JPH10290041A - 光波長基準セル装置 - Google Patents

光波長基準セル装置

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JPH10290041A
JPH10290041A JP11012897A JP11012897A JPH10290041A JP H10290041 A JPH10290041 A JP H10290041A JP 11012897 A JP11012897 A JP 11012897A JP 11012897 A JP11012897 A JP 11012897A JP H10290041 A JPH10290041 A JP H10290041A
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cell
light
temperature
magnetic shield
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JP11012897A
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Takayuki Ueno
隆之 上野
Yuji Ouchi
裕司 大内
Hirohiko Suga
弘彦 菅
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Anritsu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の入出射面であるセルの両端面に金属原子
が析出することがなく、かつ、光吸収スペクトル特性に
飽和歪が発生することのない、常に安定したレベルのス
ペクトル線を高S/N比で観測できる光波長基準セル装
置を実現する。 【解決手段】 測温素子2が貼付されたセル1と該セル
1を収めた磁気シールド槽4とを温度制御手段3を備え
た左右一対の部分10e,10fからなるセル加熱ブロ
ック10で挟み込み、それら全体を保温筒6で覆ってい
る。セル1をその両端面1a,1bから温めることで、
両端面への金属原子の析出がなく、また、両端面に金属
原子を析出させないためにと加熱し過ぎることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光領域の周波数計
測器や高い周波数安定度を有する光励起原子発振器等に
用いる波長安定化光源の光周波数基準セル装置に係り、
特に長期にわたって高い波長安定度を必要とする半導体
レーザ(LaserDiode:以下「LD」という。)を用い
た波長安定化光源の光周波数基準セル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、所望波長の光を得るためには、キ
ャリアガスと共に所望波長近辺に吸収スペクトラムを有
する分子・原子を封入したランプセルを高周波励振して
放電させ、所望波長を含む幅広いスペクトラムを持った
放電光を用いてきたが、近年半導体技術の進歩によりL
Dが実用化され、狭いスペクトル線幅の安定した所望波
長のみを得ることが可能となってきた。
【0003】LDは、その駆動(注入)電流、動作温度
を制御することによって発振波長を精密に制御すること
ができる。しかし、常に安定した所望波長を得るために
は、LD発振波長を所望波長情報と常に照らしてその差
がゼロとなるように前記駆動電流・動作温度の一方ある
いは双方に帰還制御する必要がある。
【0004】基準とする所望波長情報は、円筒形真空ガ
ラス容器(セル)に所望波長の吸収スペクトラムを有す
る分子・原子を封入した基準セルを用意し、LDの発振
光の一部を分岐して該基準セルの一端に入射、対向する
他端でその透過光量を受光素子で検出する。LDの動作
電流(必要に応じて動作温度)を連続的に変化させてL
D発振波長を変え、透過光量を観測する。横軸に発振光
波長、縦軸にその透過光量を記録すると吸収スペクトラ
ムが観測できる。各吸収スペクトルのレベル底値にあた
る光波長が該分子・原子固有の吸収波長であり、前記所
望の発振光波長となる。
【0005】光励起原子発振器等に用いる波長安定化光
源にはアルカリ金属原子が封入された基準セルが用いら
れ、一般に、基準セルに封入されたアルカリ金属原子
は、常温ではセル内壁面に薄い金属皮膜を形成して付着
しており、光を照射しても弱い吸収しか得られない。そ
こで、効率よく吸収を起こさせ、高いS/N比で吸収ス
ペクトラムを得るためには、封入した金属原子を蒸気状
態にする必要があり、該金属固有の融点以上に加熱しな
ければならない。また、安定した吸収スペクトラムレベ
ルを得るために、該蒸気圧は一定でなければならない。
該蒸気圧はセル温度に大きく依存することから安定した
吸収スペクトラムレベルを得るためには、該基準セル温
度を周囲温度より高くかつ該金属の融点より高い温度で
加熱恒温化制御する必要がある。
【0006】そこで、従来の光周波数基準セル装置は、
図5に示すように構成されていた。図5は入射光の光軸
と平行な方向の断面図である。装置の大きさは、通常、
磁気シールド槽4で長さ4cm、直径3cm程度であ
る。基準セル1はアルカリ金属原子を封入した円筒形の
ガラス容器であり、両端面1a,1bは入出射光の反射
を防ぐために光軸に対して直角よりやや角度を持たせ断
面が台形のようになっている。左上部の突起1cは、ア
ルカリ金属の封入に用いた管を封じ切った部分である。
基準セル1には測温素子2が貼付されている。ヒータ線
3は図5に示すように巻き枠3aに巻かれるか、熱伝導
を考慮して加熱効果を上げるため基準セル1に直接巻き
としている。円筒形のガラス容器の中心軸(セル軸)方
向にヒータ線を巻くのは容易ではなく、また光入出射部
1a,1bにヒータ線が干渉するため、円筒側面にセル
軸に対して直交方向に巻かれるのが一般である。
【0007】ヒータ線3を巻いた基準セル1は、該基準
セル1が挿入可能な最小の径を有し、磁路を形成し易く
するため両端が絞られた磁気シールド槽4に挿入されて
いる。この際、該基準セル1の固定は櫛バネ状に加工し
た非磁性体のセル保持具5を用いて磁気シールド槽4の
内側中央部に固定される。測温素子2とヒータ線3は図
示しない温度制御器に接続されており、測温素子2の検
出温度情報をもとに温度制御器によって、温度制御手段
であるヒータ線3に通電され、基準セル1の加熱恒温化
制御をしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
従来の光周波数基準セル装置では、加熱面が円筒側壁部
となるため、光の入出射部である該基準セル1の両端面
1a,1bは設定されるセル温度より低い周囲温度に晒
され前記円筒側壁部より温度が下がる。そのため、セル
温度を低く設定すると、基準セル1の両端面1a,1b
にアルカリ金属原子の皮膜ができてしまう。反対に、セ
ル温度を高く設定すると、金属蒸気圧が上昇しすぎて吸
収線に歪みを生じてしまう。
【0009】このことを、少しく詳細に説明する。前記
基準セル1は前述のごとく吸収スペクトラムを得るため
に、その一端から光を入射し、対向する他端に光を透過
させる必要がある。周囲温度が融点よりもある程度低い
とき、例えば融点が39℃程度であるルビジウム(R
b)の場合30℃以下と低いときや、加熱動作終了時に
はどうしても外気に直接触れている基準セル1の両端面
1a,1bから冷え始め、該両端面の壁面温度が当該円
筒形ガラス容器の他部より5〜6℃以上低いと、飽和蒸
気圧が下がった分、蒸気状態でいられなくなったアルカ
リ金属原子が析出して冷えたセル端面ガラスの内壁に付
着し、その部分に金属皮膜が形成される。その結果、蒸
気圧が低下するばかりでなく照射光のセル透過率も低下
する。すなわち、光基準情報信号のS/N比が劣化す
る。
【0010】セル端面の金属皮膜の形成を阻止するため
に、セルの温度を上げていくと光吸収率が増大し、吸収
スペクトラムレベルも大きくなる。しかし、実験による
と吸収率が80%を越えると吸収スペクトラム特性に飽
和がみられ、該スペクトラム特性の極大値部分のつぶれ
が目立つようになってくる。これは金属蒸気圧が上昇し
過ぎたためで、吸収スペクトラム特性の極大値部分で線
形吸収(LAS:Linear Absorption Spectrum)に重畳
されて検出される微小な飽和吸収(SAS:Saturated
Absorption Spectrum)波形が弁別不能となってくる。
これでは精密に波長制御しようとする際に基準としてい
る飽和吸収分光情報が得られなくなる。
【0011】周波数標準に一般に使用される代表的な金
属原子の微小圧力下での融点は、セル内圧:133×1
0の−6乗PaでRb 原子では39℃、セシウム(Cs )
原子では28℃程度である。セル温度を前記融点以上に
上げていくと光吸収量が増加し、それに連れて吸収スペ
クトラムレベルも増大していく。そして、ある温度にな
ると光吸収量が上限に達し、これ以上にセル温度を上げ
ると吸収線に歪みを生じて吸収スペクトラムの極大値部
分の特性がつぶれてくる。セルの形状によって多少の差
はあるが、実験に用いたセルの吸収スペクトラムに歪み
を生じない限界温度は、Rb 原子で約48℃、Cs 原子
で約35℃であった。
【0012】セルの設定動作温度は各原子の融点以上で
かつ吸収スペクトラムが飽和を起こさない温度範囲でな
ければならない。冷却機能を持たない加熱方式の温度制
御手段を用いることが一般的であるため、装置の使用環
境温度上限値(常温+10℃程度)やそのときの装置内
の温度上昇(環境温度+5〜10℃)を考えると、実用
温度範囲はかなり狭い。殊にCs 原子の場合は環境温度
が上限値に近ければ加熱しなくても前記限界温度に達す
ることも考えられ、セルの設定温度自体が微妙である。
【0013】従来の光周波数基準セル装置には、上述の
セルの温度制御に関する問題の他、基準セルに加わる磁
場変動の問題がある。金属原子の光吸収に際しては基準
セルに加わる磁場および磁場変動によってゼーマン効果
の影響を受ける。一般に周波数標準に使用される代表的
な金属原子のゼーマン効果は以下のとおりで、Rb原子
では、 ν=ν87Rb+0.09064H02 Hz (H0:A/m) Cs原子では、 ν=νCs+0.06746H02 Hz (H0:A/m) の変化を受ける。
【0014】基準セル1に加わる磁場変動は、地磁場変
動を含んだ外部環境磁場変動と前述のヒータ線3から発
生する装置内擾乱磁場とがある。ヒータ線3は熱伝達の
観点から、基準セル1の極く近傍に配され、かつ流れる
電流は環境温度の変化に連れて常に変化する。したがっ
て、磁気的に安定な光基準情報を得るためには外部磁場
の磁気遮蔽ばかりでなく、自ら装備するヒータ線3によ
る磁場変動も極力抑える必要がある。また、より高安定
な波長安定化光源を追究する上では、微少ではあっても
変調のかかった出射光は不都合である。LD発振光は是
非とも無変調光としたい。この場合、光波長基準信号を
得るため前述のゼーマン効果を利用して該基準セルに磁
場変調をかける。そのため、該基準セルの外側にゼーマ
ン変調用コイルを設置する。ゼーマン変調をかける際は
その他の磁場変動は極力抑える必要があるのは当然のこ
とで、その意味でもヒータ線3による磁場変動を抑えた
い。
【0015】この発明の目的は、前述の問題点を解決
し、光の入出射面であるセルの両端面に金属原子が析出
することがなく、かつ、光吸収スペクトル特性につぶれ
(飽和歪)が発生することのない、常に安定したレベル
のスペクトル線を高S/N比で観測できる光周波数基準
セル装置を実現することである。また、基準セルに加わ
る磁場変動を極力抑えてゼーマンシフトが軽減された光
周波数基準セル装置を実現すること、さらに、ゼーマン
シフトが軽減されることによって、ゼーマン変調が可能
な光周波数基準セル装置を実現することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1の光波長基準セル装置は、対向
する光の入射面と出射面とをもつアルカリ金属原子を封
入した基準セルと、該基準セルの温度を検出するための
測温素子と、前記基準セルの温度を制御するための温度
制御手段と、前記基準セルを外部の磁場から遮蔽するた
めに、前記基準セルを覆うように配された円筒状の磁気
シールド槽とを有する、前記基準セルに光を照射して光
吸収を起こさせ前記光の透過光量を観測するための光波
長基準セル装置において、前記光の入出射用の孔を有す
る二つの凸部が前記基準セルの光の入射面と出射面とに
それぞれ面接触するように前記円筒状の磁気シールド槽
の両端から挿入されており、かつ、前記円筒状の磁気シ
ールド槽の少なくとも一部をその両端部からそれぞれ覆
うように形成された二つの凹部の外周部にそれぞれ前記
温度制御手段を有するセル加熱ブロックを備えている。
【0017】また、本発明の請求項2の光波長基準セル
装置は、請求項1の光波長基準セル装置に加え、前記基
準セルを入射光の光軸方向全体にわたって覆うように、
前記磁気シールド槽の内側に配されたゼーマン変調用コ
イルを備えている。さらに、本発明の請求項3の光波長
基準セル装置は、請求項1または請求項2の光波長基準
セル装置に加え、前記光の入出射用の孔を有する、前記
磁気シールド槽およびセル加熱ブロックを覆って保温断
熱するための保温筒を備えており、かつ、前記基準セル
がその一部を中空で突起状に伸延した突起状部を有して
おり、該突起状部の一部が前記保温筒外へ出ていること
を特徴としている。
【0018】
【作用】セル加熱ブロック10の外周部10d,10d
に設けられた温度制御手段3,3によって暖められた該
セル加熱ブロック10は基準セル1を暖め、該基準セル
1は、磁気遮蔽された環境下で加熱恒温化される。基準
セル1内の金属原子は蒸気状態となって存在し、基準セ
ル1に照射された入射光は、封入された金属原子の固有
吸収波長に対してのみ光吸収を起こし、その前後の波長
に対しては光吸収を起こさないので、波長基準が得られ
る。セル加熱ブロック10の中央凸部10a,10a
は、セル端面1a,1bを暖める。該セル加熱ブロック
中央凸部10a,10aに空けた照射光の入出射用の孔
10b,10bを通して、セル端面1a,1bは外気に
触れるがセル端面1a,1bに触れる空気は外気より暖
まっているために、セル端面1a,1bが冷え難い。そ
のため、光波長基準セル装置の使用中はセル端面1a,
1bに金属皮膜が生成しない。また、光波長基準セル装
置の動作開始時は、セルを端面1a,1bから加熱し始
めるため、光透過に重要なセル端面1a,1b内壁に金
属皮膜が付着している場合であっても蒸発させることが
でき、吸収スペクトル観測上の支障をきたさない。そし
て、セル加熱ブロック10の外周部10d,10dに設
けられた温度制御手段3,3は、磁気シールド槽4の外
側に位置する。これによって、温度制御手段3,3から
誘起される変動磁場の基準セル1への影響が小さい。す
なわち、ゼーマン効果によって生ずる光吸収スペクトル
波長のシフトが軽減される。
【0019】本発明の請求項2の光波長基準セル装置
は、ゼーマン変調用コイル9を備えているが、前述のよ
うに、温度制御手段3,3による変動磁場の影響が小さ
いことから、ゼーマン変調用コイル9を設ければ、ゼー
マン変調をかけることができる。本発明の請求項3の光
波長基準セル装置では、基準セル1がその一部を中空で
突起状に伸延した突起状部1dを有しており、該突起状
部1dの一部が前記保温筒外へ出ている。該突起状部1
dは保温筒6内の基準セル1より例えば10〜15℃低
い温度環境下に置かれる。該温度環境は、突起状部1d
を外気に触れさせることで作ってもよいし、強制的に温
度制御することで作ってもよい。これにより、基準セル
1が冷えていくまたは周囲温度が低い場合、蒸気状態で
あった金属原子の析出は突起状部1dで先に始まり、結
果として基準セル1の飽和蒸気圧を引き下げてセル両端
面(光の入出射面)1a,1bへの金属膜の付着(曇
り)を防ぐ。一方、基準セル1が十分な光吸収率を確保
するために加熱状態にある場合、突起状部1dは基準セ
ル1内蒸気圧のバッファエリアとして働く。例えば、設
定温度が特に厳しいCs 原子の場合でも、突起状部1d
の温度を基準セル1の温度より10〜15℃低く設定す
ることによって、突起状部1dに金属が析出し、基準セ
ル1の設定温度を45℃程度としても過飽和状態となら
ず飽和蒸気圧を適正に保つことができる。これにより、
セルの実用温度範囲を拡大することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1に本発明の第一の実施の形態
を示す。図1は入射光の光軸と平行な方向の断面図であ
る。第一の実施の形態の光波長基準セル装置は、測温素
子2が貼付された基準セル1と該基準セル1を収めた磁
気シールド槽4とを温度制御手段3,3を備えた左右一
対の部分からなるセル加熱ブロック10で挟み込み、そ
れら全体を保温筒6で覆った構造を有している。
【0021】基準セル1はアルカリ金属原子を封入した
透明ガラス容器であり、一端から光を入射し対向する他
端側でその透過光量を観測するのに都合の良い(例え
ば、円筒形のようにほぼ平行端面を有する)形をしてい
る。大きさは長さ4cm、直径3cm程度である。基準
セル1の両端面1a,1bは入出射光の反射を防ぐため
に光軸に対して直角よりやや角度を持たせ断面が台形の
ようになっている。セルの両端面は、その端面で照射光
によって生ずる不用意な反射を起こさないよう本実施の
形態のようにセル軸に対して直角でなく数度の傾斜を持
たせて製作するかまたはセル軸に対して直角に製作した
場合は照射光軸に対して直角でなく数度の傾斜を持たせ
て設置するのが一般的である。左上部の突起1cは、ア
ルカリ金属の封入に用いた管を封じ切った部分である。
【0022】磁気シールド槽4は強磁性体材料で作られ
ており、その円筒両端部は丸みをもたせて内側に折り曲
げ、光の入出射孔部を確保しつつ閉磁路を形成し易くし
て磁気抵抗の減少が図られている。基準セルに用いる実
用的な磁気シールド槽は、該セルおよび後述するゼーマ
ン変調用コイルを内蔵するため二分割するか、分割しな
い場合は少なくともその一端は基準セルに被せて配置す
る該ゼーマン変調用コイル径より大きな開口部を有する
必要があるが、口径は前述の理由から必要最小限の径と
する。
【0023】セル加熱ブロック10は、中央に光入出射
孔10b,10bが設けられており、図に示すように、
該光入出射孔10b,10bを無視すればその断面がほ
ぼE字形の部分10eと該部分10eと線対象な形状の
部分10fとの左右一対で成っている。セル加熱ブロッ
ク10は熱伝導度が良い非磁性材質、例えばアルミニュ
ーム、リン青銅、電気銅、等で製作され、磁気シールド
槽4を抱え込んだ凹部10c,10cの外側に温度制御
手段3としての加熱用ヒータが巻かれている。そのた
め、加熱用ヒータ3,3は、磁気シールド槽4の外側に
位置する。中央の凸部10a,10aは基準セル1の両
端面1a,1bの傾斜に合わせて傾斜しており、該両端
面1a,1bと面接触している。また、中央の凸部10
aに空けた照射光の入出射孔10bは、孔径より軸長の
方を長くしている。ヒータ線3は、ヒータ線自体を2つ
折りして捩り合わせたバイファイラ巻きとして相殺作用
をもたせ誘導される変動磁場を抑えている。保温筒6は
樹脂製であり、基準セル1の光入出射面1a,1bに対
応して、入出射光を通すための光入出射孔6a,6bが
空けられている。測温素子2,温度制御手段3は図示し
ない温度制御器に接続されている。
【0024】このように構成された第一の実施の形態の
光波長基準セル装置においては、波長基準とする光吸収
スペクトル線を検出する基準セル1は、測温素子2の検
出温度情報をもとに温度制御器によって電流が制御され
るヒータ線3と保温筒6の構成によって、封入した金属
原子を蒸気状態にし十分な光吸収率が得られる温度に加
熱恒温化される。恒温化する温度は、例えばRbの場
合、40〜50℃の一点である。磁気シールド槽4は、
基準セル1に及ぶ地磁場の残留量また外部磁場変動の影
響を抑圧し、前記ゼーマン効果によって生ずる光吸収ス
ペクトル波長のシフトを軽減する。加熱用ヒータ3が磁
気シールド槽4の外側に位置しているので、該加熱用ヒ
ータ3で誘起される微弱変動磁場の基準セル1への影響
が小さい。
【0025】セル加熱ブロック10中央凸部10aに空
けた照射光の入出射用の小孔10bは、孔径より軸長の
方を長くとってあるため空気の動きが少なく、またセル
ガラス面に触れる空気は外気より暖まっているために、
開けた孔の影響でセル端面1a,1bが冷えてセル内側
に金属皮膜が付着するのを防ぐ働きをしている。また、
基準セル1をセル端面1a,1bから加熱し始めるた
め、光透過に重要なセル端面部内壁に金属皮膜が付着し
ている場合であっても蒸発させることができ、吸収スペ
クトル観測上の支障を解消させることが可能である。動
作中は、温度の低い外部に直接通じているセル端面1
a,1bがセル加熱ブロック10で温められていること
で、セル端面1a,1bに金属皮膜が生成されない。ま
た、基準セル1が冷えてガス状でいられなくなった金属
原子が、照射光の入出射面であるセル端面1a,1bに
付着し難くしている。
【0026】図2に本発明の第二の実施の形態を示す。
図2は入射光の光軸と平行な方向の断面図である。第一
の実施の形態との違いは、巻き枠9aに巻かれたゼーマ
ン変調用コイル9が基準セル1と磁気シールド槽4の間
に設けられていることである。第一の実施の形態もそう
であるが、本実施の形態も加熱用ヒータ3が磁気シール
ド槽4の外側に位置しており、該加熱用ヒータ3で誘起
される微弱変動磁場の基準セル1への影響が小さいか
ら、ゼーマン変調用コイル9を備えることで、ゼーマン
変調が可能な光波長基準セル装置となっている。
【0027】光吸収スペクトル線を観測するには、LD
注入電流に直接微弱な低周波電流を重畳してFM変調を
かけ、吸収波長近傍でLD発振波長を僅かばかり変化さ
せてガスセルに照射、受光素子でその透過光レベルを検
出するのが一般的である。つまり、基準とする光吸収ス
ペクトル線を照射光の波長を変えて掃引するわけであ
る。しかし、この方式は安定であって欲しい光源の出力
である照射光の波長も同じく僅かではあるが変化させて
いることであり、光波長の高安定化を追究していく上で
は支障となる。
【0028】そこで、先のゼーマン効果を利用して基準
セル1と磁気シールド槽4の間にゼーマン変調用コイル
9を付加して交番電流を流せば、光吸収スペクトル線が
僅かながらシフトを起こす。このシフトする光吸収スペ
クトル線にほぼ波長安定化したLD発振光を照射し、透
過光レベルを同じく受光素子で検出する。つまり、前述
のLD発振波長に直接FM変調をかけるのとは逆に、L
D発振波長を固定したままで基準とする波長情報を得る
ことができるので、波長高安定化光源を必要とする際に
は最適である。なお、これに用いるゼーマン変調用コイ
ルは、ソレノイド型でもヘルムホルツ型でも同様の良い
結果が得られる。
【0029】図3に本発明の第三の実施の形態を示す。
図3は入射光の光軸と平行な方向の断面図である。第二
の実施の形態との違いは、基準セル1にアルカリ金属を
封入する際に用いる管を長めに残し、保温筒6の外に突
き出させている点である。基準とする光吸収スペクトル
線を検出する基準セル1は、動作中は前述のセル加熱ブ
ロック10と保温筒6の構成によって支障なく作動する
が、加熱動作終了時にはどうしても外気に直接触れてい
る光の入出射孔部1aa,1bbから冷え始める。これ
によりセル内壁の同部分1aa,1bbを中心として蒸
気状態であった金属原子が析出し始めて金属皮膜が形成
される結果となり、光透過の点から好ましくない。そこ
で、セル管球の一部にセル本体から細い中空の筒状に突
き出した部位(突起状部1d)を設け、その先端をセル
加熱ブロック10の外部に突起状部用孔10gを通して
導き出す構成とする。本実施の形態ではセル製造時の排
気・金属ガス封入ポートを長めに残して流用している。
該突起状部1dは、加熱恒温化されたセル本体温度より
低い温度の周囲環境に晒されているため該セルに低温度
部位(コールドポイント)を作ることができ、ガスセル
が冷える時に先ずコールドポイントに金属蒸気が付着し
てセル管内蒸気圧を下げ、光透過に支障のある光の入出
射孔部1aa,1bbに金属膜が付着することを抑制す
ることができる。
【0030】図4に本発明の第四の実施の形態を示す。
図4は入射光の光軸と平行な方向の断面図である。第三
の実施の形態との違いは、保温筒6の外に突き出した突
起状部1dに基準セル1に設けた測温素子2および温度
制御手段3とは別の測温素子7および温度制御手段8を
設けた点である。該温度制御手段8は、例えば吸加熱動
作が可能な熱電子冷却素子等を用いる。こうすること
で、第三の実施の形態より突起状部1dの温度制御が自
由になり、周囲の温度条件に係わらず適当な温度に設定
できる。例えば、突起状部1dは、測温素子7の検出温
度情報をもとに温度制御器によって制御される温度制御
手段8の構成によって、その温度を基準セル1本体の温
度より10〜15℃位低めに設定して温度安定化され
る。突起状部1dの温度を基準セル1本体の温度より5
〜6℃以上低い温度とすれば、基準セル1の温度が低下
するときに先ず光透過に関係のない突起状部1dに金属
蒸気から析出した金属原子が付着して、基準セル1内の
蒸気圧を下げ、ひいては基準セル1の端面1a,1bに
金属膜が形成されることを抑制する。また、これによっ
て、基準セル1の金属蒸気圧を制御すること、換言すれ
ば一定に保つことが可能となり、常に十分な吸収スペク
トラムレベルを確保しつつかつ歪のない高S/N比の吸
収スペクトラムが得られ、長期に亘ってより安定な基準
波長情報を得ることが可能となる。
【0031】
【発明の効果】本発明の光波長基準セル装置は、光の入
出射用の孔を有する二つの凸部が基準セルの光の入射面
と出射面とにそれぞれ面接触するように円筒状の磁気シ
ールド槽の両端から挿入されるセル加熱ブロックであっ
て、円筒状の磁気シールド槽の少なくとも一部をその両
端部からそれぞれ覆うように形成された二つの凹部の外
周部にそれぞれ加熱用ヒータを有するセル加熱ブロック
を備えることとしたから、セルの両端面から温まり、光
の入出射面であるセルの両端面に金属原子が析出するこ
とがなく、かつ、セルの両端面の温度を金属原子が析出
しないような温度にするために必要以上に加熱するとい
うことがないから、光吸収スペクトル特性につぶれ(飽
和歪)が発生することがなく、常に安定したレベルのス
ペクトル線を高S/N比で観測できる。
【0032】また、基準セルを入射光の光軸方向全体に
わたって覆うように、磁気シールド槽の内側に配された
ゼーマン変調用コイルを備えることとしたから、ゼーマ
ン変調が可能な光周波数基準セル装置が実現できた。さ
らに、基準セルがその一部を中空で突起状に伸延した突
起状部を有しており、該突起状部の一部が前記保温筒外
へ出ていることとしたから、例えば、Csのような実用
温度範囲の狭い金属原子をセルに封入して用いたとして
も、光の入出射面であるセルの両端面に金属原子が析出
することがなく、かつ、光吸収スペクトル特性につぶれ
(飽和歪)が発生することがなく、常に安定したレベル
のスペクトル線を高S/N比で観測できる光周波数基準
セル装置が実現できる。このことは、長期に亘って安定
した所望光波長情報を得ることが可能となること、装置
の使用環境温度範囲が拡大することともなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光波長基準セル装置の第一の実施の形
態を示す図である。
【図2】本発明の光波長基準セル装置の第二の実施の形
態を示す図である。
【図3】本発明の光波長基準セル装置の第三の実施の形
態を示す図である。
【図4】本発明の光波長基準セル装置の第四の実施の形
態を示す図である。
【図5】従来の光波長基準セル装置の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 セル(基準セル) 1a 端面(光入射面) 1b 端面(光出射面) 1c 突起 1d 突起状部 2 測温素子 3 温度制御手段(加熱用ヒータ、ヒータ線) 3a 巻き枠 4 磁気シールド槽 5 セル保持具 6 保温筒 6a 光入出射孔 6b 光入出射孔 7 測温素子 8 温度制御手段 9 ゼーマン変調用コイル 9a 巻き枠 10 セル加熱ブロック 10a 凸部 10b 光入出射孔 10c 凹部 10d 外周部 10e セル加熱ブロックの部分 10f セル加熱ブロックの部分 10g 突起状部用孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する光の入射面(1a)と出射面(1
    b)とをもつアルカリ金属原子を封入した基準セル
    (1)と、該基準セルの温度を検出するための測温素子
    (2)と、前記基準セルの温度を制御するための温度制
    御手段(3)と、前記基準セルを外部の磁場から遮蔽す
    るために、前記基準セルを覆うように配された円筒状の
    磁気シールド槽(4)とを有する、前記基準セルに光を
    照射して光吸収を起こさせ前記光の透過光量を観測する
    ための光波長基準セル装置において、 前記光の入出射用の孔を有する二つの凸部が前記基準セ
    ルの光の入射面と出射面とにそれぞれ面接触するように
    前記円筒状の磁気シールド槽の両端から挿入されてお
    り、かつ、前記円筒状の磁気シールド槽の少なくとも一
    部をその両端部からそれぞれ覆うように形成された二つ
    の凹部の外周部にそれぞれ前記温度制御手段を有するセ
    ル加熱ブロック(10)を備えたことを特徴とする光波
    長基準セル装置。
  2. 【請求項2】前記基準セルを入射光の光軸方向全体にわ
    たって覆うように、前記磁気シールド槽の内側に配され
    たゼーマン変調用コイル(9)を備えた請求項1に記載
    の光波長基準セル装置。
  3. 【請求項3】前記光の入出射用の孔を有する、前記磁気
    シールド槽およびセル加熱ブロックを覆って保温断熱す
    るための保温筒(6)を備えており、かつ、前記基準セ
    ルがその一部を中空で突起状に伸延した突起状部(1
    d)を有しており、該突起状部の一部が前記保温筒外へ
    出ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の光波長基準セル装置。
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