JPH10280976A - 基板内に流れるガス状冷却材流の冷却効率を向上させる方法および物品 - Google Patents

基板内に流れるガス状冷却材流の冷却効率を向上させる方法および物品

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JPH10280976A
JPH10280976A JP9353366A JP35336697A JPH10280976A JP H10280976 A JPH10280976 A JP H10280976A JP 9353366 A JP9353366 A JP 9353366A JP 35336697 A JP35336697 A JP 35336697A JP H10280976 A JPH10280976 A JP H10280976A
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substrate
cooling
holes
cooling efficiency
passage hole
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JP9353366A
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Thomas Frank Fric
トーマス・フランク・フリック
Robert Patrick Campbell
ロバート・パトリック・キャンベル
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General Electric Co
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General Electric Co
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    • F01D5/00Blades; Blade-carrying members; Heating, heat-insulating, cooling or antivibration means on the blades or the members
    • F01D5/12Blades
    • F01D5/14Form or construction
    • F01D5/18Hollow blades, i.e. blades with cooling or heating channels or cavities; Heating, heat-insulating or cooling means on blades
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05DINDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
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    • F05D2260/20Heat transfer, e.g. cooling
    • F05D2260/202Heat transfer, e.g. cooling by film cooling
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05DINDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板のホット(高熱)表面の冷却材流の剥離を
減らす形状の通路孔を得る方法及び物品を提供する。 【解決手段】基板の高温表面上の出口位置まで流れるガ
ス状冷却材流を出口位置で乱し、これにより冷却材流を
高温表面のより大きな面積と接触させる。好適な例で
は、出口位置を基板表面にほぼ垂直な側壁を有するクレ
ータとする。さらに、出口位置を、基板上に設けた被
膜、たとえば超合金基板上に設けた断熱被膜に形成して
物品を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般に、高温環境で
用いられる物品に関し、特にこのような環境下で物品を
損傷から保護する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属、セラミックスなど種々の材料が、
高温環境にさらされる部品に用いられている。この種の
部品の代表的な例として航空機エンジン部品が挙げられ
る。運転効率のためには、航空機のタービンエンジンに
生じるピークガス温度をできるだけ高く保つ。エンジン
のタービンブレードその他の構成要素は通常、高温環境
に耐える金属合金、たとえば作動温度限界が約1000
°C−1150°Cである超合金で形成されている。こ
のような温度を超えて運転すると、種々のタービン部品
が破損し、エンジンをいためるおそれがある。
【0003】このような部品、特に金属部品の作動温度
を上げるために、種々のアプローチがとられている。た
とえば、部品の表面に保護被膜を設ける方法がある。被
膜(コーティング)は通常、セラミックを主成分とする
ものであり、「断熱被膜」(TBC=thermal barrier
coating )と称されることもある。(TBCと組み合わ
せて用いることのできる)別の方法では、金属部品に内
部冷却チャンネルを設け、エンジンの運転中これらのチ
ャンネルに冷却空気を強制的に供給する。たとえば、冷
却孔のパターンを、燃焼室の比較的低温の表面から、約
1000°C以上の燃焼温度のガス流にさらされる「ホ
ット」(高熱)表面まで分布させる。(後述する図面に
このような考えを具体的に示す。)この方法は、「個別
孔気膜冷却」と称されることもある。代表的な例では、
通常エンジンの圧縮機から抽出された冷却空気を、エン
ジンの燃焼領域のまわりをバイパスさせ、冷却孔を通し
てホット表面に供給する。冷却空気質量流束(空気速度
と密度の積)対ホット表面にそって流れるホットガス
(例えば燃焼生成物)の質量流束の比は、「吹込比」
(blowing ratio )と称される。冷却空気が、金属表面
とホットガス流との間に保護「気膜」(フィルム)を形
成し、部品の溶融や劣化を防止する。
【0004】気膜冷却性能は種々の方法で特定すること
ができる。気膜冷却性能を表示する1因子は、断熱壁気
膜冷却効率として知られており、ここでは「冷却効率」
と称する。この特定のパラメータは、冷却されている表
面での気膜冷却流体の濃度に相当する。一般に、冷却効
率が高ければ高いほど、表面をもっと効率よく冷却する
ことができる。
【0005】ある条件下では、基板内の通路を通ってホ
ット表面に出てゆく冷却流が、ホット表面にそって流
れ、ホット表面と密着するのではなく、ホット表面から
すぐにはがれる傾向がある。この剥離は冷却効率を大き
く低下し、部品に温度上昇による損傷を与えるおそれが
ある。このことは、吹込比が通常約1以上、多くの場合
に約2−6の範囲にある、燃焼器ライナなどの航空機エ
ンジン部品の場合に、よく起こる。
【0006】吹込比を低く、たとえば1未満の好ましい
値まで低下することは、冷却流が表面からはがれるのを
防止するのに役立つ。しかし、ほとんどの燃焼器では、
冷却流の速度が大部分、燃焼器ライナの両側での圧力降
下によって決められ、そしてタービンの設計者は、通
常、エンジン設計上の他の重要なパラメータを変えるこ
となく、吹込比を大きく変えることができない。さら
に、冷却容量を維持しようとしてその目的に多量の冷却
空気を用いると、空気を燃焼領域から遠ざけることにな
る。このことから、理想からはずれた燃焼の結果として
大気汚染がひどくなり、エンジン運転効率が悪くなるな
どの別の問題が起こる。
【0007】個別孔気膜冷却システムにより得られる冷
却効率を上げることのできる新規な方法が、当業界で待
望されていることは明らかである。この方法は、特に、
きわめて高い運転温度にさらされる部品、たとえば金属
を主成分とするタービンエンジン部品に適用できるもの
でなければならない。さらに、この方法は、他の機能を
妨害する、たとえば、タービンエンジンの効率的な運転
や、タービンエンジン部品の強度と一体性を損なうもの
であってはならない。また、この方法は、同時に使用す
る他の保護システム、たとえば断熱被膜(TBC)シス
テムと両立するものでなくてはならない。さらに、この
方法を実施することで、関連する部品あるいはその部品
を使用するシステムの製造または使用に大幅なコスト上
昇をもたらすことがあってはならない。
【0008】
【発明の概要】この発明は、上述した多数の要求を満足
するものである。この発明の一実施例では、基板内の少
なくとも1個の通路孔を通って基板の高温表面上の出口
位置まで流れるガス状冷却材流の冷却効率を向上させる
方法に関する。この発明によれば、冷却材流を出口位置
で乱し、これにより冷却材流を高温表面のより大きな面
積と接触させる。多くの実施例において、この発明は、
高温表面でのガス状冷却材の濃度を、通常の冷却材流と
比較して、約1.1倍以上、特に約1.5倍以上増加す
ることを可能にする。
【0009】好適な実施例では、出口位置が、基板表面
にほぼ垂直な側壁を有するクレータである。さらに、出
口位置を、基板上に設層した断熱被膜などの被膜内に形
成するのがよい。この発明の別の実施例では、基板に、
基板の第1表面から選択的に高温にさらされる第2表面
上の出口位置まで延在する、冷却材流用の少なくとも1
個の通路孔を設けた、物品に関する。前記通路孔が基板
内ではほぼ均一な断面積を有するが、出口位置では、冷
却材流を乱すのに適当な異なる断面積を有する。出口位
置は、後述するような、クレータ(噴火口)の形状とす
るのがよい。さらに、出口位置は、基板の上に設けた被
膜に配置するのがよい。
【0010】この発明の好適な実施例による物品の1例
は、タービンエンジン、たとえば燃焼器の金属を主成分
とする部品である。後述するように、この発明は、通常
タービンエンジン部品が高温に過剰にさらされるのを防
止するのに用いる、冷却材流の冷却効率を格段に向上す
る。
【0011】
【具体的な構成】基板は、高温にさらされ、冷却を必要
とする材料ならいかなるものでもよい。たとえば、セラ
ミック材料や金属を主成分とする材料が挙げられる。
「金属を主成分とする」とは、基板が主として単金属ま
たは合金から形成されるが、非金属成分、たとえばセラ
ミック、金属間相または中間相を含んでいてもよい、こ
とを意味する。この発明に関与する金属の例としては、
鋼、アルミニウム、耐火金属類、たとえばチタニウム、
および超合金、たとえばニッケル基超合金があるが、こ
れらに限らない。
【0012】基板内に存在する冷却孔は基板の1表面か
ら他の表面まで延在し、様々な形状をとることができ
る。通常、冷却孔は、有意な冷却を必要としない表面か
ら、冷却を必要とする「高温表面」まで延在する。後者
の表面の温度は、もちろん、基板の最終用途によって決
まる。タービンエンジンの場合、表面が通常約700°
C以上のガス温度にさらされ、しばしば約1000°C
以上の温度にさらされる。記述の便宜上、ここでは高温
表面を「ホット(熱)表面」と呼び、冷却通路孔が始ま
る表面を「コールド(冷)表面」と呼ぶ。
【0013】図1に、1例として基板を10で示す。任
意に表面12をホット表面とし、一方表面14をコール
ド表面とする。通路孔16が、孔長さ部分18(仮想線
で表示)を貫通し、孔底20(同じく仮想線で表示)で
コールド表面から外に出る。ホット表面とコールド表面
との間の距離は通常基板の厚さに相当し、図1では寸法
「x」で示す。この距離は、通常20−2000ミル程
度の範囲にあり、多くの場合50−200ミル程度の範
囲にある。ほとんどの場合、特にある種のエンジン部品
における冷却通路として用いる場合、通路孔(ホール)
のほとんどがほぼ丸く、したがって基板の本体を通して
円筒形状を有する。孔の平均直径は、代表的には、約1
0−100ミルの範囲にある。場合によっては、この直
径が約15−50ミルの範囲にある。孔は通常、基板の
水平表面に対して、ある角度に位置し、たとえば約10
−60°の角度で傾斜している。多くの場合(特に、孔
が燃焼器ライナなどのエンジン部品の通路孔である場
合)、角度は約20−45°の範囲となる。具体的な孔
の角度は、当然ながら、部品の形状、冷却条件、そして
サンプル基板における空気流れパターンの実験的観察デ
ータ(および/またはコンピュータモデル計算結果)に
よって決まる。この発明は、上述した孔傾斜範囲のすべ
てに適用できる。
【0014】通路孔の深さ(孔が傾斜している場合には
孔の「長さ」である)は通常、約20−4000ミルの
範囲にある。この範囲は、関連する出口位置(後述)の
寸法を考慮したものである。外面1平方インチあたり孔
の数は通常5個−200個程度である。タービン燃焼室
のようなエンジン部品の場合、孔密度は通常約40−8
0孔/平方インチである。
【0015】なお、この発明では通路孔の数はいくつで
もよい。この発明は、たとえば、(燃焼器ライナに見ら
れるような)広い区域に配列された孔の冷却効率を改良
するのにも、1列の孔、あるいはランダムなパターンま
たは群の孔の冷却効率を改良するのにも、またただ一つ
の孔の冷却効率を改良するのにも、用いることができ
る。
【0016】説明を分かりやすくするために、図2に従
来の単一の通路孔26を示す。平面図には、基板20の
ホット表面22が現れている。実際上、冷却流は孔に入
口位置30(仮想線で表示)で入り、孔長さ部分28を
通過し、出口位置32で外に出る。出口位置での開口の
面積を、本明細書では、表面に直交する方向に見た開口
の平面面積である、「切り口面積」と呼ぶ。従来の代表
的な形状の通路孔の場合、通路孔の形状を変えていない
ので、出口位置での開口の面積と切り口面積とは同一で
ある。したがって、図2では切り口面積は要素32の面
積である。
【0017】図3は、タービンエンジン部品に設けられ
た通常の傾斜の通路孔(コールド表面24で始まり、直
径「D」を有する)を示す断面図である。なお、傾斜
は、前述したように広い範囲で変化してよい。図4は、
表面22における孔26の代表的な形状を示す別の断面
図である。冷却効率を最大にするには、孔から出てゆく
冷却材流がホット表面22のできるだけ多くと接触状態
に留まることが望ましい。しかし、冷却材流は、表面か
らすぐにはがれる傾向にあり、特に、前述した吹込比が
高い場合や、通路孔の傾斜角が、基板の水平表面に対し
て約30°以上のように高い場合にそうである。表面で
の冷却材の濃度が十分でないと、過度の温度に露呈され
るため、部品が損傷を受けるおそれがある。
【0018】図5−図8はこの発明の1実施例、すなわ
ち冷却材流を乱した例を示す。この実施例では、ホット
表面42での孔46の出口位置を変形してある。ここで
用いる用語「出口位置」は、通路孔がホット表面に接す
る部分として定義され、2つのパラメータで説明するこ
とができる。第一に、通路孔のこの部分の深さが通常孔
直径の約10−500%であり、好適な実施例では、孔
直径の約20−100%である。第二に、出口位置(下
記する図5では要素51)の平面面積が通常、孔の不変
部分の切り口面積(要素52)の約50−600%の範
囲にある。好適な実施例では、出口位置の平面面積が切
り口面積の約200−400%の範囲にある。
【0019】先に示唆したように、この発明は、大部
分、冷却材流の突然の乱れが冷却材流がより大きな面積
のホット表面と接触することになり、冷却効率の向上に
つながる、という予期せざる発見に依拠している。図5
−8の実施例においては、通路孔46(直径「D」を有
する)に基板40の大部分についてほぼ均一な断面積を
維持し、出口位置51で通路孔の断面積を拡大すること
によって、この乱れを起こしている。図6および図7に
示すように、出口位置は、深さ「d」および基板表面に
ほぼ垂直な側壁56(この実施例ではほぼ円筒形)を有
する、クレータの形態とすることができる。クレータの
底の中心部分は通路孔長さ部分48に開口しており、コ
ールド表面(図示せず)に続いている。孔の変形部分
(すなわちクレータ)の、孔の残りの部分(すなわち不
変部分)に対して必要な寸法は一義的には決められな
い。上述した寸法にしたがっての拡大であればどのよう
な拡大でも、冷却材流に乱れを生じる分裂源を与えるの
に有効である、と考えられるからである。燃焼器ライナ
のような代表的なエンジン構成要素における冷却材孔の
場合、クレータの深さは通常約5−100ミルであり、
好ましくは約10−30ミルである。当業者には明らか
なように、通路孔自身は、レーザドリリングなど種々の
方法で作製することができる。図5−7に示したクレー
タのようなクレータも、種々の周知の方法、たとえば通
常の切削、放電加工、水ジェットドリリングにより形成
することができる。
【0020】図8は、図5−7に示した変形通路孔46
の一部の別の断面図である。孔長さ部分48は丸いクレ
ータ51で終端し、クレータ51が出口位置となってい
る。孔部分48と側壁56との接合部に水平な棚部分5
8が設けられている(が、すべての実施例で設ける必要
はない)。前述したように、クレータにより乱れが冷却
材流にもたらされる結果として、意外なことに、そこを
通過する冷却材流がホット表面42のより多くの部分と
接触関係に留まることになる。
【0021】なお、実施例によっては、側壁56が表面
42にほぼ垂直である必要はない。言い換えると、側壁
を垂直位置からどちらかの方向に傾斜させることができ
る。たとえば、表面42(または水平な棚部分58)に
対する側壁の角度を約30°のように小さくしてもよい
し、約120°のように大きくしてもよい。当業者であ
れば、ここで述べた説明に基づいて、流れ試験をシミュ
レーションでまたは実際に行って、表面42に対する特
定の傾斜角が冷却材流に与える効果を定めることができ
る。
【0022】さらに、実施例によっては、側壁が平坦あ
るいは平滑である必要はない。たとえば、出口位置の側
壁を、通路孔とその周囲区域からマスク材を除去したあ
との被覆層に形成する場合、側壁表面がかなりでこぼこ
であってもよい。図11に示す実施例(後述)では、こ
のような性質を持つ側壁表面が設けられている。この発
明による基板への出口位置の形成は、種々の方法、たと
えば金属を主成分とする基板についての代表的な金属加
工法によって行うことができる。ドリリング、形削り
(シェイピング)、切削法を用いて、仕様に合わせて孔
を成形することができる。配列された孔の場合には、こ
れらの方法をコンピュータの助けを借りて、たとえばロ
ボットシステムによって行うこともある。
【0023】実施例によっては、基板の高温表面にカバ
ープレートをのせることにより、孔の所望の出口形状を
得ることができる。カバープレートはその下面が、基板
表面と同一平面となる、すなわち基板への取り付けに適
当になっている。カバープレートには、基板の通路孔と
整合され、所望の出口位置の寸法を有する孔があけられ
ている。ほとんどの実施例で、カバープレートの厚さは
出口位置の深さにほぼ等しい。カバープレートは、基板
の最終用途にふさわしい方法により、基板に取り付ける
ことができる。たとえば、ボルト止め、溶接、ろう付
け、拡散結合などの機械的手段を用いることができ、ま
た別の実施例では、接着剤を使用してもよい。このよう
にして得られる物品の構造は図6−8に示すものと同様
となる。物品は、上層64をカバープレートとみなせ
ば、図9および図10に示すもの(後述)と同様として
もよい。
【0024】この発明の別の実施例では、基板の高温表
面の上に適当な材料の層を設けることにより、出口位置
を形成することができる。通常、その材料は高温での使
用に適当なもの、たとえば前述したTBC被膜である。
これはセラミックを主成分とする材料であることが多
い。しかし、実施例によっては、この上層材料を合成ポ
リマー、たとえばエポキシ樹脂またはフェノール樹脂と
することができる。これらの実施例は、比較的低い温
度、たとえば約400°C以下の最終用途に適当であ
る。
【0025】図9にこの実施例の具体例を示すが、この
発明はこの例に限定されない。上層64が基板60のホ
ット表面62に重なっている。層64には、通路孔68
の出口位置72として作用する開口または「クレータ」
が設けられている。図10は、図9の10−10線方向
に見た断面図であり、出口位置に可能な別の形状を示し
ている。この図は水平な棚部分78の存在する例を示す
が、棚部分は図示例より短くてもよく、あるいは、側壁
76が通路孔68の最上端のすぐ近くにくるように側壁
76を形成するならば、棚部分をなくしてもよい。
【0026】出口位置72の深さ「d」(この実施例で
は側壁76の高さとほぼ同一である)は、前述した実施
例のものと同様である、すなわち、先に定義した寸法通
りである。さらに、側壁76は表面62および棚部分7
8にほぼ垂直である必要はない。他の実施例の場合のよ
うに、側壁は垂直位置に対していずれかの方向に傾斜さ
せることができ、たとえば垂直位置に対して約−60°
のように小さな角度または約+30°のように大きな角
度に傾斜させることができる。ここで、負の角度は、側
壁の頂部がクレータの中心に向かって内向きに傾斜して
いることを示し、正の角度は、当然、その反対方向への
傾斜を意味する。ここでも、種々の冷却材流れ試験を用
いて、側壁についてのもっとも適切な位置を決めること
ができる。
【0027】この発明の種々の実施例において、出口位
置またはクレータを、通路孔の「上流」端(すなわち、
冷却材流ソースに近い側のエッジ)または通路孔の「下
流」端と位置合わせすることができる。しかし、クレー
タをいずれかのエッジと位置合わせする必要はなく、通
路孔のエッジを越えて延ばしてもよい。この場合も、冷
却材流れ試験を用いて、もっとも適切な形状を決めるこ
とができる。
【0028】層64は、代表的には、TBC(のみ)、
TBC用の結合被覆(のみ)または結合被覆に重ねたT
BCとなる材料から形成することができる。この二重被
覆構造はしばしば「TBC系」と称される。この種の材
料は、当業界で周知であり、ここで詳細に述べる必要は
ない。TBC系は、金属を主成分とする基板(または他
のタイプの基板)を保護し、航空機エンジンなど、これ
らの基板を組み込む物品の実用作動温度を高めるのに効
果的である。金属基板用の結合層は、多くの場合に、基
板とTBC間の接着性を増強するのにきわめて重要で、
通常、MCrAlY(ここでMはFe、Ni、Coなど
の金属を表す)のような材料から形成する。たいていの
場合、結合被膜は、PVD、プラズマスプレー(たとえ
ばエアースプレー)、CVDあるいはプラズマスプレー
とCVDとの組合せなどの、種々の通常の方法で設層す
ることができる。
【0029】金属を主成分とする基板用のTBC自体
は、前述したように、ジルコニアを主成分とする材料で
あることが多く、代表的には、プラズマスプレー法また
は電子ビーム−物理蒸着(EB−PVD)法によって設
層する。ここで用いる用語「ジルコニアを主成分とす
る」は、約75%以上のジルコニアを含有するセラミッ
ク材料を意味する。ジルコニアは、バリア被膜として周
知の化合物であり、たとえば、Kirk-Othmer's Encyclop
edia of Chemical Technology, 3rd Edition, V. 24, p
p. 882-883 (1984) に記載されている。好適な例では、
ジルコニアに、酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸
化マグネシウム、酸化セリウム、酸化スカンジウムまた
はこれらの混合物のような材料を配合することにより、
ジルコニアを化学的に安定化する。具体的な1例を挙げ
ると、ジルコニアに(合計重量に基づいて)約1−20
重量%の酸化イットリウム、好ましくは約3−10重量
%の酸化イットリウムを配合することができる。
【0030】結合被膜およびTBCを設層する種々の方
法に関する詳細は、たとえば、Kirk-Othmer's Encyclop
edia of Chemical Technology, 3rd Edition, Vol. 15
(1981) and Vol. 20 (1982), Ullmann's Encyclopedia
of Industrial Chemistry, Fifth Edition, Volume A6,
VCH Publisher (1986), Scientific American, H. Her
man, September 1988 および米国特許第5,384,2
00号に記載されている。したがって、当業者であれ
ば、この発明に関係する種々の方法の詳細、たとえば、
堆積前の表面の清浄化、酸化物を除去し表面を粗面化す
るグリットブラスティング(または他の研磨技術)、基
板温度、そしてプラズマスプレーを用いる場合には、プ
ラスマスプレー条件、たとえばスプレー距離(ガン−基
板距離)、スプレーパス数の選択、粉末供給速度、トー
チ投入電力、プラズマガスの選択、堆積の角度、堆積し
た被膜の後処理(たとえばバリとり)などをすぐに詳し
く知ることができる。
【0031】基板がガスタービンエンジンの金属を主成
分とする部品である場合、結合被膜の厚さは通常1−1
0ミル程度であり、3−7ミル程度とするのが好まし
く、TBC自体の厚さは通常5−100ミル程度であ
り、10−40ミル程度とするのが好ましい。したがっ
て、図9および図10の実施例の上層64がTBC系で
ある場合、この上層の寸法は通常、結合被膜とTBCに
ついての範囲を合算した範囲となる。結合被膜かTBC
いずれかを個別に用いて上層64を形成する場合には、
それぞれを2成分TBC系に用いた範囲内の厚さに被着
する。前述したように、冷却材流の挙動により層64の
最適厚さ(したがって出口位置72の深さ)が決められ
る。
【0032】図9の層64のような上層に冷却用通路孔
を種々の方法で形成することができる。たとえば、孔の
レーザ穿孔、普通の穿孔、水ジェットドリリングなどが
あるが、これらに限定されない。上層が合成またはプラ
スチック材料製である場合、光リソグラフィ技術、たと
えばパターニングおよびエッチングにより孔を形成する
こともできる。
【0033】しかし、好適な実施例では、図9に示す例
のような孔とその終点の出口位置を、ベンカタラマニ
(V. S. Venkataramani )らの米国特許出願第08/7
58328号(1996年12月3日出願)に記載され
た方法によって形成する。ベンカタラマニらの特許出願
は本出願人に譲渡されたもので、その内容をこの発明に
も援用する。ベンカタラマニらの特許出願に開示された
発明の目的は、基板の通路孔を、基板の上に被着する被
膜により閉塞されるのから一時的に保護することにあ
る。しかし、ベンカタラマニらの発明の実施例を用いて
も、本発明で必要とされるような、冷却材流の流れを効
果的に乱す通路孔用の出口位置が得られる。
【0034】米国特許出願第08/758328号の発
明によれば、図9の層64の形成に先立って、孔68を
最初に硬化性マスク材料で充填し、被覆する。マスク材
料は孔を越えて突出部を形成する。マスク材料を硬化し
た後、1層以上の被膜を基板およびマスク材料全体に設
層し、層64を形成する。同特許出願に記載されている
ように、被膜は突出部に実質的に接着しない。この知見
は特に有利な点である。マスク材料の露出された突出部
およびその下側の残りが比較的簡単に除去できるからで
ある。この後、マスク材料を除去して、通路孔を露呈さ
せ、障害のない冷却材の流れを可能にする。さらに、マ
スク材料を除去した後の出口位置72の形状の結果とし
て、本発明で説明する通り、冷却材流が高温表面(この
時点では、層64の上面66である)のより広い面積と
接触することになる。
【0035】図11は、通路孔を保護するとともに、こ
の発明に必要な出口位置の形状を形成するためのマスク
材料の充填状態を示す断面図である。硬化したマスク材
料100が、基板80を貫通する孔90の中を充満し、
孔90の上を覆っている。この特定例では、基板が被膜
層82および84を含む。基板がタービンエンジン構成
要素である例では、層82および84が通常、前述した
ように、結合被膜およびTBCである。図に示すよう
に、マスク材料(または前駆材料)をコールド表面94
側の孔入口98から孔中に押しこみ、ホット表面92で
孔から外に出し、突出部96を形成することができる。
マスク材料の層をコールド表面94に設層し、次いで、
コールド表面94とホット表面92間に差圧を生じさ
せ、これによりマスク材料を孔内に引きいれ、ホット表
面まで移動させることによって、上記押し出しを行うこ
とができる。マスク材料がホット表面上に突出部を形成
し、この突出部はたいていの場合、ほぼ楕円形ドームの
形状となる。
【0036】通路孔を保護し、所望の出口位置形状を効
果的に形成する方法に関する他の詳細は、前掲の米国特
許出願第08/758328号に記載されており、ここ
でこれ以上詳しく説明する必要はない。簡単に説明する
と、マスク材料は、広い範囲の種々の熱硬化性または熱
可塑性材料、たとえばエポキシ樹脂、アルキッド樹脂、
フェノール樹脂、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフィン、スチレン系樹脂、お
よびこれらの熱可塑性材料の共重合体または混合物を含
む。(なお、熱可塑性樹脂に関して樹脂の「硬化」と
は、通常、ポリマー業界の技術者には明らかなように、
材料を冷却して硬くすることを意味する。)通常、樹脂
は少なくとも1種の充填材、可塑剤または液晶材料を配
合して使用する。材料全体は実質的に非ニュートン流れ
特性、たとえば確実に突出部を形成するのに有効な、ビ
ンガム物体特性を呈する。
【0037】目的の被膜(複数層)を基板の上に設層し
た後、マスク材料を除去して通路孔を露呈する。前掲の
米国特許出願第08/758328号に記載されている
ように、マスク材料の除去は、熱分解、溶剤の使用など
種々の方法で行うことができる。このようにして上層被
膜内に画定される出口位置形状は、図9および図10に
示すように、通路孔内を通過し、ホット表面64に沿っ
て流れる冷却材流の冷却効率を改良するのに有効であ
る。
【0038】図12は、この発明を組み込むことのでき
るタービンエンジンの部分110の概略図である。この
タイプのエンジンの構成要素は当業界で周知である。圧
縮機(図示せず)から供給される空気が通路112を通
過し、燃焼室116に流入する。空気の主部分は、燃料
源114からの燃料とともに、燃焼領域117に導入さ
れる。燃料と空気を燃焼領域で混合し、点火する。同時
に、空気の別の流れをライナ通路118および120
に、燃焼器ライナのコールド側122、123にそって
導く。冷却空気流は、燃焼器ライナ128の通路孔12
6を通って燃焼領域117に入る。燃焼器ライナ128
は、この発明の文脈での「基板」に相当する。冷却材流
は、燃焼領域の内部側で基板から出る、すなわち燃焼器
ライナのホット側124、125にそって出てくる。こ
れらの通路孔それぞれの出口位置の幾何形状は、上述し
た図面に示された通りである。この発明によれば、乱さ
れた冷却材流が、従来の通路孔を用いた場合より広いホ
ット側124、125の部分と接触する。これにより、
燃焼器ライナの冷却効率が向上する。
【0039】前述したように、別の実施例によれば、こ
の発明は、(a)基板と、(b)基板に設けられ、基板
の第1表面から選択的に高温にさらされる第2表面上の
出口位置まで延在する、冷却材流用の少なくとも1個の
通路孔とを備え、前記通路孔が基板内ではほぼ均一な断
面積を有するが、出口位置では、冷却材流を乱すのに適
当な異なる断面積を有する、ことを特徴とする物品を提
供する。この物品に関する他の詳細部分については、す
でに説明した通りであり、また図面に示した通りであ
る。
【0040】この発明は、他の種類のエンジン構成要
素、たとえばタービンブレード、ベーン、エンドウォー
ルなどにおける冷却チャンネルを変形するのにも有用で
ある。さらに、この発明は、他の種類の構造内の通路を
通る空気その他のガスの流れを変更するのにも使用でき
る。
【0041】
【実施例】以下に実施例を示すが、これらは例示にすぎ
ず、いかなる意味でもこの発明の範囲を限定するものと
解釈すべきではない。実施例1 2つの金属を主成分とする基板について気膜(フィル
ム)冷却性能を測定した。基板Aは、厚さ約400ミル
のアルミニウムである。この基板に長さ約1200ミ
ル、直径約100ミルの通路孔を6個設けた。孔は互い
に孔直径の6.5倍離した。通路孔は、基板の上面(こ
こでは「ホット表面」と称する)に対して約20°の角
度傾斜させた。通路孔は通常の形状のもので、孔形状の
変形はなかった。
【0042】基板Bもアルミニウム製である。基板の本
体は、基板Aと同じ厚さと、同じタイプの通路孔(6
個)を有するものである。しかし、表面に垂直な6個の
通路孔を有するプレートを基板の上にぴったりとのせ
た。プレートは厚さ75ミルで、プレートの6個の円形
孔は基板本体の通路孔と位置合わせさせた。この結果、
図9および図10に示す形状と同様の形状の通路孔の変
形出口位置が得られた。
【0043】流れ試験用の冷却材として水を用いた。特
性測定法として、本出願人に譲渡されたフリック(T.
F. Fric)らの米国特許出願第08/839114号
(1997年4月23日出願)に記載された、プレーナ
・レーザ誘起蛍光(PLIF=planar laser induced f
luorescence )法を使用した。この方法によれば、所定
の表面の区画にそっての冷却流体の濃度を測定すること
により、「壁近くの」流体濃度の信頼できる測定値が得
られる。簡単に説明すると、冷却モデルの配向を、まず
最初、(レーザにより与えられる)光シートが冷却モデ
ルと平行になるように、調節した。つぎに、ホットガス
・シミュレーション流れと冷却シミュレーション流れ
(本例ではともに水)を有する試験トンネルに均一に、
蛍光染料を含有する水を充填した。冷却シミュレーショ
ン流れを、対象の通路孔に通過させた。たとえば、吹込
比を約0.5から約5.7まで変化させた。
【0044】得られる蛍光のイメージを記録した。つぎ
にシステムをフラッシュし、同濃度の染料含有流体を冷
却シミュレーション流れのみに与えた。今度も、得られ
る蛍光のイメージを記録した。つぎに、冷却モデル上の
任意の位置における時間平均冷却流体濃度と瞬間冷却流
体濃度両方を測定することができる、デジタルイメージ
処理システムを用いて、冷却シミュレーション流れイメ
ージを、ホットガス流れ−冷却流れ複合イメージによっ
て、数学的に除した。基板それぞれについて同じ方法を
用いた。冷却性能を寸法によって異なる吹込比について
測定した。冷却孔に流れる空気のレノルズ数(無次元の
流れパラメータ)は約1000であった。(吹込比を増
加するにつれて、レノルズ数が増加した。)冷却材密度
対主流密度の比は約1.0であった。
【0045】0%−100%のスケールを用いて冷却効
率の範囲を表示した。0%の値は、表面の所定部分に冷
却流体がまったく存在しないことを示す。スケールは1
00%の値まで進み、パーセント数値が大きいほど対象
表面に高い濃度の冷却流体が存在することを表わす。基
板A(すなわちこの発明の範囲外の従来の通路孔出口形
状)についての測定値を、吹込比0.5、0.8、1.
7、3.3、4.4および5.7それぞれでとった。吹
込比0.5では、冷却効率が約20%であった。吹込比
を1.7まで増加する間、冷却効率の向上は見られなか
った。実際、冷却効率は約5%に減少した。吹込比3.
3で若干の向上が認められたが、冷却効率はいぜんとし
て、吹込比0.5でのレベルに達しなかった。吹込比
4.4および5.7でさらなる向上が認められ、冷却効
率の平均値は吹込比0.5での冷却効率の範囲に近かっ
た。2つの高い吹込比では、冷却材流がホット表面から
剥れ続けたが、冷却材の大きな流れが冷却材の一部をホ
ット表面に押しもどし、追加の冷却保護を行っているよ
うである。しかし、追加の保護を与える吹込比の上昇に
は、しばしば重大な欠点がある。たとえば、タービンエ
ンジン用の空気冷却材システムの場合、吹込比の上昇に
より、燃焼室内の予混合器に流入する空気の量が減少す
る。この結果、燃焼時に生成する汚染物質の量が増加す
るおそれがある。
【0046】前述したように、この発明による変形した
出口位置形状を有する通路孔を6個設けた、基板Bにも
同じ流れ試験を行った。吹込比0.5では、基板Aと比
較して、即座の向上が見られた。吹込比0.5での平均
冷却効率は約30%−40%の範囲にあり、はるかに多
量の冷却材が表面と接触していることを示した。冷却効
率は、吹込比を増加するにつれて、上昇し続け、吹込比
1.7で平均冷却効率約50%に達し、はるかに広い表
面部分が冷却材流によるよい影響を受けていることが示
された。さらに、この冷却効率の上昇は、吹込比を3.
3−5.7のように高くすることなく、達成された。し
たがって、このような効果は、他の位置、たとえば前述
したように燃焼器の予混合器、に用いる予定の冷却材を
犠牲にせずに得られる。なお、吹込比3.3−5.7で
の冷却効率も基板Aと比較していちじるしく向上し、平
均効率値は約30%−40%の範囲にあり、基板Aの対
応数値をはるかにしのいでいる。実施例2 実施例1で行った実験は、(水冷却材効率に基づく)空
気冷却材の場合の冷却効率の信頼できる予測値を与える
ものと考えられるが、空気流れを用いて追加の実験を行
った。基板CおよびDを、ステンレススチール製とした
以外は、実施例1で用いた基板と同様に形成した。基板
の厚さは0.4インチとした。基板Cには、普通の形状
の5個の孔を1列に並べた。基板Dにも5個の孔を1列
に並べたが、これらの孔にはこの発明による変形した出
口位置形状をもたせた。変形は、実施例1の基板Bと同
様に行った。すなわち基板の孔と位置合わせされた5個
の円形孔を有するプレートを基板の本体の上に重ねた。
基板Bの場合と同じく、図9および図10に示すよう
に、クレータ(出口位置)を通路孔の残りの部分と整合
させた。
【0047】基板CおよびDそれぞれの場合に、基板
で、小さな金属風洞の1つの壁の一部を形成した。孔間
の距離は6.5×孔直径で、それぞれの場合の冷却孔直
径は約0.1インチであった。基板Dについては、クレ
ータ深さが0.075インチで、クレータ直径が0.2
35インチであった。冷却孔は水平位置に対して約20
°の角度で傾斜していた。
【0048】低温空気(ほぼ常温常圧)を冷却孔に流
し、一方高温空気(約600°F=315°C、常圧)
を風洞に流した。冷却孔より下流の風洞の壁を断熱し
た。壁に多数の熱電対を取りつけて、壁温度を測定し
た。冷却孔より下流の壁温度(T)を用いて、下記の式
にしたがって「冷却効率」を求めた。
【0049】
【数1】 冷却効率n=(Tw−Tm)/(Tca−Tm) ここで、Tw:壁温度 Tm:主流温度 Tca:冷却空気温度 効率が高いことが冷却が良好なことを示す。冷却材密度
対主流密度の比は約1.9であったが、この値はタービ
ンエンジン燃焼領域で観測される値と同様である。冷却
孔に流れる空気のレノルズ数も、燃焼器の燃焼領域で観
測される値に近く、約10,000であった。
【0050】基板Cおよび基板D両方について、5つの
異なる吹込比(Mで示す)を調べた。この試験の結果を
図13に示す。グラフは、冷却効率をy軸上に、冷却孔
のエッジから下流への距離(x軸上、孔直径単位にて)
の関数として示す。効率は、冷却している表面にそっ
て、また列の中央の孔の中心線にそって、表面にそった
主流の流れの方向に、測定する。この発明の変形した通
路孔では冷却効率が大幅に上昇していることが明らかで
ある。たとえば、吹込比M=1の場合、表面全域にそっ
て高い効率値が認められる。表面にそった距離が長くな
ると、たとえば、x/Dの値が約60−80では、基板
CとDでの冷却効率値の差が(有意ではあるが)顕著で
はなくなる。これは、このような距離では冷却材流がホ
ットガス中に拡散し、幾分か効果的でなくなっているた
めである、と考えられる。(当業界では、気膜冷却は孔
に近い領域で効きめのある技術であると認められてい
る。) 他の吹込比での冷却効率の差は、一般に、吹込比1での
差よりもっと顕著である。このように、下流での冷却効
率の向上が実証された。この結果は、密度比およびレノ
ルズ数が実施例1の場合より高いにもかかわらず、得ら
れた。実施例3 本例では、断熱被膜(TBC)を用いて出口位置の形状
を変形した基板について、気膜冷却性能を測定した。比
較サンプルはTBCを設層する前の基板である。これを
サンプルEとし、TBC被覆基板をサンプルFとする。
基板はニッケル基超合金で、厚さ約80ミルであった。
基板に、レーザドリリングにより、371個の孔を3イ
ンチ×3インチの正方形配列にて形成した。孔の長さは
約240ミルで、直径は約22ミルであった。孔は互い
に5.9×孔直径離し、基板の上表面(ここではこれを
「ホット表面」と呼ぶ)に対して約20°の角度に傾斜
させた。TBC系の設層前に、通路孔は普通の形状であ
った、すなわち何の変形もほどこしていなかった。サン
プルFの通路孔の出口位置の形状は、前掲の米国特許出
願第08/758328号に記載の方法によって、形成
した。ここでは、2液型エポキシ材料を基板の上流側
(すなわちホット表面とは反対側の表面、「コールド表
面」と呼ぶこともある)から孔に押しこみ、ホット表面
に図11に示したのと同様の突出部を形成した。表面を
グリットブラスティング研磨した後、NiCrAlYの
結合被膜層を空気プラズマスプレーにより厚さ5ミルに
形成した。つぎに、イットリア安定化ジルコニア(YS
Z)を主成分とするTBCを、同じく空気プラズマスプ
レーにより厚さ10ミルに形成した。つぎに、エポキシ
材料を、高温のオーブン内で熱分解により除去した。こ
のようにして得られた通路孔の出口位置にはクレータが
形成され、このクレータはだ円形状で、切り口面積深さ
が58ミル、クレータ区域直径(すなわち流れ方向に垂
直な方向のTBC開口)が47ミルであった。出口位置
の側壁は、図11の構造においてマスク材料を除去した
場合にそうなるように、多少カーブしておりでこぼこし
ていた。
【0051】実施例1で説明したPLIF法により、
(TBC系の設層前後に)冷却効率を測定した。冷却シ
ミュレーション流を対象の通路孔に通過させた。冷却材
としては水を用いた。この例では、燃焼ライナにおける
条件を表わす吹込比M=4を試験した。図14は、この
試験結果に基づくグラフで、冷却効率を流れ方向位置の
関数として示す。グラフに描かれた2つの曲線は、吹込
比4でのサンプルEおよびFを示す。y軸は気膜冷却効
率を示し、x軸は通路孔の大きな配列におけるx/D距
離を示す。x/Dの値0は第1列の孔を示す。(この試
験法では、配列の中央部分でのデータが得られた。)1
列の孔を設けた場合とは異なり、大きな配列内の孔の各
列では冷却材流物質がさらに追加されることになり、冷
却効率値は、下流に進むにつれて増加する(実施例1お
よび2とは対照的である)。本例でも、変形した出口孔
形状を有するサンプルで冷却効率が大きく上昇すること
が明らかであり、2倍程の大幅な向上である。
【0052】以上、この発明を具体的に示すためにいく
つかの実施例を説明したが、上述した説明はこの発明の
範囲を限定するものと考えるべきではない。当業者に
は、この発明の要旨から逸脱しない限りで、種々の変
形、改変、変更を加え得ることが明らかである。ここに
記載した特許、特許出願、文献のすべては、本発明の先
行技術としてここに援用するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷却孔が配列された基板の斜視図である。
【図2】従来の冷却孔を設けた基板の平面図である。
【図3】図2の3−3線方向に見た基板の縦断面図であ
る。
【図4】図2の4−4線方向に見た基板の断面図であ
る。
【図5】この発明による変形冷却孔を設けた基板の平面
図である。
【図6】図5の6−6線方向に見た基板の縦断面図であ
る。
【図7】図5の7−7線方向に見た基板の断面図であ
る。
【図8】図4−6に示した変形冷却孔の一部を断面を含
めて示す斜視図である。
【図9】この発明の別の実施例に基づく被覆基板の一部
を示す断面図である。
【図10】図9の10−10線方向に見た断面図であ
る。
【図11】通路孔に所望の出口位置形状を形成するのに
用いるマスク材料の配置状態を示す断面図である。
【図12】この発明の1実施例を組み込んだタービンエ
ンジンの一部分を示す概略図である。
【図13】この発明の1実施例による変形冷却孔とまっ
すぐな冷却孔の冷却効率を比較して示すグラフである。
【図14】この発明の別の実施例による変形冷却孔とま
っすぐな冷却孔の冷却効率を比較して示すグラフであ
る。
【符号の説明】
40 基板 42 ホット表面 46 通路孔 48 長さ部分 51 クレータ 56 クレータ側壁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板内の少なくとも1個の通路孔を通って
    基板の高温表面上の出口位置まで流れるガス状冷却材流
    の冷却効率を向上させるにあたり、冷却材流を出口位置
    で乱し、これにより冷却材流を高温表面のより大きな面
    積と接触させる工程を含む、ガス状冷却材流の冷却効率
    を向上させる方法。
  2. 【請求項2】前記通路孔の断面積が基板内ではほぼ均一
    であるが、出口位置では異なる、請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】基板に、基板の第1表面から選択的に高温
    にさらされる第2表面上の出口位置まで延在する、冷却
    材流用の少なくとも1個の通路孔を設け、 前記通路孔が基板内ではほぼ均一な断面積を有するが、
    出口位置では、冷却材流を乱すのに適当な異なる断面積
    を有する、ことを特徴とする物品。
  4. 【請求項4】出口位置の深さが前記基板内の通路孔の断
    面積の約10−500%の範囲にあり、出口位置の平面
    面積が前記基板内の通路孔の断面積の約50−600%
    の範囲にある、請求項3に記載の物品。
JP9353366A 1996-12-23 1997-12-22 基板内に流れるガス状冷却材流の冷却効率を向上させる方法および物品 Withdrawn JPH10280976A (ja)

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