JPH10287826A - 特定の皮膜形成方法に使用される粉体塗料及びその皮膜形成方法 - Google Patents

特定の皮膜形成方法に使用される粉体塗料及びその皮膜形成方法

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JPH10287826A
JPH10287826A JP11178497A JP11178497A JPH10287826A JP H10287826 A JPH10287826 A JP H10287826A JP 11178497 A JP11178497 A JP 11178497A JP 11178497 A JP11178497 A JP 11178497A JP H10287826 A JPH10287826 A JP H10287826A
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powder
film
particles
powder coating
film forming
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JP11178497A
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Masato Sagawa
眞人 佐川
Osamu Itaya
修 板谷
Akira Fujiwara
晃 藤原
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Intermetallics Co Ltd
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Intermetallics Co Ltd
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な塗装性を有するとともに、密着性に富
む平滑な皮膜が得られる粉体皮膜形成法に好適な粉体塗
料を提供する。 【解決手段】 予め表面に粘着層を有する被塗装物に、
粉体塗料の粒子を皮膜形成媒体を介して付着させる粉体
皮膜形成方法に使用される粉体塗料であって、粒子径が
5.0μm以下である粒子の体積割合が10%以上含ま
れる粉体塗料である。また、この粉体塗料は、粒子径が
20μm以上である粒子の体積割合が10%以下のもの
であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体塗料粒子を皮
膜形成媒体を介して被塗装物に塗布する皮膜形成方法に
使用される粉体塗料、及びその粉体塗料を用いる皮膜形
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体塗料を用いた皮膜形成は、予
め表面に燐酸亜鉛処理、燐酸鉄処理、クロメ−ト処理ま
たはサンドブラスト処理等の前処理が施された金属の被
塗装物に、以下のような皮膜形成法により行われてい
た。 (1)粉体塗料粒子がエアーの力により流動化している
流動槽内に、粉体塗料の融点以上に加熱された被塗装物
を通過させることにより、粉体塗料粒子を瞬時に溶融さ
せて被塗装物の表面に付着させる流動浸漬法。 (2)荷電された粉体塗料粒子がエアーの力により流動
化している流動槽内に、アースを取り付けた被塗装物を
通過させて、粉体塗料粒子を被塗装物の表面に電気的付
着力により付着させる静電流動浸漬法。 (3)粉体塗料粒子を、スプレーガンの内部または吐出
部で荷電させてアースを取り付けた被塗装物に吹き付け
て、被塗装物の表面に電気的付着力により付着させる静
電スプレー塗装法。 従来の上記した粉体皮膜形成法に用いられている粉体塗
料は、いずれも粒子径が5.0μm以下の粒子が、個数
割合では30〜80%程度含むものであるが、体積割合
では僅かに0〜5%程度含まれているに過ぎない。さら
に、これらの粉体塗料には、粒子径が20μm以上の粒
子が体積割合では30〜80%程度も含まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
流動浸漬法は、前記のとおり粉体塗料粒子を被塗装物に
付着させるために、加熱する工程が不可欠であって生産
性に問題がある。また、皮膜形成時に被塗装物を固定す
るための治具が設けられるために、その治具の固定部分
には皮膜が形成されないという問題がある。一方、静電
流動浸漬法及び静電スプレー塗装法には、皮膜形成時に
被塗装物を固定するための治具及びアースが設けられて
いるから、これらの被塗装物の設置箇所には皮膜が形成
されない。そのため、熱処理を施して成膜した後に、皮
膜が形成されていない箇所を補充する作業が必要であ
り、また、その治具及びアースの製造、被塗装物を治具
に脱着する工程、治具及びアースに付着した粉体塗料を
洗浄する工程等も付加されることから、能率的な粉体皮
膜形成法とは言えない。さらに、電気的付着力を利用す
る静電粉体塗装法では、絶縁性の被塗装物に塗装するこ
とは非常に困難であり、また、電気スパーク等により粉
塵爆発を引き起こす危険性を有しているという問題があ
る。本発明者等は、上記した従来の粉体皮膜形成法にお
ける課題を解決するために、先に、新規な粉体皮膜形成
法(特開平5−302176号公報)を提案した。しか
しながら、この粉体皮膜形成法において従来の粉体塗料
を用ると、依然として塗装性が不十分であり、かつ、熱
処理後の皮膜表面は平滑性において満足できるものでは
なかった。本発明は、従来の技術における上記した問題
を解決するためになされたものである。すなわち、本発
明の目的は、良好な塗装性を有するとともに、密着性に
富む平滑な皮膜が得られる粉体皮膜形成法に好適な粉体
塗料を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、その粉体塗料を皮膜形成媒体を介して塗装する際
に、良好な皮膜を容易に形成できる作業性に優れた皮膜
形成方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の粉体塗料は、予
め表面に粘着層を有する被塗装物に、粉体塗料の粒子を
皮膜形成媒体を介して付着させる粉体皮膜形成方法に使
用される粉体塗料であって、粒子径が5.0μm以下で
ある粒子の体積割合が10%以上であることを特徴とす
る。また、その粉体塗料は、粒子径が20μm以上であ
る粒子の体積割合が10%以下であることが好ましい。
本発明の皮膜形成方法は、被塗装物の表面に粘着層を形
成し、得られた被塗装物に粉体塗料の粒子を皮膜形成媒
体を介して付着させる皮膜形成方法において、該粉体塗
料として、粒子径が5.0μm以下である粒子の体積割
合が10%以上のものを用いることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。まず、図1を参照して、本発明の粉
体塗料が使用される皮膜形成方法について説明する。図
1は、本発明の粉体塗料を用いて被塗装物の表面に皮膜
を形成する方法に用いる加震塗装機の一例を示す概略断
面図である。図1に示されているように、加震装置V上
に配置された容器Cに、表面に未硬化樹脂やその他の液
状或いは液状物質等により粘着層が形成された被塗装物
W、後述する粉体塗料及び皮膜形成媒体等の混合体Tを
入れて、加震装置Vを作動させることにより容器Cに振
動を与えて、被塗装物Wの表面に粉体粒子付着層を形成
するものである。
【0006】上記の容器Cは、硬質合成樹脂または金属
等の硬質材等からなっており、上部に開口部c1を有す
る碗状に形成されており、また、その底部c2の中央部
を上方に膨出させることにより、開口部c1と同程度の
高さに到達する柱状部c3が突設されている。加震装置
Vは、機台Fの上に振動板f3が配置されているもので
あり、その機台Fにはコイルスプリングf1及びf2を
設けて振動板f3と連結されている。振動板f3の中央
部から上部に突設して設けられた垂直軸f4の上端部
に、容器Cの柱状部c3が取着されている。また、振動
板f3の中央部から下部にはモーターf5が取着され、
そのモーターf5の出力軸f6には、重錘f7が偏心し
て取着されている。従って、モーターf5を回転させる
ことにより、偏心した重錘f7が回転されて、振動板f
3上に取着された垂直軸f4を介して容器Cが加震され
ることになる。
【0007】本発明の皮膜形成方法に用いられる加震塗
装機は、図1に示されるものに限定されるものではな
く、容器として円筒状容器、箱形容器、螺旋管状容器等
の種々の装置を使用することができる。また、容器を振
動させる代わりに、容器内に振動体を配置して混合体を
振動させることによっても、または混合体を羽根状物で
撹拌させることによっても、被塗装物に皮膜を形成する
ことができる。
【0008】上記の塗装機内においては、被塗装物は粉
体塗料、皮膜形成媒体等と共に加震されることにより、
表面に粘着層が形成された被塗装物には、皮膜形成媒体
を介して粘着層に粉体塗料の粒子(以下、これを「粉体
粒子」ともいう。)が付着する。この付着した粉体粒子
は皮膜形成媒体に叩かれて、粘着層に圧接または圧入さ
れて強固に付着することになる。その後、さらに皮膜形
成媒体に繰り返し叩かれることにより、粘着剤が粉体粒
子付着層の表面に押し出され、その押し出された粘着剤
に、皮膜形成媒体を介してさらに粉体粒子が付着する。
このようにして、被塗装物の表面に粉体粒子の付着が徐
々に進行する。そして、被塗装物の表面の粉体粒子付着
層が、皮膜形成媒体によりさらに叩かれても粘着剤が粉
体粒子付着層の表面に押し出されなくなった時点で、実
質的な粉体粒子の付着工程、すなわち、皮膜形成は終了
する。このようにして形成された粉体粒子付着層には、
粉体粒子が、多層にしかも高密度に充填されているとい
う特徴を有している。
【0009】上記の被塗装物に使用されるものとして
は、工作機械、車両、船舶及び飛行機等の各種部品、家
電部品、電気・電子部品、事務機器部品、家具、建材、
装飾用品、金具、磁石及び玩具等が挙げられる。また、
被塗装物の材質としては、各種金属類、従来では静電粉
体塗装が困難とされていた絶縁材料であるセラミック
ス、ガラス、プラスチック、木材、紙及び無機化合物等
が挙げられる。
【0010】また、上記した皮膜形成方法には、被塗装
物の表面に粉体粒子を付着させるために、予め粘着剤に
よる粘着層が形成されていなければならない。その粘着
剤には、未硬化状態の液状または半液状の樹脂のみなら
ず、その他の一般的な液状または半液状物質を用いるこ
とができる。その粘着剤としては、熱処理時に溶融した
粉体塗料と相溶性が良好であると共に、被塗装物との密
着性に優れているものが好適である。そのためには、粘
着剤中にカップリング剤等の各種添加剤を適宜添加して
もよい。また、粘着剤が、官能基を持つ物質を含む場合
には、その官能基と架橋反応することが可能な官能基を
含有する硬化剤を添加することが好ましい。その粘着剤
が被塗装物と強固に密着していると、熱処理後の皮膜と
被塗装物との間で接着剤的な働きをするために、被塗装
物の表面処理を省くことが可能であり極めて有益であ
る。
【0011】被塗装物の表面に粘着層を形成するには、
被塗装物を粘着剤中に浸漬するか、粘着剤をスプレー等
により被塗装物に吹き付けるか、または刷毛やローラー
等により粘着剤を被塗装物に塗布することにより行う。
その際、この粘着剤が高粘度のものであれば、揮発性の
希釈剤を添加して希釈して使用してもよい。粘着層の膜
厚は、皮膜の膜厚に影響を及ぼすものであるから、粘着
剤の粘度及び粘着力、または粉体塗料及び皮膜形成媒体
の粒子径及び材質等に応じて適宜調整される。
【0012】上記した皮膜形成方法に用いられる皮膜形
成媒体には、打撃力を発生して皮膜形成の媒介を行う機
能と、粉体粒子を被塗装物の表面まで搬送する機能とを
有することが必要である。また、その皮膜形成媒体の寸
法としては、被塗装物よりも実質的に小さく、かつ、粉
体粒子よりは実質的に大きいことが好ましい。被塗装物
よりも大きい皮膜形成媒体では、被塗装物の表面に均一
な打撃を加えることができないため、粉体粒子の付着む
らが発生し、粉体粒子付着層の表面の凹凸が大きくなっ
て、熱処理後の皮膜の表面の平滑性が低下するので好ま
しくない。一方、粉体粒子よりも小さい皮膜形成媒体で
は、皮膜形成時に粘着層中に取り込まれ易くなるので好
ましくない。ただし、皮膜形成媒体は、その中の体積比
で70%以下の範囲であれば、被塗装物よりも大きなも
のが含まれていてもよい。
【0013】その皮膜形成媒体の材質としては、次の条
件を満たすものを採択することが重要である。すなわ
ち、皮膜形成媒体は、皮膜形成に使用後のものを肉眼に
より観察しても大きな形状変化がなく、かつ、皮膜形成
過程において極端に大きな弾性変形が起こらないもので
あることが不可欠であり、また、長期間使用すると若干
の磨耗は避けられないとしても、割れ、欠落、急激な磨
耗等が発生しないものであることが必要である。これら
の要件を満たさない材質の皮膜形成媒体では、被塗装物
との衝突により、塑性変形または大きな弾性変形を起こ
す結果、被塗装物に与える打撃力が不足したり不均一に
なるため、所望の皮膜形成が行われなくなる。また、皮
膜形成媒体が割れたり欠けたりすると、その破片が粉体
付着層内に取り込まれて皮膜欠陥を引き起こすことにな
る。
【0014】皮膜形成媒体の材質としては、上記した要
件を満たすものであり、鉄、炭素鋼、その他の合金鋼、
銅鉱及び銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、
その他の各種金属、Al2 3 、SiO2 、TiO2
ZrO2 、SiC等のセラミックス、ガラス、各種プラ
スチック、各種ゴム、木材等が用いられる。また、皮膜
形成媒体の大きさ及び材質については、被塗装物の形状
及び大きさ、粉体粒子の粒子径及び材質等に応じて適宜
選択される。さらに、皮膜形成媒体には、複数の材質及
び大きさのものを混合して使用することもできるし、ま
た、それらに表面処理、表面皮膜等を施して使用するこ
ともできる。さらにまた、複数の上記材料により構成さ
れた複合皮膜形成媒体を用いてもよい。また、それらの
皮膜形成媒体の形状としては、球状、楕円状、立方体、
三角柱、円柱、円錐、三角錐、四角錐、菱面体、不定型
体等の各種形状のものが用いられ、これらを単独で、ま
たは適宜混合して用いてもよい。
【0015】次に、上記した塗装機等を用いる粉体塗装
により、被塗装物の表面に粉体粒子付着層が形成された
後、例えば、笊のような構造の網状支持部材を用いて、
被塗装物と皮膜形成媒体とを分別する。この分別された
被塗装物には、網状支持部材上に配置した状態で、所定
の温度及び時間、熱処理されることにより成膜が形成さ
れる。この粉体皮膜形成法により被塗装物の表面に形成
された粉体付着層は、粘着剤により被塗装物に強固に付
着しているから、網状支持部材により皮膜形成媒体と分
別されても、粉体粒子付着層は崩壊等を起こさず、した
がって、被塗装物は網状支持部材上に置いた状態で熱処
理が行われる。また、上記の所定の温度及び時間は、粉
体塗料及び粘着剤の構成物質により好適な膜が形成され
る条件に応じて適宜決定される温度及び時間である。粉
体塗料または粘着剤として熱硬化性樹脂が用いられてい
れば、その樹脂が有している官能基が硬化剤の官能基と
十分に架橋反応する温度及び時間であり、また、粉体塗
料及び粘着剤が熱可塑性樹脂であれば、粉体塗料の融点
以上であって、かつ熱分解温度以下の任意の温度及び時
間である。
【0016】以下、本発明の粉体塗料を、上記した皮膜
形成方法に使用する塗装方法について説明する。本発明
の粉体塗料は、予め表面に粘着層を形成させた被塗装物
に、粉体粒子を皮膜形成媒体を介して付着させた後、そ
の被塗装物を熱処理することにより皮膜形成を行う方法
に使用されるものである。本発明における粉体塗料には
公知の樹脂を含むものであり、例えば、エポキシ樹脂、
アクリル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア
樹脂、メラニン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン
樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等の粉体塗料
に通常用いられている樹脂を単独で、または混合して用
いられる。これらの粉体塗料中の樹脂の主成分が熱硬化
性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂が持つ官能基と架
橋反応し得る官能基を持つ硬化剤を用いることが好まし
い。この硬化剤としては、例えば、アミン、アミド、ジ
シアンジアミド、カルボン酸、酸無水物、イソシアネー
ト、ポリスルフィド、酸ジヒドラジド、イミダゾール等
の粉体塗料に用いられている公知の硬化剤を単独で、ま
たは混合して用いられる。また、上記の粉体塗料には、
必要に応じて、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク
等の各種充填剤、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム等の各種増粘剤、酸化チタン、カーボンブラック、酸
化鉄、銅フタロシアニン、アゾ顔料、縮合多環式化合物
顔料等の各種着色剤、ポリアクリル酸ブチルエステル等
のアクリルオリゴマー、シリコーン等の各種流展剤、ベ
ンゾイン等の各種発泡防止剤、さらには硬化促進剤、ワ
ックス、カップリング剤、酸化防止剤、磁性粉、金属粉
等の各種添加剤及び各種機能性材料を適宜添加すること
ができる。
【0017】本発明の粉体塗料を製造するには、上記し
た材料から構成される粉体塗料組成物をミキサーまたは
ブレンダー等を用いて乾式混合した後、ニーダーにより
溶融混練して冷却する。次に、機械式または気流式の粉
砕機を用いて粉砕した後、分級することにより粉体塗料
の粒子を得ることができる。また、本発明においては、
上記の方法により製造されるものの他に、例えば、スプ
レードライ法や重合法によっても、粉体塗料の粒子を製
造することができる。
【0018】本発明の粉体塗料は、上記したように皮膜
形成媒体を介して塗装させる皮膜形成方法に使用するも
のであり、その粉体塗料の粒子径が5.0μm以下であ
る粒子の体積割合が10%以上含まれていることが必要
である。好ましくは、粒子径が5.0μm以下である粒
子の体積割合が20%以上であり、さらに好ましくは3
0%以上である。粒子径が5.0μm以下の粉体塗料の
割合が多ければ多いほど被塗装物の表面に形成された粘
着層に粉体塗料が多層かつ高密度に付着でき、その結
果、平滑性を向上させることができるからである。ま
た、本発明の粉体塗料においては、粒子径が20μm以
上である粒子の体積割合が10%以下であることが好ま
しいが、さらには5%以下、特に0%であることが塗装
面を平滑にできることから好ましい。従来の粉体塗料を
用いる皮膜形成方法では、粉体塗料の粒子径が5.0μ
m以下の小径の粉体粒子の体積割合が高いと、以下に示
す問題を有しているために、その体積割合は少ない方が
好ましいとされていた。すなわち、一般に、粒子径が
5.0μm以下のような小径の粉体粒子は、粉体塗料の
比表面積を増加させるから、ファンデルワールス力等の
粒子間力が増大して凝集し易くなり、粉体塗料の流動性
が低下する。従来の流動浸漬法及び静電流動浸漬法で
は、粉体皮膜の形成時に、粉体塗料を流動槽内で流動化
状態にさせる必要があるが、粒子径が5.0μm以下の
小径の粉体粒子の体積割合が高くなると、上記した理由
から粉体塗料の流動化状態が阻害されて、被塗装物に均
一な皮膜を形成することができなくなる。また、静電流
動浸漬法及び静電スプレー法では、粒子径が5.0μm
以下の小径の粉体粒子は、表面積が小さいため荷電され
難い上に、上記したとおり凝集し易いものであるから、
各々の粉体粒子に均一に荷電させることが困難である。
これらの理由から、従来の粉体塗料は、粒子径が5.0
μm以下の粉体粒子の体積割合が高いと、塗装性が悪化
すると共に、被塗装物に均一な皮膜を形成することがで
きなかった。
【0019】しかしながら、本発明の粉体塗料が使用さ
れる粉体皮膜形成方法では、粉体塗料の粒子を皮膜形成
媒体に付着させて被塗装物の表面まで搬送すると共に、
皮膜形成媒体の打撃力と被塗装物の表面の粘着層の粘着
力により皮膜を形成するものであるために、従来の皮膜
形成法とは異なり、粒子径が5.0μm以下の小径の粉
体粒子は、皮膜形成時に皮膜の形成を促進させる作用を
行うものであるから、その体積割合が多い方が好まし
く、良好な塗装性及び均一な皮膜形成性を得るために
は、少なくともその体積割合が10%以上であることが
必要である。本発明の粉体塗料が使用される粉体皮膜形
成方法では、被塗装物の表面に粉体付着層が形成される
過程において、粒子径が5.0μm以下の比較的小径の
粒子は、それよりも大きな粒子の間隙に入り込み、粉体
粒子付着層内の粉体粒子の充填密度を高める効果があ
る。そのため、粒子径が5.0μm以下の小径の粉体粒
子は、皮膜形成媒体の打撃を受けて、粉体粒子付着層内
の粒子の間隙に存在する粘着剤を、粉体粒子付着層の表
面に押し出す作用を助長させるという利点を有するか
ら、その小径の粉体粒子の体積割合が高いことは、塗装
性を向上させて、均一な皮膜を形成する上に有効であ
る。また、粒子径が5.0μm以下の粉体粒子は、小径
であり軽量であるから、粒子間力及び摩擦帯電による静
電気力により皮膜形成媒体に付着し易い。そのため、皮
膜形成媒体によって被塗装物の表面まで容易に搬送され
て、均一な皮膜形成に好適である。
【0020】これらの理由から、本発明の粉体塗料に
は、粒子径が5.0μm以下の粉体塗料粒子が、体積割
合で10%以上含まれていなければならない。また、こ
の粉体塗料には、粒子径が5.0μm以下の粒子、例え
ば、セラミックス、着色剤、金属粉、架橋樹脂微粒子等
の各種粒子を適宜添加し、ミキサーまたはブレンダー等
を用いてドライブレンドすることによっても同様の効力
を得ることができる。
【0021】また、本発明の粉体塗料が使用される粉体
皮膜形成方法では、さらに粒子径が20μm以上の粉体
粒子の体積割合が10%以下である粉体塗料を用いるこ
とが好ましい。粒子径が20μm以上の粉体粒子は、比
較的大粒径であり重量があるから皮膜形成媒体に付着し
難いばかりでなく、搬送性にも劣るものである。そのた
め、皮膜形成媒体から脱落して塗装機の底部に滞留し、
塗装機内において凝集粉の発生原因となり易い。そし
て、粒子径が20μm以上の粉体粒子は、被塗装物上の
粘着層には付着し難く、また、付着した場合でも粉体粒
子付着層内の粒子の充填密度を低下させて、皮膜形成媒
体の打撃により粘着剤が粉体付着層の表面に押し出すの
を阻害して塗装性を低下させる。さらに、粒子径が20
μm以上の粉体粒子は、粉体付着層の表面の凹凸を大き
くするから、熱処理後の皮膜表面の平滑性を低下させ
る。これらの理由から、本発明の粉体塗料においては、
粒子径が20μm以上の粉体粒子の体積割合は10%以
下であることが望ましい。
【0022】なお、本発明における粉体塗料の粒子径と
は、コールターエレクトロニクス社製のコールターマル
チサイザーIIを用い、粉体塗料を界面活性剤が添加され
ている水中に、超音波分散器を用いて十分に分散させた
後、粉体塗料の濃度を5〜10%に調整し、粉体塗料の
沈降防止のために小型スクリューにより撹拌させた状態
で、直径100μmのアパチャーを用いて測定した測定
値である。
【0023】そして、本発明の粉体塗料の粒子表面に
は、流動性及び貯蔵安定性を向上させるために、シリカ
微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子または金属
石鹸等を、ミキサーまたはブレンダー等を用いてドライ
ブレンドにより付着させてもよいし、また、粉体塗料を
加熱しながら撹拌するか、または粉体塗料に衝撃力或い
は摩擦力等の外力を付与して球形化処理を施してもよ
い。上記の付着とは、粉体塗料の表面に、これらの微粒
子が単に付着しているのみでもよいし、または埋め込ま
れていてもよい。
【0024】
【実施例】以下、実施例等に基づいて本発明の粉体塗
料、及びその粉体塗料を用いる皮膜形成方法について説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。 実施例1 エポキシ樹脂 64.5重量% (商品名:エピコート1004、油化シェルエポキシ社製) 硬化剤(ジシアンジアミド) 1.5重量% 硬化促進剤(イミダゾール) 0.2重量% 流展剤(ポリアクリル酸ブチルエステル) 0.7重量% 発泡防止剤(ベンゾイン) 0.3重量% 着色剤(二酸化チタン) 32.8重量% 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合し
た後、120℃の温度条件下でニーダーを用いて溶融混
練し、これを冷却させた後、気流式の粉砕機により粉砕
させた。次いで、気流式の分級機を用いて粒子径の大き
な粒子を除去することにより粉体塗料を得た。得られた
粉体塗料は、粒子径が5.0μm以下の粒子の体積割合
は48.9%であり、また粒子径が20μm以上の粒子
の体積割合は0.1%であった。
【0025】次に、得られた粉体塗料を用いて、下記の
とおり皮膜形成の塗装試験を行い、その塗装性及び熱処
理後の皮膜表面の平滑性について評価を行った。 (1)被塗装物 被塗装物には、表面処理の施されていない厚さ0.8m
mの鋼板を40×40mmに切断した後、脱脂洗浄した
ものを使用した。 (2)粘着層の形成 粘着剤は、液状エポキシ樹脂と硬化剤とを95:5の比
率で混合したものを、希釈剤により5%に希釈して使用
した。その粘着剤の5%溶液中に被塗装物である上記鋼
板を浸漬した後、取り出してドライアーの温風で30秒
間乾燥させることにより鋼板の表面に粘着層を形成し
た。 (3)塗装機 塗装機には、図1に示すものと同じ構造のものを使用
し、容器Cには容積2.8リットル、深さ150mmの
ものを用いた。 (4)粉体塗料と皮膜形成媒体の混合 容器Cの中には、セラミックスをゴムにより被覆した直
径約1mmの皮膜形成媒体600cc及び粉体塗料15
gを投入し、箆を用いて軽く撹拌混合させた後、容器C
を5分間加震させることにより粉体塗料と皮膜形成媒体
とを均一に撹拌混合させた。 (5)皮膜形成 粉体塗料及び皮膜形成媒体の混合物を入れた容器Cを加
震し、その中に表面に粘着層を形成した鋼板を容器Cに
投入して1分間皮膜形成を行った。その後、その鋼板を
取り出し、目視により鋼板表面の粉体粒子付着層の状態
を評価した。その後、その鋼板を熱風乾燥炉で180℃
で20分間熱処理を行うことにより皮膜を形成させた。
熱処理後の鋼板表面に形成された皮膜の膜厚は、膜厚計
(商品名:LZ−200、KETT社製)を用いて一枚
につき5点測定し、その平均値を皮膜の膜厚とした。ま
た、目視により皮膜表面の平滑性及び碁盤目法(JIS
K−54008,5,1)により塗膜の密着性を評価
した。なお、塗装試験は、5枚の被塗装物で行い、その
平均値を評価結果とした。得られた評価結果を表1に示
す。
【0026】 実施例2 ポリエステル樹脂 79.5重量% (商品名:ER−6680、日本エステル社製) 硬化剤(ブロック化イソシアネート) 14.0重量% 硬化促進剤(ジブチル錫マレート) 0.3重量% 流展剤(ポリアクリル酸ブチルエステル) 0.7重量% 発泡防止剤(ベンゾイン) 0.3重量% 着色剤(カーボンブラック) 5.2重量% 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合し
た後、120℃の温度条件下でニーダーを用いて溶融混
練し、これを冷却させた後、機械式の粉砕機により粉砕
させた。次いで、気流式の分級機を用いて粒子径の大き
な粒子を除去することにより粉体塗料を得た。得られた
粉体塗料は、粒子径が5.0μm以下の粒子の体積割合
は10.9%であり、また粒子径が20μm以上の粒子
の体積割合は9.2%であった。次に、得られた粉体塗
料を用いて、実施例1と全く同様にして皮膜形成の塗装
試験を行い、塗装性及び熱処理後の皮膜表面の平滑性に
ついて評価を行った。
【0027】比較例1 実施例1と同一の原料をスーパーミキサーで混合した
後、120℃の温度条件下でニーダーを用いて溶融混練
し、これを冷却させた後、気流式の粉砕機を用いて粉砕
した。この例では、実施例1の粉体塗料の粒子と比較し
て、粒子径が5.0μm以下の粒子の体積割合が少なく
なるように、粉砕エアー圧を下げて粉砕させた。次い
で、気流式の分級機を用いて粒子形の大きな粒子を除去
することにより粉体塗料を得た。得られた粉体塗料は、
粒子径が5.0μm以下の粒子の体積割合は4.8%で
あり、また粒子径が20μm以上の粒子の体積割合は
9.7%であった。次に、得られた粉体塗料を用いて、
実施例1と全く同様にして皮膜形成の塗装試験を行い、
塗装性及び熱処理後の皮膜表面の平滑性について評価を
行った。
【0028】比較例2 実施例2と同一の原料をスーパーミキサーで混合した
後、120℃の温度条件下でニーダーを用いて溶融混練
し、これを冷却させた後、機械式の粉砕機を用いて粉砕
した。この例では、実施例2の粉体塗料の粒子と比較し
て、粒子径が5.0μm以下の粒子の体積割合が少なく
なるように、粉砕ローターの回転数を少なくして粉砕す
ることにより粉体塗料を得た。得られた粉体塗料は、粒
子径が5.0μm以下の粒子の体積割合は1.5%であ
り、また粒子径が20μm以上の粒子の体積割合は4
5.2%であった。次に、得られた粉体塗料を用いて、
実施例1と全く同様にして皮膜形成の塗装試験を行い、
塗装性及び熱処理後の皮膜表面の平滑性について評価を
行った。
【0029】上記の各実施例及び比較例において得られ
た評価結果を、表1に示す。
【表1】 表1から明らかなように、実施例1及び2では、本発明
の特定の粒子径分布からなる粉体塗料を用いて皮膜形成
することにより、その他の粉体塗料を用いている比較例
1及び2に比べて、良好な塗装性を有するとともに、平
滑な皮膜が形成されている。また、表面処理の施されて
いない被塗装物に対しても、熱処理後の皮膜の密着性は
良好である。
【0030】
【発明の効果】本発明は、予め表面に粘着層を形成させ
た被塗装物に粉体塗料の粒子を皮膜形成媒体を介して付
着させるという特殊な皮膜形成方法に、特定の粒子径分
布を有する粉体塗料を用いるから、塗装性が良好であ
り、表面平滑性及び密着性に優れた皮膜を容易に形成す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の粉体塗料を用いて皮膜形成を行う塗
装機の一例の概略断面図である。
【符号の説明】
C…容器、c1…開口部、c2…底部、c3…柱状部、
V…加震装置、F…機台、f1及びf2…コイルスプリ
ング、f3…振動板、f4…垂直軸、f5…モーター、
f6…出力軸、f7…重錘、T…混合体、W…被塗装
物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板谷 修 京都府京都市西京区松室追上町22番地の1 エリーパート2 401号 インターメタ リックス株式会社内 (72)発明者 藤原 晃 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所化成品事業部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め表面に粘着層を有する被塗装物に、
    粉体塗料の粒子を皮膜形成媒体を介して付着させる皮膜
    形成方法に使用される粉体塗料であって、粒子径が5.
    0μm以下である粒子の体積割合が10%以上であるこ
    とを特徴とする粉体塗料。
  2. 【請求項2】 粒子径が20μm以上である粒子の体積
    割合が10%以下であることを特徴とする請求項1に記
    載の粉体塗料。
  3. 【請求項3】 被塗装物の表面に粘着層を形成し、得ら
    れた被塗装物に粉体塗料の粒子を皮膜形成媒体を介して
    付着させる皮膜形成方法において、該粉体塗料として、
    粒子径が5.0μm以下である粒子の体積割合が10%
    以上のものを用いることを特徴とする皮膜形成方法。
JP11178497A 1997-04-15 1997-04-15 特定の皮膜形成方法に使用される粉体塗料及びその皮膜形成方法 Pending JPH10287826A (ja)

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