JPH10298641A - 球状化焼きなまし処理性に優れた鋼材の製造方法 - Google Patents
球状化焼きなまし処理性に優れた鋼材の製造方法Info
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- JPH10298641A JPH10298641A JP10721897A JP10721897A JPH10298641A JP H10298641 A JPH10298641 A JP H10298641A JP 10721897 A JP10721897 A JP 10721897A JP 10721897 A JP10721897 A JP 10721897A JP H10298641 A JPH10298641 A JP H10298641A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 次工程で球状化焼きなまし処理を施す、C:
0.01〜0.8 mass%を含有する鋼材、又はC:0.8 〜2.0
mass%を含有する鋼材を熱間圧延を経て製造する方法に
おいて、球状化焼きなまし処理時間の短縮を図る。 【解決手段】 熱間圧延に引き続く冷却の際、800 〜50
0 ℃の温度範囲で磁場を印加するとともに、その温度範
囲における冷却速度を10℃/s以下とする。
0.01〜0.8 mass%を含有する鋼材、又はC:0.8 〜2.0
mass%を含有する鋼材を熱間圧延を経て製造する方法に
おいて、球状化焼きなまし処理時間の短縮を図る。 【解決手段】 熱間圧延に引き続く冷却の際、800 〜50
0 ℃の温度範囲で磁場を印加するとともに、その温度範
囲における冷却速度を10℃/s以下とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋼材の製造方法
に関し、塑性加工、切削加工を容易にするための球状化
焼きなまし処理を施すような鋼材において、この球状化
焼きなまし処理時間の短縮を図ることのできる技術に係
わる。
に関し、塑性加工、切削加工を容易にするための球状化
焼きなまし処理を施すような鋼材において、この球状化
焼きなまし処理時間の短縮を図ることのできる技術に係
わる。
【0002】
【従来の技術】自動車及び産業機械等に用いられる機械
部品には、従来から炭素鋼又は合金鋼が素材として汎用
されている。これらの機械部品は、通常、熱間圧延によ
り製造される棒鋼線材を球状化焼きなましした後に、切
断し、所定の形状に冷間鍛造し、最後に切削等の仕上加
工を行うことによって製造されている。かかる機械部品
の製造工程のうち、冷間鍛造は、製品の加工精度、量産
性及びコストの点で優れているので多用されているが、
加工精度や型寿命などの観点から冷間鍛造性を向上させ
ることが望まれるところであり、そのために、予め鋼中
炭化物を球状化し、鋼材の変形抵抗を低下させる目的で
球状化焼きなましが施される。
部品には、従来から炭素鋼又は合金鋼が素材として汎用
されている。これらの機械部品は、通常、熱間圧延によ
り製造される棒鋼線材を球状化焼きなましした後に、切
断し、所定の形状に冷間鍛造し、最後に切削等の仕上加
工を行うことによって製造されている。かかる機械部品
の製造工程のうち、冷間鍛造は、製品の加工精度、量産
性及びコストの点で優れているので多用されているが、
加工精度や型寿命などの観点から冷間鍛造性を向上させ
ることが望まれるところであり、そのために、予め鋼中
炭化物を球状化し、鋼材の変形抵抗を低下させる目的で
球状化焼きなましが施される。
【0003】かかる球状化焼きなましというのは、図1
にヒートパターンの一例を示すようにAc1 変態点直上で
の長時間加熱保持とその後の徐冷による方法が一般的で
あり、この加熱保持の間に鋼中のセメンタイトをオース
テナイト中に固溶させ、残存したセメンタイトを核とし
て球状に再析出、成長させているものである。しかし、
この熱処理は、高温でかつ長時間加熱のために熱処理費
用が嵩むという問題を有していた。
にヒートパターンの一例を示すようにAc1 変態点直上で
の長時間加熱保持とその後の徐冷による方法が一般的で
あり、この加熱保持の間に鋼中のセメンタイトをオース
テナイト中に固溶させ、残存したセメンタイトを核とし
て球状に再析出、成長させているものである。しかし、
この熱処理は、高温でかつ長時間加熱のために熱処理費
用が嵩むという問題を有していた。
【0004】これらの解決策として、例えば特公平6−
2898号公報には、高炭素クロム軸受鋼の短時間球状
化熱処理方法を開示し、具体的には図2に示すヒートパ
ターンで鋼材を780 〜820 ℃に加熱保持後Ar1 変態点以
下まで50〜200 ℃/hで冷却する第1次球状化処理と、Ac
1 変態点〜Ac1 変態点+30℃に加熱後Ar1 変態点以下ま
で50〜200 ℃/hで冷却する3回以上の第2次球状化処理
の組み合わせからなる熱処理を行うすることの提案があ
る。また、特開平4−362123号公報には、軸受用
素材の製造方法として図3に示すように、A3点以上に加
熱保持後急冷し、次いでA3+(5〜30) ℃に再加熱保持し
てからA1−(5〜30) ℃に保持し、次いでA1+(5〜30) ℃
での保持とA1−(5〜30) ℃での保持を1回以上行うヒー
トパターンの熱処理法の採用を提案している。
2898号公報には、高炭素クロム軸受鋼の短時間球状
化熱処理方法を開示し、具体的には図2に示すヒートパ
ターンで鋼材を780 〜820 ℃に加熱保持後Ar1 変態点以
下まで50〜200 ℃/hで冷却する第1次球状化処理と、Ac
1 変態点〜Ac1 変態点+30℃に加熱後Ar1 変態点以下ま
で50〜200 ℃/hで冷却する3回以上の第2次球状化処理
の組み合わせからなる熱処理を行うすることの提案があ
る。また、特開平4−362123号公報には、軸受用
素材の製造方法として図3に示すように、A3点以上に加
熱保持後急冷し、次いでA3+(5〜30) ℃に再加熱保持し
てからA1−(5〜30) ℃に保持し、次いでA1+(5〜30) ℃
での保持とA1−(5〜30) ℃での保持を1回以上行うヒー
トパターンの熱処理法の採用を提案している。
【0005】しかしながら、前掲特公平6−2898号
公報に開示のの方法は、従来20時間かかっていたものを
10時間にしたという熱処理時間の短縮効果はあっても依
然として10時間という長時間を要し、かつ数回の繰り返
し熱サイクルを加えるものであることから、エネルギー
コスト及び温度制御の点では問題が残されていたままで
ある。また、上掲特開平4−362123号公報に記載
の方法は、エネルギーコストの点では改善されているも
のの、球状化焼きなましで本来注目すべき炭化物の球状
化の程度という点では不十分であった。
公報に開示のの方法は、従来20時間かかっていたものを
10時間にしたという熱処理時間の短縮効果はあっても依
然として10時間という長時間を要し、かつ数回の繰り返
し熱サイクルを加えるものであることから、エネルギー
コスト及び温度制御の点では問題が残されていたままで
ある。また、上掲特開平4−362123号公報に記載
の方法は、エネルギーコストの点では改善されているも
のの、球状化焼きなましで本来注目すべき炭化物の球状
化の程度という点では不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、かかる実
情に鑑み、エネルギーコストを低減し、安価な熱処理費
用で十分に球状化を図ることができる、球状化焼きなま
し処理性に優れた鋼材の製造方法を提案することを目的
とする。
情に鑑み、エネルギーコストを低減し、安価な熱処理費
用で十分に球状化を図ることができる、球状化焼きなま
し処理性に優れた鋼材の製造方法を提案することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的を
達成するために炭素を0.01〜0.8 mass%含有する亜共析
鋼、炭素を0.8 〜2.0 mass%含有する過共析鋼のそれぞ
れについて球状化焼きなまし処理の短時間化に関して鋭
意調査研究を重ねた結果、いずれの場合も最高到達温度
保持時間及び炭化物の球状化の程度は、球状化焼きなま
し前の組織が大きく影響していることを見いだし、さら
に研究を重ねたところ以下の知見が得られた。
達成するために炭素を0.01〜0.8 mass%含有する亜共析
鋼、炭素を0.8 〜2.0 mass%含有する過共析鋼のそれぞ
れについて球状化焼きなまし処理の短時間化に関して鋭
意調査研究を重ねた結果、いずれの場合も最高到達温度
保持時間及び炭化物の球状化の程度は、球状化焼きなま
し前の組織が大きく影響していることを見いだし、さら
に研究を重ねたところ以下の知見が得られた。
【0008】炭素を0.01〜0.8 mass%含有する亜共析鋼
の場合は、球状化焼きなましにおける加熱時間を短縮す
るためには、できるだけ微細なフェライト+パーライト
組織にすることが好ましく、過剰に微細化すると、セメ
ンタイトが全て固溶して球状化の核とならないため、適
度な微細化が必要である。かかる適度な微細化は、圧延
に引き続く冷却時に磁場を印加することで容易に達成で
きる。
の場合は、球状化焼きなましにおける加熱時間を短縮す
るためには、できるだけ微細なフェライト+パーライト
組織にすることが好ましく、過剰に微細化すると、セメ
ンタイトが全て固溶して球状化の核とならないため、適
度な微細化が必要である。かかる適度な微細化は、圧延
に引き続く冷却時に磁場を印加することで容易に達成で
きる。
【0009】また、炭素を0.8 〜2.0 mass%含有する過
共析鋼の場合は、球状化焼きなまし前の組織において、
初析セメンタイト量が少ないほど、次工程での球状化焼
きなましを経た鋼材の球状化の程度が向上し、かつ焼き
なましに要する時間も短縮される。この初析セメンタイ
トは、熱間圧延後の冷却中に生成するが、冷却中の磁場
の印加により、その生成が抑制される。
共析鋼の場合は、球状化焼きなまし前の組織において、
初析セメンタイト量が少ないほど、次工程での球状化焼
きなましを経た鋼材の球状化の程度が向上し、かつ焼き
なましに要する時間も短縮される。この初析セメンタイ
トは、熱間圧延後の冷却中に生成するが、冷却中の磁場
の印加により、その生成が抑制される。
【0010】上記の知見に立脚するこの発明の要旨構成
は、次のとおりである。次工程で球状化焼きなまし処理
を施す、C:0.01〜0.8 mass%を含有する鋼材を熱間圧
延を経て製造する方法において、熱間圧延に引き続く冷
却の際、800 〜500 ℃の温度範囲で磁場を印加するとと
もに、その温度範囲における冷却速度を10℃/s以下とす
ることを特徴とする球状化焼きなまし処理性に優れた鋼
材の製造方法(第1発明)。次工程で球状化焼きなまし
処理を施す、C:0.8 〜2.0 mass%を含有する鋼材を熱
間圧延を経て製造する方法において、熱間圧延に引き続
く冷却の際、800 〜500 ℃の温度範囲で磁場を印加する
とともに、その温度範囲における冷却速度を10℃/s以下
とすることを特徴とする球状化焼きなまし処理性に優れ
た鋼材の製造方法(第2発明)。第1発明又は第2発明
において、磁場印加中の冷却速度を50℃/h以下とするこ
とを特徴とする球状化焼きなまし処理性に優れた鋼材の
製造方法(第3発明)。第1発明又は第2発明におい
て、磁場の強さを2〜30Tとし、磁場勾配を絶対値で0.
1 〜10T/cm とすることを特徴とする球状化焼きなまし
処理性に優れた鋼材の製造方法(第4発明)。この発明
を鋼材を製造する際に採用することで、鋼材を焼きなま
し処理時に高温に保持する時間を従来に比べて大幅に短
縮できるようになり、球状化に要するコストエネルギー
を低減できるようになる。
は、次のとおりである。次工程で球状化焼きなまし処理
を施す、C:0.01〜0.8 mass%を含有する鋼材を熱間圧
延を経て製造する方法において、熱間圧延に引き続く冷
却の際、800 〜500 ℃の温度範囲で磁場を印加するとと
もに、その温度範囲における冷却速度を10℃/s以下とす
ることを特徴とする球状化焼きなまし処理性に優れた鋼
材の製造方法(第1発明)。次工程で球状化焼きなまし
処理を施す、C:0.8 〜2.0 mass%を含有する鋼材を熱
間圧延を経て製造する方法において、熱間圧延に引き続
く冷却の際、800 〜500 ℃の温度範囲で磁場を印加する
とともに、その温度範囲における冷却速度を10℃/s以下
とすることを特徴とする球状化焼きなまし処理性に優れ
た鋼材の製造方法(第2発明)。第1発明又は第2発明
において、磁場印加中の冷却速度を50℃/h以下とするこ
とを特徴とする球状化焼きなまし処理性に優れた鋼材の
製造方法(第3発明)。第1発明又は第2発明におい
て、磁場の強さを2〜30Tとし、磁場勾配を絶対値で0.
1 〜10T/cm とすることを特徴とする球状化焼きなまし
処理性に優れた鋼材の製造方法(第4発明)。この発明
を鋼材を製造する際に採用することで、鋼材を焼きなま
し処理時に高温に保持する時間を従来に比べて大幅に短
縮できるようになり、球状化に要するコストエネルギー
を低減できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】第1発明において、微細なフェラ
イトパーライト組織を得るため、熱間圧延に引き続く冷
却の際、800 〜500 ℃の温度範囲で磁場を印加するとと
もに、その温度範囲における冷却速度を10℃/s以下とす
る理由は以下のとおりである。
イトパーライト組織を得るため、熱間圧延に引き続く冷
却の際、800 〜500 ℃の温度範囲で磁場を印加するとと
もに、その温度範囲における冷却速度を10℃/s以下とす
る理由は以下のとおりである。
【0012】圧延に引き続く冷却の過程でに、オーステ
ナイトがフェライト−パーライト組織に変態する前に磁
場を印加することにより、パーライト中のセメンタイト
の析出が抑制され、セメンタイトのラメラ間隔が短くな
り、微細なフェライト−パーライト組織を呈するように
なる。フェライト−パーライト組織を得るためには冷却
速度を10℃/s以下とすることが必要であり、磁場の印加
もフェライト−パーライト変態が起きる800 〜500 ℃の
冷却過程で印加する必要がある。500 ℃以下での冷却速
度は、急冷、徐冷いずれの条件でも可能である。より好
ましい冷却速度は50℃/h以下である。
ナイトがフェライト−パーライト組織に変態する前に磁
場を印加することにより、パーライト中のセメンタイト
の析出が抑制され、セメンタイトのラメラ間隔が短くな
り、微細なフェライト−パーライト組織を呈するように
なる。フェライト−パーライト組織を得るためには冷却
速度を10℃/s以下とすることが必要であり、磁場の印加
もフェライト−パーライト変態が起きる800 〜500 ℃の
冷却過程で印加する必要がある。500 ℃以下での冷却速
度は、急冷、徐冷いずれの条件でも可能である。より好
ましい冷却速度は50℃/h以下である。
【0013】印加する磁場の強さは、2〜30Tが良好
で、2〜15Tが好ましい。2T未満であるとパーライト
の微細化効果は得られず、30Tを超えると微細になりす
ぎて高温保持段階で容易にセメンタイトが固溶し、球状
化の核となる残存セメンタイト量が不足し良好な球状炭
化物が得られない。次に、磁場勾配の大きさを、絶対値
で0.1 T/cm 以上10T/cm 以下とした理由は以下のとお
りである。まず、磁場勾配の効果はその絶対値で決まる
ので、プラス、マイナスいずれでも構わない。0.1 T/c
m 未満では磁場印加の効果が認められず、一方10T/cm
を超えてもその効果が飽和に達するので磁場勾配の大き
さは0.1 〜10T/cm に限定した。
で、2〜15Tが好ましい。2T未満であるとパーライト
の微細化効果は得られず、30Tを超えると微細になりす
ぎて高温保持段階で容易にセメンタイトが固溶し、球状
化の核となる残存セメンタイト量が不足し良好な球状炭
化物が得られない。次に、磁場勾配の大きさを、絶対値
で0.1 T/cm 以上10T/cm 以下とした理由は以下のとお
りである。まず、磁場勾配の効果はその絶対値で決まる
ので、プラス、マイナスいずれでも構わない。0.1 T/c
m 未満では磁場印加の効果が認められず、一方10T/cm
を超えてもその効果が飽和に達するので磁場勾配の大き
さは0.1 〜10T/cm に限定した。
【0014】次に、第2発明において、熱間圧延に引き
続く冷却の際、800 〜500 ℃の温度範囲で磁場を印加す
るとともに、その温度範囲における冷却速度を10℃/s以
下とする理由は、次のとおりである。
続く冷却の際、800 〜500 ℃の温度範囲で磁場を印加す
るとともに、その温度範囲における冷却速度を10℃/s以
下とする理由は、次のとおりである。
【0015】熱間圧延後の冷却にあたり、800 〜500 ℃
の冷却中に磁場を印加するのは、主に800 〜500 ℃の冷
却中にオーステナイトからのセメンタイトの生成が起こ
るため、この温度域で磁場を印加することにより、初析
セメンタイトの生成を抑制することができるためであ
る。また、磁場印加によりパーライト組織のラメラも分
断された形態に変化し、後の球状化処理で、より球状化
が起こりやすくなるためである。この温度範囲における
冷却速度は、10℃/s以下とする必要があり、10℃/sを超
える冷却速度の場合には、磁場印加による初析セメンタ
イト生成抑制が難しくなる。ことから好ましい冷却速度
は50℃/h以下である。
の冷却中に磁場を印加するのは、主に800 〜500 ℃の冷
却中にオーステナイトからのセメンタイトの生成が起こ
るため、この温度域で磁場を印加することにより、初析
セメンタイトの生成を抑制することができるためであ
る。また、磁場印加によりパーライト組織のラメラも分
断された形態に変化し、後の球状化処理で、より球状化
が起こりやすくなるためである。この温度範囲における
冷却速度は、10℃/s以下とする必要があり、10℃/sを超
える冷却速度の場合には、磁場印加による初析セメンタ
イト生成抑制が難しくなる。ことから好ましい冷却速度
は50℃/h以下である。
【0016】印加する磁場の強さは、2〜30Tが好まし
い。2T未満では磁場による初析セメンタイト生成の抑
制効果が明確でなくなり、一方、30Tを超える磁場を印
加するのは、装置が大がかりとなり、コストが上昇する
ため2〜30Tが好ましい。次に、磁場勾配の大きさを、
絶対値で0.1 T/cm 以上10T/cm 以下とした理由は以下
のとおりである。まず、磁場勾配の効果はその絶対値で
決まるので、プラス、マイナスいずれでも構わない。0.
1 T/cm 未満では磁場印加の効果が認められず、一方10
T/cm を超えてもその効果が飽和に達するので磁場勾配
の大きさは0.1 〜10T/cm に限定した。
い。2T未満では磁場による初析セメンタイト生成の抑
制効果が明確でなくなり、一方、30Tを超える磁場を印
加するのは、装置が大がかりとなり、コストが上昇する
ため2〜30Tが好ましい。次に、磁場勾配の大きさを、
絶対値で0.1 T/cm 以上10T/cm 以下とした理由は以下
のとおりである。まず、磁場勾配の効果はその絶対値で
決まるので、プラス、マイナスいずれでも構わない。0.
1 T/cm 未満では磁場印加の効果が認められず、一方10
T/cm を超えてもその効果が飽和に達するので磁場勾配
の大きさは0.1 〜10T/cm に限定した。
【0017】この発明で対象とする鋼材は、炭素量が上
記した0.01〜0.8 mass%の鋼材、0.8 〜2.0 の鋼材のも
のであればいずれでもよい。したがって、この発明は、
低炭素鋼から中炭素鋼、高炭素鋼、さらには低合金鋼
(例えば高炭素クロム軸受鋼、工具鋼)、高合金鋼(ス
テンレス鋼)まで、広い範囲にわたって適用することが
できる。
記した0.01〜0.8 mass%の鋼材、0.8 〜2.0 の鋼材のも
のであればいずれでもよい。したがって、この発明は、
低炭素鋼から中炭素鋼、高炭素鋼、さらには低合金鋼
(例えば高炭素クロム軸受鋼、工具鋼)、高合金鋼(ス
テンレス鋼)まで、広い範囲にわたって適用することが
できる。
【0018】かかる素材は、加熱後に熱間加工、代表的
には熱間圧延に供するが、加熱条件、熱間圧延条件は各
素材に通常施される条件に従って行えばよい。熱間圧延
に引き続く冷却の際は、この発明に従う条件で行うこと
が肝要である。かくして、この発明の鋼材を球状化焼き
なましに供する際には、従来よりも短時間で済む。
には熱間圧延に供するが、加熱条件、熱間圧延条件は各
素材に通常施される条件に従って行えばよい。熱間圧延
に引き続く冷却の際は、この発明に従う条件で行うこと
が肝要である。かくして、この発明の鋼材を球状化焼き
なましに供する際には、従来よりも短時間で済む。
【0019】
(実施例1)表1に示す種々の化学組成の鋼を転炉で溶
製し、連続鋳造法で鋼片としたのち、55mmφの棒鋼に圧
延した。この棒鋼の圧延後の冷却過程で表2に示す種々
の条件で磁場を印加した。なお、磁場印加温度範囲は80
0 〜500 ℃である。そして、これらの棒鋼に図4に示す
ヒートパターンで球状化焼きなましを施した。球状化焼
きなましを施した後の鋼材について5000倍で10視野ずつ
炭化物形状を調べ炭化物の球状化程度を観察した。球状
化の程度はは、長径/短径の比が2以下の炭化物量の割
合(%)で算出した。この結果を表2に示す。
製し、連続鋳造法で鋼片としたのち、55mmφの棒鋼に圧
延した。この棒鋼の圧延後の冷却過程で表2に示す種々
の条件で磁場を印加した。なお、磁場印加温度範囲は80
0 〜500 ℃である。そして、これらの棒鋼に図4に示す
ヒートパターンで球状化焼きなましを施した。球状化焼
きなましを施した後の鋼材について5000倍で10視野ずつ
炭化物形状を調べ炭化物の球状化程度を観察した。球状
化の程度はは、長径/短径の比が2以下の炭化物量の割
合(%)で算出した。この結果を表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】No. 1〜8はこの発明の実施例であり、い
ずれも短時間の球状化処理により球状化率90%を超える
良好な球状炭化物が得られた。No. 9は従来鋼について
の結果であり、長時間球状化処理しているにも係わら
ず、炭化物の球状化は十分には行われていない。No. 1
0,No. 11,No. 13,No. 16は磁場あるいは磁場勾配が
不十分な場合であり、短時間で十分な球状化が行われな
かった。No. 14,No. 17は磁場が過剰な場合であり、十
分な球状化は行われなった。No. 12,No. 15,No. 18
は、冷却速度が早すぎる場合であり、組織がベイナイト
となったため不適であった。
ずれも短時間の球状化処理により球状化率90%を超える
良好な球状炭化物が得られた。No. 9は従来鋼について
の結果であり、長時間球状化処理しているにも係わら
ず、炭化物の球状化は十分には行われていない。No. 1
0,No. 11,No. 13,No. 16は磁場あるいは磁場勾配が
不十分な場合であり、短時間で十分な球状化が行われな
かった。No. 14,No. 17は磁場が過剰な場合であり、十
分な球状化は行われなった。No. 12,No. 15,No. 18
は、冷却速度が早すぎる場合であり、組織がベイナイト
となったため不適であった。
【0023】表2から明らかなように、この発明に係わ
る製造方法によって、従来方法と比較して非常に短時間
で炭化物の球状化程度が100 %に近い良好な球状化処理
性が得られた。したがって、この発明により製造した鋼
材について、球状化焼きなましを行うと、最高到達温度
での保持時間が短くても球状化が十分に達成できること
がわかった。つまり、エネルギーコストは従来に比べて
低減でき、安価な球状化処理が可能となった。
る製造方法によって、従来方法と比較して非常に短時間
で炭化物の球状化程度が100 %に近い良好な球状化処理
性が得られた。したがって、この発明により製造した鋼
材について、球状化焼きなましを行うと、最高到達温度
での保持時間が短くても球状化が十分に達成できること
がわかった。つまり、エネルギーコストは従来に比べて
低減でき、安価な球状化処理が可能となった。
【0024】(実施例2)表3に示す種々の成分組成に
なる鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造法で鋼片としたの
ち、55mmφの棒鋼に圧延し、引き続く冷却の際に800 〜
500 ℃の範囲を表4に示す所定の磁場を印加しつつ所定
の冷却速度で冷却した。かくした得られた試料から、ミ
クロサンプルを切り出し400 倍で10視野ずつ組織観察を
行い、初析セメンタイト分率を調べた。次いで、この試
料を図5に示すように755 ℃で、表4に示す所定時間の
加熱保持後、15℃/hの冷却速度で650 ℃まで冷却し、そ
の後は室温まで放冷の条件で球状化焼きなましを施し
た。この球状化焼きなまし後の素材からミクロサンプル
を切り出し5000倍で10視野ずつ炭化物形状を調べ、炭化
物の球状化の程度を調べた。その結果を表4に併記す
る。
なる鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造法で鋼片としたの
ち、55mmφの棒鋼に圧延し、引き続く冷却の際に800 〜
500 ℃の範囲を表4に示す所定の磁場を印加しつつ所定
の冷却速度で冷却した。かくした得られた試料から、ミ
クロサンプルを切り出し400 倍で10視野ずつ組織観察を
行い、初析セメンタイト分率を調べた。次いで、この試
料を図5に示すように755 ℃で、表4に示す所定時間の
加熱保持後、15℃/hの冷却速度で650 ℃まで冷却し、そ
の後は室温まで放冷の条件で球状化焼きなましを施し
た。この球状化焼きなまし後の素材からミクロサンプル
を切り出し5000倍で10視野ずつ炭化物形状を調べ、炭化
物の球状化の程度を調べた。その結果を表4に併記す
る。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】表4から明らかなように、この発明に従う
方法で製造した鋼材の場合は、球状化焼きなまし加熱保
持時間が1hと短時間の場合において、長径/短径の比
が2以下の炭化物量が100 %に近く、良加工性を示す球
状化組織が得られている。これに対して、比較例No.
6,7は、球状化焼きなまし加熱保持時間を4hと長く
しても、いずれも長径/短径の比が2以下の炭化物の割
合が少なく、不十分な球状化組織となっている。
方法で製造した鋼材の場合は、球状化焼きなまし加熱保
持時間が1hと短時間の場合において、長径/短径の比
が2以下の炭化物量が100 %に近く、良加工性を示す球
状化組織が得られている。これに対して、比較例No.
6,7は、球状化焼きなまし加熱保持時間を4hと長く
しても、いずれも長径/短径の比が2以下の炭化物の割
合が少なく、不十分な球状化組織となっている。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の鋼材の製
造方法によれば、熱間圧延に引き続く冷却の際、800 〜
500 ℃の温度範囲で磁場を印加するとともに、その温度
範囲における冷却速度を10℃/s以下とすることにより、
球状化焼きなまし前に球状炭化物を有する良好な組織が
得られ、安価な熱処理費用で十分に球状化を図ることが
できる、球状化焼きなまし処理性に優れる鋼材の製造が
可能となり、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
造方法によれば、熱間圧延に引き続く冷却の際、800 〜
500 ℃の温度範囲で磁場を印加するとともに、その温度
範囲における冷却速度を10℃/s以下とすることにより、
球状化焼きなまし前に球状炭化物を有する良好な組織が
得られ、安価な熱処理費用で十分に球状化を図ることが
できる、球状化焼きなまし処理性に優れる鋼材の製造が
可能となり、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図1】一般的な球状化焼きなましのヒートパターンを
示す図である。
示す図である。
【図2】従来の球状化焼きなましのヒートパターンの一
例を示す図である。
例を示す図である。
【図3】従来の球状化焼きなましのヒートパターンの一
例を示す図である。
例を示す図である。
【図4】実施例1における球状化焼きなましのヒートパ
ターンを示す図である。
ターンを示す図である。
【図5】実施例2における球状化焼きなましのヒートパ
ターンを示す図である。
ターンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 厚見 卓也 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所 (72)発明者 星野 俊幸 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所 (72)発明者 天野 虔一 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所 (72)発明者 下斗米 道夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 次工程で球状化焼きなまし処理を施す、
C:0.01〜0.8 mass%を含有する鋼材を熱間圧延を経て
製造する方法において、熱間圧延に引き続く冷却の際、
800 〜500 ℃の温度範囲で磁場を印加するとともに、そ
の温度範囲における冷却速度を10℃/s以下とすることを
特徴とする球状化焼きなまし処理性に優れた鋼材の製造
方法。 - 【請求項2】 次工程で球状化焼きなまし処理を施す、
C:0.8 〜2.0 mass%を含有する鋼材を熱間圧延を経て
製造する方法において、熱間圧延に引き続く冷却の際、
800 〜500 ℃の温度範囲で磁場を印加するとともに、そ
の温度範囲における冷却速度を10℃/s以下とすることを
特徴とする球状化焼きなまし処理性に優れた鋼材の製造
方法。 - 【請求項3】 磁場印加中の冷却速度を50℃/h以下とす
ることを特徴とする請求項1又は2記載の球状化焼きな
まし処理性に優れた鋼材の製造方法。 - 【請求項4】 磁場の強さを2〜30Tとし、磁場勾配を
絶対値で0.1 〜10T/cm とすることを特徴とする請求項
1又は2記載の球状化焼きなまし処理性に優れた鋼材の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10721897A JPH10298641A (ja) | 1997-04-24 | 1997-04-24 | 球状化焼きなまし処理性に優れた鋼材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10721897A JPH10298641A (ja) | 1997-04-24 | 1997-04-24 | 球状化焼きなまし処理性に優れた鋼材の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10298641A true JPH10298641A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14453493
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10721897A Pending JPH10298641A (ja) | 1997-04-24 | 1997-04-24 | 球状化焼きなまし処理性に優れた鋼材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10298641A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100325712B1 (ko) * | 1997-12-29 | 2002-07-31 | 포항종합제철 주식회사 | 구상화열처리의촉진이가능한베어링강선재의제조방법 |
| KR20180067892A (ko) * | 2016-12-13 | 2018-06-21 | 주식회사 포스코 | 고강도 저항복비형 미세 구상화 강판 및 그 제조방법 |
| CN113957209A (zh) * | 2021-09-07 | 2022-01-21 | 材谷金带(佛山)金属复合材料有限公司 | 一种高碳铬轴承钢强磁场快速球化退火工艺 |
-
1997
- 1997-04-24 JP JP10721897A patent/JPH10298641A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100325712B1 (ko) * | 1997-12-29 | 2002-07-31 | 포항종합제철 주식회사 | 구상화열처리의촉진이가능한베어링강선재의제조방법 |
| KR20180067892A (ko) * | 2016-12-13 | 2018-06-21 | 주식회사 포스코 | 고강도 저항복비형 미세 구상화 강판 및 그 제조방법 |
| CN113957209A (zh) * | 2021-09-07 | 2022-01-21 | 材谷金带(佛山)金属复合材料有限公司 | 一种高碳铬轴承钢强磁场快速球化退火工艺 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060516 |
|
| RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Effective date: 20060712 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060926 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |