JPH10280101A - 耐熱耐摩耗部材及びその製造方法 - Google Patents
耐熱耐摩耗部材及びその製造方法Info
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- JPH10280101A JPH10280101A JP9086584A JP8658497A JPH10280101A JP H10280101 A JPH10280101 A JP H10280101A JP 9086584 A JP9086584 A JP 9086584A JP 8658497 A JP8658497 A JP 8658497A JP H10280101 A JPH10280101 A JP H10280101A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 耐熱耐摩耗性に優れる材料を提供すること。
【解決手段】 炭素鋼からなる母材に金属の炭化物、窒
化物、酸化物、ホウ化物のうちの1種以上と下記成分か
らなる高速度鋼(ハイスと称す)との合金からなるHI
P処理層を形成し2層構造としたことを特徴とする耐熱
耐摩耗部材。ハイス成分は、C、Si、Mn、Cr、M
o、V、W、Fe残部からなるハイス粉末に合計体積で
5〜45%の1種以上の、金属の炭化物、窒化物、酸化
物、ホウ化物の粉末をメカニカルアロイング法により合
金化し、その後、炭素鋼からなる母材の表面へ温度10
00〜1200℃、圧力100MPa以上、2〜5時間
のHIP処理を行い2層構造としたことを特徴とする耐
熱耐摩耗部材の製造方法。
化物、酸化物、ホウ化物のうちの1種以上と下記成分か
らなる高速度鋼(ハイスと称す)との合金からなるHI
P処理層を形成し2層構造としたことを特徴とする耐熱
耐摩耗部材。ハイス成分は、C、Si、Mn、Cr、M
o、V、W、Fe残部からなるハイス粉末に合計体積で
5〜45%の1種以上の、金属の炭化物、窒化物、酸化
物、ホウ化物の粉末をメカニカルアロイング法により合
金化し、その後、炭素鋼からなる母材の表面へ温度10
00〜1200℃、圧力100MPa以上、2〜5時間
のHIP処理を行い2層構造としたことを特徴とする耐
熱耐摩耗部材の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄分野などにお
いて、例えば線材工場等で使用されているガイドローラ
ーなどのように高温材料と接触する耐熱耐摩耗部材及び
その製造方法に関するものである。
いて、例えば線材工場等で使用されているガイドローラ
ーなどのように高温材料と接触する耐熱耐摩耗部材及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐熱耐摩耗部材には、高硬度が要求さ
れ、かつ熱衝撃や機械的衝撃に十分耐え得る強度、靱性
が要求されるため、従来、工具鋼や高速度鋼などが用い
られて来た。これらの部材は、通常は鋳造にて製造され
るがこれらは鉄を主成分とするマトリックスに溶湯から
熱平衡則に従って晶出または析出した合金炭化物により
構成される組織となっている。また粉末を加圧、焼結し
た粉末冶金法もその製造に利用されてきているが、前者
に比して結晶粒は小さいものの同様の組織構成となる。
れ、かつ熱衝撃や機械的衝撃に十分耐え得る強度、靱性
が要求されるため、従来、工具鋼や高速度鋼などが用い
られて来た。これらの部材は、通常は鋳造にて製造され
るがこれらは鉄を主成分とするマトリックスに溶湯から
熱平衡則に従って晶出または析出した合金炭化物により
構成される組織となっている。また粉末を加圧、焼結し
た粉末冶金法もその製造に利用されてきているが、前者
に比して結晶粒は小さいものの同様の組織構成となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の製法、例えば鋳
造や粉末冶金によるものは、合金元素と製造時の熱平衡
によって決まる炭化物の晶出、析出と、焼入により硬化
したマトリックスによって構成される組織となる。硬度
向上に極めて有効な炭化物以外の硬質粒子の析出は困難
であった。このため硬度を向上させるには多量の炭化物
及び炭化物生成合金元素を混入する必要があるが、多量
に投入した場合、炭化物が粗大化し耐衝撃性が低下する
ため、硬度向上には限界があった。
造や粉末冶金によるものは、合金元素と製造時の熱平衡
によって決まる炭化物の晶出、析出と、焼入により硬化
したマトリックスによって構成される組織となる。硬度
向上に極めて有効な炭化物以外の硬質粒子の析出は困難
であった。このため硬度を向上させるには多量の炭化物
及び炭化物生成合金元素を混入する必要があるが、多量
に投入した場合、炭化物が粗大化し耐衝撃性が低下する
ため、硬度向上には限界があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために発明されたもので、炭素鋼からなる母材
に、重量%でC:0.9〜2.5%、Si:0.2〜
1.5%、Mn:0.3〜2.0%、Cr:3.5〜1
2.0%、Mo:3.0〜10.0%、V:0.8〜
8.0%、W:1.0〜10.0%、残部Feからなる
ハイスと、1種以上の、金属の炭化物、窒化物、酸化
物、ホウ化物からなる合金のHIP処理層を形成し、2
層構造としたことを特徴とする耐熱耐摩耗部材を供する
ものである。
決するために発明されたもので、炭素鋼からなる母材
に、重量%でC:0.9〜2.5%、Si:0.2〜
1.5%、Mn:0.3〜2.0%、Cr:3.5〜1
2.0%、Mo:3.0〜10.0%、V:0.8〜
8.0%、W:1.0〜10.0%、残部Feからなる
ハイスと、1種以上の、金属の炭化物、窒化物、酸化
物、ホウ化物からなる合金のHIP処理層を形成し、2
層構造としたことを特徴とする耐熱耐摩耗部材を供する
ものである。
【0005】また、予め重量%で、C:0.9〜2.5
%、Si:0.2〜1.5%、Mn:0.3〜2.0
%、Cr:3.5〜12.0%、Mo:3.0〜10.
0%、V:0.8〜8.0%、W:1.0〜10.0
%、残部Feからなるハイス粉末に合計体積で5〜45
%の金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物のうちの
1種以上の粉末をメカニカルアロイングにより合金化
し、その後、炭素鋼からなる母材の表面へ温度1000
〜1200℃、圧力100MPa以上、2〜5時間のH
IP処理を行い2層構造としたことを特徴とする耐熱耐
摩耗部材の製造方法にある。
%、Si:0.2〜1.5%、Mn:0.3〜2.0
%、Cr:3.5〜12.0%、Mo:3.0〜10.
0%、V:0.8〜8.0%、W:1.0〜10.0
%、残部Feからなるハイス粉末に合計体積で5〜45
%の金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物のうちの
1種以上の粉末をメカニカルアロイングにより合金化
し、その後、炭素鋼からなる母材の表面へ温度1000
〜1200℃、圧力100MPa以上、2〜5時間のH
IP処理を行い2層構造としたことを特徴とする耐熱耐
摩耗部材の製造方法にある。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。耐
摩耗性の向上には硬度の向上が極めて有効であることが
知られている。本発明では従来用いられてきたハイス材
に、硬質でかつ化学的に安定な炭化物、窒化物、酸化
物、ホウ化物を微細に分散させた組織を形成させ、靱性
を損なうこと無く、従来法では得られなかった材料硬度
を得ることができる。図1に具体例として金属酸化物で
あるアルミナの混合量に対する硬度の増加を示す。この
傾向は他の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物でも同様
である。また数種類の硬質化合物を混合しても同様の効
果が得られる。
摩耗性の向上には硬度の向上が極めて有効であることが
知られている。本発明では従来用いられてきたハイス材
に、硬質でかつ化学的に安定な炭化物、窒化物、酸化
物、ホウ化物を微細に分散させた組織を形成させ、靱性
を損なうこと無く、従来法では得られなかった材料硬度
を得ることができる。図1に具体例として金属酸化物で
あるアルミナの混合量に対する硬度の増加を示す。この
傾向は他の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物でも同様
である。また数種類の硬質化合物を混合しても同様の効
果が得られる。
【0007】1種以上の金属の炭化物、窒化物、酸化
物、ホウ化物の混合率の合計を体積で5〜45%とした
理由は、混合率が増加するにつれて硬度は増加し、耐摩
耗性の向上が期待できるが、図2にアルミナを用いて例
示したように45%を越えると、いづれの化合物につい
ても強度が低下するため、衝撃による欠損の恐れがあり
好ましくないためである。
物、ホウ化物の混合率の合計を体積で5〜45%とした
理由は、混合率が増加するにつれて硬度は増加し、耐摩
耗性の向上が期待できるが、図2にアルミナを用いて例
示したように45%を越えると、いづれの化合物につい
ても強度が低下するため、衝撃による欠損の恐れがあり
好ましくないためである。
【0008】次に本発明で用いたメカニカルアロイング
法について説明する。メカニカルアロイングは鋼球やセ
ラミックス製のボールによって、図3に示すように、混
合粉末の粉砕、固着を繰り返すことによって異種材料を
原子レベルで合金化することができる。一般に金属化合
物は化学的に安定で、従来の熱平衡則を用いた製造プロ
セスではハイスと合金化できなかったものが、メカニカ
ルアロイング法を用いることによって原子レベルで結合
させることが可能である。
法について説明する。メカニカルアロイングは鋼球やセ
ラミックス製のボールによって、図3に示すように、混
合粉末の粉砕、固着を繰り返すことによって異種材料を
原子レベルで合金化することができる。一般に金属化合
物は化学的に安定で、従来の熱平衡則を用いた製造プロ
セスではハイスと合金化できなかったものが、メカニカ
ルアロイング法を用いることによって原子レベルで結合
させることが可能である。
【0009】本発明では従来の鋳造法に変えて粉末冶金
法を用いている。一般に粉末を用いた場合、鋳造材に比
べて高コストとなるので、極力、その使用量を抑えるこ
とが重要である。そこで本発明では実際の使用時に相手
材と接触し耐摩耗性、耐衝撃性が必要な外層にのみ粉末
冶金材料を用い、耐摩耗性の必要が無い母材には安価で
高靱性の炭素鋼を用いた2重構造とすることによってコ
スト低減を実現している。
法を用いている。一般に粉末を用いた場合、鋳造材に比
べて高コストとなるので、極力、その使用量を抑えるこ
とが重要である。そこで本発明では実際の使用時に相手
材と接触し耐摩耗性、耐衝撃性が必要な外層にのみ粉末
冶金材料を用い、耐摩耗性の必要が無い母材には安価で
高靱性の炭素鋼を用いた2重構造とすることによってコ
スト低減を実現している。
【0010】また、粉末の焼結にはHIP法を用いてい
るが、これはHIPでは、高温高圧下による粉末の塑性
変形によって粉末間の間隙をつぶすため、通常の焼結助
剤を用いた焼結法に比して、極めて欠陥の少ない強度特
性に優れた材料の製造が可能となる。さらに焼結と同時
に外層材料と母材との境界に原子拡散を生じせしめ冶金
的結合を形成し、強固な密着力を得ることが可能であ
る。
るが、これはHIPでは、高温高圧下による粉末の塑性
変形によって粉末間の間隙をつぶすため、通常の焼結助
剤を用いた焼結法に比して、極めて欠陥の少ない強度特
性に優れた材料の製造が可能となる。さらに焼結と同時
に外層材料と母材との境界に原子拡散を生じせしめ冶金
的結合を形成し、強固な密着力を得ることが可能であ
る。
【0011】HIP温度が1000℃未満の場合は焼結
時間が長くなり過ぎコストが増加したり、気孔が残り好
ましくない。また1200℃を越えると、粒子が粗大化
し強度が減少するので上限を1200℃とした。圧力は
100MPa以上であれば気孔を消失せしめるには十分
である。また処理時間は2時間以上で十分密な焼結組織
が得られるが5時間を越えると組織が粗大化するため好
ましくない。
時間が長くなり過ぎコストが増加したり、気孔が残り好
ましくない。また1200℃を越えると、粒子が粗大化
し強度が減少するので上限を1200℃とした。圧力は
100MPa以上であれば気孔を消失せしめるには十分
である。また処理時間は2時間以上で十分密な焼結組織
が得られるが5時間を越えると組織が粗大化するため好
ましくない。
【0012】次に外層に用いるハイス鋼の成分の限定理
由について説明する。 C:0.9〜2.5% Cは焼入性を向上させ、マトリックス硬度を高くし、C
r,Mo,V,Wと高硬度の炭化物を形成し、耐摩耗性
を向上させる。0.9%未満では炭化物量が少なく、硬
度、耐摩耗性の向上は期待できない。また2.5%を越
えると、靱性が低下するため好ましくない。 Si:0.2〜1.5% Siは粉末製造の原料となる溶湯中の酸素と化合し脱酸
効果があり、清浄な粉末を製造するために必要である。
0.2%未満ではその効果がなく、1.5%を越える
と、その効果は変わらないため上限を1.5%とした。
由について説明する。 C:0.9〜2.5% Cは焼入性を向上させ、マトリックス硬度を高くし、C
r,Mo,V,Wと高硬度の炭化物を形成し、耐摩耗性
を向上させる。0.9%未満では炭化物量が少なく、硬
度、耐摩耗性の向上は期待できない。また2.5%を越
えると、靱性が低下するため好ましくない。 Si:0.2〜1.5% Siは粉末製造の原料となる溶湯中の酸素と化合し脱酸
効果があり、清浄な粉末を製造するために必要である。
0.2%未満ではその効果がなく、1.5%を越える
と、その効果は変わらないため上限を1.5%とした。
【0013】Mn:0.3〜2.0% Mnは粉末製造の原料溶湯中のSを固定し、有害物質の
発生を防止する。また焼入性を高め、マトリックス硬度
の増加に寄与する。0.3%未満ではその効果はなく、
2.0%を越えると、その効果が変わらない。 Cr:3.5〜12.0% Crはマトリックスの焼入性を向上させ、硬度を上げる
とともに、炭化物をつくり全体硬度の向上に寄与する。
3.5%未満ではその効果は無く、12.0%を越える
と炭化物の粗大化による靱性が低下するため、耐衝撃性
が損なわれる。
発生を防止する。また焼入性を高め、マトリックス硬度
の増加に寄与する。0.3%未満ではその効果はなく、
2.0%を越えると、その効果が変わらない。 Cr:3.5〜12.0% Crはマトリックスの焼入性を向上させ、硬度を上げる
とともに、炭化物をつくり全体硬度の向上に寄与する。
3.5%未満ではその効果は無く、12.0%を越える
と炭化物の粗大化による靱性が低下するため、耐衝撃性
が損なわれる。
【0014】Mo:3.0〜10.0% Moはマトリックスの焼入性を高めるとともに、安定な
炭化物を形成し、全体の硬度向上に寄与し耐摩耗性を向
上する。3.0%未満では効果が無く、10%を越えて
も効果は変わらないため、上限を10.0%とした。 V:0.8〜8.0% Vは炭素と化合し、高硬度の微細なVC炭化物を晶出
し、耐摩耗性向上の効果が高い元素である。0.8%未
満では効果が無く、8.0%を越えると、マトリックス
中の固溶炭化物量が減少するためマトリックス硬度を下
げるので好ましくない。
炭化物を形成し、全体の硬度向上に寄与し耐摩耗性を向
上する。3.0%未満では効果が無く、10%を越えて
も効果は変わらないため、上限を10.0%とした。 V:0.8〜8.0% Vは炭素と化合し、高硬度の微細なVC炭化物を晶出
し、耐摩耗性向上の効果が高い元素である。0.8%未
満では効果が無く、8.0%を越えると、マトリックス
中の固溶炭化物量が減少するためマトリックス硬度を下
げるので好ましくない。
【0015】W:1.0〜10.0% Wは炭素と化合し高硬度の炭化物を形成し耐摩耗性を高
めるが1.0%未満では効果が無く、10.0%を越え
ると炭化物が粗大化し、靱性低下、耐衝撃性の低下につ
ながり好ましくない。なお、Niについては必須の成分
ではないが、焼入性を向上させ、マトリックス硬度を高
める効果がある。ただし3.0%を越えると残留オース
テナイトが増え、硬度低下を招くので好ましくない。C
oについても必須成分ではないが、炭素の固溶を促進し
マトリックスの焼入性を高め、マトリックス硬度を増加
させる効果がある。しかし10.0%を越えると残留オ
ーステナイト量が増え、マトリックス硬度が低下するの
で好ましくない。
めるが1.0%未満では効果が無く、10.0%を越え
ると炭化物が粗大化し、靱性低下、耐衝撃性の低下につ
ながり好ましくない。なお、Niについては必須の成分
ではないが、焼入性を向上させ、マトリックス硬度を高
める効果がある。ただし3.0%を越えると残留オース
テナイトが増え、硬度低下を招くので好ましくない。C
oについても必須成分ではないが、炭素の固溶を促進し
マトリックスの焼入性を高め、マトリックス硬度を増加
させる効果がある。しかし10.0%を越えると残留オ
ーステナイト量が増え、マトリックス硬度が低下するの
で好ましくない。
【0016】
実施例1 次に本発明について実施例を挙げて詳細に説明する。外
層には表1に示す成分の高速度鋼に金属酸化物であるア
ルミナを体積比率で10%混合し、SUJ2鋼製のボー
ルを用いたメカニカルアロイングによって16時間の合
金化作業を行った。母材は炭素鋼SS400を用いた。
その後図4に示すように、カプセル中に母材、合金粉末
をセットし、真空脱気後、1100℃、120MPa、
3時間のHIP処理を行い、軟化焼鈍後、粗加工を施し
た。焼き入れは1200℃×10時間で常温まで冷却し
た後、550℃×12時間で3回焼戻した。この時の外
層硬さはビッカース硬度820Hvであった。
層には表1に示す成分の高速度鋼に金属酸化物であるア
ルミナを体積比率で10%混合し、SUJ2鋼製のボー
ルを用いたメカニカルアロイングによって16時間の合
金化作業を行った。母材は炭素鋼SS400を用いた。
その後図4に示すように、カプセル中に母材、合金粉末
をセットし、真空脱気後、1100℃、120MPa、
3時間のHIP処理を行い、軟化焼鈍後、粗加工を施し
た。焼き入れは1200℃×10時間で常温まで冷却し
た後、550℃×12時間で3回焼戻した。この時の外
層硬さはビッカース硬度820Hvであった。
【0017】本部材を、鋼材圧延ラインの鋼材ガイドロ
ーラーとして利用した。本部材は相手鋼材の温度が90
0℃以上で、相手材との接触による加熱と、冷却水噴射
による冷却が繰り返され、かつ鋼材との摩擦による摩耗
が生じるため、耐熱耐摩耗性が要求されるものである。
本発明による部材を使用した結果、従来材(鋼クロム鋳
鋼)は400トンの鋼材通過後480μmの摩耗痕が生
じたのに対して、本発明材は140μmの摩耗しか生じ
ず、3倍以上耐摩耗性が向上した。
ーラーとして利用した。本部材は相手鋼材の温度が90
0℃以上で、相手材との接触による加熱と、冷却水噴射
による冷却が繰り返され、かつ鋼材との摩擦による摩耗
が生じるため、耐熱耐摩耗性が要求されるものである。
本発明による部材を使用した結果、従来材(鋼クロム鋳
鋼)は400トンの鋼材通過後480μmの摩耗痕が生
じたのに対して、本発明材は140μmの摩耗しか生じ
ず、3倍以上耐摩耗性が向上した。
【0018】
【表1】
【0019】実施例2 本実施例では2種類の材料を作製し、熱間での耐摩耗性
を評価した結果について述べる。1種類は表1に示した
ハイス粉末に炭化物TiCを体積で10%混合し、SU
J2鋼製のボールを用いたメカニカルアロイングによっ
て16時間の合金化作業を行った。もう1種は同じく表
1のハイスに窒化物TiNを体積で10%混合し、同様
にSUJ2鋼製のポールを用いたメカニカルアロイング
によって16時間の合金化作業を行った。母材は低合金
炭素鋼SCM440を用いた。その後図5に示すよう
に、カプセル中に母材、合金粉末をセットし、真空脱気
後、1100℃、120MPa、3時間のHIP処理を
行い、軟化焼鈍後、粗加工を施した。焼き入れ、焼戻し
条件は実施例1と同様で、処理後の外層硬さはTiC混
合材でビッカース硬度920Hv、TiN混合材でビッ
カース硬度915Hvであった。
を評価した結果について述べる。1種類は表1に示した
ハイス粉末に炭化物TiCを体積で10%混合し、SU
J2鋼製のボールを用いたメカニカルアロイングによっ
て16時間の合金化作業を行った。もう1種は同じく表
1のハイスに窒化物TiNを体積で10%混合し、同様
にSUJ2鋼製のポールを用いたメカニカルアロイング
によって16時間の合金化作業を行った。母材は低合金
炭素鋼SCM440を用いた。その後図5に示すよう
に、カプセル中に母材、合金粉末をセットし、真空脱気
後、1100℃、120MPa、3時間のHIP処理を
行い、軟化焼鈍後、粗加工を施した。焼き入れ、焼戻し
条件は実施例1と同様で、処理後の外層硬さはTiC混
合材でビッカース硬度920Hv、TiN混合材でビッ
カース硬度915Hvであった。
【0020】耐摩耗性は熱間摩耗試験にて評価した。リ
ング形状(φ80×10t mm)に加工した本材料を、
相手材リング(S45C鋼)に押しつけながら回転さ
せ、一定回転数後の摩耗量で、耐摩耗性を評価する。試
験中は、試験材の温度を500℃、相手材の温度を85
0℃一定に保った。回転速度は700rpm、押しつけ
荷重は70kgで、10000回転後の摩耗重量を測定
した。試験結果を表2に示す。比較材は金属化合物を混
合しないハイス材料である。表より、10%のTiC、
TiN混合によって比較材に比して顕著な耐摩耗性の向
上が認められた。なお、本実施例ではハイスと硬質化合
物の合金からなる外層と炭素鋼母材を接合した2層構造
としているが、例えば切削工具のバイトやチップなど
に、合金単体でHIP成型することも可能である。
ング形状(φ80×10t mm)に加工した本材料を、
相手材リング(S45C鋼)に押しつけながら回転さ
せ、一定回転数後の摩耗量で、耐摩耗性を評価する。試
験中は、試験材の温度を500℃、相手材の温度を85
0℃一定に保った。回転速度は700rpm、押しつけ
荷重は70kgで、10000回転後の摩耗重量を測定
した。試験結果を表2に示す。比較材は金属化合物を混
合しないハイス材料である。表より、10%のTiC、
TiN混合によって比較材に比して顕著な耐摩耗性の向
上が認められた。なお、本実施例ではハイスと硬質化合
物の合金からなる外層と炭素鋼母材を接合した2層構造
としているが、例えば切削工具のバイトやチップなど
に、合金単体でHIP成型することも可能である。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によって、耐
熱耐摩耗性が要求される使用環境で有効な材料、部材を
提供することができ、寿命向上によってライン整備費等
のコスト軽減に寄与できる。
熱耐摩耗性が要求される使用環境で有効な材料、部材を
提供することができ、寿命向上によってライン整備費等
のコスト軽減に寄与できる。
【図1】アルミナ混合量と硬度の関係を示す図である。
【図2】アルミナ混合量と曲げ強度の関係を示す図であ
る。
る。
【図3】メカニカルアロイングによる合金化を模式的に
示す図である。
示す図である。
【図4】部材製造工程(HIPカプセル)を示す図であ
る。
る。
【図5】部材製造工程(HIPカプセル)を示す図であ
る。
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 33/02 103 C22C 38/38 38/38 B22F 3/14 E
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素鋼からなる母材に金属の炭化物、窒
化物、酸化物、ホウ化物のうちの1種以上と下記成分か
らなる高速度鋼(ハイスと称す)との合金からなるHI
P処理層を形成し2層構造としたことを特徴とする耐熱
耐摩耗部材。ハイス成分は重量%で、 C :0.9〜2.5% Si:0.2〜1.5% Mn:0.3〜2.0% Cr:0.5〜12.0% Mo:3.0〜10.0% V :0.8〜8.0% W :1.0〜10.0% Fe:残部 - 【請求項2】 予め重量%で、 C :0.9〜2.5% Si:0.2〜1.5% Mn:0.3〜1.5% Cr:3.5〜12.0% Mo:3.0〜10.0% V :0.8〜8.0% W :1.0〜10.0% 残部Feからなるハイス粉末に合計体積で5〜45%の
1種以上の、金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物
の粉末をメカニカルアロイング法により合金化し、その
後、炭素鋼からなる母材の表面へ温度1000〜120
0℃、圧力100MPa以上、2〜5時間のHIP処理
を行い2層構造としたことを特徴とする耐熱耐摩耗部材
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9086584A JPH10280101A (ja) | 1997-04-04 | 1997-04-04 | 耐熱耐摩耗部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9086584A JPH10280101A (ja) | 1997-04-04 | 1997-04-04 | 耐熱耐摩耗部材及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10280101A true JPH10280101A (ja) | 1998-10-20 |
Family
ID=13891068
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9086584A Withdrawn JPH10280101A (ja) | 1997-04-04 | 1997-04-04 | 耐熱耐摩耗部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10280101A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2467224A1 (de) * | 2009-08-18 | 2012-06-27 | MTU Aero Engines GmbH | Dünnwandiges strukturbauteil und verfahren zu seiner herstellung |
| CN107225249A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-10-03 | 中南大学 | 一种基于钨表面梯度合金化的钨/钢扩散连接方法 |
| CN108060361A (zh) * | 2017-11-09 | 2018-05-22 | 佛山峰合精密喷射成形科技有限公司 | 一种含钴高速钢的取代钢种 |
| CN112935260A (zh) * | 2021-01-26 | 2021-06-11 | 黄石中睿科技有限责任公司 | 易机加工的合金棒材及其制备方法 |
-
1997
- 1997-04-04 JP JP9086584A patent/JPH10280101A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2467224A1 (de) * | 2009-08-18 | 2012-06-27 | MTU Aero Engines GmbH | Dünnwandiges strukturbauteil und verfahren zu seiner herstellung |
| CN107225249A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-10-03 | 中南大学 | 一种基于钨表面梯度合金化的钨/钢扩散连接方法 |
| CN108060361A (zh) * | 2017-11-09 | 2018-05-22 | 佛山峰合精密喷射成形科技有限公司 | 一种含钴高速钢的取代钢种 |
| CN112935260A (zh) * | 2021-01-26 | 2021-06-11 | 黄石中睿科技有限责任公司 | 易机加工的合金棒材及其制备方法 |
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