JPH10296042A - クリーンルームにおける気体清浄方法及びその装置 - Google Patents

クリーンルームにおける気体清浄方法及びその装置

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JPH10296042A
JPH10296042A JP10027841A JP2784198A JPH10296042A JP H10296042 A JPH10296042 A JP H10296042A JP 10027841 A JP10027841 A JP 10027841A JP 2784198 A JP2784198 A JP 2784198A JP H10296042 A JPH10296042 A JP H10296042A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粒子と共に、ガス状有害成分も同時に除去
したクリーンルームにおける超清浄空間を創出すること
ができる気体清浄方法と装置を提供する。 【解決手段】 クリーンルーム5又は該クリーンルーム
内の局所空間の気体を清浄による装置において、気体中
の微粒子及びガス状の有害成分を除去するための、除塵
フィルタ4と、吸着材を充填した吸着装置9と、光触媒
10と該触媒に光を照射する光源11よりなる光触媒装
置Dとを備えることとしたものであり、前記吸着材が、
活性炭及び/又はイオン交換繊維であり、光触媒がTi
O2 で、光を照射する光源が254nmの紫外線を発生
する殺菌灯であるのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーンルームに
おける気体清浄に係り、特に、クリーンルーム内を循環
する空気又はクリーンルーム内の局所空間の気体を清浄
にする方法と装置に関する。本発明のクリーンルーム
は、半導体、液晶、精密機械、医療、食品、薬品工業な
どの先端産業におけるクリーンルームであり、該クリー
ンルーム内の局所空間(ミニエンバイロメント・マイク
ロエンバイロメント)としては、例えばキャリアボック
ス、安全キャビネット、クリーンボックス、ストッカ、
搬送空間、インターフェイス、表面処理装置(例えば光
CVD装置等)、減圧又は真空処理装置(例えば成膜
室、プラズマ処理装置)、エアナイフ、表面洗浄装置、
露光装置、除電装置等があり、これらに好適に用いるこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】従来のクリーンルームにおける空気清浄
を、半導体製造工場における空気清浄を例に、図8を用
いて説明する。図8において、外気1は先ずプレフィル
ター2で粗粒子が除去され、次いで空調機3で空調さ
れ、中性能フィルター4で除塵される。次に、クリーン
ルーム5の天井部に設置されているHEPAフィルター
(高性能フィルター)6で微細な粒子が除去され、クリ
ーンルーム5はクラス100〜1,000が維持される
(「洗浄設計」p.11〜24、Summer 1988)。
7-1、7-2はファン、矢印は空気の流れを示す。従来の
クリーンルームにおける空気清浄は、微粒子除去を目的
としているので、図8のように構成されていた。このよ
うな構成では、微粒子除去には効果的であるが、ガス状
有害成分の除去には効果がない。
【0003】ところで、今後半導体産業では製品の高品
質化、精密化が増々進み、これに伴いガス状物質が汚染
物として関与する。即ち、従来は微粒子除去のみで十分
であったのが、今後は、ガス状物質(ガス状有害成分)
の制御が重要となってくる。そして、前記図8に示し
た、従来のクリーンルームのフィルターでは、微粒子の
みしか除去されず、外気からのガス状有害成分は、除去
されずにクリーンルームに導入されてしまうので問題に
なる。即ち、クリーンルームにおいては、微粒子(粒子
状物質)や、今までの除塵フィルター(例、HEPA、
ULPAフィルター)では捕集、除去されず、クリーン
ルーム内に導入されてしまう自動車の排気ガス、民生品
として広く使用されている高分子樹脂製品からの脱ガス
などに起因する炭化水素(H.C)、NOx、SOx、
HCl、HFのような酸性ガス、NH3 、アミンのよう
な塩基性(アルカリ性)ガスなどのガス状物質が、ガス
状有害成分として問題となる。
【0004】この内、H.C、NH3 はガス状有害成分
として通常の空気(室内空気及び外気)中の極低濃度の
ものが汚染をもたらすので、除去する必要がある。ま
た、最近ではクリーンルームの構成材や使用器具(例、
ウェハ収納ボックス)の高分子樹脂類からの脱ガスが
H.C発生源として問題となっている((社)日本機械
工業連合会、平成6年度報告書、平成7年3月、p.4
1〜49、1995)。これらのガス状物質は、クリー
ンルーム内における作業で発生したものも問題となる。
即ち、該ガス状物質の起因として通常のクリーンルーム
では、外気から導入されたガス状物質(クリーンルーム
でのフィルターでは、ガス状物質は除去できないので、
外気中のガス状物質は導入されてしまう)に、前記のク
リーンルーム内で発生したガス状物質が加わるので、外
気に比べてクリーンルーム中のガス状物質は高濃度とな
り、ウェハ基材や基板を汚染する。
【0005】即ち、上記の汚染物質(微粒子、ガス状有
害成分)がウェハ、半製品、製品の基板表面に付着すれ
ば、微粒子は、基板表面の回路(パターン)の断線や短
絡を引き起こし欠陥を生じさせる。また、ガス状物質と
して、 H.Cは、ウェハ(基板)表面に付着する
と、接触角の増加をもたらし、H.Cは基板とレジスト
との親和性(なじみ)に影響を与える。そして、親和性
が悪くなるとレジストの膜厚に悪影響を与えたり、基板
とレジストとの密着性に悪影響を与える(空気清浄、第
33巻、第1号、p.16〜21、1995)。 S
Oxは、酸化膜絶縁不良を引き起こす。 NH3 は、
アンモニウム塩の生成などをもたらし、ウェハにくもり
(解像不良)を引き起こす(リアライス社、最新技術講
座、資料集、半導体プロセスセミナー、1996年10
月29日、p.15〜25、1996)。このような原
因により、これらのガス状汚染物質は、半導体製品の生
産性(歩留り)を低下させる。
【0006】特に、ガス状有害成分としての上記のガス
状物質は上述の発生起因により、また最近では省エネの
観点でクリーンルーム空気の循環を多くして用いるの
で、クリーンルーム中のガス状物質の濃度は濃縮され、
外気に比べかなりの高濃度となっており、基材や基板に
付着し、該表面を汚染する。この汚染の程度は、基材や
基板の接触角で表わすことができ、汚染が激しいと接触
角が大きい。接触角が大きい基材や基板は、その表面に
成膜しても膜の付着強度が弱く(なじみが悪い)、歩留
まりの低下をまねく。ここで、接触角とは水によるぬれ
の接触角のことであり、基板表面の汚染の程度を示すも
のである。即ち、基板表面に疎水性(油性)の汚染物質
が付着すると、その表面は水をはじき返してぬれにくく
なる。すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。
従って接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小
さいと汚染度が低い。特に、最近省エネの点でクリーン
ルームの空気を循環使用するため、クリーンルーム内の
ガス状有害成分は徐々に高まってしまい、基材や基板を
汚染することになる。
【0007】このような汚染物質から基板を汚染防止す
る対策として、今後の空間のクリーン化は、清浄空間を
限定する局所空間のクリーン化(ミニエンバイロメン
ト、マイクロエンバイロメント)が実用上効果的である
と提案されている( 1) 、NIKKEI MICROD
EVICES,7月号、p.136〜141、199
5、2)、Proceedings of IES,p
373〜378、1994)。現在、このようなエンバ
イロメントとして、Siウェハを合成樹脂(プラスチッ
ク)製ボックスに収納し、搬送する方式が検討されてい
るが、(1)、内部から突発的に発塵が起きた場合、か
えって粒子汚染が深刻になる、(2)、ボックス材料か
らの脱ガス(発ガス)に対する対策が必要、(3)、
(1)(2)より、ボックス自身を定期洗浄する工程が
増えるので煩雑になり、実用上問題である等の指摘があ
る(KANOMAX エアロゾルセミナー、p1〜1
0、1996)。このような状況において、本発明者ら
は、局所空間のグリーン化技術として光触媒を用いる局
所空間の清浄化方式を提案した(特開平9−16872
2号、特開平9−205046号公報)。これらの清浄
化方式は、適用先、装置の種類、要求性能によっては効
果的であるが、適用先、要求性能によっては、実用的に
効果的な方法に改善する必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、今
後、半導体、液晶、精密機械工業などの先端産業におい
て、製品の高品質化、精密化、微小化が進むにつれて要
望が高まる微粒子と共に、ガス状有害成分も同時に制御
(除去)したクリーンルーム又は該クリーンルーム内の
局所空間の超清浄空間を創出するための気体清浄方法及
び装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、クリーンルーム又は該クリーンルーム
内の局所空間の気体を清浄にする方法において、該気体
を除塵フィルターによる処理と、吸着材による処理と、
光触媒による処理とにより処理して、気体中の微粒子及
びガス状の有害成分を除去するクリーンルームにおける
気体清浄方法としたものである。また、本発明では、ク
リーンルーム又は該クリーンルーム内の局所空間の気体
を清浄にする装置において、気体中の微粒子及びガス状
の有害成分を除去するための、除塵フィルターと、吸着
材を充填した吸着装置と、光触媒と該触媒に光を照射す
る光源よりなる光触媒装置とを備えたクリーンルームに
おける気体清浄装置としたものである。
【0010】上記において、吸着材としては、活性炭及
び/又はイオン交換繊維を用い、光触媒としては、Ti
O2 を、光を照射する光源としては、254nmの紫外
線を発生する殺菌灯を用いるのが良い。前記の気体清浄
装置において、用途、装置種類、要求性能によっては、
除塵フィルターと吸着装置と光触媒装置とを一体化し
て、気体の清浄化ユニットとすることができる。該気体
の清浄化ユニットは、クリーンルーム内の被清浄空間に
設置することにより、局所空間の清浄化を行うことがで
きる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、次の4つの知見に基づ
いて発明されたものである。即ち、(1)通常の空気
(外気)中には、ガス状有害成分としてNOx、SO
x、HClのような酸性ガス、アンモニア、アミンのよ
うなアルカリ性ガス及び炭化水素(H.C)と呼ばれる
有機性ガスが存在し、現状のクリーンルームにおけるフ
ィルターでは、これらのガス状有害成分の捕集はできな
いので、これらの有害ガスはクリーンルームに導入され
てしまう。 (2)これまで、先端産業では、従来粒子状物質の除去
で十分であったものが、製品の高品質化、精密化により
(より高価な製品は、集積度が密、即ちより微細化、高
精密化になり)、今後ガス状物質の影響を強く受けるよ
うになる。即ち、今後の先端産業におけるクリーンルー
ムは粒子状物質(微粒子)とガス状有害成分の同時除去
が必要となる。
【0012】(3)上記ガス状有害成分は、クリーンル
ーム内での作業やクリーンルーム構成材や器具類から発
生し、これらの発生ガスは、たとえ極低濃度であっても
クリーンルームは閉鎖系であり、閉じ込められるので
(最近クリーンルームは省エネの点で空気の循環使用の
比率が高い)、該濃度は徐々に高くなり、クリーンルー
ム内のウェハやガラス基板、基材に付着し、悪影響を与
えてしまう。上記のクリーンルーム内における有害ガス
の発生をH.Cを例に次に説明する。少なくとも一部が
有機物(高分子樹脂)で構成されるクリーンルーム環境
では、該有機物から、極微量の有機性ガス(H.C)が
発生し、クリーンルーム空間中の収容物(ウェハやガラ
ス基板などの原料、半製品)を汚染する。即ち、クリー
ンルーム空間では、少なくともその一部に有機物(例、
プラスチック容器、パッキン材、シール材、接着材、壁
面の材料等)を使用しており、該有機物から極く微量の
有機性ガスが発生する。例えば、シール材からはシロキ
サン、収納容器の材料であるプラスチック材からはフタ
ル酸エステルなどが発生する。
【0013】(4)今後の清浄空間は、これまでの大部
屋方式のいわゆるクリーンルームから、清浄空間を限定
した局所空間のクリーン化が必要になる。これは、今後
の先端産業では、省エネ、省コストが重要になることや
粒子状物質とガス状有害成分の同時除去を効果的に行う
ためである( 1) 、NIKKEI MICRODEVI
CES,7月号、p.136〜141、1995、2)
クリーンテクノロジー、Vol.7,No9,p38〜
44、1997)。 (5)上記ガス状有害成分の内、酸性ガスとアルカリ性
ガスは吸着材により、またH.Cは光触媒により効果的
に除去できる。
【0014】次に、本発明の夫々の構成を詳細に説明す
る。本発明に用いる除塵フィルターは、クリーンルーム
における微粒子(粒子状物質)を低濃度まで効率良く捕
集するフィルターであれば何れでも使用できる。通常、
中性能除塵フィルター、HEPAフィルター、ULPA
フィルター、静電フィルターが簡易でかつ効果的である
ことから好ましい。次に、吸着材としては、クリーンル
ームにおけるNOx、SOx、HCl、HFのような酸
性ガス、アンモニア、アミンのようなアルカリ性ガス
を、低濃度まで効率良く捕集する材料であれば良い。こ
のような吸着材として、シリカゲル、ゼオライト、アル
ミナ、活性炭、イオン交換繊維があり、この内、活性
炭、イオン交換繊維が効果的であることから好ましい。
活性炭としては、捕集成分(対象ガスの種類)あるいは
イオン交換繊維を組合せる方法などにより、適宜、酸や
アルカリの添着炭を用いることができる。
【0015】上記吸着材の形状は、適宜の形状で用いる
ことができるが、一般に繊維状、網状、ハニカム状が圧
力損失が少ないことから好ましい。クリーンルーム空気
中の上記酸性ガスやアルカリ性ガスの濃度は通常少なく
とも10ppb以上存在する。例えば、NOxは10〜
50ppb、SOxは10〜50ppb、NH3 は10
〜100ppb程度存在する。通常、クリーンルーム内
では、作業によりこれらのガスの発生がある場合が多
く、また、省エネのためにクリーンルーム空気は循環使
用されるために、少なくともガス状有害成分の内のいず
れかの成分の濃度は更に高濃度になっている。
【0016】上記のように、クリーンルーム空気中に
は、酸性ガスやアルカリ性ガスが多種類(多成分)にわ
たり存在するが、本発明では、SOx、NOx及び/又
はNH3 を指標に5ppb以下、好ましくは1ppb以
下まで低減化すると通常効果的である。そして、指標の
成分は、用途、利用先により、上記酸性ガスやアルカリ
性ガスの成分や濃度は異なるので、それらを考慮して適
宜に決めることができる。また、上記のSOx、NO
x、NH3 は低濃度を簡易にモニター(測定)できるの
で、他の同分類のガス状有害成分の指標として好適に用
いることができる。用いる吸着材の種類や、酸性ガス、
アルカリ性ガスをどこまで除去するかは、クリーンルー
ムの種類、用途により気体中の該有害成分の種類、濃度
が異なるので、それらの用途、装置の種類、装置の設置
場所、形状、気体中の有害成分の種類、濃度、要求性
能、経済性などにより適宜予備実験を行い決めることが
できる。
【0017】次に、イオン交換繊維について説明する
と、これは天然繊維もしくは合成繊維又は、これらの混
合体等の支持体表面に陽イオン交換体もしくは陰イオン
交換体、又は陽イオン交換基と陰イオン交換基を併有す
るイオン交換体を支持させたものであり、その方法とし
ては繊維状の支持体に直接支持させてもよく、織物状、
編物状又は植毛状の形態にしたのち、これに支持させる
こともできる。いずれにしても最終的にイオン交換体を
支持した繊維となっていればよい。本発明に用いる、イ
オン交換繊維の製法として、グラフト重合特に放射線グ
ラフト重合法を利用して製造したイオン交換繊維が好適
である。種々の材質及び形状の素材を利用することがで
きるからである。さて、前記天然繊維としては羊毛、絹
等が適当でき、合成繊維としては炭化水素系重合体を素
材とするもの、含フッ素系重合体を素材とするもの、あ
るいはポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリアクリロニトリル、セルロース、酢酸セルロー
スなどが適用できる。
【0018】前記炭化水素系重合体としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブテン等の
脂肪族系重合体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレ
ン等の芳香族系重合体、ポリビニルシクロヘキサン等の
脂環式系重合体あるいはこれらの共重合体が用いられ
る。また、前記含フッ素系重合体としては、ポリ四フッ
化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−四フッ
化エチレン共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロ
ピレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレ
ン共重合体等が用いられる。いずれにしても、前記支持
体としてはガス流との接触面積が大きく、抵抗が小さい
形状で、容易にグラフト化が行え、機械的強度が大で、
繊維くずの脱落、発生や熱の影響が少ない材料であれば
良く、使用用途、経済性、効果等を考慮して適宜に選択
出来るが通常、ポリエチレンが一般的でありポリエチレ
ンやポリエチレンとポリプロピレンとの複合体が特に好
ましい。
【0019】次に、前記イオン交換体としては、特に限
定されることなく種々の陽イオン交換体又は陰イオン交
換体が使用できる。例えば、カチオン交換の場合を例に
とると、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、フ
ェノール性水酸基などの陽イオン交換基含有体、第一級
〜第三級アミノ基、第四アンモニウム基などの陰イオン
交換基含有体、あるいは上記陽及び陰両者のイオン交換
基を併有するイオン交換体が挙げられる。具体的には、
前記繊維上に例えばアクリル酸、メタクリル酸、ビニル
ベンゼンスルホン酸、スチレン、ハロメチルスチレン、
アシルオキシスチレン、ヒドロキシスチレン、アミノス
チレン等のスチレン化合物、ビニルピリジン、2−メチ
ル−5−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルイミ
ダゾール、アクリロニトリルをグラフト重合させた後、
必要に応じ硫酸、クロルスルホン酸、スルホン酸などを
反応させることにより陽又は陰イオン交換基を有する繊
維状陰イオン交換体が得られる。
【0020】また、これらのモノマーはジビニルベンゼ
ン、トリビニルベンゼン、ブタジエン、エチレングリコ
ール、ジビニルエーテル、エチレングリコールジメタク
リレート、などの2個以上の2重結合を有するモノマー
の共存下に繊維上にグラフト重合させてもよい。この様
にして、イオン交換繊維が製造される。イオン交換繊維
の直径は、1〜1000μm、好ましくは5〜200μ
mであり、繊維の種類、用途等で適宜決めることが出来
る。これらのイオン交換繊維の内、陽イオン交換基と陰
イオン交換基の用い方は、対象処理気体中の被除去成分
の種類や濃度によって決めることができる。例えば被除
去成分を予め測定・評価し、それに見合うイオン交換繊
維の種類と量を用いれば良い。アルカリ性ガスを除去し
たい場合は、陽イオン交換基(カチオン交換体)を有す
るもの、また、酸性ガスを除去したい場合は陰イオン交
換基(アニオン交換体)を有するもの、また両者の混合
ガスでは陽と陰の両方の交換基を有する繊維を用いるこ
とができる。
【0021】イオン交換繊維への気体の流し方として、
フィルター状イオン交換繊維に直交して流すと、効果的
である。イオン交換繊維への気体を流す流速は、予備試
験を行い適宜に決めることができるが、該繊維は除去速
度が早いので、通常SVとして、1000〜10万(h
-1)程度で用いることができる。イオン交換繊維は本発
明者らが先に提案したように、放射線グラフト重合で製
造したものを用いると、特に効果が高いので好ましく、
適宜用いることができる(特公平5−9123号、特公
平5−67325号、特公平5−43422号、特公平
6−24626号公報)。イオン交換繊維は、イオン性
物質(成分)の捕集に効果的であり、本発明の対象とす
る酸性ガスやアルカリ性ガスはイオン性物質と考えられ
ることから、これらの物質を効率良く捕集・除去でき
る。
【0022】特に、放射線グラフト重合により製造され
たイオン交換フィルター(繊維)は、前記支持体への照
射が奥部まで均一になされるため、イオン交換体(アニ
オン及び/又はカチオン交換体)が広い面積(高密度に
付加)に、しっかり(強固)と付加されるので、交換容
量が大きくなり、かつ低濃度のイオン性物質が早い速度
で高効率に除去できる効果があり、実用的に有効であ
る。また、放射線グラフト重合による製造は、製品に近
い形状でできること、室温でできること、気相でできる
こと、グラフト率大にできること、不純物の少ない吸着
フィルターができることなどの利点がある。このため、
次のような特徴を有する。 放射線照射によるグラフト重合で製造したイオン交
換繊維には、イオン交換体(吸着機能の部分)が均一に
多く付加(付加密度が高い)するので吸着速度が早く、
かつ吸着量が多い。 圧力損失が少ない。
【0023】次に、光触媒について説明する。光触媒
は、光照射により励起され、H.Cを分解できるもので
あれば何れでも良い。光触媒は、接触角増加に関与する
有機性ガス(非メタン炭化水素)を接触角の増加に関与
しない形態に分解あるいは、付着しても影響を及ぼさな
い安定な形態に変換するものであればいずれでもよい。
通常、光触媒は、半導体材料が効果的であり、容易に入
手出来、加工性も良いことから好ましい。効果や経済性
の面から、Se,Ge,Si,Ti,Zn,Cu,A
l,Sn,Ga,In,P,As,Sb,C,Cd,
S,Te,Ni,Fe,Co,Ag,Mo,Sr,W,
Cr,Ba,Pbのいずれか、又はこれらの化合物、又
は合金、又は酸化物が好ましく、これらは単独で、また
2種類以上を複合して用いる。
【0024】例えば、元素としてはSi,Ge,Se、
化合物としてはAlP,AlAg,GaP,AlSb,
GaAs,InP,GaSb,InAs,InSb,C
dS,CdSe,ZnS,MoS2 ,WTe2 ,Cr2
Te3 ,MoTe,Cu2 S,WS2 、酸化物としては
TiO2 ,Bi2 O3 ,CuO,Cu2 O,ZnO,M
oO3 ,InO3 ,Ag2 O,PbO,SrTiO3 ,
BaTiO3 ,Co3O4 ,Fe2 O3 ,NiOなどが
ある。適用先によっては、金属材を焼成し、金属表面に
光触媒の形成を行うことができる。この例として、Ti
材を1000℃で焼成し、その表面にTiO2 の形成を
行う光触媒がある(特願平9−273302号)。ま
た、光触媒作用の向上のために、上記光触媒にPt,A
g,Pd,RuO2,Co3 O4 の様な物質を加えて使
用することも出来る。該物質の添加は、光触媒による
H.C分解作用が促進されるので好ましい。これらは、
一種類又は複数組合せて用いることができる。通常、添
加量は、光触媒に対して0.01重量%〜10重量%で
あり、適宜添加物質の種類や要求性能などにより予備実
験を行い、適正濃度を選択することができる。
【0025】添加の方法は、含浸法、光還元法、スパッ
タ蒸着法、混練法など周知手段を適宜用いることができ
る。光触媒の設置形態は、クリーンルーム空気の流れる
空気中への固定化、壁面への固定化、あるいは空気中に
浮遊させて用いることもできる。光触媒の固定は、光触
媒を板状、綿状、線状、ファイバー状、網状、ハニカム
状、膜、シート状あるいは繊維状などの適宜の材料にコ
ーティングしたり、あるいは包み、又は挟み込んでユニ
ット内に固定して用いてもよい。例えば、セラミック、
フッ素樹脂、ガラス材に、ゾル−ゲル法、焼結法、蒸着
法、スパッタリング法などの周知の付加手段を適宜に用
いて行うことができる。一般に、繊維状、網状、ハニカ
ム状の形状が圧力損失が少ないことから好ましい。
【0026】例として、ガラス繊維へのTiO2 のゾル
−ゲル法による付加がある。また、本発明者が既に提案
した光透過性線状物品表面への光触媒の付加(特開平7
−256089号)も適宜に使用できる。また、本発明
者が既に提案した光源との一体化(特開平9−2050
46号)も適宜用いることができる。次に、光触媒に光
照射を行う光源としては、光触媒への光照射により、光
触媒が光触媒作用を有するものであれば何れでも良い。
即ち、光触媒作用によるH.Cの分解は、光触媒の種類
により定める光吸収域の(波長域の)光を光触媒に照射
しつつ被処理気体を光触媒に接触させることにより行う
ことができる。
【0027】光触媒の主たる光吸収域を例示すればつぎ
のごとくである。 Si:<1,100(nm)、Ge:1,825(n
m)、Se:<590(nm)、AlAs:<517
(nm)、AlSb:<827(nm)、GaAs:<
886(nm)、InP:<992(nm)、InS
b:<6,888(nm)、InAs:<3,757
(nm)、CdS:<520(nm)、CdSe:<7
30(nm)、MoS2 :<585(nm)、ZnS:
<335(nm)、TiO2 :<415(nm)、Zn
O:<400(nm)、Cu2 O:<625(nm)、
PbO:<540(nm)、Bi2 O3 :<390(n
m)。 光源は、光触媒の光吸収域の波長を持つものであればよ
く、周知のものが適宜使用できる。太陽光、紫外線ラン
プを用いることができる。紫外線源は、通常、水銀灯、
水素放電管、キセノン放電管、ライマン放電管などを適
宜使用出来る。光源の例としては、殺菌ランプ、ブラッ
クライト、蛍光ケミカルランプ、UV−B紫外線ラン
プ、キセノンランプがあり、用いることができる。
【0028】この内、殺菌ランプ(主波長:254n
m)は、光触媒への有効照射光量を強くでき、光触媒作
用が強くなること、オゾンレスであること、簡単に取付
けができること、安価で保守、管理、維持が容易なこ
と、性能が高いことから好ましい。また、特に医療、薬
品、食品などバイオロジカル分野においては、殺菌ラン
プ及び光触媒は殺菌(滅菌)作用を有することから好ま
しい。さらに、クリーンルーム内の局所空間において、
菌、微生物の発生がなく、好ましい。該光源による光触
媒への照射量は、0.05〜50mW/cm2 、好まし
くは0.1〜10mW/cm2 が良い。除塵フィルタ
ー、吸着材、光触媒の設置の順番は、光触媒を吸着材の
後方に設置する以外は、適宜に1個所あるいは複数個所
にそれぞれを設置し用いることができる。光触媒の設置
を吸着材の後方とする理由は、NOxやSOxのような
有害成分は、長時間運転により、光触媒上に付着し、そ
の活性を低下させるためである。即ち、該有害成分を光
触媒の前方で捕集・除去することで、光触媒は長時間安
定した性能を発揮するようになり、本発明の特徴の一つ
である。
【0029】本発明が除去対象とする非メタン炭化水素
(H.C)は、通常の空気中の濃度でも基板や基材に汚
染をもたらす。空気中には相当多種類、多成分のH.C
が存在する。種々のH.Cのうち、接触角を増大させる
成分は基材の種類(ウェハ、ガラス材など)や基板上の
薄膜の種類・性状によって異なると考えられる。本発明
者は鋭意検討した結果、非メタン炭化水素を指標とし
て、これを光触媒による分解、処理により0.2ppm
以下、好ましくは0.1ppm以下まで除去すれば効果
的であることを見い出した。即ち、通常のクリーンルー
ムにおける基板表面の接触角を増加させる有機性ガス
(H.C)で共通して言えることは、高分子量のH.C
が主であり、その構造として−CO、−COO結合(親
水性を有する)を持つことである。このH.Cは親水性
(−CO、−COO結合部)を有する疎水性物質(H.
Cの基本構造の−C−C−の部分)と考えることができ
る。
【0030】具体例で説明すると、通常のクリーンルー
ムにおけるガラス基板などの基板の表面の接触角を増加
させる有機性ガスは、C16〜C20の高分子量H.C、例
えばフタル酸エステル、高級脂肪酸フェノール誘導体で
あり、これらの成分に共通することは化学的構造とし
て、−CO、−COO結合(親水性を有する)を持つ。
これらの汚染有機性ガスの起因は、高分子製品の可塑
剤、離型剤、酸化防止剤などであり、高分子製品の存在
する個所が発生源である。(「空気清浄」第33巻、第
1号、p.16〜21、1995) 光触媒によるこれらの有機性ガスの処理メカニズムの詳
細は不明であるが、次のように推定できる。即ち、これ
らの有機性ガスは−CO、−COO結合の部分がウェハ
やガラス表面のOH基と水素結合し、その上部は疎水面
となり、結果としてウェハやガラス表面は疎水性にな
り、接触角が大きくなり、その表面に成膜すると膜の付
着力は弱い。
【0031】有機性ガスが存在する雰囲気に光触媒を設
置すると、先ず、光触媒にウェハやガラス表面と同様に
有機性ガスがその表面に吸着し、次いで、その活性部で
ある−CO、−COO結合部が、光触媒への光の照射で
別の安定な形態に変換される。その結果として、有機性
ガスは安定な形態となり、ウェハやガラス基板上には付
着しないか、又は付着しても疎水性を示さない。前記本
発明のクリーンルームにおける除塵フィルター、吸着
材、光触媒の設置位置(場所)は、クリーンルーム空気
の流路であれば何れでも良い。特に該流路では、後述天
井チャンバー部(A)、リターンチャンバー部(B)、
空気循環路部(C1 〜C3 )が簡便な取付けができ、保
守、管理が容易なこと、効果が高いことから好ましく、
適宜に設置できる。該設置の形態や場所の選択は、クリ
ーンルームの種類、要求性能(クリーン度)、クリーン
ルーム内での汚染物質の発生状況やその濃度、経済性な
どにより、適宜検討や予備試験を行い、単独あるいは組
合せて用いることができる。
【0032】また、本発明のクリーンルーム内の局所空
間のクリーンルーム化は、クリーンルームにおける空気
をはじめ、N2 、Ar中など不活性ガス中の汚染物質の
除去に適用できる。本発明の気体の清浄化では、該気体
の処理のために、被処理気体を前記の除塵フィルター、
吸着材、光触媒に順次通過させることにより、実施され
るが、その手段として、適宜の気体の流動化手段を用い
ることができる。例えば、ファン、ヒータやランプによ
る加熱源の設置(温度差による)があり、用途、装置種
類、要求性能等により、適宜に選択して使用できる。ま
た、除塵フィルター、吸着材、光触媒の設置位置は、特
に限定されるものではなく、用途、装置形状、要求仕様
により適宜に、例えば該局所空間内の側面、床部、天井
部に1セット、あるいは複数のセットを設置することが
できる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 図1は、本発明の気体清浄装置を設置した半導体工場の
クリーンルームの基本構成図である。図1において、外
気1は先ずプレフィルター2で粗粒子が除去され、次い
で、空調機3で空調され、中性能フィルター4で除塵さ
れ、クリーンルーム5に導入される。7-1はファンであ
る。次いで、図2にクリーンルーム5の天井チャンバー
部Aに設置されている本発明の気体清浄装置Dの拡大構
成図を示す。図2の気体清浄装置Dは、除塵フィルター
8、吸着フィルター9、光触媒10、紫外線ランプ1
1、ファン12からなり、微粒子及びガス状有害成分が
捕集・除去(処理)される。これにより、クリーンルー
ム5には、ガス状有害成分が除去されたクラス1000
の超清浄空気13が供給される。
【0034】クリーンルーム内では、気体清浄装置Dの
設置が無い場合、(1)微粒子については、クリーンル
ーム5には外気1から微粒子が導入され、前記中性能フ
ィルターでクラス10万程度まで除塵された空気がHE
PAフィルターを通ってクリーンルーム内に入り、クリ
ーンルーム5内はクラス1000になっている。 (2)酸性ガスやアルカリ性ガスについては、クリーン
ルーム5内では作業によりSOx及びNH3 が発生し、
外気からの導入分に加算される。それによって、夫々の
濃度は外気より高くなってしまいSOx濃度:30〜5
0ppb、NH3濃度:200〜250ppbが存在し
てしまう。 (3)H.Cについては、クリーンルーム5内では、ク
リーンルーム構成材からの脱ガスとして、フタル酸エス
テル(例、DOP、DBP)やシロキサンなどが発生
し、非メタンH.Cとして1.2〜1.5ppm存在し
てしまう。ガス状有害成分として、SOx、NH3 、
H.C濃度が上記のごとく、外気よりも高くなく理由
は、クリーンルーム5の空気は、省エネのために空気循
環路部(C1 〜C3 )により循環使用されるためであ
る。
【0035】この上記のような微粒子やガス状有害成分
が存在すると、クリーンルーム5におけるウェハには、
該微粒子やガス状有害成分がウェハ表面に付着し、次の
ような悪影響を受け、歩留り(生産性)が低下する。 (1)微粒子:ウェハ上の回路(パターン)の断線や短
絡を生ずる。 (2)SOx:酸化膜の絶縁不良を引き起こす。 (3)NH3 :ウェハ上にくもり(解像不良)を生ず
る。 (4)H.C:成膜した膜のウェハ表面との親和性に影
響を与え、膜の付着力の低下を生ずる。 これに対して、本発明では、クリーンルーム5の天井チ
ャンバー部(A)に、上述気体清浄装置Dが、設置さ
れ、上記の微粒子、及びガス状有害成分(SOx、NH
3 、H.C)が捕集・除去される。即ち、外気1より導
入された微粒子やガス状有害成分、及びクリーンルーム
5内で発生した微粒子及びガス状有害成分は空気循環路
(C1 〜C3 )を経由して本発明の気体清浄装置Dに導
入され、捕集・除去され、該装置Dの出口の空気13は
SOx:1ppb以下、NH3 :1ppb以下、H.
C:0.1ppm以下のクラス1,000の空気とな
る。
【0036】即ち、気体清浄装置Dでは、先ず吸着フィ
ルター9にて、SOxとNH3 を夫々、酸性ガス、アル
カリ性ガスの指標ガス状有害成分として、いずれも1p
pb以下まで除去され、次いで紫外線ランプ11の照射
を受け光触媒作用を発揮している光触媒10にてH.C
が0.1ppm以下まで除去される。そして、HEPA
フィルター8により微粒子が少なくともクラス1,00
0まで除去される。このように、クリーンルーム5の空
気は、清浄化される。本発明の気体清浄装置Dの出口空
気13にウェハを暴露しておくと、ウェハ表面の接触角
は増加せず、酸化膜の絶縁不良、解像不良が起こらな
い。本例において、除塵フィルター8はHEPAフィル
ター、吸着フィルター9はイオン交換繊維(アニオン
型、カチオン型)、光触媒10はTiO2 を繊維状ガラ
ス母材に付加し、紫外線ランプ11は殺菌灯(254n
m)である。Bは、リターンチャンバー部(B)を示
す。
【0037】実施例2 実施例1のクリーンルーム5において、本発明の気体清
浄装置Dを、空気循環路(C1 〜C3 )における空調機
3の出口に設置して行う場合を、図3に示す。6はHE
PAフィルターを示す。図3において、図1、2と同一
符号は同じ意味を示す。
【0038】実施例3 実施例1のクリーンルーム5において、本発明の気体清
浄装置Dを空気循環路(C1 〜C3 )におけるリターン
プレナムに設置して行う場合を、図4に示す。6はHE
PAフィルターを示す。図4において、図1、2と同一
符号は同じ意味を示す。
【0039】実施例4 実施例1のクリーンルーム5において、本発明の気体清
浄装置Dを空気循環路(C1 〜C3 )における空調機3
の出口、及びリターンプレナムに設置して行う場合を、
図5に示す。図5において、図1〜3と同一符号は同じ
意味を示す。
【0040】実施例5 図2に示した構成の気体清浄装置に下記試料空気を通過
させ、長時間運転を行い試料空気中汚染物質(微粒子、
ガス状有害成分)の除去性能について調べた。そして、
ウェハを試料空気に暴露し、接触角について調べた。ま
た、空中浮遊菌について調べた。 試料空気; 微粒子濃度:クラス10万、 SOx濃度:50ppb、 NH3 濃度:50ppb、 非メタンH.C濃度:1.3ppm、 気体清浄装置; 大きさ:50×50×50cm、 通過速度:0.3m/s、 除塵フィルター:HEPA、 吸着材:イオン交換繊維(アニオン型及びカチオン
型)、 光触媒:TiO2 、ガラス繊維状母材上にTiO2 をゾ
ル−ゲル法で付加、光触媒への照射光源:殺菌灯(25
4nm)、
【0041】吸着材の製造法; アニオン交換繊維:繊維状のポリプロピレンに窒素
中で電子線20Mradを照射し、次いでヒドロキシス
チレンモノマーとイソプレンを夫々60%及び40%含
む溶液に浸漬し、35℃の温度に加熱してグラフト重合
反応を行った。反応後、四級アミノ化を行い、アニオン
交換繊維を得た。 カチオン交換繊維:繊維状のポリプロピレンに窒素
中で電子線20Mradを照射し、次いでアクリル酸4
5%を含む水溶液に浸漬し、35℃の温度に加熱してグ
ラフト重合反応を行った。反応後、水酸化ナトリウム溶
液で処理し、カチオン交換繊維を得た。 測定法; SOx濃度:溶液導伝導法、 NH3 濃度:化学発光法、 H.C:GC法(非メタン炭化水素)、 接触角:水滴接触角法、 微粒子濃度:パーティクルカウンタ(光散乱式)による
方法、 空中浮遊菌:寒天培養法、 接触角の測定は、ウェハをUV/O3 洗浄し、気体清浄
装置通過の前後試料空気に暴露することにより行った。
なお、クラスは、1ft3 中の粒径0.1μm以上の微
粒子総個数である。
【0042】結 果 (1)処理前後の汚染物質の濃度を表1に示す。また、
1ヶ月後、3ヶ月後も同様に調べたところ、表1と同じ
であった。
【表1】
【0043】(2)接触角を図6に示す。 気体清浄装置出口Dの(処理後の)空気に暴露した値を
−○−で、また試料空気(処理前の空気)に暴露した値
を−●−で示す。 (3)処理後の空気中のオゾン濃度を測定した。結果
は、不検出(0.01ppm以下)であった。 (4)処理前後の試料空気を寒天培地に吹きつけ、30
℃、72時間培養した後、コロニー数を観察した。その
結果を表2に示す。
【表2】 数値は、個数を表す。
【0044】実施例6 実施例5の気体清浄装置を、実施例1の図1の構成のク
リーンルーム5の天井チャンバー部(A)に設置し、ク
リーンルーム床面上1mで下記試料空気を発生させ、ク
リーンルームに設置した気体清浄装置Dの出口の空気1
3を同様に(実施例5と同様の)測定法により測定し
た。なお、接触角は、UV/O3 洗浄後ウェハを該空気
13に暴露することにより測定した。 クリーンルームの大きさ(床面積);3.0m×5.0m、 (高さ);2.2m、 試料空気; 微粒子濃度:クラス1万、 SOx濃度:30ppb、 NH3 濃度:60ppb、 非メタンH.C濃度:1.1ppm、 (濃度は、クリーンルームの容積に対する値)
【0045】結 果 (1)処理前後の汚染物質の濃度を表3に示す。
【表3】 処理後空気にはオゾンは、不検出(0.01ppm以
下)であった。 (2)接触角を図7に示す。空気清浄装置Dの出口空気
13に暴露した値を−○−、また、クリーンルームの床
面上の空気に暴露した値を−●−で示す。
【0046】実施例7 図9に、半導体工場のクリーンルームで使用されるスト
ッカの基本構成図を示す。図9において、ストッカ14
中の空気は、吸着フィルター9、光触媒10、紫外線ラ
ンプ11、除塵フィルター8、ファン12より構成され
る本発明の気体清浄装置(気体清浄ユニット)Dによ
り、微粒子15とガス状汚染物質16が除去され、スト
ッカにおけるカセット17に収納されたウェハ18が存
在する被清浄空間部Eは、超清浄化される。このように
して、クリーンルーム内の局所空間としてのストッカ1
4内は超清浄化される。即ち、クリーンルーム内では、
実施例1に示したような微粒子及びガス状有害成分が存
在しているが、本発明では、ストッカ14を設置し、該
ストッカ14の側面に本発明の気体清浄装置Dを設置し
ており、前記の微粒子及びガス状有害成分(SOx、N
H3 、H、C等)が捕集・除去され、清浄空気19-1が
得られる。矢印19-1〜19-5はファン12の作動によ
り生ずるストッカ14内の空気の流れである。
【0047】詳述すれば、ストッカ14には、ストッカ
内に収納のウェハ18の搬入、搬出により、前記の汚染
物質を含むクリーンルーム空気が侵入するが、本発明の
気体清浄装置Dにより、先ず吸着フィルター9にてSO
xとNH3 を、夫々、酸性ガス、アルカリ性ガスの指標
ガス状有害成分として、いずれも1ppb以下まで除去
され、次いで紫外線ランプ11の照射を受け光触媒作用
を発揮している光触媒10にてH.Cが0.1ppm以
下まで除去される。そして、HEPAフィルター8によ
り微粒子が少なくともクラス1以下まで除去される。こ
のようにして、ストッカ14のウェハ18が収納される
被清浄空間部Eは、清浄化され、SOx:1ppb以
下、NH3 :1ppb以下、H.C:0.1ppm以下
のクラス1よりも清浄な超清浄空間となる。本発明のス
トッカ14の清浄化空気にウェハを暴露しておくと、ウ
ェハ表面の接触角は増加せず、酸化膜の絶縁不良、解像
不良が起こらない。本例において、除塵フィルター8は
HEPAフィルター、吸着フィルター9はイオン交換繊
維(アニオン型、カチオン型)、光触媒10はTiO2
を繊維状ガラス母材に付加し、紫外線ランプ11は殺菌
灯(254nm)である。
【0048】実施例8 図10は、図9に示したストッカの変形例であり、本発
明の気体清浄装置(気体清浄ユニット)Dを床部設置し
たものである。図10中、図9と同一符号は、同じ意味
を示す。
【0049】実施例9 図11は、実施例7のクリーンルームにおけるインター
フェイス(ウェハを、クリーンルームから、製造装置に
搬入、搬出するための受け渡し装置)の基本構成図であ
る。図11のインターフェイス14には、実施例7で示
したクリーンルーム空気19-6が導入され、ファン1
2、吸着フィルター9、光触媒10、紫外線ランプ1
1、除塵フィルター8より成る本発明の気体清浄装置
(気体清浄ユニット)Dにより、クリーンルーム空気1
9-1中に含まれる微粒子とガス状有害物質が除去され
る。該インターフェイス14では、ウェハキャリアボッ
クス17に収納されたウェハ18の半導体製造装置20
への受け渡しが行われる。21は、インターフェイス1
4にウェハ18を搬入、搬出するための開閉扉であり、
22は、ウェハキャリアボックス17のふたである。ク
リーンルームには、実施例7で示したごとく汚染物質と
して微粒子、ガス状有害物質が存在し、このような汚染
物質の存在下で、ウェハ18を半導体製造装置20内に
搬入すると、ウェハにはこれらの汚染物質がウェハ表面
に付着し、次のような悪影響を受け、歩留りが低下す
る。
【0050】(1)微粒子:ウェハ上の回路(パター
ン)の断線や短絡を生ずる。 (2)SOx:酸化膜の絶縁不良を引き起こす。 (3)NH3 :ウェハ上にくもり(解像不良)を生ず
る。 (4)H.C:成膜した膜のウェハ表面との親和性に影
響を与え、膜の付着力の低下を生ずる。 これに対して、本発明では、クリーンルームから半導体
製造装置20へのウェハ18の搬入、搬出を、本発明の
前記気体清浄装置Dを設置することにより清浄化したイ
ンターフェイス14を用いて行うものである。ウェハ1
8の該製造装置20への受け渡しは、該インターフェイ
ス14を用いて行うことにより、クリーンルーム空気中
の前記汚染物質に暴露されることなく(汚染を受けるこ
となく)半導体製造装置へ搬入されるので、ウェハは汚
染を受けることなく製品へと加工されていく。
【0051】即ち、クリーンルーム空気19-6中汚染物
質は、気体清浄装置Dにより先ず吸着フィルター9に
て、SOxとNH3 を、夫々酸性ガス、アルカリ性ガス
の指標ガス状有害成分として、いずれも1ppb以下ま
で除去され、次いで紫外線ランプ11の照射を受け光触
媒作用を発揮している光触媒10にてH.Cが0.1p
pm以下まで除去される。そして、HEPAフィルター
8により微粒子がクラス1以下まで除去される。このよ
うにして、インターフェイス14における被清浄空間部
Eは、清浄化され、SOx:1ppb以下、NH3 :1
ppb以下、H.C:0.1ppm以下のクラス1より
も清浄な超清浄空気(空間)となる。本インターフェイ
ス14を用い、ウェハをクリーンルームから製造装置
に、受け渡しを行うと、ウェハ表面の接触角は増加せ
ず、酸化膜の絶縁不良、解像不良が起こらない。本例に
おいて、除塵フィルター8はHEPAフィルター、吸着
フィルター9はイオン交換繊維(アニオン型、カチオン
型)、光触媒10は、TiO2 を繊維状ガラス母材に付
加したものであり、紫外線ランプ11は殺菌灯(254
nm)である。図11中図9と同一符号は、同じ意味を
示す。
【0052】実施例10 図12は、図11に示したインターフェイスの変形例で
あり、本発明の気体清浄装置(気体清浄ユニット)Dを
天井面に空気の流れが横方向になるように設置したもの
である。図12のインターフェイス14ではクリーンル
ームからの空気導入を積極的に行わないで、行う場合で
ある。図12において、図11と同一符号は、同じ意味
を示す。
【0053】実施例11 図9に示した構成のストッカに下記の試料空気を入れ、
ストッカ中汚染物質(微粒子、ガス状有害成分)の除去
性能について調べた。そして、ウェハをストッカ中の試
料空気に暴露し、接触角について調べた。また空中浮遊
菌について調べた。 試料空気; 微粒子濃度:クラス1,000、 SOx濃度:50ppb、 NH3 濃度:50ppb、 非メタンH.C濃度:1.3ppm、 ストッカ大きさ;100リットル 気体清浄装置(ユニット化); 大きさ:30×15×15cm、 通過速度:0.3m/s、 除塵フィルター:HEPA、 吸着材:イオン交換繊維(アニオン型及びカチオン
型)、 光触媒:TiO2 、ガラス繊維状母材上にTiO2 をゾ
ル−ゲル法で付加、 光触媒への照射光源:殺菌灯(254nm)、
【0054】吸着材の製造法; アニオン交換繊維:繊維状のポリプロピレンに窒素
中で電子線20Mradを照射し、次いでヒドロキシス
チレンモノマーとイソプレンを夫々60%及び40%含
む溶液に浸漬し、35℃の温度に加熱してグラフト重合
反応を行った。反応後、四級アミノ化を行い、アニオン
交換繊維を得た。 カチオン交換繊維:繊維状のポリプロピレンに窒素
中で電子線20Mradを照射し、次いでアクリル酸4
5%を含む水溶液に浸漬し、35℃の温度に加熱してグ
ラフト重合反応を行った。反応後、水酸化ナトリウム溶
液で処理し、カチオン交換繊維を得た。 測定法; SOx濃度:溶液導伝導法、 NH3 濃度:化学発光法、 H.C:GC法(非メタン炭化水素)、 接触角:水滴接触角法、 微粒子濃度:パーティクルカウンタ(光散乱式)による
方法、 空中浮遊菌:寒天培地法、 接触角の測定は、ウェハをUV/O3 洗浄し、気体清浄
装置通過の前後試料空気に暴露することにより行った。
なお、クラスは、1ft3 中の粒径0.1μm以上の微
粒子総個数である。
【0055】結 果 (1)処理前後の汚染物質の濃度を表4に示す。また、
1ヶ月後、3ヶ月後も同様に調べたところ、表4と同じ
であった。
【表4】
【0056】(2)接触角の変化を図13に示す。 図13中、本発明のストッカ空気に暴露した値を−○−
で、また比較として試料空気(処理前の空気)に暴露し
た値を−●−で示す。 (3)処理後のストッカ中空気中のオゾン濃度を測定し
た。結果は、不検出であった(0.1ppm以下)。 測定法:化学発光法。 (4)処理前後の試料空気を寒天培地に吹きつけ、30
℃、72時間培養した後、コロニー数を観察した。その
結果を表5に示す。処理前は、クリーンルーム空気を観
点培地に吹きつけたもの、処理後はストッカ運転1時間
後、5日後である。
【表5】 数値は、個数を表す。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果を奏する
ことができる。 (1)クリーンルーム又は該クリーンルーム内の局所空
間の気体清浄において、除塵フィルターによる手段、吸
着材による手段、光触媒による手段を組合せて用いるこ
とにより、 微粒子とガス状有害成分が同時に除去されたクリー
ンルーム又はクリーンルーム内の局所空間の気体が容
易、かつ効果的に得られた。 前記において吸着材及び光触媒の使用形状を繊維
状、網状、ハニカム状とし、また光触媒への光触媒の光
源として殺菌灯(254nm)を用いることにより、圧
力損失を少なく、安価で保守・管理(維持)が容易で効
果的な微粒子とガスの同時制御タイプのクリーンルーム
又はクリーンルーム内の局所空間の気体の創出技術とな
った。
【0058】(2)前記における気体清浄を、クリーン
ルームにおける天井チャンバー部、リターンチャンバー
部、気体循環路部で、適宜行うか、又は該クリーンルー
ム内の局所空間に前記の除塵フィルター、吸着材、光触
媒、紫外線ランプ、気体の流動化手段(例ファン)を一
体化して設けることにより、 微粒子とガス状有害成分が効果的に除去された超ク
リーンなクリーンルームが得られた。 前記より、実用上効果的なクリーンルームが簡易に
できた。 半導体、液晶など先端産業において、今後G(ギ
ガ)時代に要求が高まると考えられる微粒子とガスの同
時制御タイプの超クリーンルームが効果的に創出でき
た。
【0059】 前記において、医療、薬品、食品など
バイオロジカル分野のクリーンルームへの利用では、殺
菌灯(254nm)及び光触媒による殺菌、滅菌作用が
加わるので、本分野において実用上有効な技術となっ
た。 一体化することにより、気体の清浄化ユニットとな
り、局所空間の任意の場所(位置)に任意の数量、取り
付けて空間の清浄化ができた。 (3)本発明における清浄化ユニットは、取り付け、取
り外しが簡便であるので、保守・管理、維持が容易な気
体清浄装置となった。これにより、本清浄化方式の実用
性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気体清浄装置を設置した半導体工場の
クリーンルームの基本構成図。
【図2】図1の気体清浄装置の拡大構成図。
【図3】本発明の気体清浄装置を設置した別の半導体工
場のクリーンルームの基本構成図。
【図4】本発明の気体清浄装置を設置した他の半導体工
場のクリーンルームの基本構成図。
【図5】本発明の気体清浄装置を設置した他の半導体工
場のクリーンルームの基本構成図。
【図6】経過日数(日)による接触角(度)の変化を示
すグラフ。
【図7】経過日数(日)による接触角(度)の変化を示
すグラフ。
【図8】従来の半導体工場のクリーンルームの基本構成
図。
【図9】本発明の気体清浄装置をクリーンルーム内のス
トッカに設置した基本構成図。
【図10】本発明の気体清浄装置をクリーンルーム内の
ストッカに設置した別の基本構成図。
【図11】本発明の気体清浄装置をクリーンルーム内の
インターフェイスに設置した基本構成図。
【図12】本発明の気体清浄装置をクリーンルーム内の
インターフェイスに設置した別の基本構成図。
【図13】収納時間(h)による接触角(度)の変化を
示すグラフ。
【符号の説明】
1:外気、2:プレフィルター、3:空調機、4:中性
能フィルター、5:クリーンルーム、6:HEPAフィ
ルター、7-1、7-2:ファン、8:除塵フィルター、
9:吸着フィルター、10:光触媒、11:紫外線ラン
プ、12:ファン、13:超清浄空気、14:ストッ
カ、15:微粒子、16:ガス状有害成分、17:カセ
ット、18:ウェハ、19-1〜19-6:空気の流れ、2
0:半導体製造装置、21:開閉扉、22:ふた、A:
天井チャンバー部、B:リターンチャンバー部、C1 〜
C3 :空気循環路、D:気体清浄装置、E:被清浄空
間、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 20/20 B01J 20/24 A 20/24 20/26 A 20/26 21/06 A 21/06 35/02 J 35/02 47/12 E 47/12 F24F 7/06 C F24F 7/06 B01D 53/36 J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリーンルーム又は該クリーンルーム内
    の局所空間の気体を清浄にする方法において、該気体を
    除塵フィルターによる処理と、吸着材による処理と、光
    触媒による処理とにより処理して、気体中の微粒子及び
    ガス状の有害成分を除去することを特徴とするクリーン
    ルームにおける気体清浄方法。
  2. 【請求項2】 前記吸着材による処理が、活性炭及び/
    又はイオン交換繊維との接触であり、光触媒による処理
    が、殺菌灯からの紫外線照射されているTiO2 との接
    触であることを特徴とする請求項1記載のクリーンルー
    ムにおける気体清浄方法。
  3. 【請求項3】 クリーンルーム又は該クリーンルーム内
    の局所空間の気体を清浄にする装置において、気体中の
    微粒子及びガス状の有害成分を除去するための、除塵フ
    ィルターと、吸着材を充填した吸着装置と、光触媒と該
    触媒に光を照射する光源よりなる光触媒装置とを備える
    ことを特徴とするクリーンルームにおける気体清浄装
    置。
  4. 【請求項4】 前記吸着材が、活性炭及び/又はイオン
    交換繊維であり、光触媒がTiO2 で、光を照射する光
    源が254nmの紫外線を発生する殺菌灯であることを
    特徴とする請求項3記載のクリーンルームにおける気体
    清浄装置。
  5. 【請求項5】 前記除塵フィルターと吸着装置と光触媒
    装置とを一体化して、気体の清浄化ユニットとしたこと
    を特徴とする請求項3又は4記載のクリーンルームにお
    ける気体清浄装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のクリーンルームにおける
    気体清浄装置の気体の清浄化ユニットを、クリーンルー
    ム内の局所空間に設置することを特徴とするクリーンル
    ーム内の局所空間の気体清浄方法。
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