JPH10296438A - 非消耗電極式横向きアーク溶接方法 - Google Patents

非消耗電極式横向きアーク溶接方法

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JPH10296438A
JPH10296438A JP10757197A JP10757197A JPH10296438A JP H10296438 A JPH10296438 A JP H10296438A JP 10757197 A JP10757197 A JP 10757197A JP 10757197 A JP10757197 A JP 10757197A JP H10296438 A JPH10296438 A JP H10296438A
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JP
Japan
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welding
consumable electrode
end region
oscillating
welding current
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Application number
JP10757197A
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English (en)
Inventor
Tadashi Muneyuki
正 宗行
Hajime Uchiyama
肇 内山
Fusaki Koshiishi
房樹 輿石
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下開先壁側に対応するオシレート下端領域で
の融合不良の発生をなくし、かつ、溶融し易い上開先壁
の側に対応するオシレート上端領域でのアンダーカット
の発生をなくすこと。 【解決手段】 定アーク長制御を行う一方、開先幅方向
に非消耗電極をオシレートさせるとともに溶加材を溶接
部に送給しながら横向き姿勢にて溶接を行う非消耗電極
式横向きアーク溶接方法において、非消耗電極がオシレ
ート上端領域にあるときの溶加材送給速度値Wuに対して
オシレート下端領域にあるときの溶加材送給速度値Wdを
減少させる溶加材送給速度切替え制御と、非消耗電極が
オシレート上端領域にあるときの溶接電流値Iuに対して
オシレート下端領域にあるときの溶接電流値Idを増大さ
せる溶接電流切替え制御との少なくとも一方を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、開先幅方向に非
消耗電極をオシレートさせるとともに溶加材を溶接部に
送給しながら横向き姿勢にて溶接を行う非消耗性電極式
横向きアーク溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非消耗電極としてタングステン電極を用
い、溶加材(フィラーワイヤ)をアークで溶かしつつ溶
接を行う非消耗電極式アーク溶接法は、溶加材の送給速
度と溶接電流値とを比較的広い範囲で独立に設定できる
ことで溶接入熱の調整が容易なことから、下向き姿勢の
溶接のみならず、立向き溶接や横向き溶接などの全姿勢
での溶接が可能である一方、マグ(MAG)溶接などの
消耗電極式アーク溶接法に比べて、母材に対する溶込み
が浅い。
【0003】このように溶込みが浅い点は特に横向き溶
接において大きな影響があり、水平方向に延びる溶接線
と上下に交差する開先幅方向に非消耗電極をオシレート
(揺動あるいはウィービングとも言う)させながらルー
トギャップ付き開先の横向き溶接を行う場合には、裏波
を形成する初層溶接では、図9に示すように、重力の影
響により溶接ビードが下開先壁1b側へ垂れ気味にな
り、前記のように溶込みが浅いことから、この垂れて下
開先壁1b面を覆う厚い溶融金属のためにオシレートの
下端領域で溶込みが不足しがちになって、下側の母材1
の開先ルート部DRに融合不良が多発しやすく、安定し
た裏波ビード(初層溶接ビード)も得にくい。
【0004】なお、裏波を形成する初層溶接では、溶融
金属の母材裏面側への垂れ落ちを防ぐため例えば裏当て
銅板が使用される。また周知のように、非消耗電極式ア
ーク溶接法においては、定アーク長制御あるいは定アー
ク電圧制御と称して、母材(被溶接物)の変位量その他
の原因により母材と非消耗電極先端との間隔が変化した
とき溶接電圧(アーク電圧)が変化することを利用し
て、この溶接電圧を一定に保持するように非消耗電極を
母材に対して進退させて母材と非消耗電極との間隔を一
定に保つことが行われている。
【0005】さて従来、非消耗電極のオシレートの両端
部で十分な母材の溶込みを得、この両端部での融合不良
をなくすとともに安定した裏波ビードを得るべく、オシ
レートの両端部又はその近傍にて、溶加材送給速度をオ
シレート中央部での値よりも小さくするようにした方法
が提案されている(特開平7−100647号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記従来の非消
耗電極式アーク溶接方法では、これを前記の横向き溶接
に適用した場合、非消耗電極のオシレート下端又はその
近傍にて溶加材送給速度をオシレート中央部での値より
も小さくすることで下開先壁の溶込みが大きくなり、下
側母材の開先ルート部での融合不良の解消には効果があ
るものの、オシレート上端又はその近傍においても溶加
材送給速度を小さくするようにしているので、重力の影
響により表面を覆う溶融金属が少なく溶融し易い上開先
壁が溶かされすぎて、図10に示すように、上開先壁1
aにアンダーカットが発生する。このため、このアンダ
ーカットがあると次層の溶接でブローホールなどの欠陥
を引き起こすので、グラインダ等によるアンダーカット
部分の手直し作業が必要となり溶接作業能率が低下する
という不具合があった。
【0007】そこでこの発明の目的は、開先幅方向に非
消耗電極をオシレートさせる非消耗電極式横向きアーク
溶接方法において、下開先壁側に対応するオシレート下
端領域での融合不良の発生をなくし、かつ、溶融し易い
上開先壁の側に対応するオシレート上端領域でのアンダ
ーカットの発生をなくすことができる非消耗電極式横向
きアーク溶接方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願請求項1の非消耗電
極式横向きアーク溶接方法は、母材と非消耗電極との間
隔を一定に保持する定アーク長制御を行う一方、溶接線
と上下に交差する開先幅方向に非消耗電極をオシレート
させるとともに溶加材を溶接部に送給しながら横向き姿
勢にて溶接を行う非消耗電極式横向きアーク溶接方法に
おいて、非消耗電極がオシレート上端領域にあるときの
溶加材送給速度値Wuに対してオシレート下端領域にある
ときの溶加材送給速度値Wdを減少させる溶加材送給速度
切替え制御と、非消耗電極がオシレート上端領域にある
ときの溶接電流値Iuに対してオシレート下端領域にある
ときの溶接電流値Idを増大させる溶接電流切替え制御と
の少なくとも一方を行うことを特徴とするものである。
【0009】また請求項2の非消耗電極式横向きアーク
溶接方法は、前記請求項1に加えて、前記定アーク長制
御による非消耗電極の電極軸線方向の変位量もしくは位
置が予め定められた反転設定値に達するたびに非消耗電
極のオシレート方向を反転させるアーク倣い式開先倣い
制御を行うとともに、前記溶加材送給速度切替え制御と
溶接電流切替え制御との少なくとも一方を行うように構
成したものである。
【0010】請求項3の非消耗電極式横向きアーク溶接
方法は、前記請求項1又は2に記載の横向きアーク溶接
方法において、前記溶加材送給速度切替え制御を行う場
合、Wd=0.3Wu〜0.9Wuの関係に設定し、前記溶接
電流切替え制御を行う場合、Id=1.1Iu〜2.0Iuの
関係に設定することを特徴とするものである。また、請
求項4の非消耗電極式横向きアーク溶接方法は、前記請
求項3に記載の横向きアーク溶接方法において、前記溶
加材送給速度切替え制御を行う場合、非消耗電極がオシ
レート幅の中央部にあるときの溶加材送給速度値をWmと
したとき、Wm=Wu,かつWu>Wd、又は、Wm=Wd,かつWu
>Wdの関係に設定し、前記溶接電流切替え制御を行う場
合、非消耗電極がオシレート幅の中央部にあるときの溶
接電流値をImとしたとき、Im=Iu,かつIu<Id、又は、
Im=Id,かつIu<Idの関係に設定することを特徴とする
ものである。
【0011】本願請求項1の横向きアーク溶接方法と、
非消耗電極を開先に自動的に追従させ倣わせるアーク倣
い式開先倣い制御をも行う請求項2の横向きアーク溶接
方法とにおいては、溶加材送給速度切替え制御と、溶接
電流切替え制御との少なくとも一方の制御を行う。すな
わち、溶加材送給速度切替え制御では(図5(b)、図
6(b)参照)、非消耗電極が上開先壁に接近したオシ
レート上端領域にあるときには、アークによる熱のうち
母材の溶融に費やされる熱が溶加材の溶融によって抑制
されるように溶加材送給速度の値Wuを設定することで、
オシレート上端領域での上開先壁の溶かしすぎによるア
ンダーカットの発生を防止できる。一方、非消耗電極が
下開先壁に接近したオシレート下端領域にあるときに
は、オシレート上端領域での前記溶加材送給速度値Wuに
対して溶加材送給速度の値Wdを減少させることにより、
アークによる熱のうち溶加材の溶融よりも母材の溶融に
費やされる熱が増大して母材への溶込みが大きくなり、
オシレートの下端領域での融合不良、すなわち下開先壁
側での融合不良の発生をなくすことができ、また、ビー
ドのなじみも良くすることができる。したがって、裏波
ビードを形成する初層溶接では下側母材の開先ルート部
での融合不良をなくすことができるとともに安定した裏
波ビードを得ることができる。
【0012】また、溶接電流切替え制御では(図5
(c)、図6(c)参照)、非消耗電極がオシレート上
端領域にあるときには、溶融し易い上開先壁の溶かしす
ぎによってアンダーカットが発生しないように溶接電流
の値Iuを設定する。一方、非消耗電極がオシレート下端
領域にあるときには、オシレート上端領域での前記溶接
電流値Iuに対して溶接電流の値Wdを増大させることによ
り、母材の溶融に費やされる熱が増大して母材への溶込
みが大きくなり、オシレートの下端領域での融合不良、
すなわち下開先壁側での融合不良の発生をなくすことが
でき、また、ビードのなじみも良くすることができる。
したがって、初層溶接では下側母材の開先ルート部での
融合不良をなくすことができるとともに安定した裏波ビ
ードを得ることができる。
【0013】このように溶加材送給速度あるいは溶接電
流の切替え制御を行うことにより、非消耗電極のオシレ
ートの下端領域での融合不良の発生をなくし、かつ上端
領域でのアンダーカットの発生をなくすことができ、さ
らにこれら両方の切替え制御をともに行うことにより
(図5(a)、図6(a)参照)、前記融合不良や前記
アンダーカットの発生を確実になくして、欠陥のない極
めて良好な横向き溶接を行うことができる。
【0014】ここで、後述の開先倣い制御を実施しない
請求項1の横向きアーク溶接方法において、オシレート
の上端領域、下端領域について説明する。この溶接方法
においては、図5(a)に示すように、非消耗電極はオ
シレート上端位置及び下端位置では移動動作を一時停止
し、非消耗電極がオシレート上端位置から距離Du以内に
あるときの領域をオシレート上端領域とし、一方、非消
耗電極がオシレート下端位置から距離Dd以内にあるとき
の領域をオシレート下端領域としている。なお、前記距
離Du,Ddは、溶接条件にもよるが1.0mm以下に設定
されるものである。
【0015】請求項2の横向きアーク溶接方法では、ア
ーク倣い式開先倣い制御を行うとともに、溶加材送給速
度切替え制御と溶接電流切替え制御との少なくとも一方
の制御を行うようにしている。このアーク倣い式開先倣
い制御は、公知のものであって、溶接トーチに保持され
た非消耗電極を溶接線と交差する開先幅方向にオシレー
トさせる溶接において、前述した定アーク長制御による
非消耗電極の電極軸線方向の変位量(移動量)もしくは
位置が予め定められた反転設定値に達することで開先壁
位置を検知し、この開先壁位置を検知するたびに非消耗
電極のオシレート方向を反転させて開先倣いを行うもの
である。この開先倣い制御によると、走行台車に搭載さ
れた溶接トーチを溶接線方向へ案内する走行レールと真
の溶接線とのずれや、母材の開先幅(ルートギャップな
ど)の変動があっても、実際の開先に対して非消耗電極
(溶接トーチ)を自動的、かつ正確に追従させることが
できる。
【0016】ところで、このようなアーク倣い式開先倣
い制御を行うと、非消耗電極が開先壁に極めて接近した
位置で反転する傾向があり、この位置は溶込みの安定化
のために非消耗電極の移動を一時停止する位置としては
適正位置とはいえないため、先に本出願人は、開先壁位
置を検知してオシレート方向を反転させた後、非消耗電
極をこのオシレート端からオシレート幅中央方向(開先
幅中央方向)へ所定距離移動させたオシレート端近傍位
置で所定時間停止させるようにした方法を先に提案して
いる(特開平8−141738号公報)。
【0017】そこで、本願請求項2の横向きアーク溶接
方法では、アーク倣い式開先倣い制御を行うとともに、
図6(a)に示すように、反転したのち上開先壁側へ向
かう上進オシレート行程では、非消耗電極(溶接トー
チ)をオシレート下端からオシレート幅中央方向に所定
距離Ld移動させてこのオシレート下端領域としてのオシ
レート下端近傍位置で所定時間停止させ、下開先壁側へ
向かう下進オシレート行程では、非消耗電極をオシレー
ト上端からオシレート幅中央方向に所定距離Lu移動させ
てこのオシレート上端領域としてのオシレート上端近傍
位置で所定時間停止させるようにしながら、溶加材送給
速度切替え制御と溶接電流切替え制御との少なくとも一
方を行うようにしている。前記の距離Lu,Ldの値は、
0.5〜1.0mm程度が適正である。
【0018】さて、本願発明による横向きアーク溶接方
法では、溶加材送給速度切替え制御を行う場合、非消耗
電極がオシレート上端領域にあるときの溶加材送給速度
値Wuに対してオシレート下端領域にあるときの溶加材送
給速度値Wdは、Wd=0.3Wu〜0.9Wuの範囲で設定す
ることが望ましい。その理由は、Wdが0.3Wuより小さ
く溶加材供給量が少ないと、溶加材が不規則的に溶けて
溶加材の溶融プールへのスムーズな溶融移行が行えなく
なって、溶融プールが乱れて溶込みが安定せず、初層溶
接では安定した裏波ビードが得られ難くなり、一方、Wd
が0.9Wuより大きいと、前述したオシレート下端領域
での融合不良防止効果が十分でなくなるためである。
【0019】また、溶接電流切替え制御を行う場合、非
消耗電極がオシレート上端領域にあるときの溶接電流値
Iuに対してオシレート下端領域にあるときの溶接電流値
Idは、Id=1.1Iu〜2.0Iuの範囲で設定することが
望ましい。その理由は、Idが1.1Iuより小さいと、オ
シレート下端領域での融合不良防止効果が十分に得られ
なくなり、一方、Idが2.0Iuより大きいと、溶接電流
が過大で下開先壁側でビードにアンダーカットが発生し
易くなるためである。
【0020】またさらに、本願発明による横向きアーク
溶接方法では、溶加材送給速度切替え制御を行う場合、
非消耗電極がオシレート幅の中央部にあるときの溶加材
送給速度値をWmとしたとき、図5の(a)の中段に二点
鎖線で示すように、WmをWu>Wm>Wd(ただし、Wd=0.
3Wu〜0.9Wu)の関係にて設定してもよいが、制御が
簡単化されるため、Wm=Wu,かつWu>Wd、又は、Wm=W
d,かつWu>Wdの関係にて設定してもよい。同様に、溶
接電流切替え制御を行う場合、非消耗電極がオシレート
幅の中央部にあるときの溶接電流値をImとしたとき、図
5の(a)の下段に二点鎖線で示すように、ImをIu<Im
<Id(ただし、Id=1.1Iu〜2.0Iu)の関係にて設
定してもよいが、制御が簡単化されるため、Im=Iu,か
つIu<Id、又は、Im=Id,かつIu<Idの関係にて設定し
てもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本願発明の横向きアーク溶
接方法を実施する横向き溶接装置の本体の斜視図、図2
は請求項1の発明に係る横向きアーク溶接方法を実施す
る溶接装置の要部ブロック図、図3は請求項1の発明に
係る横向きアーク溶接方法を実施する溶接装置の要部ブ
ロック図、図4は請求項2の発明に係る横向きアーク溶
接方法を実施する溶接装置の要部ブロック図である。
【0022】まず、請求項1の発明に係る横向きアーク
溶接方法を実施する溶接装置について説明する。図1に
おいて、1はルートギャップ付きの開先を有する母材、
2は裏波ビードを形成する初層の溶接で用いる裏当て銅
板である。上側の母材1上に走行レール3が水平方向に
延びる溶接線に沿って取り付けられており、走行機構4
によって駆動される走行台車5が走行レール3上を移動
するようになっている。6はタングステンからなる非消
耗電極7を保持する溶接トーチ8を母材1の開先部に向
かって進退させる電極進退機構、9はこの電極進退機構
6全体を開先幅方向に動かして非消耗電極7を開先幅方
向にオシレートさせる電極揺動機構である。また、10
は溶加材送給モータ11を有し、溶接トーチ8と一体的
に動かされる溶加材送給チップ10aを介して溶加材1
2を溶接部に(アーク中に)送給するための溶加材送給
機構である。これらの電極進退機構6、電極揺動機構
9、溶加材送給機構10及びコイル状に巻かれた溶加材
は、ともに走行台車5に搭載され、溶接線に沿って移動
する。なおこの実施例では図7に示すように、非消耗電
極7を、水平方向に延びる溶接線と直角をなす方向から
わずかに傾けた方向にて開先壁1a,1bに対してオシ
レートさせるようにしている。
【0023】引き続き、図2及び図3を参照しながらこ
の溶接装置について説明する。前記電極進退機構6は、
スクリューシャフト及びスクリューナットからなる進退
用軸駆動部13と、前記スクリューシャフトを回転させ
て非消耗電極7を進退させるための進退用軸駆動モータ
14と、このモータ14の回転量に応じてパルス信号を
出力する進退用軸パルスエンコーダ15とにより構成さ
れている。また、オシレート用の前記電極揺動機構9
は、スクリューシャフト及びスクリューナットからなる
揺動用軸駆動部16と、前記スクリューシャフトを回転
させて非消耗電極7を開先幅方向にオシレートさせるた
めの揺動用軸駆動モータ17と、このモータ17の回転
量に応じてパルス信号を出力する揺動用軸パルスエンコ
ーダ18とにより構成されている。
【0024】19は前記溶接トーチ8の非消耗電極7と
母材1との間に溶接電力を供給する溶接電源であり、非
消耗電極7と母材1間の溶接電圧は溶接電圧比較部20
によって検出されるようになっている。この溶接電圧比
較部20は、溶接電圧検出値と溶接電圧設定部21から
の溶接電圧設定値との差を進退用軸制御部22に与える
ようになっており、進退用軸制御部22は、前記差電圧
がゼロとなるように進退用軸駆動モータ14を制御し、
溶接電圧を溶接電圧設定部21によって設定された一定
値に保持するように非消耗電極7を母材1に対して進退
させて、母材1開先部と非消耗電極7先端との間隔を一
定に保つ定アーク長制御を行う。なおこの例ではアーク
倣い式開先倣い制御は行っていないので、進退用軸パル
スエンコーダ15から制御部22に入力されるパルス信
号は、非消耗電極7の電極進退方向(電極軸線方向)の
位置情報を得るためには使用されず、モータ14自体の
速度制御用にのみ使用されている。
【0025】23は揺動用軸駆動モータ17を駆動制御
して非消耗電極7を開先幅方向にオシレートさせる揺動
用軸制御部であり、オシレートの幅と速度は揺動パラメ
ータ設定部24で設定され、オシレート上下端停止時間
は揺動用軸停止時間設定部25で設定される。オシレー
ト時の非消耗電極7の開先幅方向の位置は揺動用軸パル
スエンコーダ18からのパルス信号を揺動用軸パルス計
数部26が計数することにより把握されている。また揺
動上下端領域設定部28では、この例では図5(a)の
上段の電極オシレート軌跡に示すように、オシレート上
端領域を定めるための位置情報としてオシレート上端位
置からの距離Duとオシレート下端領域を定めるための位
置情報としてオシレート下端位置からの距離Ddとが設定
されている。
【0026】そして、指令部27は、計数部26からの
計数値、揺動パラメータ設定部24からのオシレート幅
情報、及び揺動上下端領域設定部28からの前記距離D
u,Ddとから、溶加材送給速度又は/及び溶接電流の切
替え制御を行うための切替え指令を溶加材送給速度切替
部29と溶接電流切替部33に与える。
【0027】すなわち、溶加材送給速度切替え制御のみ
を行う場合、この例では図5(b)に示すように、溶加
材送給速度については、非消耗電極7がオシレート下端
領域にあるときには、下端領域溶加材送給速度設定部3
0と溶加材送給速度制御部32とが接続されて溶加材1
2の送給速度の値がWdに設定され、下端領域以外の位置
にあるときには、溶加材送給速度設定部31と送給速度
制御部32とが接続されて溶加材送給速度の値がWu(Wu
>Wd)に設定される。一方、溶接電流については、非消
耗電極7のオシレート位置にかかわらず、溶接電流設定
部35と溶接電源19とが接続されて、一定の溶接電流
値Iuが設定されるようになっている。また、溶接電流切
替え制御のみを行う場合、この例では図5(c)に示す
ように、非消耗電極7がオシレート下端領域にあるとき
には、下端領域溶接電流設定部34と溶接電源19とが
接続されて溶接電流値がIdに設定され、下端領域以外の
位置にあるときには、溶接電流値がIu(Iu<Id)に設定
される。一方、溶加材送給速度については、非消耗電極
7のオシレート位置にかかわらず、一定の溶加材送給速
度値Wuが設定されるようになっている。
【0028】そして、両方の切替え制御をともに行う場
合には、この例では図5(a)に示すように、非消耗電
極7がオシレート上端領域にあるときには、溶加材送給
速度値Wuと溶接電流値Iuとが設定され、オシレート下端
領域にあるときには、溶加材送給速度値Wd(Wd<Wu)と
溶接電流値Id(Id>Iu)とが設定されるようになってい
る。
【0029】次に、請求項2の発明に係る横向きアーク
溶接方法を実施する溶接装置について説明する。なお、
アーク倣い式開先倣い制御を行う点以外は前記溶接装置
と同一なので、共通する部分には同一の符号を付して説
明を省略し、異なる点について説明する。
【0030】定アーク長制御されながら開先幅方向にオ
シレートされる非消耗電極7は、開先底部から開先壁に
接近すると傾斜する開先壁面に沿うように上昇する。こ
の非消耗電極7の開先底部位置からの電極軸方向の変位
量は、進退用軸パルスエンコーダ15からのパルス信号
を進退用軸パルス計数部36が計数することに基づいて
把握されている。37は開先壁検出判断部であって、進
退用軸パルス計数部36からの前記変位量に対応する計
数値と反転高さ設定部38からの溶接ビード盛り高さに
対応する反転設定値とを比較し、計数値が反転設定値と
一致すると、非消耗電極7が開先壁近傍に到達したとし
て到達信号を指令部39に出力するようになっている。
40は揺動上下端領域設定部である。揺動上下端領域設
定部40は、この例では図6(a)の上段の電極オシレ
ート軌跡に示すように、上進オシレート行程では、非消
耗電極7をオシレート下端からオシレート幅中央方向へ
所定距離だけ移動させた位置であってオシレート下端領
域としてのオシレート下端近傍位置を設定するための前
記所定距離Ldと、下進オシレート行程では、非消耗電極
をオシレート上端から所定距離だけ移動させた位置であ
ってオシレート上端領域としてのオシレート上端近傍位
置を設定するための前記所定距離Luとが設定される。
【0031】そして、前記到達信号を受けて指令部39
は、揺動用軸制御部41に、反転指令ととともに、移動
量として上進オシレート行程では前記距離Ldを指令し下
進オシレート行程では前記距離Luを指令する。これによ
り揺動用軸制御部41は、反転指令によって非消耗電極
7のオシレート方向を反転させ、上進オシレート行程で
は非消耗電極7をオシレート下端からオシレート幅中央
方向に距離Ldだけ移動させてこのオシレート下端近傍位
置で停止時間設定部25による設定停止時間停止させ、
しかる後に上開先壁に向かって移動させ、同様にして、
下進オシレート行程では非消耗電極7をオシレート上端
から距離Luだけ移動させてこのオシレート上端近傍位置
で設定時間停止させ、しかる後に下開先壁に向かって移
動させるようにしている。
【0032】そして指令部39は、この例では、揺動用
軸パルス計数部26からの計数値と前記距離Ldとから、
非消耗電極7の前記オシレート下端近傍位置への移動が
完了したことを確認すると、溶加材送給速度又は/及び
溶接電流の切替え制御を行うための切替え指令を前記の
溶加材送給速度切替部29と溶接電流切替部33に与え
る。すなわち、溶加材送給速度切替え制御のみを行う場
合には、この例では図6(b)に示すような切替え制御
がなされ、また、溶接電流切替え制御のみを行う場合に
は、この例では図6(c)に示すような切替え制御がな
される。さらに、両方の切替え制御をともに行う場合に
は、図6(a)に示すような切替え制御がなされるよう
になっている。
【0033】
【実施例】前記溶接装置を使用して、実施例及び比較例
による横向き溶接を行った。表1に試験板及び溶加材
(フィラワイヤ)について示し、図8に試験板の開先形
状を示す。実施例1〜11及び比較例1〜3は、図8に
示す2種類の開先形状の各々について、表2に示す溶接
条件で横向き溶接を行った。なお表2の「相当パス」の
欄において、この例ではブランクは第2層目の溶接を表
す。非消耗電極は電極径3.2mmφのタングステン電
極を用い、シールドガスはアルゴンを使用した。
【0034】表3は溶接結果の評価を示すもので、この
表3の「下開先壁側融合状態」の欄において、◎は溶込
みが極めて良好であったこと、○は溶込みが良好であっ
たこと、△は融合不良(溶込み不足)が溶接全長の一部
にあったこと、×は融合不良が溶接全長にわたってあっ
たことを示すものである。また、初層溶接における「裏
波ビードの安定」の欄において、◎は溶込みが極めて安
定しビード形状が極めてよい裏波ビードが得られたこ
と、○は溶込みが安定しビード形状がよい裏波ビードが
得られたこと、×は溶込みが悪く安定しておらずビード
形状が悪い裏波ビードであったことを示すものである。
またさらに、「ビードのなじみ状態」の欄において、◎
は極めて良好であったこと、○は良好であったこと、△
はやや不良であったこと、×はコールドラップ気味で悪
かったことを示すものである。そして「総合評価」の欄
において、優の◎と良の○とは合格であり、劣の×は不
合格である。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】表2及び表3から明らかなように、比較例
1〜3の場合には、本発明に係る溶加材送給速度切替え
制御あるいは溶接電流切替え制御がなされておらず、オ
シレート下端領域に対応する下開先壁側での融合不良が
多発し、またビードのなじみ状態も悪かった。さらに、
初層溶接を行った比較例2,3での裏波ビードは、溶込
みが悪く安定しておらずビード形状が悪かった。なおこ
の比較例1〜3の条件では、オシレート上端領域に対応
する上開先壁側でのアンダーカットは発生しなかった。
【0039】これに対して本発明の実施例1〜11の場
合には、下開先壁側での融合状態(溶込み状態)が良
く、かつ溶融し易い上開先壁の側でのアンダーカットの
ない良好な溶接結果が得られている。また初層溶接の場
合には、溶込みが安定したビード形状がよい裏波ビード
が得られている。なお、実施例9,10では、比率Wd/
Wuは望ました範囲から外れてはいるものの合格レベルで
あると見なせる溶接結果であった。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による非消
耗性電極式横向きアーク溶接方法によると、非消耗電極
がオシレート上端領域にあるときの溶加材送給速度値に
対してオシレート下端領域にあるときの溶加材送給速度
値を減少させる溶加材送給速度切替え制御と、非消耗電
極がオシレート上端領域にあるときの溶接電流値に対し
てオシレート下端領域にあるときの溶接電流値を増大さ
せる溶接電流切替え制御との少なくとも一方を行うよう
にしたものであるから、下開先壁側に対応するオシレー
ト下端領域での融合不良の発生をなくし、かつ、溶融し
易い上開先壁の側に対応するオシレート上端領域でのア
ンダーカットの発生をなくすことができ、これにより、
ブローホールなどの欠陥を生じさせるアンダーカット部
分の手直し作業が不要となって従来に比べて溶接作業能
率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の横向きアーク溶接方法を実施する横
向き溶接装置の本体の斜視図である。
【図2】請求項1の発明に係る横向きアーク溶接方法を
実施する溶接装置の要部ブロック図である。
【図3】請求項1の発明に係る横向きアーク溶接方法を
実施する溶接装置の要部ブロック図である。
【図4】請求項2の発明に係る横向きアーク溶接方法を
実施する溶接装置の要部ブロック図である。
【図5】請求項1の発明に係る横向きアーク溶接方法を
説明するための、電極オシレート軌跡、溶加材送給速度
及び溶接電流の各パターンを示す図である。
【図6】請求項2の発明に係る横向きアーク溶接方法を
説明するための、電極オシレート軌跡、溶加材送給速度
及び溶接電流の各パターンを示す図である。
【図7】本発明の実施例における非消耗電極のオシレー
ト方向の説明図である。
【図8】本発明の実施例における試験板の開先形状を示
す図である。
【図9】融合不良が発生した様子を示す断面図である。
【図10】アンダーカットが発生した様子を示す断面図
である。
【符号の説明】
1…母材 1a…上開先壁 1b…下開先壁 3…走行
レール 5…走行台車 6…電極進退機構 7…非消耗電極 8…溶接トーチ
9…電極揺動機構 10…溶加材送給機構 13…進退用軸駆動部 14…
進退用軸駆動モータ 16…揺動用軸駆動部 17…揺動用軸駆動モータ 1
9…溶接電源 20…溶接電圧比較部 21…溶接電圧
設定部 22…進退用軸制御部 23,41…揺動用軸
制御部 24…揺動パラメータ設定部 25…揺動用軸
停止時間設定部 26…揺動用軸パルス計数部 27,39…指令部 2
8…揺動上下端領域設定部 29…溶加材送給速度切替
部 30…下端領域溶加材送給速度設定部 32…溶加
材送給速度制御部 33…溶接電流切替部 34…下端
領域溶接電流設定部 35…溶接電流設定部 36…進
退用軸パルス計数部 37…開先壁検出判断部 38…
反転高さ設定部 40…揺動上下端領域設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 9/167 B23K 9/167 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材と非消耗電極との間隔を一定に保持
    する定アーク長制御を行う一方、溶接線と上下に交差す
    る開先幅方向に非消耗電極をオシレートさせるとともに
    溶加材を溶接部に送給しながら横向き姿勢にて溶接を行
    う非消耗電極式横向きアーク溶接方法において、 非消耗電極がオシレート上端領域にあるときの溶加材送
    給速度値Wuに対してオシレート下端領域にあるときの溶
    加材送給速度値Wdを減少させる溶加材送給速度切替え制
    御と、非消耗電極がオシレート上端領域にあるときの溶
    接電流値Iuに対してオシレート下端領域にあるときの溶
    接電流値Idを増大させる溶接電流切替え制御との少なく
    とも一方を行うことを特徴とする非消耗電極式横向きア
    ーク溶接方法。
  2. 【請求項2】 母材と非消耗電極との間隔を一定に保持
    する定アーク長制御を行う一方、溶接線と上下に交差す
    る開先幅方向に非消耗電極をオシレートさせるとともに
    溶加材を溶接部に送給しながら横向き姿勢にて溶接を行
    う非消耗電極式横向きアーク溶接方法において、 前記定アーク長制御による非消耗電極の電極軸線方向の
    変位量もしくは位置が予め定められた反転設定値に達す
    るたびに非消耗電極のオシレート方向を反転させるアー
    ク倣い式開先倣い制御を行うとともに、非消耗性電極が
    オシレート上端領域にあるときの溶加材送給速度値Wuに
    対してオシレート下端領域にあるときの溶加材送給速度
    値Wdを減少させる溶加材送給速度切替え制御と、非消耗
    電極がオシレート上端領域にあるときの溶接電流値Iuに
    対してオシレート下端領域にあるときの溶接電流値Idを
    増大させる溶接電流切替え制御との少なくとも一方を行
    うことを特徴とする非消耗電極式横向きアーク溶接方
    法。
  3. 【請求項3】 前記溶加材送給速度切替え制御を行う場
    合、Wd=0.3Wu〜0.9Wuの関係に設定し、前記溶接
    電流切替え制御を行う場合、Id=1.1Iu〜2.0Iuの
    関係に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載
    の非消耗電極式横向きアーク溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記溶加材送給速度切替え制御を行う場
    合、非消耗電極がオシレート幅の中央部にあるときの溶
    加材送給速度値をWmとしたとき、Wm=Wu,かつWu>Wd、
    又は、Wm=Wd,かつWu>Wdの関係に設定し、前記溶接電
    流切替え制御を行う場合、非消耗電極がオシレート幅の
    中央部にあるときの溶接電流値をImとしたとき、Im=I
    u,かつIu<Id、又は、Im=Id,かつIu<Idの関係に設
    定することを特徴とする請求項3記載の非消耗電極式横
    向きアーク溶接方法。
JP10757197A 1997-04-24 1997-04-24 非消耗電極式横向きアーク溶接方法 Pending JPH10296438A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013068826A1 (en) * 2011-11-11 2013-05-16 Lincoln Global, Inc. System and method for welding materials of different conductivity with oscillation of a end of a robotic arm carrying a welding torch
CN104801876A (zh) * 2015-04-28 2015-07-29 上海气焊机厂有限公司 横向焊接方法
JP2020062681A (ja) * 2018-10-19 2020-04-23 フタバ産業株式会社 溶接方法

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