JPH10291990A - アシル基を有するヘキサアザイソウルチタンの製造方法 - Google Patents

アシル基を有するヘキサアザイソウルチタンの製造方法

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JPH10291990A
JPH10291990A JP11421597A JP11421597A JPH10291990A JP H10291990 A JPH10291990 A JP H10291990A JP 11421597 A JP11421597 A JP 11421597A JP 11421597 A JP11421597 A JP 11421597A JP H10291990 A JPH10291990 A JP H10291990A
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春行 三ノ浦
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節男 山松
Nobutoshi Miyake
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アシル基を有するヘキサアザイソウルチタン
誘導体の高収率で工業的に有利な製造方法を提供する。 【解決手段】 ヘキサキス(アリールメチル)ヘキサア
ザイソウルチタンを反応溶媒中、アシル化剤存在下、P
dを含む触媒存在下で還元的脱アリールメチルするに際
し、反応溶媒としてアミド基を有する溶媒を使用し、一
段でアシル基を有するヘキサアザイソウルチタンの製造
方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来の火薬組成物
の高性能化をはかるために利用されるヘキサニトロヘキ
サアザイソウルチタンのニトロ化前駆体であるアシル基
を有するヘキサアザイソウルチタン誘導体類の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】アシル基を有するヘキサアザイソウルチ
タンの製造方法として、ヘキサキス(アリールメチル)
ヘキサアザイソウルチタンをアシル化剤存在下で還元的
脱アリールメチルし、テトラアシルビス(アリールメチ
ル)ヘキサアザイソウルチタン、ペンタアシルアリール
メチルヘキサアザイソウルチタン、ヘキサアシルヘキサ
アザイソウルチタン、テトラアシルジアルキルヘキサア
ザイソウルチタン等のアシル基とアリールメチル基、ア
ルキル基、水素原子等を有するヘキサアザイソウルチタ
ン誘導体類を製造する方法が知られている[Tetra
hedronVol. 51,No16、4711ー47
22(1995)、PCT−JP96−00189)。
これらの文献、特許出願に記載されている製造方法に用
いられている溶媒は、無水酢酸等のカルボン酸無水物、
酢酸等のカルボン酸、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル化合物、メタノール、エタノール等のアルコー
ル化合物等が使用されている。これらの溶媒中では、N
−H基のアシル化剤によるアシル化後副生する酸性プロ
トンにより反応溶液の酸性度が上がり、プロトンで骨格
分解を生じやすい反応初期のアリールメチル基を多く含
むヘキサアザイソウルチタン誘導体類の骨格分解誘発し
やすい。また、テトラアシルヘキサアザイソウルチタン
を合成する方法として、ヘキサキス(アリールメチル)
ヘキサアザイソウルチタンから直接誘導している例はな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヘキ
サキス(アリールメチル)ヘキサアザイソウルチタンを
反応溶媒中でアシル化剤存在下で還元的脱アリールメチ
ルするに際し、反応溶媒の酸性を変化させ骨格分解を抑
制し、ヘキサキス(アリールメチル)ヘキサアザイソウ
ルチタンから一段でテトラアシルヘキサアザイソウルチ
タンを高収率で製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヘキサキ
ス(アリールメチル)ヘキサアザイソウルチタンのアシ
ル化剤存在下での還元的脱アリールメチル反応の反応溶
媒として、アミド基を有する化合物を用い、活性の高い
触媒を用いることで、ヘキサキス(アリールメチル)ヘ
キサアザイソウルチタンを一段でテトラアシルヘキサア
ザイソウルチタンへ高収率で誘導することに成功し、本
発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、下記一般式(1)で
表されるWB6 をアシル化剤存在下で還元的脱アリール
メチルし、一段でWAn (6-n) を合成する方法を提供
するものである。 WB6 → WAn (6-n) (1) [式中、nは4〜5の整数、Bは炭素数7〜21のアリ
ールメチル基、Aは炭素数1〜10のアシル基、Wは下
式(2)に示す6価のヘキサアザイソウルチタン残基を
表わす。]
【0006】
【化2】 該反応は、反応溶媒中で1)アシル化剤の存在下還元的
脱アリールメチルするものであり、一段でWAn
(6-n) を合成するものである。
【0007】反応式(1)の反応に用いられるアミド基
を有する溶媒としては、WB6 を溶解し、反応に悪影響
を及ぼさないアミド基を有する溶媒であればどのような
ものでも使用することができる。好ましくは、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジエチルニペコタミド等
が挙げられる。さらに好ましくは、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられ
る。これらのアミド基を有する溶媒は、単独または2種
以上混合して用いてもよい。
【0008】反応式(1)の反応におけるWB6 の濃度
は、溶媒に対する重量比で表現して、通常0.001〜
1、好ましくは、0.005〜0.3、さらに好ましく
は、0.01〜0.2の範囲である。反応式(1)の反
応で使用され還元剤は、通常、水素、ギ酸が用いられ
る。好ましくは、水素が用いられる。前記還元剤の用い
られる量は、WB6 のアリールメチル基に対するモル比
で表現して0.1〜10000、好ましくは0.67〜
1000、さらに好ましくは、2〜50の範囲である。
【0009】還元剤として水素を使用する場合は、水素
の分圧で表現して0.01〜100、好ましくは、0.
1〜30、さらに好ましくは、0.1〜15kgf/c
2の範囲で使用される。水素以外に、窒素、アルゴ
ン、ヘリウムなどの不活性ガスが存在してもよい。反応
式(1)の反応で使用される還元触媒は、WB6 のアリ
ールメチル基を還元的脱アリールメチルする触媒であれ
ばどのようなものでも使用できるが、通常、白金族に属
する金属、または、その誘導体が用いられ、好ましく
は、Pd(OAc)2 、PdCl2 、Pd(N
3 2 、PdO、Pd(OH)2 、Pd3 Pb1 、P
3 Te1 などのPd化合物、Pd合金およびPd金
属;RuCl3 などのRu化合物、Ru合金およびRu
金属などが用いられ、さらに好ましくは、Pd(OA
c)2 、PdCl2 などのPd化合物、Pd合金および
Pd金属が使用される。
【0010】これらの触媒は、そのまま使用する、ある
いは、活性炭、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、
ゼオライト、活性白土、ジルコニア、チタニアなどの各
種担体に担持させて使用することもできる。反応に供す
る前に触媒を還元処理してもよい。触媒を担体に担持さ
せて使用する場合には、こらの担体をシリル化やアシル
化などの処理を行うことで、表面酸点を不活性化しても
よいし、逆に表面酸点を増やす活性化処理をしてもよい
し、あるいは、NaOHなどのアルカリ性の物質を吸着
させることによって担体表面の酸性度を変化させること
もできる。
【0011】これらの触媒の内、活性炭上にPd2+を担
持させ、それを還元処理してつくったPd−Cは非常に
活性が高いので、本発明の触媒としては最も好ましい。
不均一系還元触媒を使用する場合は、固定床として使用
してもよいし、流動床として使用してもよい。反応式
(1)の反応で使用されるアシル化剤は、2級アミンを
アシル化しN−アシル結合を生成するものであればどの
ようなものでも使用できるが、通常、無水酢酸、無水プ
ロピオン酸、無水ギ酸、無水酪酸、酢酸−ギ酸混合酸の
無水物などのカルボン酸無水物;N−アセトキシコハク
酸イミド、N−プロピオニルオキシコハク酸イミド、N
−(2−フェニルアセトキシ)コハク酸イミドなどのN
−ヒドロキシコハク酸イミドのカルボン酸エステル;ア
セチルイミダゾール、プロピオニルイミダゾールなどの
アシルイミダゾールなどが挙げられる。これらのアシル
化剤の内、好ましくは、無水酢酸、無水プロピオン酸、
酢酸−ギ酸混合酸の無水物などのカルボン酸無水物が使
用される。さらに好ましくは、無水酢酸である。
【0012】前記アシル化剤の量は、その反応性、反応
方法によっても異なるが、WB6 のアリールメチル基に
対するモル比で表現して、通常、0.67〜100、好
ましくは0.67〜10、さらに好ましくは0.67〜
3の範囲である。反応式(1)の反応温度は、通常、使
用する溶媒の凝固点〜200℃、好ましくは、30〜1
80℃、さらに好ましくは、40〜165℃の範囲で使
用される。この反応は、40〜80℃の比較的低温で反
応を行うとWB6 が長時間溶媒中残存しても骨格分解が
比較的抑制できるので、低温で反応することが好ましい
が、100〜165℃の高温で反応させることにより、
WB6 の溶解度の向上により高濃度条件での反応が可能
になり、かつ、生成するWAn (6-n) を溶媒中に溶解
させたまま触媒と分離して取り出すことができるので、
高温(100〜165℃)で反応させることも好ましい
方法である。
【0013】反応式(1)の反応で、本発明のアミド基
を有する溶媒を使用した場合は、100〜165℃の高
温条件下で反応を実施しても骨格分解が比較的抑制でき
る。もちろん、40〜80℃の温度範囲で反応を実施し
ても骨格分解は抑制される。この骨格分解抑制効果は、
アミド基を有する溶媒の弱塩基性に由来する。すなわ
ち、アシル化剤存在下での還元的脱アリールメチル反応
において、2級アミンのアシル化剤によるアシル化後酸
性プロトンが生成し、この酸性プロトンがWB6の骨格
分解を促進するが、反応溶媒として弱塩基性のアミド基
を有する溶媒を使用することにより生成した酸性プロト
ンを中和し反応系内の酸性度を低く維持しているため、
高温条件下でも骨格分解が比較的抑制されているのであ
る。
【0014】以下で本発明に使用される原料WB6 およ
び生成物WAn (6-n) 、WAn (6-n) の構造につい
て説明する。反応式(1)中のBとして表されるアリー
ルメチル基とは、アリール基(Ar)により置換された
メチル基を示し、通常は、炭素数7〜21のものが使用
される。アリールメチル基Bの代表的な構造としては、
一般式(3)で表される置換基である。
【0015】−CH2 Ar (3) [Arは炭素数6〜20の芳香族基を表す。]Ar中の
炭素数としては、通常は、6〜20、好ましくは、6〜
10、特に好ましくは、6である。Arとしては、例え
ば、フェニル;トリル(o−、m−、p−各置換体)、
エチルフェニル(o−、m−、p−各置換体)、キシリ
ルなどの各種アルキルフェニル基類;メトキシフェニル
(o−、m−、p−各置換体)、エトキシフェニル(o
−、m−、p−各置換体)、ブトキシフェニル(o−、
m−、p−各置換体)などの各種アルコキシフェニル基
類;ナフチル基および各種置換ナフチル基などが挙げら
れ、好ましくは、フェニル基および各種アルコキシフェ
ニル基類が用いられる。WB6 中の6個のアリールメチ
ル基はそれぞれ同一のものでも、異なったものでもよ
い。
【0016】反応式(1)中、アシル基は炭素数1〜1
0のアシル基であればどのようなものでも用いることが
できる。通常、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブ
チリル、イソブチリル、バレリル、ヘキサノイル、2−
フェニルアセチルなどが用いられ、好ましくは炭素数1
〜5のアシル基、例えば、ホルミル、アセチル、プロピ
オニル、ブチリル、バレリルなどが用いられ、さらに好
ましくは炭素数1〜3のアシル基、例えば、ホルミル、
アセチル、プロピオニルなどが用いられる。
【0017】反応式(1)中のWA4 2 、WA5 1
で表わされるヘキサアザイソウルチタン誘導体は、アシ
ル基、水素原子の置換する位置の違いにより複数の異性
体をとることができるが、本発明の製造方法で得られる
反応生成物はこれら異性体のいずれでもよい。本発明に
おけるWAn (6-n) は、次式(4−1)〜(4−6)
および次式(5−1)〜(5−2)に立体構造を示す異
性体およびこれらの鏡像異性体構造をとり得る。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】 [式中、Aは前記アシル基、Hは水素原子、Wは前記ヘ
キサアザイソウルチタン残基を表わす。] 本発明の反応式(1)におけるWA4 2 、WA5 1
で表わされるヘキサアザイソウルチタン誘導体は前記式
において、B基が水素原子(H)に置き代わった異性体
およびこれらの鏡像異性体構造をとり得る。
【0020】本発明の反応は、WB6 をアシル化剤存在
下で還元的脱アリールメチルすることにより、1)アリ
ールメチル基の還元的脱離によるN−H結合の生成と
2)そのアシル化によるN−アシル基の形成を同時的に
進行させる反応である。また、反応条件によっては、生
成したN−アシル基の還元によるN−アルキル基の形成
が副反応として生じる。この反応において生成が確認さ
れた物質から推定した反応経路を式(6)に示す。
【0021】
【化5】
【0022】したがって、式(6)中に示された物質
が、本発明の反応式(1)で表される反応生成物中に含
まれることがある。本発明のアミド基を有する化合物を
溶媒として利用した製造方法を採用するにより、アシル
基を有するヘキサアザイソウルチタン誘導体が高収率で
工業的に有利に製造できる。
【0023】
【実施例】以下に、実施例などを用いて本発明を更に詳
細に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら
限定されるものではない。 (実施例1)100mlオートクレーブにヘキサベンジ
ルヘキサアザイソウルチタン2.1g、10%Pd−C
(活性炭上にPd2+を担持させ、それを還元処理してつ
くった触媒)3.15g、無水酢酸1.84g、N,N
−ジメチルアセトアミド30mlを入れ、蓋をする。オ
ートクレーブ内を窒素置換した後、水素置換し、水素
1.1kgf/cm2 の状態に維持する。攪拌を700
rpm以上で開始し、60℃まで昇温し、その後、3時
間反応させる(水素圧力を1.1kgf/cm2 に維持
したまま)。
【0024】反応溶液(触媒がスラリー状に分散した
液)を1mlサンプリングし、液体成分を減圧で留去
し、残固体にテトラヒドロフラン(THF)/水(1/
1)液を1ml加え、攪拌し、テトラアセチルヘキサア
ザイソウルチタンおよびペンタアセチルヘキサアザイソ
ウルチタンを溶解させ、触媒を0.2マイクロメータの
フィルターで濾別し、高速液体クロマトグラフィーで分
析する。その結果、テトラアセチルヘキサアザイソウル
チタンが収率68%で、ペンタアセチルヘキサアザイソ
ウルチタンが収率19%で生成していることが、確認さ
れた。
【0025】
【発明の効果】本発明のアミド基を有する溶媒と高活性
触媒を使用する方法を採用することにより、ヘキサキス
(アリールメチル)ヘキサアザイソウルチタンから一段
でアシル基を有するヘキサアザイソウルチタンアザイソ
ウルチタン誘導体が高収率で工業的に有利に製造でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 信寿 岡山県倉敷市潮通3丁目13番1 旭化成工 業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記反応式(1)で表されるように、ヘ
    キサキス(アリールメチル)ヘキサアザイソウルチタン
    を反応溶媒中でアシル化剤存在下、Pdを含む触媒存在
    下で還元的脱アリールメチルしてテトラアシルヘキサア
    ザイソウルチタンとペンタアシルヘキサアザイソウルチ
    タンを直接一段で製造することを特徴とするアシル基を
    有するヘキサアザイソウルチタンの製造方法。 WB6 → WA4 2 +WA5 1 (1) [式中、Bは炭素数7〜21のアリールメチル基、Aは
    炭素数1〜10のアシル基、Hは水素原子、Wは次式
    (2)で表される6価のヘキサアザイソウルチタン残基
    を表す。] 【化1】
  2. 【請求項2】 反応溶媒がアミド基を有する化合物であ
    ることを特徴とする請求項1記載のアシル基を有するヘ
    キサアザイソウルチタンの製造方法。
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