JPH10281246A - 車両用ベルト式変速装置 - Google Patents

車両用ベルト式変速装置

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JPH10281246A
JPH10281246A JP9098098A JP9809897A JPH10281246A JP H10281246 A JPH10281246 A JP H10281246A JP 9098098 A JP9098098 A JP 9098098A JP 9809897 A JP9809897 A JP 9809897A JP H10281246 A JPH10281246 A JP H10281246A
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shaft
pulley
peripheral side
oil
oil pump
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Junji Kawai
潤二 河合
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、車両用ベルト式変速装置に関し、
シール部材と当接するシャフトの内周面を容易に、且つ
高精度に加工できるようにする。 【解決手段】 駆動プーリ12及び従動プーリの溝幅を
変更することにより駆動プーリ12と従動プーリとの間
の変速比を変更する車両用ベルト式変速装置において、
駆動プーリ12の内部にオイルポンプ駆動軸2Cを挿通
し、駆動プーリ12とオイルポンプ駆動軸2Cとの間に
オイルポンプからの作動油が供給される第1の油路12
0を形成し、駆動プーリ12の軸端部近傍において駆動
プーリ12及びオイルポンプ駆動軸2Cの少なくとも一
方に、オイルポンプ駆動軸2C又は駆動プーリ12の他
方に突出する第1の突出部130を形成するとともに、
第1の突出部130とオイルポンプ駆動軸2C又は駆動
プーリ12の他方との間に第1の油路120の液密性を
保持すべく第1のシール部材134を介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プーリの溝幅を変
更することにより無段階で変速比の変更を行なうう、車
両用ベルト式変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等に車両に搭載される
自動変速機として無段階で変速を行なう無段自動変速機
が開発されている。そして、このような無段自動変速機
としては、例えば溝幅を変更可能に構成された一対のプ
ーリ間に無端ベルトを掛け渡したベルト式変速装置、い
わゆるCVT(=Continuously Variable Transmissi
on)が広く知られている。
【0003】上述の一対のプーリは、エンジン側から回
転駆動力が入力されるドライブプーリ(又は、駆動プー
リ若しくは入力プーリという)と、無端ベルトを介して
ドライブプーリの回転駆動力が入力されるドリブンプー
リ(又は、従動プーリという)とからなっており、この
ような各プーリの溝幅の変更は、一般に高圧の作動油を
用いた油圧ピストン機構により行なわれる。
【0004】以下、従来のドライブプーリの構成の一例
について簡単に説明すると、ドライブプーリには、軸方
向に固定された固定プーリと軸方向に移動可能な可動プ
ーリとから構成されており、可動プーリは、固定プーリ
に一体に形成されたプライマリシャフトに軸支されてい
る。また、可動プーリには、油圧ピストン機構が付設さ
れている。
【0005】一方、上記プライマリシャフトは中空に形
成され、このプライマリシャフト内には、オイルポンプ
を駆動するためのオイルポンプ駆動軸が挿通されてい
る。また、プライマリシャフトの内周側と、オイルポン
プ駆動軸の外周側との間には、オイルポンプで加圧され
た高圧作動油が流通する油路が設けられており、油圧ピ
ストン機構には、この油路を通って高圧作動油が供給さ
れるようになっている。
【0006】なお、オイルポンプ駆動軸には、シール部
材(例えば、シールリングやメタルブッシュ)が介装さ
れており、このシール部材により、プライマリシャフト
とオイルポンプ駆動軸との間に形成された油路の液密性
が保持されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、可動プーリ
を駆動するためには高圧の作動油が必要であり、このた
め油路にも高圧の作動油が供給されることになるが、プ
ライマリシャフトのシール部材と当接する面の加工精度
が低いと、このシール面とシール部材との間から、作動
油の漏れが生じてしまうことが考えられる。また、シー
ル面の加工精度が低いとシール面とシール部材との間で
磨耗が増長され、シール部材の耐久性が低下してしま
う。このため、プライマリシャフトのシール面には、高
い加工精度が要求される。
【0008】しかしながら、プライマリシャフトにおけ
るシール部材との当接面が、プライマリシャフトの軸方
向の略中央部に位置していると、高精度の面加工が困難
であるという課題があった。つまり、通常、このような
シール面の加工は、リーマ等の切削工具により精密な仕
上げ加工を行なうが、プライマリシャフトの軸方向から
見て奥の方にシール面が位置していると、歯先の長い切
削工具が必要となり、シール面の高精度な面加工が困難
なものとなってしまうのである。また、これにより工作
精度の低下を招いてしまうという課題もあった。
【0009】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、このようなシール部材と当接するシャフトの
内周面を容易に、且つ高精度に加工できるようにした、
車両用ベルト式変速装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の車両用ベルト式変速装置は、エンジンからの
駆動力をエンジン側駆動軸を介して入力される動力伝達
手段と、該動力伝達手段に入力軸を介して連結される駆
動プーリと、該駆動プーリに掛け渡された無端ベルトを
介して該駆動プーリの回転駆動力が伝達される従動プー
リとをそなえ、該駆動プーリ及び該従動プーリの溝幅を
変更することにより該駆動プーリと該従動プーリとの間
の変速比を変更する車両用ベルト式変速装置において、
該エンジン駆動軸に連結されるとともに、該入力軸と該
駆動プーリの回転軸とを貫通して延びたオイルポンプ駆
動軸により駆動されるオイルポンプをそなえ、該駆動プ
ーリの内周側と該オイルポンプ駆動軸の外周側との間
に、該オイルポンプからの作動油が供給される第1の油
路が形成され、該駆動プーリの軸端部近傍において、該
駆動プーリの内周側及び該オイルポンプ駆動軸の外周側
の少なくとも一方に、該オイルポンプ駆動軸の外周側又
は該駆動プーリの内周側の他方に向かって突出する第1
の突出部が形成されるとともに、該第1の突出部と該オ
イルポンプ駆動軸の外周側又は該駆動プーリの内周側の
他方との間に該第1の油路の液密性を保持すべく第1の
シール部材が介装されていることを特徴としている。
【0011】また、請求項2記載の本発明の車両用ベル
ト式変速装置は、上記請求項1記載の構成に加えて、該
入力軸の内周側と該オイルポンプ駆動軸の外周側との間
に第2の油路が形成され、該第1の油路が該オイルポン
プに接続されるとともに、該第2の油路が該入力軸に形
成された供給口と接続され、該入力軸の内周側及び該オ
イルポンプ駆動軸の外周側の少なくとも一方に、該オイ
ルポンプ駆動軸の外周側又は該入力軸の内周側の他方に
向かって突出する第2の突出部が形成されるとともに、
該第2の突出部と該オイルポンプ駆動軸の外周側又は該
入力軸の内周側の他方との間に該第2の油路の液密性を
保持すべく第2のシール部材が介装され、該第1のシー
ル部材により、該第1の油路と該第2の油路とが区画さ
れていることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態としての車両用ベルト式変速装置について説明す
る。図1はその全体構成を示す模式的断面図、図2はそ
の変速機構部を拡大して示す図、図3はその要部構成を
示す模式的な断面図である。ます、図1に示すように、
この変速装置には、内部の機構を収納するケーシング1
が設けられている。このケーシング1は、トルクコンバ
ータハウジング(ハウジング部材)3とトランスミッシ
ョンケース5とにより2分割可能に構成されており、ボ
ルト1aにより締結されている。また、トルクコンバー
タハウジング3には、ケーシング1の内部の空間を2つ
に区画するための隔壁3aが一体に形成されており、ト
ルクコンバータハウジング3とトランスミッションケー
ス5とが一平面上で分割されるように構成されている。
【0013】ケーシング1の内部には、第1軸2,第2
軸(セカンダリシャフト)4及び第3軸(トランスファ
シャフト)6が設けられており、第1軸2に入力された
回転駆動力は、セカンダリシャフト4及びトランスファ
シャフト6を介してディファレンシャル(差動機構)2
7に伝達され、左右の出力軸(ドライブシャフト)24
が駆動されるようになっている。
【0014】また、図1,図2に示すように、第1軸2
上には、エンジン側から順にトルクコンバータ(動力伝
達手段)8,前後進切替機構10,ドライブプーリ(駆
動プーリ)12,オイルポンプ13等が設けられ、セカ
ンダリシャフト4上には、ドリブンプーリ(従動プー
リ)18,パーキングギア16,トランスファドライブ
ギア14等が設けられている。さらに、トランスファシ
ャフト上6には、トランスファドリブンギア20及びフ
ァイナルドライブピニオンギア22が設けられており、
ファイナルドライブピニオンギア22は、出力軸(ドラ
イブシャフト)24上に設けられたファイナルギア26
に噛合している。
【0015】このうち、第1軸2は、中空の入力軸(イ
ンプットシャフト)2Aと、ドライブプーリ12の一部
と一体形成された中空のプライマリシャフト2Bとから
構成されている。また、これらのインプットシャフト2
A及びプライマリシャフト2B内には、オイルポンプド
ライブシャフト2Cが相対回転可能に配設されている。
【0016】また、インプットシャフト2Aは、リアク
ションシャフト36a,リアクションシャフトサポート
36b等を介して軸支されている。ところで、トルクコ
ンバータ8は、図2に示すように、上述のトルクコンバ
ータハウジング3内に収納されており、このトルクコン
バータ8から出力された回転駆動力は、インプットシャ
フト2Aを介して前後進切替機構10に伝達されるよう
になっている。
【0017】ここで、トルクコンバータ8は、通常のオ
ートマチックトランスミッションと同様に構成されたも
のであり、ポンプ8a,タービン8b及びステータ8c
をそなえている。ポンプ8aはドライブプレート8dを
介してエンジンのクランクシャフトに接続されており、
このポンプ8aが回転駆動されるとトルクコンバータ8
内の作動油を介して、ポンプ8aの回転エネルギがター
ビン8bに伝達されるようになっている。また、タービ
ン8bは、タービンハブ8eを介してインプットシャフ
ト2Aにスプライン結合されており、タービン8bに伝
達された回転駆動力によりインプットシャフト2Aが回
転駆動されるようになっている。なお、このトルクコン
バータは、ドライブプレート8dからの駆動力を直接タ
ービン8bに伝達する直結(ロックアップ)機構をそな
えている。
【0018】また、トルクコンバータ8の後方(図2
中、左側)には、前後進切替機構10が設けられてい
る。この前後進切替機構10は、インプットシャフト2
Aからプライマリシャフト2Bへ伝達される回転駆動力
の回転方向を切り替えたり、プライマリシャフト2Bへ
の駆動力の伝達を絶つためのものである。ここで、前後
進切替機構10は、図2に示すような円筒状ケース(切
替機構ケース)28内に収納されており、円筒状ケース
28内には、遊星歯車機構30,クラッチ32及びブレ
ーキ34等が設けられている。なお、この円筒状ケース
28は、トルクコンバータハウジング3の隔壁3aにボ
ルト28aにより取り付けられており、変速装置全体の
剛性の向上が図られている。
【0019】遊星歯車機構30は、2つのピニオンギア
を有するダブルピニオン式の遊星歯車機構として構成さ
れており、サンギア30a,第1ピニオンギア30b,
第2ピニオンギア30c,プラネタリキャリア30d及
びアニュラスギア(リングギア)30eから構成されて
いる。なお、図2に示すように、本実施形態では、サン
ギア30aはインプットシャフト2Aに一体に形成され
ている。また、第1ピニオンギア30b及び第2ピニオ
ンギア30cは互いに噛合しながらプラネタリキャリア
30dに軸支され、第1ピニオンギア30bはサンギア
30aに、第2ピニオンギア30cはアニュラスギア3
0eに噛合している。
【0020】また、プラネタリキャリア30dは、ドラ
イブプーリ12側端部に設けられた軸支持部30d−1
を有し、この軸支持部30d−1がドライブプーリ12
とスプライン結合されている。また、上述のブレーキ3
4は、アニュラスギア30eの外周側と円筒状ケース2
8の内周側との間に配設されており、アニュラスギア3
0eの回転を規制するために設けられている。このブレ
ーキ34は、アニュラスギア30eに噛み合ってアニュ
ラスギア30eと一体に回転するブレーキディスク34
aと、円筒状ケース28に噛み合って円筒状ケース28
に対して回転方向に固定された複数のブレーキプレート
34bとをそなえており、これらのプレート34a,3
4bがそれぞれ交互に配設されている。また、円筒状ケ
ース28内のドライブプーリ12側端部には、円筒状の
ブレーキピストン34cが設けられており、円筒状ケー
ス28とブレーキピストン34cとの間に形成された油
圧室34dに作動油が供給されると、ブレーキピストン
34cがリターンスプリング34eの付勢力に抗して図
2中右方向に駆動されて、ブレーキプレート34bに当
接するようになっている。
【0021】そして、このようにブレーキピストン34
cが駆動されると、ブレーキピストン34cによりブレ
ーキプレート34bが押圧されて、各プレート34a,
34b間の摩擦力によりアニュラスギア30eの回転が
規制されるようになっているのである。一方、クラッチ
32は、サンギア30aとプラネタリキャリア30dと
の間の相対回転を規制すべく設けられており、上述のブ
レーキ34と同様に、複数のクラッチディスク32aと
複数のクラッチプレート32bとが交互に配設されてい
る。ここで、クラッチディスク32aは、プラネタリキ
ャリア30dの本体から軸方向に延びた円筒部分に噛み
合っており、クラッチディスク32aとプラネタリキャ
リア30dとが一体に回転するようになっている。
【0022】また、クラッチプレート32bは、図2に
示すクラッチリテーナ32fの外側の円筒部分のスプラ
インに噛み合い、クラッチリテーナ32fと一体に回転
するようになっている。ここで、クラッチリテーナ32
fは、リアクションシャフトサポート36に摺接しなが
ら支持されるとともに、インプットシャフト2Aにスプ
ライン結合された部材であり、これにより、クラッチプ
レート32bはサンギア30a及びインプットシャフト
2Aと一体に回転するようになっている。
【0023】また、クラッチリテーナ32fの端部に
は、クラッチ作動用ピストン32cが配設されており、
クラッチリテーナ32fとクラッチピストン32cとの
間に形成された油圧室32dに作動油が供給されると、
クラッチピストン32cがリターンスプリング32eの
付勢力に抗して図2中左方向に駆動されて、クラッチプ
レート32bに当接するようになっている。
【0024】そして、このようにクラッチピストン32
cが駆動されると、クラッチピストン32cによりクラ
ッチプレート32bが押圧されて、各プレート32a,
32b間の摩擦力によりサンギア30aとプラネタリキ
ャリア30dとの間の相対回転が規制されて、プラネタ
リキャリア30dがサンギア30aと一体に回転するよ
うになっているのである。
【0025】したがって、クラッチ32をオンにし、ブ
レーキ34をオフにすると、プラネタリキャリア30d
とサンギア30aとが一体して回転して、サンギア30
aに入力された回転駆動力が、そのままドライブプーリ
12のプライマリシャフト2Bに伝達される。すなわ
ち、この場合には、インプットシャフト2Aとドライブ
プーリ12とは等速で回転することになる。
【0026】また、クラッチ32をオフにし、ブレーキ
34をオンにした場合には、円筒状ケース28に対して
アニュラスギア30eが固定される。したがって、サン
ギア30aに回転駆動力が入力されると、第1ピニオン
ギア30b及び第2ピニオンギア30cが自転しながら
サンギア30aの回転方向と逆方向に公転することにな
り、これにより、ピニオンキャリア30dもサンギア3
0aと逆方向に回転するのである。
【0027】さらに、クラッチ32及びブレーキ34を
両方ともオフにすると、インプットシャフト2Aからプ
ライマリシャフト2Bへの回転駆動力が遮断され、ニュ
ートラル状態となる。このように、前後進切替機構10
では、クラッチ32及びブレーキ34の作動を制御する
ことにより、ドライブプーリ12に伝達される回転方向
の切り替え制御が行なわれるようになっているのであ
る。
【0028】なお、本実施形態では、前後進切替機構1
0にダブルピニオン式の遊星歯車機構30を用いている
が、この前後進切替機構10としては、このような機構
に限定されるものではなく、シングルピニオン式の遊星
歯車機構や、シンクロメッシュ式の切替機構であっても
よい。さて、前後進切替機構10と隣接した位置には、
ドライブプーリ(駆動プーリ)12が設けられている。
このドライブプーリ12は、プライマリシャフト2Bと
一体に形成された固定プーリ12aと、プライマリシャ
フト2B上に設けられ軸方向に移動可能な可動プーリ1
2bとからなっており、各プーリ12a,12bのそれ
ぞれ対向する面には、略円錐状の動力伝達面12a−
1,12b−1が形成されている。そして、これらの動
力伝達面12a−1,12b−1によりプーリ12a,
12b間にはV字状の溝12cが形成されている。
【0029】また、プライマリシャフト2Bの一端(図
2中右端)は、プラネタリキャリア30dの軸支持部3
0d−1及びベアリング40を介して円筒状ケース28
の端部に軸支されており、他端(図2中左端)はベアリ
ング42を介してトランスミッションケース5に軸支さ
れている。そして、本装置では、上述のように、プライ
マリシャフト2Bを円筒状ケース28の端部に軸支する
ことにより、プライマリシャフト2Bの軸受け距離(又
はベアリングスパン、図1参照)を短縮化することがで
き、プライマリシャフト2Bの剛性向上が図られてい
る。すなわち、このプライマリシャフト2Bには、後述
のスチールベルト(無端ベルト)44によりセカンダリ
シャフト4方向へ大きな曲げモーメントが作用すること
になるが、上述のようにベアリングスパンを短縮化する
ことで、このような張力に対する曲げ剛性を向上させる
ことができるのである。
【0030】ところで、本変速装置では、上記円筒状ケ
ース28のベアリング40の配設位置近傍においてプラ
イマリシャフト2Bとプラネタリキャリア30dとがス
プライン結合されている。すなわち、図2に示すよう
に、ベアリング40の配設位置において、プライマリシ
ャフト2Bの外周部とプラネタリキャリア30dの軸支
持部30d−1の内周部とがスプラインにより噛み合
い、さらにこの軸支持部30d−1の外周側が、ベアリ
ング40により軸支持されるようになっている。
【0031】また、プライマリシャフト2Bの他端(図
2中左端)はベアリング42を介してトランスミッショ
ンケース5に軸支されている。そして、このようにベア
リング40の内周側において、プライマリシャフト2B
とプラネタリキャリア30dとをスプライン結合すると
いう構成により、前後進切替機構10とドライブプーリ
12とを高剛性で、且つコンパクトに構成できるのであ
る。また、詳しくは後述するが、このような構成によ
り、変速装置の組み立て自体も容易なものとすることが
できるのである。
【0032】一方、セカンダリシャフト4上におけるド
ライブプーリ12に対向する位置には、ドリブンプーリ
(従動プーリ)18が設けられている。ドリブンプーリ
18もドライブプーリ12と同様に構成されており、固
定プーリ18a及び可動プーリ18bをそなえている。
また、各プーリ18a,18bのそれぞれ対向する面に
は、略円錐状の動力伝達面18a−1,18b−1が形
成されており、やはりV字状の溝18cが形成されてい
る。
【0033】また、ドライブプーリ12の溝12cとド
リブンプーリ18の溝18cとの間には無端ベルトとし
てのスチールベルト44が掛け渡されており、このスチ
ールベルト44を介してドライブプーリ12の回転駆動
力がドリブンプーリ18に伝達されるようになってい
る。つまり、ドライブプーリ12側においては、スチー
ルベルト44と動力伝達面12a−1,12b−1との
間の摩擦力によりドライブプーリ12の回転駆動力がス
チールベルト44に伝達され、ドリブンプーリ18側に
おいては、スチールベルト44と動力伝達面18a−
1,18b−1との間の摩擦力によりドリブンプーリ1
8が回転駆動されるようになっているのである。
【0034】そして、固定プーリ12a,18aと可動
プーリ12b,18bとの間の距離、すなわち溝12
c,18cの幅を変更することにより、変速比が変更さ
れるようになっている。このため、ドライブプーリ12
には、可動プーリ12bを駆動してドリブンプーリ12
の溝12cの幅寸法を変更するための油圧ピストン機構
60が付設されている。
【0035】ここで、ドライブプーリ12及び油圧ピス
トン機構60について説明すると、可動プーリ12b
は、固定プーリ12aと一体形成されたプライマリシャ
フト2B上にボールスプライン機構46を介して設けら
れており、このボールスプライン機構46により可動プ
ーリ12bはプライマリシャフト2Bに対して相対回転
が規制されるとともに、軸方向に移動可能に設けられて
いる。
【0036】また、プライマリシャフト2Bの他端(図
2中左端)側には、プライマリシャフト2Bと一体に回
転し、可動プーリ12b方向に延びる円筒状の壁部48
aを有するシリンダ部48が設けられている。また、可
動プーリ12bの外周側には、このシリンダ部48の円
筒壁部48aを覆うような円筒壁部12b−2が形成さ
れている。さらに、このようなシリンダ部48と可動プ
ーリ12bとにより形成された空間内には、2つのピス
トン50,52が配設されており、このうちピストン5
0とシリンダ部48とにより油圧室54が形成され、ピ
ストン52と可動プーリ12bとにより油圧室56が形
成されている。
【0037】ここで、ピストン50は、可動プーリ12
bの軸端部に当接しており、可動プーリ12bに対する
軸方向への相対的な移動が規制されている。また、ピス
トン52は、シリンダ部48の壁部48aの先端部に当
接しており、シリンダ部48に対する軸方向への相対的
な移動が規制されている。また、ピストン50とシリン
ダ部48との間や、ピストン52と可動プーリ12bと
の間には、それぞれシール部材が介装されており、各油
圧室54,56の液密性が保持されている。
【0038】また、これらの油圧室54,56には、図
示しない制御手段(コントローラ)により同時に作動油
が供給されるようになっている。したがって、油圧室5
4に作動油が供給されると、ピストン50が図2中右方
向に駆動されて、可動プーリ12bが図2中右側に駆動
される。また、油圧室56に作動油が供給されると、ピ
ストン52は図中左方向に押圧されるが、このピストン
52は、シリンダ部48の壁部48aにより軸方向の位
置が規制されているため、この反力により可動プーリ1
2bが図中右側に駆動されるのである。
【0039】なお、上述のように、可動プーリ12bを
移動させるための油圧ピストン機構60を2つのピスト
ン50,52をそなえたダブルピストンの油圧ピストン
機構としているのは、駆動プーリ12の溝幅を狭くする
とき(可動プーリ12bを図中右側に駆動するとき)に
は大きな力を必要とするからである。このためには、供
給される作動油の圧力自体を大きくすることも考えられ
るが、上述のようなダブルピストンの油圧ピストン機構
60とすることで、限られた空間内で、作動油の受圧面
積を略2倍とすることができ、効率的に大きな力を得る
ことができるのである。
【0040】また、このような油圧力は、オイルポンプ
13により供給されるようになっている。オイルポンプ
13は、第1軸2の後端側(後側)のトランスミッショ
ンケース5に取り付けられており、オイルポンプドライ
ブシャフト2Cにより駆動されるようになっている。ま
た、オイルポンプドライブシャフト2Cは、上述したよ
うに、インプットシャフト2A及びプライマリシャフト
2B内に相対回転可能に配設されており、エンジンのク
ランクシャフトと一体に回転するように取り付けられて
いる。
【0041】ところで、ドリブンプーリ18に入力され
た回転駆動力は、セカンダリシャフト4上のトランスフ
ァドライブギア14から図1に示すトランスファシャフ
ト6上のトランスファドリブンギア20に伝達されるよ
うになっている。ここで、図2に示すように、セカンダ
リシャフト4は、ドリブンプーリ18の固定プーリ18
aと一体に形成されており、その一端(図中右端)がベ
アリング64を介してトルクコンバータハウジング3に
支持され、他端(図中左端)がベアリング66を介して
トランスミッションケース5に支持されている。
【0042】また、このセカンダリシャフト4内には、
軸方向に作動油供給路4aが形成されており、トランス
ミッションケース5側に形成された作動油供給路5aを
介して可動プーリ18bを駆動するための作動油が供給
されるようになっている。また、図2に示すように、こ
のドリブンプーリ18では、上述のドライブプーリ12
と同様に、セカンダリシャフト4上にボールスプライン
機構68を介して可動プーリ18bが設けられており、
このボールスプライン機構68によりセカンダリシャフ
ト4に対して可動プーリ18bの相対回転が規制される
とともに、軸方向に移動可能に設けられている。
【0043】また、このドリブンプーリ18には、可動
プーリ18bを軸方向に駆動してドリブンプーリ18の
溝18cの幅を変更する油圧ピストン機構62が付設さ
れている。ここで、この油圧ピストン機構62について
説明すると、可動プーリ18bの外周側には、動力伝達
面18b−1と反対方向に延びる円筒壁部70が形成さ
れている。また、円筒壁部70の内周側には、ピストン
(セカンダリピストン)72が設けられており、このセ
カンダリピストン72の外周縁部が円筒壁部70の内周
面に当接するようになっている。
【0044】そして、これらの円筒壁部70とセカンダ
リピストン72とにより油圧室74が形成されている。
また、セカンダリピストン72は、セカンダリシャフト
4に対して軸方向及び回転方向とも固定されており、油
圧室74内には、セカンダリピストン72と可動プーリ
18bとに当接するリターンスプリング76が配設され
ている。なお、セカンダリピストン72と可動プーリ1
8bとの間には、シール部材が介装されており、これに
より油圧室74の液密性が保持されている。
【0045】したがって、油圧室74に作動油が供給さ
れていない状態では、リターンスプリング76の付勢力
(プリロード)のみが可動プーリ18bに作用して、可
動プーリ18bが図中左側に付勢される。そして、この
付勢力により動力伝達面18a−1,18b−1とスチ
ールベルト44との間に所望の摩擦力が生じ、ある程度
の挟持力(クランプ力)を発生させ、ドリブンプーリ1
8が滑ることなく回転駆動されるようになっているので
ある。
【0046】次に、ドライブプーリ12とドリブンプー
リ18との間における変速時の作用について説明する。
変速比が低速側に変更される場合には、ドライブプーリ
12側では、油圧室54,56内の作動油が排出され
て、可動プーリ12bが図中左方向に移動(駆動)され
ることにより、溝12cの幅が大きくなりスチールベル
ト44のドライブプーリ12側の回転半径が小さくな
る。
【0047】そして、ドリブンプーリ18側では、作動
油供給油路5a,4aを介して油圧室74に作動油が供
給されることにより、可動プーリ18bが図中左側に駆
動される。つまり、ドリブンプーリ18の溝18cの幅
寸法が狭くなってスチールベルト44の回転半径が大き
くなる。すなわち、プーリの変速比は、 変速比=(ドリブンプーリ18側のベルト回転半径)/(ドライブプーリ12 側のベルト回転半径)・・・・・・(1) となるので、変速比が大きく、すなわち低速側になる。
【0048】また、変速中もドライブプーリ12側の油
圧室54,56及びドリブンプーリ18側の油圧室78
にも適正な作動油が作用し、可動プーリ12b,18b
の付勢力により、動力伝達面12a−1,12b−1及
び動力伝達面18a−1,18b−1とスチールベルト
44との間に所望の摩擦力が生じ、ドライブプーリ12
からの駆動力をドリブンプーリ18へ低速状態で伝達す
ることができる。
【0049】また、変速比が高速側に変更される場合に
は、ドライブプーリ12側の油圧室54,56に作動油
が供給されることにより、可動プーリ12bが図中右方
向に駆動され、溝12cの幅が狭くなりスチールベルト
44のドライブプーリ12側の回転半径が大きくなる。
また、ドリブンプーリ18側では、油圧室74内の作動
油が排出されることにより可動プーリ18bが図中左方
向に移動して溝18cの幅が広くなり、スチールベルト
44の回転半径が小さくなる。したがって、変速比は上
記(1)式により小さくなり、高速側となる。
【0050】また、ドライブプーリ12側の油圧室5
4,56及びドリブンプーリ18側の油圧室74にも適
正な作動油が作用することにより可動プーリ12b,1
8bに付勢力が発生し、動力伝達面12a−1,12b
−1及び動力伝達面18a−1,18b−1とスチール
ベルト44との間に所望の摩擦力が生じ、ドライブプー
リ12からの駆動力をドリブンプーリ18へ高速状態で
伝達することができるのである。
【0051】ところで、油圧室74内に作動油が供給さ
れた状態、又は残留した状態でセカンダリシャフト4が
高速回転すると、油圧室74内の作動油に大きな遠心力
が作用することになる。このような遠心力は、回転中心
からの距離の2乗に比例し、回転半径方向のみならず油
圧室74の全方位に作用することになる。したがって、
油圧室74内に作動油が介在していると、セカンダリシ
ャフト4の回転時、特に高速回転時に油圧室74内が高
圧になり可動プーリ18bを図中左側へ付勢するような
力が生じてしまうことになり、所望の挟持力以上の挟持
力が発生してしまう。この場合、所望の変速比が達成さ
れなかったり、駆動力伝達面18a−1,18b−1と
スチールベルト44との間の磨耗が発生するおそれがあ
る。
【0052】そこで、本車両用ベルト式変速装置では、
油圧室74の外側に遠心バランス室78が設けられてお
り、このような遠心力による油圧力がキャンセルされる
ようになっている。すなわち、図2に示すように、油圧
ピストン機構62には、円筒壁部70及びセカンダリピ
ストン72を覆うようなバランシングキャップ80が設
けられており、このバランシングキャップ80とセカン
ダリピストン72とにより遠心バランス室78が形成さ
れているのである。
【0053】なお、このバランシングキャップ80は円
筒壁部70に固定されており、この遠心バランス室78
には、セカンダリシャフト4内に設けられた穴部4b,
4c及びパーキングギア16に設けられた穴16aを介
して作動油が供給されるようになっている。したがっ
て、セカンダリシャフト4の回転時、特に高速回転時に
は、遠心力により油圧室74内の特に外周側において作
動油が高圧となって油圧室74の容積を拡げようとする
力が発生するが、このときには、同時に遠心バランス室
78内の作動油も遠心力により高圧となり、遠心バラン
ス室78の容積を拡げようとする力が発生するのであ
る。これにより、バランシングキャップ80に作用する
力(図中右方向に作用する力)と可動プーリ18bに作
用する力(図中左方向に作用する力)とが相殺され、可
動プーリ18bを駆動させるような力がキャンセルされ
るのである。
【0054】一方、セカンダリシャフト4上には、上記
油圧ピストン機構62に隣接して、パーキングギア16
及びトランスファドライブギア14が設けられている。
これらのギア16,14はいすれもセカンダリシャフト
4にスプライン結合されており、セカンダリシャフト4
と一体に回転するように構成されている。このうち、ト
ランスファドライブギア14は、図1に示すように、ト
ランスファシャフト6にスプライン結合されたトランス
ファドリブンギア20に噛合しており、これらのトラン
スファドライブギア14及びトランスファドリブンギア
20により、セカンダリシャフト4の回転駆動力が減速
されてトランスファシャフト6に伝達されるようになっ
ている。
【0055】また、パーキングギア16は、セカンダリ
シャフト4の回転を拘束するものであり、図示しないト
ランスミッションレバーがパーキング位置(Pポジショ
ン)に操作されると、やはり図示しないパーキングスプ
ラグがパーキングギア16に噛み合い、セカンダリシャ
フト4の回転を拘束するようになっている。また、図1
に示すように、トランスファシャフト6は、その一端
(図中右端)側が、ベアリング90を介してトルクコン
バータハウジング3に支持され、他端が(図中左端)側
が、ベアリング92を介してトランスミッションケース
5に支持されている。
【0056】このうちベアリング90はトルクコンバー
タハウジング3に直接取り付けられている。一方、ベア
リング92は、図1に示すようなベアリングリテーナ9
4に取り付けられており、このベアリングリテーナ94
がボルト96によりトランスミッションケース5に取り
付けられている。また、トランスファシャフト6には、
ファイナルドライブピニオンギア22が一体に形成され
ており、このファイナルドライブピニオンギア22は出
力軸24上に設けられたファイナルギア26に噛合して
いる。そして、ファイナルドライブピニオンギア22か
ら伝達された駆動力は、ファイナルギア26を介してデ
ィファレンシャル27に伝達され、左右のドライブシャ
フト24が駆動されるようになっているのである。
【0057】次に、本発明の車両用ベルト式変速装置の
要部について、主に図3を用いて説明する。オイルポン
プドライブシャフト2Cの一端(図中右端)は、図示し
ないエンジン側駆動軸に連結されており、このオイルポ
ンプドライブシャフト2Cの回転駆動力によりオイルポ
ンプ13(図1,図2参照)が駆動されるようになって
いる。
【0058】また、図3に示すように、プライマリシャ
フト2Bの内周側とオイルポンプドライブシャフト2C
の外周側との間には、オイルポンプ13からの作動油が
供給される油路(第1の油路)120が形成されてい
る。なお、この第1の油路120に供給される作動油
は、油圧ピストン機構60を作動させるための制御用作
動油であって、オイルポンプ13により所定の圧力に加
圧されている。
【0059】また、プライマリシャフト2Bには、この
第1の油路120と連通する穴部122が形成されると
ともに、可動プーリ12bには、油圧ピストン機構60
の油圧室56と連通する穴部124が形成されている。
そして、第1の油路120に供給された作動油は、これ
らの穴部122,124を介して油圧室56に供給され
るようになっている。
【0060】また、図3に示すように、可動プーリ12
bのボールスプライン機構46の近傍には、径方向に穴
部46aが形成されており、この穴部46aを介して第
1の油路120の作動油が油圧室54に供給されるよう
になっている。そして、このようにして各油圧室54,
56に供給された作動油の油圧力により、駆動プーリ1
2の可動プーリ12bが軸方向に駆動されるようになっ
ているのである。
【0061】ところで、本装置では、図3に示すよう
に、プライマリシャフト2Bの軸端部(即ち、駆動プー
リ12の軸端部であって、図中右側端部)近傍におい
て、突出部(第1の突出部)130が形成されている。
この第1の突出部130は、プライマリシャフト2Bの
内周側からオイルポンプドライブシャフト2Cの外周側
に向かって突出した突出部126と、オイルポンプドラ
イブシャフト2Cの外周側からプライマリシャフト2B
の内周側に向かって突出した突出部128とにより構成
されており、これら2つの突出部126及び突出部12
8は互いに対向する位置に形成されている。
【0062】また、オイルポンプドライブシャフト2C
の突出部128には、周方向に環状の溝部132が形成
されており、この溝部132にシールリング(第1のシ
ール部材)134が取り付けられている。そして、この
シールリング134の外周面が、突出部126の内周面
に当接することにより、第1の油路120の液密性が保
持されるようになっている。なお、このシールリング1
34は、例えば断面形状が矩形に形成され、表面がテフ
ロン加工により処理されている。
【0063】ところで、上述において、第1の突出部1
30をプライマリシャフト2Bの軸端部に設けているの
は、プライマリシャフト2Bのシールリング134と当
接する面(以下、シール面という)を高い精度で且つ容
易に加工するためである。すなわち、可動プーリ12b
を駆動するためには高圧の作動油が必要であり、このた
め油路120にも高圧の作動油が供給されることになる
が、上記のシール面の加工精度が低いとこのシール面と
シールリング134との間から、作動油の漏れが生じて
しまうことが考えられる。また、シール面の加工精度が
低いとシール面とシールリング134との間で磨耗が増
長され、シールリング134の耐久性が低下してしま
う。このため、プライマリシャフト2Bのシール面に
は、高い加工精度が要求されるが、上述のような突出部
130をプライマリシャフト2Bの奥の方(プライマリ
シャフト2Bの中央部近傍)に形成した場合には、シー
ル面の高精度な面加工が困難なものとなってしまう。
【0064】つまり、通常、このようなシール面の加工
は、プライマリシャフト2B(即ち、固定プーリ12
a)内に突出部126を形成した後、リーマ等の切削工
具により精密な仕上げ加工を行なうが、プライマリシャ
フト2Bの奥に突出部126を形成すると、歯先の長い
切削工具が必要となり、工作精度の低下を招いてしまう
という課題がある。
【0065】そこで、本車両用ベルト式変速装置では、
第1の突出部130をプライマリシャフト2Bの軸端部
近傍に形成することで、シール面を高精度で容易に加工
できるようになっているのである。そして、これによ
り、シール面とシールリング134との磨耗を低減し
て、シールリング134の耐久性を大幅に向上させると
ともに、第1の油路120からの作動油の漏れも確実に
防止されるのである。
【0066】なお、上述では、第1の突出部130をプ
ライマリシャフト2Bの内周側からオイルポンプドライ
ブシャフト2Cの外周側に向かって突出した突出部12
6と、オイルポンプドライブシャフト2Cの外周側から
プライマリシャフト2Bの内周側に向かって突出した突
出部128とにより構成しているが、第1の突出部13
0は、必ずしも上記の2つの突出部126,128によ
り構成する必要はない。例えば、プライマリシャフト2
Bの内周側及びオイルポンプドライブシャフト2Cの外
周側の少なくとも一方に、他方に向かって突出した突出
部130を形成し、この突出部130とオイルポンプド
ライブシャフト2C又はプライマリシャフト2Bの他方
との間に第1のシール部材134を介装するように構成
してもよい。
【0067】さて、図3に示すように、インプットシャ
フト2Aの内周側とオイルポンプドライブシャフト2C
の外周側との間には、上記第1の油路120と隣接し
て、第1の油路120とは異なる油路(第2の油路)1
40が形成されている。この第2の油路140は、前後
進切替機構10内へ作動油(この場合は、潤滑油として
機能する)を供給するために設けられた油路であり、こ
のため、第2の油路140には比較的低圧の作動油が供
給されるようになっている。
【0068】また、インプットシャフト2Aには、第2
の油路140に連通する油穴142が設けられるととも
に、前後進切替機構10のプラネタリキャリア30dに
は、穴部142から供給される潤滑油をさらに前後進切
替機構10の内部へ供給する穴部144が形成されてい
る。さらに、インプットシャフト2Aには、リアクショ
ンシャフトサポート36とコンバータハウジング3の隔
壁3aとの間に潤滑油を供給するための穴部156も設
けられている。
【0069】そして、このような穴部142,144,
156を介して、第2の油路140内の作動油(潤滑
油)が、前後進切替機構10等の所望の箇所に供給され
るようになっている。一方、インプットシャフト2Aと
オイルポンプドライブシャフト2Cとの間には、第2の
突出部150が形成されている。この第2の突出部15
0は、図3に示すように、インプットシャフト2Aの内
周側からオイルポンプドライブシャフト2Cの外周側に
向かって突出した突出部146と、オイルポンプドライ
ブシャフト2Cの外周側からインプットシャフト2Aの
内周側に向かって突出した突出部148とにより構成さ
れており、これら2つの突出部146及び突出部148
は互いに対向する位置に形成されている。
【0070】また、オイルポンプドライブシャフト2C
の突出部148には、周方向に環状の溝部152が形成
されており、この溝部152にシールリング(第2のシ
ール部材)154が取り付けられている。そして、この
シールリング154の外周面が、突出部146の内周面
に当接することにより、第2の油路140の液密性が保
持されるようになっているのである。
【0071】ところで、上述したように、第1の油路1
20内には、制御用の高圧作動油が供給されるが、第2
の油路140内には、潤滑油相当の比較的低圧の作動油
が供給されるので、第1の油路120と第2の油路14
0とを区画して、第1の油路120内の作動油が第2の
油路140内へ混入するのを確実に防止する必要があ
る。
【0072】これに対して、本車両用ベルト式変速装置
では、上述した第1のシール部材134により第1の油
路120と第2の油路140とが区画されているので、
上述のような作動油の混入を確実に防止することができ
るのである。すなわち、上述したように、第1の油路1
20における第1の突出部130をプライマリシャフト
2Bの軸端部近傍に形成することで、プライマリシャフ
ト2Bにおける第1のシール部材134と当接するシー
ル面を高精度で容易に加工することができるので、第1
のシール部材134により第1の油路120と第2の油
路140とを確実に遮蔽して、第1の油路120と第2
の油路140との間で作動油の混入を防止することがで
きるのである。
【0073】なお、第2の突出部150は、図3に示す
ように、比較的インプットシャフト2Aの奥のほうに形
成されているが、第1の油路120と異なり、第2の油
路140に供給される作動油は比較的低圧であるため、
プライマリシャフト2Bの第1の突出部130ほど、シ
ール面を高精度に加工する必要はなく、このように第2
の突出部150をインプットシャフト2Aの比較的奥の
ほうに形成しても何ら問題はない。
【0074】また、上述の第1の突出部130と同様
に、第2の突出部150は必ずしも上記の2つの突出部
146,148により構成する必要はない。すなわち、
インプットシャフト2Aの内周側及びオイルポンプドラ
イブシャフト2Cの外周側の少なくとも一方に、他方に
向かって突出した突出部130を形成し、この突出部1
30とオイルポンプドライブシャフト2C又はインプッ
トシャフト2Aの他方との間に第2のシール部材154
を介装するように構成してもよい。
【0075】本発明の一実施形態としての車両用ベルト
式変速装置は、上述のように構成されているので、エン
ジンからの駆動力は、トルクコンバータ8を介して前後
進切替機構10に伝達される。また、前後進切替機構1
0では、クラッチ32及びブレーキ34の作動が制御さ
れることにより、ドライブプーリ12の正転,逆転及び
中立が切り替えられる。そして、ドライブプーリ12に
入力された回転駆動力は、スチールベルト44を介して
ドリブンプーリ18に伝達される。
【0076】また、ドリブンプーリ18を介してセカン
ダリシャフト4に入力された回転駆動力は、トランスフ
ァドライブギア14からトランスファシャフト6上のト
ランスファドリブンギア20に伝達される。そして、セ
カンダリシャフト4の回転駆動力は、トランスファドラ
イブギア14及びトランスファドリブンギア20により
減速されてトランスファシャフト6に伝達される。
【0077】また、トランスファシャフト6に入力され
た回転駆動力は、ファイナルドライブピニオンギア22
及びファイナルギア26を介して左右のドライブシャフ
ト24に出力される。なお、ドライブプーリ12とドリ
ブンプーリ18との間の変速比は、各プーリ12,18
の溝幅を調整することで変更される。すなわち、油圧ピ
ストン機構60により可動プーリ12bを図中右方向に
駆動してドライブプーリ12の溝幅を狭めることにより
ギア比を高くすることができ、油圧ピストン機構62に
よりドリブンプーリ18の可動プーリ18bを図中左方
向に駆動してドリブンプーリ18の溝幅を狭めることに
よりギア比を低くすることができるのである。
【0078】ところで、油圧ピストン機構60の油圧室
54,56へは、オイルポンプドライブシャフト2Cに
より駆動されるオイルポンプ13から、第1の油路12
0を通って作動油が供給される。ここで、第1の油路1
20は、プライマリシャフト2Bの内周側とオイルポン
プドライブシャフト2Cの外周側との間に形成されてお
り、第1のシール部材134によりプライマリシャフト
2Bとオイルポンプドライブシャフト2Cとの液密性が
保持されている。
【0079】そして、本車両用ベルト式変速装置では、
シールリング134が当接する第1の突出部130をプ
ライマリシャフト2Bの軸端部に形成することにより、
通常の切削工具を使用することができ、容易に高精度の
仕上げ加工を行なうことができるのである。また、これ
により、第1の油路120における作動油の漏れが確実
に防止されるのである。
【0080】一方、前後進切替機構10等へは、インプ
ットシャフト2Aの内周側とオイルポンプドライブシャ
フト2Cの外周側との間に形成された第2の油路140
から穴部142,144,150を介して作動油(潤滑
油)が供給される。ところで、第1の油路120内に
は、制御用の高圧作動油が供給され、この第1の油路1
20に隣接した第2の油路140には、潤滑油相当の比
較的低圧の作動油が供給されるので、第1の油路120
と第2の油路140との間を確実に遮蔽する必要がある
が、本車両用ベルト式変速装置では、第1の油路120
と第2の油路140との間は、第1のシール部材134
により区画されているので、第2の油路140内と第1
の油路120内との間で作動油の混入が確実に防止され
るのである。
【0081】このように、本発明の車両用ベルト式変速
装置では、プライマリシャフト2Bの第1のシール部材
134と当接する面を高い精度で加工することができ、
これにより、第1の油路120における作動油の漏れを
確実に防止することができる利点がある。また、第1の
シール部材134の磨耗を低減して、第1のシール部材
の耐久性を大幅に向上させることができる利点も有して
いる。さらには、第1のシール部材134との当接面の
高精度の仕上げ加工を比較的容易に行なうことができる
ので、製造コストも有利なものとなる。
【0082】なお、本発明の車両用ベルト式変速装置
は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
【0083】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の車両用ベルト式変速装置によれば、第1の突出部
と第1のシール部材とが当接する面を高い精度で加工す
ることができ、これにより、第1の油路における作動油
の漏れを確実に防止することができる利点がある。ま
た、これにより、第1の突出部と第1のシール部材との
間の磨耗を低減することができ、第1のシール部材の耐
久性を大幅に向上させることができる。また、このよう
な高精度の仕上げ加工を比較的容易に行なうことができ
るので、製造コストも有利なものとなる。
【0084】また、請求項2記載の本発明の車両用ベル
ト式変速装置によれば、第1の油路と第2の油路との間
を確実に遮蔽することができ、第1の油路と第2の油路
との間で作動油が混入することを防止することができる
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両用ベルト式変
速装置における全体構成を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての車両用ベルト式変
速装置における変速機構部を拡大して示す図である。
【図3】本発明の一実施形態としての車両用ベルト式変
速装置における要部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 第1軸 2A インプットシャフト(入力軸) 2B プライマリシャフト 2C オイルポンプドライブシャフト(オイルポンプ駆
動軸) 3 トルクコンバータハウジング 3a 隔壁 3b 穴部(支持部) 4 第2軸(セカンダリシャフト) 5 トランスミッションケース 6 第3軸(トランスファシャフト) 8 トルクコンバータ 8a ポンプ 8b タービン 8c ステータ 8d ドライブプレート 8e プレート 10 前後進切替機構 12 ドライブプーリ(駆動プーリ) 12a 固定プーリ 12b 可動プーリ 12a−1,12b−1 動力伝達面 12b−2 円筒壁部 12c 溝 13 オイルポンプ 14 トランスファドライブギア 16 パーキングギア 18 ドリブンプーリ(従動プーリ) 18a 固定プーリ 18b 可動プーリ 18a−1,18b−1 動力伝達面 18c 溝 20 トランスファドリブンギア 22 ファイナルドライブピニオンギア 24 出力軸(ドライブシャフト) 26 ファイナルギア 27 ディファレンシャル 28 円筒状ケース(切替機構ケース) 28a ボルト 30 遊星歯車機構 30a サンギア 30b 第1ピニオンギア 30c 第2ピニオンギア 30d プラネタリキャリア 30d−1 軸支持部 30e アニュラスギア(リングギア) 32 クラッチ 32a クラッチディスク 32b クラッチプレート 32c クラッチピストン 32d 油室 32e リターンスプリング 32f クラッチリテーナ 34 ブレーキ 34a ブレーキディスク 34b ブレーキプレート 34c ブレーキピストン 34d 油室 34e リターンスプリング 36 リアクションシャフトサポート 40,42 ベアリング 44 スチールベルト(無端ベルト) 46 ボールスプライン機構 48 シリンダ部 48a 壁部 50,52 ピストン 54,56 油圧室 60,62 油圧ピストン機構 64 66 ベアリング 68 ボールスプライン機構 70 円筒壁部 72 ピストン(セカンダリピストン) 74 油圧室 76 リターンスプリング 78 遠心バランス室 80 バランシングキャップ 90,92 ベアリング 94 ベアリングリテーナ 96 ボルト 120 第1の油路 122,124 穴部 126,128 突出部 130 第1の突出部 132 溝部 134 シールリング(第1のシール部材) 140 第2の油路 142,144,156 油穴 146,148 突出部 150 第2の突出部 152 溝部 154 シールリング(第2のシール部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの駆動力をエンジン側駆動
    軸を介して入力される動力伝達手段と、該動力伝達手段
    に入力軸を介して連結される駆動プーリと、該駆動プー
    リに掛け渡された無端ベルトを介して該駆動プーリの回
    転駆動力が伝達される従動プーリとをそなえ、 該駆動プーリ及び該従動プーリの溝幅を変更することに
    より該駆動プーリと該従動プーリとの間の変速比を変更
    する車両用ベルト式変速装置において、 該エンジン駆動軸に連結されるとともに、該入力軸と該
    駆動プーリの回転軸とを貫通して延びたオイルポンプ駆
    動軸により駆動されるオイルポンプをそなえ、 該駆動プーリの内周側と該オイルポンプ駆動軸の外周側
    との間に、該オイルポンプからの作動油が供給される第
    1の油路が形成され、 該駆動プーリの軸端部近傍において、該駆動プーリの内
    周側及び該オイルポンプ駆動軸の外周側の少なくとも一
    方に、該オイルポンプ駆動軸の外周側又は該駆動プーリ
    の内周側の他方に向かって突出する第1の突出部が形成
    されるとともに、該第1の突出部と該オイルポンプ駆動
    軸の外周側又は該駆動プーリの内周側の他方との間に該
    第1の油路の液密性を保持すべく第1のシール部材が介
    装されていることを特徴とする、車両用ベルト式変速装
    置。
  2. 【請求項2】 該入力軸の内周側と該オイルポンプ駆動
    軸の外周側との間に第2の油路が形成され、 該第1の油路が該オイルポンプに接続されるとともに、
    該第2の油路が該入力軸に形成された供給口と接続さ
    れ、 該入力軸の内周側及び該オイルポンプ駆動軸の外周側の
    少なくとも一方に、該オイルポンプ駆動軸の外周側又は
    該入力軸の内周側の他方に向かって突出する第2の突出
    部が形成されるとともに、該第2の突出部と該オイルポ
    ンプ駆動軸の外周側又は該入力軸の内周側の他方との間
    に該第2の油路の液密性を保持すべく第2のシール部材
    が介装され、 該第1のシール部材により、該第1の油路と該第2の油
    路とが区画されていることを特徴とする、請求項1記載
    の車両用ベルト式変速装置。
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