JPH10288799A - 光導波回路及び非線形光学装置 - Google Patents
光導波回路及び非線形光学装置Info
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- JPH10288799A JPH10288799A JP9096161A JP9616197A JPH10288799A JP H10288799 A JPH10288799 A JP H10288799A JP 9096161 A JP9096161 A JP 9096161A JP 9616197 A JP9616197 A JP 9616197A JP H10288799 A JPH10288799 A JP H10288799A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 複雑形状でも光導波路が簡便に書き込まれた
光導波回路を得る。 【解決手段】 非線形光学効果を呈するガラス材料を基
体又は基体の一部とし、レーザ光の集光照射によって屈
折率を変化させた部分が光導波路として基体内部に形成
されていることを特徴とする。ガラス材料としては、酸
化物ガラス,ハロゲン化物ガラス,硫化物ガラス,カル
コゲナイドガラス等が使用される。光導波路は、たとえ
ば二股状に分岐され、分岐した一方の光導波路が非線形
光学効果を呈するガラス材料の内部に形成されている。 【効果】 光カーシャッタ型スイッチ,マッハ・チェン
ダー型スイッチ,方向性結合器型スイッチ等に組み込ま
れ、応答性の高い光スイッチを構成する。
光導波回路を得る。 【解決手段】 非線形光学効果を呈するガラス材料を基
体又は基体の一部とし、レーザ光の集光照射によって屈
折率を変化させた部分が光導波路として基体内部に形成
されていることを特徴とする。ガラス材料としては、酸
化物ガラス,ハロゲン化物ガラス,硫化物ガラス,カル
コゲナイドガラス等が使用される。光導波路は、たとえ
ば二股状に分岐され、分岐した一方の光導波路が非線形
光学効果を呈するガラス材料の内部に形成されている。 【効果】 光カーシャッタ型スイッチ,マッハ・チェン
ダー型スイッチ,方向性結合器型スイッチ等に組み込ま
れ、応答性の高い光スイッチを構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光データ処理,情報処
理,光通信システム等の光スイッチ,光メモリ,光信号
演算処理装置等として有用な光デバイスに関する。
理,光通信システム等の光スイッチ,光メモリ,光信号
演算処理装置等として有用な光デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】非線形光学効果を利用した光スイッチ等
の光デバイスとして、たとえば光カーシャッタスイッ
チ,マッハ・チェンダー型光スイッチ,方向性結合器型
光スイッチ等が種々知られている。光カーシャッタスイ
ッチ10は、図1に模式的に示すように、偏光軸を互い
に直交させたクロスニコル配置で偏光子11及び検光子
12を配置し、ガラスセル内に封入された二硫化炭素等
の非線形屈折率媒質(カー媒質)13を偏光子11と検
光子12との間に介在させている。入力光(プローブ
光)Pi はゲートパルス光Pg でゲーティングされ、ゲ
ートパルスの時間波形に対応した出力光Pt となる。こ
の構成では、ゲートパルスPg が入射している間だけ、
偏光子11を通過したプローブ光Pi の直線偏波がカー
媒質13の屈折率変化によって楕円偏波に変わる。その
ため、プローブ光Pi の一部が直交検光子12を通過で
き、ゲートパルスPg のパルスによってプローブ光Pi
が光スイッチされる。
の光デバイスとして、たとえば光カーシャッタスイッ
チ,マッハ・チェンダー型光スイッチ,方向性結合器型
光スイッチ等が種々知られている。光カーシャッタスイ
ッチ10は、図1に模式的に示すように、偏光軸を互い
に直交させたクロスニコル配置で偏光子11及び検光子
12を配置し、ガラスセル内に封入された二硫化炭素等
の非線形屈折率媒質(カー媒質)13を偏光子11と検
光子12との間に介在させている。入力光(プローブ
光)Pi はゲートパルス光Pg でゲーティングされ、ゲ
ートパルスの時間波形に対応した出力光Pt となる。こ
の構成では、ゲートパルスPg が入射している間だけ、
偏光子11を通過したプローブ光Pi の直線偏波がカー
媒質13の屈折率変化によって楕円偏波に変わる。その
ため、プローブ光Pi の一部が直交検光子12を通過で
き、ゲートパルスPg のパルスによってプローブ光Pi
が光スイッチされる。
【0003】検光子12を通過するプローブ光Pi の通
過率は、ゲート光Pg とプローブ光Pi の直線偏波のな
す角度がπ/4のとき最大になる。このときのプローブ
光P i の通過率Tは、T∝ sin2(n2BLIg)で与えられ
る。ただし、n2Bはカー定数と呼ばれている非線形屈折
率,Lはカー媒質13の長さ,Ig(=4Pg/πD2)はゲ
ート光Pg のパワー密度,Dはビームのスポットサイズ
である。なお、導波路型媒質ではDをコア径と見做すこ
とができる。二硫化炭素を用いた光カーシャッタスイッ
チでは、ピコ秒程度の高速応答を示すことが確認されて
いる。しかし、高速性には優れているものの駆動パワー
が極めて高いため、高速性の長所が十分に活用されてい
ない。非線形光学装置の開発において、光導波路を非線
形媒質として用いることは、非線形光学材料自体の非線
形性が低い場合でも、それを補うことができることから
有効な手段の一つと考えられている。しかし、非線形光
学ガラス材料を用いて光導波路を作製する従来の方法で
は、多くの場合、イオン交換法や火炎加水分解法等の工
程を経ている。
過率は、ゲート光Pg とプローブ光Pi の直線偏波のな
す角度がπ/4のとき最大になる。このときのプローブ
光P i の通過率Tは、T∝ sin2(n2BLIg)で与えられ
る。ただし、n2Bはカー定数と呼ばれている非線形屈折
率,Lはカー媒質13の長さ,Ig(=4Pg/πD2)はゲ
ート光Pg のパワー密度,Dはビームのスポットサイズ
である。なお、導波路型媒質ではDをコア径と見做すこ
とができる。二硫化炭素を用いた光カーシャッタスイッ
チでは、ピコ秒程度の高速応答を示すことが確認されて
いる。しかし、高速性には優れているものの駆動パワー
が極めて高いため、高速性の長所が十分に活用されてい
ない。非線形光学装置の開発において、光導波路を非線
形媒質として用いることは、非線形光学材料自体の非線
形性が低い場合でも、それを補うことができることから
有効な手段の一つと考えられている。しかし、非線形光
学ガラス材料を用いて光導波路を作製する従来の方法で
は、多くの場合、イオン交換法や火炎加水分解法等の工
程を経ている。
【0004】イオン交換法では、たとえば金属膜のスリ
ット状開口からガラス基板表面層にAg+ イオンを熱的
に侵入させ、ガラス中のNa+ イオンとAg+ イオンを
交換する第1段のイオン交換により表面層に導波核を形
成した後、ガラス基板に均一な電界を印加して溶融塩中
のNa+ イオンをガラス表面に侵入させている。Na +
イオンは、Ag+ イオンが形成した最表面の高屈折領域
を表面下に移動させる。その結果、導波路がガラス表面
下に埋め込まれ、低伝播損失特性が確保される。この方
法で作製された光導波路のコア部は、通常、直径が10
〜200μmの半円形又はほぼ円形の断面を持ち、1%
前後の比屈折率差を示すものが多い。火炎加水分解法で
は、四塩化シリコン及び四塩化ゲルマニウムの火炎加水
分解によりシリコン基板の表面に下クラッド用及びコア
用の二層のガラス微粒子層を堆積させ、高温加熱によっ
て微粒子層を透明ガラス層に改質する。次いで、フォト
リソグラフィ及び反応性エッチングにより回路パターン
をもつコア部を形成する。この方法で作製された光導波
路は、膜厚が数μmである。
ット状開口からガラス基板表面層にAg+ イオンを熱的
に侵入させ、ガラス中のNa+ イオンとAg+ イオンを
交換する第1段のイオン交換により表面層に導波核を形
成した後、ガラス基板に均一な電界を印加して溶融塩中
のNa+ イオンをガラス表面に侵入させている。Na +
イオンは、Ag+ イオンが形成した最表面の高屈折領域
を表面下に移動させる。その結果、導波路がガラス表面
下に埋め込まれ、低伝播損失特性が確保される。この方
法で作製された光導波路のコア部は、通常、直径が10
〜200μmの半円形又はほぼ円形の断面を持ち、1%
前後の比屈折率差を示すものが多い。火炎加水分解法で
は、四塩化シリコン及び四塩化ゲルマニウムの火炎加水
分解によりシリコン基板の表面に下クラッド用及びコア
用の二層のガラス微粒子層を堆積させ、高温加熱によっ
て微粒子層を透明ガラス層に改質する。次いで、フォト
リソグラフィ及び反応性エッチングにより回路パターン
をもつコア部を形成する。この方法で作製された光導波
路は、膜厚が数μmである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来型の非線形光学装
置に用いる光導波路をイオン交換法で作製するとき、イ
オン交換によって屈折率分布が調整されるため、形成さ
れた導波路構造がガラス表面に近い部分に限られる。導
波路作製可能なガラスも、イオン交換が可能な材料に限
られる。また、イオン交換に長時間を要することから、
生産性が低いことも欠点である。更に、同一基板上に種
々の二次元的パターンをもつ光導波路を作製できても、
三次元的に組み合わされた光導波路の形成は困難であ
る。そのため、光導波路等としての使用に制約を受け、
複雑な回路構成をもつ用途に適用できない。このよう
に、ガラス材料を用いた光デバイスの構成に際し、材料
が本来もつ高い非線形光学特性等を十分に発揮できてい
ない現状である。
置に用いる光導波路をイオン交換法で作製するとき、イ
オン交換によって屈折率分布が調整されるため、形成さ
れた導波路構造がガラス表面に近い部分に限られる。導
波路作製可能なガラスも、イオン交換が可能な材料に限
られる。また、イオン交換に長時間を要することから、
生産性が低いことも欠点である。更に、同一基板上に種
々の二次元的パターンをもつ光導波路を作製できても、
三次元的に組み合わされた光導波路の形成は困難であ
る。そのため、光導波路等としての使用に制約を受け、
複雑な回路構成をもつ用途に適用できない。このよう
に、ガラス材料を用いた光デバイスの構成に際し、材料
が本来もつ高い非線形光学特性等を十分に発揮できてい
ない現状である。
【0006】他方、火炎加水分解法による場合には、導
波路の作製工程が複雑であり、使用可能な材料も石英を
主成分とするガラス組成に限られる。また、基板表面に
堆積した微粒子をガラス層に改質することから、円形の
断面をもつ光導波路の作製が困難である。更に、火炎加
水分解法でも、イオン交換法と同様に、三次元的に組み
合わされた光導波路を形成することが困難である。本発
明は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、非線形性の大きなガラス材料の内部でレーザ光の集
光点を相対的に移動させることにより、屈折率変化をも
たらす構造変化をガラス材料の内部に起こさせ、使用可
能なガラス材料の種類にほとんど制約を受けることな
く、必要形状の光導波路が簡便に形成された光導波回路
を提供することを目的とする。
波路の作製工程が複雑であり、使用可能な材料も石英を
主成分とするガラス組成に限られる。また、基板表面に
堆積した微粒子をガラス層に改質することから、円形の
断面をもつ光導波路の作製が困難である。更に、火炎加
水分解法でも、イオン交換法と同様に、三次元的に組み
合わされた光導波路を形成することが困難である。本発
明は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、非線形性の大きなガラス材料の内部でレーザ光の集
光点を相対的に移動させることにより、屈折率変化をも
たらす構造変化をガラス材料の内部に起こさせ、使用可
能なガラス材料の種類にほとんど制約を受けることな
く、必要形状の光導波路が簡便に形成された光導波回路
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光導波回路は、
その目的を達成するため、非線形光学効果を呈するガラ
ス材料を基体又は基体の一部とし、レーザ光の集光照射
によって屈折率を変化させた部分が光導波路として基体
内部に形成されていることを特徴とする。ガラス材料と
しては、酸化物ガラス,ハロゲン化物ガラス,硫化物ガ
ラス,カルコゲナイドガラス等が使用される。光導波路
は、たとえば二股状に分岐され、分岐した一方の光導波
路が非線形光学効果を呈するガラス材料の内部に形成さ
れている。この光導波回路は、光カーシャッタ型スイッ
チ,マッハ・チェンダー型スイッチ,方向性結合器型ス
イッチ等に組み込まれ、応答性の高い光スイッチを構成
する。
その目的を達成するため、非線形光学効果を呈するガラ
ス材料を基体又は基体の一部とし、レーザ光の集光照射
によって屈折率を変化させた部分が光導波路として基体
内部に形成されていることを特徴とする。ガラス材料と
しては、酸化物ガラス,ハロゲン化物ガラス,硫化物ガ
ラス,カルコゲナイドガラス等が使用される。光導波路
は、たとえば二股状に分岐され、分岐した一方の光導波
路が非線形光学効果を呈するガラス材料の内部に形成さ
れている。この光導波回路は、光カーシャッタ型スイッ
チ,マッハ・チェンダー型スイッチ,方向性結合器型ス
イッチ等に組み込まれ、応答性の高い光スイッチを構成
する。
【0008】
【実施の形態】本発明者等は、レーザ光の集光照射で作
製した光導波路の光スイッチング特性について調査検討
した結果、本発明に達した。本発明に従った光導波路
は、レーザ光の集光照射により屈折率変化がガラス材料
の内部に連続して形成されている。このように光導波路
を形成するとき、従来の複雑な工程を経る必要なく光ス
イッチ等の非線形光学装置が簡便に作製される。作製さ
れた非線形光学装置は、光カーシャッタスイッチ,マッ
ハ・チェンダー型光スイッチ,方向性結合器型光スイッ
チ等として使用可能であり、何れも三次の非線形光学効
果を利用することにより高速の光スイッチング動作が可
能である。
製した光導波路の光スイッチング特性について調査検討
した結果、本発明に達した。本発明に従った光導波路
は、レーザ光の集光照射により屈折率変化がガラス材料
の内部に連続して形成されている。このように光導波路
を形成するとき、従来の複雑な工程を経る必要なく光ス
イッチ等の非線形光学装置が簡便に作製される。作製さ
れた非線形光学装置は、光カーシャッタスイッチ,マッ
ハ・チェンダー型光スイッチ,方向性結合器型光スイッ
チ等として使用可能であり、何れも三次の非線形光学効
果を利用することにより高速の光スイッチング動作が可
能である。
【0009】非線形光学装置用の光導波路を作製するた
めのガラス材料には、透明度の高い種々の非線形光学ガ
ラスである限り、その材質に制約を受けることがない。
たとえば、酸化物ガラス,ハロゲン化物ガラス,硫化物
ガラス,カルコゲナイドガラス等、種々の材料系が使用
可能である。三次非線形性の大きな酸化物ガラスとして
はケイ酸塩系,硼酸塩系,リン酸塩系,フッリン酸塩
系,ゲルマネイト系,テルライト系等、硫化物系ガラス
としてはGa−La−S系,Ge−S系等、ハロゲン化
物ガラスとしてはBeF2 系,ZrF4 系,InF3
系,Cd−Zn−Cl系等、カルコゲナイドガラスには
As−S系,As−Se系,Si−Te系等がある。
めのガラス材料には、透明度の高い種々の非線形光学ガ
ラスである限り、その材質に制約を受けることがない。
たとえば、酸化物ガラス,ハロゲン化物ガラス,硫化物
ガラス,カルコゲナイドガラス等、種々の材料系が使用
可能である。三次非線形性の大きな酸化物ガラスとして
はケイ酸塩系,硼酸塩系,リン酸塩系,フッリン酸塩
系,ゲルマネイト系,テルライト系等、硫化物系ガラス
としてはGa−La−S系,Ge−S系等、ハロゲン化
物ガラスとしてはBeF2 系,ZrF4 系,InF3
系,Cd−Zn−Cl系等、カルコゲナイドガラスには
As−S系,As−Se系,Si−Te系等がある。
【0010】本発明に従った光導波路は、光誘起屈折率
変化を起こすエネルギー量をもつレーザ光をガラス材料
の内部に集光し、連続した屈折率変化領域がガラス材料
の内部に形成されるように、ガラス材料の内部で集光点
を相対移動させることにより製造される。具体的には、
図2で模式的に示すように、レーザ光21を集光レンズ
22等からなる集光装置で集光し、ガラス材料20の内
部に集光点23を位置させる。この集光点23をガラス
材料20の内部で相対的に移動させることにより、光導
波路24,25として働く連続した屈折率変化領域がガ
ラス材料20の内部に形成される。集光点23の相対移
動には、たとえばレーザ光21の集光点23に対してガ
ラス材料20を連続的に移動させる方式,ガラス材料2
0の内部でレーザ光21の集光点を連続的に移動させる
方式等が採用される。ガラス材料20の内部に形成され
る光導波路は、集光点23の相対移動に応じて自由に設
計される。たとえば、集光点23を一方向に相対移動さ
せると、図3に示す光導波路24が形成される。また、
集光点23を二方向に相対移動させると、図4に示す二
股状の光導波路25が形成される。
変化を起こすエネルギー量をもつレーザ光をガラス材料
の内部に集光し、連続した屈折率変化領域がガラス材料
の内部に形成されるように、ガラス材料の内部で集光点
を相対移動させることにより製造される。具体的には、
図2で模式的に示すように、レーザ光21を集光レンズ
22等からなる集光装置で集光し、ガラス材料20の内
部に集光点23を位置させる。この集光点23をガラス
材料20の内部で相対的に移動させることにより、光導
波路24,25として働く連続した屈折率変化領域がガ
ラス材料20の内部に形成される。集光点23の相対移
動には、たとえばレーザ光21の集光点23に対してガ
ラス材料20を連続的に移動させる方式,ガラス材料2
0の内部でレーザ光21の集光点を連続的に移動させる
方式等が採用される。ガラス材料20の内部に形成され
る光導波路は、集光点23の相対移動に応じて自由に設
計される。たとえば、集光点23を一方向に相対移動さ
せると、図3に示す光導波路24が形成される。また、
集光点23を二方向に相対移動させると、図4に示す二
股状の光導波路25が形成される。
【0011】光誘起屈折率変化は、ピークパワー強度が
高いほど促進される。しかし、過度に大きなエネルギー
量のレーザ光を得ることは実際面で困難である。この点
は、パルス幅を狭くしてピーク出力を高めたレーザ光を
使用することにより克服できる。ただし、パルス状のレ
ーザ光を使用するとき、ガラス材料の内部に形成される
光導波路を滑らかな構造にするため、パルスレーザの繰
返し周波数を10kHz以上にすることが好ましい。
高いほど促進される。しかし、過度に大きなエネルギー
量のレーザ光を得ることは実際面で困難である。この点
は、パルス幅を狭くしてピーク出力を高めたレーザ光を
使用することにより克服できる。ただし、パルス状のレ
ーザ光を使用するとき、ガラス材料の内部に形成される
光導波路を滑らかな構造にするため、パルスレーザの繰
返し周波数を10kHz以上にすることが好ましい。
【0012】
【作用】パルスレーザの照射によって屈折率が変化する
現象は、光誘起屈折率変化と呼ばれており、P,Ce,
Ge等を添加したシリカガラスの例が知られている。こ
の現象は、紫外域に固有吸収をもつ酸素欠陥がガラス中
に存在しており、吸収波長のレーザを照射することによ
って酸素欠陥の一部が構造変化することに起因すると考
えられており、発振波長が紫外域にあるエキシマレーザ
での研究が進められている。しかし、この方法で使用さ
れるレーザ光は、10kHz未満の低い繰返し周波数で
あるため、十分なエネルギーを照射部分に与えることが
できない。そのため、屈折率変化領域の形状がスポット
的になり、連続的な屈折率変化を必要とする光導波路を
形成するまでには至らない。また、パルス幅が一定の状
態で強制的に繰返し周波数を高くすると、パルス当りの
エネルギーが低くなり、屈折率変化を誘起させること自
体が困難になる。
現象は、光誘起屈折率変化と呼ばれており、P,Ce,
Ge等を添加したシリカガラスの例が知られている。こ
の現象は、紫外域に固有吸収をもつ酸素欠陥がガラス中
に存在しており、吸収波長のレーザを照射することによ
って酸素欠陥の一部が構造変化することに起因すると考
えられており、発振波長が紫外域にあるエキシマレーザ
での研究が進められている。しかし、この方法で使用さ
れるレーザ光は、10kHz未満の低い繰返し周波数で
あるため、十分なエネルギーを照射部分に与えることが
できない。そのため、屈折率変化領域の形状がスポット
的になり、連続的な屈折率変化を必要とする光導波路を
形成するまでには至らない。また、パルス幅が一定の状
態で強制的に繰返し周波数を高くすると、パルス当りの
エネルギーが低くなり、屈折率変化を誘起させること自
体が困難になる。
【0013】ところで、パルスレーザのパルス幅を狭く
すると、高いピーク出力が得られる。このようにピーク
出力を高めればガラスの固有吸収以外の波長をもつパル
スレーザ光を使用しても、10kHz以上の繰返し周波
数をもつ限りガラス組成に関係なく、レーザ光の集光部
分で屈折率が変化する現象が確認される。滑らかな導波
路構造を形成する上では、第1パルスと第2パルスが可
能な限り短い期間で照射されるように、パルス間隔を狭
く、換言すれば繰返し周波数を高くする必要がある。こ
の点でも、パルスレーザの繰返し周波数を10kHz以
上,好ましくは100kHz以上に設定する。繰返し周
波数が低いとレーザ光が離散的に照射され、導波路の形
成に必要な連続的な屈折率変化が得られない。
すると、高いピーク出力が得られる。このようにピーク
出力を高めればガラスの固有吸収以外の波長をもつパル
スレーザ光を使用しても、10kHz以上の繰返し周波
数をもつ限りガラス組成に関係なく、レーザ光の集光部
分で屈折率が変化する現象が確認される。滑らかな導波
路構造を形成する上では、第1パルスと第2パルスが可
能な限り短い期間で照射されるように、パルス間隔を狭
く、換言すれば繰返し周波数を高くする必要がある。こ
の点でも、パルスレーザの繰返し周波数を10kHz以
上,好ましくは100kHz以上に設定する。繰返し周
波数が低いとレーザ光が離散的に照射され、導波路の形
成に必要な連続的な屈折率変化が得られない。
【0014】繰返し周波数の上限は、無限大の限りなく
連続レーザに近いものである。しかし、繰返し周波数を
高くすると、一般的にパルス当りのエネルギーが弱くな
る。そこで、実際にはガラス材料が屈折率変化を起こす
閾値及び使用するレーザの出力によって、繰返し周波数
の上限を設定する。繰返し周波数が高い場合、レーザ又
はガラス材料を連続的に相対移動することにより、集光
部分の軌跡に連続的な屈折率変化領域が形成される。こ
の屈折率変化領域は、レーザ光照射前のガラスの屈折率
より高いことから光導波路として利用される。ガラス材
料又はレーザ光の集光点の走査速度を遅くすることによ
り、ガラス材料に対してレーザ光を連続照射できる。し
かし、第1パルス照射後に一定の時間をおいて第2パル
スが重なった状態で照射されるため、第1パルスで形成
された屈折率変化が第2パルスにより再変化し、滑らか
な導波路構造が得られない。
連続レーザに近いものである。しかし、繰返し周波数を
高くすると、一般的にパルス当りのエネルギーが弱くな
る。そこで、実際にはガラス材料が屈折率変化を起こす
閾値及び使用するレーザの出力によって、繰返し周波数
の上限を設定する。繰返し周波数が高い場合、レーザ又
はガラス材料を連続的に相対移動することにより、集光
部分の軌跡に連続的な屈折率変化領域が形成される。こ
の屈折率変化領域は、レーザ光照射前のガラスの屈折率
より高いことから光導波路として利用される。ガラス材
料又はレーザ光の集光点の走査速度を遅くすることによ
り、ガラス材料に対してレーザ光を連続照射できる。し
かし、第1パルス照射後に一定の時間をおいて第2パル
スが重なった状態で照射されるため、第1パルスで形成
された屈折率変化が第2パルスにより再変化し、滑らか
な導波路構造が得られない。
【0015】本発明によるとき、所望の形状を持った光
導波路が容易に得られる。しかも、従来の作製工程と異
なり、光導波路の作製に使用するレーザ光と非線形光学
装置に用いるレーザ光源とを共用できるため、作業の効
率化及び作業速度の高速化が可能となる。波長可変のレ
ーザ光源を用いた場合、光導波路作製用の波長と非線形
光学装置駆動時の波長を変えることもできる。また、本
発明による非線形光導波路は、コア部の断面が円形であ
ることから、入射したレーザ光の直線偏波の偏光保持率
が高い等の光学特性に優れている。したがって、非線形
光学素子として好適に使用され、これを用いて構成する
光スイッチを始めとする非線形光学装置は高速・高効率
で動作し、実用に十分供し得る。以下の実施例では、レ
ーザ照射によって非線形光学ガラス材料に屈折率変化
(線形屈折率の変化)を起こさせ、それにより作製した
光導波路及びそれを用いた非線形光学装置を中心として
説明する。ただし、本発明は、実施例に何ら拘束される
ものでなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能なこ
とは勿論である。
導波路が容易に得られる。しかも、従来の作製工程と異
なり、光導波路の作製に使用するレーザ光と非線形光学
装置に用いるレーザ光源とを共用できるため、作業の効
率化及び作業速度の高速化が可能となる。波長可変のレ
ーザ光源を用いた場合、光導波路作製用の波長と非線形
光学装置駆動時の波長を変えることもできる。また、本
発明による非線形光導波路は、コア部の断面が円形であ
ることから、入射したレーザ光の直線偏波の偏光保持率
が高い等の光学特性に優れている。したがって、非線形
光学素子として好適に使用され、これを用いて構成する
光スイッチを始めとする非線形光学装置は高速・高効率
で動作し、実用に十分供し得る。以下の実施例では、レ
ーザ照射によって非線形光学ガラス材料に屈折率変化
(線形屈折率の変化)を起こさせ、それにより作製した
光導波路及びそれを用いた非線形光学装置を中心として
説明する。ただし、本発明は、実施例に何ら拘束される
ものでなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能なこ
とは勿論である。
【0016】
【実施例】実施例1:光カースイッチ用光導波路の作製 PbO:10モル%,TiO2 :10モル%,TeO
2 :80モル%の組成をもつテルライトガラスから10
mm×1mm×10mmの立方体形状の試験片を切り出
した。Arレーザ励起のチタンサファイアレーザから発
振されたパルス幅150fs,繰返し周波数200kH
z,波長0.8μm,平均出力10〜50mWのパルス
レーザ光を使用し、集光レンズで集光し、試験片の内部
に集光点が位置するように調節して試験片を照射した。
照射後の試験片を観察すると、集光点の屈折率が0.0
1だけ上昇していた。屈折率の変化は、ナノ秒又はピコ
秒オーダの極く短時間で生じた。試験片又は集光点を連
続的に一方向に相対移動させることにより、試験片の内
部に直線状の高屈折率領域,すなわち直線状の光導波路
が形成された。光導波路の形成如何は、実際に通信波長
帯のレーザ光を試験片に入射し、屈折率変化を起こして
いる部分のみに光が伝播されていることを観測すること
により確認できた。また、出射側の近視野像から光導波
路の断面が直径(コア径)4μmであること、及び少な
くとも通信波長帯域においてシングルモード伝播が実現
されていることも判明した。
2 :80モル%の組成をもつテルライトガラスから10
mm×1mm×10mmの立方体形状の試験片を切り出
した。Arレーザ励起のチタンサファイアレーザから発
振されたパルス幅150fs,繰返し周波数200kH
z,波長0.8μm,平均出力10〜50mWのパルス
レーザ光を使用し、集光レンズで集光し、試験片の内部
に集光点が位置するように調節して試験片を照射した。
照射後の試験片を観察すると、集光点の屈折率が0.0
1だけ上昇していた。屈折率の変化は、ナノ秒又はピコ
秒オーダの極く短時間で生じた。試験片又は集光点を連
続的に一方向に相対移動させることにより、試験片の内
部に直線状の高屈折率領域,すなわち直線状の光導波路
が形成された。光導波路の形成如何は、実際に通信波長
帯のレーザ光を試験片に入射し、屈折率変化を起こして
いる部分のみに光が伝播されていることを観測すること
により確認できた。また、出射側の近視野像から光導波
路の断面が直径(コア径)4μmであること、及び少な
くとも通信波長帯域においてシングルモード伝播が実現
されていることも判明した。
【0017】更に、組成が異なるテルライトガラスや、
純粋なシリカガラス,Ge等をドープしたシリカ系ガラ
ス,リン酸塩ガラス,ホウ酸塩ガラス,フッ化物ガラ
ス,塩化物ガラス,ゲルマネイト,カルコゲナイド等の
ガラスについても、同様なレーザ照射によって光導波路
が形成されることを確認した。また、以上の例では0.
8μmの波長をもつレーザ光で照射したが、他の波長、
たとえば通信波長帯の1.3μmや1.55μmの波長
をもつレーザ光を照射しても同様の屈折率変化が観測さ
れた。光導波路は、使用する集光レンズの焦点距離を変
えることによりコア径の大きさが調整可能であった。こ
のようにして形成された光導波路は、コアとクラッドと
の間に明確な界面が存在しないので界面損失が極めて少
ない。そのため、本発明は、光集積回路等における微細
な導波路形成法として活用される。
純粋なシリカガラス,Ge等をドープしたシリカ系ガラ
ス,リン酸塩ガラス,ホウ酸塩ガラス,フッ化物ガラ
ス,塩化物ガラス,ゲルマネイト,カルコゲナイド等の
ガラスについても、同様なレーザ照射によって光導波路
が形成されることを確認した。また、以上の例では0.
8μmの波長をもつレーザ光で照射したが、他の波長、
たとえば通信波長帯の1.3μmや1.55μmの波長
をもつレーザ光を照射しても同様の屈折率変化が観測さ
れた。光導波路は、使用する集光レンズの焦点距離を変
えることによりコア径の大きさが調整可能であった。こ
のようにして形成された光導波路は、コアとクラッドと
の間に明確な界面が存在しないので界面損失が極めて少
ない。そのため、本発明は、光集積回路等における微細
な導波路形成法として活用される。
【0018】実施例2:マッハ・チェンダー型光スイッ
チ用光導波路の作製 マッハ・チェンダー型光スイッチ用光導波路は、種々の
工程で作製できる。たとえば、図5で模式的に示すよう
に、予め4つに切られた基板31〜34を用意し、その
うちの一つの基板31にのみテルライト系のような非線
形性の大きな材料を使用し、残りの3つの基板32〜3
4にはシリカガラスのように非線形性の小さな材料を使
用する。それぞれの基板31〜34をレーザ照射するこ
とにより光導波路31a〜34aを形成させた後、光学
接着剤で各基板31〜34を貼り合わせる。或いは、図
6で模式的に示すように、所定の大きさをもつ一つの基
板35を使用する。基板35は、シリカガラスのような
非線形性の小さいガラスでできており、テルライトガラ
スのような非線形性の大きい材料36をスパッタ法等で
基板35の一部表面に盛り付ける。次いで、レーザ照射
によりマッハ・チェンダー型光導波路35aが基板35
に書き込まれる。何れの場合も、基板31〜15を搭載
した微動台の操作によって、必要形状の光導波路31a
〜35aが容易に書き込まれる。
チ用光導波路の作製 マッハ・チェンダー型光スイッチ用光導波路は、種々の
工程で作製できる。たとえば、図5で模式的に示すよう
に、予め4つに切られた基板31〜34を用意し、その
うちの一つの基板31にのみテルライト系のような非線
形性の大きな材料を使用し、残りの3つの基板32〜3
4にはシリカガラスのように非線形性の小さな材料を使
用する。それぞれの基板31〜34をレーザ照射するこ
とにより光導波路31a〜34aを形成させた後、光学
接着剤で各基板31〜34を貼り合わせる。或いは、図
6で模式的に示すように、所定の大きさをもつ一つの基
板35を使用する。基板35は、シリカガラスのような
非線形性の小さいガラスでできており、テルライトガラ
スのような非線形性の大きい材料36をスパッタ法等で
基板35の一部表面に盛り付ける。次いで、レーザ照射
によりマッハ・チェンダー型光導波路35aが基板35
に書き込まれる。何れの場合も、基板31〜15を搭載
した微動台の操作によって、必要形状の光導波路31a
〜35aが容易に書き込まれる。
【0019】本実施例では、PbO:25モル%,Ti
O2 :10モル%,TeO2 :65モル%の組成をもつ
テルライトガラスを非線形性の大きな材料として、シリ
カ100%のガラスを非線形の小さな材料として使用し
た。Arレーザ励起のチタンサファイアレーザから発振
されたパルス幅150fs,繰返し周波数200kH
z,波長0.8μm,平均出力10〜50mWのパルス
レーザ光を使用し、集光レンズで集光し、試験片の内部
に集光点が位置するように調節して試験片を照射した。
集光点の屈折率は、テルライトガラスでは0.01,シ
リカガラスでは0.005だけ上昇した。作製した光導
波路の基本性能を調査するため、実際に通信波長帯のレ
ーザ光を光導波路に入射させたところ、屈折率変化を起
こしている部分のみに光の伝播が観察され、シングルモ
ード伝播が実現していることが判明した。形成された光
導波路は、出射側の近視野像から4μmのコア径をもっ
ていることが判った。光導波路の素子全体としてのサイ
ズは、10mm×1mm×20mmであった。
O2 :10モル%,TeO2 :65モル%の組成をもつ
テルライトガラスを非線形性の大きな材料として、シリ
カ100%のガラスを非線形の小さな材料として使用し
た。Arレーザ励起のチタンサファイアレーザから発振
されたパルス幅150fs,繰返し周波数200kH
z,波長0.8μm,平均出力10〜50mWのパルス
レーザ光を使用し、集光レンズで集光し、試験片の内部
に集光点が位置するように調節して試験片を照射した。
集光点の屈折率は、テルライトガラスでは0.01,シ
リカガラスでは0.005だけ上昇した。作製した光導
波路の基本性能を調査するため、実際に通信波長帯のレ
ーザ光を光導波路に入射させたところ、屈折率変化を起
こしている部分のみに光の伝播が観察され、シングルモ
ード伝播が実現していることが判明した。形成された光
導波路は、出射側の近視野像から4μmのコア径をもっ
ていることが判った。光導波路の素子全体としてのサイ
ズは、10mm×1mm×20mmであった。
【0020】更に、組成が異なるテルライトガラスや、
Ge等をドープしたシリカ系ガラス,リン酸塩ガラス,
ホウ酸塩ガラス,フッ化物ガラス,塩化物ガラス,硫化
物ガラス,ゲルマネイト,カルコゲナイド等のガラスに
ついても、同様なレーザ照射によって光導波路が形成さ
れることを確認した。他方、非線形性の小さな材料とし
て、純粋なシリカガラスに替えてドープ量の少ないGe
ドープシリカ系ガラス等も使用可能であった。本実施例
で得られた光導波路も、コアとクラッドとの間に明確な
界面が存在しないことから界面損失が極めて少ないこと
が確認された。
Ge等をドープしたシリカ系ガラス,リン酸塩ガラス,
ホウ酸塩ガラス,フッ化物ガラス,塩化物ガラス,硫化
物ガラス,ゲルマネイト,カルコゲナイド等のガラスに
ついても、同様なレーザ照射によって光導波路が形成さ
れることを確認した。他方、非線形性の小さな材料とし
て、純粋なシリカガラスに替えてドープ量の少ないGe
ドープシリカ系ガラス等も使用可能であった。本実施例
で得られた光導波路も、コアとクラッドとの間に明確な
界面が存在しないことから界面損失が極めて少ないこと
が確認された。
【0021】実施例3:方向性結合器型光スイッチ用光
導波路の作製 方向性結合器型光スイッチ用光導波路も、マッハ・チェ
ンダー型と同様に種々の工程で作製できる。たとえば、
図7で模式的に示すように、予め4つに切られた基板4
1〜44を用意し、そのうちの一つの基板41にのみテ
ルライト系のような非線形性の大きな材料を使用し、残
りの3つの基板42〜44にはシリカガラスのように非
線形性の小さな材料を使用する。それぞれの基板41〜
44をレーザ照射することにより光導波路41a〜44
aを形成させた後、光学接着剤で各基板41〜44を貼
り合わせる。或いは、図6で模式的に示すように、所定
の大きさをもつ一つの基板45を使用する。基板45
は、シリカガラスのような非線形性の小さいガラスでで
きており、テルライトガラスのような非線形性の大きい
材料46をスパッタ法等で基板45の一部表面に盛り付
ける。次いで、レーザ照射により方向性結合器型光導波
路45aが基板45に書き込まれる。何れの場合も、基
板41〜45を搭載した微動台の操作によって、必要形
状の光導波路41a〜45aが容易に書き込まれる。
導波路の作製 方向性結合器型光スイッチ用光導波路も、マッハ・チェ
ンダー型と同様に種々の工程で作製できる。たとえば、
図7で模式的に示すように、予め4つに切られた基板4
1〜44を用意し、そのうちの一つの基板41にのみテ
ルライト系のような非線形性の大きな材料を使用し、残
りの3つの基板42〜44にはシリカガラスのように非
線形性の小さな材料を使用する。それぞれの基板41〜
44をレーザ照射することにより光導波路41a〜44
aを形成させた後、光学接着剤で各基板41〜44を貼
り合わせる。或いは、図6で模式的に示すように、所定
の大きさをもつ一つの基板45を使用する。基板45
は、シリカガラスのような非線形性の小さいガラスでで
きており、テルライトガラスのような非線形性の大きい
材料46をスパッタ法等で基板45の一部表面に盛り付
ける。次いで、レーザ照射により方向性結合器型光導波
路45aが基板45に書き込まれる。何れの場合も、基
板41〜45を搭載した微動台の操作によって、必要形
状の光導波路41a〜45aが容易に書き込まれる。
【0022】本実施例では、PbO:20モル%,Ti
O2 :5モル%,TeO2 :75モル%の組成をもつテ
ルライトガラスを非線形性の大きな材料として、シリカ
100%のガラスを非線形の小さな材料として使用し
た。Arレーザ励起のチタンサファイアレーザから発振
されたパルス幅150fs,繰返し周波数200kH
z,波長0.8μm,平均出力10〜50mWのパルス
レーザ光を使用し、集光レンズで集光し、試験片の内部
に集光点が位置するように調節して試験片を照射した。
集光点の屈折率は、テルライトガラスでは0.01,シ
リカガラスでは0.005だけ上昇した。作製した光導
波路の基本性能を調査するため、実際に通信波長帯のレ
ーザ光を光導波路に入射させたところ、屈折率変化を起
こしている部分のみに光の伝播が観察され、シングルモ
ード伝播が実現していることが判明した。形成された光
導波路は、出射側の近視野像から4μmのコア径をもっ
ていることが判った。光導波路の素子全体としてのサイ
ズは、10mm×1mm×20mmであった。
O2 :5モル%,TeO2 :75モル%の組成をもつテ
ルライトガラスを非線形性の大きな材料として、シリカ
100%のガラスを非線形の小さな材料として使用し
た。Arレーザ励起のチタンサファイアレーザから発振
されたパルス幅150fs,繰返し周波数200kH
z,波長0.8μm,平均出力10〜50mWのパルス
レーザ光を使用し、集光レンズで集光し、試験片の内部
に集光点が位置するように調節して試験片を照射した。
集光点の屈折率は、テルライトガラスでは0.01,シ
リカガラスでは0.005だけ上昇した。作製した光導
波路の基本性能を調査するため、実際に通信波長帯のレ
ーザ光を光導波路に入射させたところ、屈折率変化を起
こしている部分のみに光の伝播が観察され、シングルモ
ード伝播が実現していることが判明した。形成された光
導波路は、出射側の近視野像から4μmのコア径をもっ
ていることが判った。光導波路の素子全体としてのサイ
ズは、10mm×1mm×20mmであった。
【0023】更に、組成が異なるテルライトガラスや、
Ge等をドープしたシリカ系ガラス,リン酸塩ガラス,
ホウ酸塩ガラス,フッ化物ガラス,塩化物ガラス,硫化
物ガラス,ゲルマネイト,カルコゲナイド等のガラスに
ついても、同様なレーザ照射によって光導波路が形成さ
れることを確認した。他方、非線形性の小さな材料とし
て、純粋なシリカガラスに替えてドープ量の少ないGe
ドープシリカ系ガラスやフッ化物ガラス等も使用可能で
あった。本実施例で得られた光導波路も、コアとクラッ
ドとの間に明確な界面が存在しないことから界面損失が
極めて少ないことが確認された。
Ge等をドープしたシリカ系ガラス,リン酸塩ガラス,
ホウ酸塩ガラス,フッ化物ガラス,塩化物ガラス,硫化
物ガラス,ゲルマネイト,カルコゲナイド等のガラスに
ついても、同様なレーザ照射によって光導波路が形成さ
れることを確認した。他方、非線形性の小さな材料とし
て、純粋なシリカガラスに替えてドープ量の少ないGe
ドープシリカ系ガラスやフッ化物ガラス等も使用可能で
あった。本実施例で得られた光導波路も、コアとクラッ
ドとの間に明確な界面が存在しないことから界面損失が
極めて少ないことが確認された。
【0024】実施例4:光カーシャッタスイッチへの適
用 実施例1で作製したコア径4μm,長さ10mmの光導
波路を用いて光カーシャッタスイッチを構成した。図9
は、光カーシャッタスイッチ50の光学系を示し、OP
A(optical parametric amplifier) を通過した波長
1.30μmのチタンサファイアレーザ光(100f
s,100Hz)をゲート光Pg として使用し、光源5
1からゲート光パルスに同期させた波長1.32μm,
パルス幅10nsの半導体レーザ光をプローブ光Pi と
して出射した。プローブ光Pi は、λ/2波長板52に
より直線偏波の偏光方向をゲート光Pg の直線偏波の偏
光方向に対してπ/4だけ傾けられ、偏光子53a,ミ
ラー54,レンズ55aを通過して光導波路56に至
る。
用 実施例1で作製したコア径4μm,長さ10mmの光導
波路を用いて光カーシャッタスイッチを構成した。図9
は、光カーシャッタスイッチ50の光学系を示し、OP
A(optical parametric amplifier) を通過した波長
1.30μmのチタンサファイアレーザ光(100f
s,100Hz)をゲート光Pg として使用し、光源5
1からゲート光パルスに同期させた波長1.32μm,
パルス幅10nsの半導体レーザ光をプローブ光Pi と
して出射した。プローブ光Pi は、λ/2波長板52に
より直線偏波の偏光方向をゲート光Pg の直線偏波の偏
光方向に対してπ/4だけ傾けられ、偏光子53a,ミ
ラー54,レンズ55aを通過して光導波路56に至
る。
【0025】この光学系では、ミラー54によりゲート
光Pg とプローブ光Pi がコリニア系(共軸系)になっ
ているので、光導波路56をカー媒質として使用するこ
とが可能となる。プローブ光Pi は、光導波路56を通
過した後、更にレンズ55b,フィルタ57,検光子5
3bを経て検出器58に送られる。検出器58には、光
電子増倍管,InGaAs−PINフォトダイオード等
が使用される。ゲート光Pg は、フィルタ57で遮ら
れ、検出器58まで達しない。なお、フィルタ57に替
えて分光器を使用することもできる。ゲート光Pg のパ
ワーを調整しスイッチング動作を調査したところ、プロ
ーブ光Pg の通過率T値が式T∝ sin2(n2BLIg)に従
った挙動を示し、図10にみられるように正しく光シャ
ッタ動作を示していることが確認された。位相変化量π
も実現され、この結果から本実施例で使用したテルライ
トガラスのカー定数n 2Bが4.8×10-15 cm2 /W
と算出された。通信波長帯には大きな吸収がなく、二光
子吸収の影響もみられなかった。波長1.5μm帯での
同様の実験も可能であり、スイッチング動作の際のゲー
ト光照射によるコア部の線形屈折率自体の変化も検出さ
れなかった。また、スイッチングに必要なレーザパワー
は、光導波路の作製に必要なパワーと比較して3桁程度
小さいもので十分であった。
光Pg とプローブ光Pi がコリニア系(共軸系)になっ
ているので、光導波路56をカー媒質として使用するこ
とが可能となる。プローブ光Pi は、光導波路56を通
過した後、更にレンズ55b,フィルタ57,検光子5
3bを経て検出器58に送られる。検出器58には、光
電子増倍管,InGaAs−PINフォトダイオード等
が使用される。ゲート光Pg は、フィルタ57で遮ら
れ、検出器58まで達しない。なお、フィルタ57に替
えて分光器を使用することもできる。ゲート光Pg のパ
ワーを調整しスイッチング動作を調査したところ、プロ
ーブ光Pg の通過率T値が式T∝ sin2(n2BLIg)に従
った挙動を示し、図10にみられるように正しく光シャ
ッタ動作を示していることが確認された。位相変化量π
も実現され、この結果から本実施例で使用したテルライ
トガラスのカー定数n 2Bが4.8×10-15 cm2 /W
と算出された。通信波長帯には大きな吸収がなく、二光
子吸収の影響もみられなかった。波長1.5μm帯での
同様の実験も可能であり、スイッチング動作の際のゲー
ト光照射によるコア部の線形屈折率自体の変化も検出さ
れなかった。また、スイッチングに必要なレーザパワー
は、光導波路の作製に必要なパワーと比較して3桁程度
小さいもので十分であった。
【0026】本実施例では、大型のチタンサファイアレ
ーザ光のOPAを経たレーザ光を光源とした。しかし、
これに拘束されることなく、小型レーザをゲート光Pg
として駆動させることも可能である。また、市販の半導
体レーザ(波長1.30μm,パルス幅10ns,繰返
し周波数150MHz)をゲート光Pg として用い、半
導体レーザによるプローブ光Pi を用いても、光カーシ
ャッタ動作が確認され、位相変化量π/9が達成され
た。このことから、光学系が大幅にコンパクト化される
ことが判る。本発明に従った光カーシャッタスイッチで
は、非線形性がより大きな材料を使用することにより、
必要なゲート光パワーを低減させることができる。たと
えば、カルコゲナイドガラス(As40S57Se3 ,n2B
=1.3×10-13 cm2 /W)を用い、レーザ光の平
均照射パワーを5mWとする外は実施例1と同様に光導
波路を作製した。この場合の屈折率変化は、0.01で
あった。この光導波路を組み込んだ光カーシャッタスイ
ッチでは、位相変化量πのためのゲート光パワーが10
0W以下に大幅に低減されることが確認された。
ーザ光のOPAを経たレーザ光を光源とした。しかし、
これに拘束されることなく、小型レーザをゲート光Pg
として駆動させることも可能である。また、市販の半導
体レーザ(波長1.30μm,パルス幅10ns,繰返
し周波数150MHz)をゲート光Pg として用い、半
導体レーザによるプローブ光Pi を用いても、光カーシ
ャッタ動作が確認され、位相変化量π/9が達成され
た。このことから、光学系が大幅にコンパクト化される
ことが判る。本発明に従った光カーシャッタスイッチで
は、非線形性がより大きな材料を使用することにより、
必要なゲート光パワーを低減させることができる。たと
えば、カルコゲナイドガラス(As40S57Se3 ,n2B
=1.3×10-13 cm2 /W)を用い、レーザ光の平
均照射パワーを5mWとする外は実施例1と同様に光導
波路を作製した。この場合の屈折率変化は、0.01で
あった。この光導波路を組み込んだ光カーシャッタスイ
ッチでは、位相変化量πのためのゲート光パワーが10
0W以下に大幅に低減されることが確認された。
【0027】本実施例で用いた光電子増倍管又はPIN
フォトダイオードでは、それ自体の応答速度がナノ秒で
止まってしまう。そこで、プローブ光パルスをゲート光
パルスに対して遅延を掛ける一般的な測定手法により、
光カーシャッタスイッチの応答速度を調査した。測定の
結果、スイッチング速度は、入射したゲート光のパルス
幅と同程度以下であり、高速な電子分極効果により光ス
イッチングが生じていることが確認された。また、二光
子吸収や熱効果による低速化,群遅延分散による低速化
等が排除されていた。本実施例で採用した光カーシャッ
タスイッチは、サブピコ秒以下のスイッチングスピード
をもつ。そのため、信号光に100GHz以上の変調を
かける変調機能,100GHz以上の繰返し周波数をも
つ信号光パルス列から任意の信号パルスを取り出し、低
繰返しのパルス列に変換するデマルチプレクシング機
能,幾つかの低繰返し光パルス列を100GHz以上の
光パルス列に多重化するマルチプレクシング機能等を備
えた光カーシャッタスイッチとなる。
フォトダイオードでは、それ自体の応答速度がナノ秒で
止まってしまう。そこで、プローブ光パルスをゲート光
パルスに対して遅延を掛ける一般的な測定手法により、
光カーシャッタスイッチの応答速度を調査した。測定の
結果、スイッチング速度は、入射したゲート光のパルス
幅と同程度以下であり、高速な電子分極効果により光ス
イッチングが生じていることが確認された。また、二光
子吸収や熱効果による低速化,群遅延分散による低速化
等が排除されていた。本実施例で採用した光カーシャッ
タスイッチは、サブピコ秒以下のスイッチングスピード
をもつ。そのため、信号光に100GHz以上の変調を
かける変調機能,100GHz以上の繰返し周波数をも
つ信号光パルス列から任意の信号パルスを取り出し、低
繰返しのパルス列に変換するデマルチプレクシング機
能,幾つかの低繰返し光パルス列を100GHz以上の
光パルス列に多重化するマルチプレクシング機能等を備
えた光カーシャッタスイッチとなる。
【0028】実施例5:マッハ・チェンダー型光スイッ
チへの適用 実施例2で作製したコア径4μm,長さ10mmの光導
波路をマッハ・チェンダー型光スイッチに組み込み、光
スイッチング実験に供した。マッハ・チェンダー型光ス
イッチでは、先ず素子の一端に入射したレーザ光を分波
し、分波された一方の光波にのみ非線形媒質を通過させ
る、この光波は、非線形媒質により位相シフトが与えら
れた後、位相シフトを与えていない残りの光波と再び合
波される。合波の際に、元の出力光に変調が加わった出
力光が得られる。本実施例では、OPA (optical para
metric amplifier) を通過した波長1.35μmのチタ
ンサファイアレーザ光(100fs,100Hz)を用
い、光電子増倍管又はInGaAs−PINフォトダイ
オードを検出器として使用した。光スイッチング実験の
結果を示した図11にみられるように、当初80%であ
った出力光が三次の非線形光学効果によって変調を受け
た結果、20%まで変化しており、光スイッチング動作
が実現されていることが判る。また、通信波長帯に大き
な吸収がなく、二光子吸収等の影響もみられなかった。
更に、波長1.5μm帯でも同様な結果が得られ、スイ
ッチング動作の際にゲート光照射によるコア部の線形屈
折率自体の変化も検出されなかった。
チへの適用 実施例2で作製したコア径4μm,長さ10mmの光導
波路をマッハ・チェンダー型光スイッチに組み込み、光
スイッチング実験に供した。マッハ・チェンダー型光ス
イッチでは、先ず素子の一端に入射したレーザ光を分波
し、分波された一方の光波にのみ非線形媒質を通過させ
る、この光波は、非線形媒質により位相シフトが与えら
れた後、位相シフトを与えていない残りの光波と再び合
波される。合波の際に、元の出力光に変調が加わった出
力光が得られる。本実施例では、OPA (optical para
metric amplifier) を通過した波長1.35μmのチタ
ンサファイアレーザ光(100fs,100Hz)を用
い、光電子増倍管又はInGaAs−PINフォトダイ
オードを検出器として使用した。光スイッチング実験の
結果を示した図11にみられるように、当初80%であ
った出力光が三次の非線形光学効果によって変調を受け
た結果、20%まで変化しており、光スイッチング動作
が実現されていることが判る。また、通信波長帯に大き
な吸収がなく、二光子吸収等の影響もみられなかった。
更に、波長1.5μm帯でも同様な結果が得られ、スイ
ッチング動作の際にゲート光照射によるコア部の線形屈
折率自体の変化も検出されなかった。
【0029】本実施例のマッハ・チェンダー型光スイッ
チにおいても、非線形性のより大きな材料を使用する
と、必要なレーザ光パワーを低減化できる。たとえば、
カルコゲナイドガラス (As40S58Se2)を用い、平均
パワー5mWのレーザ光で照射する外は実施例2と同様
にして作製した光導波路を組み込んだマッハ・チェンダ
ー型光スイッチでは、必要なレーザ光パワーが50W以
下になることが確認された。なお、カルコゲナイドガラ
スは、平均パワー5mWのレーザ光で照射された際に
0.01の屈折率変化を示した。応答速度に関しても、
光カーシャッタスイッチの場合と同様に高速であった。
この場合も、二光子吸収や熱効果による低速化や群遅延
分散による低速化等が排除された純粋な電子分極効果に
よる高速応答が可能であった。
チにおいても、非線形性のより大きな材料を使用する
と、必要なレーザ光パワーを低減化できる。たとえば、
カルコゲナイドガラス (As40S58Se2)を用い、平均
パワー5mWのレーザ光で照射する外は実施例2と同様
にして作製した光導波路を組み込んだマッハ・チェンダ
ー型光スイッチでは、必要なレーザ光パワーが50W以
下になることが確認された。なお、カルコゲナイドガラ
スは、平均パワー5mWのレーザ光で照射された際に
0.01の屈折率変化を示した。応答速度に関しても、
光カーシャッタスイッチの場合と同様に高速であった。
この場合も、二光子吸収や熱効果による低速化や群遅延
分散による低速化等が排除された純粋な電子分極効果に
よる高速応答が可能であった。
【0030】実施例6:方向性結合器型光スイッチへの
適用 実施例3で作製されたコア径4μm,長さ10mmの光
導波路を方向性結合器型光スイッチに組み込み、光スイ
ッチング実験に供した。方向性結合器型光スイッチは、
図12に示すように2本の導波路61,62を十分に近
付けたとき一方の導波路61(非線形導波路)に入射さ
れた光波モードが他方に結合し、両モード間で伝送光エ
ネルギーの移動が起こり、結果として出射端からの光エ
ネルギーがオン・オフされる現象を利用している。本実
施例では、OPA (optical parametric amplifier) を
通過した波長1.32μmのチタンサファイアレーザ光
(100fs,100Hz)を用い、光電子増倍管又は
InGaAs−PINフォトダイオードを検出器として
使用した。図13の試験結果にみられるように、非線形
導波路61の出射端における出力P 1 は当初65%であ
ったが、三次の非線形光学効果によって結合が起こった
結果、55%にまで減少した。逆に、他方の導波路62
の出射端における出力P2 は当初35%であったが、結
合によって45%に増加していた。
適用 実施例3で作製されたコア径4μm,長さ10mmの光
導波路を方向性結合器型光スイッチに組み込み、光スイ
ッチング実験に供した。方向性結合器型光スイッチは、
図12に示すように2本の導波路61,62を十分に近
付けたとき一方の導波路61(非線形導波路)に入射さ
れた光波モードが他方に結合し、両モード間で伝送光エ
ネルギーの移動が起こり、結果として出射端からの光エ
ネルギーがオン・オフされる現象を利用している。本実
施例では、OPA (optical parametric amplifier) を
通過した波長1.32μmのチタンサファイアレーザ光
(100fs,100Hz)を用い、光電子増倍管又は
InGaAs−PINフォトダイオードを検出器として
使用した。図13の試験結果にみられるように、非線形
導波路61の出射端における出力P 1 は当初65%であ
ったが、三次の非線形光学効果によって結合が起こった
結果、55%にまで減少した。逆に、他方の導波路62
の出射端における出力P2 は当初35%であったが、結
合によって45%に増加していた。
【0031】出力P1 ,P2 の変化から光スイッチング
動作が起こっていることが判る。この場合でも、通信波
長帯には大きな吸収がなく、二光子吸収の影響も検出さ
れなかった。波長1.5μm帯での実験でも同様な結果
が得られ、スイッチング動作の際にゲート光照射による
コア部の線形屈折率自体の変化も検出されなかった。本
実施例の方向性結合器型光スイッチにおいても、非線形
性のより大きな材料を使用すると、必要なレーザ光パワ
ーを低減化できる。たとえば、カルコゲナイドガラス
(As40S58Se2)を用い、平均パワー5mWのレーザ
光で照射する外は実施例3と同様にして作製した光導波
路を組み込んだ方向性結合器型光スイッチでは、必要な
レーザ光パワーが150W以下になることが確認され
た。なお、カルコゲナイドガラスは、平均パワー5mW
のレーザ光で照射された際に0.01の屈折率変化を示
した。応答速度に関しても、光カーシャッタスイッチの
場合と同様に高速であった。この場合も、二光子吸収や
熱効果による低速化や群遅延分散による低速化等が排除
された純粋な電子分極効果による高速応答が可能であっ
た。
動作が起こっていることが判る。この場合でも、通信波
長帯には大きな吸収がなく、二光子吸収の影響も検出さ
れなかった。波長1.5μm帯での実験でも同様な結果
が得られ、スイッチング動作の際にゲート光照射による
コア部の線形屈折率自体の変化も検出されなかった。本
実施例の方向性結合器型光スイッチにおいても、非線形
性のより大きな材料を使用すると、必要なレーザ光パワ
ーを低減化できる。たとえば、カルコゲナイドガラス
(As40S58Se2)を用い、平均パワー5mWのレーザ
光で照射する外は実施例3と同様にして作製した光導波
路を組み込んだ方向性結合器型光スイッチでは、必要な
レーザ光パワーが150W以下になることが確認され
た。なお、カルコゲナイドガラスは、平均パワー5mW
のレーザ光で照射された際に0.01の屈折率変化を示
した。応答速度に関しても、光カーシャッタスイッチの
場合と同様に高速であった。この場合も、二光子吸収や
熱効果による低速化や群遅延分散による低速化等が排除
された純粋な電子分極効果による高速応答が可能であっ
た。
【0032】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の光導波
路は、レーザ光の集光照射で光誘起屈折率変化領域を連
続的に形成した光導波路をガラス基体の内部に書き込ん
でいる。そのため、三次元的にも複雑な構造をもつ光導
波路が容易に形成される。しかも、この導波路を用いた
非線形光学装置は、高能率に動作することは勿論、良好
な光学特性等を備えていることから光情報処理や光通信
分野で重用される。また、平面型の光導波路とすると、
光ファイバ型と異なり、PLC(Planar Lightwave Cir
cuit) 等、広い展開を図ることが可能である。しかも、
本発明に従った非線形光学装置は、純粋な電子分極効果
による非線形メカニズムを利用しているので、通信波長
帯を含む広い波長範囲でサブピコ秒以下の高速動作を実
現できる。更に、本発明の光導波路及びこれを用いた非
線形光学装置は、前述したような純粋な三次非線形光学
効果を利用する光デバイスだけではなく、他の非線形光
学効果、たとえば二次のカスケード効果を用いた光スイ
ッチ等にも転用できる。
路は、レーザ光の集光照射で光誘起屈折率変化領域を連
続的に形成した光導波路をガラス基体の内部に書き込ん
でいる。そのため、三次元的にも複雑な構造をもつ光導
波路が容易に形成される。しかも、この導波路を用いた
非線形光学装置は、高能率に動作することは勿論、良好
な光学特性等を備えていることから光情報処理や光通信
分野で重用される。また、平面型の光導波路とすると、
光ファイバ型と異なり、PLC(Planar Lightwave Cir
cuit) 等、広い展開を図ることが可能である。しかも、
本発明に従った非線形光学装置は、純粋な電子分極効果
による非線形メカニズムを利用しているので、通信波長
帯を含む広い波長範囲でサブピコ秒以下の高速動作を実
現できる。更に、本発明の光導波路及びこれを用いた非
線形光学装置は、前述したような純粋な三次非線形光学
効果を利用する光デバイスだけではなく、他の非線形光
学効果、たとえば二次のカスケード効果を用いた光スイ
ッチ等にも転用できる。
【図1】 光カーシャッタスイッチの模式図
【図2】 本発明に従った光導波路の作製方法を説明す
る図
る図
【図3】 集光点の一方向相対移動により形成された光
導波路
導波路
【図4】 集光点の二方向相対移動により形成された光
導波路
導波路
【図5】 本発明に従ってマッハ・チェンダー型光スイ
ッチ用の光導波路を作製するプロセスの一例
ッチ用の光導波路を作製するプロセスの一例
【図6】 本発明に従ってマッハ・チェンダー型光スイ
ッチ用の光導波路を作製するプロセスの他の例
ッチ用の光導波路を作製するプロセスの他の例
【図7】 本発明に従って方向性結合器型光スイッチ用
の光導波路を作製するプロセスの一例
の光導波路を作製するプロセスの一例
【図8】 本発明に従って方向性結合器型光スイッチ用
の光導波路を作製するプロセスの他の例
の光導波路を作製するプロセスの他の例
【図9】 実施例1で作製した光導波路を組み込んだ光
カーシャッタスイッチの光学系
カーシャッタスイッチの光学系
【図10】 同光カーシャッタスイッチの特性を示すグ
ラフ
ラフ
【図11】 実施例2で作製した光導波路を組み込んだ
マッハ・チェンダー型光スイッチの特性を示すグラフ
マッハ・チェンダー型光スイッチの特性を示すグラフ
【図12】 方向性結合器型光スイッチに組み込まれた
光導波路の入力と出力との関係を示す図
光導波路の入力と出力との関係を示す図
【図13】 実施例6で調査した方向性結合器型光スイ
ッチの特性を示すグラフ
ッチの特性を示すグラフ
10:光カースイッチ 11:偏光子 12:検光
子 13:非線形屈折率媒質(カー媒質) 20:ガラス材料 21:レーザ光 22:集光レ
ンズ 23:集光点 24,25:光導波路 31〜35,41〜45:基板 31a〜35a,4
1a〜45a:光導波路 36,46:非線形性の大きな材料 50:光カーシャッタスイッチ 51:光源 5
2:λ/2波長板 53a:偏光子 53b:検光子 54:ミラー
55a,55b:レンズ 56:光導波路 5
7:フィルタ 58:検出器 61:非線形性の導波路 62:通常の導波路
子 13:非線形屈折率媒質(カー媒質) 20:ガラス材料 21:レーザ光 22:集光レ
ンズ 23:集光点 24,25:光導波路 31〜35,41〜45:基板 31a〜35a,4
1a〜45a:光導波路 36,46:非線形性の大きな材料 50:光カーシャッタスイッチ 51:光源 5
2:λ/2波長板 53a:偏光子 53b:検光子 54:ミラー
55a,55b:レンズ 56:光導波路 5
7:フィルタ 58:検出器 61:非線形性の導波路 62:通常の導波路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 清貴 奈良県奈良市朱雀1丁目13−22 (72)発明者 平尾 一之 京都府相楽郡木津町木津川台3−5−8
Claims (6)
- 【請求項1】 非線形光学効果を呈するガラス材料を基
体又は基体の一部とし、レーザ光の集光照射によって屈
折率を変化させた部分が光導波路として基体内部に形成
されている光導波回路。 - 【請求項2】 酸化物ガラス,ハロゲン化物ガラス,硫
化物ガラス又はカルコゲナイドガラスを基体とする請求
項1記載の光導波回路。 - 【請求項3】 光導波路が二股状に分岐し、分岐した一
方の光導波路が非線形光学効果を呈するガラス材料の内
部に形成されている請求項1又は2記載の光導波回路。 - 【請求項4】 偏光子を介した入射光と共にゲート光が
光導波路に入射され、光導波路を通過した入射光を検光
子を介して出射光として取り出す光カーシャッタスイッ
チにおいて、請求項1〜3の何れかに記載の光導波回路
を使用する非線形光学装置。 - 【請求項5】 入射したレーザ光を分波し、非線形媒質
からなる光導波路に分波された一方の光波を通過させて
位相シフトを与え、位相シフトを与えていない他方の光
波と合波させ、入力光に変調が加わった出力光を得るマ
ッハ・チェンダー型光スイッチにおいて、請求項1〜3
の何れかに記載の光導波回路を使用する非線形光学装
置。 - 【請求項6】 近接した2本の導波路のうち一つを非線
形導波路とし、一方の導波路に入射された光波モードが
他方の導波路に入射された光波モードと結合し、両モー
ド間で起きる伝送光エネルギーの移動により出射端から
の光エネルギーをオン・オフする方向性結合器型光スイ
ッチにおいて、請求項1〜3の何れかに記載の光導波回
路を使用する非線形光学装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9096161A JPH10288799A (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 光導波回路及び非線形光学装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9096161A JPH10288799A (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 光導波回路及び非線形光学装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10288799A true JPH10288799A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=14157632
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9096161A Pending JPH10288799A (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 光導波回路及び非線形光学装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10288799A (ja) |
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001311847A (ja) * | 2000-02-22 | 2001-11-09 | Nec Corp | 屈折率の修正方法、屈折率の修正装置、及び光導波路デバイス |
| FR2812407A1 (fr) * | 2000-07-28 | 2002-02-01 | Thomson Csf | Convertisseur de faisceau d'onde et son procede de fabrication |
| EP1266249A4 (en) * | 1999-09-30 | 2003-07-16 | Corning Inc | INTERNALLY IMPACTED COMPACTION IN SILICA GLASSES WITH LASER IN THE DEEP UV AREA |
| EP1204977A4 (en) * | 1999-07-29 | 2003-08-13 | Corning Inc | DIRECTLY WRITING OPTICAL DEVICES MADE FROM SILICON-BASED GLASS USING FEMTOSE CUSTOMER LASER PULSES |
| US6796148B1 (en) | 1999-09-30 | 2004-09-28 | Corning Incorporated | Deep UV laser internally induced densification in silica glasses |
| US7046881B2 (en) | 2001-07-30 | 2006-05-16 | Fujikura, Ltd. | Manufacturing method for optical coupler/splitter and method for adjusting optical characteristics of planar lightwave circuit device |
| JP2009516184A (ja) * | 2005-11-15 | 2009-04-16 | コミッサリア タ レネルジー アトミーク | 非常に短い時間幅の短髪パルスの波形を測定する装置 |
| CN102981373A (zh) * | 2012-11-26 | 2013-03-20 | 中国科学院上海光学精密机械研究所 | Y型波导激光直写装置 |
| JPWO2022130515A1 (ja) * | 2020-12-15 | 2022-06-23 | ||
| JPWO2022215274A1 (ja) * | 2021-04-09 | 2022-10-13 |
-
1997
- 1997-04-14 JP JP9096161A patent/JPH10288799A/ja active Pending
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1204977A4 (en) * | 1999-07-29 | 2003-08-13 | Corning Inc | DIRECTLY WRITING OPTICAL DEVICES MADE FROM SILICON-BASED GLASS USING FEMTOSE CUSTOMER LASER PULSES |
| EP1266249A4 (en) * | 1999-09-30 | 2003-07-16 | Corning Inc | INTERNALLY IMPACTED COMPACTION IN SILICA GLASSES WITH LASER IN THE DEEP UV AREA |
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| WO2002011251A3 (fr) * | 2000-07-28 | 2002-05-30 | Thales Sa | Convertisseur de faisceau d'onde et son procede de fabrication |
| US7046881B2 (en) | 2001-07-30 | 2006-05-16 | Fujikura, Ltd. | Manufacturing method for optical coupler/splitter and method for adjusting optical characteristics of planar lightwave circuit device |
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| JPWO2022130515A1 (ja) * | 2020-12-15 | 2022-06-23 | ||
| WO2022130515A1 (ja) * | 2020-12-15 | 2022-06-23 | 日本電信電話株式会社 | 三次元ハイブリッド光導波路およびその製造方法 |
| JPWO2022215274A1 (ja) * | 2021-04-09 | 2022-10-13 | ||
| WO2022215274A1 (ja) * | 2021-04-09 | 2022-10-13 | 日本電信電話株式会社 | 光導波路形成方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060110 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060516 |