JPH10279483A - 骨密度増加剤 - Google Patents

骨密度増加剤

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JPH10279483A
JPH10279483A JP2235398A JP2235398A JPH10279483A JP H10279483 A JPH10279483 A JP H10279483A JP 2235398 A JP2235398 A JP 2235398A JP 2235398 A JP2235398 A JP 2235398A JP H10279483 A JPH10279483 A JP H10279483A
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JP
Japan
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estradiol
estrogen
aromatase
dihydrotestosterone
group
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Application number
JP2235398A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Hiyama
良之 肥山
Makoto Tamura
誠 田村
Kazuyuki Furuya
和行 古屋
Yoshiko Morita
佳子 森田
Yukio Aoyama
行雄 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaken Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kaken Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】副作用を回避または低減しながら効果的に骨密
度を増加させることができる医薬組成物を提供するこ
と。 【解決手段】エストロゲンとアロマターゼ非代謝性アン
ドロゲンとを含有する医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨粗鬆症などの骨
密度低下を伴う疾患の予防や治療に有用な医薬組成物に
関する。また、本発明は骨密度増加に有用な医薬キッ
ト、骨密度を増加させる方法、その方法を実施するため
のプログラムを記録した記録媒体、およびその方法を実
施するための投与システムに関する。
【0002】
【従来の技術】骨密度低下は、ステロイド投与による骨
粗鬆症、閉経または副甲状腺機能亢進による骨粗鬆症、
二次性骨粗鬆症、性腺機能不全による骨形成遅延などの
骨に関わる疾患の多くに認められ、骨折、骨変形、痛み
の原因になり、骨以外の臓器や部位の機能障害をもたら
すことがある。老齢人口の増加に伴って、このような骨
密度の低下に対処する有効な薬剤、特に骨密度を増加さ
せる医薬の開発が必要になっている。骨密度低下の原因
は、エストロゲンなどの女性ホルモンの減少に関係する
ことが知られている。このため、エストラジオ−ル等の
エストロゲンを補なって骨密度低下を予防するエストロ
ゲン補充療法が、特に閉経女性に対して用いられてい
る。しかしながら、エストロゲン補充療法には、子宮出
血、子宮頸癌あるいは乳癌などの腫瘍を発生させる副作
用を伴うことがある。このため、副作用を軽減するため
に、エストロゲンにプロゲステロンを併用する療法が試
みられているが、必ずしも満足の行く結果は得られてい
ない。
【0003】一方、エストラジオールは皮質骨よりも海
面骨骨形成に関与すると一般に考えられている。このた
め、皮質骨骨形成に関与するテストステロンをエストロ
ゲンと併用すれば、エストロゲン単独療法よりも骨密度
が増加することが確認されている。テストステロンによ
る骨形成は、テストステロンそのもののアンドロゲン作
用によるものであるとする説や、テストステロンが体内
で代謝されて生成するエストラジオールやジヒドロテス
トステロン等の様々な物質の作用によるものであるとす
る説がある。また、テストステロンが体内で代謝されて
生成するジヒドロテストステロンは、骨形成作用を有す
ると考えられている一方、骨形成に必須なホルモンでは
ないという報告もなされている。このような相反する報
告もあって、テストステロンやジヒドロテストステロン
による骨形成機構は十分に解明されているとはいえな
い。
【0004】このようなジヒドロテストステロンをエス
トラジオールと併用した場合の作用効果については種々
の報告がなされており、各々のホルモンが有する作用が
相殺されてしまうというインビトロ試験結果も報告され
ている(文献:Chamous E. etal J.Bone Miner. Res. 11
(Suppl 1); S431 1996)。また、ラットにジヒドロテ
ストステロンを単独投与した場合に認められていた海綿
骨の骨形成作用は、エストラジオールと併用することに
よって消失してしまうという報告もなされている(文
献:Vanin C. et al J. Bone Miner. Res. 10(Suppl 1):
S399 1996)。
【0005】これに対して、ジヒドロテストステロンと
エストラジオールの投与量を限定して投与すれば、各々
を単独に投与した場合よりも骨密度が増加し、皮質骨の
骨形成が促進されるという報告もなされている(文献:C
oxam V. et al Bone 19:107-114, 1996)。この報告で
は、卵巣を摘出したラットの皮下にエストラジオール
(0.1mg)とジヒドロテストステロン(2.5mg
あるいは10mg)とを含有する30日間徐放可能なペ
レットを57日間埋め込んで、併用による骨密度増加効
果を検討している。一日当たりの投与量はラット1匹
(平均体重334〜347g)当たり、エストラジオー
ルが3.33μg/日(体重1kgに換算すると9.7
9μg/日)で、ジヒドロテストステロンが83.3μ
g/日(体重1kgに換算すると245μg/日)ある
いは333μg/日(体重1kgに換算すると979μ
g/日)である。
【0006】このようにジヒドロテストステロンとエス
トラジオールの投与量を特定の範囲に限定して投与する
ことによって、一定の骨密度増加を達成しうることが確
認されているが、これらの投与量は副作用を十分に防げ
るほど低いとは言えない。すなわち、エストラジオール
等のエストロゲンを多量に投与すると、子宮出血、子宮
頸癌あるいは乳癌などの腫瘍の発生や、体重増加抑制を
招くおそれがある。また、ジヒドロテストステロンを多
量に投与すると、多毛症やざ瘡等の副作用を生じる危険
が伴う(文献:Horton R. J. Androl. 13; 23-27, 199
2)。さらに、アロマターゼでエストラジオールとジヒ
ドロテストステロンに代謝されるテストステロンは、ジ
ヒドロテストステロン単独よりも前立腺腫瘍の発症のリ
スクが高いことが示唆されているため、多量のエストラ
ジオ−ルとジヒドロテストステロンを併用すると前立腺
が肥大する副作用が危惧される(文献:Bruno de Lignie
rs Ann. Medicine 25; p235-241, 1993)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、エストロ
ゲンやジヒドロテストステロンを投与する場合には、深
刻な副作用を伴うことがないように投与量を安全な範囲
に抑える必要がある。しかしながら、従来の研究では、
副作用を十分に防ぐことができる低用量でエストロゲン
やジヒドロテストステロンを投与して骨密度の増加を確
認したものはない。そこで本発明は、従来の研究におい
て骨密度増加のために必要とされていた投与量を減ら
し、活性成分を低投与量で投与することによって副作用
を極力抑えながら骨密度を増加させることを課題とし
た。とくに本発明は、骨密度増加に必要とされるエスト
ロゲンの投与量を低減し、過剰なホルモン作用による弊
害を回避しながら十分な骨密度の増加を達成することを
課題とした。より具体的には、本発明は、これらの目的
を達成しうる医薬組成物、医薬キット、骨密度増加法、
該骨密度増加法を実施するためのプログラムを記録した
記録媒体、および該骨密度増加法を実施するための投与
システムを提供することを課題とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本研究者らは、これらの
課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、エストラ
ジオール等のエストロゲンにアロマターゼ非代謝性アン
ドロゲンを併用することによって、エストロゲンの投与
量を減らし、かつエストロゲンの骨密度増加作用を増強
ないし維持することができることを見い出して本発明を
完成させるに至った。すなわち、本発明は、(1)エス
トロゲンとアロマターゼ非代謝性アンドロゲンとを含有
する医薬組成物、(2)該エストロゲンがエストラジオ
ール、吉草酸エストラジオール、安息香酸エストラジオ
ール、プロピオン酸エストラジオール、エストロン、結
合型エストロゲンおよびプロピオン酸エストリオールか
らなる群から選択される前記医薬組成物、(3)該アロ
マターゼ非代謝性アンドロゲンがジヒドロテストステロ
ン、オキサアンドロロン、オキサメトロン、スタノゾロ
ール、メスタノロン、スタノロンおよびアンドロスタン
からなる群から選択される前記医薬組成物、(4)該エ
ストロゲンがエストラジオールであり、該アロマターゼ
非代謝性アンドロゲンがジヒドロテストステロンである
前記医薬組成物、(5)骨粗鬆症あるいは骨形成遅延の
予防または治療のための前記医薬組成物、(6)該エス
トロゲンおよび該アロマターゼ非代謝性アンドロゲンが
徐放される前記医薬組成物、(7)エストロゲンおよび
アロマターゼ非代謝性アンドロゲンが、キットを構成す
る複数の組成物のいずれかに含まれている医薬キット、
(8)1日につき体重1kgあたりエストラジオール
0.2〜2μgに相当する活性量のエストロゲンを、ア
ロマターゼ非代謝性アンドロゲンと同時にまたは個別に
哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類の骨密度を増加さ
せる方法、(9)1日につき体重1kgあたりエストラ
ジオール0.2〜1μgに相当する活性量のエストロゲ
ンを投与する前記方法、(10)1日につき体重1kg
あたりジヒドロテストステロン20〜80μに相当する
活性量のアロマターゼ非代謝性アンドロゲンを投与する
前記方法、(11)1日につき体重1kgあたり、エス
トラジオール0.2〜2μgおよびジヒドロテストステ
ロン20〜80μgを投与する工程を含む前記方法、
(12)投与方法が経口、経皮、埋め込みまたは皮下投
与である前記方法、(13)前記方法を実施するための
プログラムを記録した機械読み取り可能な記録媒体、
(14)前記方法を実施するための、エストロゲンおよ
びアロマターゼ非代謝性アンドロゲンの投与システムを
提供する。
【0009】本発明で使用するエストロゲンとして、エ
ストラジオール、吉草酸エストラジオール、安息香酸エ
ストラジオール、プロピオン酸エストラジオール、エス
トロン、結合型エストロゲンおよびプロピオン酸エスト
リオールを例示することができる。中でもエストラジオ
ールを使用するのが好ましい。エストラジオールは、1
7β−エストラジオール、エストラ−1,3,5(10)
−トリエン−3,17−ジオール、ジヒドロキシエスト
リンとも呼ばれ、動物の卵巣、胎盤、睾丸等に存在して
いる。エストラジオールは、エストロンを化学的あるい
は微生物的に還元することによって合成することができ
る。また、特定の芳香化酵素(アロマターゼ)によっ
て、テストステロンから生合成される。
【0010】一方、本発明で使用するアロマターゼ非代
謝性アンドロゲンは、ステロイド骨核のA環の5α位が
還元された構造を有し、アンドロゲン活性を有し、アロ
マタ−ゼによって代謝されないステロイドホルモンであ
る。アロマターゼ非代謝性アンドロゲンの具体例とし
て、ジヒドロテストステロン、オキサアンドロロン、オ
キサメトロン、スタノゾロール、メスタノロン、スタノ
ロンおよびアンドロスタンを挙げることができる。この
中でも特にジヒドロテストステロンを使用するのが好ま
しい。ジヒドロテストステロンは、(5α,17β)−
17−ヒドロキシアンドロスタン−3−オン、4−ジヒ
ドロテストステロンまたはスタノロンとも呼ばれ、テス
トステロンの二重結合が5αに還元された構造を有す
る。ジヒドロテストステロンは、テストステロンに5α
−リダクターゼを作用させることによって生合成するこ
とができる。本発明で使用するエストロゲンおよびアロ
マターゼ非代謝性アンドロゲンは、文献記載の方法また
はそれに類する方法によって得たもの、動物から取得し
たもの、合成品、市販品であってもよい。
【0011】エストロゲンとアロマターゼ非代謝性アン
ドロゲンを含有する本発明の医薬組成物は、従来試みら
れていなかった低い用量で有意な骨密度増加作用を示す
点に特徴がある。従来は、骨密度を増加させるために比
較的高い用量でエストロゲンを投与していたため、エス
トロゲンによる副作用の発現防止が必ずしも有効になさ
れていなかった。本発明によってエストロゲンをアロマ
ターゼ非代謝性アンドロゲンと併用すれば、エストロゲ
ンの用量を1日につき体重1kgあたりエストラジオー
ル2μgの活性量以下に抑えることができる。特にエス
トラジオールを0.2μg/kg/日(60kgのヒト
当たり12μg)という低用量で投与して骨密度増加を
検討した例は現在迄にまったく報告されていない。この
ように、本発明によれば、少量のエストロゲン投与によ
って有効に骨密度を増加させ、かつエストロゲン投与に
伴う副作用の発現を大幅に抑制することができる。
【0012】本発明では、1日につき体重1kgあたり
エストラジオール0.2〜2μgに相当する活性量のエ
ストロゲンを投与するのが好ましい。中でも1日につき
体重1kgあたりエストラジオール0.2〜1μgに相
当する活性量のエストロゲンを投与するのが好ましい。
また、本発明では、エストロゲン投与に伴って、1日に
つき体重1kgあたりジヒドロテストステロン20〜8
0μgに相当する活性量のアロマターゼ非代謝性アンド
ロゲンを投与するのが好ましい。
【0013】このようにジヒドロテストステロンを併用
することによってエストラジオールの投与量を減らすこ
とができるため、本発明の医薬組成物はエストラジオー
ルを投与することによる副作用が懸念される場合に特に
有用である。すなわち、従来より行われているエストロ
ゲン療法には、月経の再開、子宮内膜癌や乳癌の発生と
いった副作用が伴うが、本発明の医薬組成物を使用すれ
ばこれらの副作用を回避ないし軽減することができる。
したがって、本発明の医薬組成物は、従来の医薬に比べ
てより長期にわたって安全に使用することができる。
【0014】さらに、本発明の医薬組成物は体内のホル
モンバランスを崩すことなく使用することができる。す
なわち、本発明の医薬組成物の活性成分であるエストロ
ゲンとアロマターゼ非代謝性アンドロゲンのホルモン作
用は、一部が互いに拮抗しており、一方の作用が過度に
働くのを互いに牽制する場合がある。このため、本発明
の医薬組成物を用いれば、いずれか一方の活性成分によ
る弊害を防ぐことが可能である。例えば、エストラジオ
ールなどのエストロゲンには体重増加抑制作用があり、
ジヒドロテストステロンなどのアロマターゼ非代謝性ア
ンドロゲンには体重増加作用があるが、本発明の医薬組
成物を使用すれば体重の過度の増減を抑制することがで
きる。また、エストロゲンやアロマターゼ非代謝性アン
ドロゲンを単独で投与した場合に懸念される他の副作用
も、本発明によれば回避することが可能である。
【0015】本発明の医薬組成物による骨密度増加作用
は、骨全体にわたって発現する。ただし、骨密度増加の
程度は骨の部位によって異なる。例えば、大腿骨の場合
は、近位端および遠位端における骨密度の増加が比較的
大きい。特に近位端における骨密度の増加は顕著であ
る。大腿骨近位端は体を支えるうえで大きな荷重がかか
る部位であり、近位端にはその荷重に十分に耐え得る強
度が要求されることから、本発明の医薬組成物は必要な
部位の骨密度を効果的に増加させることができるもので
ある。なお、本発明の医薬組成物を用いて特定の部位の
骨密度を特に増加させたいときには、本発明の医薬組成
物を局所投与すればよい。
【0016】本発明の医薬組成物は、骨粗鬆症をはじめ
とする骨密度の低下を伴う疾患の予防または治療のため
に適用することができる。骨粗鬆症には、老人性骨粗鬆
症や閉経後骨粗鬆症といった退行期骨粗鬆症、若年性骨
粗鬆症、突発性骨粗鬆症などがある。また、これらの原
発性骨粗鬆症の他に、基礎疾患により引き起こされる続
発性骨粗鬆症もある。たとえば、甲状腺機能亢進症、性
腺機能不全症などの内分泌疾患によるもの、吸収不良症
候群、アルコール中毒などの栄養障害、慢性関節リウマ
チによるもの、不動性骨粗鬆によるもの、さらには性腺
機能不全による骨形成遅延などの骨に関する疾患による
ものがある。ここに例示されていない疾患に対しても、
骨密度増加を目的とする疾病に適用することができる。
【0017】本発明の医薬組成物には、エストロゲンと
アロマターゼ非代謝性アンドロゲンをともに含む単一組
成物のみならず、複数の組成物から構成される医薬キッ
トも含まれる。エストロゲンとアロマターゼ非代謝性ア
ンドロゲンは、この医薬キットを構成する組成物のいず
れかに含まれていればよい。例えば、エストロゲンを含
む組成物とアロマターゼ非代謝性アンドロゲンを含む組
成物からなるキットであってもよいし、エストロゲンと
アロマターゼ非代謝性アンドロゲンの存在比が異なる複
数の組成物からなるキットであってもよい。使用の際
は、これらの組成物を適宜組み合わせて投与する。本発
明の医薬組成物のキットを構成する複数の組成物は、同
時または連続して投与してもよいし、場合によっては一
定の間隔で投与してもよい。ただし、副作用が発現しな
いように注意しなければならない。特に、エストロゲン
のみを含む組成物とアロマターゼ非代謝性アンドロゲン
のみを含む組成物を投与する場合には、同時または連続
して投与するのが好ましい。
【0018】本発明の投与形態は特に制限されず、経口
的にまたは非経口的に投与することが可能である。非経
口投与としては、皮下投与または経皮投与するのが好ま
しい。また、本発明の医薬組成物の剤型は特に制限され
ず、投与経路等に応じて適宜選択することができる。例
えば、経口投与に適した製剤として、錠剤、カプセル
剤、散剤、細粒剤、液剤、シロップ剤等を挙げることが
できる。非経口剤に適した製剤として、埋め込み剤、経
皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤などが挙げられ、薬物
吸収制御経皮吸収剤あるいはマイクロスフェアー製剤で
あってもよい。これらの製剤には、必要に応じて薬理学
的および製剤学的に許容しうる添加物を使用することが
できる。例えば、賦形剤、崩壊剤または崩壊補助剤、結
合剤、滑沢剤、コ−ティング剤、色素、希釈剤、基剤、
溶解剤または溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化
剤、粘着剤等を使用することができる。さらに、種々の
ドラッグ・デリバリー・システムを応用して、本発明の
医薬を持続的に血中に放出させたりすることもできる。
【0019】エストロゲンとアロマターゼ非代謝性アン
ドロゲンの投与量は、治療または予防の目的、患者の性
別、体重、年齢、疾患の種類や程度、剤型、投与経路な
どの種々の条件に応じて適宜決定する。一般にアロマタ
ーゼ非代謝性アンドロゲンをエストロゲンより多く投与
することが好ましい。具体的には、ヒトを含む哺乳類に
対するエストラジオールの投与量は0.2〜2μg/k
g/日、ジヒドロテストステロンの投与量は20〜80
μg/kg/日で、それぞれ体重60kgのヒトに換算
すると1日当たりエストラジオールが0.012〜0.
12mg、ジヒドロテストステロンの投与量は1.2〜
4.8mgとするのが好ましい。また、エストラジオー
ルあるいはジヒドロテストステロン以外の成分を使用す
る場合には、ヒト体重1kgあたり、1日につき、エス
トロゲンをエストラジオール0.2〜2μgに相当する
活性量およびアロマターゼ非代謝性アンドロゲンをジヒ
ドロテストステロン20〜80μgに相当する活性量を
投与することが好ましい。投与量は、これらの範囲内で
組み合わせるのが好ましいが、ここに記載された数値範
囲外の量を採用することもできる。
【0020】エストラジオールとアロマターゼ非代謝性
アンドロゲンを上記の好ましい範囲内の投与量で投与す
るために、投与システムを用いることができる。投与シ
ステムには、骨密度を増加させるために本発明にしたが
ってエストラジオールとアロマターゼ非代謝性アンドロ
ゲンを体内に投与する機構および手段がすべて包含され
る。例えば、エストラジオールまたはアロマターゼ非代
謝性アンドロゲンの注入手段、または注入量を制御する
手段を備えたシステムが広く包含される。注入量を制御
する手段は手動であってもコンピューター制御された自
動制御手段であってもよい。また、このような自動制御
手段を制御するためのプログラムを記録した記録媒体も
システムの一部を構成する。これらの投与システムおよ
び記録媒体も本発明を実施する手段として理解されるべ
きである。
【0021】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。ただし、ここに記載されてい
るものは例示にすぎず、本発明の範囲はこれらの記載に
よって限定的に解釈されるものではない。
【0022】実施例1:錠剤の調製 ジヒドロテストステロン1〜4.8重量部とエストラジ
オール0.02〜0.12重量部に、スターチ70重量
部と乳糖25重量部を混合し、打錠して錠剤を調製し
た。
【0023】実施例2:注射剤の調製 ジヒドロテストステロン0.5〜2.4重量部とエスト
ラジオール0.01〜0.06重量部をエタノール1重
量部に溶解した。得られた溶液に大豆油レシチン2.5
重量部、ポリエチレングリコール2.5重量部およびミ
リスチルγ−塩化ピコリニウム0.25重量部を添加
し、混合物を攪拌して均一化した。さらに得られた混合
物の7倍容量の生理食塩液を添加することによって水性
懸濁液を調製し、注射剤とした。
【0024】実施例3:埋め込み剤の調製 ジヒドロテストステロン0.03〜26.4重量部、エ
ストラジオール0.0006〜0.006重量部および
ポリL乳酸0.5〜2.2重量部の混合物を70℃に加
温した。得られた溶液を室温に冷却した後に粉砕し、得
られた粉砕物を円柱状の型に入れ圧力をかけて成型し、
1ケ月用の徐放剤とした。
【0025】実施例4:マイクロスフェアー剤の調製 ジヒドロテストステロン0.03〜26.4重量部、エ
ストラジオール0.0006〜0.006重量部および
ポリL乳酸0.5〜2.2重量部を60℃に加温して塩
化メチレンに溶解した。得られた溶液を、ポリビニ−ル
アルコ−ル2重量部とゼラチン1重量部を含有する水溶
液に添加して撹拌しながら減圧放置して、溶媒を揮発さ
せた。水洗し、篩いにかけてサイズを揃え、凍結乾燥す
ることによってマイクロスフェア−剤を調製した。
【0026】実施例5:貼付剤の調製 ジヒドロテストステロン5〜24重量部とエストラジオ
ール0.1〜0.6重量部を含有するエタノール溶液を
調製した。得られたエタノール溶液10重量部とプロピ
レングリコール5重量部をアクリル系重合体溶液(アク
リル酸2−エチルヘキシルとビニルピロリドン(65:
35)の共重合体の酢酸エチル溶液)85重量部に添加
して、均一に撹拌した。その後、混合液をシリコンコ−
トした剥離紙上に塗布し乾燥することによって、粘着層
を形成した。この粘着層の上に、ポリエステル及びナイ
ロンTMの1:1混紡編み物からなる厚さ50μmの支持
体を圧着して、経皮吸収を目的とする貼付剤を調製し
た。
【0027】試験例1:インビボ試験(1) [試験方法]12週齢のSD系雌性ラット(体重230
−240g)を一群6匹として計11群用意し、10群
をジエチルエーテルで麻酔した。次いで、各個体の腹部
を剪毛し、正中線に沿って皮膚および白線から筋層を切
開し開腹した。左右の卵巣を体外に引き出して輸卵管と
子宮の間を結紮し、電気メスで卵巣を輸卵管と共に切除
した。この後、開腹部にペニシリンGナトリウム−スト
レプトマイシン溶液(ペニシリンG10,000U/m
l,ストレプトマイシン10,000μg/ml:GI
BCO社製)を生理食塩水で10倍希釈した溶液0.1
mlを滴下した。残る1群のラットに対しても、同様に
開腹し、ペニシリンGナトリウム−ストレプトマイシン
溶液を滴下したが、輸卵管と卵巣の摘出は行わなかっ
た。
【0028】手術翌日から、カルシウム濃度0.4%の
カルシウム制限餌(オリエンタル酵母社製)を試験期間
に亘って給餌するとともに、術後4週間経過したところ
で各群に対して、それぞれ特定の試料の投与を開始し
た。すなわち、9群の卵巣摘出ラットに対しては、表1
に記載される量のジヒドロテストステロン(フルカ社
製)とエストラジオール(シグマ社製)をオリーブ油に
溶解した試料を皮下投与した(EST群1〜4、DHT
群1、併用群1〜4)。残りの卵巣摘出ラット1群には
対照群としてプラセボを投与した(対照群1)。また、
偽手術を施した卵巣保有ラット1群にもプラセボを投与
した(偽手術群1)。各投与は1日1回とし、5日連続
投与して2日間休薬するサイクルを8週間繰り返した。
8週間の投薬の前後で各ラットの体重を測定し、投薬に
よる体重増加量を調べた。投薬試験後、ラットに二酸化
炭素を吸入して安楽死させ、大腿骨を採取して直ちに1
0%中性ホルマリン緩衝液に浸して固定した。固定した
各ラットの大腿骨の平均骨密度を二重X線骨塩測定装置
(DSC−600形、アロカ社製)により測定した。
【0029】
【表1】
【0030】[結果]各群ラットの大腿骨の平均骨密度
を測定した結果を図1に示す。エストラジオール単独投
与群では、投与量に相関した骨密度の増加が認められた
(EST群1〜4)。しかし、エストラジオールの投与
量が少ないEST群では、対照群を上回る骨密度は認め
られなかった。一方、エストラジオールをジヒドロテス
トステロンと併用することによって、エストラジオール
低投与量群を含むすべての併用群で骨密度が高まった
(併用群1〜4)。また、エストラジオール0.2μg
/kg/日以上の併用群において、対照群より有意に高
い骨密度が確認された。併用群3および併用群4では、
それぞれ対応する用量のDHT群1、EST群3および
EST群4よりも高い骨密度を示した。中でも、EST
群4と併用群2との比較、あるいはEST群3と併用群
1との比較から、エストラジオールにジヒドロテストス
テロンを併用することにより、エストラジオ−ルの投与
量を減量できることが確認された。
【0031】各群ラットへの試料投与による体重増加量
を測定した結果を図2に示す。卵巣を摘出した対照群の
体重増加量は偽手術群より大きかった。また、エストラ
ジオール単独投与群では、投与量を増すことによって体
重の増加が抑制された(EST群1〜4)。一方、ジヒ
ドロテストステロン単独投与群では、逆に対照群よりも
体重が増加する傾向を示した。このようなジヒドロテス
トステロンの体重増加作用は、併用群ではエストラジオ
ールの投与量に依存して低下した。特に、併用群3およ
び4では、体重増加量が偽手術群とほぼ同じであった。
また、EST群と併用群の比較により、エストラジオー
ルの体重増加抑制作用をジヒドロテストステロンが軽減
する傾向が認められた。
【0032】試験例2:インビボ試験(2) [試験方法]試験例1と同じ方法によって、卵巣摘出ラ
ット9群と偽手術を施した卵巣保有ラット1群を用意し
た(1群7匹)。全てのラットに手術の翌日からカルシ
ウム濃度0.4%のカルシウム制限餌を給餌した。ま
た、手術から4週間経過したところで各群に対して、そ
れぞれ特定の試料の投与を開始した。すなわち、8群の
卵巣摘出ラットに対しては、表2に記載される量のエス
トラジオールとジヒドロテストステロンを含有するよう
に実施例2に準じて調製した水性懸濁液を皮下投与した
(EST群21〜22、DHT群21〜22、併用群2
1〜24)。残りの卵巣摘出ラット1群には対照群とし
てプラセボを投与した。また、偽手術を施した卵巣保有
ラット1群にもプラセボを投与した。各投与は1日1回
とし、5日連続投与して2日間休薬するサイクルを12
週間繰り返した。12週間の投薬の前後で各ラットの体
重を測定し、投薬による体重増加量を調べた。投薬試験
後、ラットに二酸化炭素を吸入して安楽死させ、大腿骨
を採取して直ちに10%中性ホルマリン緩衝液に浸して
固定した。固定した各ラットの大腿骨の平均骨密度を二
重X線骨塩測定装置(DSC−600形、アロカ社製)
により測定した。測定は、大腿骨近位端から1cmまで
の部位、大腿骨遠位端から1cmまでの部位、および大
腿骨全体について行った。
【0033】
【表2】
【0034】[結果]各群ラットの大腿骨の平均骨密度
を測定した結果を表3に示す。表中の骨密度は(平均
値)±(標準偏差)で示した。
【表3】
【0035】この試験によって、試験例1よりもジヒド
ロテストステロンの投与量を低くしても、エストラジオ
ールと併用することによって骨密度を増加させることが
できることが確認された。すなわち、ジヒドロテストス
テロンは20〜80μg/kg/日で十分にエストラジ
オールの骨密度増加作用を増強することが確認された。
また、骨密度の増加は近位端(大腿骨頸部側)と遠位端
(膝関節側)で大きく、中でも近位端において大きな骨
密度増加が認められた(EST群22、23、24)。
エストラジオールを0.2μg/kg/日(60kgの
ヒト当たり12μg)という低用量で投与して骨密度増
加を確認した例は現在迄に報告されていない。エストラ
ジオールをジヒドロテストステロンと併用することによ
って、このような低用量であっても十分な骨密度の増加
が期待できる。
【0036】各群ラットへの試料投与による体重増加量
を測定した結果を図3に示す。エストラジオール2μg
/kg/日投与群(EST群22)では体重増加が抑制
され、その作用はジヒドロテストステロン80μg/k
g/日を併用しても確認された(併用群24)。しか
し、エストラジオール0.2μg/kg/日投与群(E
ST群21)では体重増加抑制は認められなかった。一
方、ジヒドロテストステロン20μg/kg/日投与群
(DHT群21)では体重に影響は認められなかった
が、ジヒドロテストステロン80μg/kg/日投与群
(DHT群22)では体重増加の傾向が認められた。し
かし、その作用はエストラジオールを併用することによ
って軽減された(併用群23、24)。この体重増加量
測定結果は、エストラジオールとジヒドロテストステロ
ンのホルモン作用が相互に拮抗することを示している。
従って、ジヒドロテストステロンの体重増加作用は、エ
ストラジオールを併用することによって抑制できると考
えられる。
【0037】
【発明の効果】本発明の医薬を用いれば、副作用を回避
または低減しながら効果的に骨密度を維持あるいは増加
させることができる。このため、骨粗鬆症をはじめとす
る骨密度低下を伴う疾患に対して、本発明は極めて有効
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラット大腿骨の平均骨密度を示す図である(試
験例1)。
【図2】ラットへの試料投与による体重増加量を示す図
である(試験例1)。
【図3】ラットへの試料投与による体重増加量を示す図
である(試験例2)。
【符号の説明】
図1(DUNNETの片側検定法による検定結果) ++ 偽手術群1に対して危険率1%で有意 * 対照群1に対して危険率5%で有意 ** 対照群1に対して危険率1%で有意 ## DHT群1に対して危険率5%で有意 # DHT群1に対して危険率1%で有意 $$1 EST群1に対して危険率1%で有意 $$3 EST群3に対して危険率1%で有意 $4 EST群4に対して危険率1%で有意 図2(DUNNETの片側検定法による検定結果) * 対照群1に対して危険率5%で有意 ** 対照群1に対して危険率1%で有意 # DHT群1に対して危険率5%で有意(併用群1〜
4についてのみ検定) ## DHT群2に対して危険率1%で有意(併用群1
〜4についてのみ検定) 図3(DUNNETの片側検定法による検定結果) ** 対照群2に対して危険率1%で有意
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 佳子 京都府京都市山科区四ノ宮南河原町14番地 科研製薬株式会社総合研究所内 (72)発明者 青山 行雄 京都府京都市山科区四ノ宮南河原町14番地 科研製薬株式会社総合研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エストロゲンとアロマターゼ非代謝性ア
    ンドロゲンとを含有する医薬組成物。
  2. 【請求項2】 エストロゲンがエストラジオール、吉草
    酸エストラジオール、安息香酸エストラジオール、プロ
    ピオン酸エストラジオール、エストロン、結合型エスト
    ロゲンおよびプロピオン酸エストリオールからなる群か
    ら選択される請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 アロマターゼ非代謝性アンドロゲンがジ
    ヒドロテストステロン、オキサアンドロロン、オキサメ
    トロン、スタノゾロール、メスタノロン、スタノロンお
    よびアンドロスタンからなる群から選択される請求項1
    に記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 エストロゲンがエストラジオールであ
    り、アロマターゼ非代謝性アンドロゲンがジヒドロテス
    トステロンである請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 骨粗鬆症あるいは骨形成遅延の予防また
    は治療のための請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組
    成物。
  6. 【請求項6】 エストロゲンおよびアロマターゼ非代謝
    性アンドロゲンが徐放される請求項1〜5のいずれかに
    記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 エストロゲンおよびアロマターゼ非代謝
    性アンドロゲンが、キットを構成する複数の組成物のい
    ずれかに含まれている医薬キット。
  8. 【請求項8】 1日につき体重1kgあたりエストラジ
    オール0.2〜2μgに相当する活性量のエストロゲン
    を、アロマターゼ非代謝性アンドロゲンと同時にまたは
    個別に哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類の骨密度を
    増加させる方法。
  9. 【請求項9】 1日につき体重1kgあたりエストラジ
    オール0.2〜1μgに相当する活性量のエストロゲン
    を投与する請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 1日につき体重1kgあたりジヒドロ
    テストステロン20〜80μgに相当する活性量のアロ
    マターゼ非代謝性アンドロゲンを投与する請求項8また
    は9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 1日につき体重1kgあたり、エスト
    ラジオール0.2〜2μgおよびジヒドロテストステロ
    ン20〜80μgを投与する工程を含む、請求項8に記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 投与方法が経口、経皮、埋め込みまた
    は皮下投与である請求項8〜11のいずれかに記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項8〜11のいずれかに記載の工
    程を実施するためのプログラムを記録した機械読み取り
    可能な記録媒体。
  14. 【請求項14】 請求項8〜11のいずれかに記載の工
    程を実施するための、エストロゲンおよびアロマターゼ
    非代謝性アンドロゲンの投与システム。
JP2235398A 1997-02-04 1998-02-03 骨密度増加剤 Pending JPH10279483A (ja)

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JP2145197 1997-02-04
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2002243411B2 (en) * 2000-12-22 2007-02-08 Barr Laboratories, Inc. Combination of an estrogen and an androgen for treating hormonal deficiencies in women undergoing estrogen replacement therapy

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2002243411B2 (en) * 2000-12-22 2007-02-08 Barr Laboratories, Inc. Combination of an estrogen and an androgen for treating hormonal deficiencies in women undergoing estrogen replacement therapy

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