JPH10287921A - 鋼材の磁場中熱処理方法 - Google Patents
鋼材の磁場中熱処理方法Info
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- JPH10287921A JPH10287921A JP9111751A JP11175197A JPH10287921A JP H10287921 A JPH10287921 A JP H10287921A JP 9111751 A JP9111751 A JP 9111751A JP 11175197 A JP11175197 A JP 11175197A JP H10287921 A JPH10287921 A JP H10287921A
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- H01F13/003—Methods and devices for magnetising permanent magnets
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
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- C21—METALLURGY OF IRON
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- C21D8/00—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 炭素を0.01〜2.0 mass%含有する固相間
変態を行う鋼材を熱処理するに際し、キュリー点以下の
温度において、絶対値で0.1 T/cm以上 10 T/cm以下の勾
配のある磁場中にて変態させる。 【効果】 磁場勾配を付した強磁場中で熱処理すること
により、鋼材の組織が効果的に微細化され、それに伴い
力学特性が有利に改善される。
変態を行う鋼材を熱処理するに際し、キュリー点以下の
温度において、絶対値で0.1 T/cm以上 10 T/cm以下の勾
配のある磁場中にて変態させる。 【効果】 磁場勾配を付した強磁場中で熱処理すること
により、鋼材の組織が効果的に微細化され、それに伴い
力学特性が有利に改善される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋼材の磁場中熱
処理方法に関し、特に製造過程において固相間変態を行
う低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼、低合金鋼および高合
金鋼等について、その熱処理を特異な磁場印加の下に行
うことにより、鋼組織の改質ひいてはそれに伴う力学特
性の有利な改善を図ろうとするものである。
処理方法に関し、特に製造過程において固相間変態を行
う低炭素鋼、中炭素鋼、高炭素鋼、低合金鋼および高合
金鋼等について、その熱処理を特異な磁場印加の下に行
うことにより、鋼組織の改質ひいてはそれに伴う力学特
性の有利な改善を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】鋼材は、通常の製造条件、すなわち加熱
温度:1200〜1300℃、熱延仕上げ温度:800 〜900 ℃、
巻取り温度:400 〜650 ℃で製造された場合、一般にそ
の組織は、パーライト、ベーナイト、マルテンサイトな
どの相とフェライト相やオーステナイト相との複合組織
になっている。この複合組織の微細構造は、鋼材が高温
から低温に冷却される過程で生じる相変態に依存するこ
とが、はるか以前から知られている。鋼材の強度、延
性、靱性および疲労強度などは、一般に、結晶粒が微細
であるほど、ホールペッチの経験式に従って向上するこ
とが知られているので、鋼材の組成や冷却速度、加工歪
み量の組合わせによって複合組織の構成を制御し、また
組織を微細にして所定の特性が得られるようにされてい
る。
温度:1200〜1300℃、熱延仕上げ温度:800 〜900 ℃、
巻取り温度:400 〜650 ℃で製造された場合、一般にそ
の組織は、パーライト、ベーナイト、マルテンサイトな
どの相とフェライト相やオーステナイト相との複合組織
になっている。この複合組織の微細構造は、鋼材が高温
から低温に冷却される過程で生じる相変態に依存するこ
とが、はるか以前から知られている。鋼材の強度、延
性、靱性および疲労強度などは、一般に、結晶粒が微細
であるほど、ホールペッチの経験式に従って向上するこ
とが知られているので、鋼材の組成や冷却速度、加工歪
み量の組合わせによって複合組織の構成を制御し、また
組織を微細にして所定の特性が得られるようにされてい
る。
【0003】しかしながら、温度や加工のパターンを鋼
材組成毎に工夫して特性の向上を図るという方法は限界
にきており、全く新しい方法が求められている。その方
法の一つとして、外場として磁場を印加する方法が考え
られる。ソ連のSadovskyら(Fiz. Metal. Metalloved.,
12巻(1961)P.302 )は、鋼材に磁場を加えるとマルテ
ンサイト変態の温度が上昇し、マルテンサイト量が増加
することを実験により明らかにした。この効果のメカニ
ズムは、普通の成分の鋼では、オーステナイト相は非磁
性であるのに対し、フェライト相やマルテンサイト相は
強磁性であるため、磁場下では磁気的エネルギーの分だ
け熱力学的自由エネルギーが小さくなる結果、磁場の印
加により、変態の駆動力が高くなって、変態温度が上昇
するというものであった。変態開始温度に及ぼす効果
は、最近の研究によれば、静磁エネルギーによる効果以
外に高磁場帯磁率と強制体積磁歪の効果もあることが明
らかにされている(掛下知行他、日本金属学会報 32 (1
993) P.591。
材組成毎に工夫して特性の向上を図るという方法は限界
にきており、全く新しい方法が求められている。その方
法の一つとして、外場として磁場を印加する方法が考え
られる。ソ連のSadovskyら(Fiz. Metal. Metalloved.,
12巻(1961)P.302 )は、鋼材に磁場を加えるとマルテ
ンサイト変態の温度が上昇し、マルテンサイト量が増加
することを実験により明らかにした。この効果のメカニ
ズムは、普通の成分の鋼では、オーステナイト相は非磁
性であるのに対し、フェライト相やマルテンサイト相は
強磁性であるため、磁場下では磁気的エネルギーの分だ
け熱力学的自由エネルギーが小さくなる結果、磁場の印
加により、変態の駆動力が高くなって、変態温度が上昇
するというものであった。変態開始温度に及ぼす効果
は、最近の研究によれば、静磁エネルギーによる効果以
外に高磁場帯磁率と強制体積磁歪の効果もあることが明
らかにされている(掛下知行他、日本金属学会報 32 (1
993) P.591。
【0004】これらの原理的な研究に触発されて、工業
用普通炭素鋼に磁場を印加して組織変化を調べる研究も
行われている(Pustovoit et al, Metalloved. Term. O
brab. Met. (1979) 22) が、印加磁場が1T(Tは磁場
の強さを表す単位:テスラ)程度と小さく、また磁場印
加の詳細が厳密に調べられていないこともあって、判然
たる効果とは言いがたく、変態に及ぼす磁場の効果を鋼
材の製造プロセスに応用するまでには至っていない。
用普通炭素鋼に磁場を印加して組織変化を調べる研究も
行われている(Pustovoit et al, Metalloved. Term. O
brab. Met. (1979) 22) が、印加磁場が1T(Tは磁場
の強さを表す単位:テスラ)程度と小さく、また磁場印
加の詳細が厳密に調べられていないこともあって、判然
たる効果とは言いがたく、変態に及ぼす磁場の効果を鋼
材の製造プロセスに応用するまでには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述した
現状に鑑み開発されたもので、磁場中では変態の駆動力
が増大するという熱力学の教えを利用して、組織の微細
化とそれに伴う力学特性の有利な改善を可能ならしめた
鋼材の磁場中熱処理方法を提案することを目的とする。
現状に鑑み開発されたもので、磁場中では変態の駆動力
が増大するという熱力学の教えを利用して、組織の微細
化とそれに伴う力学特性の有利な改善を可能ならしめた
鋼材の磁場中熱処理方法を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らは、上記
の目的を達成するために、低炭素鋼をはじめとして、中
炭素鋼、高炭素鋼、低合金鋼、高合金鋼などあらゆる鋼
材について、製造工程において固相間変態が起こると予
想される温度域で、技術の進歩が最近著しい超電導磁石
を用いて強磁場を印加した時の効果について鋭意研究を
行ったところ、強磁場効果は、均一磁場中よりも磁場勾
配のある不均一磁場においてより効果的に発現すること
の知見を得た。また、その効果は、鋼材に同時に歪みを
与えることによって、一層促進されることも併せて見出
した。この発明は、上記の知見に立脚するものである。
の目的を達成するために、低炭素鋼をはじめとして、中
炭素鋼、高炭素鋼、低合金鋼、高合金鋼などあらゆる鋼
材について、製造工程において固相間変態が起こると予
想される温度域で、技術の進歩が最近著しい超電導磁石
を用いて強磁場を印加した時の効果について鋭意研究を
行ったところ、強磁場効果は、均一磁場中よりも磁場勾
配のある不均一磁場においてより効果的に発現すること
の知見を得た。また、その効果は、鋼材に同時に歪みを
与えることによって、一層促進されることも併せて見出
した。この発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0007】すなわち、この発明の要旨構成は次のとお
りである。 1.炭素を0.01〜2.0 mass%含有する鋼材を、キュリー
点以下の温度において、絶対値で0.1 T/cm以上 10 T/cm
以下の勾配のある磁場中において変態させることを特徴
とする鋼材の磁場中熱処理方法(第1発明)。 2.上記の第1発明において、磁場の強さが1〜40Tで
あることを特徴とする鋼材の磁場中熱処理方法(第2発
明)。 3.上記の第1または第2発明において、鋼材に10-4以
上の歪みを付与しつつ磁場中処理を行うことを特徴とす
る鋼材の磁場中熱処理方法(第3発明)。 4.上記の第1、第2または第3発明において、鋼材を
プラスの磁場勾配の空間とマイナスの磁場勾配の空間と
を逐次移動させることを特徴とする鋼材の磁場中熱処理
方法(第4発明)。
りである。 1.炭素を0.01〜2.0 mass%含有する鋼材を、キュリー
点以下の温度において、絶対値で0.1 T/cm以上 10 T/cm
以下の勾配のある磁場中において変態させることを特徴
とする鋼材の磁場中熱処理方法(第1発明)。 2.上記の第1発明において、磁場の強さが1〜40Tで
あることを特徴とする鋼材の磁場中熱処理方法(第2発
明)。 3.上記の第1または第2発明において、鋼材に10-4以
上の歪みを付与しつつ磁場中処理を行うことを特徴とす
る鋼材の磁場中熱処理方法(第3発明)。 4.上記の第1、第2または第3発明において、鋼材を
プラスの磁場勾配の空間とマイナスの磁場勾配の空間と
を逐次移動させることを特徴とする鋼材の磁場中熱処理
方法(第4発明)。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の端緒となった実
験結果について説明する。 〔実験1〕炭素を0.96mass%含有する工業用工具鋼を、
熱間圧延したのち、図1に示す熱処理炉へ装入し、オー
ステナイト化炉で 870℃, 5分間の加熱後、最大8Tの
磁場を印加しつつ、560 ℃の鉛浴に2分間浸漬した。そ
の際、磁場勾配として0、1、10 T/cm の3水準を設定
した。かくして得られた試料の力学特性に関し、ビッカ
ース硬度を測定した結果を図2に示す。同図より明らか
なように、磁場勾配が0T/cmの場合にはビッカース硬度
の改善効果は見られなかったのに対し、1、10 T/cm の
磁場勾配を印加した場合にはそれぞれ、印加磁場の大き
さに応じてビッカース硬度は上昇した。
験結果について説明する。 〔実験1〕炭素を0.96mass%含有する工業用工具鋼を、
熱間圧延したのち、図1に示す熱処理炉へ装入し、オー
ステナイト化炉で 870℃, 5分間の加熱後、最大8Tの
磁場を印加しつつ、560 ℃の鉛浴に2分間浸漬した。そ
の際、磁場勾配として0、1、10 T/cm の3水準を設定
した。かくして得られた試料の力学特性に関し、ビッカ
ース硬度を測定した結果を図2に示す。同図より明らか
なように、磁場勾配が0T/cmの場合にはビッカース硬度
の改善効果は見られなかったのに対し、1、10 T/cm の
磁場勾配を印加した場合にはそれぞれ、印加磁場の大き
さに応じてビッカース硬度は上昇した。
【0009】また、図3(a), (b)にはそれぞれ、磁場勾
配が0T/cmおよび1T/cmで処理した試料の走査型電子顕
微鏡写真を比較して示したが、1T/cmの磁場勾配を印加
した場合には、同図に示すような爆裂的にパーライト変
態した箇所が高密度に存在し、これが硬度上昇の原因と
推察される。
配が0T/cmおよび1T/cmで処理した試料の走査型電子顕
微鏡写真を比較して示したが、1T/cmの磁場勾配を印加
した場合には、同図に示すような爆裂的にパーライト変
態した箇所が高密度に存在し、これが硬度上昇の原因と
推察される。
【0010】前掲図1に示した熱処理炉において、番号
1は液体窒素タンク、2は液体窒素の注入口、3は液体
ヘリウムタンク、4は液体ヘリウムの注入口、5は真空
断熱域、6は室温域、7はオーステナイト化炉、そして
8が超電導マグネットであって、この超電導マグネット
8で励起される磁場領域中には鉛浴炉9が設けられてい
る。被処理材としての鋼材は、上記熱処理炉の上方から
装入され、オーステナイト化炉7で所定温度まで加熱さ
れたのち、磁場領域に導かれ、冷却中または所定の温度
(鉛浴中に保持するなどして)で、所定勾配の磁場が印
加される仕組みになっている。
1は液体窒素タンク、2は液体窒素の注入口、3は液体
ヘリウムタンク、4は液体ヘリウムの注入口、5は真空
断熱域、6は室温域、7はオーステナイト化炉、そして
8が超電導マグネットであって、この超電導マグネット
8で励起される磁場領域中には鉛浴炉9が設けられてい
る。被処理材としての鋼材は、上記熱処理炉の上方から
装入され、オーステナイト化炉7で所定温度まで加熱さ
れたのち、磁場領域に導かれ、冷却中または所定の温度
(鉛浴中に保持するなどして)で、所定勾配の磁場が印
加される仕組みになっている。
【0011】〔実験2〕共析組成のピアノ線材を、大気
炉中 900℃でオーステナイト化した後、700 ℃において
印加磁場:8T、磁場勾配:1 T/cm の磁場中に10分間
保持したのち、室温まで冷却した。比較のため、印加磁
場は8Tではあるが磁場勾配がほとんどゼロの状態とゼ
ロ磁場の条件で同様の処理を施した試料2種類を作成し
た。各試料の力学特性をビッカース硬度で測定したとこ
ろ、それぞれ、420 、360、355 であり、磁場勾配を付
与した条件で強磁場を印加した場合に、特に良好な硬度
の上昇効果が認められた。
炉中 900℃でオーステナイト化した後、700 ℃において
印加磁場:8T、磁場勾配:1 T/cm の磁場中に10分間
保持したのち、室温まで冷却した。比較のため、印加磁
場は8Tではあるが磁場勾配がほとんどゼロの状態とゼ
ロ磁場の条件で同様の処理を施した試料2種類を作成し
た。各試料の力学特性をビッカース硬度で測定したとこ
ろ、それぞれ、420 、360、355 であり、磁場勾配を付
与した条件で強磁場を印加した場合に、特に良好な硬度
の上昇効果が認められた。
【0012】〔実験3〕上記〔実験2〕で用いたのと同
じピアノ線をオーステナイト化した後、10-4の捩じり歪
みを加えつつ、700 ℃において印加磁場:8T、磁場勾
配:1 T/cm の磁場中に10分間保持したのち、室温まで
冷却した試料の硬度を、ビッカース硬度で測定したとこ
ろ、435 の値を得た。この実験によって、歪みが存在す
ると、磁場勾配付き強磁場印加の効果が一層促進される
ことが判明した。
じピアノ線をオーステナイト化した後、10-4の捩じり歪
みを加えつつ、700 ℃において印加磁場:8T、磁場勾
配:1 T/cm の磁場中に10分間保持したのち、室温まで
冷却した試料の硬度を、ビッカース硬度で測定したとこ
ろ、435 の値を得た。この実験によって、歪みが存在す
ると、磁場勾配付き強磁場印加の効果が一層促進される
ことが判明した。
【0013】〔実験4〕炭素濃度:0.4 mass%の鋼材
を、オーステナイト組織から冷却する際、磁場の強さが
10Tで、磁場勾配がプラス5T/cmの領域を通過させた試
料とマイナス5T/cmの領域を通過させた試料の引張り強
度とシャルピー衝撃値について調べたところ、いずれも
それぞれ 1.1±0.1 GPa, 30±2 J/cm2 であり、ゼロ磁
場かつゼロ磁場勾配の条件下で製造された試料の測定値
0.7±0.1 GPa, 10±1 J/cm2 よりも大幅に改善されて
いた。この実験によって、磁場勾配の符号は効果に関係
がないことが判り、鋼板や線・棒の連続磁場中熱処理に
プラスとマイナスが交互に連続した磁場勾配の設備が可
能であると推定された。
を、オーステナイト組織から冷却する際、磁場の強さが
10Tで、磁場勾配がプラス5T/cmの領域を通過させた試
料とマイナス5T/cmの領域を通過させた試料の引張り強
度とシャルピー衝撃値について調べたところ、いずれも
それぞれ 1.1±0.1 GPa, 30±2 J/cm2 であり、ゼロ磁
場かつゼロ磁場勾配の条件下で製造された試料の測定値
0.7±0.1 GPa, 10±1 J/cm2 よりも大幅に改善されて
いた。この実験によって、磁場勾配の符号は効果に関係
がないことが判り、鋼板や線・棒の連続磁場中熱処理に
プラスとマイナスが交互に連続した磁場勾配の設備が可
能であると推定された。
【0014】上述したとおり、鋼材の高温からの冷却時
に磁場勾配を付した強磁場を付加することにより力学特
性を効果的に向上させることができる。なお、このよう
な磁場勾配付き強磁場印加効果は、従来知られてなく、
この発明ではじめて発見されたものある。
に磁場勾配を付した強磁場を付加することにより力学特
性を効果的に向上させることができる。なお、このよう
な磁場勾配付き強磁場印加効果は、従来知られてなく、
この発明ではじめて発見されたものある。
【0015】
【作用】磁場勾配を付した強磁場を付加することにより
力学特性が改善される機構は、まだ明確に解明されたわ
けではないが、以下のようなモデルで推察することが可
能である。すなわち、キュリー温度以下のフェライト相
が強磁性になる温度で強磁場を印加すると、主として静
磁エネルギーの効果によって自由エネルギーが低下し
(C.Zener. Trans AIME, 203 (1955) P.619 ) 、常磁性
のオーステナイト相からの変態の駆動力が大きくなる。
しかし、変態の核発生点は、転位、粒界、介在物などの
格子不整のある場所とされているものの、均一な磁場が
印加されて電子系の駆動エネルギーが大きくなっただけ
では、変態が促進されるとは限らない。電子系と格子系
のカップリングが大きい場合には、磁場によって電子系
の自由エネルギーが下がると相変態が誘起されるが、鉄
鋼材料ではそうはならないと考えられる。
力学特性が改善される機構は、まだ明確に解明されたわ
けではないが、以下のようなモデルで推察することが可
能である。すなわち、キュリー温度以下のフェライト相
が強磁性になる温度で強磁場を印加すると、主として静
磁エネルギーの効果によって自由エネルギーが低下し
(C.Zener. Trans AIME, 203 (1955) P.619 ) 、常磁性
のオーステナイト相からの変態の駆動力が大きくなる。
しかし、変態の核発生点は、転位、粒界、介在物などの
格子不整のある場所とされているものの、均一な磁場が
印加されて電子系の駆動エネルギーが大きくなっただけ
では、変態が促進されるとは限らない。電子系と格子系
のカップリングが大きい場合には、磁場によって電子系
の自由エネルギーが下がると相変態が誘起されるが、鉄
鋼材料ではそうはならないと考えられる。
【0016】磁場勾配の存在が必須である理由について
は、磁場勾配によって局所的な力が格子不整のある場所
に働き、その力が引き金となって、本来もっと低温でア
クティブになるはずの格子不整点でも変態が進むと考え
られる。また、磁場勾配と同時に応力を付加して歪みを
与えることが有効であるのは、歪みによって格子不整点
が磁場勾配に対して活性化されたり、格子不整の密度が
増加するためとして説明できる。一旦、変態が臨界値を
越えると、駆動エネルギーが強磁場で大きくなった分だ
け、変態は局所的に進行し、ある場合には爆裂的な組織
を形成して、強度や靱性に優れる組織を形成すると考え
る。以上が今の時点でのモデルである。なお、磁場勾配
効果の詳細な機構については、将来、ミクロマグネテイ
ックな磁気回路計算が不均質組織磁性材料に適用されて
解明が進むと期待される。
は、磁場勾配によって局所的な力が格子不整のある場所
に働き、その力が引き金となって、本来もっと低温でア
クティブになるはずの格子不整点でも変態が進むと考え
られる。また、磁場勾配と同時に応力を付加して歪みを
与えることが有効であるのは、歪みによって格子不整点
が磁場勾配に対して活性化されたり、格子不整の密度が
増加するためとして説明できる。一旦、変態が臨界値を
越えると、駆動エネルギーが強磁場で大きくなった分だ
け、変態は局所的に進行し、ある場合には爆裂的な組織
を形成して、強度や靱性に優れる組織を形成すると考え
る。以上が今の時点でのモデルである。なお、磁場勾配
効果の詳細な機構については、将来、ミクロマグネテイ
ックな磁気回路計算が不均質組織磁性材料に適用されて
解明が進むと期待される。
【0017】次に、この発明において、製造条件を前記
の範囲に限定した理由について説明する。まず、この発
明において、鋼材中の炭素量を0.01〜2.0 mass%の範囲
に限定した理由は、次のとおりである。炭素は、状態図
からみて固相間変態を生じさせるために不可欠なだけで
なく、熱延組織、冷延組織の均一微細化にも有用な元素
である。その下限量は、鉄−炭素系状態図と窒素などの
炭素と等価な効果を持つ不可避不純物元素の存在とを勘
案して0.01mass%とした。また上限を2.0 mass%とした
のは、その値を超えると初析セメンタイトの生成量が多
くなり、鋼材の著しい脆化を招くからである。
の範囲に限定した理由について説明する。まず、この発
明において、鋼材中の炭素量を0.01〜2.0 mass%の範囲
に限定した理由は、次のとおりである。炭素は、状態図
からみて固相間変態を生じさせるために不可欠なだけで
なく、熱延組織、冷延組織の均一微細化にも有用な元素
である。その下限量は、鉄−炭素系状態図と窒素などの
炭素と等価な効果を持つ不可避不純物元素の存在とを勘
案して0.01mass%とした。また上限を2.0 mass%とした
のは、その値を超えると初析セメンタイトの生成量が多
くなり、鋼材の著しい脆化を招くからである。
【0018】なお、この発明で対象とする鋼材は、炭素
量が上記した0.01〜2.0 mass%の範囲を満足し、加熱後
の冷却時に固相間変態が起こるものでありさえすれば、
いずれでも良い。従って、この発明は、低炭素鋼から、
中炭素鋼、高炭素鋼、さらには低合金鋼(例えば Ni-Cr
-Mo-V鋼)、高合金鋼(例えばフェライト系ステンレス
鋼、マルテンサント系ステンレス鋼)まで、広範囲にわ
たって適用することができる。
量が上記した0.01〜2.0 mass%の範囲を満足し、加熱後
の冷却時に固相間変態が起こるものでありさえすれば、
いずれでも良い。従って、この発明は、低炭素鋼から、
中炭素鋼、高炭素鋼、さらには低合金鋼(例えば Ni-Cr
-Mo-V鋼)、高合金鋼(例えばフェライト系ステンレス
鋼、マルテンサント系ステンレス鋼)まで、広範囲にわ
たって適用することができる。
【0019】次に、磁場勾配の大きさを、絶対値で0.1
T/cm以上 10 T/cm以下とした理由は、まず磁場勾配の効
果はその絶対値で決まるので、プラス、マイナスのいず
れもかまわないが、0.1 T/cm未満では磁場印加の効果が
見られず、一方 10 T/cmを超えるとその効果は飽和に達
するので、磁場勾配の大きさは0.1 T/cm以上 10 T/cm以
下の範囲に限定した。
T/cm以上 10 T/cm以下とした理由は、まず磁場勾配の効
果はその絶対値で決まるので、プラス、マイナスのいず
れもかまわないが、0.1 T/cm未満では磁場印加の効果が
見られず、一方 10 T/cmを超えるとその効果は飽和に達
するので、磁場勾配の大きさは0.1 T/cm以上 10 T/cm以
下の範囲に限定した。
【0020】磁場を印加する鋼材の温度範囲をキュリー
点(770 ℃)以下とした理由は、キュリー温度以上では
磁気エネルギーの効果が生じないからである。
点(770 ℃)以下とした理由は、キュリー温度以上では
磁気エネルギーの効果が生じないからである。
【0021】また、この発明では、上記した磁場勾配さ
え付加しておけば、磁場の強さは特に限定されることは
ないが、磁場の強さが1T未満では磁気的効果が小さく
実用的でないので、磁場の強さは1T以上とするのが好
ましい。また、上限については、室温以上の大空間に工
業的に発生可能な磁場の強さは40Tが限界と予想され
る。なお、磁場については、直流磁場でも交流磁場でも
いずれでもかまわないが、制御のし易さからは直流磁場
の方が好適である。
え付加しておけば、磁場の強さは特に限定されることは
ないが、磁場の強さが1T未満では磁気的効果が小さく
実用的でないので、磁場の強さは1T以上とするのが好
ましい。また、上限については、室温以上の大空間に工
業的に発生可能な磁場の強さは40Tが限界と予想され
る。なお、磁場については、直流磁場でも交流磁場でも
いずれでもかまわないが、制御のし易さからは直流磁場
の方が好適である。
【0022】さらに、磁場と共に、副次的に鋼材に与え
る歪み量を10-4以上とした理由は、それ以下の歪み量で
は磁場効果の発現を補強する効果が小さいからである。
る歪み量を10-4以上とした理由は、それ以下の歪み量で
は磁場効果の発現を補強する効果が小さいからである。
【0023】
実施例1 表1に示す成分組成になる鋼素材を、熱間加工により
1.5〜10mm径の鋼線材としたのち、 800〜400 ℃の温度
範囲について表2に示す磁場印加条件下で2〜10℃/s
の速度で冷却した。かくして得られた鋼線材の引張り強
さと伸びについて調べた結果を表2に併記する。なお、
表2には、比較のため、均一磁場下やゼロ磁場下で冷却
して場合の調査結果も併せて示す。
1.5〜10mm径の鋼線材としたのち、 800〜400 ℃の温度
範囲について表2に示す磁場印加条件下で2〜10℃/s
の速度で冷却した。かくして得られた鋼線材の引張り強
さと伸びについて調べた結果を表2に併記する。なお、
表2には、比較のため、均一磁場下やゼロ磁場下で冷却
して場合の調査結果も併せて示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表2中、No.1〜10は第2発明、また No.15
は第1発明の条件を満足する成分組成、磁場勾配および
磁場の強さで処理した例であるが、いずれも均一磁場下
やゼロ磁場下で処理した場合と比較すると、強度および
伸びともに向上している。なお、比較例No.11, 12 は、
炭素濃度が0.01%より小さいと、磁場印加効果が現れな
いことを示している。また比較例No.20 は、鋼材中の炭
素濃度が 2.0mass%を超えると脆化をきたし、磁場処理
に耐え得ないことを示している。
は第1発明の条件を満足する成分組成、磁場勾配および
磁場の強さで処理した例であるが、いずれも均一磁場下
やゼロ磁場下で処理した場合と比較すると、強度および
伸びともに向上している。なお、比較例No.11, 12 は、
炭素濃度が0.01%より小さいと、磁場印加効果が現れな
いことを示している。また比較例No.20 は、鋼材中の炭
素濃度が 2.0mass%を超えると脆化をきたし、磁場処理
に耐え得ないことを示している。
【0027】実施例2 表3に示す組成の鋼素材を、1000℃以上、1300℃以下の
温度に加熱し、仕上げ圧延温度が:Ar1点+100 ℃〜A
r1点+200 ℃の条件下で熱間圧延した後、磁場勾配のあ
る強磁場空間を通過させつつ冷却し、 400〜550 ℃で巻
き取った。ついで、常法に従って酸洗したのち、1パス
毎の圧延方向が45°以上異なるように少なくとも2パス
以上で合計圧下率が80%以上の冷間圧延を施し、引き続
き5℃/s以上の加熱速度で再結晶温度以上、Ac1点以
下の温度に加熱し、その温度範囲に10〜300 秒間保持し
たのち、冷却して、超微細な球状セメンタイトがフェラ
イトの微細粒組織に分散した金属組織を有する鋼板を作
製した。また、磁場勾配と歪みの複合効果を調べるため
に、一部の試料ついては、磁場空間を通過時に鋼板に引
っ張り歪みを同時に印加する方法も試みた。
温度に加熱し、仕上げ圧延温度が:Ar1点+100 ℃〜A
r1点+200 ℃の条件下で熱間圧延した後、磁場勾配のあ
る強磁場空間を通過させつつ冷却し、 400〜550 ℃で巻
き取った。ついで、常法に従って酸洗したのち、1パス
毎の圧延方向が45°以上異なるように少なくとも2パス
以上で合計圧下率が80%以上の冷間圧延を施し、引き続
き5℃/s以上の加熱速度で再結晶温度以上、Ac1点以
下の温度に加熱し、その温度範囲に10〜300 秒間保持し
たのち、冷却して、超微細な球状セメンタイトがフェラ
イトの微細粒組織に分散した金属組織を有する鋼板を作
製した。また、磁場勾配と歪みの複合効果を調べるため
に、一部の試料ついては、磁場空間を通過時に鋼板に引
っ張り歪みを同時に印加する方法も試みた。
【0028】かくして、得られた鋼板の引張り強度、伸
びおよびシャルピー衝撃値について調査した結果を、表
4に示す。なお、表4には、比較のため、磁場がゼロで
ある以外は同じ条件で作製した鋼板の調査結果も併せて
示す。
びおよびシャルピー衝撃値について調査した結果を、表
4に示す。なお、表4には、比較のため、磁場がゼロで
ある以外は同じ条件で作製した鋼板の調査結果も併せて
示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】No.1〜8は素材Gについての結果である。
No.1もNo.2も磁場勾配と強磁場の両方が存在すると引張
強度、伸び、シャルピー衝撃値の3つの機械的特性がバ
ランス良く向上することを示している。No.1とNo.2のデ
ータを詳細に比較すると、特性向上には静磁場の大きさ
よりも磁場勾配の大きさのほうがより有効であると考え
られる。No.3もNo.4も磁場処理による特性向上を示した
データであるが、No.4では磁場と歪みの複合の効果が示
されている。No.5は、印加歪みを一桁大きくした場合で
あり、特性の向上がさらに大きいことが判る。No.6は従
来の技術で製造した場合、またNo.7は適正範囲を外れた
磁場条件下で製造した場合であるが、No.7ではNo.6に対
し、特性の改善はほとんど見られない。No.8は複合印加
する歪みの量が1×10-4未満では複合効果に乏しいこと
を示している。
No.1もNo.2も磁場勾配と強磁場の両方が存在すると引張
強度、伸び、シャルピー衝撃値の3つの機械的特性がバ
ランス良く向上することを示している。No.1とNo.2のデ
ータを詳細に比較すると、特性向上には静磁場の大きさ
よりも磁場勾配の大きさのほうがより有効であると考え
られる。No.3もNo.4も磁場処理による特性向上を示した
データであるが、No.4では磁場と歪みの複合の効果が示
されている。No.5は、印加歪みを一桁大きくした場合で
あり、特性の向上がさらに大きいことが判る。No.6は従
来の技術で製造した場合、またNo.7は適正範囲を外れた
磁場条件下で製造した場合であるが、No.7ではNo.6に対
し、特性の改善はほとんど見られない。No.8は複合印加
する歪みの量が1×10-4未満では複合効果に乏しいこと
を示している。
【0032】No.9〜18は素材Hについての結果、また N
o.19〜21は素材Iについての結果であるが、両者とも素
材Gとほぼ同様な効果を実証している。
o.19〜21は素材Iについての結果であるが、両者とも素
材Gとほぼ同様な効果を実証している。
【0033】実施例3 C:0.12mass%、Si:0.25mass%、Mn:1.2 mass%、
P:0.005 mass%、S:0.0035mass%、窒素:0.004 ma
ss%およびAl:0.01mass%を含有し、残部は実質的にFe
の組成になる厚さ:20mmの熱間圧延部材を、サブマージ
ドアーク溶接法で接合し、この溶接部を磁場勾配:2T/
cmでかつ磁場強度が1Tの磁場中において冷却した。こ
の際、強力な超音波振動によって、溶接部に歪み振幅:
10-4を与えつつ磁場中冷却することも行った。室温まで
冷却後に溶接熱影響部から試験片を切り出してシャルピ
ー試験を行い、脆性遷移温度を調べた。比較のため、常
法による溶接を行った場合についての脆性遷移温度につ
いても調査した。
P:0.005 mass%、S:0.0035mass%、窒素:0.004 ma
ss%およびAl:0.01mass%を含有し、残部は実質的にFe
の組成になる厚さ:20mmの熱間圧延部材を、サブマージ
ドアーク溶接法で接合し、この溶接部を磁場勾配:2T/
cmでかつ磁場強度が1Tの磁場中において冷却した。こ
の際、強力な超音波振動によって、溶接部に歪み振幅:
10-4を与えつつ磁場中冷却することも行った。室温まで
冷却後に溶接熱影響部から試験片を切り出してシャルピ
ー試験を行い、脆性遷移温度を調べた。比較のため、常
法による溶接を行った場合についての脆性遷移温度につ
いても調査した。
【0034】その結果、常法に従い処理した試験片の脆
性遷移温度は−60℃にすぎなかったのに対し、磁場中冷
却を行った溶接試験片の脆性遷移温度は−160 ℃であ
り、強力超音波を複合印加した場合はさらに改善されて
−190 ℃であった。なお、顕微鏡観察の結果、磁場中冷
却により、微細なフェライト組織が形成されていること
が確認され、これにより遷移温度が低下したものと考え
られる。
性遷移温度は−60℃にすぎなかったのに対し、磁場中冷
却を行った溶接試験片の脆性遷移温度は−160 ℃であ
り、強力超音波を複合印加した場合はさらに改善されて
−190 ℃であった。なお、顕微鏡観察の結果、磁場中冷
却により、微細なフェライト組織が形成されていること
が確認され、これにより遷移温度が低下したものと考え
られる。
【0035】実施例4 厚さ:2mmに熱間圧延した薄鋼板(その組成は表1の鋼
Cに同じ)について、2T/cmと−2T/cmの磁場勾配が交
互に50周期連続する5Tの磁場空間中を連続的に20m/分の
速度で通過させた。この時、入側温度は 800〜750 ℃で
出側温度は 700〜600 ℃とした。なお、比較のため、磁
場勾配がない均一な5Tの磁場である以外は同じ条件で
鋼板を処理した。コイルに巻き取った後、室温で引張り
強度と伸びを測定したところ、磁場勾配中で処理した板
は、それぞれ1250 MPa、20%であったのに対し、磁場勾
配がない磁場処理では、820MPa、10%にすぎなかった。
この結果から、正負の磁場勾配が交互に連続する強磁場
空間の配置を用いた、工業滴規模での磁場勾配下強磁場
処理の可能性が現実のものとなった。
Cに同じ)について、2T/cmと−2T/cmの磁場勾配が交
互に50周期連続する5Tの磁場空間中を連続的に20m/分の
速度で通過させた。この時、入側温度は 800〜750 ℃で
出側温度は 700〜600 ℃とした。なお、比較のため、磁
場勾配がない均一な5Tの磁場である以外は同じ条件で
鋼板を処理した。コイルに巻き取った後、室温で引張り
強度と伸びを測定したところ、磁場勾配中で処理した板
は、それぞれ1250 MPa、20%であったのに対し、磁場勾
配がない磁場処理では、820MPa、10%にすぎなかった。
この結果から、正負の磁場勾配が交互に連続する強磁場
空間の配置を用いた、工業滴規模での磁場勾配下強磁場
処理の可能性が現実のものとなった。
【0036】
【発明の効果】かくして、この発明に従い、磁場勾配を
付した強磁場中で熱処理を行うことにより、鋼材の組織
を有利に改質して、力学特性の格段の向上を達成するこ
とができる。
付した強磁場中で熱処理を行うことにより、鋼材の組織
を有利に改質して、力学特性の格段の向上を達成するこ
とができる。
【図1】この発明の実施に用いて好適な熱処理炉の模式
図である。
図である。
【図2】鋼材のビッカース硬度及ぼす磁場勾配の効果を
示した図である。
示した図である。
【図3】磁場勾配が0T/cm(図a)および1T/cm(図
b)で処理した試料の顕微鏡組織写真である。
b)で処理した試料の顕微鏡組織写真である。
1 液体窒素タンク 2 液体窒素の注入口 3 液体ヘリウムタンク 4 液体ヘリウムの注入口 5 真空断熱域 6 室温域 7 オーステナイト化炉 8 超電導マグネット 9 鉛浴炉
Claims (4)
- 【請求項1】 炭素を0.01〜2.0 mass%含有する鋼材
を、キュリー点以下の温度において、絶対値で0.1 T/cm
以上 10 T/cm以下の勾配のある磁場中において変態させ
ることを特徴とする鋼材の磁場中熱処理方法。 - 【請求項2】 請求項1において、磁場の強さが1〜40
Tであることを特徴とする鋼材の磁場中熱処理方法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、鋼材に10-4
以上の歪みを付与しつつ磁場中処理を行うことを特徴と
する鋼材の磁場中熱処理方法。 - 【請求項4】 請求項1,2または3において、鋼材を
プラスの磁場勾配の空間とマイナスの磁場勾配の空間と
を逐次移動させることを特徴とする鋼材の磁場中熱処理
方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9111751A JPH10287921A (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 鋼材の磁場中熱処理方法 |
| US09/058,830 US5885370A (en) | 1997-04-15 | 1998-04-13 | Method of heat treatment of steel |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9111751A JPH10287921A (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 鋼材の磁場中熱処理方法 |
| US09/058,830 US5885370A (en) | 1997-04-15 | 1998-04-13 | Method of heat treatment of steel |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10287921A true JPH10287921A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=26451082
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9111751A Withdrawn JPH10287921A (ja) | 1997-04-15 | 1997-04-15 | 鋼材の磁場中熱処理方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5885370A (ja) |
| JP (1) | JPH10287921A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7056396B2 (en) | 1998-10-09 | 2006-06-06 | Sambo Copper Alloy Co., Ltd. | Copper/zinc alloys having low levels of lead and good machinability |
| JP2010048478A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Kobe Steel Ltd | 真空炉及びこの真空炉を用いた磁場中加熱処理装置 |
| US7883589B2 (en) | 2005-09-22 | 2011-02-08 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Free-cutting copper alloy containing very low lead |
| JP2011252205A (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-15 | Nippon Steel Corp | 強磁場による鋼材の材質制御方法 |
| US8506730B2 (en) | 1998-10-09 | 2013-08-13 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Copper/zinc alloys having low levels of lead and good machinability |
| WO2017047262A1 (ja) * | 2015-09-15 | 2017-03-23 | 株式会社日立製作所 | 二相ステンレス鋼製造物およびその製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
| JP4691240B2 (ja) * | 1999-12-17 | 2011-06-01 | Jfeスチール株式会社 | 複相組織鋼の組織制御方法 |
| US6632301B2 (en) | 2000-12-01 | 2003-10-14 | Benton Graphics, Inc. | Method and apparatus for bainite blades |
| US7063752B2 (en) * | 2001-12-14 | 2006-06-20 | Exxonmobil Research And Engineering Co. | Grain refinement of alloys using magnetic field processing |
| US6773513B2 (en) * | 2002-08-13 | 2004-08-10 | Ut-Battelle Llc | Method for residual stress relief and retained austenite destabilization |
| US7713888B2 (en) * | 2004-05-24 | 2010-05-11 | Ashkenazi Brian I | Magnetic processing of electronic materials |
| US7161124B2 (en) * | 2005-04-19 | 2007-01-09 | Ut-Battelle, Llc | Thermal and high magnetic field treatment of materials and associated apparatus |
| US7686895B2 (en) * | 2007-01-31 | 2010-03-30 | Caterpillar Inc. | Method of improving mechanical properties of gray iron |
| EP2307581A1 (en) * | 2008-06-30 | 2011-04-13 | Eaton Corporation | Continuous production system for magnetic processing of metals and alloys to tailor next generation materials |
| FR2948688B1 (fr) | 2009-07-31 | 2012-02-03 | Centre Nat Rech Scient | Procede et dispositif de traitement d'un materiau sous l'effet d'un champ magnetique |
| US8920023B2 (en) * | 2010-08-06 | 2014-12-30 | Victor Sloan | Cryogenic non destructive testing (NDT) and material treatment |
| US9217187B2 (en) * | 2012-07-20 | 2015-12-22 | Ut-Battelle, Llc | Magnetic field annealing for improved creep resistance |
| JP6063845B2 (ja) * | 2013-09-06 | 2017-01-18 | 株式会社日立製作所 | 構造体およびその製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
| US4649248A (en) * | 1984-06-05 | 1987-03-10 | Allied Corporation | Annealing furnace for annealing magnetic cores in a magnetic field |
| WO1986002105A1 (fr) * | 1984-09-28 | 1986-04-10 | Nippon Kokan Kabushiki Kaisha | Procede de production de fines plaques d'acier magnetique possedant une permeabilite elevee |
| US4877464A (en) * | 1986-06-09 | 1989-10-31 | Allied-Signal Inc. | Rapid magnetic annealing of amorphous metal in molten tin |
| US5089060A (en) * | 1990-09-28 | 1992-02-18 | General Motors Corporation | Thermomagnetically patterned magnets and method of making same |
| US5225005A (en) * | 1991-03-28 | 1993-07-06 | Cooper Power Systems, Inc. | Method of annealing/magnetic annealing of amorphous metal in a fluidized bed and apparatus therefor |
-
1997
- 1997-04-15 JP JP9111751A patent/JPH10287921A/ja not_active Withdrawn
-
1998
- 1998-04-13 US US09/058,830 patent/US5885370A/en not_active Expired - Lifetime
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| US7056396B2 (en) | 1998-10-09 | 2006-06-06 | Sambo Copper Alloy Co., Ltd. | Copper/zinc alloys having low levels of lead and good machinability |
| US8506730B2 (en) | 1998-10-09 | 2013-08-13 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Copper/zinc alloys having low levels of lead and good machinability |
| US7883589B2 (en) | 2005-09-22 | 2011-02-08 | Mitsubishi Shindoh Co., Ltd. | Free-cutting copper alloy containing very low lead |
| JP2010048478A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Kobe Steel Ltd | 真空炉及びこの真空炉を用いた磁場中加熱処理装置 |
| JP2011252205A (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-15 | Nippon Steel Corp | 強磁場による鋼材の材質制御方法 |
| WO2017047262A1 (ja) * | 2015-09-15 | 2017-03-23 | 株式会社日立製作所 | 二相ステンレス鋼製造物およびその製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5885370A (en) | 1999-03-23 |
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