JPH10295811A - 薬液供給具 - Google Patents

薬液供給具

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JPH10295811A
JPH10295811A JP9126230A JP12623097A JPH10295811A JP H10295811 A JPH10295811 A JP H10295811A JP 9126230 A JP9126230 A JP 9126230A JP 12623097 A JP12623097 A JP 12623097A JP H10295811 A JPH10295811 A JP H10295811A
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JP
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tube
chemical
chemical solution
flow rate
supply device
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JP9126230A
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English (en)
Inventor
Takeshi Tsubouchi
猛 坪内
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】患者の状態等に応じて薬液のワンショットの注
入量を調整することができ、構造が簡易な薬液供給具を
提供すること。 【解決手段】薬液供給具1は、ケーシング2内に流量調
節手段9を備えている。この流量切替手段9は、可撓性
を有する第1チューブ10aおよび第2チューブ10b
と、それらに連通するよう設置されたオリフィス11
a、11bと、第1チューブ10aと第2チューブ10
bの一方を圧閉してその内部流路を閉塞するチューブ圧
閉機構と、位置決め手段95とを備えている。チューブ
圧閉機構は、圧閉部92を有する操作ダイヤル91と、
圧閉部92との間で第1チューブ10aおよび第2チュ
ーブ10bをそれぞれ圧閉する受部材94a、94bと
で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばモルヒネ等
の鎮痛剤、インシュリン製剤、抗生物質、抗ガン剤のよ
うな薬液を供給、特に生体へ投与するための薬液供給具
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、患者に対し薬液を投与するため
の薬液注入具(薬液供給具)としては、病院等の医療機
関において使用されるものと、患者自身が自宅や職場等
で自己投与する際に使用されるものとがある。例えば、
術後疼痛や癌性疼痛の緩和のような疼痛管理のために、
薬液注入具を用いて、モルヒネ等の鎮痛剤を連続的に微
量注入することが行われている。
【0003】このような薬液注入具は、主に、薬液を貯
留するとともに該薬液を排出する機能を有するバルーン
やシリンジポンプ等の薬液供給源と、該薬液供給源から
延長された薬液供給ラインと、該薬液供給ラインの途中
に設置された流量制御装置とで構成されている。流量制
御装置は、流路の横断面積が微小な(極細の流路を有す
る)オリフィスを有し、薬液が該オリフィスを通過する
際の大きな管路抵抗により流量を微量に制御するもので
ある。
【0004】ところで、疼痛管理を行う場合、患者自体
の個人差や術後の症状の変化等に応じて、鎮痛剤の投与
を調整する必要が生じるが、従来の薬液注入具では、薬
液の流量(供給量)が固定されているため、投与する薬
液の濃度を変えることにより調整を行っていた。しか
し、この場合には、調整の度に、前記薬液供給源におい
て薬液を新たなものに交換する作業が必要であり、その
作業に多大な手間と時間がかかるばかりでなく、薬液の
交換に際し、薬液の投与が一旦中断されたり、不要とな
った薬液が廃棄され、無駄が生じる等の欠点もある。
【0005】一方、このような欠点を解消し得るものと
して、流量を切り替え可能な流体吐出装置が開示されて
いる(特開平8−68383号公報)。
【0006】この流体吐出装置は、上端面と側面を貫通
する2つの流路にそれぞれ制御流量の異なる流量制御素
子を挿入した円筒部材と、該円筒部材の側面と同形状の
内壁の一部に軸方向へ伸びる流路溝を有する中空部材か
ら構成される流路選択素子を備え、前記円筒部材を前記
中空部材の内部に組み込み、両部材を相対的に周方向へ
一定角度回転させることにより、前記中空部材の流路溝
を、前記円筒部材の2つの流路のうちのいずれか一方と
連結させ、他方を遮断するものである。
【0007】しかし、この従来の流体吐出装置では、次
にような種々の欠点がある。 中空部材とその内部に組み込まれた円筒部材との摺
動により流路を切り替える構成であるため、これら両部
材の摺動面のシール性に問題があり、その部分や他の流
路画成部分より液漏れが生じるおそれがある。この液漏
れは、周囲を汚染するばかりでなく、漏れた薬液が機能
させる側の流量制御素子を迂回してその下流側へ流れ込
んだ場合には、設定した流量に大幅な誤差が生じ、正確
な投与量が確保できないという問題を生む。
【0008】 前記の問題を解消すべく、中空部材
と円筒部材との摺動面のシール性を向上するために、両
部材の密着力を高めることも可能であるが、この場合に
は、中空部材に対し円筒部材を回動操作する際の摺動抵
抗が増大し、流量切り替え操作の操作性が著しく低下
し、特に患者自身が操作する場合、誤操作を招き易い。
【0009】 装置の構造が複雑であり、大型化する
傾向があり、特に装置の外形を扁平形状とすることがで
きず、また、流路の配置や方向性にも制約を受ける。そ
のため、装置の全体形状を、患者自身が携帯するのに適
した扁平形状とすることができない。
【0010】 制御流量の異なる2つの流量制御素子
を用いて、薬液の流量をそれと同数の2通りに切り替え
ることしかできず、患者の状態に応じてよりきめ細やか
な流量制御を行うことができない。なお、流量制御素子
の数を増やすと、それらが挿入されている流路同士がよ
り接近するため、前記で述べた液漏れがより発生し易
くなり、また、構造の複雑化、大型化もより顕著とな
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡単
な構造で、液漏れを生じることなく、薬液の流量を容易
に切り替えることができる薬液供給具を提供することに
ある。
【0012】
【発明を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0013】(1) 薬液の流量を調節し得る流量切替
手段を備えた薬液供給具であって、前記流量切替手段
は、可撓性を有する第1チューブと、可撓性を有する第
2チューブと、前記第1チューブの内部流路に連通し、
その管路抵抗により薬液の流量を微量に制御する第1流
量制御素子と、前記第2チューブの内部流路に連通し、
その管路抵抗により薬液の流量を微量に制御する第2流
量制御素子と、前記第1チューブと前記第2チューブの
少なくとも一方を圧閉してその内部流路を閉塞し得るチ
ューブ圧閉機構とを備えることを特徴とする薬液供給
具。
【0014】(2) 前記第1流量制御素子および前記
第2流量制御素子は、それぞれ、極細の流路よりなるオ
リフィスで構成される上記(1)に記載の薬液供給具。
【0015】(3) 前記第1流量制御素子と前記第2
流量制御素子とで、制御される薬液の流量が異なる上記
(1)または(2)に記載の薬液供給具。
【0016】(4) 前記流量切替手段は、前記チュー
ブ圧閉機構の作動により前記第1チューブを圧閉する第
1の状態と、前記第2チューブを圧閉する第2の状態
と、前記第1チューブおよび第2チューブのそれぞれを
開放する第3の状態とをとることができ、これにより薬
液の流量を少なくとも3段階に切り替え可能である上記
(3)に記載の薬液供給具。
【0017】(5) 前記チューブ圧閉機構は、受部材
と、該受部材に対し変位可能な圧閉部を有する操作部材
とを有し、これらにより前記第1チューブまたは前記第
2チューブを圧閉するよう構成されている上記(1)な
いし(4)のいずれかに記載の薬液供給具。
【0018】(6) 前記操作部材の位置決めを行う位
置決め手段を有する上記(5)に記載の薬液供給具。
【0019】(7) 前記位置決め手段は、前記操作部
材に形成された複数の凹部と、前記各凹部に選択的に挿
入されるピンと、前記ピンを付勢する付勢部材とを備え
てなる上記(6)に記載の薬液供給具。
【0020】(8) 前記流量切替手段の下流側に、薬
液を貯留する薬液貯留部と、前記薬液貯留部に連通する
流出口とを有し、前記薬液貯留部の容積を減少させて前
記薬液貯留部内の薬液を前記流出口から吐出させる操作
を行う操作手段を設けた上記(1)ないし(7)のいず
れかに記載の薬液供給具。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の薬液供給具を、添
付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0022】図1および図2は、それぞれ、本発明の薬
液供給具の実施例を示す断面側面図、図3は、図1に示
す薬液供給具の分解図、図4は、図1に示す薬液供給具
の平面図、図5、図6および図7は、それぞれ、図1に
示す薬液供給具の上カバーを取り外した状態を示す平面
図である。
【0023】なお、図1〜図7中の左側を「上流側」、
右側を「下流側」と言うとともに、図1〜図3中の上側
を「上」、下側を「下」として説明する。
【0024】図1〜図7に示すように、本発明の薬液供
給具1Aは、主に第1下ケース3と、第2下ケース4
と、これらの上部に装着される上ケース5とで構成され
るケーシング2を有する。
【0025】第1下ケース3には、薬液を貯留するチャ
ンバー(薬液貯留部)31と、該チャンバー31に連通
する薬液の流入口32a、32bおよび流出口33とが
形成されている。
【0026】チャンバー31は、第1下ケース3の中央
部に形成された円柱状の凹部と、その上部に装着される
ダイヤフラム7とで画成されている。チャンバー31の
容積は、特に限定されないが、通常、0.3〜5.0ml
程度が好ましく、2.0〜3.0ml程度がより好まし
い。
【0027】第2下ケース4は、第1下ケース3の上流
側に接合されており、上ケース5との間で後述する流量
切替手段9を収納する。第2下ケース4の底部内面に
は、流量切替手段9の操作ダイヤル91の軸受けとなる
凹部41が形成されている。また、上ケース5の対応す
る位置にも、同様に操作ダイヤル91の軸受けとなる開
口56が形成されている。
【0028】上ケース5の下流側には、上方へ向かって
隆起した隆起部51が形成され、該隆起部51には、ワ
ンショット注入(所定量の薬液Qを患者に一時的に注入
すること)を行う際の流出口33からの薬液Qの吐出量
を調整する吐出量調整機構を備える操作手段6が収納さ
れている。
【0029】すなわち、隆起部51の頂部には、ボタン
ハウジング61を上下方向に移動可能に挿入する円形の
開口52が形成されている。また、開口52の下端に
は、開口52の横断面積が増大するような第1段差部5
3と、さらに横断面積が増大するような第2段差部54
とが形成されている。
【0030】ボタンハウジング61は、リング状の部材
であり、その内周面には、雌螺子67が形成されてい
る。
【0031】また、ボタン(押し子)62は、ダイヤフ
ラム7を押圧してそれをチャンバー33の内側に突出さ
せる押圧部材に相当するもので、その下端にダイヤフラ
ム7の膜72と当接する当接面63を有する略円柱状の
部材で構成されている。
【0032】このボタン62の上部外周面には、前記雌
螺子67と螺合する雄螺子66が形成されている。この
雄螺子66が雌螺子67と螺合することにより、ボタン
62がボタンハウジング61の内側に挿入されている。
【0033】そして、ボタンハウジング61に対するボ
タン62の回転方向および回転量を調整することによ
り、ボタン62のボタンハウジング61に対する上下方
向の位置、すなわちボタン62とダイヤフラム7との距
離(離間距離)が調整、設定される。図1に示す状態で
は、ボタン62の当接面63とダイヤフラム7の膜72
とが接触しており、図2に示す状態では、ボタン62の
当接面63が膜72から所定距離離間している。
【0034】ボタン62を押圧操作してダイヤフラム7
をチャンバー31の内側に突出させると、チャンバー3
1の容積が一時的に減少し、チャンバー31内の薬液Q
が流出口33より吐出する。この吐出量は、前記ボタン
62のボタンハウジング61に対する上下方向の位置に
対応する。
【0035】本実施例では、このような雌螺子67と雄
螺子66の螺合による吐出量調整機構を備えているた
め、ボタン62のボタンハウジング61に対する上下方
向の位置、すなわちボタン62を押圧操作(ワンショッ
ト注入操作)した際におけるダイヤフラム7の膜72の
チャンバー31内への突出量(挿入状態)を無段階に調
整することができ、これにより、流出口33からの薬液
Qの吐出量を調整することができる。
【0036】また、吐出量調整機構は、ボタン62とダ
イヤフラム7との距離(離間距離)を調整する機構より
なるものであるため、チャンバー31から薬液Qを吐出
することなく、いつでも(例えば微量注入時でも)その
調整を行うことができる。
【0037】ボタン62の上面には、ボタン62をボタ
ンハウジング61に対し回転操作するための溝64が形
成されている。この溝64に例えばコインやドライバー
を挿入し、ボタン62をボタンハウジング61に対し回
転させ、その上下方向の位置を調整、設定する。
【0038】また、薬液供給具1Aには、前記のように
ボタン62を回転させたとき、ボタンハウジング61が
上ケース5に対し回転しないようにするための回転止め
機構が設けられている。すなわち、図4に示すように、
ボタンハウジング61の外周面には、図1中の上下方向
に延びる一対の溝611が形成され、一方、上ケース5
の溝611に対応する位置には、溝611に挿入する突
条55が形成され、ボタンハウジング61を上下方向に
移動する際は、突条55が溝611に沿って摺動してそ
の移動を可能とするが、ボタンハウジング61の上ケー
ス5に対する回転方向の応力が作用した際には、突条5
5と溝611とが係合しているため、その回転は阻止さ
れる。これにより、ボタンハウジング61は、図1中の
上下方向にのみ移動することができる。
【0039】このようなボタンハウジング61およびこ
れに保持されたボタン62は、圧縮状態のコイル状のバ
ネ(付勢部材)65により上方へ付勢されている。
【0040】バネ65の上端部は、ボタンハウジング6
1に形成されたリング状の凹部よりなるバネ座612に
挿入され、バネ65の下端は、挟持部材8の上面に当接
している。バネ65が最も収縮したときには、バネ65
の全部または大部分がバネ座612内に収納される。
【0041】ボタンハウジング61の下端外周部には、
フランジ613が形成され、バネ65により上方へ付勢
されているボタンハウジング61は、このフランジ61
3が前記第1段差部53と係合することにより、その上
方への移動の限界が規制される。
【0042】ダイヤフラム7は、リング状のリム部71
と、その内側に形成された膜(薄肉部)72とで構成さ
れている。このダイヤフラム7は、第1下ケース3に形
成された前記円柱状の凹部の上面開口を液密に封止する
ものであり、すなわち、チャンバー31の上面(一部)
を画成する。
【0043】このダイヤフラム7は、例えば、天然ゴ
ム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム
のような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステ
ル系、ポリアミド系等の各種熱可塑性エラストマー等の
弾性体(弾性材料)で構成されているのが好ましい。こ
のなかでも、薬液Qに対する安定性が高いことから、シ
リコーンゴムが特に好ましい。
【0044】このダイヤフラム7は、第1下ケース3
と、その上部に位置するリング状の挟持部材8とにより
挟持され、チャンバー31の上部の液密性を保持してい
る。すなわち、第1下ケース3と挟持部材8とにそれぞ
れ形成されたリング状の溝から構成される凹部81内
に、ダイヤフラム7のリム部71が上下方向に圧縮され
た状態で挿入され、かつ、リム部71より内側近傍の膜
72が第1下ケース3のチャンバー31の上部外周縁に
形成されたリップ34と挟持部材8の下面との間に挟持
されている。
【0045】この場合、挟持部材8の外周部は、上ケー
ス5の第2段差部54に係合し、該第2段差部5より下
方への押圧力を受け、これにより、第1下ケース3と挟
持部材8との挟持力を得ている。従って、ダイヤフラム
7は、第1下ケース3と上ケース5との間に挟持部材8
を介して挟持されていることとなる。
【0046】挟持部材8の中心部には、ボタン62が挿
通可能な円形の開口82が形成されている。
【0047】第1下ケース3には、チャンバー31に連
通する一対の流入口32a、32bと流出口33とが形
成されている。
【0048】流入口32aおよび32bには、それぞ
れ、第1チューブ10aおよび第2チューブ10bの下
流側端部が液密に嵌入されている。さらに、第1チュー
ブ10aおよび第2チューブ10bの下流側端部の内腔
には、それぞれ、オリフィス11aを形成するチップ1
2aとオリフィス11bを形成するチップ12bとが液
密に嵌入されている。これらチップ12a、12b(オ
リフィス11a、11b)は、第1および第2流量制御
素子に相当する。
【0049】オリフィス11a、11bは、それぞれ、
横断面積が微小な流路(極細内径を有する管路)で構成
され、薬液Qがオリフィス11a、11bを通過する際
に、その管路内面から大きな管路抵抗(粘性抵抗)を受
け、流量が微量に制御される。
【0050】この場合、オリフィス11aとオリフィス
11bとは、その流路の横断面積が異なっている。すな
わち、オリフィス11aの流路の横断面積がオリフィス
11bの流路の横断面積より小さく、よって、オリフィ
ス11aを通過する薬液Qの流量V1 は、オリフィス1
1bを通過する薬液Qの流量V2 より小さい。
【0051】なお、オリフィス11aおよび/またはオ
リフィス11bにより制御される薬液Qの流量は、特に
限定されないが、例えば、0.2〜25.0ml/時間程
度とされる。
【0052】第1チューブ10aおよび第2チューブ1
0bの上流側端部は、Y字コネクタ13を介してチュー
ブ14と接続されている。チューブ14は、ケーシング
2外へ突出し、チューブ14の上流端は、例えばシリン
ジポンプやバルーンのような薬液供給源(図示せず)に
接続されている。
【0053】流出口33の下流側には、内径が拡大する
拡大部35を有し、この拡大部35には、コネクタ15
が液密に嵌入されている。
【0054】コネクタ15の内部の上流側には、薬液Q
の流れを上流側から下流側への一方向に規制する一方向
弁(逆止弁)16が設置されている。これにより、薬液
Qが逆流し、流出口33を経てチャンバー31内へ流入
することが阻止される。
【0055】コネクタ15の下流側には、チューブ17
が接続されている。このチューブ17の下流端には、例
えば穿刺針(図示せず)が装着され、この穿刺針を患者
の血管または硬膜外に穿刺して薬液Qを投与することが
できる。
【0056】前記第1チューブ10aおよび第2チュー
ブ10bは、チューブの圧閉に際し変形し得るように、
それぞれ、可撓性(柔軟性)を有するものとされ、特
に、ある程度の復元性を有するものが好ましい。このよ
うな条件を満たすチューブ10a、10bの構成材料と
しては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリウレタン等の各種合成樹脂
や、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴ
ム、シリコーンゴム等の各種ゴム、各種熱可塑性エラス
トマー等が挙げられる。また、チューブ14、17につ
いても、同様の材料を用いたものが挙げられる。
【0057】第1チューブ10a、第2チューブ10
b、チューブ14、17の内面には、薬液Qに対し悪影
響を及ぼさないような表面処理を施すこと(特に被覆層
の形成)が可能である。表面処理の目的は、任意であ
り、例えば、チューブの構成材料中の有機成分が薬液Q
中に溶出するのを防止するバリヤ層の形成や、エアーブ
ロッキングの防止目的で親水性コートを施すことが挙げ
られる。
【0058】流量切替手段9は、第1チューブ10aお
よび第2チューブ10bと、チップ12a、12bと、
圧閉部92を有する操作ダイヤル(操作部材)91と、
圧閉部92との間で第1チューブ10aおよび第2チュ
ーブ10bをそれぞれ圧閉する受部材94a、94bと
で構成されるチューブ圧閉機構と、操作ダイヤル91の
回転方向の位置決めを行う位置決め手段95とで構成さ
れている。
【0059】操作ダイヤル91は、軸受けとして機能す
る凹部41と開口56とによりケーシング2に対し回動
可能に支持されており、その下方には、受部材94a、
94bに対し変位して第1チューブ10aと第2チュー
ブ10bとを選択的に圧閉し得るカム形状の圧閉部92
が形成されている。また、操作ダイヤル91の上部に
は、操作ダイヤル91を回動操作するために把持する把
持部93が形成されている。
【0060】受部材94a、94bは、それぞれ、ケー
シング2の上流側の側壁内面に当接して設置されてい
る。受部材94a、94bには、それぞれ、操作ダイヤ
ル91側に向かって突出する突部941が形成されてい
る。この突部941と操作ダイヤル91の圧閉部92と
で、第1チューブ10a、第2チューブ10bを圧閉
し、その内腔(内部流路)を閉塞させる。
【0061】このように、第1チューブ10a、第2チ
ューブ10bを圧閉してそれらの内部流路を閉塞、遮断
する構成では、第1チューブ10a、第2チューブ10
bの可撓性、柔軟性により、それらの内部流路が確実に
封止、遮断されるので、圧閉部分における液漏れがほと
んど生じず、よって、薬液Qの流量を正確に設定するこ
とができる。
【0062】なお、本実施例では、受部材94a、94
bは、第2下ケース4と一体化されているが、別部材で
あってもよい。
【0063】位置決め手段95は、操作ダイヤル91の
圧閉部92と反対側の外周面にほぼ等間隔で形成された
3つの凹部96a、96b、96cと、その先端部が凹
部96a、96b、96cのいずれかに選択的に挿入さ
れるピン97と、ピン97を操作ダイヤル91側へ付勢
するコイル状のバネ(付勢部材)98と、止め具99と
で構成されている。
【0064】ピン97およびバネ98は、第2下ケース
4の底部から立設された支持部42の孔43内に挿入さ
れており、ピン97の先端部は、孔43の下流側端より
突出している。また、孔43の上流側端部は、止め具9
9が嵌入され、封止されている。ピン97と止め具99
との間には、バネ98が圧縮状態で挿入され、ピン97
を下流側へ付勢している。
【0065】ピン97の先端部は、バネ98により付勢
されて凹部96a、96b、96cのいずれかに挿入さ
れ、その状態で、操作ダイヤル91の回転方向の位置が
停止し、位置決めがなされる。
【0066】すなわち、位置決め手段95により、操作
ダイヤル91は、その回転方向の位置が3段階(第1の
状態、第2の状態および第3の状態)に設定され(図5
〜図7参照)、それに応じて、第1チューブ10aおよ
び第2チューブ10bが圧閉、封止されるパターンが選
択され、薬液Qの流量が設定される。
【0067】すなわち、図5に示すように、ピン97の
先端部が中央の凹部96bに挿入された状態(第3の状
態/基準位置)では、第1チューブ10aおよび第2チ
ューブ10bの双方が圧閉されず、従って、薬液Qは、
第1チューブ10aおよび第2チューブ10bの双方を
流れ、オリフィス11aおよびオリフィス11bを通過
し、流入口32aおよび32bを経てチャンバー31内
に流入する。よって、このときの薬液Qの流量V3 は、
前記流量V1 と前記流量V2 との和にほぼ等しく、最大
流量となる。
【0068】また、図6に示すように、ピン97の先端
部が凹部96aに挿入された状態(第1の状態)では、
第1チューブ10aおよび第2チューブ10bのうちの
第1チューブ10aのみが圧閉され、従って、薬液Q
は、第2チューブ10bを流れ、オリフィス11bを通
過し、流入口32bを経てチャンバー31内に流入す
る。このときの薬液Qの流量は、前記流量V2 となる。
【0069】また、図7に示すように、ピン97の先端
部が凹部96cに挿入された状態(第2の状態)では、
第1チューブ10aおよび第2チューブ10bのうちの
第2チューブ10bのみが圧閉され、従って、薬液Q
は、第1チューブ10aを流れ、オリフィス11aを通
過し、流入口32aを経てチャンバー31内に流入す
る。このときの薬液Qの流量は、前記流量V1 (<V
2 )となる。
【0070】このように、流量切替手段9では、2つの
オリフィス11a、11bのそれぞれへの薬液Qの流通
パターンを選択することにより、薬液Qの流量をV1
2、V3 (これらは、V1 <V2 <V3 の関係を満た
す)の3段階に設定することができる。そして、位置決
め手段95の設置により、このような流量の設定操作
も、容易かつ正確に行うことができる。
【0071】なお、本発明において、さらに、3個以上
のオリフィスを用いた場合(図示せず)には、それらに
連通する可撓性チューブの圧閉・開放の組み合わせ(パ
ターン)により、オリフィスの個数以上の段階に流量を
設定することができ、よりきめ細かな流量調整が可能と
なる。
【0072】なお、操作ダイヤル91の回転方向の位
置、すなわち薬液Qの流量の大小を示す目盛り18が形
成されている。これにより、流量調節をより容易に、誤
操作なく行うことができる。
【0073】本発明の薬液供給具1Aにより供給される
薬液Qは、その使用目的に応じて適宜選択され、例えば
モルヒネ(麻薬性鎮痛剤)等の鎮痛剤、インシュリン製
剤、抗生物質、抗ガン剤、局麻剤等が挙げられる。な
お、薬液Qの種類は、これに限定されるものではなく、
例えば、生理食塩水、電解水、洗浄液、抗凝固剤、造影
剤等の直接薬効を発揮しないものも含まれる。
【0074】次に、薬液供給具1Aの作用について説明
する。まず、薬液の微量注入について説明する。
【0075】薬液の微量注入に際しては、把持部93を
把持して操作ダイヤル91を回動操作し、図5に示す第
3の状態(ピン97の先端部が凹部96bに挿入された
状態)、図6に示す第1の状態(ピン97の先端部が凹
部96aに挿入された状態)または図7に示す第2の状
態(ピン97の先端部が凹部96cに挿入された状態)
のいずれかを選択するとともに、チューブ14の上流側
から薬液Qを供給する。所定時間経過後、チャンバー3
1内は、薬液Qで満たされ、プライミングされる。
【0076】操作ダイヤル91が前記第3の状態(基準
位置)に設定されている場合には、チューブ14を経た
薬液Qは、Y字コネクタ13にて分流され、第1チュー
ブ10aおよび第2チューブ10bのそれぞれを流れ、
オリフィス11aおよび11bを通過し、流入口32a
および32bを経てチャンバー31内に流入する。これ
により、該流入量とほぼ同量のチャンバー31内に貯留
されていた薬液Qが、流出口33から流出し、一方向弁
16およびチューブ17を経て下流側へ送られ、患者に
投与される。このとき、流出口33から流出する薬液Q
の流量は、前記V3 (=V1 +V2 )である。
【0077】操作ダイヤル91が前記第1の状態に設定
されている場合には、チューブ14からの薬液Qは、Y
字コネクタ13を経て第2チューブ10bを流れ、オリ
フィス11bを通過し、流入口32bを経てチャンバー
31内に流入する。これにより、該流入量とほぼ同量の
チャンバー31内に貯留されていた薬液Qが、流出口3
3から流出し、一方向弁16およびチューブ17を経て
下流側へ送られ、患者に投与される。このとき、流出口
33から流出する薬液Qの流量は、前記V2 である。
【0078】操作ダイヤル91が前記第2の状態に設定
されている場合には、チューブ14からの薬液Qは、Y
字コネクタ13を経て第1チューブ10aを流れ、オリ
フィス11aを通過し、流入口32aを経てチャンバー
31内に流入する。これにより、該流入量とほぼ同量の
チャンバー31内に貯留されていた薬液Qが、流出口3
3から流出し、一方向弁16およびチューブ17を経て
下流側へ送られ、患者に投与される。このとき、流出口
33から流出する薬液Qの流量は、前記V1 である。
【0079】以上のようにして、注入、投与する薬液Q
の流量をV1 、V2 、V3 (これらは、V1 <V2 <V
3 の関係を満たす)の3段階に設定することができる。
【0080】次に、薬液のワンショット注入について説
明する。なお、このワンショット注入は、操作ダイヤル
91が前記第1、第2および第3の状態のうちいずれの
状態にあっても行うことができるが、以下、代表的に、
操作ダイヤル91が図7に示す第2の状態にあるときを
例にして説明する。
【0081】まず、準備操作として、吐出量調整機構の
設定を行う。ボタンハウジング61に対しボタン62を
所定方向に所定量回転し、ボタン62のボタンハウジン
グ61に対する上下方向の位置を調整、設定する。図1
に示す状態では、ワンショット注入を行った際の薬液の
吐出量は、最大値に設定されている。また、図2に示す
状態では、ボタン62が図1に比べて上方の位置(当接
面63と膜72とが非接触の状態)にあり、ワンショッ
ト注入を行った際の薬液の吐出量は、前記最大値より少
なく設定されている。
【0082】このような調整が完了したら、バネ65の
付勢力に抗してボタン62を指等で下方へ押圧する。こ
れにより、図1および図2中の点線で示すように、ダイ
ヤフラム7の膜72がボタン62の当接面63に押圧さ
れて、チャンバー31内へ突出するよう変形し、チャン
バー31の容積が減少する。そのため、その減少分に相
当するチャンバー31内の薬液Qが流出口33より吐出
し、一方向弁16およびチューブ17を経て下流側へ送
られ、患者に投与される。
【0083】このとき、薬液の吐出量(ワンショット注
入量)は、前述したように、ボタン62のボタンハウジ
ング61に対する上下方向の位置により調整、設定され
ている。例えば、図1に示す状態では、最大の吐出量が
得られ、図2に示す状態では、それより少ない所定の吐
出量が得られる。
【0084】なお、ダイヤフラム7の膜72の突出によ
りチャンバー31の容積が減少する際、オリフィス11
a、11bの大きな管路抵抗により、チャンバー31内
の薬液Qが流入口32a、32bを経て上流側へ逆流す
ることはないかまたはその量は無視できるほど小さい。
【0085】このようなワンショット注入における薬液
の吐出量(ワンショット注入量)は、例えば、1回のワ
ンショット注入あたり、チャンバー31の容積の10〜
100%程度とすることができる。
【0086】ボタン62への押圧力を解除すると、バネ
65の付勢力によりボタン62は上昇し、元の位置へ戻
る。このとき、ダイヤフラム7の膜72も、その復元力
により元の平坦な形状に戻ろうとするので、チャンバー
31内の圧力が減少する。しかし、一方向弁16の逆流
防止作用により、チューブ17内の薬液Qが上流側へ向
かって流れ、流出口33を経てチャンバー31内に流入
することはない。
【0087】ワンショット注入を行った後も、第1チュ
ーブ10a、オリフィス11aおよび流入口32aを経
てチャンバー31内に薬液が微量づつ流入し、チャンバ
ー31内に薬液Qが徐々に満たされて行く。このとき、
前述したように、チャンバー31内は減圧状態となって
いるため、オリフィス11aの上流側と下流側での差圧
が増大し、チャンバー31への薬液Qの流入速度が若干
増す。
【0088】しかし、チャンバー31への薬液Qの充填
(プライミング)をさらに迅速に行いたい場合には、操
作ダイヤル91を回動操作して、それを図5または図6
に示す状態とする。例えば、図5に示す第3の状態とす
ると、チャンバー31へは、オリフィス11a、11b
の双方を経て薬液Qが流入することとなり、チャンバー
31内の減圧状態と相まって、より大きい流量が得られ
るので、より短時間でチャンバー31への薬液Qのプラ
イミングを完了させることができる。
【0089】このように、薬液供給具1では、操作手段
6と流量切替手段9とが組み合わされているので、ワン
ショット注入を行った後、再度チャンバー31への薬液
Qをプライミングするための時間(プライミング速度)
を調整することができ、特に、この時間(次回ワンショ
ット注入を行うことが可能となるまでの時間)を短くす
ることができるという利点がある。
【0090】チャンバー31への薬液Qのプライミング
が完了したら、必要に応じ、操作ダイヤル91を元の設
定位置(図7に示す第2の状態)に戻すかまたはその他
の位置に設定する。
【0091】図8および図9は、それぞれ、本発明の薬
液供給具の他の実施例を示す断面側面図、図10は、図
8に示す薬液供給具の分解図である。これらの図に示す
薬液供給具1Bは、主に、吐出量調整機構の構成が異な
る以外は、前記薬液供給具1Aと同様である。以下、相
違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を
省略する。なお、図8〜図10中の上側を「上」、下側
を「下」として説明する。
【0092】薬液供給具1Bは、下ケース30と、その
上部に装着される上ケース50とで構成されるケーシン
グ2を有する。
【0093】下ケース30内には、薬液貯留槽19が固
定的に設置され、この薬液貯留槽19には、チャンバー
(薬液貯留部)31を画成する円柱状の凹部と、該チャ
ンバー31に連通する薬液の流入口32a、32bおよ
び流出口33とが形成されている。
【0094】流入口32a、32bには、それぞれ、前
記と同様の第1チューブおよび第2チューブ(図示せ
ず)が接続され、それらのチューブには、それぞれ、前
記と同様のオリフィス11a、11bが形成されたチッ
プ12a、12bが嵌入されている。
【0095】流出口33の拡大部35には、コネクタ1
5が液密に嵌入され、さらにその内部には、前記と同様
の一方向弁(逆止弁)16が設置されている。コネクタ
15の下流端には、患者側へのチューブ(図示せず)が
接続されている。
【0096】チャンバー31の上部には、チャンバー3
1の一部を画成する前記と同様のダイヤフラム7とこれ
を薬液貯留槽19との間で挟持する挟持部材8とが設置
されている。
【0097】また、薬液供給具1Bは、前記と同様の操
作ダイヤル91と、受部材94a、94bと、位置決め
手段95とを備える流量切替手段9を有している。
【0098】上ケース50の隆起部51内には、ワンシ
ョット注入を行う際の流出口33からの薬液Qの吐出量
を調整する吐出量調整機構を備える操作手段20が収納
されている。
【0099】薬液供給具1Bにおける吐出量調整機構
は、ボタン(押圧部材)21を押圧操作した際の、ダイ
ヤフラム7の膜72のチャンバー31内への突出状態
(挿入状態)を段階的に調整することができ、特に、ボ
タン21の押圧操作前における膜72のチャンバー31
内への突出量を調整して、チャンバー31の容積を予め
設定する構成のものである。以下、その構成を説明す
る。
【0100】吐出量調整機構は、ボタン21と、第1ボ
タンガイド22と、第2ボタンガイド23と、圧縮状態
のコイル状のバネ24および25とで構成されている。
【0101】ボタン21は、板状の指当て部211と、
胴部212とからなり、ボタン21を上方へ押し戻す機
能を有するバネ24を介して第2ボタンガイド23と嵌
合されている。このボタン21および第2ボタンガイド
23は、共働して作動し、第1ボタンガイド22に対
し、上下方向に移動および回転可能に設置されている。
【0102】第1ボタンガイド22は、隆起部51の頂
部内面に係合するフランジ221と、フランジ221の
下部の円筒部に周方向に沿って形成された2組の係合部
22a、22b、22cとを備えている。係合部22
a、22b、22cは、それぞれ、ボタン21の移動方
向の位置(高さ)が異なっている。
【0103】また、第2ボタンガイド23は、バネ24
のバネ座として機能するフランジ231と、前記係合部
22a、22b、22cのいずれかに選択的に係合する
一対の爪部232とを備えている。
【0104】爪部232が係合部22a、22b、22
cのいずれかに係合した状態では、バネ24により爪部
232に作用する下方への付勢力により、この係合状態
が良好に維持される。
【0105】また、第1ボタンガイド22は、その下端
および上端がそれぞれ挟持部材8およびフランジ221
に当接するバネ25により上方へ向けて付勢されてい
る。
【0106】ボタン21を適宜回転するとともに下方へ
押圧し、爪部232を係合部22a、22b、22cの
うちのいずれかを選択して係合させる。この選択によ
り、ボタン21の第1ボタンガイド22に対する上下方
向の位置、すなわちダイヤフラム7の膜72のチャンバ
ー31内への挿入状態を他段階に設定することができ
る。
【0107】図8に示すように、爪部232を係合部2
2a、22b、22cの内の最も上方に位置する係合部
22aに係合した状態で、バネ25の付勢力に抗してボ
タン21を下方へ押圧すると、平坦形状であったダイヤ
フラム7の膜72が、図8中の点線で示すように、第2
ボタンガイド23の下面に押圧されて、チャンバー31
の底面に接触または接近するまで突出変形する。これに
よりチャンバー31の容積が減少し、チャンバー31内
の薬液Qが流出口33より比較的大量に吐出し、一方向
弁16およびチューブを経て下流側へ送られ、患者に投
与される。
【0108】また、図9に示すように、爪部232を係
合部22a、22b、22cのうちの最も下方に位置す
る係合部22cに係合した状態とすると、ダイヤフラム
7の膜72がチャンバー31内に例えばチャンバー31
の高さの半分程度突出し、その容積が少なく設定され
る。この状態でバネ25の付勢力に抗してボタン21を
下方へ押圧すると、ダイヤフラム7の膜72が、図9中
の点線で示すように、第2ボタンガイド23の下面に押
圧されて、チャンバー31の底面に接触または接近する
まで突出変形する。これによりチャンバー31の容積が
さらに減少し、チャンバー31内の薬液Qが流出口33
より吐出し、一方向弁16およびチューブを経て下流側
へ送られ、患者に投与される。このときの薬液の吐出
は、前記図8に示す場合に比べて少量(例えば半量程
度)である。
【0109】また、爪部232を中間の係合部22bに
係合した状態で前記と同様にボタン21を押圧操作する
と、前記図8に示す場合と前記図9に示す場合の中間程
度の量の薬液Qがチャンバー31内から流出口33を経
て吐出され、患者に投与される。
【0110】なお、薬液供給具1Bにおけるその他の作
用は、前記薬液供給具1Aと同様である。
【0111】図11、図12および図13は、それぞ
れ、本発明における流量切替手段の他の構成例を示す断
面側面図である。これらの図に示す流量切替手段26
は、第1チューブ10aおよび第2チューブ10bと、
それらの内部流路に連通する流量制御素子(オリフィス
11a、11bを有するチップ12a、12b)と、圧
閉部271を有する操作レバー(操作部材)27と、該
圧閉部271との間で第1チューブ10aおよび第2チ
ューブ10bをそれぞれ圧閉する受部材28a、28b
とで構成されるチューブ圧閉機構と、操作レバー27の
摺動方向の位置決めを行う位置決め手段29とで構成さ
れている。なお、この流量切替手段26においても、第
1チューブ10a、第2チューブ10b、各流量制御素
子の構成や、その他の構成は、前記薬液供給具1Aまた
は1Bと同様である。
【0112】操作レバー27は、上ケースの開口57の
両側部に形成されたレール58に沿って図11〜図13
中の横方向に摺動可能に設置されている。操作レバー2
7の下面中央部には、円弧状の湾曲面を有する圧閉部2
71が突出形成されている。この圧閉部271は、操作
レバー27の幅方向(図中の紙面に垂直な方向)に、両
第1チューブ10aおよび第2チューブ10bの双方と
接触し得る程度の長さを有している。
【0113】また、操作レバー27の上部には、指を当
てて操作レバー27を摺動操作するための突起272が
形成されている。
【0114】受部材28a、28bは、それぞれ、第2
下ケース4の底部内面に設置されている。受部材28
a、28bには、それぞれ、操作レバー27側に向かっ
て突出する突部281、282が形成されている。この
場合、突部281と突部282とは、操作レバー27の
摺動方向に所定距離ずれた位置に設置されている。この
突部281、282と、それらに対し変位(接近/離
間)する操作レバー27の圧閉部271とで、第1チュ
ーブ10a、第2チューブ10bの一方を圧閉し、その
内腔(内部流路)を閉塞させ、流路を選択する。
【0115】位置決め手段29は、上ケース5側に形成
された凸部291、292と、操作レバー27側に形成
され、前記凸部291、292とそれぞれ嵌合し得る凹
部293、294とで構成されている。
【0116】次に、流量切替手段26の作用について説
明する。図11に示すように、操作レバー27が図中横
方向中央部に位置する状態(第3の状態/基準位置)で
は、第1チューブ10aおよび第2チューブ10bの双
方が圧閉されず、従って、薬液Qは、第1チューブ10
aおよび第2チューブ10bの双方を流れ、オリフィス
11aおよびオリフィス11bを通過し、流入口32a
および32bを経てチャンバー31内に前記流量V3
流入する。このとき、操作レバー27の両端がそれぞれ
凸部291、292に係合し、操作レバー27の位置が
保持される。
【0117】図12に示すように、操作レバー27を下
流側へ摺動操作した状態(第1の状態)では、第1チュ
ーブ10aおよび第2チューブ10bのうちの第1チュ
ーブ10aのみが圧閉され、従って、薬液Qは、第2チ
ューブ10bを流れ、オリフィス11bを通過し、流入
口32bを経てチャンバー31内に前記V2 で流入す
る。このとき、凸部291と凹部293とが嵌合し、操
作レバー27の位置が保持される。
【0118】図13に示すように、操作レバー27を上
流側へ摺動操作した状態(第2の状態)では、第1チュ
ーブ10aおよび第2チューブ10bのうちの第2チュ
ーブ10bのみが圧閉され、従って、薬液Qは、第1チ
ューブ10aを流れ、オリフィス11aを通過し、流入
口32aを経てチャンバー31内に前記流量V1 で流入
する。このとき、凸部292と凹部294とが嵌合し、
操作レバー27の位置が保持される。
【0119】このように、流量切替手段26では、2つ
のオリフィス11a、11bのそれぞれへの薬液Qの流
通パターンを選択することにより、薬液Qの流量をV
1 、V2 、V3 (これらは、V1 <V2 <V3 の関係を
満たす)の3段階(オリフィス数より多い段数)に設定
することができる。
【0120】以上のような本発明の薬液供給具1A、1
Bは、流量切替手段9が、第1チューブ10a、第2チ
ューブ10bの圧閉・開放のパターンにより流量を切り
替える構成であるため、簡易な構造であるとともに、チ
ューブによる閉空間で流路の遮断・開放を行うので極め
てシール性(液密性)が高く、よって、従来のような液
漏れの問題が生じない。
【0121】また、薬液供給具1A、1Bは、モータや
ソレノイドのような電気的に駆動する機構等を備えてお
らず、構造が簡単で、故障も少なく、小型化、軽量化、
低コスト化が図れる。
【0122】特に、可撓性を有する第1チューブ10
a、第2チューブ10bは、それを湾曲変形させること
等により任意の流路配置を設定することができ、しか
も、それらのチューブを圧閉する箇所も、両チューブの
途中の任意の箇所に設定することができるので、各図に
示すように、薬液供給具全体を扁平形状とすることも容
易に可能である。
【0123】このような薬液供給具1A、1Bは、医
師、看護婦または患者自身が病院等の医療機関内で使用
することもできるが、小型、軽量であり、しかも、通常
の薬液微量投与やワンショット注入の操作、流量の切り
替え操作、ワンショット注入量の設定操作等の諸操作が
簡単であり、また、安全性も高く、衛生的であり、さら
に、ワンショット注入後の薬液のプライミングも迅速に
行えるという点から、患者自身が携帯し、自宅や職場等
において使用するのにも適している。
【0124】この場合、薬液供給具1A、1Bは、小
型、軽量であり、前述したように扁平形状とすることも
できるため、薬液供給具を患者の身体に付けたり、衣服
のポケット等に入れたりして携帯するのにも適し、便利
である。
【0125】また、本発明の薬液供給具は、生体(患
者)への薬液の投与に用いる場合に限らず、例えば、薬
液を他の容器へ移送、特に薬液を輸液バッグ内や血液バ
ッグ内に注入(配合)するのに適用することもでき、そ
の使用目的は任意可能である。
【0126】以上、本発明の薬液供給具を図示の実施例
に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されず、
薬液供給具を構成する各部の構成は、同様の機能を発揮
し得る任意のものに置換することができる。
【0127】例えば、前記チューブ圧閉機構における圧
閉部および受部材の少なくとも一方が、回転可能なロー
ラで構成されたものであってもよい。
【0128】また、チューブ圧閉機構の他の構成例とし
ては、チューブを手動でまたはモータ、ソレノイド等を
含む駆動手段により挟持・開放するクランプ機構よりな
るものでもよい。
【0129】また、吐出量調整機構は、前記操作手段の
操作により薬液を吐出させるに際し、その薬液の吐出量
を少なくとも2段階に調整することができるものであれ
ば、その機構、構造は問わず、いかなるものでもよい。
【0130】また、薬液貯留部(チャンバー31)の一
部を画成する弾性体としては、ダイヤフラム7に変え
て、前述したような弾性材料で構成されるガスケットを
用いてもよい。この場合には、チャンバー31を画成す
る円柱状の凹部内をガスケットが移動(摺動)して、薬
液貯留部の容積を増減させることとなり、その移動量を
前記と同様の吐出量調整機構により無段階または多段階
に調整して、薬液の流出口からの吐出量を調整すること
ができる。
【0131】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の薬液供給具
によれば、薬液の微量注入時やプライミング時等におけ
る薬液の流量を容易に調整することができ、特に、チュ
ーブの圧閉により薬液の流量を切り替える構成であるた
め、液漏れを生じることがなく、しかも、流量の調整、
設定を正確かつ確実に行うことができる。
【0132】また、本発明の薬液供給具は、薬液を多段
階に設定可能であり、特に、流量制御素子の数以上の段
階数に設定できるので、患者の状態等に対応してよりき
め細やかな流量調節を行うことができる。
【0133】また、構造が簡易であり、小型化、軽量化
に適するとともに、流量の切り替え操作等の諸操作も簡
単であるため、誤操作も防止される。
【0134】特に、位置決め手段を設けた場合には、操
作性の向上、およびこれに伴う誤操作の防止効果がより
顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液供給具の実施例を示す断面側面図
である。
【図2】本発明の薬液供給具の実施例を示す断面側面図
である。
【図3】図1に示す薬液供給具の分解図である。
【図4】図1に示す薬液供給具の平面図である。
【図5】図1に示す薬液供給具の上カバーを取り外した
状態を示す平面図である。
【図6】図1に示す薬液供給具の上カバーを取り外した
状態を示す平面図である。
【図7】図1に示す薬液供給具の上カバーを取り外した
状態を示す平面図である。
【図8】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す断面側
面図である。
【図9】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す断面側
面図である。
【図10】図8に示す薬液供給具の分解図である。
【図11】本発明における流量切替手段の他の構成例を
示す断面側面図である。
【図12】本発明における流量切替手段の他の構成例を
示す断面側面図である。
【図13】本発明における流量切替手段の他の構成例を
示す断面側面図である。
【符号の説明】
1A、1B 薬液供給具 2 ケーシング 3 第1下ケース 30 下ケース 31 チャンバー 32a、32b 流入口 33 流出口 34 リップ 35 拡大部 4 第2下ケース 41 凹部 42 支持部 43 孔 5、50 上ケース 51 隆起部 52 開口 53 第1段差部 54 第2段差部 55 突条 56、57 開口 58 レール 6 操作手段 61 ボタンハウジング 611 溝 612 バネ座 613 フランジ 62 ボタン 63 当接面 64 溝 65 バネ 66 雄螺子 67 雌螺子 7 ダイヤフラム 71 リム部 72 膜 8 挟持部材 81 凹部 82 開口 9 流量切替手段 91 操作ダイヤル 92 圧閉部 93 把持部 94a、94b 受部材 941 突部 95 位置決め手段 96a、96b、96c 凹部 97 ピン 98 バネ 99 止め具 10a 第1チューブ 10b 第2チューブ 11a、11b オリフィス 12a、12b チップ 13 Y字コネクタ 14 チューブ 15 コネクタ 16 一方向弁 17 チューブ 18 目盛り 19 薬液貯留槽 20 操作手段 21 ボタン 211 指当て部 212 胴部 22 第1ボタンガイド 221 フランジ 22a、22b、22c 係合部 23 第2ボタンガイド 231 フランジ 232 爪部 24、25 バネ 26 流量切替手段 27 操作レバー 271 圧閉部 272 突起 28a、28b 受部材 281、282 突部 29 位置決め手段 291、292 凸部 293、294 凹部 Q 薬液

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液の流量を調節し得る流量切替手段を
    備えた薬液供給具であって、 前記流量切替手段は、 可撓性を有する第1チューブと、 可撓性を有する第2チューブと、 前記第1チューブの内部流路に連通し、その管路抵抗に
    より薬液の流量を微量に制御する第1流量制御素子と、 前記第2チューブの内部流路に連通し、その管路抵抗に
    より薬液の流量を微量に制御する第2流量制御素子と、 前記第1チューブと前記第2チューブの少なくとも一方
    を圧閉してその内部流路を閉塞し得るチューブ圧閉機構
    とを備えることを特徴とする薬液供給具。
  2. 【請求項2】 前記第1流量制御素子および前記第2流
    量制御素子は、それぞれ、極細の流路よりなるオリフィ
    スで構成される請求項1に記載の薬液供給具。
  3. 【請求項3】 前記第1流量制御素子と前記第2流量制
    御素子とで、制御される薬液の流量が異なる請求項1ま
    たは2に記載の薬液供給具。
  4. 【請求項4】 前記流量切替手段は、前記チューブ圧閉
    機構の作動により前記第1チューブを圧閉する第1の状
    態と、前記第2チューブを圧閉する第2の状態と、前記
    第1チューブおよび第2チューブのそれぞれを開放する
    第3の状態とをとることができ、これにより薬液の流量
    を少なくとも3段階に切り替え可能である請求項3に記
    載の薬液供給具。
  5. 【請求項5】 前記チューブ圧閉機構は、受部材と、該
    受部材に対し変位可能な圧閉部を有する操作部材とを有
    し、これらにより前記第1チューブまたは前記第2チュ
    ーブを圧閉するよう構成されている請求項1ないし4の
    いずれかに記載の薬液供給具。
  6. 【請求項6】 前記操作部材の位置決めを行う位置決め
    手段を有する請求項5に記載の薬液供給具。
  7. 【請求項7】 前記位置決め手段は、前記操作部材に形
    成された複数の凹部と、前記各凹部に選択的に挿入され
    るピンと、前記ピンを付勢する付勢部材とを備えてなる
    請求項6に記載の薬液供給具。
  8. 【請求項8】 前記流量切替手段の下流側に、薬液を貯
    留する薬液貯留部と、前記薬液貯留部に連通する流出口
    とを有し、 前記薬液貯留部の容積を減少させて前記薬液貯留部内の
    薬液を前記流出口から吐出させる操作を行う操作手段を
    設けた請求項1ないし7のいずれかに記載の薬液供給
    具。
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