JPH10287582A - 樹皮抽出物からなるヒスタミン遊離抑制剤 - Google Patents

樹皮抽出物からなるヒスタミン遊離抑制剤

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JPH10287582A
JPH10287582A JP9090380A JP9038097A JPH10287582A JP H10287582 A JPH10287582 A JP H10287582A JP 9090380 A JP9090380 A JP 9090380A JP 9038097 A JP9038097 A JP 9038097A JP H10287582 A JPH10287582 A JP H10287582A
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histamine
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bark
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Toshio Inoue
俊夫 井上
Hideki Masuda
秀樹 増田
Chiaki Kamei
千晃 亀井
Izumi Hatanaka
泉 畠中
Yukio Sugimoto
幸雄 杉本
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OGAWA KORYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副作用の少ないヒスタミン遊離抑制作用を有
する植物抽出物を提供することを目的とする。 【解決手段】 ニッケイ、ヤマモモ、マルバニッケイ、
アコウ、ヤブニッケイ、ダケカンバ、ナナカマド、シラ
カバまたはヤマネコヤナギから選択される樹木の樹皮を
極性溶剤で抽出して得られる樹皮抽出物からなるヒスタ
ミン遊離抑制剤。極性抽出剤としては、水、含水エタノ
ール、アセトンなどが用いられる。ヒスタミンが遊離さ
れて起こるアトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症など
のアレルギー疾患の諸症状を緩和するのに有用である。
副作用の恐れが少ないので、医薬としてあるいは化粧
品、浴剤、食品に配合して用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹皮抽出物からな
るヒスタミン遊離抑制剤に関する。本発明のヒスタミン
遊離抑制剤は、ヒスタミンが遊離されて起こるアトピー
性皮膚炎、気管支喘息、花粉症等のアレルギー疾患の諸
症状を緩和するのに優れた効果を有する。
【0002】
【従来の技術】近年、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、
花粉症などのアレルギー疾患の増加が社会問題化してお
り、平成7年度の厚生省(アレルギー総合研究)報告に
よれば、小中学生のアレルギー疾患の有症率は37.8
%であり、今後さらに増加が予想されている。アレルギ
ーの機序は、アレルゲン(花粉やダニ)が体内に進入す
るとアレルギーを起こす抗体IgEが生産され、体内の
至る所にある肥満細胞の表面に強固に結合する。これが
アレルギーの準備状態となる。肥満細胞はヒスタミン等
の毒性を持ったアミン化合物を含む顆粒を一杯詰め込ん
でいる。再びアレルゲンが体内に進入し、気道や粘膜に
ある肥満細胞に結合したIgE抗体と反応すると、細胞
内の顆粒が破壊され、ヒスタミンが遊離する。ヒスタミ
ンは蕁麻疹のような湿疹や、喘息、涙や鼻汁などの外分
泌の亢進等を引き起こす。アレルギーの治療としては、
まずIgE抗体を作らせないようにすること、肥満細胞
からの化学物質の遊離を押さえ込んでしまうこと、抗ヒ
スタミン剤のようなヒスタミンの働きを末端で阻止する
ことの3つがある。ヒスタミン遊離抑制剤を投与して肥
満細胞からヒスタミンが遊離するのを抑制し、アレルギ
ーを治療する方法が行われており、このような薬剤とし
て、ケトチフェン、オキサトミド等の合成薬剤が知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、合成薬
剤とは異なって比較的副作用の恐れのない植物天然物の
中でヒスタミン遊離を抑制する作用のあるものを見いだ
すべく鋭意研究した結果、特定の植物の樹皮抽出物が、
肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑制し、特別の副作
用もみられないことを知り、本発明を完成するに至っ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ニッケイ(Ci
nnamomum loureirii Nees)、ヤマモモ(Myrica rubraSi
eb. et Zucc)、マルバニッケイ(Cinnamomum sericeum
Sieb.)、アコウ(Ficus wightiana Wall.)、ヤブニッケ
イ(Cinnamomum japonicus Sieb.)、ダケカンバ(Betul
a ermanii. Cham. var. ermanii)、ナナカマド(Sorbus
commixta Hedlund var. commixta)、シラカバ(Betula
platyphylla Sukatshev var. japonica(Mq.) Hara)ま
たはヤマネコヤナギ(Salix bakko Kimura)から選択さ
れる樹木の樹皮を極性溶剤で抽出して得られる樹皮抽出
物よりなるヒスタミン遊離抑制剤からなる。本発明で原
料として使用される樹木は、いずれも本邦に自生または
栽培されているので、容易に入手することができる。
【0005】本発明の樹皮抽出物を調製するに際して
は、上記樹木の樹皮を細断し、乾燥し、好ましくはさら
に磨砕した後、極性溶剤を5〜10倍量加えて抽出す
る。極性溶剤としては、水、または抽出後容易に蒸留し
て除去できる比較的沸点の低い有機溶剤が用いられる。
有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、
アセトン、酢酸エチル等およびこれらと水との混合溶剤
があげられる。
【0006】抽出は、磨砕した樹木樹皮に溶剤を加えて
振とう、または攪拌しつつ室温から還流温度で行う。抽
出に要する時間は温度、樹皮の種類および磨砕状態にも
よるが、通常30分から5時間程度である。また、抽出
の際にセルラーゼ、ヘミセルラーゼ等の酵素処理により
組織を破壊して抽出効率を上げることも有効である。抽
出液は瀘過または遠心分離により固形分を除去した後、
自体公知の適当な方法で抽出溶媒を留去し、得られる残
留物をそのままヒスタミン遊離抑制剤として使用しても
良く、また、濃縮し、または乾燥して使用することもで
きる。所望により、上記抽出液を活性炭で脱色したり、
合成高分子吸着体等の樹脂処理等により精製しても良
い。例えば、上記抽出物をスチレン−ジビニルベンゼン
共重合体系高分子吸着体カラムクロマクトグラフィーに
付し、水、20〜50%エタノール、エタノール等で溶
出して精製することができる。しかし、該有効成分のヒ
スタミン遊離抑制作用は抽出物のままでも強く現れるの
で、色、臭い、安定性等の点で不都合でない限り、高度
の精製は通常要しない。
【0007】本発明のヒスタミン遊離抑制剤は、医薬と
して、あるいは化粧品、浴剤または食品に配合して用い
ることができる。医薬として用いる場合は、常法によ
り、賦形剤などと混合して、錠剤、粉末剤、顆粒剤、カ
プセル剤、エキス剤として製剤化され、経口投与される
か、あるいは軟膏剤として経皮投与される。
【0008】本発明のヒスタミン遊離抑制剤の配合量
は、その製剤形、期待される効果の程度などによって異
なるが、通常、製剤全量に基づいて、該抽出物を固形分
換算で0.01〜10.0重量%、好ましくは0.1〜5.
0重量%が適当である。本発明のヒスタミン遊離抑制剤
を化粧品または浴剤に配合する場合は、基剤(例:ワセ
リン、流動パラフィン等)、増粘剤(例:カルボキシエ
チルセルロース、ヒアルロン酸等)、界面活性剤(例:
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリル硫酸ナトリ
ウム等)、希釈剤(例:水、エタノール等)、香料等の
製剤化用担体、賦形剤、添加剤のごとき補助成分を混合
することができる。本発明のヒスタミン遊離抑制剤は、
自体公知の方法により、軟膏、乳化剤、クリーム、ロー
ション、パウダー、パック等の製剤形とすることができ
る。
【0009】さらに、本発明のヒスタミン遊離抑制剤を
食品に配合する場合は、これをクッキー、ビスケット、
ガム等の菓子類や清涼飲料水、乳製品、さらには主食等
に配合することができる。これら食品への配合において
は、必要に応じ、増量剤、香味剤、賦形剤等の適宜の添
加剤を任意に加えることができる。
【0010】
【発明の実施の態様】
〔実施例〕以下、実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0011】実施例1 樹皮抽出物の製造例 原料としてシラカバ樹皮粉砕物442gを3.0リット
ルの70%アセトンで2回静置抽出した。ついで、2回
の抽出液の合液を、約1.0リットルまで減圧濃縮し、
凍結乾燥して80gの淡褐色粉末を得た。かくして得ら
れたシラカバ樹皮抽出物は下記の物理化学的性質を有す
る。 溶解性:メタノール、エタノール、含水アセトンに易溶 ベンゼン、エーテル、クロロホルムに不溶 紫外吸収スペクトル:(MeOH)λmax:280、204 呈色反応:塩化第二鉄で緑褐色に呈色し、アルカリを加
えると赤褐色を示す。薄層クロマトグラフィー(TLC) メルク社製Kieselgel 60F254,0.25mm薄層板を用いて
展開溶媒を酢酸エチル:クロロホルム:メタノール:水
=8:4:4:1の時以下のRf値と色を示す。Rf値 色(濃硫酸) 0.387 茶褐色 0.437 〃 0.463 青 紫 0.538 黄 0.725 赤褐色 0.775 〃
【0012】実施例2 樹皮抽出物の製造例 原料としてシラカバ樹皮粉砕物100gを1.0リット
ルの60%エタノールで2回静置抽出した。ついで、2
回の抽出液の合液を、約0.5リットルまで減圧濃縮
し、凍結乾燥して15gの淡褐色粉末を得た。
【0013】試験例1 ヒスタミン遊離抑制試験 実施例1と同様にして製造した各樹皮抽出物について、
そのヒスタミン遊離阻害活性を測定した。 試験法:ラット腹腔内より腹腔細胞を採取し、Percoll
密度勾配遠心法により95%の純度で肥満細胞を単離し
た。被検sampleを生理的塩溶液(154mM NaCl、2.7mM KC
l、0.9mM CACl2、5mM HEPES、0.1%glucose;pH7.4)
中に溶解させ、その後肥満細胞を添加し、37℃、20
分間のpreincubationを行った。次にcompound48/8
0(0.5μg/ml)の0.2mlを加え、さらに10分間のi
ncubationを行ってヒスタミン遊離を惹起させた。氷冷
により反応を停止した後に遠心し、上清中に遊離された
ヒスタミン量と残渣中のヒスタミン量をautoanalyzerで
定量した。結果を表1に示す。結果はヒスタミン遊離率
で表示した。シラカバ抽出物によるヒスタミン遊離抑制
効果をさらに図1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】実施例3 有効成分の濃縮例 実施例1で得た粉末75gを水に懸濁して、不溶物を濾
別したのち、濾液をダイヤイオン(三菱化成(株)製、DI
AION HP-20)のカラムクロマトグラフィー(φ50×300m
m)に付し、水、20%エタノール、50%エタノー
ル、エタノール、(各2リットル)で順次溶出し、各画
分を集めて減圧濃縮し、水溶出エキス16.0g、20
%エタノール溶出エキス20.0g、50%エタノール
溶出エキス28.0gおよびエタノール溶出エキス5.0
gを得た。各エキスについて試験例1に準ずる試験を行
った。その結果を図2および図3に示す。
【0016】処方例1 下表に示す処方に従ってキャンデイーを作成した。即
ち、砂糖及び水飴を150℃で加熱溶解し、120℃に
冷却後、残りの成分を添加し、攪拌均一化した後、成形
冷却しキャンデイーを得た。 キャンデイー 砂 糖 120.0 水 飴 100.0 クエン酸 4.0 香 料 0.4 シラカバ樹皮のエタノール抽出物 0.1 計 200.0(g)
【0017】処方例2 下記処方の成分を混合し、成形したのち焼成してビスケ
ットを得た。 ビスケット 強 力 粉 100.0 薄 力 粉 30.0 上 白 糖 40.0 ショートニング 100.0 重 曹 0.6 全脂粉乳 4.0 水 20.0 シラカバ樹皮のエタノール抽出物 1.0 計 360.0(g)
【0018】処方例3 下記処方に従ってガムベースに残りの成分を添加し、攪
拌均一化してチューイングガムを得た。 チューイングガム ガムベース 100.0 クエン酸 1.0 香 料 1.0 ニッケイ樹皮のエタノール抽出物 0.1 計 100.0(g)
【0019】処方例4 精製水にグリセリンを溶解する。別個に残りの成分を混
合し、前記の精製水溶液に加え、濾過して化粧水を得
た。 化 粧 水 グリセリン 6.0 エタノール 9.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.8 メチルパラベン 0.05 クエン酸 0.05 クエン酸ナトリウム 0.07 香 料 0.1 シラカバ樹皮のエタノール抽出物 1.0 精 製 水 残部 計 100.0(g)
【0020】処方例5 シラカバ樹皮抽出物およびステアリン酸デカグルセリル
を加熱溶解し、これをデキストリンおよびタルク混合物
に攪拌しながら徐々に加えて化粧用パウダーを得た。 化粧用パウダー デキストリン 2.0 タ ル ク 96.0 ステアリン酸デカグルセリル 1.0 シラカバ樹皮のエタノール抽出物 1.0 計 100.0(g)
【0021】処方例6 シラカバ樹皮抽出物およびエチルパラベン、香料および
エタノールを均一に溶解した。これを酢酸ビニル・スチ
レン共重合体、ポリビニルアルコール、ソルビットを混
合したものに加え、化粧用パックを得た。 化粧用パック 酢酸ビニル・スチレン共重合体 10.0 ポリビニルアルコール 10.0 ソルビット 5.0 エタノール 5.0 香 料 2.0 エチルパラベン 0.2 シラカバ樹皮のエタノール抽出物 1.0 精 製 水 残部 計 100.0(g)
【0022】処方例7 下記処方の成分を攪拌均一化して浴用剤を得た。 浴用剤(顆粒タイプ) 硫酸ナトリウム 50.0 炭酸水素ナトリウム 49.0 C.M.C.ナトリウム 0.9 シラカバ樹皮のエタノール抽出物 0.1 計 100.0(g)
【0023】処方例8 下記処方の成分を攪拌均一化して浴用剤を得た。 浴用剤(液体ミルクバスタイプ) 流動パラフィン 60.0 スクワラン 10.0 植物性オイル 14.0 ソルビタンオレエート 5.0 P.O.E.オレイルエーテル 10.0 シラカバ樹皮のエタノール抽出物 0.1 精 製 水 0.9 計 100.0(g)
【0024】
【発明の効果】本発明のヒスタミン遊離抑制剤は、肥満
細胞からのヒスタミンの遊離を効果的に抑制する。従っ
てヒスタミンが遊離されて起こるアトピー性皮膚炎、気
管支喘息、花粉症などのアレルギー疾患の諸症状を緩和
するのに有用である。また、樹木樹皮の抽出物であるた
め、副作用の恐れが少なく、医薬としてあるいは化粧
品、浴剤、食品に配合して用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シラカバ樹皮抽出物のヒスタミン遊離抑制効果
を示すグラフである。
【図2】シラカバ樹皮抽出物をカラムクロマトグラフィ
ーに付し、各種溶剤で溶離したもののヒスタミン遊離抑
制効果を示すグラフであり、(1)は水溶離液、(2)は2
0%エタノール溶離液を示す。
【図3】シラカバ樹皮抽出物をカラムクロマトグラフィ
ーに付し、各種溶剤で溶離したもののヒスタミン遊離抑
制効果を示すグラフであり、(1)は50%エタノール溶
離液、(2)はエタノール溶離液のヒスタミン遊離抑制効
果をそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 7/00 A61K 7/00 K W 7/48 7/48 7/50 7/50 // A21D 2/36 A21D 2/36 A23G 3/00 101 A23G 3/00 101 3/30 3/30 (72)発明者 畠中 泉 岡山県岡山市津島中1−1−1 岡山大学 薬学部内 (72)発明者 杉本 幸雄 岡山県岡山市津島中1−1−1 岡山大学 薬学部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケイ、ヤマモモ、マルバニッケイ、
    アコウ、ヤブニッケイ、ダケカンバ、ナナカマド、シラ
    カバまたはヤマネコヤナギから選択される樹木の樹皮を
    極性溶剤で抽出して得られる樹皮抽出物からなるヒスタ
    ミン遊離抑制剤。
  2. 【請求項2】 極性溶剤が、水、メタノール、エタノー
    ル、イソプロパノール、ブタノール、ブチレングリコー
    ルおよびアセトンから選ばれる1種または2種以上の溶
    剤である請求項1記載のヒスタミン遊離抑制剤。
  3. 【請求項3】 前記樹皮抽出物をスチレンージビニルベ
    ンゼン共重合体系高分子吸着体カラムクロマトグラフィ
    ーに付し、水、20〜50%含水エタノールまたはエタ
    ノールで溶出して得られる請求項1記載のヒスタミン遊
    離抑制剤。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかの項
    に記載のヒスタミン遊離抑制剤を含有する化粧品。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれかの項
    に記載のヒスタミン遊離抑制剤を含有する浴剤。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項3のいずれかの項
    に記載のヒスタミン遊離抑制剤を含有する食品。
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