる可能性がある。磁場は溶融液の上
下方向の対流の抑止を目的に、溶融液面に平行な方向に
印加されるのが一般的である。これに対し、溶融液面に
垂直の磁場を印加すれば、溶融液の水平方向の流動を抑
制できる。そこで、るつぼの回転軸にほぼ軸対称な垂直
方向の磁場印加の効果を検討したところ、溶融液温度低
下による引き上げ速度増加に十分と考えられる温度勾配
が得られることがわかった。さらに、同時にるつぼに回
転を与えれば、温度勾配はより一層大きくできる。しか
しながら垂直磁場の印加は、単結晶の成長方向の平均不
純物濃度を安定させる効果はあるが、酸素濃度が高くな
り、さらに成長方向に垂直な面内での不純物濃度分布が
不均一になりやすい、という問題がある。これは、るつ
ぼ壁から混入した酸素を多く含む溶融液が、表面で脱酸
素される機会が少なくなるためと、水平方向の対流によ
る攪拌が阻害され不純物分布の均一化が不十分となるた
めである。
【0018】垂直方向磁場は、水平方向の対流は抑制す
るが、垂直方向の対流の抑制効果は小さい。そこで、上
下方向の熱対流が小さいとされる溶融層法において、垂
直方向磁場の印加の活用を試みたのである。その結果、
酸素濃度を低くすることができ、単結晶の成長方向直角
断面内の不均一性は無くなり、その上温度低下による結
晶の変形およびそれに伴う有転位化がなく、引き上げ速
度増加可能な、理想的な溶融液状態が得られることが明
らかになった。
るが、垂直方向の対流の抑制効果は小さい。そこで、上
下方向の熱対流が小さいとされる溶融層法において、垂
直方向磁場の印加の活用を試みたのである。その結果、
酸素濃度を低くすることができ、単結晶の成長方向直角
断面内の不均一性は無くなり、その上温度低下による結
晶の変形およびそれに伴う有転位化がなく、引き上げ速
度増加可能な、理想的な溶融液状態が得られることが明
らかになった。
【0019】この溶融層法に垂直方向磁場を印加するこ
とが、引き上げ速度増加を容易にするのは、次のような
理由によると考えられる。溶融層法では、単結晶の引き
上げに応じて下部の固層を溶解していくが、そのため
に、通常のるつぼ内の原料をすべて溶解してある場合に
比較して、るつぼ側面からの入熱量を多くしなければな
らない。このことは磁場による水平方向流動の拘束と併
用すれば、溶融液表面の水平方向の温度勾配を大きくす
るのに、とくに効果的である。また、引き上げる単結晶
と固層との、固液共存状態が溶融層の上下に存在してい
るため、溶融層温度を、結晶成長温度すなわち凝固点近
くのより低い温度に安定して保つことが容易になる。前
述のように、引き上げ速度の増加に最も大きく影響する
のは、固液界面の垂直方向の温度勾配を大きくすること
であり、そのための凝固した単結晶からの抜熱が十分に
おこなわなければならない。溶融液温度を低く保つこと
ができると、入熱量がそれだけ減少し、抜熱が効果的に
おこなわれて温度勾配を大きくできる。ことに単結晶中
央部の温度を低くできることも、引き上げ速度増大に有
利である。さらに、溶融層法には不純物の濃度分布均一
化の効果があるので、均一性のすぐれた単結晶を、高速
で引き上げることが可能になるのである。
とが、引き上げ速度増加を容易にするのは、次のような
理由によると考えられる。溶融層法では、単結晶の引き
上げに応じて下部の固層を溶解していくが、そのため
に、通常のるつぼ内の原料をすべて溶解してある場合に
比較して、るつぼ側面からの入熱量を多くしなければな
らない。このことは磁場による水平方向流動の拘束と併
用すれば、溶融液表面の水平方向の温度勾配を大きくす
るのに、とくに効果的である。また、引き上げる単結晶
と固層との、固液共存状態が溶融層の上下に存在してい
るため、溶融層温度を、結晶成長温度すなわち凝固点近
くのより低い温度に安定して保つことが容易になる。前
述のように、引き上げ速度の増加に最も大きく影響する
のは、固液界面の垂直方向の温度勾配を大きくすること
であり、そのための凝固した単結晶からの抜熱が十分に
おこなわなければならない。溶融液温度を低く保つこと
ができると、入熱量がそれだけ減少し、抜熱が効果的に
おこなわれて温度勾配を大きくできる。ことに単結晶中
央部の温度を低くできることも、引き上げ速度増大に有
利である。さらに、溶融層法には不純物の濃度分布均一
化の効果があるので、均一性のすぐれた単結晶を、高速
で引き上げることが可能になるのである。
【0020】そこで、この溶融層法と磁場印加を組み合
わせることによる、引き上げ速度を増大する単結晶引き
上げ方法について、その実用性の調査実験をおこない、
限界条件を明らかにし、本発明を完成させた。
わせることによる、引き上げ速度を増大する単結晶引き
上げ方法について、その実用性の調査実験をおこない、
限界条件を明らかにし、本発明を完成させた。
【0021】本発明の要旨は、種結晶を原料の溶融液の
表面に接触させて引き上げることによる単結晶成長方法
であって、るつぼ内の溶融液の上部を溶融層、下部は固
層とし、かつ、るつぼの回転軸に対し軸対称の磁場を、
溶融液表面においてその方向の垂直成分が0.05〜0.2T
となるように印加しつつ引き上げることにより、引き上
げ速度を増加させることを特徴とする単結晶引き上げ方
法である。
表面に接触させて引き上げることによる単結晶成長方法
であって、るつぼ内の溶融液の上部を溶融層、下部は固
層とし、かつ、るつぼの回転軸に対し軸対称の磁場を、
溶融液表面においてその方向の垂直成分が0.05〜0.2T
となるように印加しつつ引き上げることにより、引き上
げ速度を増加させることを特徴とする単結晶引き上げ方
法である。
【0022】
【発明の実施の形態】印加する磁場は、るつぼの回転軸
に対しほぼ軸対称であって、溶融液の表面において、そ
の方向の垂直成分が0.05〜0.2Tであることとする。磁
場の方向が垂直でない場合は、その方向の垂直成分が上
記の範囲であればよい。これは溶融液表面ではマランゴ
ニ対流を含め水平方向の溶融液の移動を抑制して、るつ
ぼの外周面からの加熱による温度勾配を大きくさせるた
めである。印加する磁場の垂直成分の強さが0.05Tを下
回る場合は、溶融液移動の拘束力が弱いため必要とする
表面温度勾配が得られず、0.2Tを超えた磁場を印加し
ても磁場印加の効果は飽和してしまう。
に対しほぼ軸対称であって、溶融液の表面において、そ
の方向の垂直成分が0.05〜0.2Tであることとする。磁
場の方向が垂直でない場合は、その方向の垂直成分が上
記の範囲であればよい。これは溶融液表面ではマランゴ
ニ対流を含め水平方向の溶融液の移動を抑制して、るつ
ぼの外周面からの加熱による温度勾配を大きくさせるた
めである。印加する磁場の垂直成分の強さが0.05Tを下
回る場合は、溶融液移動の拘束力が弱いため必要とする
表面温度勾配が得られず、0.2Tを超えた磁場を印加し
ても磁場印加の効果は飽和してしまう。
【0023】垂直方向磁場は、外側に設けた、結晶引き
上げ軸またはるつぼの回転軸を中心とする磁場発生用コ
イルにより印加する。上記の磁場を印加することができ
るのであれば、その形態や方法は問わない。
上げ軸またはるつぼの回転軸を中心とする磁場発生用コ
イルにより印加する。上記の磁場を印加することができ
るのであれば、その形態や方法は問わない。
【0024】図2は、一例として上方と下方とに、軸を
共有する二つのコイルを設置した場合を示したものであ
る。発生する磁束が同じ向きになるように電流を流して
やれば、両コイルの間に軸方向に平行で均一な磁場を発
生させることができる。
共有する二つのコイルを設置した場合を示したものであ
る。発生する磁束が同じ向きになるように電流を流して
やれば、両コイルの間に軸方向に平行で均一な磁場を発
生させることができる。
【0025】この上下の中心軸を共有するコイルに、相
互に逆方向の電流を流せば、両コイルの間の中心部で磁
場成分が0となる、いわゆるカスプ磁場が発生する。そ
の場合でも、溶融液面において磁場の垂直成分が上記の
範囲であれば、本発明の効果を得ることができる。CZ
法においてカスプ磁場は、結晶やるつぼの回転による表
面近傍の溶融液流動の効果も期待するため、単結晶の成
長界面、すなわち溶融液面における垂直方向の磁場の強
さが、ほとんど0となるような位置として印加するのが
普通である。これに対し本発明の場合、垂直磁場成分が
必要なので、磁場成分が0となる部分は、溶融液面の上
側か下側に位置させなければならない。
互に逆方向の電流を流せば、両コイルの間の中心部で磁
場成分が0となる、いわゆるカスプ磁場が発生する。そ
の場合でも、溶融液面において磁場の垂直成分が上記の
範囲であれば、本発明の効果を得ることができる。CZ
法においてカスプ磁場は、結晶やるつぼの回転による表
面近傍の溶融液流動の効果も期待するため、単結晶の成
長界面、すなわち溶融液面における垂直方向の磁場の強
さが、ほとんど0となるような位置として印加するのが
普通である。これに対し本発明の場合、垂直磁場成分が
必要なので、磁場成分が0となる部分は、溶融液面の上
側か下側に位置させなければならない。
【0026】カスプ磁場を印加する場合、本発明では、
垂直磁場の強さがゼロになる位置を、とくに溶融液面の
下側の溶融層の中央部、すなわち成長する単結晶と固層
との中間部から溶融層と固層の境界面辺りにおくのがよ
り望ましい。その理由は、溶融液表面では、磁場の垂直
成分により水平方向の移動が拘束されて、温度勾配を大
きくすることが可能になる一方、溶融層の中央部分は溶
融液の水平方向の移動が容易なので、不純物などの均一
化が促進されるためである。さらに、るつぼ側面からの
入熱が中心部に速やかに伝達されるため、温度の均一化
と固層の溶解が遅滞なく進み、引き上げ速度の増加を一
層容易にする。溶融液表面には温度勾配が必要である
が、溶融層内部の温度は均一である方が好ましいのであ
る。
垂直磁場の強さがゼロになる位置を、とくに溶融液面の
下側の溶融層の中央部、すなわち成長する単結晶と固層
との中間部から溶融層と固層の境界面辺りにおくのがよ
り望ましい。その理由は、溶融液表面では、磁場の垂直
成分により水平方向の移動が拘束されて、温度勾配を大
きくすることが可能になる一方、溶融層の中央部分は溶
融液の水平方向の移動が容易なので、不純物などの均一
化が促進されるためである。さらに、るつぼ側面からの
入熱が中心部に速やかに伝達されるため、温度の均一化
と固層の溶解が遅滞なく進み、引き上げ速度の増加を一
層容易にする。溶融液表面には温度勾配が必要である
が、溶融層内部の温度は均一である方が好ましいのであ
る。
【0027】結晶およびるつぼの回転は、不純物分布の
均一化、および酸素低減に有効であり、磁場印加と併用
して、さらにその効果が増進されるので、適宜実施する
ことが望ましい。とくにるつぼの回転は、軸対称の垂直
磁場印加と組み合わせることにより、溶融液表面の温度
勾配をより大きくすることができる。すなわち、結晶の
回転は10rpm以上、るつぼの回転は5rpm以上とすること
が好ましい。結晶の回転は不純物の面内濃度分布の均一
化のために必要であり、10rpmを下回ると、面内濃度分
布の悪化ばかりでなく、単結晶の変形の原因となる。結
晶の回転速度の上限はとくにはないが、安定な結晶成長
をおこなわせるためには自ずから制限される。るつぼの
回転は、溶融液の流動の制動効果を目的におこなうが、
5rpmを下回る場合流動が安定しないので、回転数をこれ
以上とする。上限の回転数はとくには制約はないが大き
くしても効果が飽和するので、15rpm程度までである。
均一化、および酸素低減に有効であり、磁場印加と併用
して、さらにその効果が増進されるので、適宜実施する
ことが望ましい。とくにるつぼの回転は、軸対称の垂直
磁場印加と組み合わせることにより、溶融液表面の温度
勾配をより大きくすることができる。すなわち、結晶の
回転は10rpm以上、るつぼの回転は5rpm以上とすること
が好ましい。結晶の回転は不純物の面内濃度分布の均一
化のために必要であり、10rpmを下回ると、面内濃度分
布の悪化ばかりでなく、単結晶の変形の原因となる。結
晶の回転速度の上限はとくにはないが、安定な結晶成長
をおこなわせるためには自ずから制限される。るつぼの
回転は、溶融液の流動の制動効果を目的におこなうが、
5rpmを下回る場合流動が安定しないので、回転数をこれ
以上とする。上限の回転数はとくには制約はないが大き
くしても効果が飽和するので、15rpm程度までである。
【0028】
【実施例】16インチφのるつぼを用い、チャージ量70kg
とし、n型のドーパントであるPを用いて目標抵抗値を1
0Ωcmとし、6インチφの1300mm長さの単結晶の育成をお
こなった。その際、結晶の回転は15rpm、るつぼの回転
は7rpmの一定で、相互に逆方向の回転とし、通常の磁場
を印加しないCZ法、るつぼ下方に固層を置き上方を溶
融層とする溶融層法(DLCZ法)、溶融層法にて磁場
印加をおこない、その磁場を水平磁場、垂直磁場、また
はカスプ磁場とした方法にて、それぞれ単結晶を製造し
た。印加する磁場の強さは、水平方向または垂直方向の
磁場の場合、いずれもるつぼ中央部の固液界面、すなわ
ち溶融液面中央部近傍にて、0.1Tとなるようにした。
カスプ磁場の印加は、本発明例の場合、垂直成分が0と
なる位置を溶融液面より下にして、溶融液面中央部近傍
において垂直成分の磁場が0.1Tとなるようにし、比較
例では同一強さの磁場を上方にずらし、溶融液面と垂直
成分が0となる位置とを一致させた。得られた単結晶に
ついては、酸素レベル、単結晶成長方向における酸素の
変動幅、抵抗率の変動、および単結晶の欠陥発生(有転
位化)について評価をおこなった。
とし、n型のドーパントであるPを用いて目標抵抗値を1
0Ωcmとし、6インチφの1300mm長さの単結晶の育成をお
こなった。その際、結晶の回転は15rpm、るつぼの回転
は7rpmの一定で、相互に逆方向の回転とし、通常の磁場
を印加しないCZ法、るつぼ下方に固層を置き上方を溶
融層とする溶融層法(DLCZ法)、溶融層法にて磁場
印加をおこない、その磁場を水平磁場、垂直磁場、また
はカスプ磁場とした方法にて、それぞれ単結晶を製造し
た。印加する磁場の強さは、水平方向または垂直方向の
磁場の場合、いずれもるつぼ中央部の固液界面、すなわ
ち溶融液面中央部近傍にて、0.1Tとなるようにした。
カスプ磁場の印加は、本発明例の場合、垂直成分が0と
なる位置を溶融液面より下にして、溶融液面中央部近傍
において垂直成分の磁場が0.1Tとなるようにし、比較
例では同一強さの磁場を上方にずらし、溶融液面と垂直
成分が0となる位置とを一致させた。得られた単結晶に
ついては、酸素レベル、単結晶成長方向における酸素の
変動幅、抵抗率の変動、および単結晶の欠陥発生(有転
位化)について評価をおこなった。
【0029】表1にこれらの単結晶の引き上げ速度、お
よび得られた単結晶についての調査結果を示す。この場
合、酸素濃度は結晶全体にわたっての平均値である。ま
た酸素濃度の変動幅は、ウエハ内での最大値と最小値の
差の平均値に対する比率で、単結晶内での最大値を示
す。抵抗値歩留まりは、目標抵抗値に対し、±1.0Ωcm
以内に入る部分の、健全な単結晶全長に対する比率であ
る。これらの結果から分かるように、通常のCZ法に対
し、溶融層法(DLCZ法)は抵抗率歩留まりがすぐれ
ている。さらに溶融層法にて磁場を印加すると抵抗率歩
留まりはより一層向上し、とくに垂直磁場の場合その効
果が大きい。このような単結晶の不純物の均一化にもま
して顕著なのは、引き上げ速度の向上であり、従来の方
法に比較して2倍以上の増加が可能であることがわか
る。
よび得られた単結晶についての調査結果を示す。この場
合、酸素濃度は結晶全体にわたっての平均値である。ま
た酸素濃度の変動幅は、ウエハ内での最大値と最小値の
差の平均値に対する比率で、単結晶内での最大値を示
す。抵抗値歩留まりは、目標抵抗値に対し、±1.0Ωcm
以内に入る部分の、健全な単結晶全長に対する比率であ
る。これらの結果から分かるように、通常のCZ法に対
し、溶融層法(DLCZ法)は抵抗率歩留まりがすぐれ
ている。さらに溶融層法にて磁場を印加すると抵抗率歩
留まりはより一層向上し、とくに垂直磁場の場合その効
果が大きい。このような単結晶の不純物の均一化にもま
して顕著なのは、引き上げ速度の向上であり、従来の方
法に比較して2倍以上の増加が可能であることがわか
る。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明方法によれば、結晶成長方向、お
よびそれに垂直な半径方向の不純物濃度がより均一な単
結晶を、引き上げ速度を大幅に増加させて製造すること
が可能である。
よびそれに垂直な半径方向の不純物濃度がより均一な単
結晶を、引き上げ速度を大幅に増加させて製造すること
が可能である。
【図1】シリコンなど単結晶の、回転引き上げにより製
造する方法(CZ法)を模式的に示した図である。
造する方法(CZ法)を模式的に示した図である。
【図2】本発明の、溶融層法に垂直磁場を印加した場合
の単結晶回転引き上げ法を、模式的に説明する図であ
る。
の単結晶回転引き上げ法を、模式的に説明する図であ
る。
1a…るつぼ(石英部分)、1b…るつぼ(黒鉛部分)、2
…ヒータ、3…種結晶、4…溶融液、5…単結晶、6…垂直
磁場印加用コイル、7…引き上げ用ワイヤ、8…チャン
バ、9…プルチャンバ、10…保温材、11…るつぼ支持
軸、12…固層
…ヒータ、3…種結晶、4…溶融液、5…単結晶、6…垂直
磁場印加用コイル、7…引き上げ用ワイヤ、8…チャン
バ、9…プルチャンバ、10…保温材、11…るつぼ支持
軸、12…固層
Claims (1)
- 【請求項1】種結晶を原料の溶融液の表面に接触させて
引き上げることによる単結晶成長方法であって、るつぼ
内の溶融液の上部を溶融層、下部は固層とし、かつ、る
つぼの回転軸に対し軸対称の磁場を、溶融液表面におい
てその方向の垂直成分が0.05〜0.2Tとなるように印加
しつつ引き上げることにより、引き上げ速度を増加させ
ることを特徴とする単結晶引き上げ方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8015897A JPH10279380A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 単結晶引き上げ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8015897A JPH10279380A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 単結晶引き上げ方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10279380A true JPH10279380A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=13710506
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8015897A Pending JPH10279380A (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 単結晶引き上げ方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10279380A (ja) |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP8015897A patent/JPH10279380A/ja active Pending
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